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滋賀医科大学医学部の学士編入を徹底解説|出願資格・試験科目・倍率・対策まで

滋賀医科大学医学部の学士編入は、募集人員15名・第2年次への4月編入を実施する国立単科医科大学の選抜試験です。他の大学を卒業した方や大学院修了者、社会人経験者などを対象に、第1次試験(総合問題+英語)と第2次試験(小論文Ⅰ・Ⅱ+個人面接)の2段階選抜で合否を判定します。総合問題では生物学・物理学・化学・統計学・数学と幅広い分野が問われる点が特徴で、理数系の基礎学力に加えて医療や地域医療への関心・熱意も評価対象になります。
令和8年度の実績では志願者183名に対し最終合格者18名(募集人員15名)と、名目倍率で約12.2倍という高い水準になっています。令和4年度の22.0倍からは低下傾向にあるものの、依然として難関であることに変わりはありません。第2年次への編入後は5年間の在学で卒業を目指す流れとなり、一般選抜(6年間)とは異なるスケジュール感で医学部進学を実現できるのが学士編入という制度の大きな魅力です。
本記事は、令和9年度(2027年4月入学)医学部医学科第2年次学士編入学の学生募集要項(2026年6月公表)に基づき、滋賀医科大学の学士編入について出願資格・出願手続き・試験日程・試験科目・過去の倍率推移・アドミッションポリシー・科目別の対策方法までを網羅的に解説します。他学部出身の大学生や社会人、医療系出身者の方が「自分は出願できるのか」「何をどう対策すればよいのか」を具体的にイメージできるよう整理していますので、受験を検討している方はぜひ最後までご確認ください。なお、出願に際しては必ず大学公式の最新の募集要項をご自身でご確認ください。
滋賀医科大学医学部の学士編入とは|募集人員15名・第2年次4月入学の基本情報
滋賀医科大学と医学部医学科の概要
滋賀医科大学は滋賀県大津市瀬田月輪町に所在する国立の単科医科大学です。「地域に支えられ、地域に貢献し、世界に羽ばたく大学」を理念に掲げており、地域医療への貢献を重視する姿勢が学士編入の出願資格やアドミッションポリシーにも色濃く反映されています。医学部医学科は6年制の学部で、一般選抜・学校推薦型選抜と並んで、学士編入学試験(第2年次学士編入学)という選抜区分が設けられています。
学士編入制度の趣旨と位置づけ
学士編入は、他の学問分野の専門知識や社会経験等を有する大学卒業者を受け入れることで、大学の教育・研究を活性化させることを趣旨とした制度です。滋賀医科大学の募集要項にもこの趣旨が明記されており、理系・文系を問わず様々な学問的バックグラウンドを持つ人材や、社会人としての経験を積んだ人材を積極的に受け入れる姿勢がうかがえます。「今の仕事や専攻から医学の道に進みたい」と考えている方にとって、まさに門戸を開いている制度といえるでしょう。
募集人員15名・第2年次編入の意味
滋賀医科大学の学士編入における募集人員は15名です。国公立大学医学部の学士編入試験の中では、比較的多い部類に入る募集人員規模といえます。編入する学年は第2年次で、入学時期は令和9年4月を予定しています。第2年次からのスタートとなるため、1年次で学ぶ教養科目の一部を経ずに専門教育へ進んでいく形になります。
卒業までの年数と流れ
第2年次に4月編入するため、在学期間は5年間となるのが標準的な流れです。一般選抜で1年次から入学する場合は6年間の在学が必要になるため、学士編入は大学卒業者や大学院修了者にとって在学期間を短縮できるルートともいえます。ただし、専門教育の密度は一般選抜の学生と大きく変わらないため、5年間で臨床実習まで含めたカリキュラムを消化する必要がある点は理解しておく必要があります。この記事では、出願資格から試験科目、倍率、対策まで順を追って解説していきますので、まずは自分が出願資格を満たしているかどうかを次のセクションで確認してみてください。医学部学士編入制度そのものについてさらに詳しく知りたい方は、【医学部学士編入】これでわかる医学部学士編入試験もあわせてご覧ください。
