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九州大学大学院 人間環境学府の外部院試を徹底解説|出願資格・試験科目・研究計画書・面接対策まで

九州大学大学院 人間環境学府の外部院試を徹底解説の記事アイキャッチ画像。大学院入試対策の出願資格・試験科目・対策を示す図解。
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九州大学大学院人間環境学府は、心理学・臨床心理学・健康科学・社会学・人類学・教育学・建築学という文系・理系にまたがる7分野を、都市共生デザイン専攻、人間共生システム専攻、行動システム専攻、教育システム専攻、空間システム専攻という5専攻11コースに再編成した文理横断型の大学院です。他大学の学部・大学院から外部受験する場合、専攻・コースごとに募集人員、出願資格、試験科目、語学スコアの要否、研究計画書の様式が異なるため、志望するコースの学生募集要項を軸に、専門科目・外国語・研究計画書・口述試験の対策を組み立てる必要があります。本記事では、九州大学大学院人間環境学府の公式サイトおよび学生募集要項(令和9年度4月入学 修士課程・夏季募集)を一次情報として、心理・社会・教育・建築という性格の異なる専攻をまたぐ人間環境学府ならではの募集人員・出願資格・専門科目の分岐、研究計画書の様式差、指導教員への事前連絡、倍率、過去問の扱いを整理します。修士課程に加えて博士後期課程・専門職学位課程(実践臨床心理学専攻)という3つの課程が並走している点も人間環境学府特有の構造なので、志望する課程・コースを取り違えないよう区別しながら読み進めてください。人間環境学府は専攻・コースごとに募集人員や試験日程を個別に公表しており、本記事の数値は令和9年度4月入学(夏季募集)の学生募集要項に基づくものです。次年度以降は専攻・コースごとに内容が変わり得るため、出願前には志望コースの最新の学生募集要項を人間環境学府公式サイトで必ず確認してください。

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目次

九州大学大学院 人間環境学府とは|5専攻11コースの構成と外部院試の位置づけ

九州大学人間環境学府は、公式サイトで「心理学、臨床心理学、健康科学、社会学、人類学、教育学、建築学の諸分野を一つの新たな文理横断型教育組織に融合・編成した学府」と説明されています。学部でいう教育学部・人間科学系・建築系の学びを、大学院段階でひとつの学府に統合した組織と捉えると理解しやすく、外部受験者にとっては、出身学部の名称よりも、志望する専攻・コースの研究領域が自分の関心とどれだけ重なるかを確認することが出発点になります。

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修士課程・博士後期課程は、都市共生デザイン専攻、人間共生システム専攻、行動システム専攻、教育システム専攻、空間システム専攻という5専攻・11コースで構成されています。これに加えて専門職学位課程として実践臨床心理学専攻が設置されており、こちらは臨床心理分野の専門職学位課程として日本で最初に設置されたコースです。修士課程(学術系)と専門職学位課程(実践系)のどちらを志望するかによって出願資格・試験科目・研究計画書の様式が異なるため、まず自分がめざす進路が研究者養成なのか高度専門職業人養成なのかを整理してください。

専攻コース主な分野
都市共生デザイン専攻アーバンデザイン学コース/都市災害管理学コース/持続都市建築システム国際コース都市計画・防災・建築デザイン
人間共生システム専攻臨床心理学指導・研究コース/共生社会学コース臨床心理学・社会学・文化人類学・比較宗教学
行動システム専攻心理学コース/健康・スポーツ科学コース心理学・健康科学・スポーツ科学
教育システム専攻現代教育実践システムコース/総合人間形成システムコース/教育学国際コース教育学・比較教育学・教育社会学
空間システム専攻建築計画学コース/建築環境学コース/建築構造学コース/持続都市建築システム国際コース建築計画・建築環境・建築構造

この一覧からもわかるとおり、同じ「人間環境学府」という名称のなかに、心理学系・社会学系・教育学系・建築学系という性格の異なる専攻が並んでいます。他大学の心理学科や教育学部から人間環境学府を志望する場合、専攻の名前だけで判断せず、コース単位でシラバスや担当教員の研究分野を確認し、自分の研究計画と接続できるかを見極める作業が欠かせません。

建築系のコースが都市共生デザイン専攻と空間システム専攻の2専攻にまたがって設置されている点も、人間環境学府の特徴のひとつです。都市共生デザイン専攻アーバンデザイン学コースと空間システム専攻建築計画学コースは、専門科目Ⅰ「建築学」という共通の枠組みを持ちながら、都市計画・防災寄りか、建築計画・環境・構造寄りかという重点の違いで専攻が分かれています。建築系の学部・学科から外部受験する場合は、都市計画・まちづくりに近いテーマなのか、建築単体の計画・環境・構造に近いテーマなのかによって、どちらの専攻・コースが自分の研究テーマに合うかを、担当教員の研究分野を確認しながら判断する必要があります。

外部受験者にとって特に重要なのは、都市共生デザイン専攻・人間共生システム専攻・行動システム専攻・教育システム専攻・空間システム専攻のいずれも、一般選抜・社会人特別選抜・外国人留学生特別選抜という3つの入試区分を設けている点です。区分ごとに出願資格・提出書類・試験科目が異なるため、自分がどの区分に該当するかを最初に確定させることが、その後の準備の精度を左右します。

専門職学位課程(実践臨床心理学専攻)という選択肢

心理系の資格取得をめざす受験者にとっては、修士課程の人間共生システム専攻臨床心理学指導・研究コースだけでなく、専門職学位課程の実践臨床心理学専攻も検討の対象になります。臨床心理学指導・研究コースは「臨床心理士」受験資格の第1種指定を受けており、大学(学部)等で必要な科目を修めて卒業した者は、同コースで所定の科目を修了することで「公認心理師」の受験資格も得られます。実践臨床心理学専攻は、こころの問題の複雑化・多様化に対応できる臨床心理学の高度専門職業人の輩出を目的とした、日本で最初に設置された臨床心理分野の専門職学位課程です。両者は学位の性格(修士〈学術〉と専門職学位)、研究者養成と高度専門職業人養成という目的、出願書類や試験科目が異なるため、資格取得と研究のどちらに比重を置きたいかで志望先を選び分ける必要があります。

