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九州工業大学情報工学部の編入試験を徹底解説|出願資格・試験科目・過去問対策・志望理由書・面接まで

九州工業大学情報工学部の編入試験とは、高等専門学校・短期大学などで学んだ学生が、福岡県飯塚市の飯塚キャンパスで実施される第3年次編入学生選抜を経て、知能情報工学科・情報・通信工学科・知的システム工学科・物理情報工学科・生命化学情報工学科のいずれかへ3年次から入学する制度です。直近の令和9年度学生募集要項では、5学科合計35名の募集人員に対して調査書・自己申告書・TOEIC(IP可)スコア・面接の総合評価で選考が行われ、令和8年6月20日または21日のいずれか1日に試験、7月2日に合格発表という日程で実施されました。数学・理科の筆記試験ではなく口頭試問という形で専門基礎を問う点が、この編入試験の最大の特徴です。
この記事を読んでいる方の多くは、すでに終了した令和9年度入試ではなく、次に実施される令和10年度入学者選抜を目指していると思います。九州工業大学は令和8年度の学部改組にともない、次回の編入学生選抜から募集単位を現行の5学科から新設の「情報工学科」内の4分野へ再編すると、募集要項の巻末で予告しています。学科名と募集人員配分が変わる予定であるため、本記事では直近3年度(令和7〜9年度)の確定した実績と、公式に予告されている変更点を分けて整理します。掲載した数値・制度は九州工業大学が公表した学生募集要項および公式サイトの記載に基づいていますが、年度によって変更される可能性があるため、出願前には必ず最新の学生募集要項でご確認ください。
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九州工業大学情報工学部の編入学制度の概要
九州工業大学情報工学部は昭和61年(1986年)に日本初の情報工学部として設置され、現在も国立大学のなかで唯一の情報工学部です。飯塚キャンパス(福岡県飯塚市川津680-4)を拠点に、知能情報工学科・情報・通信工学科・知的システム工学科・物理情報工学科・生命化学情報工学科の5学科で構成され、各学科にはさらに2〜3のコースが設けられています。2018年度に旧学科構成から現行の5学科体制へ改編されたという経緯があり、今回さらに令和10年度から新たな体制へ移行する予定です。
情報工学部のアドミッションポリシーは、編入学生に対して「他の大学、高等専門学校、短期大学等における数学、自然科学、工学基礎及び専門工学を特に学んでおくこと」を望むとしたうえで、「3年次編入が可能な基礎学力を有しているとともに、他の大学、高等専門学校、短期大学等で得た知見を生かして、さらにその能力を高める意欲を持ち、高度技術者を強く志向する学生を受け入れる」と明記しています。基礎学力に加えて学びを発展させる意欲が明確に求められているため、志望理由や面接では、これまでの学習内容と編入後に学びたいことのつながりを具体的に語れるように準備しておくことが重要です。
選考方法の骨格をひとことで表すと、九州工業大学情報工学部の編入試験は「筆記の学科試験を課さず、口頭試問と書類で総合評価する」入試です。調査書・自己申告書・TOEIC(IP可)のスコア・面接の結果を総合して合否が決まり、面接のなかで各学科が指定する科目についての口頭試問が行われます。当日に長時間の記述式答案を書く一般的な学科試験はないものの、出願後に「第3年次編入学生選抜問題」と呼ばれる課題に取り組み、その解答用紙を事前に提出する仕組みがあり、この解答内容が口頭試問の資料として使われます。この独自の仕組みについては第3章で詳しく解説します。
5学科がそれぞれ何を専門にしているかも、志望理由を組み立てるうえで欠かせない情報です。知能情報工学科はデータ科学・人工知能・メディア情報学を核に人とコンピュータが協調する情報システムを、情報・通信工学科はソフトウェアデザイン・情報通信ネットワーク・コンピュータ工学を核に通信とコンピュータを深く理解した総合的な情報システムを扱います。知的システム工学科はロボティクス・システム制御・先進機械を、物理情報工学科は電子物理工学・生物物理工学を、生命化学情報工学科は分子生命工学・医用生命工学を、それぞれ情報工学と掛け合わせて学ぶ学科です。学科名だけでなくコースの専門分野まで読み込むと、志望理由書や口頭試問で語る内容に具体性が出ます。
選考の段取りも独自です。多くの国立大学の編入試験では、当日の筆記試験で足切りを行う二段階選抜が採られることがありますが、九州工業大学情報工学部の場合、募集要項に段階的な選抜を示す記載はなく、調査書・自己申告書・TOEICスコア・解答用紙・面接という複数の材料を出願後から試験日にかけて積み上げ、最終的に面接時の総合評価で合否を決める一段階型の設計です。当日一発で決まる筆記試験の代わりに出願後の準備全体が評価対象になるため、出願してから試験日までの1か月弱をどう使うかが結果を左右します。
もう一つ押さえておきたいのが、九州工業大学が令和8年度に予定している学部改組です。募集要項の巻末には「令和8年度改組に伴い、令和10年度情報工学部第3年次編入学生選抜を下記のとおり変更します」と明記されており、現行の5学科が「情報工学科」という1学科・4分野の枠組みへ再編される見通しが示されています。改組の年度をまたぐ受験生は学科名の変化に注意が必要で、詳細は第2章と第7章で扱います。まずは下の表で、直近実績である令和9年度学生募集要項の要点を確認してください。
