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【2027年度】早稲田大学法科大学院の入試|倍率・出身大学・過去問・学費を徹底解説

早稲田大学法科大学院の入試を徹底解説の記事アイキャッチ画像。大学院入試対策の出願資格・試験科目・対策を示す図解。
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早稲田大学法科大学院は、正式名称を「早稲田大学大学院法学研究科法曹養成専攻(法務研究科)」という、法曹養成を目的とした専門職学位課程です。入試は特別選抜「5年一貫型」「開放型」と、一般選抜「法学既修者試験」「法学未修者試験」という3系統4方式で構成されており、それぞれ対象者・試験科目・配点・日程が異なります。2027年度入学者選抜試験要項では、出願期間が2026年6月1日10:00〜6月11日、法律科目論述試験が8月29日、小論文試験が8月30日、最終合格発表が9月18日と公表されています。

この記事の特徴は、早稲田大学が公開している「合格者の概要等」PDFを4つの選抜区分ごとに読み解いている点にあります。2026年度入試では、一般選抜(法学既修者)が受験780名に対し合格324名、一般選抜(法学未修者)が受験221名に対し合格40名でした。区分をまとめた数字だけを見ると難易度を読み違えるため、本記事では公式PDFの区分別データをそのまま表に起こしています。あわせて、多くの受験生が知りたがる合格者の出身大学・最終経歴・平均年齢についても、公式が開示している範囲で具体的に示します。

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もう一つの軸が、2027年度入学者選抜試験要項から読み取れる「配点と時間割の設計」です。法学既修者試験は6科目540点満点ですが、要項には各科目の想定解答時間まで書かれており、同一時限内の解答順と時間配分は受験者に委ねられると明記されています。さらに、1科目でも成績が極端に悪い科目があると他科目の成績にかかわらず不合格となることがあるという注意書きもあります。こうした運用ルールを知っているかどうかは、当日の得点に直結します。

以下では、選抜方式の全体像、募集人員と出願資格、2027年度の日程、区分別の倍率、合格者データ、過去問の公開範囲、既修・未修それぞれの対策、特別選抜の仕組み、志望動機課題文(ステートメント)、学費と奨学金・成績開示制度までを順に整理します。数値や様式は年度によって変わるため、出願にあたっては早稲田大学法科大学院の最新の入学者選抜試験要項を必ずご確認ください。

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目次

早稲田大学法科大学院の入試の全体像|3系統4方式と併願パターン

早稲田大学法科大学院の入試は、法曹コース登録者を対象とする特別選抜と、広く門戸を開く一般選抜の2系統に大別され、そこからさらに4つの試験方式に分かれます。特別選抜「5年一貫型」は書類審査と面接試験、特別選抜「開放型」は書類審査と法律科目論述試験(民法・刑法・憲法)、一般選抜「法学既修者試験」は書類審査と法律科目論述試験6科目、一般選抜「法学未修者試験」は書類審査と小論文試験という構成です。

2027年度入学者選抜試験要項によれば、法学既修者【2年短縮課程】の入学定員が160名、法学未修者【3年標準課程】が40名です。既修160名の内訳は、特別選抜が80名以内(5年一貫型40名以内・開放型約40名)、一般選抜の法学既修者試験が約80名とされています。既修160名に対して未修は40名という定員差が、後述する未修者試験の倍率の高さに直結しています。

4つの試験区分の関係

特別選抜の2方式は、いずれも法曹コースに登録している(あるいは修了見込みの)受験生だけが出願できる入口です。学部3年+法科大学院2年の「3+2」ルートを支える制度であり、法曹コースに在籍していない受験生はこの2方式を選べません。一方の一般選抜は、既修が法律6科目の論述で法律基本科目の理解度を測る試験、未修が書類審査と小論文で読解力・論理構成力を測る試験という違いがあります。法科大学院入試そのものの共通構造を先に押さえたい方は、法科大学院入試の全体像を解説した総合ガイドもあわせてご覧ください。

併願パターンは3通りに限定される

意外に見落とされがちなのが併願のルールです。2027年度入学者選抜試験要項は、特別選抜と一般選抜を併願する場合、「特別選抜と法学既修者試験」および「特別選抜と一般選抜併願(法学既修者試験+法学未修者試験)」のパターンのみ出願できると定めています。「特別選抜と法学未修者試験」の組み合わせは併願できません。法曹コース在籍者が保険として未修だけを併願する、という発想は制度上とれないことになります。

入学検定料も出願パターンによって変わります。要項では35,000円と60,000円の2区分が示されており、単一の試験のみに出願する場合は35,000円です。出願は1人1回限りで、出願後にWeb出願申請の内容や出願書類を差し替え・変更・追加することは一切認められません。出願の時点で併願設計を確定させておく必要があるという点は、早い段階で意識しておきたいところです。

読者タイプ別の判断軸

  • 法曹コース在籍者(修了見込み)は5年一貫型または開放型が主戦場になり、そこに一般選抜の既修者試験を重ねる形が基本設計になります
  • 法学部出身で法律科目の学習が進んでいる場合は、一般選抜の法学既修者試験が中心的な選択肢です
  • 非法学部出身者や社会人は一般選抜の法学未修者試験が主なルートですが、書類と小論文の完成度が問われます

早稲田大学法科大学院 入試の募集人員と出願資格

2027年度入学者選抜試験要項に示された募集人員は次の通りです。特別選抜の枠が「80名以内」と上限で示され、その内訳として5年一貫型が40名以内、開放型が約40名と定められています。

