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公認心理師を目指せる大学の選び方を解説

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公認心理師を目指す大学選びでまず確認すべきは、志望する学部・学科が公認心理師法で定められた「指定科目」を開講しているかどうかです。心理学部・心理学科という名称がついていても、必要な科目をすべて開講しているとは限りません。学部選びを誤ると、入学してから計画の立て直しを迫られたり、指定科目を補うために余計な時間と学費がかかったりすることがあります。公認心理師とは、心理学の専門知識を用いて心の健康に関する支援を行う国家資格であり、資格を取得するには大学(学部)と大学院の両方で指定科目を修める必要があります。

大学院段階の科目選びについては、別記事の公認心理師の大学院(第1区分)の解説で詳しく取り上げています。この記事ではその前提となる「学部選び」に焦点を当て、指定科目の中身、志望校のカリキュラムを確認する具体的な方法、学部名だけで判断してはいけない理由、そして万が一志望校が対応していなかった場合の対処法までを順番に整理します。高校生の進路選択から在学中の見直しまで、段階に応じて使える内容にまとめています。

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想定している読者は、これから大学を選ぶ高校生や既卒生だけではありません。すでに大学に在籍していて公認心理師を目指せるか不安になっている人、心理学部への編入を検討している社会人の人、子どもの進路として公認心理師を検討している保護者の人にも役立つよう、公的機関が公開している一次情報と、実在する大学の公開情報をもとに解説します。数値や制度は年度によって変わることがあるため、最終的な判断の前には必ず志望校と関係省庁の最新情報を確認してください。

本記事で扱う「学部選び」は、公認心理師になるための長い道のりの最初の一歩にすぎません。学部で何を確認し、何を基準に比較すればよいかを具体的に知ることで、遠回りのリスクを減らせます。順を追って見ていきましょう。

なお、公認心理師と混同されやすい資格に臨床心理士がありますが、両者は制度としては別物です。公認心理師は国家資格として法律に基づいて創設された比較的新しい資格であり、臨床心理士は民間の資格認定協会が認定してきた資格です。学部選びの段階では両方の可能性を残しておける大学もあるため、資格の違いを最初に押さえておくと後の比較がしやすくなります。実際に、大学院段階で両資格の受験資格を同時に得られるカリキュラムを組んでいる指定大学院も存在するため、学部選びの時点で片方の資格に絞り込む必要は必ずしもありません。

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目次

公認心理師になるには何が必要か|大学(学部)が果たす役割

公認心理師の資格を取得するルートは複数ありますが、これから大学進学を考える人にとって現実的な入口はほぼ一つに絞られます。それが、4年制大学で指定科目を修めたうえで大学院に進学し、大学院でも指定科目を修めて修了する「Aルート」です。公認心理師法第7条第1号では、大学において主務大臣が指定する心理学等の科目を修め、かつ大学院において指定科目を修めて課程を修了した者に受験資格を認めています。主務大臣は文部科学大臣及び厚生労働大臣です。公認心理師法自体は2015年(平成27年)9月9日に成立し、同年9月16日に公布された比較的新しい法律で、目的は公認心理師の資格を定めて業務の適正を図り、国民の心の健康の保持増進に寄与することとされています。

公認心理師試験を受験する際には、指定科目をきちんと修めたことを示す証明書の提出が必須とされています。大学院修了後に慌てて学部時代の成績証明書を集めることのないよう、卒業時に必要書類を一式保管しておくと安心です。大学によっては卒業生向けに証明書発行の手続き方法を案内しているところもあるため、卒業前に確認しておくとよいでしょう。転居や改姓などで連絡先が変わった場合、証明書の再発行手続きに時間がかかることもあるため、余裕を持って準備しておくと安心です。

Aルートとbルートの分岐点は「学部」ではなく「大学院修了後」

公認心理師法第7条第2号には、大学で指定科目を修めたうえで、文部科学大臣・厚生労働大臣が認めるプログラムを実施している施設で一定期間の実務経験を積む「Bルート」も定められています。重要なのは、AルートもBルートも学部段階で修めるべき科目はまったく同じだという点です。つまり大学(学部)選びの時点では、大学院に進むか実務経験を積むかをまだ決めていなくても問題ありません。学部で指定科目をきちんと修められるかどうかが、両ルートに共通する最初の関門になります。資格取得までの全体像をルートごとにロードマップで確認したい方は、公認心理師になるにはを解説した記事もあわせてご覧ください。

学部は「資格取得の土台」であって「資格そのもの」ではない

誤解されがちですが、学部を卒業しただけでは公認心理師の受験資格は得られません。学部段階の指定科目修得はあくまで土台であり、そのうえで大学院修了かBルートの実務経験のいずれかを積む必要があります。だからこそ大学選びの段階で、「この学部を卒業した後、自分は大学院に進むのか、実務経験を積むのか」という将来像をある程度イメージしながら、指定科目を確実に修められる環境を選ぶことが大切です。焦って学部を決めるのではなく、卒業後の進路まで含めて逆算する視点を持つと、後悔の少ない選択につながります。

