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広島大学工学部の編入試験を徹底解説|出願資格・試験科目・過去問対策・志望理由書・面接まで

広島大学工学部の編入試験を徹底解説の記事アイキャッチ画像。大学編入対策の出願資格・試験科目・対策を示す図解。
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広島大学工学部の3年次編入学試験は、高等専門学校や短期大学、大学在学者などを対象に、工学部第一類から第四類までの4つの類・11のプログラムで実施される学部編入学制度です。大学編入とは対象校で一定の学業成績を修めた学生が、通常の1・2年次を経ずに工学部の第3年次へ途中入学し、卒業まで最短2年間で学位取得を目指す仕組みを指します。募集人員は類ごとに数名という狭き門で、令和9年度(2027年4月入学)募集要項では第一類5名・第二類3名・第三類4名・第四類3名の合計15名にとどまります。試験科目は類によって大きく異なり、第一類だけが数学・物理の筆記試験を課す一方、第二類から第四類は面接での口頭試問のみで合否が決まります。本記事では、広島大学が公表している令和8年度・令和9年度の募集要項と、実際に公開されている過去2年分の筆記試験問題をもとに、出願資格、試験科目と配点、日程、対策の優先順位までを公式情報に基づいて整理します。

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目次

広島大学工学部の3年次編入学の概要

広島大学工学部は、東広島市鏡山にある東広島キャンパスに設置された工学系の学部で、第一類(機械・輸送・材料・エネルギー系)、第二類(電気電子・システム情報系)、第三類(応用化学・生物工学・化学工学系)、第四類(建設・環境系)の4つの類、合計11のプログラムで構成されています。3年次編入学試験はこの4類それぞれに設けられていますが、類によって試験科目も評価の重みもまったく異なるため、まず自分が志望する類とプログラムを確定させることが対策の出発点になります。

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第一類は機械システム、輸送システム、材料加工、エネルギー変換の4プログラムをまとめた枠で、数学と物理(力学)の筆記試験に加えて専門分野への意欲を問う面接が課されます。第二類は電気システム情報プログラムのみを対象とし、面接の中で電磁気・電気回路もしくは情報・システム工学と数学の口頭試問が行われます。第三類は応用化学、生物工学、化学工学の3プログラムをまとめた枠で、数学と化学(または生化学)の口頭試問を含む面接が中心です。第四類は社会基盤環境工学と建築の2プログラムをまとめた枠で、数学・物理を含む専門教育に関わる基礎知識の試問が面接内で行われます。

出願書類の宛名見本には「出願学部・学科等」として工学部第何類・何プログラムを記入する欄が1つだけ示されており、1回の出願で志望できる類は基本的に1つという前提で手続きが設計されていると読み取れます。複数の類やプログラムを併願したいと考えている場合、同時出願が可能かどうかは募集要項に明記されていないため、出願前に工学系総括支援室へ直接確認しておくことをおすすめします。

広島大学工学部の編入学試験には二次募集がありません。一度の試験機会で合否が確定するため、体調管理や出願書類の不備防止まで含めて、当日までの準備を一発勝負のつもりで組み立てる必要があります。また、工学部第二類には令和7年度以降の入学生を対象とした半導体システムプログラムが新設されており、大学が公表している資料では、第3年次編入学試験についても将来的に電気システム情報プログラム3名・半導体システムプログラム10名の計13名へ募集人員を増やす計画が予告として示されています。ただし、この増員計画は令和9年度募集要項の時点では正式な募集人員に反映されておらず、大学自身も「今後変更する場合があります」と注記しています。志望する年度に半導体システムプログラムの編入学枠が実際に設けられているかどうかは、出願する年度の最新の募集要項で必ず確認してください。

広島大学工学部の編入学試験は、高等専門学校(高専)出身者を主な母集団としつつ、短期大学卒業者や大学在学者からの出願も同じ4つの類・11プログラムの窓口で受け付ける制度です。合格すれば第3年次から専門課程に合流し、最短2年間で学位取得を目指す流れになりますが、出身校の種類によって出願資格の号や提出書類の様式が変わる点は見落としやすいポイントです。大学編入という制度そのものの一般的な仕組みについては、大学編入とは?仕組み・難易度・費用・スケジュールを徹底解説【完全ガイド】で整理していますので、志望する類・プログラムを固める前の下調べとしてあわせて確認しておくと出願準備を進めやすくなります。

各類の入学者受入方針(アドミッションポリシー)は、募集要項本体ではなく工学部の入試情報ページから類ごとに別ファイルで公表されています。志望する類のアドミッションポリシーには、求める学生像や重視する能力が具体的に記載されているため、面接での受け答えや志望理由の組み立てに直結する一次情報として、出願前に必ず目を通しておくことをおすすめします。なお、第二類の半導体システムプログラムについては、編入学向けのアドミッションポリシーが「後日公表予定」とされている時期があり、確認できる情報が年度によって異なる点にも注意してください。

単位認定についても押さえておきたいポイントがあります。募集要項には、編入学した者が入学前に取得した単位は本学部の基準により認定されるものの、認定状況によっては第3年次に編入しても標準の2年間で卒業できない場合があると明記されています。高専や短大で履修した科目が広島大学工学部のカリキュラムとどこまで対応するかは、出願前の時点では正確に把握しづらいため、合格後の単位認定結果を踏まえて履修計画を柔軟に組み直せるよう心づもりをしておくとよいでしょう。