区分対象募集人員試験内容
特別選抜 5年一貫型法曹コース登録者40名以内書類審査+面接試験
特別選抜 開放型法曹コース登録者約40名書類審査+法律科目論述試験(民法・刑法・憲法)
一般選抜 法学既修者試験制限なし約80名書類審査+法律科目論述試験6科目
一般選抜 法学未修者試験制限なし約40名書類審査+小論文試験

要項には「特別選抜」の志願状況により「一般選抜」の合格者は多くなる場合があるという但し書きが添えられています。募集人員はあくまで目安であり、実際の合格者数は年度ごとに動くということです。事実、2026年度入試では一般選抜(法学既修者)の合格者が324名と、募集人員の約80名を大きく上回りました。

特別選抜の対象者と地方専願枠

特別選抜の出願資格は、学部3年次または4年次に在籍し、法曹コースに登録していること、2027年3月に法曹コース修了見込みであること、2027年3月に大学を卒業見込みであることの3条件です。5年一貫型は早稲田大学法科大学院と法曹養成連携協定を締結した学部の法曹コース登録者が対象で、開放型は文部科学大臣に認定された法曹コースの登録者であれば他大学からでも出願できます。

あまり知られていない制度として、地方専願枠があります。要項は、地方でも十分な司法サービスを担う法曹を確保するという趣旨から、5年一貫型に出願する地方大学出身者の希望者のうち2名を上限に選抜すると定めています。地方大学の定義は、国勢調査(平成27年)における11大都市圏以外に設置されている大学に加え、大都市圏でも法科大学院が設置されていない新潟・静岡・浜松・熊本の各都市圏を含むという細かいものです。該当しそうな方は要項の定義を直接確認する価値があります。

一般選抜の出願資格は7号まで用意されている

一般選抜(既修・未修共通)の出願資格は、大学卒業(見込み)を1号として、学位授与機構による学士、外国での16年の学校教育修了、外国大学での学士相当学位、文部科学大臣の指定した者、いわゆる飛び入学、個別の入学資格審査という7つの号で構成されています。飛び入学(6号)は、2027年3月末で大学在学3年に達し、90単位以上修得見込みで、修得したすべての単位の6割以上が100点満点中80点以上という具体的な数値要件が課されます。

7号の個別入学資格審査は、短期大学・高等専門学校・専修学校の卒業者など大学卒業資格を持たない方を対象とし、2027年3月末までに22歳に達することが条件です。大学院入試における出願資格の考え方全般については、社会人 大学院入試を徹底解説|出願資格・研究計画書・英語・面接対策で整理しています。

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早稲田大学法科大学院 入試の日程・出願スケジュール【2027年度】

2027年度入学者選抜(2026年実施)の日程は、入学者選抜試験要項に次のように示されています。出願期間は全入試制度共通で、Web出願申請・入学検定料の支払い・出願書類(紙)の郵送という3つの手続きがすべて期限内に完了して初めて出願が成立します。

時期内容
2026年6月1日(月)10:00〜6月11日(木)23:59Web出願申請
2026年6月1日〜6月11日23:00入学検定料の支払い
2026年6月1日〜6月11日(締切日消印有効)出願書類(紙)の郵送
2026年7月4日(土)特別選抜(5年一貫型)面接試験
2026年7月10日(金)特別選抜(5年一貫型)合格者発表
2026年7月13日(月)〜24日(金)5年一貫型 第一次入学手続期間
2026年8月29日(土)法律科目論述試験(開放型・法学既修者試験)
2026年8月30日(日)論述試験(小論文試験・法学未修者試験)
2026年9月18日(金)合格者発表
2026年9月24日(木)〜10月2日(金)開放型・一般選抜 第一次入学手続期間
2027年2月上旬(予定)第二次入学手続期間

出願完了の3ステップと確認方法

要項は、各手続きが完了しているかどうかの問い合わせには一切応じないと明記し、志願者本人が確認する方法を示しています。Web出願申請はシステムの「出願一覧」画面で、検定料の支払いはコンビニ払いなら「収納証明書」・クレジットカード払いなら決済完了画面のプリントアウトで、書類の郵送は書留引受番号で確認します。簡易書留郵便受領証は郵送した証明になるため保管が必要です。

提出書類は、履歴書、志望動機課題文(Web出願システムで入力)、法曹コース修了見込証明書(該当者)、能力証明資料一覧、出願資格審査申請書(必要な場合)、検定料返還先口座届出書(必要な場合)など多岐にわたります。出願書類を分割して別々に送付することは認められておらず、TOEIC・TOEFLなどのスコアを実施団体から直接送付してもらうこともできません。

出願期間中の情報収集についても制約があります。要項は志願状況・志願者数等の問合せは受け付けないと明記しており、出願先を決める段階で「今年は何人が出願しているか」を確認する手立てはありません。判断材料になるのは、公式サイトで公開されている過去年度の入試データだけです。だからこそ、年度別の開示データを自分で読み込んでおく作業が、そのまま出願戦略の精度につながります。書類作成では、黒インクのボールペンまたは万年筆を使い、修正液は使わず誤記入部分を二本線で消して訂正印を押すという指定にも注意してください。