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実施研究科・募集人員・出願資格(語学スコアを含む)

人間環境学府の入試は、修士課程では夏季(主に4月入学)と冬季(10月入学および一部専攻の追加の4月入学)の年2回、選考機会が設けられています。都市共生デザイン専攻・人間共生システム専攻・行動システム専攻・空間システム専攻の主要コースは夏季に募集し、教育システム専攻の教育学国際コースなど一部は冬季に募集するなど、専攻・コースによって募集時期が異なります。持続都市建築システム国際コース(都市共生デザイン専攻・空間システム専攻)も冬季募集です。

令和9年度(2027年)4月入学の修士課程(夏季募集・一般選抜)の募集人員は、次のとおり公表されています。

専攻夏季募集の対象コース募集人員
都市共生デザイン専攻アーバンデザイン学コース/都市災害管理学コース20名
人間共生システム専攻臨床心理学指導・研究コース/共生社会学コース11名
行動システム専攻心理学コース/健康・スポーツ科学コース17名
教育システム専攻現代教育実践システムコース/総合人間形成システムコース19名
空間システム専攻建築計画学コース/建築環境学コース/建築構造学コース28名

募集人員は夏季・冬季をとおした人数であり、社会人特別選抜・外国人留学生特別選抜の定員も含まれています。教育システム専攻の教育学国際コースは別途(冬季)募集となるため、上表の19名には含まれていません。都市共生デザイン専攻・空間システム専攻の持続都市建築システム国際コースも夏季は募集を行わず、冬季に別枠で募集されます。

出願資格は、区分にかかわらず学校教育法第83条に定める大学の卒業(見込み)者を中心に、次のような対象者が含まれます。

  • 学校教育法第83条に定める大学を卒業した者、および卒業見込みの者
  • 大学改革支援・学位授与機構(旧・大学評価・学位授与機構)から学士の学位を授与された者、および授与される見込みの者
  • 外国において学校教育における16年の課程を修了した者、および修了見込みの者
  • 専修学校の専門課程のうち文部科学大臣が別に指定するものを修了した者
  • 大学に3年以上在学し、所定の単位を優れた成績で修得したと学府が認めた者(個別の出願資格審査が必要)
  • 22歳以上で、個別の出願資格審査により大学卒業者と同等以上の学力があると認められた者

行動システム専攻健康・スポーツ科学コースの社会人特別選抜は、上記の資格に加えて大学卒業後1年以上の関連分野での活動歴が求められる点が他コースと異なります。個別の出願資格審査(大学3年在学・22歳以上等)に該当する場合は、出願期間よりも1か月以上前(令和9年度4月入学の夏季募集では令和8年6月10日)までに、出願資格事前審査申請書等の書類を人文社会科学系事務部学務課(人間環境学府担当、電話092-802-6362)へ提出する必要があります。出願資格に該当するかどうかを自己判断で進めず、少しでも不安があれば同課へ早めに相談してください。個別審査は申請締切(令和8年6月10日)から結果発送(令和8年7月2日)まで3週間弱で行われるため、締切直前の駆け込み申請は避けるべきです。

個別の出願資格審査が必要になりやすいのは、大学に3年以上在学し優れた成績を修めた早期卒業志望者や、高専・短大・専門学校からの受験者、22歳以上で大学卒業歴のない受験者です。これらに該当する場合、審査結果が届くまでは出願の可否が確定しないため、出願期間が始まってから慌てて動くのではなく、募集要項に示された審査申請の締切(令和9年度4月入学の夏季募集では令和8年6月10日)を起点に、逆算してスケジュールを組む必要があります。審査に必要な書類は出願資格事前審査申請書、入学願書・履歴書、成績証明書、卒業(見込)証明書、コース指定の追加出願書類で、通常の出願書類と重複する部分も多いため、早めに準備を始めれば出願本番の負担も軽減できます。

出願書類の共通ルールと検定料

専攻・コースを問わず共通して提出する書類は、入学願書・履歴書・受験票・照合票(いずれも所定の様式)、最終学校の成績証明書・卒業(見込)証明書、入学検定料30,000円、受験票返送用の封筒(長形3号に速達分の切手410円を貼付)、住所票です。写真は出願前3か月以内に撮影した上半身脱帽のものを使うよう指定されており、証明写真の準備を出願直前に慌てて行うと再撮影が必要になることもあるため、早めに用意しておくと安心です。検定料は日本政府(文部科学省)国費留学生を除いて全員が納付し、出願書類受理後は原則として払い戻されません。

冬季募集(教育システム専攻・国際コース等)の位置づけ

夏季募集の対象外となるコースは、冬季(10月実施・10月入学または翌年4月入学)に選考機会が設けられています。教育システム専攻の教育学国際コースは冬季募集が中心で、都市共生デザイン専攻・空間システム専攻の持続都市建築システム国際コース、人間共生システム専攻臨床心理学指導・研究コースと教育システム専攻の社会人特別選抜の一部枠も冬季に募集される年度があります。冬季募集は夏季募集と募集人員・出願資格・試験科目の詳細が異なる場合があるため、志望するコースが夏季・冬季のどちらで募集されるかを、出願を検討し始めた早い段階で確認しておくことが重要です。

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語学スコア(TOEIC・TOEFL・IELTS)の扱いはコースごとに異なる

人間環境学府の外国語は、コースによって「外部スコア提出型」と「当日筆記型」の2種類に分かれます。都市共生デザイン専攻・人間共生システム専攻・行動システム専攻(心理学コース)・教育システム専攻・空間システム専攻は、TOEIC・TOEFL・IELTSのいずれかの成績証明書を出願書類として提出し、そのスコアで外国語の評価が行われます。一方、行動システム専攻健康・スポーツ科学コースのみ、試験当日に英語の筆記試験(辞書の持込可、電子辞書の持込不可)が課される仕組みです。