指定科目を確認しないまま入学するとどうなるか

指定科目の確認を怠ったまま入学し、後から不足に気づくと、いくつかの遠回りが発生することがあります。在学中に気づいた場合は履修計画の組み直しで対応できることが多いものの、卒業間際に発覚すると追加履修や編入まで検討せざるを得なくなります。いずれも時間的・金銭的な負担が増える選択です。だからこそ、入学前の段階でカリキュラムを確認する一手間が、結果的に一番の近道になります。

指定科目は全国どの大学でも共通のルール

指定科目の内容や科目数は、公認心理師法施行規則という国の規則で定められているため、大学ごとに独自の基準を設けているわけではなく、全国どの大学でも同じ25科目が土台になります。違うのは、その25科目をどの授業科目に割り当てて開講するか、実習先をどこと提携するか、履修のしやすさをどう設計するかといった運用の部分です。つまり「大学によって求められる科目そのものが変わる」のではなく、「同じ科目をどれだけ分かりやすく、無理のない形で提供しているか」に大学ごとの差が表れます。この違いこそが、志望校選びで確認すべきポイントになります。

AルートとBルートの違いを整理すると、次のようになります。学部段階で修める科目は共通しているため、この時点でどちらか一方に絞り込む必要はありません。

比較軸AルートBルート
学部で修める科目25科目(共通)25科目(共通)
学部卒業後大学院で10科目を修めて修了指定施設で一定期間の実務経験
根拠条文法第7条第1号法第7条第2号

在学中に区分を変更することもできる

入学時点でAルート・Bルートのどちらを選ぶか決めていなくても心配はいりません。学部段階の指定科目はAルート・Bルートで共通しているため、卒業が近づいてから進路を決めても間に合うケースが多くあります。実際には、学部での実習を経験する中で「もっと専門的に学びたい」と感じて大学院進学を選ぶ人もいれば、「早く現場で経験を積みたい」とBルートを選ぶ人もいます。学部在学中は、どちらのルートに進んでも困らないよう、指定科目の修得を最優先に考えておくのが現実的な戦略です。

大学(学部)で修めるべき25科目とは|心理学概論から心理実習まで

公認心理師法施行規則および文部科学省・厚生労働省がまとめた資料によると、大学(学部)において修めるべき科目は25科目と定められています。このうち心理実習は80時間以上実施することとされています。科目は大きく「心理学基礎科目」「心理学の基本的理論に関する科目」「心理的アセスメント・支援に関する科目」「主な職域における心理学に関する科目」「人体の構造・機能や関係行政に関する科目」「心理演習・心理実習」に分類されます。

科目区分の全体像

区分含まれる主な科目(抜粋)
心理学基礎科目公認心理師の職責、心理学概論、臨床心理学概論、心理学研究法、心理学統計法、心理学実験
心理学の基本的理論知覚・認知心理学、学習・言語心理学、感情・人格心理学、神経・生理心理学、社会・集団・家族心理学、発達心理学、障害者(児)心理学
アセスメント・支援心理的アセスメント、心理学的支援法
主な職域における科目健康・医療心理学、福祉心理学、教育・学校心理学、司法・犯罪心理学、産業・組織心理学
関連科目・実践人体の構造と機能及び疾病、精神疾患とその治療、関係行政論、心理演習、心理実習(80時間以上)

実習は保健医療・福祉・教育・司法犯罪・産業労働という主な5分野の施設で行われます。学部段階では見学等を通じた実習が中心ですが、当分の間は医療機関での実習を必須とする扱いです。実習を担当する教員にも要件があり、公認心理師資格取得後5年以上の業務従事に加えて所定の講習会を受講していることが原則です。当分の間は、大学等で3年以上心理分野の教育に従事した教授・准教授・講師・助教であれば担当可能という経過的な扱いもあります。教員の配置人数も実習生15人につき1人以上と定められており、大学側の指導体制もチェックすべき要素になります。教員1人あたりが担当する実習生の人数が多いほど、個別の相談やフィードバックを受けられる機会が限られる可能性もあるため、規模の大きい学部を検討する際は特に意識しておきたいポイントです。

単位数の目安

科目数だけでなく単位数も確認しておくと安心です。通信制で公認心理師対応カリキュラムを提供している放送大学の例では、学部で修めるべき25科目は合計52単位とされています。対面式の大学でも単位数は大学ごとに多少異なりますが、25科目という科目数の骨格は法律・省令で共通して定められているため、志望校のシラバスと照らし合わせて過不足がないかを確認する材料になります。単位数の合計だけでなく、1科目あたり何単位に設定されているかも大学によって差があるため、細部まで見比べておくと安心です。単位の読み替えや必修・選択の扱いも大学によって差があるため、カリキュラム表の脚注まで目を通しておくと見落としを防げます。特に、必修科目と選択科目の割合は大学によって大きく異なることがあり、選択科目の比率が高い大学では、自分で意識して指定科目を選び取っていく主体性が求められます。

科目の中身を具体的にイメージする

25科目と言われてもイメージがわきにくいかもしれませんが、内容は大きく分けて「基礎理論」「心のしくみ」「支援の実践」の3層でできています。心理学統計法や心理学実験のようにデータを扱う科目もあれば、発達心理学のように人の一生を扱う科目もあります。さらに司法・犯罪心理学や産業・組織心理学のように、活躍する職域ごとに枝分かれした科目も用意されています。文系のイメージが強い心理学ですが、統計や実験のような理系的な科目も一定数含まれるため、入学前に高校までの数学・理科への苦手意識がないかも振り返っておくとよいでしょう。