滋賀医科大学 学士編入の出願資格|文系出身・社会人・学位授与機構ルートも対象
滋賀医科大学の学士編入における出願資格は、大きく分けて3つの区分があります。いずれかに該当し、かつ医学部医学科の卒業者・在学者ではないことが前提条件です。
出願資格3区分の詳細
- (1)大学(外国の4年制以上の大学を含む)を卒業した者、または令和9年3月31日までに卒業見込みの者
- (2)大学院(外国の大学院を含む)の修士課程または博士課程を修了した者、または修了見込みの者
- (3)学校教育法第104条第7項の規定により学士の学位を授与された者、または授与見込みの者(いわゆる大学改革支援・学位授与機構ルート)
(3)の学位授与機構ルートは、短期大学や高等専門学校の専攻科を修了し、一定の学修を経て学士の学位を取得したケースなどが該当します。大学卒業という一般的なルート以外にも道が開かれている点は、多様な経歴を持つ受験生にとって心強いポイントです。
医学部医学科卒業者・在学者は出願不可
出願資格には「医学部医学科の卒業者及び在学者を除く」という除外規定が設けられています。裏を返せば、歯学部・薬学部・看護学科など医療系の他学部出身者であれば出願資格の対象になるということです。医療系のバックグラウンドを持ちながら医学科への進学を目指す方にとっても開かれた制度になっています。
外国大学出身者の出願資格審査
外国の4年制に満たない大学を卒業した(見込みを含む)場合は、出願前に大学独自の出願資格審査を受ける必要があります。令和9年度の要項では、審査申請期間は令和8年7月10日(金)までとされており、結果は令和8年7月24日(金)までに発送される予定です。これは実際の出願期間(8月)よりも1か月以上前のタイミングになるため、該当する方は早めにスケジュールを確認し、余裕を持って準備を進める必要があります。
年齢・出身学部の制限はあるか
募集要項には年齢制限についての記載はなく、出身学部による制限も、医学部医学科の卒業者・在学者を除く規定以外には設けられていません。学士編入の趣旨として社会経験を持つ人材の受け入れが明記されていることからも、社会人経験者が出願することは十分に想定されている制度といえます。ただし、出願資格を満たすことと合格できることは別問題であり、後述する試験科目(理数系を含む総合問題)への対策が不可欠です。文系出身の方が学士編入を目指す際の考え方については、文系大学生の医学部学士編入についても参考にしてみてください。
滋賀医科大学 学士編入の出願手続きと必要書類|推薦書・自己推薦書・経歴書の準備
Web出願の流れと2つの期間
滋賀医科大学の学士編入は「滋賀医科大学Web出願システム」による出願のみで、紙の出願票による受付は行われません。令和9年度の日程では、Web出願システムへの登録期間(検定料の支払いを含む)は令和8年8月17日(月)から8月31日(月)午後5時まで、出願書類の受理期間は令和8年8月24日(月)から8月31日(月)午後5時必着(書留・速達郵便または持参)とされています。登録期間と書類受理期間が完全には一致していない点に注意が必要で、Web登録を済ませたら書類の発送・持参も並行して進める必要があります。入学検定料は30,000円(別途払込手数料)で、コンビニ・ペイジー・クレジットカードでの支払いに対応しています。支払い完了後は登録情報の変更ができない点にも留意しておきましょう。
提出書類一覧
| 書類名 | 備考 |
|---|---|
| 編入学志願票 | Web出願システムで登録・顔写真をアップロード |
| 高等学校等卒業とその後の経歴書 | 高校卒業後から現在まで空白期間なく学歴・職歴を記載、本人自署(令和9年度から追加された様式) |
| 成績証明書 | 出身大学・大学院発行、厳封 |
| 卒業(見込)証明書 | 出身大学・大学院発行 |
| 推薦書 | 本学所定様式、厳封 |
| 自己推薦書 | 所定様式、本人自署 |
| 宛名シート | 受験票等の郵送先を記載 |
推薦書は誰に依頼するか
