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大学編入の難易度を徹底解説|大学レベル別ランキングと倍率・合格しやすい大学の特徴

大学編入の難易度は、大学・学部ごとにまったく異なり、一般入試の偏差値のような統一指標が存在しません。そのため「大学編入 難易度」を調べても、大学ごとにバラバラの情報が出てきて混乱してしまう方が多いのではないでしょうか。結論から言えば、大学編入試験の難易度は「倍率」「試験科目」「受験者層(母集団)」という3つの要因の掛け算で決まります。この3つを分解して見ていくことで、なんとなくの印象ではなく、根拠のある形で自分にとっての難易度を判断できるようになります。
本記事では、京都大学法学部・神戸大学経営学部・名古屋大学経済学部といった実例データ(いずれも公表年度を明記)をもとに、レベル帯別の難易度の目安、合格に必要な勉強時間の目安、そして合格しやすい「狙い目」大学の見つけ方までを整理して解説します。なお、倍率や募集人数などの数値は年度によって変動し、実施の有無自体が変わることもあります。本記事に記載する数値はあくまで過去の公表データや参考情報であり、出願を検討する際は必ず志望大学の最新の募集要項をご自身で確認してください。
大学生・短大生・高専生・専門学校生、そして社会人として学士編入を目指す方など、想定する読者層は幅広いですが、どの立場から読んでも「自分の場合はどのくらいの難易度なのか」を判断する軸を持ち帰れる内容を目指しています。
大学編入の難易度とは?一般入試との違いから仕組みを整理
大学編入試験とは、大学の学士課程の途中(多くは3年次、一部2年次)から入学するための試験です。欠員補充的な性格を持つ制度で、実施の有無や内容は各大学・各学部が独自に決めています。全国共通の試験や統一基準は存在せず、A大学とB大学でまったく別の入試だと考えたほうが実態に近いでしょう。
出願資格には法的な根拠があります。大学への編入学が認められるのは、(1)短期大学卒業者(学校教育法第108条第7項)、(2)高等専門学校卒業者(同法第122条)、(3)修業年限2年以上・総授業時数1,700時間以上(または62単位以上)の専修学校専門課程(専門学校)修了者(同法第132条)、(4)文部科学大臣の定める基準を満たす高等学校専攻科修了者、のいずれかに該当する場合です。また4年制大学に在学している学生が他大学へ編入する場合は、各大学が個別に出願資格を定めており、例えば筑波大学の学群編入学募集要項では「大学に2年以上在学し62単位以上修得した者及び修得見込みの者」が出願資格の一つとされています(第3年次編入が原則ですが、履修状況により第2年次編入となる場合もあります)。
一般入試との違いは大きく3点あります。第一に共通テストが不要であること、第二に試験科目が少なく、英語・専門科目・小論文・面接が典型的な組み合わせであること、第三に募集人員が「若干名」など少人数であることです。この「科目が少ない」という特徴から「編入は簡単」というイメージを持つ方もいますが、それは早計です。科目が少ないぶん一つひとつの科目で深い理解が問われますし、母集団のレベルや倍率次第で難易度は大きく変わります。この点は次の見出しで詳しく整理します。まずは大学編入とは何かという制度の基礎から押さえておくと、以降の内容が理解しやすくなります。
大学編入の難易度を決める3つの要因|倍率・試験科目・受験者層
大学編入試験の難易度は「倍率」「試験科目」「受験者層(母集団)」という3つの要因の掛け算で決まると考えると整理しやすくなります。この3要因を切り分けて理解することが、本記事全体を通じた分析のフレームです。
要因1 倍率(募集人数と志願者数)
編入試験の募集人数は「若干名」から多くても10名程度としている大学が多いのが実情です。募集人員が少なければ、志願者数がそれほど多くなくても倍率自体は高くなりやすい構造があります。また募集人員はあくまで上限であり、実際の合格者数は年度の欠員状況や受験者の出来によって変動します。
要因2 試験科目と出題範囲
試験科目には大きく2つのタイプがあります。TOEICやTOEFLなど外部の英語資格・検定試験のスコア提出を課すタイプと、大学独自の英語試験を課すタイプです。専門科目についても、学部の専門性に応じて出題の深さが異なり、加えて小論文・面接・口頭試問が課されることも一般的です。英語力の目安としては、TOEIC600点以上、難関私大や国公立では700〜800点以上が求められるとされています。