専攻・コース語学要件備考
都市共生デザイン専攻・空間システム専攻TOEIC・TOEFL・IELTSのいずれか顔写真付きの公式スコアレポート、出願締切から2年以内
人間共生システム専攻(両コース)TOEICまたはTOEFLIELTSは対象外
行動システム専攻 心理学コースTOEIC(L&R)またはTOEFL団体特別受験制度(IP等)も利用可
行動システム専攻 健康・スポーツ科学コース提出不要(試験当日に英語筆記+小論文)辞書持込可、電子辞書持込不可
教育システム専攻TOEIC(L&R)・TOEFL・IELTSのいずれか団体特別受験制度も利用可

提出するスコアには出願締切日から遡って2年以内、令和9年度4月入学(夏季募集)では令和6(2024)年7月22日以降に受験したものという有効期限が設定されており、団体特別受験制度によるスコアは認められません(TOEIC IP、カレッジTOEIC、TOEFL ITP等。行動システム専攻心理学コースは例外として利用可)。TOEIC Speaking & Writing Test等やIELTS General Training Moduleも対象外です。証明書は原本提出のほか、公証された写しの提出、または実施機関からの直送(TOEFLはDIコード「C988」宛)にも対応しています。

語学スコアの提出が必要なコースを志望する場合は、出願期間の直前ではなく数か月前から受験の計画を立てておく必要があります。とりわけ実施機関からの直送を選ぶ場合(TOEFLはDIコード「C988」宛)は、出願締切(令和8年7月21日午後5時)までに大学側へ必着させる日数を見込む必要があり、検定料支払期間(令和8年7月7日〜7月21日)や願書受付期間そのものと重なる時期に手続きが集中しやすい点にも注意が必要です。目標スコアに届かず再受験が必要になるケースも想定し、出願締切から逆算して複数回受験できる余裕を持ったスケジュールを組んでおくと安心です。

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試験科目を徹底解説|専門科目・外国語・研究計画書・口述試験

人間環境学府の学力試験は、筆記試験(専門科目・一部は外国語)と口述試験の組み合わせで行われ、これに出願書類等を加えて総合的に合否が判定されます。専門科目は専攻・コースごとに設定が異なり、都市共生デザイン専攻・空間システム専攻は「専門科目Ⅰ」「専門科目Ⅱ」という二段構成で、出願時にあらかじめ選択科目を決めておく必要があります。

「学力試験と出願書類等を総合して判定する」という表現は、募集要項の入学考査方法の項目に共通して使われている文言です。各科目の配点や合否の基準となる得点は公表されていないため、特定の科目で高得点を取れば他の科目の不足を必ず補えるという保証はありません。都市共生デザイン専攻・空間システム専攻は専門科目Ⅰ・Ⅱの二段構成、人間共生システム専攻・行動システム専攻・教育システム専攻は単一の専門科目という違いはあるものの、いずれのコースも外国語・専門科目・口述試験のどれか一つに極端な弱点を残さないよう、出願書類(研究計画書・研究経過報告書・論文等)を含めた全体のバランスを意識して対策を進めることが、募集要項の記載から読み取れる人間環境学府共通の基本方針です。

専攻・コース専門科目の構成
都市共生デザイン専攻アーバンデザイン学コース/空間システム専攻建築計画学コース専門科目Ⅰ(建築学 または 心理学領域)+専門科目Ⅱ(建築計画・建築環境・建築構造・心理学から選択)
人間共生システム専攻臨床心理学指導・研究コース臨床心理学、心理学及び心理学研究法に関する専門科目
人間共生システム専攻共生社会学コース社会学、文化人類学、比較宗教学のうちから1科目を出願時に選択
行動システム専攻心理学コース心理学研究法(実験計画法・心理測定法・心理調査法・心理統計学等)+心理学全般の基礎知識
行動システム専攻健康・スポーツ科学コース共通科目+運動・スポーツ心理学系等4系統から1科目選択(英語筆記・小論文を含む)
教育システム専攻(両コース)教育学に関する共通科目+専門科目(教育行政学・比較教育学等から1科目選択)

都市共生デザイン専攻アーバンデザイン学コースと空間システム専攻建築計画学コースは、専門科目Ⅰで建築学か心理学領域かを選択したうえで、専門科目Ⅱで建築計画・建築環境・建築構造・心理学のいずれかを選ぶという二段階の選択制になっています。専門科目Ⅱの選択にあたっては、希望する指導教員と事前に相談したうえで出願時に選択科目を決める必要がある点も見落とせません。

行動システム専攻心理学コースは、心理学研究法と心理学全般の基礎知識という2つの専門科目で構成され、健康・スポーツ科学コースは共通科目に加えて4系統から1科目を出願時に選択します(運動・スポーツ心理学系、スポーツ文化・社会学系、運動生理・生化学系、運動疫学・処方系)。教育システム専攻は、教育学に関する共通科目と、教育行政学・教育方法学・社会教育学など複数の専門科目から1科目を選ぶ構成です。

試験当日の時間割(令和8年8月18日・19日)

令和9年度4月入学の一般選抜・社会人特別選抜は、いずれも九州大学伊都キャンパスのイーストゾーンで実施され、1日目に筆記試験、2日目に口述試験という構成が共通しています。専攻・コースによって試験時間が異なるため、志望するコースの時間割を早めに把握しておくことが当日の動き方をイメージするうえで役立ちます。

専攻・コース1日目(8月18日)筆記試験2日目(8月19日)口述試験
都市共生デザイン専攻アーバンデザイン学コース/空間システム専攻建築計画学コース専門科目Ⅰ 9:00〜12:30、専門科目Ⅱ 13:30〜16:3013:00〜(建築計画学コースも同時刻)
人間共生システム専攻臨床心理学指導・研究コース専門科目 9:30〜11:309:00〜(16時頃までかかる場合あり)
人間共生システム専攻共生社会学コース専門科目 9:30〜11:30、口述試験 13:00〜(1日目のうちに実施)―(1日目に終了)
行動システム専攻心理学コース専門科目 12:30〜14:3010:00〜
行動システム専攻健康・スポーツ科学コース外国語 9:30〜11:30、専門科目 12:30〜15:009:30〜
教育システム専攻(両コース)専門科目 9:30〜12:009:30〜