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募集人員・出願資格

令和9年度(2027年4月入学)募集要項に示された募集人員は次のとおりです。編入学年次はすべて第3年次で、二次募集はありません。

類(系)プログラム募集人員
第一類(機械・輸送・材料・エネルギー系)機械システム、輸送システム、材料加工、エネルギー変換5名
第二類(電気電子・システム情報系)電気システム情報3名
第三類(応用化学・生物工学・化学工学系)応用化学、生物工学、化学工学4名
第四類(建設・環境系)社会基盤環境工学、建築3名

合計15名という募集人員は、複数プログラムをまとめた「類」単位での人数である点に注意が必要です。たとえば第一類は4プログラムを志望する受験生が5名の枠を争う構造になっており、出願時に第何類を志望するかは選べても、入学後にどのプログラムへ配属されるかは大学側の基準によって決まる場合があります。志望するプログラムが明確に決まっている場合は、募集要項やプログラムのカリキュラムページで配属の仕組みを確認しておくと安心です。

出願資格は、次の(1)から(11)のいずれかに該当するか、令和9年3月31日までに取得見込みであることが条件です。自分の経歴がどの号に当てはまるかを、募集要項の原文で必ず確認してください。

出願資格の区分該当する経歴の例
高専・短大卒業高等専門学校または短期大学を卒業した者(1号)
外国の短大等修了文部科学大臣が指定する外国の短期大学課程等を我が国で修了した者(2号)
専修学校専門課程修了修業年限2年以上・総授業時間数1,700時間以上の専門課程を修了した者(3号)
高校専攻科修了修業年限2年以上等の基準を満たす高等学校専攻科の課程を修了した者(4号)
大学卒業大学を卒業した者(5号)
学位授与機構の学士大学改革支援・学位授与機構から学士の学位を授与された者(6号)
大学在学者大学に2年以上在学(休学期間を除く)し、62単位以上修得した者(7号)
外国の大学卒業・在学修業年限4年以上の外国の大学を卒業、または2年以上在学し62単位以上修得した者(8号・9号)
旧制度の学校修了旧国立工業教員養成所卒業者、学校教育法施行規則附則第7条に定める従前の課程の修了者等(10号・11号)

大学在学者を対象とした7号・9号の「62単位以上」という基準は、多くの大学で1・2年次に配置される教養科目や基礎専門科目を順調に修得していれば届く水準です。ただし休学期間は在学年数に算入されないと明記されているため、休学の経験がある場合は自分の在学年数の数え方を、出願前に在籍する大学の教務課へ確認しておくと安心です。

大学在学者が7号または9号の資格で出願する場合は、大学が指定する「様式2」による単位取得状況の証明書が必要です。専修学校専門課程からの出願(3号)には「様式1」の証明書が求められるなど、資格の号によって提出書類の様式が変わるため、該当する号を早めに特定し、在籍校の教務窓口に証明書発行を依頼するスケジュールを組んでおくことをおすすめします。「様式1」「様式2」は工学部の入試情報ページから年度ごとにダウンロードでき、印刷サイズはA4を指定されています。改姓などで現在の氏名と証明書の氏名が異なる場合は、新旧両方の氏名が確認できる戸籍抄本等の写しをあわせて提出する必要があるため、該当する場合は早めに準備しておいてください。

出願時に提出する書類は、大きく分けて次の4種類です。学業成績証明書と卒業・修了見込証明書は出身校長が作成・厳封した原本が必要で、発行までに数日から数週間かかることがあります。

出願書類提出方法ポイント
写真インターネット出願でファイルアップロードJPEG形式、上半身・脱帽・正面向き。入学後も学生証等で使用するため加工不可
学業成績証明書簡易書留郵送または持参出身校長作成の厳封原本。高専・大学在学・その他で提出書類の組み合わせが異なる
卒業・修了(見込)証明書等簡易書留郵送または持参該当する出願資格の号ごとに必要な証明書が指定されている
TOEIC(R)/TOEFL(R)スコア証明書簡易書留郵送または持参令和7年4月1日以降実施分の原本。オンライン受験は対象外で、未提出の場合は出願不可

入学検定料は30,000円で、インターネット出願の決済画面からクレジットカード、コンビニエンスストア、金融機関ATM、ネットバンキングのいずれかで支払います。出願書類受付後の検定料は理由を問わず返還されないため、出願資格の該当号や提出書類に不安がある場合は、出願前に工学系総括支援室へ問い合わせておくと安全です。

学業成績証明書は、在学状況によって提出パターンが分かれる点に気をつけてください。高等専門学校または高専専攻科に在学中(または卒業した)者は、高専入学から現在までの成績証明書に加えて、高専へ編入学した経歴がある場合は編入前に在籍していた高等学校相当の成績証明書も必要です。大学または短大に在学中(または卒業した)者は、高等学校の成績証明書と現在の大学の成績証明書の2つを、それ以外の経歴に該当する者は高校1年から現在までのすべての成績証明書を提出する必要があります。証明書はいずれも出身校長が作成し厳封した原本であるため、発行申請から受け取りまでに数日かかる学校もあります。出願期間である5月中旬から下旬に慌てないよう、遅くとも出願開始の1〜2か月前には在籍校の教務窓口へ発行のスケジュールを相談しておくと安心です。

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試験科目と配点

広島大学工学部の編入学試験でもっとも注意すべき点は、第一類だけが筆記試験を課し、第二類から第四類は面接(口頭試問を含む)のみで合否が決まるという構造です。令和9年度募集要項に示された試験内容は次のとおりです。

試験科目等内容評価
第一類筆記試験数学(微分積分、線形代数及び微分方程式)・物理(力学)の基礎学力をみる問題総合して段階評価
面接専門(機械・輸送・材料・エネルギー)に対する意欲・志向についての質問
第二類面接専門(電磁気、電気回路、あるいは情報・システム工学)や数学に関する試問段階評価
第三類面接勉学に対する意欲・志向の質問、数学・専門(化学又は生化学)の口頭試問。簡単な筆記調査を実施段階評価
第四類面接専門教育に関わる基礎的な知識(数学、物理を含む)に関する試問段階評価