要因3 母集団(受験者層)のレベル
難関大学の編入試験には、高専の上位層、国公立大学に在学しながら再挑戦する学生、学習意欲の高い社会人など、レベルの高い受験者が集まりやすい傾向があります。これが、一般入試の偏差値と編入試験の体感難易度がズレる大きな理由です。偏差値上は中堅とされる大学でも、編入枠の母集団が強ければ難易度は上がりますし、逆に難関大学とされる大学でも編入の実施学部・母集団によっては挑戦しやすい場合があります。同じ大学の中でも学部によって難易度が大きく違う点にも注意が必要です。
大学編入試験の難易度は倍率だけでは測れない理由|データの正しい読み方
倍率という数字だけを見て難易度を判断するのは危険です。ここには「見かけの倍率」と「実質倍率」のギャップ、そして併願構造によるカラクリがあるためです。
典型的な例が医学部学士編入です。医学部学士編入は入試日程が重複しないケースが多く、1人の受験生が10校程度に併願することも珍しくありません。その結果、延べ志願者数が膨らみ、見かけ上の倍率が非常に高くなる構造があります。倍率の数字だけを見て「医学部編入は途方もない狭き門」と捉えるのは一面的で、併願による重複志願を差し引いて考える視点が必要です。
逆に、募集人員の表記と実際の合格者数にもギャップがあります。過去の公表データによると、京都大学法学部の3年次編入学では、2020年度は志願52名に対し最終合格5名、2021年度は志願44名に対し最終合格4名(実質倍率約11倍)、2022年度は志願28名に対し最終合格4名(約7倍)という実績があります。募集人員は「20人以内」とされていますが、実際の最終合格者は例年4〜5名程度にとどまっており、募集人員の数字をそのまま合格者数と捉えると実態を見誤ります。
また、倍率が低く見えても、母集団が高専のトップ層で占められているようなケースでは、数字以上に難しく感じられることもあります。倍率という単一の指標だけでなく、志願者数・受験者数・合格者数の3つを合わせて見る習慣をつけ、可能であれば過去3年分程度の推移を確認することをおすすめします。データの探し方としては、大学公式サイトの入試情報ページ、募集要項のPDF、そして大学によっては入試統計が公開されている場合があるので、それらを確認するのが確実です。不明な点は大学の入試担当窓口に問い合わせるのも有効な手段です。「編入は簡単」といった誇大な言説を鵜呑みにせず、一次情報にあたる姿勢が結果的に対策の精度を高めます。
【レベル別】大学編入の難易度ランキング|最難関から挑戦しやすい大学まで
ここで紹介するレベル分けは、あくまで倍率・実施状況・専門科目の難度などから見た「目安」であり、統一された偏差値のような指標に基づくものではない点をあらかじめお断りしておきます。年度によって変動しうることを踏まえたうえで、大まかな位置づけとして参考にしてください。
| レベル帯 | 該当する大学・学部の例 | 特徴 |
|---|---|---|
| 最難関帯 | 京都大学法学部・工学部(高専生対象)、東京大学(高専生対象の編入)など | 最終合格者が数名レベルにとどまることが多い |
| 難関帯 | 神戸大学経営学部、名古屋大学経済学部、筑波大学の各学群など | 募集人員が明示されているか、若干名募集で複数学群にわたり実施 |
| 中堅帯 | 地方国公立大学、日本大学・法政大学など上位私大の一部学部 | 実施の有無・内容は大学により幅がある |
| 挑戦しやすい帯 | 募集人数が比較的多い大学、通信制大学の編入枠など | 母集団や日程面で併願・準備がしやすい傾向 |
最難関帯の代表例は京都大学です。法学部は第3年次編入学を実施しており、前述のとおり最終合格者は例年数名レベルです。工学部は「高専編入学試験」として実施されており、大学在籍者や学位取得者は受験できず、高専卒業(見込み)者のみが対象となる点が特徴です。東京大学も高専生を対象とした編入学を実施しています。
