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東京外国語大学大学院 総合国際学研究科の外部院試を徹底解説|出願資格・試験科目・研究計画書・面接対策まで

東京外国語大学大学院総合国際学研究科は、世界言語社会専攻と国際日本専攻の2専攻からなる博士前期課程で、言語文化コース・国際社会コース・Peace and Conflict Studiesコース・国際日本コース・日本語教育リカレントコースの5コースを設置しています。外部院試とは、東京外国語大学の学部以外の出身者が、募集要項に定める出願資格を満たしたうえで一般の志願者として博士前期課程を受験することを指し、留学生も含めて全志願者が同一の出題内容・解答方法で選抜されます。
本記事は、2027年度東京外国語大学大学院総合国際学研究科博士前期課程学生募集要項《秋季募集・一般選抜/社会人特別入試》、研究科公式サイトの博士前期課程募集ページ、および2026年4月1日現在の入学者選抜実施状況にもとづいて、募集人員・出願資格・試験科目・研究計画書・日程・倍率・過去問公開状況をコースごとに整理します。倍率や志願者数を含め、公式に確認できた数値以外は創作せず、最新の年度の要項は必ず研究科公式サイトでご確認ください。
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総合国際学研究科の概要と外部院試の位置づけ
研究科のアドミッション・ポリシーには「研究を遂行するために十分な語学力を持ち、世界諸地域の言語・文化・社会の仕組みを解明する諸学問分野や、国際的な諸問題を超域的な視点から扱う諸学問について、あらかじめ十分な基礎知識を修得していることが望まれます」と記されています。加えて「グローバル化する世界の諸課題に対応するために、学際的・分野横断的な研究をも行いうる柔軟な思考力と強い問題意識を備えていることが期待されます」とも明記されており、語学力と学際的な問題意識の両方を求める姿勢が2専攻共通で示されています。
博士前期課程の選抜は、特別選抜(推薦入試)・秋季募集入試・冬季募集入試・Peace and Conflict Studiesコース選抜・日本語教育リカレントコース選抜の5種類に分かれます。募集要項本文には、それぞれの評価方法が選抜ごとに書き分けられています。
| 選抜区分 | 評価方法(募集要項の記載) | 入学時期 |
|---|---|---|
| 特別選抜(推薦入試) | 研究計画書、推薦状、面接試験 | 春学期 |
| 秋季募集入試 | 筆答試験+面接試験+研究計画書 | 春学期 |
| 冬季募集入試 | コースにより筆答試験または外部試験+面接試験+研究計画書+卒業論文 | 春学期 |
| Peace and Conflict Studiesコース | 英語力検定試験スコア、研究計画書、推薦状、面接試験 | 秋学期 |
| 日本語教育リカレントコース | 日本語教育歴、研究計画書、推薦状、面接試験 | 秋学期 |
2027年度は、特別選抜(推薦入試)がすでに募集を終了しており、これから出願を検討する場合の主な選択肢は秋季募集入試(一般選抜・社会人特別入試)と、10月下旬公表予定の冬季募集入試になります。特別選抜はその年度に学部を卒業する学生が対象のため、外部院試として社会人や既卒者が受験する場合は、実質的に秋季募集または冬季募集が対象となります。
コースごとの教育内容も、専攻名だけでは判別しにくい違いがあります。世界言語社会専攻の言語文化コースは「世界の諸地域の言語・文化に関する専門的教育研究」を推進し、開講科目群には言語学研究、音声学研究、英語・英語教育学研究、日英通訳翻訳実践研究、ヨーロッパ・アメリカ言語研究、アジア・アフリカ言語研究などが並びます。同専攻の国際社会コースは「世界諸地域の社会、ならびに国際社会に関する専門的教育研究」を推進し、ヨーロッパ・アメリカ地域研究、アジア・アフリカ・オセアニア地域研究、現代世界論研究、国際関係研究などを開講します。同じ世界言語社会専攻でも言語系と地域研究系で科目群が分かれる点は、志望コースを選ぶ際の判断材料になります。
Peace and Conflict Studiesコース(PCSコース)は秋学期入学の別枠で、紛争を抱えた地域の諸大学とのネットワークを活用した平和構築・紛争予防教育研究を行い、教育はすべて英語で実施されます。国際日本専攻の国際日本コースは、日本語学分野・日本語教育学分野・日本語文学文化研究分野・日本社会研究分野の4本柱で構成され、日本語教育リカレントコースは現職の日本語教育者を対象に1年で修了できる秋学期入学の別枠です。国際日本コースは1つのコース名の中に4分野が同居しているため、志望する分野を早めに絞り込んでおくことが専門科目選択に直結します。
国際日本コースの4分野は、それぞれ開講科目が明確に紐づいています。日本語学分野は専門科目「日本語学研究」「対照日本語研究」を通じて現代日本語・日本語史・方言・対照日本語研究などを、日本語教育学分野は「日本語教育学研究」「日本語教育実践研究」を通じて日本語教育の理論と実践を扱います。日本語文学・文化研究分野は「日本語文学・文化研究」「日本比較文学・文化研究」を通じて古典文学・現代文学・文化研究などを、日本社会研究分野は「日本社会研究」「国際文化交流研究」を通じて日本の伝統社会・現代社会・歴史などを扱います。4分野それぞれに2科目ずつの専門科目が対応づけられているため、研究計画書のテーマがどの分野・科目に位置づくかを、出願前に自分の言葉で説明できるようにしておくとよいでしょう。