推薦書は本学所定の様式で、原則として出身大学あるいは大学院の指導教員に依頼するものとされています。やむを得ず指導教員に依頼できない事情がある場合は、その理由を編入学志願票に記入したうえで、「責任をもって志願者を推薦できる者」に依頼することも可能です。大学側が推薦者に記載内容を照会することがあると明記されているため、依頼する相手には事前に十分な説明をしておくことが望ましいでしょう。卒業から年数が経っている社会人の場合、指導教員との連絡が難しいケースもあるため、早めに依頼先を検討しておくことをおすすめします。
自己推薦書(1,200字程度)の書き方
自己推薦書は「本学への志望動機」と「医学への貢献についての抱負」を合わせて1,200字程度で記載する所定様式です。令和8年度まではWeb出願システム上での入力方式でしたが、令和9年度からは様式をダウンロードして記載する方式に変更されている点に注意してください。滋賀医科大学が求める学生像には「滋賀県の医療に貢献する意欲」が明記されているため、自身の経歴や志望動機をこのアドミッションポリシーと自然に結びつける視点を持つと、説得力のある内容に仕上げやすくなります。志望理由書の具体的な書き方については、志望理由書の書き方についてー大手編入予備校の講師が解説!も参考になります。
令和9年度から加わった「高等学校等卒業とその後の経歴書」
令和9年度の募集要項では「高等学校等卒業とその後の経歴書」という様式が新たに提出書類に加わっています。高校卒業後から現在に至るまでの学歴・職歴を空白期間なく記載し、本人が自署する形式です。令和8年度の提出書類一覧にはこの様式の記載がなく、比較すると令和9年度で新設された様式であることが確認できます。社会人経験者や転職・留学などの経歴を持つ方は、記載漏れのないよう時系列を整理してから記入するとよいでしょう。なお、募集要項には生成AIに関する注意事項も明記されており、「生成AIによる成果物をそのまま自己の成果物として提出することは禁止」とされています。自己推薦書や経歴書は必ず自身の言葉でまとめるようにしてください。
滋賀医科大学 学士編入の試験日程・年間スケジュール【令和9年度(2027年4月入学)】
令和9年度の全体日程一覧
| 時期 | 内容 |
|---|---|
| ~令和8年7月10日(金) | 外国大学出身者の出願資格審査申請期限 |
| 令和8年7月24日(金)まで | 出願資格審査結果の発送 |
| 令和8年8月17日(月)~8月31日(月)17時 | Web出願システム登録期間(検定料支払含む) |
| 令和8年8月24日(月)~8月31日(月)17時必着 | 出願書類受理期間 |
| 令和8年9月9日(水)頃~ | 受験票のWebダウンロード開始 |
| 令和8年9月26日(土) | 第1次試験(総合問題・英語) |
| 令和8年10月15日(木)10時(予定) | 第1次試験合格発表 |
| 令和8年10月20日(火) | 第2次試験(小論文Ⅰ・Ⅱ・個人面接) |
| 令和8年11月13日(金)10時(予定) | 最終合格発表 |
| 令和8年11月13日(金)~11月27日(金)17時 | 入学手続期間 |
| 令和8年11月27日(金)17時~ | 欠員発生時の追加合格連絡(電話) |
出願から入学までのタイムライン
上記のとおり、外国大学出身者の資格審査を除けば、実質的な出願準備は8月中旬から始まり、11月の入学手続きまで約3か月強で完結する日程です。特に注目すべきは、第1次試験合格発表(10月15日)から第2次試験(10月20日)までがわずか中4日程度しかないという点です。小論文や面接の対策を第1次試験の結果が出てから始めていては間に合わない可能性が高く、第1次試験の勉強と並行して第2次試験の準備も進めておく実務的な計画が欠かせません。
併願を考える場合の注意点
医学部学士編入を目指す受験生の多くは、複数の大学を併願する形で受験に臨みます。滋賀医科大学の日程は9月下旬に第1次試験、10月下旬に第2次試験という比較的秋口に集中したスケジュールになっているため、他大学の学士編入試験の日程と重ならないか、早い段階で確認しておくことが大切です。参考までに、令和8年度の日程は第1次試験が9月20日、第2次試験が10月21日であり、令和9年度と大きな流れは類似していますが、年度によって日程は変わるため、必ず最新の募集要項で確認するようにしてください。