専門科目Ⅰ「建築学」を選択する場合は、計画・環境・構造の3系統に時間を区切った時間割(計画9:00〜10:00、環境10:15〜11:15、構造11:30〜12:30)が組まれており、3系統をひとつの試験時間のなかで順番に解答する形式です。健康・スポーツ科学コースの専門科目は選択科目12:30〜13:30、共通科目14:00〜15:00という二部構成で、外国語の試験時間も含めると1日目の拘束時間が長くなるため、集中力の配分を考えた当日のスケジュール管理が必要です。人間共生システム専攻共生社会学コースは、他のコースと異なり筆記試験と口述試験が1日目(8月18日)のうちに完結する点も見落とせないポイントで、2日目に移動する他コースとは当日のスケジュール感が異なります。

口述試験はコースによって形式が大きく異なる

口述試験は「提出された論文、専攻の分野又は当日提示される課題を通した口頭試問」が基本ですが、コースごとに実施方法の細かい指定があります。

  • 人間共生システム専攻臨床心理学指導・研究コース:当日提示される課題を通した口頭試問。研究経過・研究計画に関する説明資料をA4用紙4枚以内で10部準備し持参する。
  • 行動システム専攻心理学コース:研究経過・研究計画に関する説明資料を12部準備し持参する。パソコン(Windows)とプロジェクターの使用が可能で、データはUSBフラッシュメモリーで持参する。
  • 教育システム専攻:研究経過報告書・研究計画書に基づいて実施。当日は必ず持参する。

研究経過及び研究計画の説明資料は追加出願書類の研究経過報告書・研究計画書の単なる補足資料ではなく、これ自体が審査対象になる点が募集要項で明記されています。口述試験の配点や合否判定の比重は公表されていないため、筆記試験さえ通過すればよいという考え方ではなく、出願書類の作成段階から口述試験を意識して内容を練り上げることが重要です。

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研究計画書・指導教員への事前連絡・研究室訪問

研究計画書・研究経過報告書の提出要否と字数制限は、専攻・コースによって次のように異なります。

専攻・コース提出書類と字数
都市共生デザイン専攻アーバンデザイン学コース研究計画書3,000字以内(心理学領域志望者のみ提出)
人間共生システム専攻臨床心理学指導・研究コース論文(卒業論文等)+研究経過報告書2,000字以内+志望理由・研究計画書3,000字以内
人間共生システム専攻共生社会学コース論文(卒業論文または志望専攻に関する内容の論文、20,000字程度)
行動システム専攻心理学コース研究経過報告書2,000字以内+研究計画書3,000字以内
行動システム専攻健康・スポーツ科学コース研究経過報告書2,000字以内+研究計画書3,000字以内
教育システム専攻(両コース)研究経過報告書2,000字以内+研究計画書3,000字以内

都市共生デザイン専攻アーバンデザイン学コースは心理学領域志望者のみ研究計画書(3,000字以内)の提出が必要で、建築学領域志望者には研究計画書の提出義務がありません。一方、人間共生システム専攻・行動システム専攻・教育システム専攻の多くのコースは、研究経過報告書(2,000字以内)と研究計画書(3,000字以内)の両方を提出する構成になっており、卒業論文の有無によって記載内容の指示が分かれています。

卒業論文を作成した場合はその概要と現在進めている研究の経過を、卒業論文がない場合は在学中の研究や現在進めている研究の概要と経過を記載するよう求められています。外部受験者で卒業論文がまだ完成していない、あるいはそもそも卒業論文を課さない学部に在籍している場合も、この指示に沿って現時点での研究の進み具合を具体的に書けば対応できます。

研究計画書と専門科目の対策は、別々に進めるのではなく同時並行で内容をすり合わせていくと効率的です。専門科目の学習を通じて知った理論や先行研究を研究計画書の先行研究レビューに反映させ、逆に研究計画書で扱う研究テーマに関連する専門科目の分野を優先的に学習するというように、双方向で内容を往復させることで、口述試験での説明にも一貫性が生まれます。特に人間共生システム専攻・行動システム専攻のように研究経過報告書と研究計画書の両方を提出するコースでは、記載する研究テーマが専門科目の選択科目と矛盾しないよう、出願書類を作成する前に専門科目の対策範囲をある程度固めておくことをおすすめします。

指導教員への事前連絡は出願前の必須ステップ

人間環境学府の学生募集要項には、「あらかじめ指導を希望する教員と相談し、出願すること」という一文が、一般選抜・社会人特別選抜・外国人留学生特別選抜のいずれにも共通して明記されています。特に都市共生デザイン専攻・空間システム専攻は、第一希望の教員だけでなく第二希望の教員についても必ず事前に相談を行うことと指定されており、外部受験者はこの手続きを軽視できません。

連絡方法は人間環境学府公式サイトの「指導希望教員への事前連絡方法」というページ(https://www.hues.kyushu-u.ac.jp/candidate/examination/#section06)で案内されており、日本の大学を卒業した志願者は九州大学研究者情報に掲載されているメールアドレスを用いて指導を希望する教員に連絡するのが基本ルートです。海外の大学出身者は教員が指定する方法に従う必要があり、方法によっては出願期間開始の数週間前までに手続きを済ませておく必要があるとされています。

対面での研究室訪問が必須と誤解されがちですが、実際にはメールでのやり取りだけで事前連絡を完了させるケースも珍しくありません。九州大学研究者情報のページで担当教員の研究業績・担当授業・修了生の研究テーマを確認したうえで、自分の研究計画がその教員の指導範囲とどう重なるのかを簡潔にまとめてメールを送ると、返信を得やすくなります。特に建築系の専門科目Ⅱの選択(建築計画・建築環境・建築構造)は指導教員との事前相談が前提とされているため、出願書類の作成よりも先に、この連絡を済ませておく必要があります。