コース内には、他大学との連携プログラムも用意されています。言語文化コースで英語教育学を専門領域とする学生は、筑波大学・上智大学との連携プログラムである「英語教育学イニシアティヴ・プログラム(TEFL-IP)」に参加できます。国際社会コースで歴史学・記憶研究およびその周辺領域を専門とする学生は、中央ヨーロッパ大学(ウィーン)とのダブル・ディグリープログラム「公共圏における歴史(HIPS)」に応募でき、修了すれば両大学の修士号を取得できます。連携プログラムは志望分野が該当する場合のみ選択肢に入る制度で、応募には別途の要件が課されます。
専攻・コースを超えたキャリア形成プログラムとして、多文化コーディネーター養成プログラム、CEFRに準拠した新しい外国語教育プログラム、世界史教育プログラム、国際開発プログラムの4つが用意されており、いずれの専攻・コースに属していても履修できます。研究テーマの専門性とは別に、修了後のキャリアを見据えた履修設計が可能な点も、この研究科の外部院試を検討するうえで押さえておきたい情報です。
実施区分・募集人員・出願資格|語学スコアの扱いも確認する
大学院総合国際学研究科博士前期課程の募集人員は、入学定員ベースで次のとおりです。この人数は特別選抜(推薦)・秋季募集・冬季募集の合計であり、各回に均等に割り振られているわけではない点に注意してください。
| 専攻 | 入学定員 | コース | 募集人員 |
|---|---|---|---|
| 世界言語社会専攻 | 102名 | 言語文化コース | 50名 |
| 国際社会コース | 40名 | ||
| Peace and Conflict Studiesコース(冬季募集のみ) | 12名 | ||
| 国際日本専攻 | 46名 | 国際日本コース | 40名 |
| 日本語教育リカレントコース(秋季募集のみ) | 6名 |
出願資格は(1)から(8)まで8つの号で構成されています。見込みの者が含まれるのは(1)から(3)までで、(1)から(5)では学士またはそれに相当する学位を授与される見込みの者は資格に含まれない扱いとなるため、該当しそうな場合は募集要項の補足説明を必ず確認してください。
- (1) 大学を卒業した者、および2027年3月31日までに卒業見込みの者
- (2) 学校教育法第104条第7項の規定により学士の学位を授与された者、および同日までに授与される見込みの者
- (3) 外国において学校教育における16年の課程を修了した者、および同日までに修了見込みの者
- (4) 外国の大学等で修業年限3年以上の課程を修了し、学士相当の学位を授与された者、または同日までに授与される見込みの者
- (5) 文部科学大臣指定外国大学日本校を修了した者、および同日までに修了見込みの者
- (6) 文部科学大臣指定専修学校専門課程を修了した者、および同日までに修了見込みの者
- (7) 文部科学大臣の指定した者
- (8) 個別の出願資格審査により大学卒業者と同等以上の学力があると認められた者で、2027年3月31日までに22歳に達する者
(8)号など個別の出願資格審査が必要な者は、2026年8月4日(火)までに出願資格認定申請書、出願資格認定審査調書、卒業証明書・成績証明書などを入試課窓口へ持参または郵送する必要があります。審査結果は2026年8月20日(木)までにレターパックライトで通知される運用で、出願期間そのものより2週間以上前に手続きを終えておく必要があります。
出願資格や入試実施に関する問い合わせ先は、東京外国語大学学務部入試課入学試験係(〒183-8534 東京都府中市朝日町3-11-1、TEL:042-330-5179)です。窓口・電話応対時間は月曜日から金曜日の9:00〜12:00、13:00〜17:00(土日祝日および夏季・冬季休業期間を除く)で、電話による問い合わせは原則として出願者本人が行うよう案内されています。出願資格の該当号や書類の不備を保護者や代理人が問い合わせることは想定されていないため、疑問点は早めに志願者本人が確認しておく必要があります。
社会人特別入試は、出願時点で3年以上の社会人経験を有し、2027年3月31日までに27歳に達する者が対象です。募集要項には「社会人特別入試(国際日本専攻は実施しない)」と明記されており、国際日本コースの社会人特別入試は秋季募集では実施されません。実施選抜一覧の表でも、言語文化コースと国際社会コースは秋季・冬季の両方に社会人特別選抜の印が付く一方、国際日本コースは冬季募集にのみ印が付いており、コースと選抜時期の組み合わせで対象が変わる点に注意が必要です。
語学スコアの扱いは選抜区分によって異なります。秋季募集の一般選抜では、TOEICやTOEFLなど外部の英語検定試験スコアを出願書類として提出する記載は募集要項に見当たらず、当日の言語科目筆記試験で語学力を測る設計になっています。一方、冬季募集ではアドミッション・ポリシーの記述に「世界言語社会専攻国際社会コースは、外部試験により英語又は日本語能力を、面接試験及び研究計画書により研究遂行能力、及び適性や意欲を判定します」とあり、国際社会コースの冬季募集に限っては外部試験のスコアが選考要素に組み込まれます。具体的な検定試験名や必要スコアは公表資料からは確認できなかったため、冬季募集要項が公表され次第、該当ページでご確認ください。目安のスコア感を先に押さえておきたい場合は、大学院入試のTOEICスコアは何点必要かを解説した記事も参考になります。
費用面では、入学検定料は30,000円(別途手数料)で、2026年8月27日時点で日本政府(文部科学省)国費外国人留学生である者は支払いが不要です。入学料は282,000円、授業料は前半期分267,900円を5月中、後半期分267,900円を10月中に納付する仕組みで、年額の授業料は前後期合計535,800円になります。有職者(入学予定時点で2年以上職を有する者)を対象に、大学院設置基準第14条の特例により、第1年次は通常の授業・研究指導を受け、第2年次は職場に勤務しながら研究指導を受けられる制度も用意されています。