最新情報の確認方法
合格発表は合否照会サイトでのみ確認する方式で、大学への電話での問い合わせには対応していません。また、欠員が生じた場合の追加合格は電話連絡で行われるため、合格発表後は大学からの連絡を受けられる状態を維持しておくことが重要です。令和10年度以降の日程・内容は本記事執筆時点では公表されていないため、出願を検討する際は必ず滋賀医科大学の公式サイトで最新の募集要項を確認してください。
滋賀医科大学 学士編入の第1次試験|総合問題(生物学・物理学・化学・統計学・数学)と英語
第1次試験の科目・配点・時間割
第1次試験は令和8年9月26日(土)に滋賀医科大学(大津市瀬田月輪町)で実施されます。試験科目と配点は以下のとおりです。
| 科目 | 時間 | 配点 |
|---|---|---|
| 総合問題 | 10:00~12:30(150分) | 200点 |
| 外国語(英語) | 14:00~15:00(60分) | 100点 |
両科目を受験しなければ合格対象とならない点にも注意が必要です。また、筆記用具はHBの黒鉛筆(シャープペンシル不可)などの指定があり、当日の持ち物準備でうっかり見落としがちなポイントですので事前によく確認しておきましょう。
総合問題の出題範囲と特徴
総合問題は「大学教養教育修了程度」の生物学・物理学・化学・統計学・数学という5分野から出題され、医学修得に必要な知識を評価する試験です。多くの医学部学士編入試験では生命科学を中心とした出題が主流ですが、滋賀医科大学は統計学・数学も明示的に含まれている点が特徴的といえます(他大学との優劣を断定するものではありません)。総合問題と英語の配点比はおよそ2対1であり、理数系分野を重視した配点構造になっていることが読み取れます。
英語試験の位置づけ
令和9年度の募集要項にはTOEICやTOEFLなど外部の英語試験のスコア提出に関する記載はありません。つまり、第1次試験当日の筆記英語(60分・100点)がそのまま評価対象になるということです。外部スコアで加点を狙う戦略は取れないため、当日の試験本番でしっかり得点できる読解力・処理速度を養っておく必要があります。
第1次通過ライン(募集人員の3倍・45人)
第1次試験の合格者数は、募集人員の3倍(45人を下回らない)と募集要項に明記されています。実際に過去5年間の実績を見ても、いずれの年度も45名が第1次試験合格者となっています。令和8年度の実績では受験者165名に対し合格者45名で、通過率はおよそ27%(編集部算出)でした。第1次試験を突破するためには、全受験者の上位およそ4分の1に入る得点力が必要になるということです。なお、合格者の最高点・最低点・平均点や科目別点数などは、合格者本人がWeb出願システムを通じて開示請求できる制度があり(令和8年度は11月13日~12月28日)、再挑戦を検討する場合の自己分析にも活用できます。
滋賀医科大学 学士編入の第2次試験|小論文Ⅰ・Ⅱと個人面接の評価ポイント
第2次試験の時間割と配点
第2次試験は令和8年10月20日(火)に滋賀医科大学で実施されます。内訳は以下のとおりです。
| 科目 | 時間 | 配点 |
|---|---|---|
| 小論文Ⅰ | 9:00~10:30(90分) | 200点 |
| 小論文Ⅱ | 11:00~12:30(90分) | 100点 |
| 個人面接 | 13:30~ | 段階評価 |
小論文Ⅰ(自然科学資料の論述)
小論文Ⅰは自然科学に関する資料を提示し、論理的思考力・問題解決能力を評価する論述試験です。単なる知識の再生ではなく、提示された資料をどう読み解き、どう論理立てて自分の考えを展開できるかが問われます。
小論文Ⅱ(医学・医療の社会的役割)
小論文Ⅱは医学・医療の社会的役割について論述する試験です。医療倫理や地域医療、高齢社会における医療のあり方など、社会と医療の関係を俯瞰する視点が求められます。