試験時間は、第一類が筆記試験10時00分から11時30分の90分間、面接が13時30分から実施されます。第二類から第四類は10時00分から面接のみが行われます。試験場はすべての類共通で、東広島市鏡山一丁目4番1号の広島大学工学部です。配点そのものは公表されていませんが、合否判定は筆記試験(第一類のみ)、面接、成績証明書、TOEIC(R)/TOEFL(R)スコア証明書の4要素を総合し、A・B・C・Dの四段階評価で行うと明記されています。特定の科目に配点比率が数値で示されているわけではないため、どれか一つに偏った対策ではなく、成績証明書の内容や英語スコアも含めた総合評価であることを意識して準備を進める必要があります。

ここで重要なのは、TOEIC(R)またはTOEFL(R)のスコア証明書が、出願資格そのものではなく合否判定の評価要素として扱われている点です。募集要項では令和7年4月1日から出願時までに実施された試験のスコア証明書(原本またはデジタル公式認定証)の提出が全員に必須とされ、出願時に提出できない場合は出願そのものができません。オンラインで受験した回のスコアは対象外という制限もあるため、会場受験のTOEIC公開テストやTOEFL iBTを計画的に受け、出願締切から逆算してスコア到着日を確認しておく必要があります。

第一類の筆記試験は、大問3題・解答用紙3枚という形式で90分間実施されます。持参可能な物品は受験票、筆記用具、時計に限られ、アラーム機能付き時計の使用は禁止されています。辞書や電卓の持参可否は科目や年度によって変わる可能性があるため、受験案内の最新の指示を試験直前に必ず確認してください。

四段階評価の内訳(A・B・C・Dそれぞれの合格基準)そのものは公表されていませんが、筆記試験・面接・成績証明書・英語スコアという4つの評価材料をそれぞれ独立に採点したうえで総合判定する構造である以上、どれか一つが突出していれば合格できるという試験ではないと理解しておく必要があります。特に成績証明書は出願後に内容を変更できないため、日々の授業や実験の成績を編入学試験の評価材料の一つとして意識しておくことも、広い意味での対策の一部になります。

募集要項の試験内容欄を読み比べると、類ごとに面接で重視される評価軸の言葉づかいにも違いが見られます。第一類は「学習能力や適性」、第二類は「基礎学力と論理的思考能力」、第三類は「科学的思考力、対応の仕方・態度」、第四類は「学習能力や適性」という表現がそれぞれ使われており、同じ面接という形式でも問われる力点が微妙に異なります。第三類を志望する場合は、単に知識量を示すだけでなく、口頭試問への対応の仕方や態度そのものも評価対象になっている点を意識しておくとよいでしょう。

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日程・スケジュール

令和9年度(2027年4月入学)募集要項に基づく主な日程は次のとおりです。次年度以降は日程が前後する可能性があるため、出願する年度の最新の募集要項で必ず確認してください。

時期内容
令和8年5月18日(月)〜5月27日(水)17時インターネットでの志望情報入力・入学検定料支払い期間
令和8年5月18日(月)〜5月27日(水)17時必着出願書類の簡易書留郵送・持参の提出期間(日本国内からの郵送は5月25日消印まで有効)
令和8年6月3日(水)正午以降UCAROで受験票・受験案内を閲覧・印刷可能
令和8年6月13日(土)試験実施日(第一類:筆記10:00〜11:30、面接13:30〜/第二〜四類:面接10:00〜)
令和8年6月23日(火)正午(予定)合格者発表(UCAROで合格通知書PDFを交付)
令和8年7月24日(金)編入学入学届の提出期限
令和8年12月4日(金)〜12月11日(金)(予定)入学手続期間
令和9年4月1日編入学(第3年次)

出願方法はインターネット出願に一本化されており、次の5つの手続きをすべて完了させて初めて出願完了となります。一つでも欠けると出願手続完了にはならないと募集要項に明記されているため、順番に沿ってチェックしながら進めてください。

  1. 「UCARO(ウカロ)」に会員登録を行う(インターネット出願期間の前から登録可能)
  2. インターネット出願のページから、志望情報等を入力する
  3. 写真をアップロードする(JPEG形式、加工なし)
  4. 入学検定料を支払う
  5. 郵送が必要な出願書類等を簡易書留で郵送する

郵送が必要な出願書類は、市販の角形2号封筒(横24cm×縦33.2cm)に入れ、必ず簡易書留で送付します。封筒には「工学部編入学出願書類在中」と朱書し、UCAROの出願登録完了画面から印刷した宛名ラベルを貼付します。持参する場合は、平日午前9時から午後5時までの受付で、土曜日・日曜日は受け付けられません。

障害等により受験上・修学上の配慮を希望する場合は、事前相談の制度が設けられています。点字による受験など特別な準備が必要な場合は試験実施年の4月28日頃まで、その他の配慮を希望する場合は原則として5月8日頃までに、氏名・志望する類やプログラム名・障害等の種類や程度・希望する配慮事項などを記載した様式自由の申請書を工学系総括支援室へ提出して相談する流れになっています。配慮を要する可能性がある場合は、出願準備と並行してできるだけ早い時期に問い合わせておくことをおすすめします。

試験当日は、受験票を持参し、試験開始20分前までに試験室へ集合することが求められています。試験室や面接時間などの詳細は試験実施日の前日から掲示されるため、会場入りする前に必ず確認しておいてください。次のような持ち物・確認事項を、前日までにチェックしておくと当日の慌ただしさを減らせます。