国費外国人留学生については検定料に加えて入学料の扱いも別枠です。入学月の初日の時点で国費外国人留学生であることが確実な者は入学料も不徴収となり、該当するかどうかは提出書類である国費外国人留学生証明書の「支給期間」欄で確認する仕組みです。検定料と入学料は別々の判定時点が設定されているため、出願時点と入学月時点の在籍状況が変わる場合は注意が必要です。
受験上・修学上の配慮が必要な志願者には事前相談の制度があります。受付期日は2026年8月4日(火)までで、志願者氏名・出身大学・志願専攻名やコース名・受験科目・障害等の種類や程度・受験上と修学上それぞれで希望する措置を記入し、医師の診断書や障害者手帳の写しなどを添えて郵送または窓口へ持参する必要があります。受付期日後に配慮が必要になった場合は電話等での相談も可能ですが、原則は出願前の指定期間内の手続きが前提です。
出願時に提供した個人情報は、入学者選抜・合格者発表・入学手続業務に利用されるほか、個人が特定されない形で今後の入学者選抜方法の改善検討にも用いられる旨が募集要項に明記されています。試験成績等の情報は合否判定以外にも活用され得るという位置づけも理解しておくとよいでしょう。個人情報の取り扱いの一部業務は、適切な契約を締結したうえで外部の受託業者に委託される場合もあります。
提出書類は、証明書以外の書類と、学歴・学位・成績を証明する各種証明書の2系統に分かれます。まとめると次のとおりです。
| 区分 | 主な提出書類 |
|---|---|
| 証明書以外の書類 | 入学志願票(指定様式・顔写真データ添付)、検定料免除証明書(該当者のみ)、研究計画書 |
| 学歴・学位・成績を証明する書類 | 成績証明書、卒業証明書、学位取得証明書(既卒者で学位の記載がない場合) |
入学志願票の写真は、縦4cm×横3cm、上半身・正面・無帽で出願日前3か月以内に撮影したものと指定されており、加工した写真は本人確認に使用できないため使用不可とされています。メールアドレスについても、特定のドメイン(qq.com、163.com)以外を使用するよう案内されており、大学からの通知が受信できないメールアドレスでの登録は避ける必要があります。
試験科目|専門科目・外国語・研究計画書・口述試験の構成
秋季募集の第1次選考(筆答試験)は、コースによって科目構成が大きく異なります。言語文化コースは専門科目(A群またはB群から1科目選択、120分)と言語科目(60分、社会人特別入試受験者は免除)の2科目制です。
| コース | 試験科目 | 試験時間 |
|---|---|---|
| 言語文化コース | 専門科目:A群(言語学・音声学/文学・文化学/英語教育学/日英通訳・翻訳実践/英語学・英語文学・英語圏文化学)またはB群(各国言語による地域文学・文化理解)から1科目選択 | 10:00〜12:00(120分) |
| 言語科目:英語・独・仏・伊・西・葡・露・中・朝・アラビア語・日本語等から1言語選択(社会人特別入試は免除) | 13:00〜14:00(60分) | |
| 国際社会コース | 第1問:国際社会研究に関する論述問題(AまたはBを選択し、日本語または英語で解答)/第2問:国際社会研究に必要な言語の理解を問う問題(多言語から選択、社会人特別入試は免除) | 10:00〜12:00(120分) |
| 国際日本コース | 日本語学・日本語教育学・日本語文学文化・日本社会研究の4領域から出題される問題について、入学後の専門を考慮して選択解答(複数領域にまたがって解答可) | 10:00〜12:00(120分) |
言語文化コースのB群を専門科目に選んだ場合、言語科目は専門科目で選んだ言語とは異なる言語を選ぶ決まりです。また専門科目でA群の「英語教育学」を選んだ場合は言語科目で「英語(英語教育学)」を、「日英通訳・翻訳実践」を選んだ場合は「英語(日英通訳・翻訳実践)」を選ぶ必要があり、専門科目と言語科目の組み合わせは自由ではありません。「日本語」を言語科目に選べるのは日本語以外で中等教育を受けた者に限られる点も見落としやすい条件です。
国際社会コースの第1問は、AとBの2つの設問から1題を選び、Aを選んだ場合は日本語、Bを選んだ場合は英語で解答する形式です。第2問の言語科目は、英語のほか独仏伊西葡露波チェコ中朝蒙尼マレーシアフィリピンタイラオベトナムカンボジアビルマウルドゥーヒンディーベンガルアラビアペルシアトルコウズベクという幅広い言語群から選択できます。出願のあった言語のみ問題が作成されるため、年度によっては希望する言語の過去問が存在しないこともあります。
選抜方法について、募集要項には「筆答試験において、研究計画書に則した適切な問題を選んだか否かも判断材料となります」と世界言語社会専攻について明記されています。科目選択そのものが研究計画との整合性を問われる評価対象であるため、研究テーマと無関係な科目を選ぶことは避けるべきです。国際日本専攻の選抜は、学力検査(筆答試験・口述試験)と成績証明書・研究計画書等の出願書類を総合して行うとされ、日本国外在住の志願者は希望すればオンライン(Zoom)で口述試験を受けられますが、筆答試験は日本国外在住者であっても本学での受験が必要です。
第2次選考(口述試験)は、第1次選考(筆答試験)の合格者に対して実施され、試験時刻等の詳細は第1次選考合格者発表の際にあわせて通知されます。口述試験の日程は筆答試験合格発表まで確定しないため、口述試験までの準備期間は2週間程度しか取れません。研究計画書の内容を口頭で説明できるよう、出願段階から準備しておくことが実務上の対策になります。
言語文化コースのA群「英語学・英語文学・英語圏文化学」は、1つの科目名の中に2つの受験パターンが用意されている点も特徴です。英語学を専攻しようとする者は英文読解と英語史に関する設問のみに解答し、英語文学・英語圏文化学を専攻しようとする者は作家・作品を挙げて論じる英作文の設問のみに解答する仕組みで、同じ科目名でも解答すべき設問が異なる2系統に分かれています。出願時点でどちらの系統を専攻するかを研究計画書との整合性も含めて決めておく必要があります。