約10日間の出願期間にどう備えるか

Web出願申請の期間は6月上旬のおよそ10日間しかありません。要項自体が、締切最終日の申請は推奨しない、システムトラブル等の理由も認められないと強い調子で注意しています。5月中に書類一式をほぼ完成させておく前提でスケジュールを組むのが現実的です。とりわけ志望動機課題文は推敲に時間がかかるため、春の早い段階から着手しておきたいところです。他校との併願を検討している方は、主要法科大学院の入試日程一覧で試験日の重複を先に確認しておくと計画が立てやすくなります。

早稲田大学法科大学院 入試の倍率・難易度|2026年度の開示データを区分別に読む

早稲田大学法科大学院は、公式サイトの「過去の入試データ・試験問題」ページで、2015年度から2026年度までの「入学者選抜試験 合格者の概要等」を年度別に公開しています(2015〜2021年度は夏入試・冬入試の別があります)。ここでは早稲田大学大学院法学研究科法曹養成専攻の公式PDFに基づき、2026年度入試の結果を4区分そのままの形で示します。

2026年度入試結果(区分別・公式開示データ)

区分募集定員志願者数受験者数合格者数倍率(受験÷合格)
特別選抜 5年一貫型40908640約2.15倍
特別選抜 開放型4025919840約4.95倍
一般選抜 法学既修者80989780324約2.41倍
一般選抜 法学未修者4024822140約5.53倍
合計2001,5861,285444約2.89倍

志願者数を基準にすると数字の印象は変わります。合計では志願1,586名に対し合格444名で約3.57倍、一般選抜(法学既修者)は志願989名に対し合格324名で約3.05倍、法学未修者は志願248名に対し合格40名で約6.20倍です。志願したものの受験しなかった層が一定数いるため、どちらの分母で語られている倍率なのかを確認する習慣を持っておくと、他校との比較で誤解が生じにくくなります。本記事では実際に試験を受けた人の中での競争を見るため、以下も受験者基準を採用しています。

合格者数の男女内訳も公表されており、5年一貫型が男19名・女21名、開放型が男23名・女17名、一般選抜の既修が男211名・女113名、未修が男15名・女25名でした。未修者試験は合格者40名のうち25名が女性で、区分によって合格者の構成が異なることが読み取れます。倍率は受験者数を合格者数で割って算出した参考値です。

2025年度との比較でわかる未修の絞り込み

区分2025年度 受験/合格2026年度 受験/合格倍率の変化
特別選抜 5年一貫型76/4086/40約1.90倍→約2.15倍
特別選抜 開放型139/40198/40約3.48倍→約4.95倍
一般選抜 法学既修者604/226780/324約2.67倍→約2.41倍
一般選抜 法学未修者204/53221/40約3.85倍→約5.53倍

この2年比較が示すのは、区分ごとに難易度の動き方がまったく違うということです。未修者試験は合格者が53名から40名へ減り、倍率が約3.85倍から約5.53倍へ上昇しました。一方の一般選抜(既修)は受験者が増えたにもかかわらず合格者も226名から324名へ増えたため、倍率はむしろ下がっています。開放型も受験者の増加を受けて約3.48倍から約4.95倍へ上がりました。

「未修は入りやすい」という理解は数字と合わない

法律の学習歴がないから未修を選ぶ、という発想はよく見られますが、開示データを見る限り2026年度の未修者試験は4区分で最も倍率が高いという結果でした。募集人員40名に対し志願248名という構図が続いており、書類と小論文だけで評価されるぶん、一発勝負の色合いも濃くなります。合格最低点は公表されていないため、断定的な偏差値表現に頼るのではなく、公式が年度別に出している開示データを一次情報として参照する姿勢が有効です。他校の水準と比べたい場合は、慶應義塾大学法科大学院の入試解説京都大学法科大学院の入試解説もあわせて確認すると相場観がつかめます。

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早稲田大学法科大学院の合格者の出身大学・最終経歴・平均年齢

「早稲田大学法科大学院にはどこの大学の出身者が多いのか」は、受験生から最も多く寄せられる疑問の一つです。早稲田大学法科大学院は「合格者の概要等」PDFの中で、区分ごとに合格者数上位5大学を公表しています。以下は2026年度入学者選抜試験の開示内容です。

区分別の出身大学(2026年度・合格者数上位5大学)

区分公表されている出身大学
特別選抜 5年一貫型本法科大学院と法曹養成連携協定を締結している大学
特別選抜 開放型早稲田大学・中央大学・慶應義塾大学・明治大学・東京大学・一橋大学
一般選抜 法学既修者早稲田大学・慶應義塾大学・東京大学・中央大学・一橋大学
一般選抜 法学未修者早稲田大学・東京大学・慶應義塾大学・一橋大学・京都大学

この表から読み取れることは2つあります。第一に、上位に並ぶのは早稲田・慶應義塾・東京・中央・一橋といった顔ぶれで、区分をまたいで大きくは変わらないという点です。第二に、5年一貫型は制度上、法曹養成連携協定を締結している大学の出身者に限られるため、大学名ではなく協定校という括りで示されています。なお、これはあくまで「上位5大学」であり、この5校以外からの合格者がいないという意味ではありません。