  • UCAROから印刷した受験票
  • 筆記用具(アラーム機能を使用しない時計を含む)
  • 試験会場(東広島市鏡山一丁目4番1号)までの交通手段と所要時間の確認
  • 天候悪化や交通機関の混乱があった場合の延期・時刻変更のお知らせ確認先(工学部ホームページ)

合格発表はキャンパスでの受験番号掲示やホームページ掲載を行わず、UCARO上でのPDF合格通知書の交付のみで行われます。電話での合否問い合わせにも応じないため、発表当日は自分でUCAROにログインして確認する必要があります。合格通知を受けた場合、編入学入学届を7月24日までに提出しないと辞退扱いになる点にも注意してください。

入学手続時に必要な入学料は282,000円、入学後に必要な年額授業料は535,800円です(令和8年4月現在の金額で、改定される場合があります)。高等教育の修学支援新制度への申請を予定している場合は、大学からの決定通知があるまで入学料・授業料を納入しないよう案内されているため、家計状況に応じて事前に制度の対象条件を確認しておくと安心です。

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倍率・難易度

広島大学工学部の編入学試験について、志願者数・合格者数・倍率といった選抜結果の数値は、令和9年度募集要項および大学が公開している入学者選抜結果情報のページのいずれにも明記されていません。大学の入学者選抜結果情報ページは総合型選抜や一般選抜(前期・後期日程)の得点分布は詳細に公表している一方、学部編入学試験については個別の集計データが掲載されておらず、正確な倍率を公式情報だけから断定することはできません。倍率を紹介する予備校サイトなどもありますが、出典が大学の公式発表かどうかを見極めたうえで参考程度にとどめ、最新の状況は出願前に工学系総括支援室へ直接問い合わせることをおすすめします。

その一方で、募集人員の少なさから難易度の構造は読み取れます。令和9年度の募集人員は第一類5名、第二類3名、第三類4名、第四類3名で、いずれも一桁台の狭い枠です。二次募集もないため、一度の受験機会に対して準備の抜け漏れが合否へ直結しやすい試験だといえます。加えて、第一類は複数プログラム(機械システム・輸送システム・材料加工・エネルギー変換)を1つの枠でまとめて選抜するため、志望するプログラムが集中した場合には実質的な倍率がさらに上がる可能性があります。

類ごとの試験構成を比較すると、対策にかかる負荷の質にも違いがあります。

筆記試験面接での専門試問対策の特徴
第一類あり(数学・物理)専門分野への意欲・志向90分の記述式筆記対策が合否に直結。過去問が公開されている
第二類なし電磁気・電気回路または情報システム工学、数学の口頭試問面接内での口頭説明力と専門基礎の即答力が問われる
第三類なし(簡単な筆記調査あり)数学、化学又は生化学の口頭試問面接が中心だが、簡単な筆記調査の存在を軽視できない
第四類なし数学・物理を含む基礎的知識の試問幅広い基礎知識を口頭で説明する力が必要

第一類は筆記試験という明確な対策対象があるため過去問演習の効果が測りやすい一方、第二類から第四類は面接内の口頭試問という性質上、出題範囲や難易度の手がかりが少なく、対策の見通しを立てにくいという難しさがあります。面接中心の類ほど、自分の言葉で専門知識を説明できるレベルまで理解を深めておく必要があると考えて準備を進めるとよいでしょう。

現役・浪人別の合格率や、高専出身・大学在学者出身といった経歴別の合格傾向についても、広島大学は公式データを公表していません。難易度を数値だけで判断するのではなく、募集人員の少なさ、二次募集がないこと、第一類は筆記と面接の両方、第二類から第四類は面接一本で評価されることといった試験構造そのものから、自分にとっての負荷を見積もる姿勢が現実的です。加えて、前述のとおり第二類では半導体システムプログラムの新設に伴う募集人員増員が予告されている段階にあり、今後の年度で類ごとの募集人員バランスが変わる可能性があります。志望する年度の最新の募集人員を確認したうえで、難易度の見立てをそのつど更新することも意識しておいてください。

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科目別対策

広島大学工学部の編入学試験対策は、志望する類によって優先順位が大きく変わります。ここでは、公開されている過去問の内容も踏まえて、科目ごとに押さえるべきポイントを整理します。

数学(微分積分・線形代数・微分方程式)の対策

第一類の筆記試験では、数学が微分積分、線形代数及び微分方程式の3分野から出題されると明記されています。実際に公開されている令和8年度・令和9年度の問題を見ると、大問1は微分積分から2〜3問(高階微分、広義積分、2重積分、微分方程式の一般解のいずれか)、大問2は線形代数から固有値・固有ベクトル・対角化(または行列のn乗)という構成が2年連続で続いています。高専や大学教養課程で学ぶ標準的な範囲ですが、公式を覚えているだけでは対応できない計算量の多い問題が含まれるため、制限時間内に手を止めずに計算し切る練習が欠かせません。

特に固有値・固有ベクトル・対角化は、2年分の過去問双方で出題されている頻出単元です。3次正方行列の固有値を求め、各固有値に対応する固有ベクトルを導き、対角化する行列や行列のべき乗を計算するところまでを一連の流れとして、時間を計りながら反復しておくことをおすすめします。微分方程式についても、定数係数の2階線形微分方程式や分離型の微分方程式が出題されており、同次解と特解を分けて求める基本手順を素早く再現できる状態にしておくと安心です。