| 項目 | 令和9年度学生募集要項の内容 |
|---|---|
| 学部・学科 | 情報工学部(知能情報工学科/情報・通信工学科/知的システム工学科/物理情報工学科/生命化学情報工学科) |
| 募集人員 | 5学科合計35名(推薦選抜・一般選抜の合計) |
| 選考方法 | 調査書・自己申告書・TOEIC(IP可)スコア・面接(口頭試問を含む)の総合評価 |
| 専門科目筆記 | 独立した当日筆記試験はなし(事前提出の解答用紙をもとに口頭試問を実施) |
| 試験日 | 令和8年6月20日(土)または21日(日)のいずれか1日 |
| 合格発表 | 令和8年7月2日(木) |
| 次回の変更 | 令和10年度入学者選抜から新学科「情報工学科」4分野へ再編予定 |
この表からわかるとおり、令和9年度の選抜はすでに終了しており、合格発表も公表済みです。次に実施される令和10年度入学者選抜は、募集単位や一部の出題範囲が変わる予定である一方、選考方法の骨格(調査書・自己申告書・TOEIC・面接による総合評価という形式そのもの)は維持される見通しです。仕組みの土台は変わらず募集単位だけが再編されると捉えると、直近の実績データも十分に対策の参考になります。
募集人員・出願資格
令和9年度学生募集要項に記載された学科別の募集人員は、次のとおりです。募集人員は推薦選抜と一般選抜の合計であり、1人の志願者が出願できるのは1学部のみ、推薦選抜と一般選抜の併願はできません。5学科合計35名という募集規模は複数年度にわたって維持されています。
| 学科 | 主なコース | 募集人員 |
|---|---|---|
| 知能情報工学科 | データ科学/人工知能/メディア情報学 | 7名 |
| 情報・通信工学科 | ソフトウェアデザイン/情報通信ネットワーク/コンピュータ工学 | 9名 |
| 知的システム工学科 | ロボティクス/システム制御/先進機械 | 9名 |
| 物理情報工学科 | 電子物理工学/生物物理工学 | 5名 |
| 生命化学情報工学科 | 分子生命工学/医用生命工学 | 5名 |
| 合計 | – | 35名 |
出願資格は、推薦選抜と一般選抜で大きく異なります。推薦選抜の対象は、合格した場合に入学することを確約できる方のうち、高等専門学校本科または短期大学を卒業(令和9年3月卒業見込みを含む)し、出身学校長が人物・学力ともに優秀で本学における修学に適性があると認め、責任をもって推薦する方です。推薦選抜は出身学校長の推薦と入学確約が前提となるため、専門学校や大学在学者は原則として一般選抜での出願になります。
一般選抜の出願資格は、次のいずれかに該当する方です。文系・理系を問わず幅広い経歴が対象になっている点は、他の国立大学工学系学部の編入試験と共通しています。
- 他の大学に2年以上在学し62単位以上を修得した方、または令和9年3月までに2年以上在学し62単位以上修得見込みの方
- 学校教育法第104条第7項の規定により学士の学位を授与された方、または令和9年3月までに授与される見込みの方
- 大学を卒業した方、または令和9年3月卒業見込みの方
- 高等専門学校本科、短期大学を卒業した方、または令和9年3月卒業見込みの方
- 外国において前記のいずれかに相当する課程を修了した方
- 学校教育法第58条の2の規定による高等学校の専攻科の課程を修了した方、または令和9年3月修了見込みの方
- 学校教育法第132条の規定による専修学校の専門課程を修了した方、または令和9年3月修了見込みの方
- その他、大学の3年次に編入学できる資格を有する方
特に注意したいのは、「他の大学において62単位以上を令和9年3月までに修得見込みの方」が合格後にこれらの単位を修得できないことが確定した場合、合格を取り消す扱いになっている点です。単位見込みでの出願は修得未達なら合格取消になるため、履修計画には余裕を持たせておく必要があります。専修学校専門課程からの出願では、修業年限2年以上かつ総授業時間1,700時間以上であることを証明する書類の追加提出も求められます。
学科の選び方にも独自のルールがあります。出願時には志望する学科を第3志望まで選択でき、コースそのものの選択はできません。合格者には、翌年1月下旬に送付される第二次入学手続書類とあわせて「志望コース調査」に関する文書が同封され、そこで初めて志望コースを回答する仕組みです。学科は出願時、コースは合格後に決める2段階方式になっているため、出願段階ではコースまで絞り込む必要はありません。ただし、面接では学科単位での専門的な適性が問われるため、志望学科の研究分野は事前に把握しておきましょう。
編入後の履修についても、出願前に知っておくとよい制度があります。編入学年次は第3年次で、修業年限は2年、在学できる期間は4年以内です。出身校で修得した科目は、JABEE(日本技術者教育認定機構)の基準に基づいて既修得単位の認定が行われますが、認定される単位数は出身校の履修状況で一人ひとり異なるため、認定される単位数や編入後の学修状況によっては2年間で卒業できない場合もあると募集要項に明記されています。出願前の時点で、自分が高専・短大等でどの科目をどこまで修得しているかを整理し、可能であれば志望学科に問い合わせて単位認定の目安を確認しておくと、入学後の計画が立てやすくなります。
令和10年度入学者選抜からの変更予告
募集要項の巻末には「令和10年度入学者選抜(令和9年度実施)の変更点[予告]」として、次回選抜からの変更内容が示されています。現行の5学科が「情報工学科」という1学科に統合され、内部が4つの分野に再編される見通しです。学科の看板が変わっても募集人員35名の規模はほぼ維持される予定である点は、受験生にとって安心材料といえます。