個人面接は段階評価・基準未満は不合格
個人面接では、コミュニケーション能力・協調性・リーダーシップ・批判的思考力・自己表現力などが評価観点として挙げられています。ここで特に重要なのは、個人面接が段階評価であり、評価が一定基準に満たない場合は総合点にかかわらず不合格になると明記されている点です。つまり、筆記試験でどれほど高得点を取っても、面接の評価が基準に届かなければ合格には至らないという設計になっています。学力一辺倒の対策では不十分であることがこの点からも分かります。また、出願書類(自己推薦書・推薦書・経歴書)は面接時の参考資料として使われるため、出願書類の内容と面接での受け答えに一貫性を持たせることが欠かせません。面接集合時刻に遅れると受験資格を失うことになるため、当日の時間管理にも十分注意してください。最終合格は第1次試験・第2次試験の結果を総合して判定されます。
滋賀医科大学 学士編入の倍率・志願者数の推移|過去5年の入学者選抜状況データ
過去5年の志願者・合格者データ一覧
滋賀医科大学が公表している「入学者選抜状況」のデータは以下のとおりです(募集人員はいずれの年度も15名)。
| 年度 | 1次志願者 | 1次受験者 | 1次合格者 | 2次受験者 | 最終合格者 | 入学者 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 令和4 | 330 | 299 | 45 | 42 | 16 | 15 |
| 令和5 | 333 | 288 | 45 | 43 | 19 | 15 |
| 令和6 | 265 | 237 | 45 | 42 | 16 | 15 |
| 令和7 | 195 | 177 | 45 | 43 | 17 | 15 |
| 令和8 | 183 | 165 | 45 | 44 | 18 | 15 |
名目倍率と実質倍率の推移
志願者数を募集人員で割った名目倍率は、令和4年度の約22.0倍から令和8年度には約12.2倍まで低下しています(いずれも編集部算出)。一方、受験者数を最終合格者数で割った実質倍率は、令和8年度で165名÷18名=約9.2倍となります。名目倍率は下がっているものの、実質倍率で見ても約9倍という高い水準にあり、依然として難関であることに変わりはありません。
志願者数減少の背景をどう読むか
令和4年度の330名から令和8年度の183名まで、志願者数はこの5年間でほぼ半減しています。この減少をもって「合格しやすくなった」と単純に断定するのは慎重であるべきです。母集団の学力層や志望動機の質、全国的な医学部学士編入枠の動向など、様々な要因が影響している可能性があるためです。なお、「受験者数が全国の医学部編入で最多」といった比較言説は民間の予備校サイトなどで見かけることがありますが、大学の公式発表としては確認できていないため、本記事では断定的な表現は避けています。
追加合格・入学者数の実態
データを見ると、第1次試験合格者は毎年45名前後で安定している一方、第2次試験の受験者から最終合格者への絞り込みは年度によって差があります。また、最終合格者数が募集人員15名を上回る年度もありますが、これは入学辞退を見込んだ合格発表や、欠員が生じた場合の追加合格制度が関係していると考えられます。実際の入学者数はいずれの年度も15名で着地しており、募集人員どおりの定員充足が続いています。他大学との倍率・難易度比較については、医学部学士編入対策大全|実施大学一覧・難易度・倍率・TOEICも参考にしてみてください。
滋賀医科大学 学士編入の難易度とアドミッションポリシー|求められる人物像
アドミッションポリシーが示す学生像
滋賀医科大学が学士編入の受験生に求める人物像として、基礎学力、コミュニケーション能力、知的好奇心、地域医療・滋賀県の医療への貢献意欲、生涯にわたる研鑽の姿勢といった要素が募集要項に示されています。中でも「地域医療に深い関心を持ち、特に滋賀県の医療に貢献する意欲を持つ者」という記載は、他大学の学士編入試験と比べても踏み込んだ表現であり、この大学が地域医療への貢献を強く意識していることが分かります。