2重積分についても2年連続で出題されており、令和8年度は円と直線で囲まれた領域、令和9年度は三角関数を含む不等式で定義された領域が題材になっています。積分領域を図示してから積分順序を決める基本動作を徹底しておくと、初めて見る形の領域が出題されても対応しやすくなります。計算力を要する分野が多いぶん、途中式を省略せずに書く練習を積んでおくことも、部分点を確保するうえで有効です。

令和8年度の大問1(1)のように「第101次導関数を求めよ」といった高階微分の問題は、力ずくで101回微分するのではなく、関数を部分分数分解や倍角の公式で簡単な形に変形してから一般項のパターンを見抜くという発想が前提になっています。同様に令和9年度の大問1(1)のように積分で定義された関数の微分を求める問題では、微分と積分の順序を入れ替えられる条件を意識しながらライプニッツ則的な考え方を使う場面があり、公式を丸暗記するのではなく、どの条件下でどの操作が許されるのかを理解しておくことが得点につながります。

物理(力学)の対策

第一類の筆記試験で課される物理は力学に限定されています。過去2年分の問題では、いずれも大問3で剛体の回転運動が出題されており、令和8年度は回転軸まわりの慣性モーメントと運動方程式、エネルギー保存則を用いた角速度の導出、微小振動の近似解、弾性衝突後の角速度と質点速度を求める設問で構成されていました。令和9年度は糸で吊られた棒の張力、慣性モーメント、糸を切断した直後の運動方程式と角加速度を求める設問が出題されています。剛体の回転運動、慣性モーメント、エネルギー保存則という3つの柱を軸に、単振動の近似や衝突・角運動量保存まで一通り解けるようにしておくことが、第一類の物理対策の中心になります。

力学の設問は小問が5問前後にわたって連鎖する構成が多く、序盤の小問でつまずくと後続の設問すべてに影響します。慣性モーメントの公式を暗記するだけでなく、積分によって導出する過程まで理解しておくと、見慣れない形状の問題が出た場合にも対応しやすくなります。2年分の問題はいずれも、静止状態から運動が始まる瞬間の張力や角加速度を求める設問と、その後の運動を微小振動や衝突として発展させる設問がセットになっています。運動が始まる瞬間の状態を正確に立式できるかどうかが、後半の発展設問を解けるかどうかを左右するため、初期条件の設定を丁寧に行う練習を重ねておくとよいでしょう。

令和8年度の大問3(4)のように「角度が微小であるときの運動方程式の解を求めよ」という設問は、sinθ≈θという近似を使って非線形の運動方程式を線形の単振動の式に置き換える典型的な流れです。この近似がどの段階で使えるのか、なぜ使ってよいのかを理解しないまま公式だけを覚えていると、令和9年度のように「特定の角度における運動を説明せよ」という記述式の設問に対応できません。角度が微小な場合とそうでない場合とで運動の性質がどう変わるのかを、日頃から言葉で説明する練習も取り入れておくとよいでしょう。

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専門科目(電磁気・電気回路・化学・生化学等)の対策

第二類から第四類は専門科目の筆記試験がなく、面接内の口頭試問で専門知識が問われます。第二類は電磁気、電気回路、あるいは情報・システム工学のいずれかと数学に関する試問が課され、第三類は数学と化学または生化学の口頭試問、第四類は数学・物理を含む専門教育に関わる基礎的な知識の試問が行われると募集要項に明記されています。筆記試験がないぶん、口頭で即座に説明する力が求められるため、公式や定義を暗記するだけでなく、なぜその公式が成り立つのかを自分の言葉で説明できる状態まで仕上げておく必要があります。

第三類では面接の資料とするための「簡単な筆記調査」が実施される旨が明記されています。これは本格的な筆記試験ではありませんが、面接だけに絞った対策では対応しきれない可能性があるため、化学または生化学の基礎計算問題を短時間で解く練習も並行しておくと安心です。第二類・第四類についても、専門分野の教科書に載っている典型的な例題を、口頭で説明する練習として音読・板書代わりのノート作成を通じて反復しておくことをおすすめします。

第二類の試験内容は「電磁気、電気回路、あるいは情報・システム工学」という並記になっており、ハードウェア寄りか情報・ソフトウェア寄りかで準備すべき専門分野が変わります。電磁気・電気回路を軸にする場合は基礎方程式の導出過程を、情報・システム工学を軸にする場合はアルゴリズムやデータ構造の基本概念を、それぞれ口頭で説明できる状態にしておくと、口頭試問でどちらの角度から質問されても対応しやすくなります。

英語(TOEIC・TOEFL)の対策

広島大学工学部の編入学試験では、独立した英語の筆記試験は課されない代わりに、TOEIC(R)またはTOEFL(R)のスコア証明書提出が全員に必須とされています。募集要項では、令和7年4月1日から出願時までに実施された試験のスコア証明書のみが有効とされ、オンライン受験の結果は対象外と明記されています。会場受験のTOEIC公開テストやTOEFL iBTを、出願締切から逆算して余裕を持ったタイミングで受験しておく必要があります。

スコアそのものの合格基準は公表されていませんが、合否判定の4要素の一つとして総合評価に組み込まれる以上、他の受験生と比べて見劣りしないスコアを準備しておくに越したことはありません。専門科目や数学の対策に時間を取られがちですが、英語スコアの取得は出願前に完了させておくべき最優先事項として、早い段階からスケジュールに組み込んでおきましょう。

試験日から逆算した学習スケジュールの目安

広島大学工学部の編入学試験は例年6月中旬に実施され、出願は5月中旬から下旬という早い時期に締め切られます。TOEIC・TOEFLのスコア証明書は令和7年4月1日以降実施分のみが有効という条件も踏まえ、次のような時期を目安に準備を進めると、直前期に手続きだけに追われる事態を避けやすくなります。