最初の連絡メールでは、所属大学・学年、研究関心のある分野、現時点での研究テーマの概要、志望理由を簡潔にまとめることが基本です。長文の研究計画書を最初から送りつけるのではなく、まずは自己紹介と関心分野を数段落で伝え、面談や追加のやり取りを通じて研究計画を具体化していく進め方のほうが、教員側も返信しやすくなります。都市共生デザイン専攻・空間システム専攻のように第二希望の教員にも連絡が必要なコースでは、第一希望・第二希望それぞれに同じ丁寧さで連絡することが求められます。返信が届くまでに時間がかかることもあるため、出願期間の直前ではなく、出願資格審査の申請期限と同じか、それより早い時期に最初の連絡を済ませておくと安心です。

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出願から入学までのスケジュール

令和9年度(2027年)4月入学、修士課程(夏季募集・一般選抜/社会人特別選抜/外国人留学生特別選抜共通)のスケジュールは、次のとおり公表されています。

項目日程
出願資格審査申請締切(該当者のみ)令和8年6月10日(水)
検定料支払期間令和8年7月7日(火)〜7月21日(火)
出願(願書受付)期間令和8年7月14日(火)〜7月21日(火)午後5時
筆記試験令和8年8月18日(火)
口述試験令和8年8月19日(水)
合格者発表令和8年9月9日(水)午前10時
入学時期令和9年4月1日

試験は筆記試験と口述試験が別日程で実施され、2026年8月18日(火)に筆記試験、翌19日(水)に口述試験という2日間の日程です。会場はいずれも九州大学伊都キャンパスのイーストゾーンで、専攻・コースによって集合時刻や試験時間帯が異なるため、受験票に記載された時間割を出願後すぐに確認しておく必要があります。

検定料は30,000円で、e-支払サイトを通じたコンビニ払いまたはクレジットカード・銀聯ネット決済で納付します。日本国外からの支払いはクレジットカード・銀聯ネット決済のみに限られる点にも注意してください。入学料は282,000円(予定)、年額の授業料は535,800円(半期267,900円、予定)で、いずれも学生納付金改定が行われた場合は改定時から新たな金額が適用されます。

入学手続きと長期履修学生制度

合格後の入学手続き書類は令和9年2月中旬に送付され、入学手続き期間は令和9年2月下旬から3月初旬まで(予定)とされています。社会人受験者や職業を持ちながら通学する受験者にとって参考になるのが、長期履修学生制度です。標準修業年限(2年)を超えて計画的に教育課程を履修し修了することを希望する場合、教授会の定めるところにより計画的な履修が認められ、1年間に納める授業料は標準修業年限2年分の総額を履修年数で割った額になります(在学期間が3年または4年の場合)。仕事や家庭の事情で毎年フルの単位数を履修することが難しい社会人受験者は、出願前にこの制度の利用可否を検討しておくと、入学後の学修計画に余裕を持たせやすくなります。

教育システム専攻の教育学国際コースなど一部のコースは冬季(10月実施)にも選考機会が設けられています。夏季の一般選抜で不合格だった場合でも、志望するコースに冬季募集の枠があれば再挑戦の機会がありますが、募集の有無や定員は年度・コースによって変わるため、最新の学生募集要項で確認してください。

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倍率・難易度をどう見るか

人間環境学府は、修士課程の志願者数・合格者数を専攻・コース別、選抜区分別に公式サイトで実数として公表しています。令和7年度・令和8年度(いずれも4月入学)の実績は次のとおりです。

年度(4月入学)選抜区分志願者数合格者数
令和8年度一般選抜127名92名
社会人特別選抜9名8名
外国人留学生特別選抜15名11名
合計151名111名
令和7年度一般選抜154名106名
社会人特別選抜4名3名
外国人留学生特別選抜22名14名
合計180名123名

令和8年度4月入学の修士課程全体では、志願者151名に対して合格者111名で、全体の実質倍率はおよそ1.4倍という水準でした。令和7年度4月入学は志願者180名に対して合格者123名で、倍率はおよそ1.5倍です。ただし、この数字は5専攻・11コースを合算した全体像であり、志望するコース単位で見ると数字は大きく異なります。

専攻・コース(令和8年度4月入学)志願者数合格者数
アーバンデザイン学コース(計)20名16名
建築環境学コース21名17名
建築構造学コース(計)18名13名
共生社会学コース13名7名
臨床心理学指導・研究コース(計)11名5名
心理学コース(計)15名12名
健康・スポーツ科学コース(計)8名6名
現代教育実践システムコース(計)15名11名

コース別の実績を見ると、建築環境学コースのように志願者に対して合格者の割合が高いコースがある一方、共生社会学コース(志願13名・合格7名)や臨床心理学指導・研究コース(合計志願11名・合格5名)のように、志願者の半数前後しか合格しない年度もあります。都市災害管理学コースのように志願者・合格者ともに1名という年度もあり、募集人員が少人数のコースは1名の増減が倍率に大きく影響するため、複数年度分の数字を横並びで見て傾向をつかむことが重要です。

令和7年度から令和8年度にかけての推移を見ると、修士課程全体の一般選抜志願者数は154名から127名へと減少していますが、これをもって「難易度が下がった」と単純に結論づけることはできません。合格者数も106名から92名へと同時に減少しており、合格率(合格者数÷志願者数)で見ると令和7年度がおよそ69%、令和8年度がおよそ72%と、大きくは変わっていないためです。倍率や志願者数の単年度の増減だけに注目するのではなく、合格率のような複数の指標をあわせて確認することで、より実態に近い難易度の把握につながります。

専門職学位課程の実践臨床心理学専攻は、修士課程とは別集計で志願者・合格者数が公表されており、令和8年度4月入学は志願者65名(一般選抜63名・社会人特別選抜2名)に対して合格者30名、令和7年度4月入学は志願者45名に対して合格者29名でした。修士課程の人間共生システム専攻臨床心理学指導・研究コースと合わせて、心理系の資格取得をめざす受験者からの人気が高いコースだといえます。