「滋賀県の医療への貢献」が明記されている意味
出身地が滋賀県でない受験生にとって、この一文は一見ハードルに感じられるかもしれません。しかし、これは滋賀県出身者に限定するという意味ではなく、地域医療という視点を自分なりに理解し、志望動機や面接での発言に一貫して落とし込めるかどうかが問われていると捉えるべきです。例えば、これまでの職歴や研究テーマ、居住経験などを踏まえて「なぜ滋賀医科大学で学びたいのか」を誠実に言語化する準備が求められます。
選抜の基本方針から見る評価軸
募集要項に示された入学者選抜の基本方針では、学力試験(第1次試験)の合格者に対して小論文と面接(第2次試験)を課し、両者を総合的に評価する選抜方式が採られています。学士編入の趣旨として「他の学問分野の専門知識や社会経験等を有する大学卒業者」の受け入れが明記されている点からも、単なる暗記知識だけでなく、これまでの経歴や専門性をどう医学に活かせるかという視点が評価軸に含まれていると考えられます。職歴や研究歴がある方は、それらを具体的なエピソードとして言語化しておくことが有効です。
難易度をどう捉えるか
滋賀医科大学の学士編入の難易度は、大きく3つのハードルとして整理できます。1つ目は総合問題が生物学・物理学・化学・統計学・数学という5分野にまたがる広範な出題であること、2つ目は実質倍率が約9倍という高い競争率であること、3つ目は面接が段階評価で基準に満たなければ不合格になるという設計です。これらを踏まえると、単に暗記量を増やすだけでなく、幅広い理数分野の基礎固めと、面接・小論文でのコミュニケーション力の両方をバランスよく鍛える必要があるといえます。
滋賀医科大学 学士編入の総合問題対策|生命科学・物理・化学・統計学・数学の勉強法
総合問題の対策方針(5分野の優先順位)
総合問題は「大学教養教育修了程度」とされており、レベル感としては高校範囲の総仕上げに加えて大学1~2年で学ぶ教養課程の内容までを想定した対策が必要です。一般的な医学部学士編入試験では生命科学(生物学)中心の出題が多い中、滋賀医科大学は物理学・化学・統計学・数学まで含めた幅広い理数対応が求められる点を踏まえ、まずは自分の出身背景に応じて優先順位をつけることが対策の出発点になります。
出身背景別の戦略
- 理系出身者:物理・化学は既存の知識を土台にできることが多いため、生物学の補強に重点を置く
- 医療系出身者:生物学は比較的貯金があるケースが多いため、数学・物理の基礎固めを優先する
- 文系出身者:理数科目をゼロから積み上げる必要があるため、学習期間を長めに確保し、基礎から着実に進める
統計学・数学の勉強法
統計学については、記述統計・確率分布・仮説検定の基礎といった教養課程レベルの定番論点を押さえておくのが一般的な対策の方向性です。数学については、微積分や線形代数など教養数学の範囲が想定されますが、具体的な出題実例は公表されていないため、この点は「要確認」として捉え、過去問の入手可能性については大学へ直接問い合わせることをおすすめします。
過去問・成績開示の活用
150分という試験時間の中で5分野をカバーする必要があるため、時間配分の感覚を養い、難問に固執せず解ける問題から着実に得点する「捨て問判断」の訓練も重要になります。過去問の公表状況については明確な情報がないため、大学への問い合わせを通じて確認するのが確実です。また、前述の成績開示制度を活用すれば、自分がどの科目で失点したのかを事後的に把握でき、再挑戦する場合の学習計画の見直しに役立てられます。教材選びについては、大学受験レベルの参考書から大学教養課程の入門書まで段階的に取り組むのが一般的な指針ですが、学習に必要な時間は個人差が大きいため、断定的な目安を示すことは避け、自分の理解度に合わせて計画を立てることが大切です。実際に合格した先輩たちの学習の進め方については、【医学部学士編入】国公立大学医学部 合格体験記も参考になります。
滋賀医科大学 学士編入の英語・小論文・面接対策
英語(60分・100点)の対策