時期の目安取り組むこと
試験前年の夏頃志望する類・プログラムを固め、募集要項とアドミッションポリシーを読み込む。第一類志望者は公開されている過去問を入手する
試験前年の秋頃数学(微分積分・線形代数・微分方程式)と物理(力学)の基礎範囲を一通り復習し、未履修分野を洗い出す
試験年の冬頃TOEIC公開テストまたはTOEFL iBTの受験計画を立てる(令和7年4月1日以降実施分が対象になる年度の場合は、有効な回を選んで受験する)
試験年の3〜4月頃第一類は過去問演習を本格化。第二類から第四類は専門分野の口頭説明練習と面接想定問答の作成を始める
出願直前(5月中旬)学業成績証明書・卒業見込証明書などの発行を出身校に依頼し、TOEIC・TOEFLスコア証明書の到着を確認する
出願期間(5月中旬〜下旬)UCARO登録、インターネット出願の志望情報入力、検定料支払い、出願書類の簡易書留郵送をすべて完了させる
試験直前(6月上旬)第一類は過去問の総復習と時間配分の最終確認。全類共通で面接想定問答の読み合わせを行う

出願書類の発行依頼から出願締切までの期間が短くなりやすいため、学習面の対策と並行して書類準備のスケジュールも早めに引いておくことが、余裕を持った出願につながります。

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面接・志望理由書・過去問分析と出題予測

広島大学工学部の編入学試験対策では、公式に公開されている過去問を年度別に読み解くことが第一類受験者にとって欠かせない作業です。ここでは、実際に大学が公表している令和8年度・令和9年度の第一類筆記試験問題の構成を比較したうえで、筆記試験のない第二類から第四類については募集要項とアドミッションポリシーの記載から出題の方向性を考えます。

第一類筆記試験の過去問分析(令和8年度・令和9年度)

広島大学工学部第3年次編入学試験の第一類筆記試験は、大学の公式ページで問題と出題の意図・解答例が公開されています。実際に公表されている2年分を比較すると、大問構成と出題分野には明確な共通パターンが見られます。

年度(実施日)大問1(微分積分)大問2(線形代数)大問3(力学)
令和8年度(令和7年6月14日実施)分数関数の第101次導関数、極座標的領域の2重積分、2階線形微分方程式の一般解3次対称行列の固有値・固有ベクトル、行列のn乗回転軸まわりの剛体棒の慣性モーメント、運動方程式、エネルギー保存則による角速度、微小振動の近似解、弾性衝突後の角速度と質点速度
令和9年度(令和8年6月13日実施)積分で定義された関数の導関数、三角関数で囲まれた領域の2重積分、分離型微分方程式の一般解3次正方行列の固有値・固有ベクトル、対角化する行列の導出糸で吊られた棒の張力・慣性モーメント、糸切断直後の運動方程式と角加速度、特定角度での運動の説明

この2年分を通じて読み取れるのは、大問1が微分積分から2〜3の小問構成、大問2が線形代数の固有値・固有ベクトル・対角化を中心とした構成、大問3が剛体の回転運動を扱う力学という、出題分野の骨格が年度をまたいで安定している点です。特に線形代数の固有値・固有ベクトルと、力学における剛体の回転運動・慣性モーメント・エネルギー保存則は、2年連続で出題の中心に据えられています。過去問を解く際は、単に答えが合っているかどうかだけでなく、この骨格に沿って「どの分野の、どの解法パターンが問われているか」を意識して整理しておくと、初見の問題に応用しやすくなります。

一方で、令和9年度の大問1(3)では、気体力学の断熱変化に関連するとみられる微分方程式が出題されており、純粋な数学の解法だけでなく物理的な背景を持つ設問も含まれています。数学の演習を教科書の章末問題だけで完結させず、力学や熱力学と結びついた応用問題にも触れておくと、こうした出題への対応力が高まります。なお、本記事では公式に公開されている過去問の構成を要約する形で紹介しており、問題文そのものの詳細や配点の内訳については、大学公式ページで公開されている原本のPDFを必ず確認してください。

広島大学工学部は、筆記試験の問題そのものだけでなく「出題の意図及び解答例」という資料もあわせて公開しています。この資料には各設問で何を評価しようとしているかという出題側の視点が記載されているため、単に模範解答と自分の答案を照らし合わせるだけでなく、出題意図の記述を読み、自分の理解がその視点とずれていないかを確認する使い方が効果的です。問題演習を一通り終えた後の仕上げとして、この資料を読み込む時間を対策スケジュールに組み込んでおくことをおすすめします。

第一類筆記試験の答案戦略

90分間で大問3題(数学2題、力学1題)を解き切る必要があるため、時間配分の設計もスコアに直結します。大問1の微分積分は小問が2〜3問に分かれており、計算量が読みにくい小問から先に手をつけると時間を浪費しやすいため、まず全体に目を通して解法の見通しが立つ小問から着手する進め方が有効です。大問2の線形代数は、固有値を求める段階で計算を誤ると後続の固有ベクトル・対角化の設問すべてに影響するため、固有値の検算(トレースや行列式との整合性の確認)を挟む習慣をつけておくと事故を防げます。

大問3の力学は設問数が多く、(1)から(5)へと前の設問の結果を使って解き進める連鎖的な構成になっています。途中の設問で計算が合わなくても、後続の設問では文字式のまま代入して部分点を狙える場合があるため、時間切れで空欄のまま提出することは避け、立式だけでも解答用紙に残す姿勢が有効です。受験案内によれば、解答用紙は3枚、下書き用紙は2枚配布される形式とされており、下書き用紙で計算を整理してから清書するという時間配分に慣れておくとよいでしょう(配布枚数は年度により変更される可能性があるため、当日配布される受験案内の指示を最終的な基準にしてください)。