合格者の最終経歴と社会人比率

最終経歴5年一貫型開放型一般選抜 既修一般選抜 未修
学部学生404026921
社会人001514
院生・その他00405

公式PDFはさらに、社会人または法学部以外の学部出身者の人数を明記しています。2026年度は法学未修者試験で26名(65.0%)、法学既修者試験で51名(15.7%)でした。前年の2025年度は未修27名(50.9%)・既修36名(11.8%)であり、未修における社会人・非法学部出身者の比率は50%台から65%台へ上昇しています。ここでいう社会人とは、出願時点で官公庁・会社等における勤務経験、自営業、主婦・主夫等を通算して2年以上持つ者と定義されています。

合格者の平均年齢は区分で10歳近く違う

区分平均年齢最高年齢最低年齢
特別選抜 5年一貫型21.6歳23歳21歳
特別選抜 開放型21.8歳23歳21歳
一般選抜 法学既修者23.1歳43歳21歳
一般選抜 法学未修者30.4歳71歳22歳

この年齢データは、未修者試験の性格をよく表しています。未修合格者の平均年齢は30.4歳、最高年齢は71歳で、既修の平均23.1歳とは大きく異なります。特別選抜の2方式は制度上、学部在学中の受験生に限られるため、平均が21歳台に集中し最高年齢も23歳にとどまります。年齢や経歴が標準的なルートから外れていることを不利と感じている方にとって、未修区分の実データは判断材料になるはずです。

早稲田大学法科大学院の過去問はどこまで公開されているか

過去問の入手可否は志望校選びの実務に直結します。早稲田大学法科大学院は、この点でかなり踏み込んだ情報公開を行っています。公式の「過去の入試データ・試験問題」ページに加え、各年度の合格者概要を伝えるニュース記事の中で、科目別の問題PDFが配布されています。

直近年度は「問題」だけでなく「出題意図」「評価のポイント」まで公開

年度・区分公開されている資料
2026年度 法学既修者試験(6科目)問題/出題意図/評価のポイント
2026年度 法学未修者試験(小論文)出題意図/評価のポイント(問題本体の掲載はなし)
2025年度 法学既修者試験(6科目)問題/出題の趣旨
2004〜2014年度入学者選抜試験の試験問題
2015〜2026年度入学者選抜試験 合格者の概要等(入試結果データ)

特筆すべきは「評価のポイント」が科目ごとに公開されていることです。これは出題者側が、どの論点でどのような処理を求めていたのかを解説した資料であり、市販の解答速報とは情報の質が異なります。答案の方向性が合っていたかどうかを自分で採点する材料になるため、過去問演習の効果を大きく引き上げます。

過去問演習の順序

  • まず2026年度の科目別「問題」を時間を計って解き、答案を保存する
  • 次に同じ科目の「評価のポイント」を読み、求められていた論述の骨格と自分の答案を突き合わせる
  • 2025年度は「出題の趣旨」が付いているため、同じ手順で2年分の傾向を比較する
  • 小論文志望者は問題本体がない代わりに「評価のポイント」から出題形式と評価軸を読み取る

2004〜2014年度の試験問題は年式が古く、その後の民法改正などを踏まえると論点の前提が現行法と異なる箇所があります。直近2年分を精読の対象、古い年度分は出題形式に慣れるための素材と役割を分けて使うのが現実的です。

なお、法学未修者試験の小論文については問題本体が掲載されていませんが、後述するように評価のポイントの記述から課題文の主題と設問構成をかなり具体的に把握できます。

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法学既修者試験の内容と対策|6科目540点の法律科目論述を攻略する

一般選抜の法学既修者試験は、書類審査と法律科目論述試験(6科目)で構成されます。2027年度入学者選抜試験要項によれば、配点は民法120点・刑法100点・憲法80点・民事訴訟法80点・刑事訴訟法80点・商法80点の合計540点満点です。要項は、この試験では法律学の能力を確認することに主眼が置かれるため、論述試験の成績が最も重要視されると明記しています。

配点と時間割から逆算する優先順位

時限試験時間科目想定解答時間
1時限10:00〜13:00(180分)民法・刑法・憲法民法70分/刑法60分/憲法50分
2時限15:00〜17:30(150分)民事訴訟法・刑事訴訟法・商法各50分

要項は、同一時限内に実施する科目については解答用紙をまとめて配付し、時限終了後にまとめて回収するため、解答の順番や時間配分は受験者に委ねられると説明しています。つまり1時限目の180分は、民法・刑法・憲法の3科目を自分で采配する時間です。得意科目から着手して得点を確保するのか、想定解答時間の配分どおりに進めるのかは、事前に方針を決めて演習で試しておく必要があります。集合時刻は9:20、試験場は早稲田キャンパス15号館で、試験開始20分を経過してからの入室は認められません。

実務的な補足として、法学既修者試験の受験者には試験当日に大学が用意した六法が配布され、使用が許可されます。ただし配布された六法への書き込み・頁折り・ラインマーカーは認められていません。使い慣れた六法を持ち込む前提の演習をしていると当日の感覚がずれるため、書き込みのない六法で条文を引く練習をしておくと安心です。

当日の環境についても要項に具体的な記載があります。試験時間中に使用できる物品は黒インクのボールペンまたは万年筆で、試験時間中の着帽はフードも含めて認められません。文字や地図等がプリントされた上着の着用、ひざ掛けや座布団の使用も不可です。試験終了後は答案の回収・確認作業が終わるまで退出できず、教室によっては30分以上かかる可能性があるとも案内されています。既修と未修を併願する場合は、8月29日と30日の両日とも同一の試験室での受験になります。遠方から受験する方は、試験当日の交通機関の混雑に加えて、この退出待ちの時間も見込んで帰路を手配しておくと安心です。