| 分野(予告) | 受入目安 | 出願形式 |
|---|---|---|
| 知能情報工学 | 14名程度 | 推薦・一般 |
| 電子情報通信工学 | 8名程度 | 推薦・一般 |
| 知的システム工学 | 8名程度 | 推薦・一般 |
| 生命情報工学 | 5名程度 | 推薦・一般 |
現行の情報・通信工学科は「電子情報通信工学」、知的システム工学科は「知的システム工学」、生命化学情報工学科は「生命情報工学」という分野名に近い形で引き継がれる見込みです。物理情報工学科がどの分野に統合されるかは予告の時点で明示されていないため、志望する専門分野が現行のどの学科・研究室に近いのかは、九州工業大学情報工学部の公式サイトで教員一覧や研究内容を確認しておくことをおすすめします。分野再編の詳細は必ず出願年度の募集要項で確認することが欠かせません。
試験科目と配点
九州工業大学情報工学部の編入試験の選考方法は、「原則として第1志望学科において、調査書、自己申告書、TOEIC(IP可)のスコア及び面接の結果を総合して行う」と募集要項に明記されています。当日に解く独立した学科筆記試験は存在しないという点が、工学系の編入試験としてはやや珍しい設計です。ただし、推薦選抜に出願した方のうち在学中の成績が優秀で総合力が優れている方は、書類のみの選考で面接を免除し合格とすることがあります。
| 評価要素 | 配点 | 備考 |
|---|---|---|
| 面接点 | 700点 | 口頭試問を含む。調査書・自己申告書・解答用紙の内容を質問項目に反映 |
| 調査書点 | 100点 | 出身校の成績等を点数化 |
| 自己申告書点 | 100点 | 志望理由等の記載内容を点数化 |
| TOEIC点 | 100点 | TOEIC(IP可)のスコアを換算 |
| 合計 | 1,000点満点 | 総合点の高い順に合格。書類のみの選考の場合は調査書200点+自己申告書100点=300点満点 |
この配点構造からわかるとおり、面接点が全体の7割を占めており、口頭試問を中心とする面接が合否を大きく左右する設計になっています。面接のチェックポイントとして、募集要項は「理解力(論理性、リテラシー、学修適応性を含む)」と「情報工学に対する適性等(学びに対する意欲、学びに対する態度、専門適合性を含む)」の2点を挙げています。単なる知識量ではなく、考え方の筋道を説明できるかどうかが評価されると理解しておきましょう。
自己申告書は、インターネット出願登録時にJ-Bridge System(JBS)へ入力する書類で、「志望理由」と「これまでに取り組んだこと」の2項目を、それぞれ500字以内で記載します。志望理由は、その学科を第1志望とした経緯・編入学後に勉強したい内容・将来どう活かすかの3点を、これまでに取り組んだことは、取り組んだ内容・身についた能力や知見・編入学後の活かし方の3点を含めるよう求められています。2項目とも3つの観点を過不足なく盛り込む構成力が必要です。
事前提出の「第3年次編入学生選抜問題」と口頭試問科目
九州工業大学情報工学部の編入試験でもっとも特徴的なのが、事前提出の解答用紙を使った口頭試問の仕組みです。出願後、大学から「第3年次編入学生選抜問題確認用URL・パスワード」と解答用紙・返送用封筒が送付され、各学科が指定する問題が募集要項所定の日に公式サイトで公表されます。受験生は期限までに解答を記入し、速達簡易書留で返送します。書籍等を参考にしてよいが出典明記が必要という条件も付されており、暗記した知識をそのまま書く形式ではありません。
提出した解答用紙は、それ自体は点数化されませんが、口頭試問においてその内容に基づく質疑応答が行われ、その質疑応答が面接点として評価されます。解答用紙を提出しないと口頭試問を受験できないため、提出期限の厳守が合格の前提条件になります。特定の科目で複数の問題から選択する学科では、解答用紙の所定欄で選択した問題についてのみ口頭試問が行われるため、選択ミスは致命的です。
学科ごとに指定される口頭試問の科目と出題範囲は、次のとおりです。すべての学科で数学(線形代数、解析)が共通して課され、そこに学科の専門性に応じた科目が加わります。
| 学科 | 指定科目 | 出題範囲 |
|---|---|---|
| 知能情報工学科 | 数学/情報基礎 | 線形代数、解析(微分・積分)/プログラミング |
| 情報・通信工学科 | 数学/情報基礎 | 線形代数、解析(微分・積分)/論理回路、プログラミング |
| 知的システム工学科 | 数学/物理または情報基礎 | 線形代数、解析/力学(機械・材料・流体)、制御から選択/プログラミング |
| 物理情報工学科 | 数学/物理または情報基礎 | 線形代数、解析/力学、電磁気学、電気回路から選択/プログラミング |
| 生命化学情報工学科 | 数学/化学、生物または情報基礎 | 線形代数、解析/基礎化学・有機化学・物理化学/基礎生物学・細胞生物学・分子生物学/プログラミング |
知的システム工学科・物理情報工学科・生命化学情報工学科の3学科は、出願登録の時点でインターネット出願サイト上から科目(物理か情報基礎か、あるいは化学・生物・情報基礎のいずれか)を選択する必要があります。出願時に選んだ科目がそのまま口頭試問の対象になるため、得意分野を見極めたうえで出願前に選択を固めておくことが重要です。
日程・スケジュール