研究科公式サイトには、年度ごとの筆答試験出典一覧(引用元の文献情報をまとめた資料)も過去問とあわせて公開されています。出典一覧を確認すると、出題がどのような文献から引用されているかの傾向をつかむ手がかりになります。特定の研究者や論集からの出題が続くコースもあるため、志望する科目の出典一覧に目を通しておくと、直前期の読解演習の教材選びに役立ちます。
研究計画書・研究室訪問|体裁・分量とテーマ選定の考え方
研究計画書は全コース共通で提出が必須の書類です。体裁は、A4サイズで作成し、志願専攻・コース名・研究テーマ・氏名を記入した表紙を付け、表紙を含めてページ番号を振るよう指定されています。文字数は日本語で4,000字程度(英語の場合はA4用紙5枚程度)、社会人特別入試の受験者は日本語で2,000字程度(英語の場合はA4用紙2.5枚程度)に読み替える扱いです。一般選抜と社会人特別入試で分量の目安が2倍違う点は、出願区分を選ぶ際に確認しておくべきポイントです。
内容面では「志望動機・研究テーマを簡潔に明示した上で、研究の対象、研究方法、準備・進捗状況、博士前期課程での研究展開の見通し等について、具体的に述べてください」「先行研究・基本文献についても言及してください」と指定されています。日本語・英語以外の言語で書かれた文言を引用する場合は和訳を付ける必要があり、先行研究への言及は任意ではなく必須項目として明記されています。研究対象・研究方法・進捗状況・研究展開の見通しという4要素を、表紙を除いた本文の中でどう配分するかが構成上の課題になります。
研究室訪問や指導教員への事前連絡について、2027年度秋季募集要項の本文には義務や推奨に関する直接の記載は見当たりませんでした。募集要項に研究室訪問の規定がないため必須かどうかは断定できませんが、研究計画書の内容を志望コースの教育・研究分野と接続させるうえでは、研究科公式サイトの担当教員一覧で、志望する分野の教員がどのような研究を行っているかを確認しておく価値があります。事前に連絡を取る場合のメールの書き方に迷う場合は、研究室訪問のメール例文集も参考になります。
特にB群の言語を専門科目に選ぶ場合は、その言語圏の研究を担当する教員が在籍しているかどうかも、研究計画書のテーマ設定に影響します。言語文化コースの専門科目群には英語・英語教育学研究、日英通訳翻訳実践研究、ヨーロッパ・アメリカ言語研究、アジア・アフリカ言語研究、言語学研究、音声学研究、言語情報学研究、認知科学研究、ヨーロッパ・アメリカ文学・文化研究、アジア・アフリカ文学・文化研究、古典文学・文化研究、人間文化研究などが並び、研究テーマと専門科目群の対応関係を事前に確認しておくことで、研究計画書と筆答試験の科目選択に一貫性を持たせやすくなります。
提出書類には研究計画書のほかに、成績証明書(大学1年次から最新までの全期間分)、卒業証明書、既卒者で卒業証明書に学位の記載がない場合の学位取得証明書が含まれます。証明書はPDF形式に変換してWeb出願専用サイトから提出する方式で、スキャナーで読み取った原本データのみが認められ、カメラ撮影の画像は不可とされています。編入学やダブルディグリーなどで複数の高等教育機関に在籍していた場合は、正規生として在籍したすべての機関の成績証明書が必要になるため、発行依頼は早めに動き出す必要があります。
中国大陸(香港・マカオ・台湾を除く)の大学の卒業者・卒業見込者は、成績証明書・卒業証明書・学位取得証明書について、出身大学発行の写しのほか、中国高等教育学生信息網(CHSI)またはCHSI中国学歴・学籍認証センター日本代理機構が発行する確認書類のいずれかを提出する扱いです。出身大学によって必要な証明書の取得ルートが分岐するため、該当する場合は早い段階でどの書類を準備するかを決めておく必要があります。日本語・英語以外の言語で作成された証明書には、日本語訳または英語訳の添付も求められます。
外国人留学生の受験者についても、募集要項には「日本人受験者やその他の受験者と同じ出題内容・解答方法により選抜を行います」と明記されています。留学生向けの別問題や特別な配点調整は設けられていません。研究計画書の分量や体裁の指定も国籍によって変わらないため、日本語以外の言語で作成する場合はA4用紙5枚程度(社会人特別入試は2.5枚程度)という分量の目安を、翻訳前の内容量から逆算しておくとよいでしょう。
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日程・スケジュール|秋季募集・冬季募集・別枠コースを時系列で整理
2027年度秋季募集(言語文化コース・国際社会コース・国際日本コース・日本語教育リカレントコース)の日程は、次のとおりです。
| 項目 | 日程 |
|---|---|
| 出願期間 | 2026年8月21日(金)〜8月27日(木)16:00まで |
| 第1次選考(筆答試験) | 2026年9月12日(土) |
| 第1次選考合格者発表 | 2026年10月5日(月)午前10時 |
| 第2次選考(口述試験) | 2026年10月10日(土) |
| 最終合格者発表 | 2026年10月21日(水)午前10時 |
| 入学手続期間 | 2027年1月13日(水)まで |
出願はWeb出願専用サイトでの登録と入学検定料の支払いをもって完了する方式で、出願登録だけでは手続きは完了しません。クレジットカード払いは登録と同時に決済が完了しますが、コンビニエンスストアやペイジー対応銀行ATMを選んだ場合は、通知される支払い期限内に別途手続きが必要です。合否結果に関する問い合わせには一切応じない旨も明記されているため、発表方法(メール通知・Webサイトでの受験番号掲載)を事前に確認しておくと安心です。