修士課程修了後にそのまま進学する受験者が多い博士後期課程も、同じく志願者数・合格者数が公表されています。令和8年度4月入学は志願者42名に対して合格者40名(一般選抜33名志願・31名合格、社会人特別選抜9名志願・9名合格)、令和7年度4月入学は志願者41名に対して合格者37名(一般選抜34名志願・31名合格、社会人特別選抜6名志願・5名合格、外国人留学生特別選抜1名志願・1名合格)でした。修士課程に比べて博士後期課程は志願者数に対する合格者数の割合が高い傾向がうかがえますが、博士後期課程は修士課程とは別に学生募集要項が発行されているため、出願資格・提出書類・研究指導教員への相談の要否は博士後期課程用の募集要項で個別に確認してください。

修士課程・博士後期課程・専門職学位課程の3課程を実質倍率(志願者数÷合格者数)で比べると、次のような違いが見えてきます。

課程令和8年度4月入学令和7年度4月入学
修士課程(全体)志願151名/合格111名(約1.4倍)志願180名/合格123名(約1.5倍)
博士後期課程(全体)志願42名/合格40名(約1.1倍)志願41名/合格37名(約1.1倍)
専門職学位課程(実践臨床心理学専攻)志願65名/合格30名(約2.2倍)志願45名/合格29名(約1.6倍)

3課程のなかでは、専門職学位課程(実践臨床心理学専攻)の倍率がもっとも高い水準にあります。公認心理師・臨床心理士という資格取得に直結するコースであることが、志願者数の多さにつながっていると考えられます。博士後期課程は志願者数に対して合格者数の割合が高い数字になっていますが、修士課程とは出願資格・提出書類・審査の観点が異なる可能性があるため、倍率の数字だけで「入りやすい」と単純に判断せず、博士後期課程用の学生募集要項で個別に要件を確認してください。

この傾向は専攻単位で合算するとさらに明確になります。令和8年度4月入学の実績を専攻ごとに合計すると、空間システム専攻(建築計画学・建築環境学・建築構造学の3コース計)は志願50名に対して合格38名で倍率およそ1.3倍である一方、人間共生システム専攻(臨床心理学指導・研究コース・共生社会学コースの2コース計)は志願24名に対して合格12名で倍率およそ2.0倍と、同じ人間環境学府のなかでも専攻によって選考の厳しさに差があります。倍率はあくまで結果指標であり、出願者の母集団の質や年度ごとの応募状況によって変動するため、この数字だけで難易度を判断せず、募集人員・出願資格・試験科目という制度面の情報と合わせて対策の優先順位を組み立ててください。

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過去問分析と出題予測・面接(口述試問)対策

人間環境学府は過去3年分の入試問題を公開していますが、公開方法は専攻・コースによって2種類に分かれます。

公開方法対象専攻・コース
窓口閲覧のみ(印刷・撮影不可、自筆での転記のみ)都市共生デザイン専攻、空間システム専攻、人間共生システム専攻共生社会学コース、教育システム専攻
配付可能(窓口請求または郵送請求)人間共生システム専攻臨床心理学指導・研究コース、行動システム専攻(心理学コース・健康スポーツ科学コース)、実践臨床心理学専攻

窓口閲覧のみのコースは、九州大学イースト1号館1階の人文社会科学系事務部学務課(人環・教育担当)で、平日8:30〜17:15の間に印刷・撮影不可・自筆での転記のみという条件で閲覧する形式です。配付が可能なコースは、窓口での請求のほか郵送による請求にも対応しています。志望するコースがどちらに該当するかで過去問対策にかけられる時間の使い方が変わってくるため、早い段階で公式サイトの入試案内から請求方法を確認しておくことをおすすめします。

都市共生デザイン専攻・空間システム専攻・教育システム専攻のように窓口閲覧のみで持ち帰りができないコースを志望する場合は、限られた閲覧時間のなかで出題形式・設問数・記述量を効率よく記録する準備をしておく必要があります。事前に専門科目のどの分野を優先的に確認したいかを整理したうえで閲覧に臨み、閲覧直後に記憶が新しいうちに設問の骨子や出題傾向をノートにまとめておくと、限られた閲覧時間を最大限に活用できます。遠方に在籍していて閲覧のために来学する時間が取りにくい場合は、来学のタイミングを研究室訪問や進学説明会と合わせて計画すると移動の負担を抑えられます。

専門科目の出題傾向をどう読むか

過去問そのものの出題内容を本記事で転載することはできないため、ここでは募集要項に示された専門科目の構成から見た出題予測を紹介します。断定的な予想ではなく、あくまで募集要項から読み取れる傾向として参考にしてください。

都市共生デザイン専攻・空間システム専攻の建築系コースは、専門科目Ⅰ(建築学)を計画・環境・構造の3系統に時間を区切って出題することが試験時間割から読み取れます。3系統それぞれに1時間程度が割り当てられていることから、いずれか一分野に偏らず、計画・環境・構造の基礎を横断的に学習しておく必要があると考えられます。専門科目Ⅱでは希望する指導教員の専門分野に近い選択科目を選ぶ受験者が多いと推測されるため、指導教員への事前連絡の段階で、専門科目Ⅱの対策範囲についても相談しておくと効率的です。

行動システム専攻心理学コースは、心理学研究法という方法論の科目と、心理学全般の基礎知識という2本立ての構成から、実験計画法・心理測定法・心理調査法・心理統計学といった研究法の基礎を確実に押さえたうえで、知覚・認知・発達・教育・社会・心理学史という基礎知識を幅広く学習しておくことが対策の中心になると考えられます。共生社会学コースは社会学、文化人類学、比較宗教学のうちから1科目を出願時に選択する仕組みのため、選択科目を早期に絞り込み、その分野の基本文献・先行研究を重点的に読み込む学習計画が有効です。