九州工業大学情報工学部の編入試験は、例年5月に出願、6月に試験、7月に合格発表という日程で進みます。令和9年度学生募集要項に記載された日程を時系列で整理すると、次のとおりです。出願から試験まで1か月半程度しかないため、証明書類の準備は早めに動き出す必要があります。
| 事項 | 日程(令和9年度入試の実績) |
|---|---|
| インターネット出願登録開始 | 令和8年5月7日(木)9時〜 |
| 出願期間(提出書類必着) | 令和8年5月13日(水)〜5月19日(火)17時 |
| 選抜問題の公表 | 令和8年5月29日(金) |
| 選抜問題解答用紙の提出期限 | 令和8年6月5日(金)当日消印有効(速達簡易書留) |
| 受験票ダウンロード開始 | 令和8年6月12日(金)15時〜 |
| 試験日 | 令和8年6月20日(土)または21日(日)のいずれか1日 |
| 合格発表 | 令和8年7月2日(木)10時〜 |
| 第一次入学手続 | 令和8年9月11日(金)17時必着 |
| 第二次入学手続 | 令和9年2月17日(水)16時30分必着 |
出願手続は、インターネット出願登録(出願情報登録・自己申告書のJBS登録・顔写真データ登録・検定料支払・出願登録内容の印刷)だけでは完了しません。印刷した志願内容確認票や調査書などの提出書類を、期間内に「速達簡易書留」で郵送するか、直接持参する必要があります。オンライン登録と書類郵送の両方が揃って出願完了となる点は見落としやすいので注意してください。提出先は九州工業大学大学院情報工学研究院教務学生支援課教務係(飯塚キャンパス)です。
入学検定料は30,000円で、これとは別にインターネット出願システムのサービス利用料1,090円が必要です。支払い方法はクレジットカード・コンビニ・銀行ATM(ペイジー)・ネットバンキングに対応しています。合格後の入学手続時には、入学料282,000円(予定額)、諸納金(後援会費・責善会費・明専会費・学生教育研究災害傷害保険費)52,750円(予定額)を納付し、授業料は前期・後期それぞれ267,900円(予定額)が入学後に口座振替で引き落とされます。金額はいずれも予定額であり改定の可能性があるため、最新の学生募集要項で確認してください。なお、高等教育の修学支援新制度の対象校であり、条件を満たせば入学料・授業料の免除や給付奨学金の対象になります。
提出書類のなかには、調査書・成績証明書・卒業(見込)証明書のように出身学校長の作成・厳封が必要なものが含まれます。出身校での書類発行には数週間かかることがあるため、出願期間が公表される前の時点で、担任や学校事務室に相談し、発行依頼だけでも先に済ませておくと安心です。TOEICのスコアシートも、公開テストのスケジュールによっては再受験の余裕が必要になるため、受験計画は試験日から逆算して立てましょう。
合否に関わる情報公開の仕組みとして、入学試験成績の開示制度も用意されています。受験者本人に限り、9月上旬の申込期間内に本学所定の様式で申し込むと、総合点および合格者最低点(合格者は合格した学科、不合格者は第1志望学科の成績)が、受付から約20日以内に簡易書留で開示されます。不合格だった場合も自分の総合点を確認できる制度があるため、次年度以降に再挑戦を検討する場合の参考材料として活用できます。また、障がい等により受験上・修学上の配慮が必要な場合は、試験日の約2か月前を目安とした期限までに、入試・教育接続課入試係へ事前相談する仕組みが設けられています。
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倍率・難易度
九州工業大学は、募集要項の巻末で過去の編入学生選抜実施状況を学科別に公表しています。令和7年度・令和8年度(いずれも令和9年度・令和10年度入学者向けではなく、それぞれ前年度に実施された選抜)の実績は、次のとおりです。2年分の実績が学科別に公表されているため、学科ごとの難易度の変化を具体的に把握できます。
| 学科・年度 | 募集人員 | 志願者 | 受験者 | 合格者 | 入学者 |
|---|---|---|---|---|---|
| 知能情報工学科(令和7年度) | 7名 | 28名 | 26名 | 13名 | 9名 |
| 知能情報工学科(令和8年度) | 7名 | 53名 | 45名 | 13名 | 8名 |
| 情報・通信工学科(令和7年度) | 9名 | 33名 | 26名 | 13名 | 11名 |
| 情報・通信工学科(令和8年度) | 9名 | 31名 | 27名 | 12名 | 11名 |
| 知的システム工学科(令和7年度) | 9名 | 16名 | 15名 | 10名 | 4名 |
| 知的システム工学科(令和8年度) | 9名 | 22名 | 19名 | 14名 | 11名 |
| 物理情報工学科(令和7年度) | 5名 | 7名 | 7名 | 6名 | 6名 |
| 物理情報工学科(令和8年度) | 5名 | 7名 | 7名 | 5名 | 2名 |
| 生命化学情報工学科(令和7年度) | 5名 | 9名 | 9名 | 7名 | 6名 |
| 生命化学情報工学科(令和8年度) | 5名 | 4名 | 4名 | 3名 | 2名 |
| 合計(令和7年度) | 35名 | 93名 | 83名 | 49名 | 36名 |
| 合計(令和8年度) | 35名 | 117名 | 102名 | 47名 | 34名 |