実習先の分野をもう少し詳しく見る

実習先となる主要5分野(保健医療・福祉・教育・司法犯罪・産業労働)は、それぞれ働くイメージが大きく異なります。保健医療分野は病院やクリニックでの支援、教育分野はスクールカウンセラーのような学校現場での支援が中心です。福祉分野は児童相談所や高齢者施設、司法・犯罪分野は少年鑑別所や刑事施設、産業・労働分野は企業の相談室などが典型例として挙げられます。同じ「心理学部」を卒業した学生でも、学部時代にどの分野の実習を多く経験したかによって、卒業後に関心を持つ職域は変わってくることが少なくありません。学部の実習でどの分野を体験できるかは、大学によって提携先の偏りがあるため、パンフレットやシラバスで実習先の一覧を確認しておくと、入学後のミスマッチを防ぎやすくなります。オープンキャンパスや資料請求の際に、直近数年間の実習先リストを見せてもらえないか尋ねてみるのも一つの方法です。

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志望大学のカリキュラムが指定科目に対応しているか確認する方法

指定科目の中身が分かったところで、次に必要なのは「志望する大学・学部が本当にこの25科目を開講しているか」を自分で確認する作業です。大学案内やオープンキャンパスの説明を鵜呑みにせず、公式サイトのカリキュラム表やシラバス、履修モデルまで確認することが欠かせません。

確認すべき3つの資料

  • 学部・学科の公式サイトにある「公認心理師」ページ(対応方針、対象学年、履修上の注意点が書かれていることが多い)
  • シラバス検索システムで25科目に対応する開講科目名と開講年次を照合する
  • 履修モデル(カリキュラムマップ)で、1年次から4年次までどの順番で科目を積み上げるかを確認する

多くの大学は、心理学部・心理学科の公式サイトに「本学は公認心理師の受験資格に必要な科目を開講しています」といった記載を置いています。ただし記載があっても油断はできません。科目名が法令上の名称と異なっていることがあるためです。開講が特定の学年・特定のコースに限定されているケースもあります。可能であれば、資料請求やオープンキャンパスの個別相談で「25科目すべてが開講されているか」「実習の受け入れ人数に制限はあるか」を直接質問すると確実です。メールでの問い合わせに丁寧に答えてくれるかどうかも、入学後のサポート体制を推測する材料になります。

実在する大学の例から学ぶ確認ポイント

実例をいくつか見てみましょう。京都大学の教育学部・総合人間学部・文学部では、平成30年度以降の入学者を対象に、在学中に公認心理師受験の要件科目を修得できる体制を整えています。ただし総合人間学部の学生は、該当科目を「全学共通科目」ではなく「他学部科目」として履修する必要があります。学部ごとに履修方法の指定が細かく決められています。指定されたガイダンスへの参加が必須とされており、参加しないと対象科目の受講が認められない場合もあるとされています。東京大学でも、前期課程(教養学部)と後期課程(文学部・教育学部等)の両方で指定科目を開講していますが、前期課程でしか開講されない科目があるため、入学した時点から計画的に履修を進める必要があると案内されています。こうした実例からも分かる通り、「対応している」という一言では済まない、大学ごとの履修上のルールを事前に把握しておくことが重要です。国公立大学でこうした注意点が案内されているということは、私立大学を含めた他の多くの大学でも、同様に学部・学科ごとの細かいルールが存在すると考えておくのが自然です。志望校が公表している情報が少ない場合ほど、直接問い合わせて確認する重要性が高まります。

問い合わせ時に使えるチェックリスト

資料請求やオープンキャンパスの個別相談、大学の学務窓口への問い合わせでは、以下のような具体的な質問をぶつけると回答の解像度が上がります。漠然と「公認心理師を目指せますか」と聞くよりも、科目・実習・進路の3点に分けて質問するほうが実務的な回答を引き出しやすくなります。

  • 25科目のうち、開講していない科目や他大学での補完が必要な科目はあるか
  • 心理演習・心理実習には定員や選考があるか、実習先はどの分野が中心か
  • 学部卒業後、内部進学できる公認心理師対応の大学院はあるか
  • 編入生・科目等履修生の受け入れ実績や条件はあるか
  • 履修計画の相談に乗ってくれる窓口や担当教員はいるか

シラバス検索で見るべき項目

大学の公式サイトにあるシラバス検索システムは、多くの場合誰でも閲覧できます。科目名だけでなく、講義概要・到達目標まで目を通すと、指定科目に対応する内容かどうかを判断しやすくなります。特に「心理学研究法」「心理学統計法」「心理学実験」のように名称が似た科目が複数ある大学では、どの科目が指定科目に相当するのかをシラバスの記載で確認しておくと安心です。開講年次や必修・選択の別もあわせてメモしておきましょう。

「心理学部・心理学科なら安心」とは限らない|学部選びのよくある誤解

公認心理師の大学選びで最も多い誤解が、「心理学部・心理学科であれば自動的に公認心理師を目指せる」という思い込みです。学部名に「心理」と付いていても、開設時期やカリキュラム方針によっては指定科目の一部を開講していないことがあります。実習の受け入れ枠が極端に少ないケースもあるため、注意が必要です。