前述のとおり、外部の英語資格試験のスコア提出は求められておらず、当日の筆記試験一本勝負となります。60分・100点というコンパクトな試験時間であることを踏まえると、速読力と設問処理のスピードが得点を左右します。医学・生命科学系のテーマを扱った英文に日頃から触れ、専門的な語彙や表現に慣れておく対策が中心になるでしょう。
小論文Ⅰ対策:自然科学資料の読解と論述
小論文Ⅰは自然科学の資料が提示される論述形式です。「資料を要約する→そこから読み取れる課題や論点を考察する→自分の意見を述べる」という基本の型を身につけたうえで、グラフや統計データを含む理科系の資料を読み解く練習を重ねておくと安心です。
小論文Ⅱ対策:医療の社会的役割を論じる準備
小論文Ⅱでは医学・医療の社会的役割が問われます。医療倫理、地域医療、高齢社会と医療、医療とテクノロジー(AIなど)といった頻出テーマについて、日頃からニュースや専門書を通じて知識をストックしておくことが有効です。特に滋賀医科大学のアドミッションポリシーを踏まえると、滋賀県における地域医療構想や医療課題について事前に調べておくことは、小論文だけでなく面接対策としても意義があります。
個人面接対策:出願書類との一貫性
面接対策では、募集要項に示された評価観点(コミュニケーション能力・協調性・リーダーシップ・批判的思考力・自己表現力)ごとに想定問答を準備しておくことが基本です。自己推薦書に記載した1,200字程度の志望動機・抱負との整合性を保ちながら、「なぜ医師を目指すのか」「なぜ滋賀医科大学なのか」「これまでの経歴やキャリアをどう医学に活かすか」といった王道の質問に、一貫した軸で答えられるよう準備しておきましょう。前述のとおり面接は段階評価で基準未満だと不合格になる設計のため、面接対策を後回しにするのは避けるべきです。模擬面接や第三者による添削を活用し、客観的な視点からのフィードバックを受けることも効果的です。志望理由書と面接の関係性については、志望理由書と面接試験の重要性でも詳しく解説していますので参考にしてください。
滋賀医科大学 学士編入の学費・入学後の学生生活と合格までの学習計画
入学料・授業料と経済的支援
令和9年度の予定額として、入学料282,000円、授業料は年額535,800円(前期分267,900円)が募集要項に示されています。これらは国立大学の標準額に基づく予定額であり、今後改定される可能性がある点には留意してください。また、入学料・授業料には徴収猶予などの経済的支援制度も設けられています。受験にあたっては、入学検定料30,000円(別途払込手数料)も含めた費用感を事前に把握しておくと安心です。
編入後のカリキュラムと5年間の流れ
第2年次への4月編入となるため、入学後は既存の2年次生と合流する形で専門基礎科目から学びが始まり、その後臨床実習へとつながっていく流れになります。具体的なカリキュラムの詳細は大学のカリキュラム・ポリシーに基づいて設計されているため、入学前に大学公式サイトで最新の情報を確認しておくとよいでしょう。
キャンパス・アクセス
滋賀医科大学のキャンパスは大津市瀬田月輪町にあり、附属病院も併設されています。関西圏からの通学圏内に位置することもあり、京都・大阪方面からの進学・通学を検討する受験生も少なくないと考えられますが、生活面の詳細は個々の状況によって異なるため、通学や転居を検討する際は事前に現地の情報を確認することをおすすめします。
出願までの逆算学習スケジュール例
第1次試験が9月下旬に実施されることから逆算すると、前年の秋から冬にかけて理数科目(生物学・物理学・化学・統計学・数学)の基礎固めを行い、春先には英語の読解演習を強化、夏場には小論文・面接対策と出願書類の準備を並行して進める、というのが一つの目安となるモデルです。社会人受験生であれば平日の夜間や週末を使った学習時間の確保、在学中の大学生であれば授業やゼミとの両立を意識したスケジューリングが必要になります。独学での対策に不安がある場合は、専門の指導を活用するのも一つの方法です。
よくある質問(FAQ)
滋賀医科大学の学士編入は何年次に編入し、卒業まで何年かかりますか?