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第二類から第四類の出題予測(募集要項・アドミッションポリシーに基づく分析)

第二類から第四類は筆記試験そのものがなく、面接内での口頭試問という形式のため、第一類のような過去問は公表されていません。ただし、募集要項に示された試験内容の記載と、大学が公表しているアドミッションポリシー(入学者受入れの方針)を照らし合わせることで、出題の方向性をある程度予測できます。以下はあくまで募集要項・アドミッションポリシーから読み取れる傾向であり、断定的な予想ではない点にご留意ください。

  • 第二類は、アドミッションポリシーで集積回路やコンピュータへの関心、数学的思考力、ソフトウェア開発への興味などが挙げられており、試験内容の「電磁気、電気回路、あるいは情報・システム工学」という記載と合わせると、志望するプログラム内容(ハードウェア寄りか情報・ソフトウェア寄りか)に応じて口頭試問の切り口が変わると考えられます。
  • 第三類は、アドミッションポリシーで理科(化学・物理・生物)、数学、外国語の学力や、多面的・創造的な課題対応力が重視される旨が示されており、試験内容の「数学、専門(化学又は生化学)の口頭試問」と合わせて、高専・大学で履修した化学・生物系科目の基礎知識を、口頭で筋道立てて説明できる準備が重要になります。
  • 第四類は、アドミッションポリシーで理科や数学の高い学力、社会基盤環境工学・建築への強い関心が挙げられており、試験内容の「数学、物理を含む基礎的な知識」という記載から、構造力学や測量、建築計画など専門領域の入り口にあたる基礎知識が問われやすいと考えられます。

いずれの類についても、面接では「なぜ広島大学工学部のこの類・プログラムを志望するのか」「これまでの学習歴と入学後に学びたい内容がどうつながっているか」という一貫性が重視される傾向にあります。専門知識の正確さと同じくらい、志望理由の一貫性が評価に影響すると考え、口頭試問の準備と志望理由の言語化を並行して進めることをおすすめします。

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面接対策で準備しておきたい観点

広島大学工学部の面接・口述試験は、第一類では専門分野への意欲・志向、第二類から第四類では専門の口頭試問と勉学への意欲・志向の両方が評価対象になります。準備段階では、次のような観点を1分程度で簡潔に説明できるようにしておくと安心です。

  • 志望する類・プログラムで、具体的にどの分野を学びたいのか
  • 現在の所属校で履修した科目や実験・演習の内容が、志望分野とどうつながっているか
  • 数学・物理・専門科目のうち、得意な分野と苦手な分野をどう認識しているか
  • 広島大学工学部のカリキュラムや教員の研究分野について、どこまで調べているか
  • 編入後に取り組みたい研究テーマや、卒業後の進路の方向性

回答を一字一句暗記するのではなく、上記の観点をつなげて自分の言葉で語れるようにしておくと、口頭試問で想定外の角度から質問された場合にも対応しやすくなります。第三類の「簡単な筆記調査」のように、面接に付随する形で簡易的な確認が行われる類もあるため、面接対策と基礎知識の総復習を切り離さずに、両方を並行して進めることが合格への近道です。

併願戦略・内部リンク

広島大学工学部の編入学試験は例年6月中旬に実施され、国公立大学の編入学試験としては比較的早い時期に位置づけられます。同じ工学系の編入学試験を実施している他大学と併願する場合は、試験日が重なっていないかを早い段階で確認しておく必要があります。多くの国公立大学の学部編入学試験は7月以降に実施される例が見られるため、6月中旬に実施される広島大学を先に受験し、その手応えを踏まえて後続の併願校の面接対策や書類準備に反映させるという時間の使い方も選択肢になります。ただし併願校の試験日程は年度によって変わるため、この時間差を前提にスケジュールを組む場合も、各大学の最新の募集要項で日程を必ず突き合わせてください。

工学系の学部編入を検討している場合、機械・電気・材料といった分野構成が似ている他大学の編入学試験も比較検討の対象になります。たとえば東北大学工学部の編入試験は高専・工学系短大からの出願に限定され、共通の筆記試験(数学・英語)と学科別の専門試験が課される点で広島大学工学部第一類とは異なる構成です。兵庫県立大学工学部の編入試験は3学科6コースに分かれ、コースごとに専門科目の出題内容が変わる仕組みを採用しています。学際的な分野に関心がある場合は、専門筆記試験を課さず英語外部試験・小論文・口述で選抜する金沢大学融合学域の編入試験も比較材料になります。

大学筆記試験の有無特徴
広島大学工学部第一類のみあり(数学・物理)類ごとに試験構成が大きく異なり、第二〜四類は面接中心
東北大学工学部共通筆記(数学・英語)+学科別専門筆記出願資格が高専・工学系短大に限定される
兵庫県立大学工学部コースごとに専門筆記あり3学科6コースで出題内容が分かれる
金沢大学融合学域専門筆記なし英語外部試験・小論文・口述の総合評価

この比較から分かるように、筆記試験の有無や範囲は大学ごとに大きく違うため、広島大学工学部だけを基準に併願校の対策量を見積もると、想定より負担が増減することがあります。併願を検討する段階で、志望校それぞれの試験構成を横並びで確認しておくことをおすすめします。

併願先を選ぶ際は、単に知名度や難易度だけで比較するのではなく、試験科目の構成(筆記試験の有無、専門科目の範囲)と自分の得意分野が合っているかどうかを基準にすることをおすすめします。広島大学工学部第一類のように筆記試験の過去問が公開されている大学は対策の見通しを立てやすい一方、面接・口述中心の大学は準備範囲が広くなりやすいため、残りの準備期間と相談しながら出願先の組み合わせを決めていく必要があります。