この実績をもとに、志願者数を募集人員で割った志願倍率と、受験者数を合格者数で割った実質倍率を算出すると、学科間の違いがより鮮明になります。以下の倍率は本記事が公表数値から独自に算出した参考値であり、大学が倍率として公式発表した数値ではない点にご注意ください。
| 学科 | 志願倍率(令和7→8年度) | 実質倍率(令和7→8年度) |
|---|---|---|
| 知能情報工学科 | 4.0倍→7.6倍 | 2.0倍→3.5倍 |
| 情報・通信工学科 | 3.7倍→3.4倍 | 2.0倍→2.3倍 |
| 知的システム工学科 | 1.8倍→2.4倍 | 1.5倍→1.4倍 |
| 物理情報工学科 | 1.4倍→1.4倍 | 1.2倍→1.4倍 |
| 生命化学情報工学科 | 1.8倍→0.8倍 | 1.3倍→1.3倍 |
もっとも目を引くのは知能情報工学科で、志願者数が令和7年度の28名から令和8年度は53名とほぼ倍増し、実質倍率も2.0倍から3.5倍まで上昇しています。データ科学・人工知能という分野の人気の高まりが、そのまま志願者増につながったと考えられます。知能情報工学科は5学科のなかでもっとも難化しているため、志望する場合は口頭試問と自己申告書の完成度を特に高めておく必要があります。
対照的に生命化学情報工学科は、令和8年度の志願者数が4名と募集人員5名を下回りました。募集要項では合格者数が募集人員に満たない場合に第2次募集を行うことがあるとされていますが、志願者が定員を下回る年もある点は、生命化学・医用生命工学の分野に強い関心を持つ受験生にとっては挑戦しやすい材料といえます。ただし倍率が低い年でも、面接点700点という配点構造がある以上、口頭試問の準備を怠ってよいわけではありません。
合格者数と入学者数の差にも注目してみましょう。令和8年度は合格者47名に対して入学者34名で、合格者のおよそ7割強が実際に入学した計算になります。特に知的システム工学科は合格14名に対し入学11名と高い歩留まりだった一方、物理情報工学科は合格5名に対し入学2名にとどまりました。合格しても他大学へ進学し入学しない受験生が一定数いることがうかがえ、多くの受験生が併願を前提に九州工業大学情報工学部を受験している実態が数字にも表れています。合格者数が募集人員に満たない場合は第2次募集が行われることもあるため、志望学科の状況は最新の発表もあわせて確認してください。
全体の実質倍率は令和7年度1.7倍、令和8年度2.2倍で推移しており、単純な「受かりやすい入試」ではありません。面接点が全体の7割を占める配点のため倍率だけで難易度は測れないという点を踏まえ、志願者数の少ない学科であっても、口頭試問で専門分野への適性を具体的に語れる準備を整えておくことが合格の近道です。なお、これらの倍率はあくまで公表済み年度の実績であり、次回の令和10年度入学者選抜では募集単位そのものが変わるため、単純比較はできない点にも留意してください。
科目別対策
九州工業大学情報工学部の編入対策は、事前提出の解答用紙をもとに口頭試問で質疑応答が行われるという特殊な形式を前提に組み立てる必要があります。丸暗記した解法を書くだけでは口頭試問に対応できないため、自分で解いた過程を言葉で説明できる状態まで仕上げることが、すべての科目に共通する対策の軸になります。
数学(線形代数・解析)の対策
数学は全学科共通で、線形代数と解析(微分・積分)から出題されます。公開されている「出題の意図」を見ると、令和8年度は「線形代数における行列と固有値および固有ベクトルに関する基本事項とその応用」(知能情報・情報通信・知的システム・物理情報の4学科)と「解析におけるリーマン和と定積分および広義積分に関する基本事項とその応用」(生命化学情報工学科)が出題されました。学科によって線形代数と解析のどちらが出るか異なるため、志望学科の過去2年の出題テーマを確認し、両分野とも基本事項から応用まで解けるようにしておくことが安全です。
対策の進め方としては、公式や解法を暗記するだけでなく、「なぜその手順で解くのか」を自分の言葉で説明できるようにする練習が有効です。行列の固有値・固有ベクトルであれば計算手順に加えて幾何学的な意味を、定積分・広義積分であれば収束・発散の考え方を、口頭で説明する練習を重ねておきましょう。計算だけでなく意味を説明できる状態を目指すことが、口頭試問形式の数学対策では特に重要です。
情報基礎(プログラミング・論理回路)の対策
情報基礎は全学科で「プログラミング」が出題範囲に含まれ、情報・通信工学科はこれに加えて論理回路も範囲に入ります。過去に公開された問題例では、N×N配列に対して行方向の隣接ペア数や列方向の連続する塊の数を求める関数を実装させる出題があり、データ構造とアルゴリズムの基本的な理解を問う内容でした。特定の言語よりデータ構造とアルゴリズムの理解が重視されるため、使い慣れた言語(C、Python、Javaなど)で配列・リストの走査、条件分岐、繰り返し処理を確実に書けるようにしておくことが対策の中心になります。
論理回路が範囲に入る情報・通信工学科志望者は、論理式の簡単化、真理値表の作成、基本的な組み合わせ回路・順序回路の設計といった基礎を、教科書レベルで一通り解けるようにしておきましょう。プログラミングと論理回路のどちらも、口頭試問では「なぜこの実装にしたのか」「他の方法との違いは何か」を問われる可能性があります。実装の妥当性を自分の言葉で説明する練習を、日頃の演習に組み込んでおくと安心です。
物理・化学・生物の対策(学科別)