1科目の極端な失点が命取りになる

要項には見逃せない注意書きがあります。論述試験について、1科目でも成績が極端に悪い科目(未受験を含む)があった場合は、他の科目の成績にかかわらず不合格となることがある、という記載です。民法・刑法で220点を稼げば残りは捨ててよい、という戦略が成立しないことを意味します。いわゆる下位3法(民訴・刑訴・商法)を空白にしないことが、配点以上に重要になります。

公式「評価のポイント」が示す答案の作法

2026年度の民法「評価のポイント」は、答案作成の姿勢について示唆に富みます。たとえば不法行為の過失相殺について、根拠規定が民法722条2項であり418条に基づくとする理解は精確さを欠くと明示されており、条文の正確な摘示が評価対象であることがわかります。一方で、関連判例の存在に論及しない解答が不利益に扱われるものではなく、むしろ法文に論及して結論を導くことが望まれるとも書かれています。判例の事件番号を覚えることより、条文から筋道を立てる訓練のほうが得点につながるという方向性です。

さらに同資料は、実務上の扱いと異なる解釈であっても、説得力のある説明を添えて提示する解答はありうるとしています。型どおりの結論を書くだけでなく、理由づけの質が見られていると理解してよいでしょう。書類審査の側では、能力証明資料として法学検定試験、過去の法学既修者試験の成績、司法試験予備試験の成績、司法書士など法的知識を要する資格が例示されています。ただし要項自身が、これらの資料が無条件に有利にはたらくとは限らないと注記しています。

法学未修者試験の内容と対策|小論文100点と書類審査で評価されるもの

一般選抜の法学未修者試験は、書類審査と小論文試験で構成されます。小論文は2026年8月30日(日)の10:00〜11:30、90分・100点満点という設計です。法律科目の論述がない代わりに、履歴書・志望動機課題文・能力証明資料といった書類と、90分の小論文の完成度が合否を左右します。

2026年度小論文の出題内容

公式が公開している2026年度の「評価のポイント」からは、実際の出題構成をかなり具体的に把握できます。設問1は課題文で用いられた「要素還元主義」という考え方について、(1)その意味、(2)それがもたらす弊害、(3)水俣病におけるその弊害の具体的説明という3点を問うものでした。(1)と(2)は論理的な文章の内容を正確に把握する能力を、(3)はある命題を具体的な事実にあてはめる能力を測る出題だと説明されています。

設問2は判決文が題材で、事実の正確な把握と論理的思考力を問う出題でした。原因物質が特定されていない段階でも、人体への侵入経路が魚介類の摂食であることは早期に判明していたのだから、早期に捕食を禁止していれば被害の拡大を防げた、という筋道を判決文の認定事実から抽出して説明することが期待されていた、と解説されています。法律知識ではなく、読解と当てはめの力が正面から問われていることがわかります。

公式の記述から逆算する小論文対策

同資料は対策の方向性まで示しています。論者の主張を論理的に正確に理解する理解力と、その主張を複雑な事実関係に適用した場合にどのような結論が導かれるかを思考する能力が、法曹に求められる基礎力だとしたうえで、日頃から論理的な文章から一般的な命題を演繹し、それを具体的な場合に当てはめる思考に慣れておくことが求められる、と述べています。

  • 新書や論説文を読み、筆者の主張を一文の命題に圧縮する練習を習慣にする
  • 圧縮した命題を、身近な事例や報道されている事象に当てはめて短く書いてみる
  • 判決文・報告書など事実認定を含む文章から、必要な事実だけを抜き出す訓練を重ねる
  • 90分という制限時間の中で、設問ごとの分量配分を決めて書き切る演習をする

非法学部・社会人が武器にできる経歴

前掲の通り、2026年度の未修合格者は40名中26名(65.0%)が社会人または法学部以外の学部出身者でした。未修区分は経歴の多様性が例外ではなく多数派である、と数字が示しています。これまでのキャリアや専門分野を法曹志望とどう結びつけて語れるかが、書類審査での差になります。文系大学院入試における志望動機の組み立て方の基本は、【大学院入試 文系】入試の全体像と志望校の選び方でも解説しています。

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特別選抜(5年一貫型・開放型)と法曹コース経由の入試

特別選抜の2方式は、学部3年間と法科大学院2年間を接続する「3+2」ルートを支える制度で、法曹養成連携協定に基づいて運用されています。どちらも法曹コース登録者が対象ですが、試験の中身は大きく異なります。

5年一貫型は書類審査+20分の面接

5年一貫型は募集人員40名以内で、出願書類による書類審査と、志願者全員に課される面接試験の成績を総合的に評価して合格者が決まります。2027年度入学者選抜試験要項によれば、面接は1名あたり概ね20分間の対面形式で、試験日は2026年7月4日(土)、合格者発表は7月10日(金)です。個別の実施時間は、Web出願システムに登録したメールアドレスへ6月26日(金)までに連絡される予定とされています。

書類審査では、志望動機・学歴・職歴等のWeb出願入力内容、大学・大学院成績、能力証明資料を総合的に審査し、要項は「特に法曹コースでの成績を重視します」と明記しています。法曹コース在籍中の学部成績が直接的な評価対象になるということです。加えて、前述の地方専願枠(2名を上限)もこの5年一貫型に設けられています。