誤解1: 学部名だけで判断してしまう

心理学系の学部・学科には、臨床心理学寄りのカリキュラムを組んでいる大学もあれば、社会心理学や産業心理学、認知心理学に重点を置いている大学もあります。研究の方向性が公認心理師の指定科目と重ならない場合、必要な科目を選択科目として別途履修しなければならないことがあります。その分、時間割の負担が大きくなる点には注意が必要です。学部名やパンフレットのキャッチコピーだけで判断せず、カリキュラム表の科目名を1つずつ確認する姿勢が欠かせません。同じ「心理学部」でも、大学によって重視する研究領域は大きく異なるという前提を持っておくと、比較の視点がぶれにくくなります。

誤解2: 心理学部以外は目指せないと思い込む

逆に、心理学部でなければ公認心理師を目指せないというのも誤解です。教育学部や人間科学部、総合人間学部、社会学部の中にも、心理学専攻・コースで指定科目を開講している大学は少なくありません。京都大学や東京大学の例のように、教育学部や総合人間学部が公認心理師の要件科目に対応しているケースもあります。学部・学科の名称ではなく、その中に設置されている専攻・コースの科目構成で判断することが大切です。志望理由書や面接でも「なぜこの学部を選んだのか」を説明できるよう、履修の仕組みを自分の言葉で理解しておくと安心です。心理学部以外を検討する場合は、卒業までに指定科目をすべて履修できる時間割上の余裕があるかどうかも、あわせて確認しておきましょう。教育学部や社会学部を選ぶ場合は、心理学専攻・コースへの配属が学内選考制になっていないかもあわせて確認しておくと、入学後の進路変更を防げます。

誤解3: 実習の枠は無制限だと思ってしまう

心理演習・心理実習は、大学側の受け入れ体制によって定員が設けられていることがあります。放送大学の例では、心理演習・心理実習には選考試験があり、定員は30名とされています。人気の高い専攻では、指定科目自体は開講されていても、実習に進める人数に限りがあるため、入学後の成績や選考によっては実習に進めない可能性がある点も理解しておく必要があります。実習の選考基準や倍率がどの程度かは非公表の大学も多いため、入試説明会などで在学生の声を聞けると参考になります。実習に進めなかった場合の代替措置(翌年度の再選考や他の実習先の紹介など)が用意されているかどうかも、あわせて確認しておくと安心材料になります。

誤解4: オープンキャンパスの説明だけで決めてしまう

オープンキャンパスや大学案内は、あくまで大学側が伝えたい情報を凝縮したものです。「公認心理師を目指せます」という説明の裏側にある、開講状況や実習の実態までは短時間の説明会だけでは分かりません。可能であれば、在学生や卒業生に直接話を聞く、大学の公式サイトの在校生向けページ(履修要項やシラバス)まで確認するなど、複数の情報源を組み合わせて判断することをおすすめします。1回の説明会の印象だけで最終決定するのは避けたいところです。

誤解5: 偏差値の高い大学なら安心だと思ってしまう

偏差値や大学の知名度は、指定科目の開講状況とは直接関係がありません。難関大学であっても、公認心理師の指定科目が一部にとどまっていたり、実習の受け入れ枠が限られていたりすることがあります。逆に、知名度がそれほど高くない大学でも、指定科目をすべて開講し、実習先との連携が手厚い大学は存在します。偏差値はあくまで入試の難易度を示す指標であり、公認心理師を目指せるかどうかの指標ではないことを、あらためて意識しておきましょう。

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学部選びで比較すべきポイント|指定科目の開講状況以外の視点

指定科目への対応が前提条件だとすれば、その先の大学選びでは何を基準に比較すればよいのでしょうか。ここでは指定科目の有無以外に確認しておきたい観点を整理します。

実習先の分野の幅

実習は保健医療・福祉・教育・司法犯罪・産業労働という主な5分野の施設で行われますが、大学によって提携している実習先の分野には偏りがあります。まだ将来携わりたい分野が定まっていない場合でも、心配する必要はありません。将来どの分野で働きたいかがある程度見えている場合は、その分野の実習先と提携が多い大学を選ぶとよいでしょう。医療機関での実習は当分の間必須とされているため、少なくとも医療分野の実習先を確保している大学かどうかは確認しておきましょう。複数分野の実習を幅広く経験できる大学を選べば、在学中に自分の適性を見極めながら将来の方向性を決めていくこともできます。

大学院への接続のしやすさ

Aルートを想定するなら、学部から大学院への接続も重要な比較軸です。同じ大学に公認心理師対応の大学院(臨床心理学専攻など)が設置されていれば、学部での学びをそのまま大学院入試の対策に活かしやすくなります。学部にしか公認心理師対応のコースがなく、大学院は別の分野に力を入れている大学の場合は注意が必要です。その場合、大学院進学時に外部の大学院を受験する前提でカリキュラムを組む必要があります。学部選びの段階で、内部進学の実績や外部受験のサポート体制も確認しておくと後々の負担を減らせます。