複数校を併願する場合は、大学ごとに入学検定料(広島大学工学部は30,000円)が個別に発生し、出願書類の証明書も大学ごとに発行を依頼する必要がある点も見落とせません。出願書類は使い回しができないため、成績証明書や卒業見込証明書を複数部必要とする場合は、在籍校の教務窓口に早めに部数を伝えておくとスムーズです。TOEIC・TOEFLのスコア証明書についても、大学によって有効な試験実施期間の条件が異なることがあるため、併願校ごとの条件を一覧にして管理しておくことをおすすめします。

広島大学工学部は、第一類の90分筆記試験対策と、第二類から第四類の口頭試問・面接対策とでは、準備の進め方も必要な時間配分もまったく異なります。志望する類に応じて数学・力学の演習量をどこまで積むべきか、専門分野の口頭試問にどう備えるかを一人で見極めるのが難しいと感じる場合は、大学編入対策コースで、現在の学力や志望する類・プログラム、残りの準備期間に合わせた学習計画や志望理由書の添削、面接練習まで相談することができます。

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よくある質問(FAQ)

広島大学工学部の編入学試験に二次募集はありますか。

ありません。令和9年度募集要項に「本学部編入学試験の二次募集はありません」と明記されており、6月に実施される一度の試験機会で合否が確定します。出願書類の不備や検定料の支払い忘れがあると出願自体が受け付けられない可能性があるため、余裕を持って手続きを進めてください。

第二類から第四類にも筆記試験はありますか。

令和9年度募集要項によると、筆記試験が課されるのは第一類のみです。第二類、第三類、第四類は面接(専門分野の口頭試問を含む)のみで合否が判定されます。ただし第三類では、面接の資料とするための簡単な筆記調査が実施される旨が記載されています。

TOEIC・TOEFLのスコアはいつまでに取得すればよいですか。

令和7年4月1日から出願時までに実施された試験のスコア証明書が対象で、出願時に提出できない場合は出願自体ができません。オンラインで受験した回のスコアは対象外とされているため、会場受験のTOEIC公開テストやTOEFL iBTを、出願締切から逆算して早めに受けておく必要があります。

広島大学工学部編入の入学検定料や入学料はいくらですか。

令和9年度募集要項によると、入学検定料は30,000円です。入学手続時には入学料282,000円が必要で、入学後は年額535,800円の授業料が発生します。これらの金額は令和8年4月現在のもので、改定される場合があります。

広島大学工学部編入の倍率はどれくらいですか。

大学は編入学試験の志願者数・合格者数・倍率を、募集要項や入学者選抜結果情報のページで公表していません。募集人員が第一類5名、第二類3名、第三類4名、第四類3名といずれも一桁台であることから、募集人員に対して準備不足のまま臨むと不利になりやすい構造であるとは言えますが、正確な倍率は大学未公表として扱うのが適切です。

過去問はどこで確認できますか。

第一類の筆記試験問題と出題の意図・解答例は、広島大学工学部の公式ページ(工学部第3年次編入学試験のページ)で年度ごとに公開されています。第二類から第四類は筆記試験がないため、過去問という形での公開はありません。

高専生や短大生以外でも出願できますか。

出願できます。募集要項の出願資格には、高専・短大卒業者のほか、大学卒業者、大学に2年以上在学し62単位以上修得した者、専修学校専門課程修了者、学位授与機構から学士の学位を授与された者などが含まれています。自分の経歴がどの号に該当するかを、募集要項の原文で確認してください。

第二類の半導体システムプログラムに編入学できますか。

令和9年度募集要項の時点では、第二類の編入学募集人員は電気システム情報プログラム3名のみで、半導体システムプログラムの編入学枠は正式には設けられていません。大学が公表している資料では、電気システム情報3名・半導体システム10名の計13名への増員や、高専を対象とした推薦入試の導入が予告として示されていますが、実施時期や内容は今後変更される可能性があるため、志望する場合は出願する年度の最新の募集要項を必ず確認してください。

まとめ

広島大学工学部の3年次編入学試験は、第一類のみが数学・物理の筆記試験を課し、第二類から第四類は面接での口頭試問を中心に合否が決まるという、類ごとに性質の異なる試験です。募集人員は4類合計で15名と少なく、二次募集もないため、出願資格の確認から証明書の準備、英語スコアの取得、面接対策までを、限られた準備期間の中で計画的に進める必要があります。第一類を志望する場合は、公開されている過去問を通じて微分積分・線形代数・力学の頻出パターンを押さえることが対策の軸になります。第二類から第四類を志望する場合は、募集要項とアドミッションポリシーから読み取れる出題の方向性を手がかりに、専門知識を口頭で説明できるレベルまで仕上げておくことが重要です。

出願は5月中旬から下旬、試験は6月中旬という早い日程で進むため、証明書の発行依頼やTOEIC・TOEFLスコアの取得は前年のうちから逆算して動き始めることが、直前期の負担を減らす鍵になります。日程や募集人員、試験内容、そして第二類の半導体システムプログラムをめぐる募集人員増員の予告状況は年度によって変更される可能性があるため、出願前には必ず広島大学工学部の最新の募集要項で内容を確認してください。

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この記事を書いた人

株式会社Spring Knowledge 代表取締役社長。筑波大学 社会・国際学群 社会学類へ編入学し、都内国公立大学大学院 法学政治学研究科 修士課程を修了。大学編入・大学院進学を自ら経験した立場から、スプリング・オンライン家庭教師の大学編入・大学院入試分野の指導および記事監修を担当。

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