開放型は民法・刑法・憲法の300点

開放型は募集人員約40名で、書類審査に加えて民法・刑法・憲法の3科目の法律科目論述試験が課されます。配点は民法120点・刑法100点・憲法80点の計300点で、試験日は法学既修者試験と同じ2026年8月29日、時間は1時限の10:00〜13:00(180分)です。ここで重要なのが、要項に記された開放型と一般選抜(法学既修者試験)の民法・刑法・憲法は同じ問題という一文です。

つまり開放型を志望する法曹コース生は、法学既修者試験の過去問をそのまま自分の試験の過去問として使えます。公開されている2026年度・2025年度の民法・刑法・憲法の問題は、開放型受験者にとっても一次資料そのものです。この点は開放型の対策効率を大きく左右します。

特別選抜と一般選抜の両にらみ

特別選抜が不合格だった場合の備えとしては、併願パターンの制約上、法学既修者試験との併願、あるいは特別選抜+既修+未修という3つ同時の併願という形になります。前述の通り、特別選抜と法学未修者試験だけを組み合わせることはできません。検定料は出願パターンにより35,000円または60,000円と定められているため、併願の設計は費用面も含めて出願前に固めておく必要があります。

早稲田大学法科大学院のステートメント(志望動機課題文)対策

出願書類の中で合否への影響が大きいとされるのが、志望動機課題文、いわゆるステートメントです。Web出願システム上で入力・提出する形式で、2027年度の課題文様式には1,500字以内で課題に答えること、およびこの課題についての問い合わせには応じないことが明記されています。字数と課題文言は年度によって変わり得るため、出願年度の様式で必ず確認してください。

課題は経歴別に用意されている

課題対象問われる内容
特別選抜課題特別選抜出願者法曹を志した理由/法曹コースでの学修の進め方と修得した知識・知見/同専攻で学ぶことを決意した理由
一般選抜課題(1)法律学系の学部・大学院出身者関心を持ったテーマと学修・研究の経緯/同専攻で学び法曹をめざす理由
一般選抜課題(2)法律学以外を中心に学修・研究した者最も成果を得たと感じること/それが法曹志望とどう関係するか
一般選抜課題(3)社会人としての経験がある者身につけた専門知識・技能と人間的成長/それが法曹志望とどう関係するか

実務上の注意点が2つあります。第一に、一般選抜と特別選抜を併願する場合は特別選抜課題のみに答えるという指定があり、一般選抜課題に答える必要はありません。第二に、経歴の選択(1)〜(3)については、志願者自身の職務経歴の内容・年数や出身学部・学科による制約はないと明記されています。判断に迷う場合は、自らをアピールするうえで最適なものを志願者の判断で選ぶ、という設計です。

書類審査で重視される5つの観点

2027年度入学者選抜試験要項は、全入試制度共通の書類審査で重視する点として、次の5つを挙げています。これは事実上の評価基準であり、課題文の構成を考える際の骨格として使えます。

  • 判断力・思考力・分析力等の資質(知的側面)
  • 社会常識・奉仕の精神・正義感(情の側面)
  • 強い使命感・情熱・気力(意志の側面)
  • 教養・各種分野の専門的能力(知識の側面)
  • 表現力・コミュニケーション能力

要項は、アドミッションズ・ポリシーやこの5点の資質・能力と照らし合わせて、求める人材にふさわしくないと判断した場合には不合格となることがあるとも述べています。1,500字の中にこの5観点の材料を配置するという設計思想で書くと、抽象論に流れにくくなります。

生成AIで作成した書類は不正行為とみなされる可能性がある

2027年度要項には、近年の状況を反映した記載が加わっています。志望動機やその他Web出願申請時に入力した内容・出願書類等は自分自身について説明する機会であるため自分で作成すること、生成AIを使用して作成し自分で書いたものとして提出した場合は不正行為とみなされる可能性があること、選考上の評価に影響を及ぼす可能性があることが明記されています。下書きの段階から自分の言葉で書く前提で準備を進めてください。

避けたい書き方

抽象的な正義論に終始する文章、他の法科大学院にもそのまま使い回せる汎用的な内容、経歴と志望動機が噛み合っていない文章は、5観点のどれにも届きにくくなります。書き上げたら第三者に読んでもらい、履歴書や能力証明資料の記載と矛盾がないかを確認する工程を必ず挟んでください。要項は、Web出願申請の入力内容と出願書類の内容に相違があった場合は虚偽の申請とみなすとしています。

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早稲田大学法科大学院の学費・奨学金・成績開示と司法試験合格実績

2027年度入学者の学費は、入学者選抜試験要項に予定額として次のように示されています。第1年度は登録料300,000円を含めて1,573,000円、第2年度・第3年度は各1,568,000円です。

年度登録料授業料実験演習料合計
第1年度300,000円1,143,000円120,000円1,573,000円
第2年度1,443,000円120,000円1,568,000円
第3年度1,443,000円120,000円1,568,000円

合計は諸会費(学生健康増進互助会費・学会費)を含んだ金額です。単純に積み上げると、2年短縮課程(既修)で3,141,000円、3年標準課程(未修)で4,709,000円となります。見落としやすいのが登録料の免除規定で、早稲田大学・同大学院・専攻科の在学者、卒業・修了・退学者が入学する場合は登録料が免除されます。早稲田大学出身者は第1年度の負担が300,000円軽くなる計算です。