2027年度冬季募集(言語文化コース・国際社会コース・国際日本コース)については、秋季募集要項の注意事項に予告が記載されています。募集要項の公表・配付開始は2026年10月下旬、出願期間は2026年12月7日(月)〜12月10日(木)です。冬季募集はコースによって第1次選考の中身が異なります。言語文化コースは筆答試験と口述試験を2027年2月6日(土)に同日実施する一方、国際社会コースと国際日本コースは筆答試験を行わず書類審査による第1次選考を行い、第1次選考合格者発表は2027年1月20日(水)、口述試験は2027年2月6日(土)です。最終合格者発表は全コース共通で2027年2月17日(水)となります。
日本語教育リカレントコースの出願期間は秋季募集と同じ2026年8月21日(金)〜8月27日(木)ですが、出願方法は原則郵送で、Web出願専用サイトとは別の手続きです。選考は書類審査と面接の内容を総合して行い、口述試験は2026年10月5日(月)〜10月10日(土)のうちいずれか1日、合格発表は2026年10月21日(水)にホームページで行われます。合否結果は志願者全員にメールでアクセスキーが通知される方式で、電話等での個別照会は想定されていません。
Peace and Conflict Studiesコースは、出願期間が2027年1月5日(火)〜4月30日(金)とほかのコースより長く設定されており、Web出願フォームから出願します。選考は書類審査と面接の内容を総合して行い、面接日は出願後に日程調整のうえ個別に設定されます。合格者発表は2027年6月下旬で、合格発表がほかのコースより半年近く遅い時期になる点は、進路を検討するスケジュールに影響します。入学手続の日程は学生の渡日日程に配慮して弾力的に設定される運用です。
5つの選抜区分の出願期間と合格発表時期を並べると、次のようになります。
| 選抜区分 | 出願期間 | 合格発表 |
|---|---|---|
| 秋季募集(言語文化・国際社会・国際日本) | 2026年8月21日〜8月27日 | 2026年10月21日 |
| 日本語教育リカレントコース | 2026年8月21日〜8月27日(郵送) | 2026年10月21日 |
| 冬季募集(言語文化・国際社会・国際日本) | 2026年12月7日〜12月10日 | 2027年2月17日 |
| Peace and Conflict Studiesコース | 2027年1月5日〜4月30日 | 2027年6月下旬 |
秋季募集と日本語教育リカレントコースは出願期間が重なる一方、出願方法(Web出願専用サイトと郵送)が異なるため、同時に検討する場合は手続き方法を混同しないよう注意してください。冬季募集は秋季募集からおよそ3か月半後に出願期間が設定されており、秋季不合格の場合でも準備の立て直しに一定の時間を確保できる日程になっています。
秋季募集合格者の入学手続期間は2027年1月13日(水)までで、この期間内に手続きを完了しない場合は入学辞退者として扱われます。入学料282,000円は原則返金されず、卒業見込みで合格した者が在籍大学を卒業できなかった場合は、入学手続を済ませていても入学は認められません。卒業要件を満たせるかどうかは合格後も引き続き重要な条件です。官公庁・会社・学校等に在職のまま入学する場合は所属長発行の入学承諾書の提出が、入学を辞退する場合は2027年3月31日までの入学辞退届の提出が求められます。
出願そのものは、Web出願専用サイト(e-apply.jp)でのマイページ登録、志望専攻・コースの選択、顔写真データのアップロード、個人情報の入力、入学検定料の支払いという流れで進みます。申込登録完了後は原則として内容の修正・変更ができませんが、検定料支払い前であれば正しい内容での再登録によって実質的な修正が可能とされています。受験票は出願期間受付終了後から試験前日までの間にダウンロードできる状態になり、郵送は行われないため、試験当日までに必ず印刷しておく必要があります。
入学検定料の支払い方法は、コンビニエンスストア、ペイジー対応銀行ATM、ネットバンキング、クレジットカードの4種類から選べます。クレジットカード払いは出願登録と同時に決済が完了する一方、コンビニやATMでの支払いは通知された番号を控えて別途手続きする必要があります。支払い方法によって手数料が異なるため、出願前にどの方法で支払うかを決めておくと、出願期間の締切間際に慌てずに済みます。
倍率・難易度|2026年度実施状況からわかること
研究科公式サイトが公表する「2026年度大学院博士前期課程入学者選抜実施状況」(2026年4月1日現在)には、専攻・コース・選抜区分ごとの志願者数、第1次合格者数、最終合格者数、入学者数が示されています。公式に公表された実測データとして、次のように整理できます。
| コース | 選抜区分 | 志願者数 | 第1次合格者数 | 最終合格者数 | 入学者数 | 実質倍率 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 言語文化コース(募集50名) | 推薦 | 29名 | 26名 | 20名 | 19名 | 1.5倍 |
| 秋季 | 34名 | 22名 | 18名 | 15名 | 1.9倍 | |
| 冬季 | 26名 | − | 12名 | 11名 | 2.2倍 | |
| 国際社会コース(募集40名) | 推薦 | 23名 | 23名 | 15名 | 15名 | 1.5倍 |
| 秋季 | 48名 | 31名 | 18名 | 16名 | 2.7倍 | |
| 冬季 | 23名 | 22名 | 4名 | 4名 | 5.8倍 | |
| HIPS特別枠 | 6名 | − | 6名 | 6名 | 1.0倍 | |
| 国際日本コース(募集40名) | 推薦 | 18名 | 18名 | 10名 | 9名 | 1.8倍 |
| 秋季 | 79名 | 49名 | 16名 | 12名 | 4.9倍 | |