教育システム専攻現代教育実践システムコースは、教育学に関する共通科目に加え、多岐にわたる専門科目から1科目を出願時に選択します(教育行政学・教育工学・教育方法学・社会教育学等)。総合人間形成システムコースは比較教育学(比較国際教育学・比較教育制度論・比較教育文化論)・教育哲学・教育社会学・異文化間教育論から選択する構成で、いずれも研究計画書のテーマと専門科目の選択を一致させておくと、口述試験での説明にも一貫性が出ます。

健康・スポーツ科学コースの英語筆記・小論文対策

行動システム専攻健康・スポーツ科学コースは、他のコースと異なり外部スコアではなく試験当日の英語筆記と小論文的な専門科目で評価される唯一のコースです。英語は辞書の持込が可能な一方、電子辞書は持込不可と指定されているため、紙の辞書を使った時間配分の感覚を事前につかんでおく必要があります。専門科目は共通科目と、運動・スポーツ心理学系、スポーツ文化・社会学系、運動生理・生化学系、運動疫学・処方系という4系統から出願時に選択した1系統の組み合わせで出題されます。社会人特別選抜では大学卒業後1年以上の関連分野での活動歴が出願資格に加わるため、実務経験のなかで得た知見と専門科目の学習内容を結びつけて説明できるようにしておくと、研究計画書や口述試験の一貫性が高まります。

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面接(口述試問)対策の考え方

口述試験は「提出された論文、専攻の分野又は当日提示される課題を通した口頭試問」という共通の説明に加え、コースごとに固有の実施方法が定められています。人間共生システム専攻臨床心理学指導・研究コースと行動システム専攻心理学コースは、研究経過・研究計画に関する説明資料を複数部準備して持参する形式であり、限られた時間で自分の研究計画を過不足なく説明する構成力が問われます。

説明資料を作成する際は、研究の背景・目的・先行研究の整理・研究方法・研究の意義という骨子を、A4用紙数枚に収まる分量で簡潔にまとめる練習が有効です。この資料は募集要項で「研究経過報告書、研究計画書等の単なる補足資料ではない」と明記されており、それ自体が審査対象になります。専門科目で学んだ理論や研究法を、自分の研究計画のなかでどう使うのかを説明できるように、専門科目の学習と口述試験の準備を並行して進めることが望まれます。

教育システム専攻は研究経過報告書・研究計画書に基づいて口述試験が実施されるため、出願書類に書いた内容と矛盾のない説明ができるよう、提出前に自分の研究計画を声に出して説明する練習をしておくとよいでしょう。研究計画書に記載した研究方法や先行研究について、なぜその方法を選んだのか、他の方法ではなぜ不十分なのかという掘り下げた質問に備えておくことが、どのコースでも共通して有効な対策です。

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併願・内部リンク

人間環境学府を第一志望とする場合でも、研究テーマが近い研究科・専攻を1〜2校併願しておくと、当日の出題内容や体調によって結果が左右されるリスクを分散できます。併願先を選ぶ際は、大学の知名度だけでなく、試験日程の重複、語学スコアの提出締切、指導教員への事前連絡の要否という3点を軸に比較すると、準備の負担を抑えながら選択肢を広げられます。

令和9年度4月入学の夏季募集は、出願期間が7月中旬、試験が8月中旬という比較的早い時期に選考が行われる点も、併願計画を立てるうえで意識しておきたいポイントです。9月上旬に合格発表があるため、他大学の大学院入試を10月以降に控えている受験者にとっては、九州大学大学院人間環境学府の結果を見てから他大学の対策に注力するかどうかを判断できるという利点があります。反対に、教育システム専攻の教育学国際コースなど冬季募集のコースを志望する場合は、他大学の秋季・冬季入試と日程が重なりやすいため、併願校の試験日程を早めに一覧化しておくことをおすすめします。

比較軸確認するポイント
試験日程の重複筆記・口述試験の日程が他の志望校と重ならないか
語学スコアの提出締切TOEIC・TOEFL・IELTS等の受験・スコア到着が出願締切に間に合うか
指導教員への事前連絡の要否第二希望教員への連絡が必須かどうかで準備の着手時期が変わる
研究計画書の様式・字数コースごとに異なる様式・字数制限に個別対応できるか

特に心理系(人間共生システム専攻臨床心理学指導・研究コース、行動システム専攻心理学コース、実践臨床心理学専攻)を志望する場合は、公認心理師・臨床心理士の受験資格取得を見据えて他大学の指定大学院とあわせて比較検討する受験者が多い分野です。心理系大学院全般の予備校選びや対策の考え方は心理系大学院予備校の選び方を解説した記事で整理していますので、あわせて確認してください。

研究計画書の構成や書き方に不安がある場合は研究計画書の書き方を徹底解説した記事を参考にしてください。人間環境学府の研究計画書は様式・字数がコースごとに細かく指定されているため、限られた記入欄で研究テーマ・研究方法・研究の意義を過不足なく伝える構成力を、早い段階から練習しておくことが有効です。

社会人特別選抜での出願を検討している場合は社会人の大学院入試対策を解説した記事も参考になります。大学院入試全体の進め方やスケジュールの立て方は大学院入試対策の完全ガイドで整理していますので、九州大学大学院人間環境学府固有の準備と合わせて、出願全体の流れを先に把握しておくと安心です。

出願資格の解釈、建築系・心理系・教育系・社会学系と分野が分かれる専門科目の対策、コースごとに字数の異なる研究計画書の添削、口述試験の想定問答づくりを個別に相談したい場合は、大学院入試対策コースで、志望する専攻・コースと現在の学習状況に合わせた対策を相談できます。都市共生デザイン専攻・空間システム専攻のように第二希望の教員への事前連絡が必須なコースを含め、指導教員への事前連絡や研究室訪問の進め方など公式サイトだけでは判断しづらい部分も、早めに専門家へ相談しておくことをおすすめします。

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よくある質問(FAQ)