奨学金は出願時に申請するものがある

奨学金名金額(年額)主な出願資格
稲門法曹奨学金年間授業料相当額(全免)または秋学期授業料相当額(半免)入学者選抜試験出願時申請者
池田正範奨学金700,000円入学者選抜試験出願時申請者/本学法学部の卒業生
千賀修一法曹養成奨学金700,000円入学者選抜試験出願時申請者/本学学部の卒業生
法曹支援奨学金700,000円入学者選抜試験出願時申請者
周藤保夫法曹養成奨学金700,000円入学者選抜試験出願時申請者/本学法学部の卒業生
大隈記念奨学金400,000円標準修業年限内在籍者
小野梓記念奨学金400,000円標準修業年限内在籍者

この表で注目したいのは出願資格の欄です。上位5つの奨学金はいずれも「入学者選抜試験出願時申請者」を条件としています。入学してから申し込むのではなく、入試に出願する段階で申請しておかないと対象にならない設計です。学費負担を軽くしたい方は、出願準備の時点で奨学金の申請要否を確認しておいてください。奨学金制度の詳細は年度によって変わるため、最新の要項および早稲田大学学生部奨学課の案内で確認が必要です。

学内の給付奨学金以外の支援策も要項に列挙されています。校友や篤志家の寄付による指定寄付奨学金、日本学生支援機構の第一種奨学金(無利子)・第二種奨学金の予約採用制度、提携金融機関(オリコ・楽天銀行)による入学時の学費ローン、日本政策金融公庫の国の教育ローン、そして社会人にとって見逃せない教育訓練給付金制度まで案内されています。社会人経験を経て未修で入学する方は、在職中の受講要件などを早い段階で確認しておくと、資金計画の選択肢が広がります。

不合格者は入試成績の開示を請求できる

早稲田大学法科大学院には、不合格者のうち希望者(受験者本人に限る)に対して当年度の入試成績を開示する制度があります。2027年度入試の場合、申請書は2027年3月上旬に法科大学院Webサイトに掲載され、受付期間は2027年4月5日〜9日(締切日消印有効)、簡易書留で申請し、1か月以内を目途に簡易書留で開示されます。開示内容は、法学未修者試験が小論文試験の得点、法学既修者試験と特別選抜(開放型)が法律科目論述試験の科目別得点です。

科目別得点が返ってくるという点は、再挑戦を考える受験生にとって大きな意味を持ちます。どの科目が足を引っ張ったのかを推測ではなく実数で把握できるためです。受付期間がわずか5日間である点にはご注意ください。

司法試験合格実績の読み方

早稲田大学法科大学院は、2025年(令和7年)司法試験で150名が合格したと公式に発表しています。内訳は既修課程132名(修了生46名・在学生86名)、未修課程18名(修了生10名・在学生8名)です。既修132名のうち86名が在学生であり、在学中受験制度と法曹コースの組み合わせによって、修了を待たずに合格するルートが定着していることが読み取れます。

この実績は入学後の学修環境を判断する材料にはなりますが、入試に合格したこと自体が司法試験合格を保証するものではありません。実績は参考情報として捉え、入試対策は開示データと自分の学習状況に基づいて組み立てることが大切です。早稲田大学の他研究科も視野に入れている方は、早稲田大学大学院入試を徹底解説|実施研究科・対策・過去問もあわせてご覧ください。

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よくある質問(FAQ)

早稲田大学法科大学院の入試はいつ実施されますか。

2027年度入学者選抜では、出願期間が2026年6月1日10:00〜6月11日、特別選抜(5年一貫型)の面接試験が7月4日、法律科目論述試験(開放型・法学既修者試験)が8月29日、小論文試験(法学未修者試験)が8月30日、合格者発表が9月18日と入学者選抜試験要項に示されています。第一次入学手続期間は5年一貫型が7月13日〜24日、それ以外が9月24日〜10月2日です。日程は年度によって変わるため、出願年度の要項でご確認ください。

早稲田大学法科大学院の倍率・難易度はどのくらいですか。

2026年度入試の公式開示データでは、受験者数と合格者数から算出した倍率が、特別選抜5年一貫型で約2.15倍(86名/40名)、特別選抜開放型で約4.95倍(198名/40名)、一般選抜の法学既修者試験で約2.41倍(780名/324名)、法学未修者試験で約5.53倍(221名/40名)でした。全体では受験1,285名に対し合格444名で約2.89倍です。区分によって水準が大きく異なるため、合算した数字だけで難易度を判断しないことをおすすめします。

早稲田大学法科大学院の合格者の出身大学はどこが多いですか。

2026年度の「合格者の概要等」では、合格者数上位5大学として、一般選抜(法学既修者)が早稲田大学・慶應義塾大学・東京大学・中央大学・一橋大学、一般選抜(法学未修者)が早稲田大学・東京大学・慶應義塾大学・一橋大学・京都大学と公表されています。特別選抜(開放型)には早稲田大学・中央大学・慶應義塾大学・明治大学・東京大学・一橋大学の各大学名が挙がっており、特別選抜(5年一貫型)は制度上、法曹養成連携協定を締結している大学の出身者に限られます。あくまで上位5大学の公表であり、これ以外の大学からの合格者がいないという意味ではありません。