| 冬季 | 49名 | 32名 | 10名 | 9名 | 4.9倍 |
右端の「実質倍率」は、上表の志願者数を最終合格者数で単純に割って算出した参考値で、研究科が公式に「倍率」として公表している数値ではありません。口述試験や書類選考を経た後の実質的な狭き門の度合いを示す目安として掲載しています。実質倍率が最も高いのは国際社会コース冬季募集の5.8倍で、国際日本コース秋季募集・冬季募集の4.9倍が続きます。一方でHIPS特別枠と国際社会コース推薦は1倍台前半にとどまり、選抜区分によって実質倍率の幅は1倍台から6倍近くまで大きく開いています。
この実測データから読み取れる特徴は3つあります。1つ目は、国際日本コース秋季募集の志願者数79名がコース・選抜区分を通じて最多である点です。最終合格16名に対して志願79名という実質倍率は、この年度の中で最も高い水準にあたります。2つ目は、国際社会コース冬季募集の内訳です。志願23名のうち第1次選考(書類審査)合格者は22名とほぼ全員が通過する一方、最終合格者は4名まで絞り込まれており、書類審査の通過率と口述試験後の最終合格率が大きく乖離しています。3つ目は、言語文化コース冬季募集のように第1次合格者数の欄が示されていない区分がある点で、筆答試験と口述試験を同日に実施するコースでは1次・2次を分けない判定が行われていると考えられます。
合計値では、募集人員148名(5コースの入学定員合計)に対し、志願者339名、第1次合格者223名、最終合格者133名、入学者116名という結果でした。この合計は言語文化・国際社会・国際日本の3コース(各3回の選抜)と日本語教育リカレントコース(秋季・追加募集)の実績を積み上げたもので、別枠で運用されるHIPS特別枠の6名は合計に含まれていません。倍率は年度・選抜区分ごとに変動する数値であり、2026年度の結果がそのまま2027年度にあてはまるとは限りません。志望コース・志望する選抜区分の最新の実施状況は、出願前に研究科公式サイトで確認することをおすすめします。
難易度を見積もるもう一つの手がかりは、選抜方法の設計そのものです。国際日本コースと国際社会コースは学力検査(筆答試験・口述試験)と出願書類を総合して評価する設計であるのに対し、国際社会コース冬季募集は外部試験のスコアと面接・研究計画書が中心となる設計です。試験科目の重み付けが選抜区分ごとに異なるため、単純に「倍率が低いコースが易しい」とは言い切れません。特に国際社会コース冬季募集のように書類審査の通過率が高くても最終合格率が低い区分では、口述試験での研究計画の説明力が合否を左右すると考えられます。
最終合格者数と入学者数の差にも目を向けておく価値があります。言語文化コース秋季は最終合格18名に対し入学15名、国際社会コース秋季は最終合格18名に対し入学16名、国際日本コース秋季は最終合格16名に対し入学12名と、いずれの秋季募集も最終合格者の一部が入学を辞退しています。他大学院との併願を経て進学先を決める受験者が一定数いることの表れと考えられ、募集人員に対して実際の合格者数がやや多めに設定されている理由の一つとも読み取れます。冬季募集は言語文化コース(12名合格→11名入学)、国際社会コース(4名合格→4名入学)、国際日本コース(10名合格→9名入学)と、辞退の規模は秋季募集より小さい傾向が見られました。
国際社会コースのHIPS特別枠(中央ヨーロッパ大学とのダブル・ディグリープログラム対象者)は、志願6名に対し最終合格6名・入学6名と、通常の秋季・冬季募集とは異なる少人数・高採用率の枠であることがわかります。HIPSは選抜枠自体が別立てで倍率も切り離して考える必要があります。Peace and Conflict Studiesコースと日本語教育リカレントコースの追加募集(3次)は、2026年4月1日現在まだ選考が続いており、最終的な倍率は年度末時点のデータで確認する必要があります。
過去問分析・出題予測と面接(口述試験)対策
博士前期課程の過去問題は、著作権が発生する箇所を黒塗りにする形で過去3年分が研究科公式サイトに公開されています。黒塗りのないものについては入試課窓口で過去2年分を閲覧でき、事前に氏名と来学予定日時を電話で伝え、学生ホール内での閲覧に限り、身分証明書の持参が求められます。コピー・郵送による過去問題の配布は行われていません。公開範囲は言語文化コース・国際社会コース・国際日本コースの3コースで確認でき、Peace and Conflict Studiesコースと日本語教育リカレントコースについては公式サイトに過去問掲載の記載が見当たりませんでした。
言語文化コースの2026年度秋季募集の問題を確認すると、A群の「言語学・音声学」は必修問題(用語説明を10題中8題選択)と選択問題(音韻分析、複合語の対照、ヴォイス・アスペクト・モダリティに関する対照言語学的説明など3題中2題選択)で構成されていました。「文学・文化学」はエッセイの読解と和訳・論述、「英語教育学」は専門用語の英語説明、英語文献の要約、英語論文の読解設問という3部構成、「日英通訳・翻訳実践」は通訳者としての実務対応を日本語・英語で論じさせる形式、「英語学・英語文学・英語圏文化学」は英語史に関する読解と作家・作品を挙げて論じる英作文が出題されていました。A群の科目は暗記の再生より自分の言葉で論じる力を問う設計が共通しています。