通学制か通信制かの比較

働きながら、あるいは家庭の事情で通学が難しい人にとっては、通信制大学の選択肢も検討に値します。放送大学のように2019年度から学部段階で公認心理師対応カリキュラムを開設している通信制大学もあり、時間や場所を問わず学べる利点があります。ただし通信制であっても心理演習・心理実習には対面での参加や選考試験が求められることが一般的なので、通学が発生するタイミングと頻度は事前に確認しておく必要があります。「通信制だから通学は一切不要」と思い込んで出願すると、実習のスクーリングで想定外の予定調整が必要になることもあるため注意しましょう。両者の一般的な傾向を簡単に整理すると、以下のようになります。

比較軸通学制の傾向通信制の傾向
学び方対面授業が中心、同級生と学びやすいオンライン中心、自分のペースで進めやすい
実習大学が実習先を確保しやすい実習・演習は対面参加や選考が必要な場合が多い
向いている人現役の高校生・専念して学べる人働きながら学びたい社会人・主婦(夫)

学費とサポート体制

学費は大学・学部によって幅があり、国公立か私立か、通学制か通信制かでも大きく変わります。大学院まで進むことを見据えると、学部・大学院を合わせた6年間でどの程度の費用がかかるかを試算しておくことも大切です。加えて、指定科目の履修相談やガイダンス、実習先の斡旋といったサポート体制がどの程度整っているかも比較材料になります。入学後に「この科目をどう履修すればよいか分からない」と迷わないよう、学務窓口や担当教員のサポート体制を事前に確認しておくと安心です。初年次教育の一環として履修相談会を設けている大学もあるため、入学前の説明会でその有無を確認しておくのもよいでしょう。

オープンキャンパスで確認したい実物資料

オープンキャンパスに参加する際は、パンフレットを眺めるだけでなく、実物の資料を入手することを意識しましょう。履修要項・シラバス冊子・時間割表など、在学生が実際に使っている資料を見せてもらえないか相談してみる価値があります。心理学系の学部・学科のブースでは、公認心理師対応カリキュラムの担当教員や在学生スタッフが個別相談に応じてくれることも多いため、事前に質問リストを準備しておくと限られた時間を有効に使えます。

在学生・卒業生の声を聞く

大学の公式情報だけでは分からない実態を知るうえで、在学生や卒業生の声は貴重な情報源になります。SNSや大学のオープンキャンパスで在学生スタッフに話を聞ける機会があれば、実習の忙しさや履修の負担感など、リアルな感想を聞いてみるとよいでしょう。ただし個人の感想には偏りもあるため、あくまで公式情報を補完する参考情報として扱い、最終判断は公式のカリキュラム資料に基づいて行うことをおすすめします。

併願校を比較するときの視点

公認心理師対応の学部を第一志望にしていても、併願校をどう選ぶかで迷う人は多いはずです。併願校を選ぶときも、指定科目への対応状況を最優先の基準にすることをおすすめします。そのうえで、実習先の分野、大学院への接続、学費、通学のしやすさといった観点を、第一志望校と同じ基準で比較すると、合格した後に「思っていたカリキュラムと違った」という事態を避けやすくなります。併願校ごとにカリキュラム表を印刷して並べて比較するなど、目に見える形で整理しておくと出願直前に慌てずに済みます。

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志望校が指定科目に未対応・不明な場合の対処法

調べてみた結果、志望する大学・学部が指定科目に完全には対応していない、あるいは対応状況がはっきり分からないという場合もあるでしょう。その場合でも公認心理師を諦める必要はなく、いくつかの現実的な対処法があります。焦って志望校を大きく変える前に、まずは落ち着いて選択肢を整理することが大切です。

公式情報源で最終確認をする

まず頼るべきは、大学の担当窓口と公的機関の一次情報です。公認心理師試験の実施・登録機関である一般財団法人公認心理師試験研修センターは、2024年6月11日に一般財団法人日本心理研修センターから名称変更されました。厚生労働省・文部科学省の公表資料にも、受験資格の要件や必要科目の詳細がまとめられています。民間サイトの一覧や口コミだけで判断せず、必ず一次情報と大学の学務窓口の両方に確認する習慣をつけましょう。掲載情報の更新日も忘れずにチェックしてください。厚生労働省や文部科学省のウェブサイトでは、公認心理師のカリキュラムに関する検討会報告書や施行規則の解釈通知が公開されており、制度の背景まで理解したい場合の参考になります。

科目等履修生制度を活用する

すでに他大学に在籍している、あるいは卒業してしまった後で指定科目が不足していると分かった場合は、指定科目を開講している別の大学の科目等履修生制度を利用して不足分を補うという方法があります。科目等履修生として必要な科目のみを履修し、単位を修得することで、学部レベルの指定科目要件を満たせる可能性があります。ただし受け入れの可否や条件は大学ごとに異なるため、志望する科目等履修先に個別に問い合わせる必要があります。すでに大学を卒業している場合でも、科目等履修生としての在籍は可能なケースが多く、社会人になってから公認心理師を目指し直す人にとって現実的な選択肢の一つです。実習系の科目は科目等履修生の受け入れ自体を行っていない大学もあるため、早めの相談が欠かせません。学費や履修期間も大学ごとに異なるので、複数校を比較検討することをおすすめします。仕事や家庭と両立しながら科目等履修生として学ぶ社会人も多く、平日夜間や土日に開講される科目を用意している大学もあるため、自分の生活スタイルに合う開講形態かどうかも確認しておきましょう。