難関帯には、神戸大学経営学部(募集20名で外部英語スコアを活用)、名古屋大学経済学部(募集は若干名)、複数の学群で編入学を実施する筑波大学などが位置づけられます。これらの詳細は次の見出しで具体的に見ていきます。中堅帯・挑戦しやすい帯についても、募集人数や実施状況は年度により変わるため、志望校が定まったら必ず最新の入試情報を確認しましょう。各レベル帯で求められる英語スコアの目安としては、前述のとおりTOEIC600点以上が一つの基準となり、最難関・難関帯では700〜800点以上が求められる傾向があります。京都大学法学部の詳しい傾向と対策については京都大学法学部(3年次編入)の傾向と対策で、神戸大学については神戸大学編入の徹底解説で個別に掘り下げていますので、あわせてご参照ください。
難関国公立大学の編入難易度と倍率の実例|京大法・神戸大経営・名大経済
ここでは、公式サイトや入試統計から確認できる範囲で、3つの難関国公立大学の編入試験の実例を具体的に見ていきます。いずれの数値も特定年度のものであり、最新の状況は必ず各大学の募集要項でご確認ください。
京都大学法学部(3年次編入)の実績データ
京都大学法学部は第3年次編入学を実施しており、令和9年度募集要項が公式サイトで公表されています。過去の公表データによると、2020年度は志願52名・最終合格5名、2021年度は志願44名・最終合格4名(実質倍率約11倍)、2022年度は志願28名・最終合格4名(約7倍)という推移が見られます。募集人員は「20人以内」とされていますが、実際の合格者数は例年4〜5名程度であり、口述試験が課される点も特徴です。
神戸大学経営学部の募集人員と英語基準
神戸大学経営学部は第3年次編入学を実施しており、令和9年度募集要項と過去問(令和8年度分)が公式サイトで公開されています。2026年度の募集人員は20名とされ、TOEFL・TOEIC・IELTSのいずれかの外部英語スコアを100点満点に換算して評価する仕組みが採られています。倍率は近年おおむね4〜6倍で推移しているとされていますが、募集人員・英語要件を含め年度により変更される可能性があるため、公式要項での最終確認が欠かせません。
名古屋大学経済学部の傾向
名古屋大学経済学部も第3年次編入学を実施しており、2026年度募集要項が公式サイトで公開されています。募集は「若干名」とされ、倍率は年度により3〜6倍前後との情報がありますが、合格者数は年度によって大きく変動しうるため、あくまで参考値として捉えておく必要があります。より詳しい傾向は名古屋大学経済学部編入の解説記事でも取り上げています。
この3校を比較すると、いずれも外部英語スコアや英語力の比重が大きいこと、そして専門科目(経済学・経営学・法学)について入学年次相当以上の本格的な理解が求められることが共通点として見えてきます。繰り返しになりますが、ここで挙げた数値はすべて公表された特定年度のものです。最新の情報は必ず各大学の募集要項でご確認ください。
私立大学・医学部学士編入の難易度|国公立編入との違い
私立大学の編入試験は、国公立大学以上に実施の有無や募集人数が年度によって変わりやすいという特徴があります。ある年度に実施されていた編入試験が翌年度には募集停止になっている、というケースも起こり得るため、私立大学を検討する場合は最新の募集要項を確認する重要性がより一層高くなります。
上位私大(早慶上智・MARCHなど)の編入事情も大学・学部ごとに大きく異なります。私立大学の編入試験に共通する傾向としては、語学力(英語)を重視する傾向が強いこと、面接や志望理由書の比重が高いこと、そして内部進学者とのバランスを踏まえて実施の判断がなされることが挙げられます。上智大学などの個別解説は上智大学編入の解説記事でも扱っていますので、志望校が定まっている方は参照してみてください。
医学部学士編入は、編入試験の中でも特殊な位置づけにあります。入試日程が重複しないことが多いため、1人の受験生が10校近くに併願するケースも珍しくなく、これが見かけの倍率を押し上げる構造になっている点は前述のとおりです。科目構成も生命科学と英語が中心となる大学が多く、受験者層には社会人が多く含まれることも特徴です。医学部学士編入をより詳しく検討したい方は医学部学士編入対策の解説記事をご覧ください。
私立大学・医学部学士編入のいずれにおいても大切なのは、「倍率の高さ」と「求められる学力の高さ」を分けて評価する視点です。倍率が高いからといって必ずしも一つひとつの科目の難度が極端に高いとは限らず、逆に倍率が低くても専門科目の水準が高い場合もあります。数字の背景にある構造を理解したうえで、自分にとっての難易度を判断することが大切です。
学部・系統別に見る大学編入の難易度|文系・理系・医療系
大学編入の難易度は、学部・系統によっても傾向が異なります。ここでは文系・理系・医療系に分けて整理します。