国際社会コースは、第1問(論述問題)がAまたはBの2択で、Aを選ぶと日本語、Bを選ぶと英語で解答する形式です。第2問は選択した言語の理解を問う問題で、出願のあった言語のみ作成されるため、年度によって出題言語の顔ぶれが変わります。国際日本コースの2026年度秋季募集は、基礎問題(日本語学・日本語教育学・日本語文学文化・日本社会研究の4領域計16項目から5つを選んで簡潔に説明、配点24点×5問=合計120点)と論述問題(同4領域12題から3題を選んで論述、配点60点×3問=合計180点)の2部構成で、合計300点のうち論述問題が6割を占める配点でした。基礎問題は各項目に*印が付いたものに限り英語での解答も認められる一方、無印の項目は日本語での解答が指定されています。基礎問題には言語記号の恣意性やユネスコの危機言語といった言語学の術語から、ディクトグロスや複言語主義といった日本語教育学の概念、勅撰和歌集や白樺派といった文学史の項目、明治十四年の政変や日英同盟といった日本近代史の事項まで、4領域にまたがる幅広い基礎知識が問われています。論述問題では、規範的でない日本語表現の分析、教室内フィードバックの分類、前近代文学における「風流」の意味変化、1990年代以降の日本のポピュラーカルチャーとソフトパワー、江戸初期の対外政策、コロナ禍後のインバウンド観光の見通しといった、時事的なテーマも含む出題が確認できました。
過去問が公開されているとはいえ、年度によって出題テーマは大きく変わるため、過去問だけをなぞる対策では不十分です。募集要項の選抜方法に「筆答試験において、研究計画書に則した適切な問題を選んだか否かも判断材料となる」と明記されている点をふまえると、出題予測よりも研究計画との整合性を優先した科目選択が合否に直結すると考えられます。国際日本コースのように複数領域にまたがって解答できる設計では、自分の研究テーマに最も近い領域を軸にしつつ、周辺領域の基礎知識も一定水準で押さえておくと、当日の設問の並びに対応しやすくなります。
日英通訳・翻訳実践を選択する場合の2026年度秋季募集の設問は、大学院で通訳・翻訳を学ぶ意義を日本語で詳述する問い、遠隔同時通訳の依頼を受けた想定で準備の進め方を日本語で説明する問い、英語での応答を求める問いという構成で、語学力そのものより実務対応力を問う出題が特徴でした。この科目を選ぶ場合、専門科目でA群の「日英通訳・翻訳実践」を選択した志願者は言語科目でも「英語(日英通訳・翻訳実践)」を選ぶ決まりのため、専門科目と言語科目の両方で同じ実務領域の準備が必要になります。
専門科目でB群(各国言語による地域文学・文化理解)を選ぶ場合は、選んだ言語圏の文学・文化に関する読解と論述が中心になります。B群は出願のあった言語のみ問題が作成されるため、志望する言語の過去問が必ずしも毎年公開されるとは限りません。B群を選ぶ場合は過去問の有無に頼らない準備が必要になり、その言語圏の文学史・文化史の基礎文献を自分で読み込んでおくことが対策の中心になります。
口述試験(面接)は、いずれのコースも筆答試験合格者のみを対象に実施され、試験時刻の詳細は第1次選考合格者発表とあわせて通知されます。国際日本専攻は、日本国外在住の志願者のうち希望する者はオンライン(Zoom)での受験が可能ですが、筆答試験は日本国外在住者であっても本学での受験が必須である点は変わりません。冬季募集の国際日本コース・国際社会コースのように筆答試験を課さないコースでは、口述試験と研究計画書、提出された卒業論文(またはこれに準ずる論文)が評価の中心になります。研究計画書に書いた研究テーマ・研究方法・先行研究について、口頭で一貫して説明できる状態を作っておくことが、筆答試験の有無にかかわらず共通して求められる準備です。
併願・内部リンク|同一研究科内と他大学院の組み合わせ方
入学志願票の注意事項には「志望する専攻・コースは一つ選択してください。複数の専攻・コースを併願することはできません」と明記されています。同一の選抜区分内でコースを掛け持ちする出願方法は認められていません。一方で、言語文化コース・国際社会コース・国際日本コースの3コースは秋季募集と冬季募集の両方が実施されるため、秋季募集で不合格になった場合でも、同一年度内に冬季募集へあらためて出願し直すという選択肢は制度上存在します。Peace and Conflict Studiesコースは冬季募集のみ、日本語教育リカレントコースは秋季募集のみの実施のため、この2コースには同一年度内での再挑戦の機会がありません。
秋季募集と冬季募集を組み合わせて再挑戦を検討する場合は、出願資格の確認や証明書の準備を再度行う必要がある点に注意してください。冬季募集は国際社会コース・国際日本コースで筆答試験を課さない書類審査中心の選考に切り替わるため、秋季と冬季とでは求められる準備の中身が変わります。特に国際社会コースの冬季募集では外部試験のスコアが必要になると考えられるため、秋季募集の結果を待ってから冬季募集の対策を始めるのでは間に合わない可能性があります。両方の選抜区分への出願を視野に入れる場合は、出願前の早い段階からスコア取得の計画を立てておく必要があります。
他大学院の外部院試とあわせて検討する場合、言語・地域研究や国際関係といった隣接分野の研究科を比較する視点も有効です。たとえば東京都立大学大学院人文科学研究科の外部院試を整理した記事では、教室(募集単位)ごとに研究計画書の要否や試験科目が異なる別の研究科の事例を確認できます。研究科によって募集単位の切り方や語学スコアの扱いが異なるため、併願先ごとに出願資格・試験科目を個別に洗い出す作業が欠かせません。大学院入試全体の進め方やスケジュールの立て方を体系的に押さえたい場合は、大学院入試対策の完全ガイドもあわせて参考にしてください。
出願直前に見落としがちな項目を、チェックリストとして整理しました。
- 志望コースが秋季・冬季どちらで実施されるか、実施回数を最新の募集要項で確認する
- 自分の出願資格が(1)〜(8)のどの号に該当するか、事前の出願資格審査が必要かどうかを確認する
- 研究計画書の文字数(一般選抜4,000字程度/社会人特別入試2,000字程度)と表紙の指定様式を確認する
- 成績証明書・卒業証明書など発行に時間がかかる書類を早めに手配する
- 専門科目(A群・B群や4領域)と言語科目の組み合わせ制限を確認し、研究計画との整合性を検討する
- 入学検定料の支払い方法と支払期限をWeb出願専用サイトで確認する