第2年次への4月編入となります。医学科は6年制のため、編入後は5年間の在学で卒業要件を満たすのが標準的な流れです。一般選抜で1年次から入学する場合の6年間と比べ、在学期間を短縮できるルートといえます。
文系出身でも滋賀医科大学の学士編入に出願できますか?
出願資格には出身学部による制限はなく、大学を卒業(見込みを含む)していれば文系出身でも出願は可能です。ただし第1次試験の総合問題では生物学・物理学・化学・統計学・数学が課されるため、理数系分野の入念な準備が欠かせません。
TOEICやTOEFLのスコアは必要ですか?
令和9年度の募集要項には、外部の英語試験スコアの提出に関する記載はありません。英語は第1次試験当日の筆記試験(60分・100点)によって評価されます。外部スコアでの加点は想定されていないため、当日の試験本番で得点する対策が中心になります。
推薦書は誰に書いてもらえばよいですか?
原則として出身大学あるいは大学院の指導教員に依頼し、本学所定様式・厳封の形で提出します。やむを得ず指導教員に依頼できない事情がある場合は、その理由を編入学志願票に記入したうえで、責任をもって推薦できる方に依頼することも認められています。
滋賀医科大学 学士編入の倍率はどれくらいですか?
令和8年度は志願者183名・募集人員15名で名目倍率約12.2倍、受験者165名・最終合格者18名で実質倍率約9.2倍(いずれも編集部算出)でした。令和4年度の約22.0倍からは低下傾向にありますが、依然として高い倍率が続いています。
第1次試験は何人くらい合格できますか?
募集要項には「募集人員の3倍(45人を下回らない)」と明記されています。実際に過去5年間はいずれの年度も45名が第1次試験の合格者となっています。
まとめ|滋賀医科大学の学士編入は理数の広さと面接基準を突破する対策が鍵
滋賀医科大学医学部の学士編入は、募集人員15名・第2年次4月編入という国立単科医科大学ならではの制度です。出願資格は大学卒業者・大学院修了者・学位授与機構による学士取得者と幅広く、年齢や出身学部の制限もないため、文系出身者や社会人経験者にも開かれた選抜といえます。一方で、第1次試験の総合問題では生物学・物理学・化学・統計学・数学という5分野が課され、第2次試験では小論文Ⅰ・Ⅱに加えて段階評価の個人面接が実施されるなど、筆記・小論文・面接のいずれにおいても手を抜けない設計になっています。
- 募集人員は15名、第2年次4月編入で在学期間は5年間が標準
- 出願資格は大卒・大学院修了・学位授与機構ルートの3区分、医学部医学科卒業者・在学者は対象外
- 出願はWeb出願システムのみ、登録期間と書類受理期間のズレに注意が必要
- 第1次試験は総合問題(5分野・200点)と英語(100点)、第1次合格は募集人員の3倍(45人程度)
- 第2次試験は小論文Ⅰ・Ⅱと個人面接、面接は段階評価で基準未満は不合格
- 令和8年度の実質倍率は約9.2倍、名目倍率は約12.2倍と依然高水準
- アドミッションポリシーには「滋賀県の医療への貢献意欲」が明記されている
- 入学料・授業料は国立標準額の予定額で、経済的支援制度もある
令和10年度以降の募集内容や日程は本記事執筆時点では公表されていないため、実際に出願を検討する際は必ず滋賀医科大学の公式サイトで最新の募集要項を確認してください。理数分野の広さ、高い倍率、面接での基準といった複数のハードルを突破するには、計画的かつバランスの取れた対策が欠かせません。独学での対策に不安がある場合は、専門の指導を活用するのも一つの方法です。
専門講師による個別指導をご希望の方は、医学部学士編入対策コースの詳細をご覧ください。