知的システム工学科は力学(機械・材料・流体)と制御のいずれか、物理情報工学科は力学・電磁気学・電気回路のいずれかを、出願時に選択したうえで解答します。出願前にどの分野を選ぶか決めておく必要があるため、まずは自分の得意分野を過去問演習で確認し、選択科目を早めに固めましょう。力学であれば運動方程式とエネルギー保存則、電磁気学であればガウスの法則やアンペールの法則、電気回路であれば基本的な回路方程式の立て方を、標準的な教科書の章末問題レベルで解けるようにしておくことが目安です。
生命化学情報工学科は、数学に加えて化学(基礎化学・有機化学・物理化学)と生物(基礎生物学・細胞生物学・分子生物学)のいずれか、または情報基礎から選択します。化学・生物・情報基礎のうち最も得意な1分野に集中する戦略が現実的です。化学であれば化学結合や反応速度論の基本、生物であれば細胞の構造や分子生物学の中心原理(セントラルドグマなど)を、代表的な教科書レベルで説明できるようにしておきましょう。
TOEIC(IP可)の対策
TOEIC点は配点1,000点満点のうち100点を占め、TOEIC-IPのスコアでも出願できます。募集要項には必要スコアの具体的な基準は示されていないため、目標スコアを断定することはできませんが、スコアは事前に積み上げられる唯一の評価要素である以上、早期に対策を始めておくほど有利です。公開テストとIPテストのどちらを受けるかは、受験機会や在籍校での実施状況にあわせて選び、複数回受験を前提に試験日から逆算してスケジュールを組んでください。九州工業大学の編入で必要になるTOEICスコアの目安や学習法は、九州工業大学編入のTOEIC対策|必要スコアの目安と学習法でも詳しく解説しています。
4科目(数学・情報基礎・専門科目・TOEIC)を並行して仕上げるには、逆算のスケジュール管理が欠かせません。目安としては、出願の半年〜1年前からTOEICのスコア取得を始め、出願の2〜3か月前から数学・情報基礎・専門科目の過去2年分の出題テーマを軸に演習を積み、選抜問題が公表される5月末以降は解答用紙の作成と口頭試問を想定した説明練習に集中する流れが現実的です。TOEICを先に固めるほど直前期を専門科目に回せるため、対策の初期段階では英語のスコア確保を最優先に位置づけることをおすすめします。
面接・志望理由書・過去問分析
この章では、配点の7割を占める面接(口頭試問)の実態と、自己申告書の書き方、そして公開されている出題の意図・問題例から見える出題傾向、令和10年度改組後の出題予測を扱います。面接・書類・過去問の3つを同じ軸で準備することが、この入試で得点を積み上げる近道です。
面接(口頭試問)で問われること
面接では、勉学意欲や専門に対する適性に加え、事前に提出した解答用紙の内容にもとづく口頭試問が行われます。募集要項の記載によれば、調査書・自己申告書・解答用紙の記載内容が質問項目に反映される仕組みです。出願書類と解答用紙の内容が面接の質問に直結するため、提出した内容と面接での受け答えに食い違いがないよう、自分が書いた内容を試験直前に読み返しておくことをおすすめします。
評価のチェックポイントは「理解力(論理性、リテラシー、学修適応性)」と「情報工学に対する適性等(学びに対する意欲、態度、専門適合性)」の2軸です。単発の正解を答えるだけでなく、質問の意図を理解し、筋道立てて説明する姿勢が評価につながります。正解を当てることより考える過程を見せることが重要という点は、口頭試問対策の全体に共通する考え方です。
自己申告書の書き方のポイント
自己申告書は「志望理由」と「これまでに取り組んだこと」を各500字以内で入力する書類です。志望理由では、①その学科を第1志望とした経緯、②編入学後に勉強・研究したい内容、③将来どう活かすかの3点を、これまでに取り組んだことでは、①取り組んだ内容、②身についた能力や知見、③編入学後の活かし方の3点を、それぞれ500字のなかに具体的に盛り込む必要があります。3つの観点を漏れなく含めた文章構成が評価されやすい形式です。文字数が限られているため、下書きの段階で観点ごとに文字数を配分し、抽象的な表現を削って固有の経験・具体的な学科名や研究内容に置き換える推敲を重ねましょう。
過去問分析(出題の意図の比較)
九州工業大学は選抜問題の本文そのものは公開していませんが、数学・情報基礎については「出題の意図」を年度別に公表しています。令和7年度と令和8年度を比較すると、次のような傾向が読み取れます。
| 年度 | 数学(4学科共通側) | 数学(生命化学情報工学科側) | 情報基礎 |
|---|---|---|---|
| 令和7年度 | 行列と固有値および対角化(情報通信・知的システム・物理情報) | マクローリン展開と逆関数の微分(知能情報・生命化学情報) | データ構造とアルゴリズム |
| 令和8年度 | 行列と固有値および固有ベクトル(知能情報・情報通信・知的システム・物理情報) | リーマン和と定積分および広義積分(生命化学情報工学科) | データ構造とアルゴリズム |
2年分を比べると、線形代数(行列・固有値まわり)と解析(級数展開・積分まわり)のどちらが出題されるかが、学科の組み合わせによって年度ごとに変わっていることがわかります。特定の学科だけが毎年同じ分野になるとは限らないため、線形代数と解析の両方を、基本事項から応用までまんべんなく仕上げておくのが安全な対策です。一方、情報基礎は2年連続で「データ構造とアルゴリズム」がテーマとなっており、この分野は特に優先度を上げて対策する価値があります。