コース選びや研究計画書の方向性、過去問対策の優先順位に不安がある場合は、大学院入試を専門とする大学院入試対策コースで、現在の学習状況や志望コースに合わせた対策を個別に相談することもできます。
よくある質問(FAQ)
東京外国語大学大学院総合国際学研究科の募集人員は何名ですか。
入学定員は世界言語社会専攻102名(言語文化コース50名、国際社会コース40名、Peace and Conflict Studiesコース12名)、国際日本専攻46名(国際日本コース40名、日本語教育リカレントコース6名)です。この人数は特別選抜・秋季募集・冬季募集の合計であり、各選抜回に均等に配分されるわけではありません。
出願にTOEICやTOEFLのスコア提出は必要ですか。
秋季募集の一般選抜では、外部の語学検定試験スコアの提出を求める記載は募集要項に見当たらず、当日の言語科目筆記試験で語学力を測る設計です。ただし冬季募集の国際社会コースはアドミッション・ポリシー上「外部試験により英語又は日本語能力を判定する」とされており、選抜区分によって語学スコアの扱いが異なります。具体的な検定試験名やスコアは、冬季募集要項の公表後にご確認ください。
研究計画書はどのコースも必要ですか。
はい。特別選抜(推薦入試)、秋季募集、冬季募集、Peace and Conflict Studiesコース、日本語教育リカレントコースのいずれも研究計画書の提出が必須です。文字数は一般選抜が日本語4,000字程度、社会人特別入試は日本語2,000字程度で、A4サイズの指定様式に表紙を付けて提出します。
過去問はどこで確認できますか。
研究科公式サイトの博士前期課程募集ページに、言語文化コース・国際社会コース・国際日本コースの過去3年分(著作権が発生する箇所は黒塗り)が公開されています。黒塗りのない過去2年分は入試課窓口での閲覧が可能で、事前連絡と身分証明書の持参が必要です。コピー・郵送での配布は行われていません。
複数のコースを併願できますか。
同一の選抜区分内では、志望する専攻・コースは一つのみで、複数の専攻・コースの併願はできません。ただし言語文化コース・国際社会コース・国際日本コースは秋季募集と冬季募集の両方が実施されるため、年度内に選抜区分を変えて再挑戦することは可能です。Peace and Conflict Studiesコースと日本語教育リカレントコースは、それぞれ年1回の実施です。
社会人ですが受験できますか。
社会人特別入試は、出願時点で3年以上の社会人経験を有し、2027年3月31日までに27歳に達する者が対象です。国際日本コースの社会人特別入試は秋季募集では実施されません(冬季募集では実施)。有職者向けには、大学院設置基準第14条の特例により、第2年次に職場に勤務しながら研究指導を受けられる制度も用意されています。
倍率はどのくらいですか。
2026年4月1日現在の実施状況では、国際日本コース秋季募集が志願79名に対し最終合格16名、国際社会コース冬季募集が志願23名に対し最終合格4名など、コース・選抜区分によって差があります。倍率は年度ごとに変動する数値で、最新の実施状況は研究科公式サイトでご確認ください。
口述試験はオンラインで受けられますか。
国際日本専攻は、出願時点で日本国外に在住する志願者のうち希望する者に限り、口述試験をオンライン(Zoom)で受験できます。筆答試験は日本国外在住者であっても本学での受験が必須で、口述試験のみがオンライン選択の対象です。世界言語社会専攻の各コースについては、募集要項にオンライン受験に関する記載は確認できませんでした。
まとめ|総合国際学研究科の外部院試はコースごとの選抜設計を読み解くことから始まる
東京外国語大学大学院総合国際学研究科の外部院試は、言語文化コース・国際社会コース・国際日本コース・Peace and Conflict Studiesコース・日本語教育リカレントコースという5つのコースが、それぞれ異なる試験科目・語学スコアの扱い・実施時期を持つ点が特徴です。秋季募集は当日の筆答試験で語学力と専門知識を測る設計である一方、冬季募集では国際社会コースを中心に外部試験のスコアや書類審査の比重が増すなど、同じ研究科でも選抜区分によって準備の中身が変わります。2026年度の実施状況からは、国際日本コース秋季募集の志願者数の多さや、国際社会コース冬季募集の書類審査通過率と最終合格率の乖離など、公式データに裏付けられた具体的な傾向も確認できました。
過去問はコースごとに3年分が公開されているものの、出題テーマは年度によって大きく変わるため、過去問演習と並行して、研究計画書に書いた研究テーマと専門科目の選択を一致させる準備が欠かせません。倍率や語学スコアの要件など公式に公表されていない情報については、断定を避け、募集要項が公表され次第、研究科公式サイトで確認する姿勢が重要です。
志望コースが固まったら、出願資格の該当号、研究計画書の文字数、試験科目の組み合わせ制限、日程を早めに整理し、証明書の準備や研究計画書の執筆から逆算したスケジュールを組んでください。秋季募集と冬季募集では求められる書類も選考の重心も異なるため、どちらの選抜区分で受験するかを先に決めることが、その後の準備の精度を左右します。募集要項の細部はコースや選抜区分によって異なりますが、アドミッション・ポリシーが2専攻に共通して求める「研究を遂行するために十分な語学力」と「学際的・分野横断的な研究をも行いうる柔軟な思考力」という2つの軸は、どのコースを選んでも研究計画書と筆答試験・口述試験の両方を通じて一貫して問われます。志望コースの専門科目群・出題領域と自分の研究テーマがどう対応するかを、出願前の早い段階で自分の言葉に落とし込んでおくことが、この研究科の外部院試ならではの準備の起点になります。
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