文系(経済・経営・法・文学部)の難易度傾向
経済学部・経営学部は編入を実施している大学の数自体が比較的多く、選択肢が広いという特徴があります。この系統についてより詳しく知りたい方は経済学部編入の徹底解説をあわせてご覧ください。一方、法学部は実施校自体が少なめで、京都大学法学部のように最難関級に位置づけられる大学もあります。
理系(工学部・理学部)の難易度傾向
理系学部の編入は、高専生向けの募集が中心となっている点が大きな特徴です。京都大学工学部のように高専生限定で実施される大学もあり、高専からは東京大学・京都大学といった最難関大学にも毎年合格者が出ています。試験内容は数学・物理の記述力が問われる比重が大きく、TOEFLスコアの提出を求める大学も見られます。
医療系(医・看護)の傾向
医療系は学士編入が中心となる分野で、難易度としては最難関級に位置づけられることが多い系統です。看護分野では社会人の受け入れ実績がある大学も見られます。
系統別に見たとき重要なのは、「募集を実施している大学・学部の数が多い系統ほど、併願の選択肢が広がりチャンスも増える」という捉え方です。加えて、自分の出身学科・専攻と受け入れ先の学部とのマッチング(既修得単位の認定がどこまで行われるか)も、実質的な準備負担に直結する重要な要素です。志望系統を決める際は、単純な難易度の高低だけでなく、こうした点も踏まえて検討することをおすすめします。
出身別の難易度差|高専・短大・専門学校・大学在学からの編入
大学編入は、出身によって出願できる制度上の根拠や、準備のしやすさが異なります。改めて出願資格を整理すると、次の4つのいずれかに該当することが必要です。
- 短期大学卒業者(学校教育法第108条第7項)
- 高等専門学校卒業者(同法第122条)
- 修業年限2年以上・総授業時数1,700時間以上(または62単位以上)の専修学校専門課程修了者(同法第132条)
- 文部科学大臣の定める基準を満たす高等学校専攻科修了者
4年制大学に在学している学生が他大学に編入する場合は、各大学が個別に出願資格を定めています。例えば大学に2年以上在学し62単位以上を修得(見込みを含む)していることを条件とする大学があります。
高専生の編入(最大勢力・理系に強い)
高専は国立大学の理系学部への太いルートを持っており、東京大学・京都大学にも毎年合格者が出ています。京都大学工学部のように、高専生限定で実施される編入試験もあります。
短大・専門学校からの編入
専門学校からの編入は、修業年限2年以上・総授業時数1,700時間以上という要件を満たす専門課程を修了していることが前提となるため、在籍している(していた)専門学校が対象校に該当するかを確認する必要があります。短大の場合は、併設する大学への推薦編入枠が用意されているケースもあり、選択肢の一つになります。
大学から大学への編入(3年次編入)
大学在学者が他大学へ編入する場合は、62単位以上の修得(見込みを含む)といった単位要件を満たすためのスケジュール管理が必要です。在籍している大学での学業と編入試験対策を両立させる負荷が大きい点も特徴です。社会人の場合は、学士入学・学士編入という枠組みが用意されている大学もあります。
同じ編入試験であっても、出身によって出願できる制度上の枠組みや、事前に準備しておくべき単位・書類が異なるため、体感的な難易度にも差が出てきます。自分の出身区分でどの制度が使えるのかを早い段階で確認しておくことが、対策の第一歩になります。
レベル帯別・大学編入合格に必要な勉強時間と対策量の目安
ここからは、レベル帯別に必要となる対策量の目安を紹介します。ただしこれはあくまで一般的な目安であり、現在の学力や専攻との距離によって必要な期間は大きく変わる点をあらかじめご理解ください。
最難関〜難関国公立を狙う場合(目安1年以上)
最難関・難関帯の国公立大学を目指す場合、一般的には試験の1年以上前から対策を始めるのが目安とされています。専門科目の学習に加え、外部英語スコアが必要な大学では、出願時期(多くは夏〜秋)から逆算してスコアメイクを終える必要があります。
中堅国公立・上位私大の場合
中堅国公立や上位私大を目指す場合は、半年〜1年程度を目安に対策を進めるケースが多く見られます。ただし実施校・実施学部によって出題傾向や必要な準備量は異なるため、志望校が決まり次第、早めに過去問や募集要項を確認することが望ましいです。