公式サイトには、2023年度に公表された問題例も掲載されています。数学の例では、5人分の身長と歩幅の測定データが与えられ、その関係を表す直線を最小二乗法(残差の二乗和を最小にする係数を求める考え方)で導く問題が出題されていました。プログラミングの例では、N×N(N>1)の整数値が入った表(配列)を対象に、指定した行のなかで隣接する同じ数のペアが何個あるかを数える関数と、指定した列のなかで同じ数が連続して並ぶ塊が何個あるかを数える関数を、それぞれ実装させる出題でした。教科書の公式を現実のデータに応用させる出題傾向がうかがえるため、公式を単独で覚えるのではなく、具体的なデータや場面に当てはめて解く練習を積んでおくと、初見の問題にも対応しやすくなります。なお、この問題例は2023年度に公表されたもので、毎年更新されるとは限らない点にも留意してください。
令和10年度改組後の出題予測
令和10年度入学者選抜の予告資料には、新分野の出題範囲も示されています。知能情報工学分野は数学とプログラミングという現行の知能情報工学科とほぼ同じ構成が維持される見込みですが、電子情報通信工学分野は数学に加えて物理(電磁気学、電気回路)が新たに必須化され、情報は論理回路とプログラミングの両方が範囲となる予定です。現行の情報・通信工学科にはなかった物理が必須になる予定である点は、この分野を志望する方にとって見逃せない変更です。
知的システム工学分野は、物理の選択肢に力学・制御へ電磁気学が加わり、選択の幅が広がる見込みです。生命情報工学分野は、現行の生命化学情報工学科とほぼ同じく数学・化学・生物・情報の構成が維持される予定と読み取れます。分野再編後も出題の骨格自体は現行と大きく変わらないと見られるため、今のうちから線形代数・解析・プログラミングという共通基盤を固めつつ、電子情報通信工学分野を志望する場合は電磁気学・電気回路の基礎も並行して準備しておくと、制度変更後もスムーズに対応できます。あくまで予告段階の情報であるため、断定はできません。出願年度が近づいたら、必ず公式サイトで正式な募集要項を確認してください。
併願戦略・内部リンク
九州工業大学情報工学部の編入試験は、同じ大学の工学部(戸畑キャンパス)の編入試験と試験日・出願期間の枠組みが近く、日程を比較しながら併願を検討する受験生も少なくありません。ただし、工学部は面接と調査書が中心で情報工学部のようなTOEICの配点は設けられていないなど、選考方法には違いがあります。同じ大学でも学部によって配点や選考方法が異なるため、併願する場合は学部ごとの募集要項を個別に確認してください。工学部の出願資格・試験科目・対策のポイントは、九州工業大学工学部の編入試験を徹底解説で詳しく整理しています。
TOEICのスコアは情報工学部の配点の一部を占めるだけでなく、他大学の理工系編入試験でも広く活用されています。TOEIC対策は複数の併願先に流用できる投資になるため、早い段階でスコアを仕上げておくと、併願校の選択肢を広げやすくなります。九州工業大学編入で必要になるスコアの目安は、前章で紹介したTOEIC対策の記事もあわせて参考にしてください。
社会人の方が九州工業大学への編入を検討する場合、情報工学部の一般選抜出願資格(大学在学・卒業、高専・短大卒業など)を満たしていれば出願は可能ですが、仕事と学習・出願準備の両立には計画が必要です。社会人特有のスケジュール調整が出願準備の鍵になるため、両立の進め方や出願準備の考え方は、社会人が九州工業大学に編入する方法|両立スケジュールと出願準備もあわせてご覧ください。
併願先を選ぶときの実務的なポイントは、出願期間・試験日・合格発表日を一覧化し、九州工業大学情報工学部の日程(5月出願・6月試験・7月発表)と重ならないかを確認することです。出願書類の発行依頼は複数校分をまとめて動くと効率的になるため、調査書や成績証明書の発行を出身校に依頼する段階で、併願を予定している大学の分もあわせて申請しておくと、出願直前の書類不足を防げます。特に情報系・工学系の学科を複数校併願する場合、数学・プログラミングという共通の対策資源を使い回せるため、対策の負担を大きく増やさずに受験機会を広げられます。
大学編入という仕組み自体の全体像(制度・難易度・費用・スケジュール)を体系的に理解しておきたい方は、大学編入とは?仕組み・難易度・費用・スケジュールを徹底解説【完全ガイド】から確認すると、九州工業大学情報工学部の個別対策との位置づけが把握しやすくなります。面接点が配点の7割を占め、事前提出の解答用紙という独自の仕組みもあるこの入試では、独学だけで対策の方向性を見極めるのが難しい場面も出てきます。口頭試問と自己申告書は第三者の目で確認してもらう価値が大きいため、自分の解答や志望理由を客観的に見てもらう機会を作ることをおすすめします。
数学・情報基礎の答案づくりや、自己申告書・口頭試問の練習相手が欲しい方は、専門的な指導を受ける選択肢もあります。大学編入対策コースでは、編入試験に特化した講師が、志望学科の出題範囲にあわせた学習計画づくりから、自己申告書の添削、口頭試問を想定した面接練習まで、個別にサポートしています。まずは自分の得意分野と苦手分野を数学・情報基礎・専門科目・TOEICの4つで棚卸しし、優先順位をつけるところから始めてみてください。
よくある質問(FAQ)
九州工業大学情報工学部の編入試験に当日の学科筆記試験はありますか
独立した当日筆記の学科試験はありません。選考は調査書・自己申告書・TOEIC(IP可)スコア・面接(口頭試問)の総合評価で行われます。ただし出願後に「第3年次編入学生選抜問題」の解答用紙を事前提出する必要があり、その内容にもとづいて口頭試問が実施されます。解答用紙を提出しないと口頭試問を受験できないため、提出期限の厳守が必須です。