編入という選択肢を検討する

在学中の大学が指定科目に対応しておらず、かつ早い段階で気づいた場合は、指定科目に対応した心理学系の学部・学科への編入を選択肢に入れることもできます。編入では、これまで修得した単位が編入先でどこまで認定されるかによって、公認心理師を目指せる学年が変わってきます。実際に、編入年次が出願時点では確定せず、単位認定の結果によって決まるという仕組みを採用している大学もあるため、編入を検討する場合は出願前の早い段階で単位認定について相談しておくことが欠かせません。編入試験の対策や併願戦略について詳しく知りたい場合は、心理学部の編入を徹底解説した記事もあわせて参考にしてください。専門的な対策を検討する場合は大学編入対策コースも選択肢になります。

大学に相談する際に準備しておきたいこと

指定科目の対応状況について大学に問い合わせる際は、あらかじめ自分の状況を整理しておくとやり取りがスムーズになります。現在の学年、これまでに修得した科目と単位数、公認心理師のどの区分の指定科目が不足しているのかをまとめたメモを用意しておきましょう。窓口の担当者も、漠然とした相談より具体的な履修状況をもとにした相談のほうが的確に答えやすくなります。可能であれば、成績証明書やシラバスのコピーを手元に用意したうえで問い合わせると、より正確な回答を得やすくなります。メールで問い合わせる場合は、返信までに数日かかることも見込んで、余裕を持ったスケジュールで連絡することをおすすめします。

問い合わせのタイミングを逃さない

指定科目の不足に気づいたら、できるだけ早いタイミングで相談することが解決の近道になります。履修登録の変更には期限が設けられていることが多く、学期の途中や年度末に相談しても間に合わない場合があります。学年が上がるタイミングやシラバスが更新されるタイミングに合わせて、年に一度は自分の履修状況を棚卸ししておく習慣をつけておくと、手遅れになるリスクを減らせます。指定科目の一覧表を自分でチェックリスト化し、修得済み・未修得を色分けしておくだけでも、履修計画の見通しが格段に立てやすくなります。

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学部から大学院へ|Aルートで公認心理師を目指す接続戦略

学部で指定科目を無事に修め終えたら、次はAルートの後半である大学院進学が現実的な課題になります。大学院で修めるべき科目は10科目とされており、うち実習は450時間以上(学外施設での実習90時間以上を含む)です。医療機関での実習が必須という点も学部段階と共通しています。学部の実習が80時間だったのに対し、大学院では実習の質・量ともに大きく引き上げられる点を押さえておきましょう。

内部進学と外部受験、どちらを想定するか

学部に併設された公認心理師対応の大学院がある場合は、内部進学という選択肢が生まれます。学部での学びの延長線上で大学院入試対策を進められるため、負担を抑えやすい一方、内部進学の枠には人数制限があることも珍しくありません。内部進学の選考方法は大学ごとに異なり、学部の成績を重視するところもあれば、通常の入試とほぼ同じ試験を課すところもあります。志望する大学院がどちらの方式を採っているかは、学部入学時から気にかけておくとよいでしょう。学部と大学院で系列が異なる大学を選ぶ場合や、より専門性の高い大学院を目指す場合は、外部の大学院を受験する前提で、学部3年次頃から情報収集と対策を始めるのが現実的です。内部進学と外部受験を併願する形で進める学生も少なくありません。

面接でよく聞かれる学部選びの理由

大学院入試の面接では、「なぜこの学部・学科で公認心理師を目指したのか」を聞かれることが少なくありません。学部選びの理由を、実習経験や指定科目の学びと結びつけて説明できると、志望動機に一貫性が生まれます。逆に言えば、学部選びの段階から「なぜこの大学のこの学部なのか」を自分の言葉で説明できるようにしておくことは、将来の大学院入試対策にもつながる準備になります。学部での実習経験や、興味を持って取り組んだ科目のエピソードは、そのまま面接での具体的な説明材料になります。

大学院選びは学部選びの延長線上にある

大学院でどのような研究テーマ・臨床分野を学びたいかは、学部での実習経験や興味関心とつながっていることが多いものです。学部選びの段階から、将来どんな分野で公認心理師として働きたいかをイメージしておくと、大学院選びの軸が定まりやすくなります。大学院段階での科目選びや研究計画書のテーマ設定、面接対策などの実務的なポイントは、公認心理師の大学院(第1区分)を解説した記事で詳しく取り上げていますので、学部での学びが一区切りついたタイミングで参照してください。学部3年次のうちに一度目を通しておき、4年次にあらためて読み返すと、準備すべきことの解像度が上がります。

公認心理師大学院対策の専門サポートという選択肢

大学院入試は、学部の定期試験とは異なり、専門科目の記述式試験や研究計画書、面接など独自の対策が必要になります。独学でも対策は可能ですが、志望する大学院の出題傾向や研究計画書の書き方に不安がある場合もあるでしょう。そのような場合は、公認心理師大学院対策コースのように専門分野に特化した指導を活用するのも一つの方法です。学部在学中から情報を集めておくことで、直前になって慌てずに済みます。