英語(TOEIC/TOEFL)のスコア別戦略
英語力の目安としては、TOEIC600点以上がスタートラインとなり、難関国公立・上位私大では700〜800点以上が求められるとされています。外部スコア提出型の大学を志望する場合は、出願の半年前までにスコアメイクを終えておく逆算スケジュールが安全です。
専門科目の対策としては、経済学系であればミクロ経済学・マクロ経済学の体系的な学習、法学系であれば基本書の通読と論述練習、工学系であれば数学・物理の演習量の確保が中心になります。加えて小論文・面接・志望理由書の準備にも一定の工数がかかります。1日あたりの学習時間は、大学在学中・高専在学中・社会人という立場によっても現実的に確保できる時間が異なるため、自分の生活リズムに合わせた計画を立てることが大切です。過去問については、大学公式サイトで公開されている場合はそれを活用し、公開されていない場合は大学に請求できることもあるため、早めに確認しておきましょう。独学での対策手段に加えて、予備校や家庭教師の活用を検討する方は大学編入予備校・塾・家庭教師おすすめの比較記事も参考にしてください。
合格しやすい「狙い目」大学の特徴と見つけ方
難易度を分解して理解できると、自分にとって「狙い目」となる大学を見つけやすくなります。ここでは狙い目大学に共通する特徴と、その探し方を紹介します。
狙い目大学に共通する5つの特徴
- 募集人数が比較的多く明示されている(神戸大学経営学部の募集20名のような例)
- 試験日程が他の志望校と重ならず、併願がしやすい
- 外部英語スコア提出型で、事前にスコアを作り込んでおける
- 過去問が公式サイトで公開されている(神戸大学経営学部の例)
- 出題範囲が募集要項で明確に示されている
注意したいのは、「偏差値が低い大学=編入も簡単」とは限らない点です。偏差値が中堅とされる大学であっても、募集が若干名にとどまる場合は狭き門になります。逆に、難関とされる大学でも母集団や日程の巡り合わせによっては挑戦しやすい年度もあります。
情報収集の具体的な手順
狙い目を探す際は、まず大学公式の入試情報ページを確認し、次に募集要項のPDFで出願資格・募集人員・試験科目・日程を確認します。可能であれば過去の入試統計(志願者数・合格者数の推移)も確認し、不明点は大学の説明会や入試担当窓口への問い合わせで補うのが確実な方法です。
狙い目を探すときの注意点
国公立大学の編入試験は日程が分散していることが多く、併願プランを組みやすいという利点があります。一方で、「狙い目」とされる大学は毎年状況が変わり得ます。募集停止や定員変更が生じることもあるため、前年度の情報をそのまま鵜呑みにせず、必ず最新の募集要項で確認する姿勢を徹底してください。合格可能性を高める選び方を心がけつつ、誇大な期待は持たず、誠実に情報と向き合うことが結果的に近道になります。
大学編入の難易度に応じた学習計画とスケジュールの立て方
最後に、難易度に応じた学習計画とスケジュールの立て方を整理します。
編入試験の年間スケジュール(出願〜試験〜合格発表)
編入試験は多くの場合、4〜7月頃に募集要項が公表され、夏から秋にかけて出願、秋から冬にかけて試験が実施されるという流れになります。例えば神戸大学経営学部は出願が9月末頃、試験が11月上旬頃とされ、京都大学工学部(高専生対象)は出願書類の受付が6月下旬から7月上旬に設定された年度がありました。これらはあくまで過去の実施年度における例であり、年度ごとに変更されるため、必ず最新の募集要項で日程を確認してください。
志望レベル別の逆算プラン
難関帯を目指す場合は1年〜1年半程度、中堅帯を目指す場合は半年〜1年程度を目安に、出願時期から逆算した学習計画を立てるとよいでしょう。特に外部英語スコアには有効期限や受験回数の制約があるため、スコアメイクの時期は早めに設定しておくことをおすすめします。
独学と予備校・家庭教師の使い分け
併願校を含めた年間の受験カレンダーを作成し、各校の出願書類や対策の締め切りを一覧化しておくと、直前期の混乱を防げます。独学には、過去問の模範解答が公開されないことが多い点や、面接・口述試験の対策相手を確保しにくい点といった限界もあります。編入予備校・家庭教師の比較記事も参考にしながら、自分に合った対策手段を検討してみてください。独学での対策に不安がある場合は、専門の指導を活用するのも一つの方法です。
よくある質問(FAQ)
大学編入は一般入試より簡単ですか?