既修と未修、どちらで受験すべきですか。

法律6科目の論述試験(540点満点)で得点が見込めるなら法学既修者試験(2年短縮課程)、法律の学習歴が浅い場合は法学未修者試験(3年標準課程)が選択肢になります。ただし2026年度は未修が約5.53倍と既修の約2.41倍を上回り、合格者も前年の53名から40名へ減りました。「未修のほうが入りやすい」という前提で選ぶのは、開示データと整合しません。なお、法曹コース登録者は特別選抜と未修者試験だけを併願することはできません。

早稲田大学法科大学院の過去問は公開されていますか。

公開されています。2026年度入試については法学既修者試験6科目の問題PDFに加えて「出題意図」「評価のポイント」が、2025年度入試については6科目の問題と「出題の趣旨」が公式サイトで配布されています。さらに2004〜2014年度の試験問題と、2015〜2026年度の「合格者の概要等」も年度別に公開されています。法学未修者試験の小論文は問題本体の掲載はありませんが、出題意図と評価のポイントが公開されており、設問構成と評価軸を把握できます。

志望動機課題文(ステートメント)は何字で何を書きますか。

2027年度は1,500字以内です。特別選抜出願者は特別選抜課題に、一般選抜出願者は経歴別の3課題(法律学系の学部・大学院出身者/法律学以外を中心に学修・研究した者/社会人としての経験がある者)から1つを選んで答えます。特別選抜と一般選抜を併願する場合は特別選抜課題のみに答えます。経歴の選択に職務経歴の年数や出身学部による制約はありません。生成AIで作成して自分で書いたものとして提出した場合は不正行為とみなされる可能性があると要項に明記されています。

入学検定料と学費はいくらですか。

入学検定料は出願パターンによって35,000円または60,000円と要項に定められており、単一の試験のみに出願する場合は35,000円です。2027年度入学者の学費(予定)は第1年度1,573,000円(登録料300,000円を含む)、第2年度・第3年度が各1,568,000円で、既修の2年間で3,141,000円、未修の3年間で4,709,000円となります。早稲田大学の在学者・卒業生等は登録料300,000円が免除されます。

非法学部出身や社会人でも合格できますか。

2026年度の法学未修者試験では、合格者40名のうち26名(65.0%)が社会人または法学部以外の学部出身者でした。合格者の平均年齢は30.4歳、最高年齢は71歳です。法学既修者試験でも51名(15.7%)が該当します。未修者試験は法律科目の論述を課さず、書類審査と小論文試験で評価される構成のため、これまでのキャリアを志望動機課題文で具体的に語れることが強みになり得ます。ここでいう社会人とは、出願時点で勤務経験・自営業・主婦主夫等を通算2年以上持つ者と定義されています。

まとめ|早稲田大学法科大学院 入試を突破するための要点整理

早稲田大学法科大学院の入試は、特別選抜(5年一貫型・開放型)と一般選抜(法学既修者試験・法学未修者試験)という3系統4方式で構成されており、対象者・試験科目・配点・日程がそれぞれ異なります。2027年度入学者選抜は、出願が2026年6月1日〜11日、法律科目論述試験が8月29日、小論文試験が8月30日、合格者発表が9月18日という日程です。出願期間が10日程度と短く、出願後の差し替えも認められないため、5月中の書類完成を目安に逆算してください。

  • 2026年度の区分別倍率は5年一貫型約2.15倍・開放型約4.95倍・一般既修約2.41倍・一般未修約5.53倍で、合算した数字では難易度を読み違える
  • 合格者数上位5大学は、一般既修が早稲田・慶應義塾・東京・中央・一橋、一般未修が早稲田・東京・慶應義塾・一橋・京都と公表されている
  • 未修合格者は40名中26名(65.0%)が社会人または法学部以外の出身で、平均年齢は30.4歳と経歴の多様性が数字に表れている
  • 法学既修者試験は6科目540点満点で、1科目でも極端に悪い科目があると他科目にかかわらず不合格となることがある
  • 1時限目の180分は民法・刑法・憲法の3科目を自分で采配する時間で、解答順と時間配分は受験者に委ねられる
  • 直近年度は科目別の問題に加えて「出題意図」「評価のポイント」まで公開されており、過去問演習の質を上げられる
  • 志望動機課題文は1,500字以内、書類審査は5つの観点で評価され、生成AIでの作成は不正行為とみなされる可能性がある
  • 学費は既修2年で3,141,000円・未修3年で4,709,000円、主要な給付奨学金は出願時申請が条件になっている
  • 不合格者は科目別得点の開示を請求できる(2027年度は4月5日〜9日受付)

早稲田大学法科大学院を目指すうえでは、公式が開示している倍率・合格者データ・過去問・評価のポイントという一次情報をまず自分の目で確認し、そのうえで科目別の対策と志望動機課題文の完成度を高めていくことが、遠回りに見えて着実な道筋です。併願先の検討や予備校選びの考え方は大学院入試予備校おすすめ32選!、他校との比較は東京大学法科大学院の入試解説もあわせてご覧ください。独学での対策に不安がある場合は、専門の指導を活用するのも一つの方法です。専門講師による個別指導をご希望の方は、大学院入試対策コースで早稲田大学法科大学院の受験対策についてご相談いただけます。

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この記事を書いた人

千葉大学 法政経学部を首席で卒業後、都内国公立大学の法科大学院(ロースクール)を修了し、司法試験に合格。法律・政治・経済分野の専門知識をもとに、スプリング・オンライン家庭教師の大学編入・大学院入試分野の指導および記事監修を担当。

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