大学院進学のスケジュール感をつかんでおく

大学院入試は大学によって時期が異なりますが、多くの場合、学部4年次の夏から秋にかけて実施されます。出願から逆算すると、専門科目の学習や研究計画書の作成は学部3年次の後半から動き出すのが一般的な目安です。学部での指定科目の履修と並行してこの準備期間を確保する必要があるため、学部選びの段階で「3年次・4年次の授業負担がどの程度か」もあわせて確認しておくと、入試直前になって時間が足りないという事態を防ぎやすくなります。オープンキャンパスや履修モデルを見る際は、上級学年のコマ数にも目を通しておきましょう。

大学院に進まない選択肢|学部卒業後の実務経験ルート(Bルート)

大学院進学が難しい事情がある場合や、早く現場で働きながら資格取得を目指したい場合は、Bルートという選択肢もあります。Bルートは、大学で指定科目を修めたうえで、文部科学大臣・厚生労働大臣が認めるプログラムを実施する施設で実務経験を積むルートです。一定期間の実務経験を積むことで受験資格を得られます。

Bルートで求められる実務経験の内容

実務経験を積む施設のプログラムには、公認心理師の業務に関する具体的な内容が明記されている必要があります。自施設での業務内容、面接等の実施時間・回数、担当ケース数、他分野の見学・研修内容などが対象です。プログラムの内容は施設ごとに公開している場合とそうでない場合があるため、就職活動の段階で人事担当者や採用ページに直接確認するのが確実です。標準的にはプログラムを終えるまでに3年程度を想定した設計になっており、学部卒業後すぐに資格が取れるわけではない点には注意が必要です。就職活動の段階から、応募先の施設がこうしたプログラムを実施しているかどうかを確認しておく必要があります。

実務経験ルートを選んだ場合のその後のキャリア

Bルートで受験資格を得て公認心理師として登録した後も、キャリアの選択肢が狭まるわけではありません。実務経験を積みながら現場感覚を養えることは、将来的に大学院で学び直す場合にも活かせる強みになります。実際に、Bルートで公認心理師として働き始めた後、さらに専門性を高めるために大学院に進学し直す人もいます。学部卒業後の道筋は一つに固定されるものではなく、その時々の状況に応じて柔軟に見直せるという前提で計画を立てておくとよいでしょう。現場での実務経験は、大学院で研究計画を立てる際のテーマ選びにも直結するため、遠回りに見えて実は有効な選択肢になり得ます。

Aルートとの比較で考えるべきこと

Bルートは大学院に進学しない分、学費や時間の負担を抑えられる可能性がある一方で、受け入れ施設を自分で見つける必要があり、施設によっては求人自体が少ないという課題があります。大学院に進んで臨床心理士など他の資格もあわせて取得したいのか、早く現場に出て実務経験を積みたいのかによって、選ぶべきルートは変わってきます。学部の在学中に、指導教員やキャリアセンターに相談しながら、自分に合ったルートを見極めていくとよいでしょう。公認心理師と臨床心理士の違いについては、両資格を徹底比較した記事で詳しく解説しています。

実務経験先を探すときの視点

Bルートを想定する場合、学部の在学中から実務経験を積める施設についての情報を集めておくと、卒業後の動きがスムーズになります。文部科学大臣・厚生労働大臣が認めるプログラムを実施している施設は限られているため、大学のキャリアセンターや実習先の機関に相談してみるのも一つの方法です。実習を通じて分野ごとの現場の雰囲気を知っておくことは、Bルートを選ぶかどうかの判断材料にもなります。

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よくある質問(FAQ)

公認心理師になるにはどの学部を選べばいいですか?

特定の学部名が決まっているわけではありません。心理学部・心理学科はもちろん、教育学部や人間科学部、総合人間学部などの中に設置された心理学専攻・コースでも、公認心理師法で定める25科目(指定科目)を開講していれば対象になります。学部名よりも、カリキュラムの中身が指定科目に対応しているかどうかで判断してください。迷ったときは、複数の候補校のカリキュラム表を横に並べて比較する方法が有効です。

心理学部・心理学科でなくても公認心理師を目指せますか?

目指せます。実際に、京都大学の教育学部や総合人間学部のように、心理学部という名称ではない学部が公認心理師の要件科目に対応している例があります。反対に、心理学部・心理学科という名称であっても、指定科目の一部を開講していなかったり実習の受け入れに制限があったりする場合があるため、名称だけで安心せず必ずカリキュラムを確認してください。

通信制大学でも公認心理師の指定科目は取れますか?

取れる大学があります。たとえば放送大学は2019年度から学部段階で公認心理師対応カリキュラムを開設しており、25科目52単位を修めることで学部段階の要件を満たせます。ただし通信制であっても心理演習・心理実習には対面での参加や選考試験が課されることが一般的なので、通学の発生タイミングは事前に確認しておきましょう。働きながら学ぶ場合は、勤務先の理解や休暇の取りやすさもあわせて確認しておくと安心です。

大学案内に「公認心理師対応」と書いてあれば安心ですか?

記載があるだけで安心するのは早計です。科目名が法令上の名称と異なっていたり、対象学年やコースが限定されていたりするケースがあります。公式サイトのカリキュラム表やシラバスまで確認し、必要であればオープンキャンパスや資料請求の際に「25科目すべてが開講されているか」「実習の定員に制限はあるか」を直接質問することをおすすめします。

入学後に大学を変える(編入する)ことはできますか?