他大学の学部からでも九州大学大学院人間環境学府を受験できますか。

人間環境学府は5専攻11コースのいずれも学部・学科の名称を出願資格として指定していないため、出願資格を満たしていれば他大学の学部からの受験(外部受験)は可能です。学校教育法第83条に定める大学の卒業(見込み)者であれば、大学名や学部を問わず出願資格の基本条件を満たします。短大・高専卒業者や22歳以上の受験者、大学に3年以上在学した者は個別の出願資格審査が必要で、令和9年度4月入学(夏季募集)では出願期間より1か月以上前の令和8年6月10日が申請締切、審査結果は令和8年7月2日に発送される予定です。次年度以降は日程が変わるため、最新の学生募集要項で締切日を必ず確認してください。

TOEIC・TOEFL・IELTSのスコア提出は必須ですか。

コースによって異なります。都市共生デザイン専攻・人間共生システム専攻・行動システム専攻心理学コース・教育システム専攻・空間システム専攻は出願書類としてスコア証明書の提出が必要です。行動システム専攻健康・スポーツ科学コースのみ、外部スコアの提出は不要で、試験当日に英語の筆記試験(小論文を含む)が課されます。

研究計画書はすべてのコースで必須ですか。

都市共生デザイン専攻アーバンデザイン学コースは、心理学領域志望者のみ研究計画書の提出が必要で、建築学領域志望者には提出義務がありません。人間共生システム専攻・行動システム専攻・教育システム専攻の多くのコースは、研究経過報告書と研究計画書の両方の提出が求められます。共生社会学コースは研究計画書に代えて論文(卒業論文等)の提出が中心です。

指導教員への事前連絡や研究室訪問は必須ですか。

学生募集要項には、あらかじめ指導を希望する教員と相談したうえで出願することが全専攻・全選抜区分に共通して明記されています。都市共生デザイン専攻・空間システム専攻は第二希望の教員についても必ず事前に相談を行うことと指定されており、他の専攻よりも入念な準備が必要です。

過去問はどこで確認できますか。

直近3年分の入試問題が公開されています。4専攻・コースは窓口閲覧のみ(都市共生デザイン専攻・空間システム専攻・人間共生システム専攻共生社会学コース・教育システム専攻、印刷・撮影不可、自筆での転記のみ)、それ以外の一部コースは窓口または郵送での配付請求が可能です。詳細は人間環境学府公式サイトの入試案内で確認してください。

倍率はどのくらいですか。

令和8年度4月入学の修士課程全体は志願者151名に対して合格者111名(実質倍率およそ1.4倍)、令和7年度4月入学は志願者180名に対して合格者123名(およそ1.5倍)でした。ただしコース別に見ると数字の差は大きく、共生社会学コースや臨床心理学指導・研究コースのように志願者の半数前後しか合格しないコースもあります。

社会人でも出願できますか。

都市共生デザイン専攻・人間共生システム専攻(一部コースは冬季)・行動システム専攻・空間システム専攻に社会人特別選抜が設けられています。行動システム専攻健康・スポーツ科学コースは、他の出願資格に加えて大学卒業後1年以上の関連分野での活動歴が求められる点に注意してください。

夏季募集で不合格でも冬季に再挑戦できますか。

コースによります。都市共生デザイン専攻・人間共生システム専攻・行動システム専攻・空間システム専攻の主要コースは夏季のみの募集ですが、教育システム専攻の教育学国際コースなど一部は冬季にも選考機会が設けられています。冬季募集の有無・定員は年度によって変わるため、最新の学生募集要項で必ず確認してください。

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まとめ

九州大学大学院人間環境学府は、都市共生デザイン専攻・人間共生システム専攻・行動システム専攻・教育システム専攻・空間システム専攻という5専攻11コースで構成され、コースごとに募集人員・出願資格・語学要件・試験科目・研究計画書の様式が異なります。外部受験を検討する場合は、志望するコースの専門科目構成と自分の研究テーマの接続を早い段階で整理し、専門科目・語学スコア・研究計画書・口述試験の準備をコースごとの要件に合わせて進めることが重要です。

令和9年度4月入学の修士課程(夏季募集)は、出願期間が令和8年7月14日から7月21日、筆記試験が8月18日、口述試験が8月19日、合格発表が9月9日というスケジュールで実施されます。指導教員への事前連絡は全コース共通の必須ステップであり、都市共生デザイン専攻・空間システム専攻は第二希望の教員への連絡も求められるため、出願書類の作成よりも先に着手しておく必要があります。

倍率は令和8年度4月入学の修士課程全体でおよそ1.4倍という実績が公表されている一方、コース別に見ると1名単位の増減が倍率を大きく左右するコースもあります。過去問は窓口閲覧のみのコースと配付可能なコースに分かれるため、志望するコースの請求方法を早めに確認し、専門科目の出題範囲と口述試験の準備を並行して進めてください。本記事で示した募集人員・検定料・試験日程などの数値は、九州大学大学院人間環境学府が公表している令和9年度4月入学(夏季募集)時点のものであり、次年度以降は変更される可能性があるため、出願前に人間環境学府の学生募集要項で必ず最新の内容を確認してください。

心理系コース(人間共生システム専攻臨床心理学指導・研究コース、行動システム専攻心理学コース、実践臨床心理学専攻)は公認心理師・臨床心理士の資格取得を見据えた併願が多く、建築系コースは専門科目Ⅰ・Ⅱの選択制が対策の起点になるなど、分野によって準備の進め方が大きく異なります。九州大学大学院人間環境学府の外部院試に挑む場合は、まず自分の志望するコースの制度面(募集時期・語学要件・研究計画書の様式・指導教員への連絡要否)を正確に把握したうえで、専門科目・語学スコア・研究計画書・口述試験の対策に必要な期間を逆算し、無理のないスケジュールで準備を進めてください。

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この記事を書いた人

千葉大学 法政経学部を首席で卒業後、都内国公立大学の法科大学院(ロースクール)を修了し、司法試験に合格。法律・政治・経済分野の専門知識をもとに、スプリング・オンライン家庭教師の大学編入・大学院入試分野の指導および記事監修を担当。

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