TOEICは何点あれば合格の目安になりますか
必要スコアの具体的な基準は募集要項に公表されていません。TOEIC点は1,000点満点中100点で、TOEIC-IPのスコアでも出願できます。スコアの換算方法も非公表のため目標点を断定できませんが、面接点700点と並ぶ評価要素である以上、早期にスコアを取得しておくことをおすすめします。最新の基準は必ず出願年度の募集要項でご確認ください。
コースは出願時に決める必要がありますか
いいえ。出願時に決めるのは学科(第3志望まで選択可能)で、コースの選択はできません。合格者には翌年1月下旬に送付される第二次入学手続書類とあわせて「志望コース調査」が届き、そこで初めてコースを回答します。ただし知的システム工学科・物理情報工学科・生命化学情報工学科は、出願登録時に口頭試問の選択科目(物理か情報基礎か、化学・生物・情報基礎のいずれか)を決める必要があります。
過去問題そのものは公開されていますか
選抜問題の本文そのものは公開されていません。公式サイトでは、数学・情報基礎に関する「出題の意図」が年度別に公開されているほか、2023年度に公表された数学・プログラミングの問題例が1問ずつ掲載されています。物理・化学・生物の問題例は公開されていないため、募集要項の出題範囲(教科書レベルの基本事項)から対策範囲を組み立てる必要があります。
推薦選抜と一般選抜のどちらが有利ですか
出願資格が異なるため単純に有利不利を比較できません。推薦選抜は高専本科・短大卒業(見込み)者で出身学校長の推薦と入学確約が前提となり、在学中の成績が優秀な場合は書類のみの選考(調査書200点+自己申告書100点)で面接が免除されることがあります。一般選抜は大学在学・卒業や専修学校修了など幅広い経歴が対象で、通常どおり面接(口頭試問)まで実施されます。推薦と一般の併願はできません。
令和10年度から学科が変わると聞きましたが、今から対策する場合どうすればよいですか
令和8年度の学部改組にともない、令和10年度入学者選抜からは現行の5学科が「情報工学科」内の4分野(知能情報工学、電子情報通信工学、知的システム工学、生命情報工学)に再編される予定です。数学(線形代数・解析)とプログラミングという共通基盤は維持される見込みのため、まずはこの2分野を固めつつ、電子情報通信工学分野を志望する場合は物理(電磁気学・電気回路)も並行して準備しておくと安心です。詳細は必ず出願年度の募集要項で確認してください。
検定料や入学後の納付金はいくらですか
入学検定料は30,000円で、別途インターネット出願システムのサービス利用料1,090円が必要です。合格後は入学料282,000円(予定額)、諸納金52,750円(予定額)を納付し、授業料は前期・後期それぞれ267,900円(予定額)が入学後に口座振替で引き落とされます。いずれも予定額であり、改定される場合があります。
倍率はどのくらいですか
令和8年度の実績では、5学科合計の志願者数117名に対し受験者数102名、合格者数47名で、受験者数を合格者数で割った実質倍率は全体で約2.2倍でした。学科別では知能情報工学科が志願倍率7.6倍・実質倍率3.5倍ともっとも高く、物理情報工学科は志願倍率1.4倍・実質倍率1.4倍と比較的落ち着いています。学科・年度による変動が大きいため、志望学科の直近の実施状況を確認しておくことをおすすめします。
足切りのある二段階選抜は実施されますか
募集要項に段階的な選抜(第1段階で一部を不合格にし、第2段階でさらに選抜するような二段階選抜)を示す記載はありません。調査書・自己申告書・TOEICスコア・事前提出の解答用紙・面接という複数の材料を、出願後から試験当日にかけて総合的に評価する一段階型の選考です。ただし面接点が1,000点満点中700点を占めるため、実質的には面接(口頭試問)の出来が合否の大部分を左右する構造だと理解しておくとよいでしょう。
まとめ
九州工業大学情報工学部の3年次編入学生選抜は、当日の学科筆記試験を課さず、調査書・自己申告書・TOEIC(IP可)スコア・面接(口頭試問)の総合評価(1,000点満点)で合否を決める入試です。出願後に事前提出する「第3年次編入学生選抜問題」の解答用紙が口頭試問の資料として使われる仕組みは、他大学の編入試験にはあまり見られない九州工業大学情報工学部固有の特徴といえます。募集人員は5学科合計35名、令和8年度の実質倍率は全体で約2.2倍でしたが、学科によって1.4倍から3.5倍まで幅があります。
対策の要点は3つです。第一に、数学(線形代数・解析)とプログラミングという全学科共通の出題範囲を、公式暗記ではなく説明できるレベルまで仕上げること。第二に、自己申告書の志望理由と面接での受け答えを一貫させ、事前提出の解答用紙の内容も含めて口頭試問に備えること。第三に、令和10年度入学者選抜からの学科再編を踏まえ、志望する専門分野の出題範囲が今後どう変わりうるかを、出願年度の募集要項で確認しながら準備を進めることです。
令和9年度の選抜はすでに終了していますが、選考方法の骨格や出題範囲の考え方は今後も参考になります。募集人員・日程・配点・出題範囲は年度によって変更される可能性があるため、この記事の情報を土台としつつ、出願前には必ず九州工業大学の公式サイトと最新の学生募集要項で最終確認をしてください。事前提出の解答用紙と口頭試問という独自の仕組みに早くから慣れておくことが、限られた準備期間を有効に使う近道になります。
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