可能です。在学中の大学が指定科目に対応していないと分かった場合、指定科目に対応した心理学系の学部・学科への編入を検討する人もいます。編入後にどの学年から始められるかは、既修得単位の認定結果によって変わるため、出願前の早い段階で編入先の大学に単位認定について相談しておくことが大切です。編入試験には小論文や面接、専門科目の筆記試験が課される大学が多く、早めの情報収集と対策が合否を左右します。加えて、編入後に指定科目をすべて修め終えられる在学期間が確保できるかどうかも、出願前に必ず確認しておきたいポイントです。

学部を卒業しただけで公認心理師の資格は取れますか?

取れません。学部段階での指定科目修得はあくまで受験資格を得るための土台であり、そのうえで大学院修了(Aルート)か、指定施設での一定期間の実務経験(Bルート)のいずれかを経て初めて受験資格が得られます。学部卒業と同時に資格が完成するわけではない点を理解しておきましょう。大学入学の時点から、卒業後にどちらのルートを進むかを意識しておくと計画が立てやすくなります。もっとも、学部段階の指定科目はAルート・Bルートで共通しているため、入学直後から一つに絞り込む必要はなく、実習経験を積みながら徐々に方向性を決めていく学生が多いのが実情です。

指定科目を取り損ねた場合はどうすればいいですか?

在学中であれば、次年度以降の履修計画を学務窓口や指導教員に相談し、卒業までに修得できないか確認しましょう。卒業後に不足が判明した場合は、指定科目を開講している別の大学の科目等履修生制度を利用して不足分を補うという方法があります。受け入れ条件は大学ごとに異なるため、早めに問い合わせることをおすすめします。不足している科目が1〜2科目程度であれば、1年以内に補えるケースも多いため、諦めずに情報収集することが大切です。

公認心理師と臨床心理士はどちらを目指すべきですか?

両方の取得を目指す人も少なくありません。公認心理師は国家資格、臨床心理士は民間資格ですが、指定大学院によっては両方の受験資格を同時に得られるカリキュラムを組んでいる場合もあります。それぞれの資格の違いや大学院選びのポイントは、公認心理師と臨床心理士の違いを徹底比較した記事で詳しく解説しています。どちらの資格を軸にするか迷っている段階でも、学部で修める指定科目の多くは共通しているため、進路を決めきれていないことを理由に学部選びを先延ばしにする必要はありません。

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まとめ|公認心理師を目指す大学選びは指定科目の確認から

公認心理師を目指す大学選びは、偏差値や知名度だけで決められるものではありません。学部・学科が公認心理師法の25科目(指定科目)を開講しているかどうかを確認することが、最初の、そして最も重要なステップです。公式サイトのカリキュラム表やシラバスまで踏み込んで確認する姿勢を持ちましょう。

  • 公認心理師の受験資格には、大学(学部)と大学院で指定科目を修めるAルート、大学で指定科目を修めたうえで実務経験を積むBルートがある
  • 大学(学部)で修めるべき科目は25科目、うち心理実習は80時間以上、当分の間は医療機関での実習が必須
  • 「心理学部・心理学科」という名称だけで判断せず、カリキュラム表・シラバス・履修モデルまで確認する
  • 実習の定員や履修方法の指定など、大学ごとに細かいルールがあるため公式情報と学務窓口の両方で確認する
  • 志望校が指定科目に未対応・不明な場合でも、科目等履修生制度や編入といった対処法がある
  • 学部卒業だけでは資格は完成せず、大学院修了か指定施設での実務経験が別途必要になる
  • 学部選びの段階から、将来どの分野で公認心理師として働きたいかをイメージしておくと大学院選びの軸が定まりやすい
  • 偏差値や知名度、学部名の印象だけで判断せず、履修要項・シラバス・実習先一覧という一次情報にあたる習慣をつける

大学選びの時点では情報が断片的で、何を基準に比較すればよいか迷う人も多いはずです。公的機関の一次情報にあたりながら、志望校のカリキュラムを一つずつ確認していけば、指定科目の見落としというリスクは大きく減らせます。学部名の印象や偏差値だけで決めず、カリキュラム表・シラバス・履修モデルという3つの資料に必ず目を通す習慣をつけておきましょう。

学部での指定科目修得を終えたら、次は大学院入試の対策が本格的な課題になります。専門科目の学習、研究計画書の作成、面接対策など、学部の定期試験とは異なる準備が必要になります。研究計画書の書き方や面接対策など、大学院入試特有の対策に不安がある場合は、公認心理師大学院対策コースのような専門の指導を活用するのも一つの方法です。独学での対策に不安がある場合は、早めに専門家へ相談しながら計画を立てていくとよいでしょう。学部選びから大学院進学、その先の実務経験まで、公認心理師になるまでの道のりは長く続きますが、一つひとつの段階で必要な確認を積み重ねていけば、決して見通しの立たない道ではありません。

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この記事を書いた人

千葉大学 法政経学部を首席で卒業後、都内国公立大学の法科大学院(ロースクール)を修了し、司法試験に合格。法律・政治・経済分野の専門知識をもとに、スプリング・オンライン家庭教師の大学編入・大学院入試分野の指導および記事監修を担当。

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