科目数が少ない点だけを見ると簡単に思えるかもしれませんが、「簡単」とは言い切れません。募集人員が若干名にとどまる大学が多く、専門科目では入学する年次に相当する学力が求められます。大学・学部ごとに難易度の差が大きいため、志望校ごとに個別に確認することが欠かせません。
大学編入の倍率はどのくらいですか?
大学・年度によって幅が大きく、一律には言えません。例として、京都大学法学部は過去の公表データで実質倍率が7〜11倍程度(2020〜2022年度)、神戸大学経営学部は近年おおむね4〜6倍程度とされています。見かけの倍率と実質倍率の違いに注意し、志願者数・受験者数・合格者数の推移を合わせて確認することが大切です。
編入試験に必要なTOEICスコアの目安は?
一般にTOEIC600点以上が目安とされ、難関国公立や上位私大では700〜800点以上が求められる傾向にあります。外部スコア提出型の大学では、出願前にスコアメイクを完了させておく必要があるため、逆算した準備が重要です。
いわゆる「Fラン大学」からでも難関大学に編入できますか?
出願資格(大学在学2年以上・62単位以上修得見込みなど)を満たしていれば、出身大学による制限が設けられているわけではありません。選抜は試験の得点によって行われるため、専門科目と英語力の完成度が合否を左右します。ただし、必ず合格できるというものではなく、志望校の水準に見合った対策が前提となります。
大学編入で不利になる出身はありますか?
制度上は、短期大学・高等専門学校・要件を満たす専門学校の専門課程・大学在学者に対して広く門戸が開かれています。ただし理系学部の中には、京都大学工学部のように高専生限定で募集を行う大学もあるため、募集要項に記載された出願資格を必ず確認してください。
編入試験は何校まで併願できますか?
国公立大学同士であっても、試験日程が重ならなければ併願が可能な場合が多く、これは一般入試との大きな違いです。医学部学士編入では、日程が重複しにくいことから10校近く出願する受験生もいます。実際に併願する校数は、日程の兼ね合いと出願書類・対策にかけられる準備量から現実的に決めるのがよいでしょう。
まとめ|大学編入の難易度は倍率×科目×母集団で判断する
大学編入の難易度は、偏差値のような統一指標では測れず、「倍率」「試験科目」「受験者層(母集団)」という3つの要因の掛け算で決まります。本記事の内容を整理すると、次のようになります。
- 編入の出願資格は学校教育法に基づき、短大卒・高専卒・要件を満たす専門学校修了・大学在学(62単位以上)などに定められている
- 倍率は「見かけの倍率」と「実質倍率」が異なることがあり、募集人員=合格者数ではない(京都大学法学部の実績が好例)
- レベル帯は最難関・難関・中堅・挑戦しやすい帯に大まかに分けられるが、あくまで目安であり年度で変動する
- 京都大学法学部・神戸大学経営学部・名古屋大学経済学部はいずれも外部英語スコアや専門科目の完成度が重視される
- 系統別では、経済・経営系は実施校が多く選択肢が広い一方、法学部や理系(高専限定)は狭き門になりやすい
- 出身(高専・短大・専門学校・大学在学)によって出願できる制度や準備の負担が異なる
- 難関を狙うなら1年以上、中堅なら半年〜1年を目安に、外部英語スコアのスケジュールから逆算して対策する
- 狙い目大学は、募集人数・日程・英語スコア型・過去問の公開状況などから見つけられるが、条件は毎年変わりうる
本記事で紹介した倍率や募集人員などの数値は、いずれも特定年度に公表されたものであり、大学によっては募集停止や制度変更が生じる可能性もあります。志望校を検討する際は、必ず各大学公式サイトの最新の募集要項・入試統計を確認したうえで判断してください。難易度の構造を理解したうえで計画的に対策を進めれば、自分に合った狙い目を見つけやすくなります。独学での対策に不安がある場合は、専門の指導を活用するのも一つの方法です。
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