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公認心理師は通信制大学でも目指せるか解説

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「公認心理師を目指したいけれど、仕事や家庭があって通学は難しい」「近くに心理学部のある大学がない」という理由で、通信大学(通信制大学)でも公認心理師になれるのかを調べている方は少なくありません。結論からいうと、通信制大学であること自体は不利にはなりません。

公認心理師の受験資格で問われるのは大学が通学制か通信制かではなく、「法律で定める指定科目」を漏れなく履修できるカリキュラムかどうかです。この条件さえ満たせば、通信制大学の卒業でも受験資格の土台を築けます。ただし現時点で指定科目にフルで対応している通信制大学は数校に限られ、演習・実習科目は対面のスクーリングが原則という制約もあります。

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この記事では、公認心理師と通信制大学の関係を一次情報にもとづいて整理し、2026年時点で指定科目に対応していることが確認できる大学の実例、避けられないスクーリングの実態、学部卒業後の大学院段階で必要になる対面要素、そして入学前に確認すべきチェックリストまで、社会人・地方在住者が失敗しないための実践情報をまとめます。

特にインターネット上には「通信制大学ならスクーリングなしで公認心理師になれる」といった不正確な情報や、逆に「通信制では公認心理師は事実上不可能」といった極端な情報も混在しています。どちらも実態を正確に反映していないため、本記事では大学公式サイトの一次情報にもとづいて、対応大学の実名・スクーリングの具体的な日数・大学院段階での要件まで踏み込んで解説します。

すでに社会人として働いている方、家庭の事情で長期間の通学が難しい方、あるいは地方在住で近隣に心理学系の大学院がない方にとって、通信制大学からのルートは検討する価値のある選択肢です。ただし「通信制だから楽に取得できる」という思い込みで進路を決めると、後から実習期間の確保や大学院進学の見通しで行き詰まりやすいのも事実です。本記事を読むことで、出願前に確認すべき論点を漏れなく把握できるようにしています。

本記事は、公認心理師の一般的な取得ルートから、通信制大学であることの位置づけ、法律で定める指定科目の中身、実際に対応が確認できる大学の実例、避けられないスクーリングの実態、学部卒業後の大学院段階、出願前チェックリスト、社会人・地方在住者の学習戦略という順番で構成しています。すでに志望校がある程度絞れている方は、通信制大学の実例を紹介する章以降から読み進めても内容を把握できます。

大学名や制度は年度によって変わるため、本記事の情報は執筆時点の確認結果であることを前提に、出願前には必ず志望校の最新の学生募集要項・シラバスで再確認してください。

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目次

公認心理師とは何か、資格取得の基本ルートを整理する

公認心理師は、2017年に施行された公認心理師法にもとづく心理職として初の国家資格です。医療・福祉・教育・司法・産業などの現場で心理的支援を行う専門職として、活躍の場が広がっています。受験資格を得るルートにはいくつかの型がありますが、通信制大学を検討している方の多くが目指すのは、大学で指定科目を履修し、その後大学院で指定科目を履修するルートです。

このほかに、大学卒業後に一定の実務経験を積む道もありますが、実務経験ルートは受け入れ先の確保が難しく、対象施設も限定的なため、通信制大学からのルートとしては大学院進学を前提に考えるのが現実的です。なお混同されやすい資格に臨床心理士があります。臨床心理士は日本臨床心理士資格認定協会が認定する民間資格で、指定大学院の区分や更新制度など制度設計が公認心理師と異なります。両者の違いや同時取得の考え方は、姉妹記事の公認心理師と臨床心理士の違いを徹底比較した解説で詳しく整理しています。

また、臨床心理士を主軸に検討している方は臨床心理士になるための指定大学院・受験資格ガイドもあわせて確認すると、通信制で進む場合の選択肢の幅がより明確になります。

重要なのは、公認心理師法施行規則が定める科目を「どの教育機関で」「どのように」履修するかという設計です。通学制の大学院に進む人が大半を占める一方で、家庭の事情や勤務地の制約から通学が難しい人にとって、通信制のルートが現実的な選択肢になり得るかどうかは、多くの社会人受験生が最初につまずく疑問です。

公認心理師の活躍の場と資格の位置づけ

公認心理師は、医療機関での心理検査・カウンセリング補助、福祉施設での相談支援、学校でのスクールカウンセリング、企業の産業保健分野でのメンタルヘルス対応など、活動領域が非常に広い資格です。名称独占資格であり業務独占資格ではないため、資格がなくても類似の業務に携わること自体は可能ですが、医療機関の求人や公的な相談機関の採用要件で「公認心理師資格保有者」が明記されるケースは年々増えています。

社会人が公認心理師を目指す動機は、心理職への転職を見据えている場合もあれば、すでに福祉・教育・医療の現場で働いており専門性を高めたい場合もあります。いずれの場合も、通学が難しい立場にある人ほど、通信制大学からのルートが現実的な選択肢になり得るかどうかを正確に把握しておく必要があります。

また、心理系の仕事に就いていなくても、子育てが一段落したタイミングや、キャリアの方向転換を考えるタイミングで公認心理師を志す社会人も増えています。年齢や現在の職種にかかわらず、指定科目を履修すれば受験資格を目指せる制度設計になっているため、通信制大学は年齢層の幅広い学生が学ぶ場になっています。

指定科目の履修は「受験資格」であり資格そのものではない

指定科目を履修し、学部・大学院を修了しても、それだけで公認心理師になれるわけではありません。受験資格を得た後、公認心理師試験に合格して初めて登録・資格取得となります。試験は日本心理研修センターが実施しており、指定科目の履修状況とあわせて出願資格が審査されます。通信制大学からのルートを検討する際も、「指定科目の履修=ゴール」ではなく、その先に国家試験があることを念頭に置いて学習計画を立てる必要があります。

大学院ルートと実務経験ルートの違い

公認心理師法施行規則が定める受験資格のルートは複数存在しますが、大きく分けると「大学+大学院」を経るルートと、「大学+一定の実務経験(プログラムにもとづく実務)」を経るルートに分類されます。実務経験ルートは受け入れ先の確保自体が難しく、指定されたプログラムを実施している施設も限定的であるため、通信制大学から目指す場合は大学院進学を前提とした計画のほうが現実的です。本記事でも、以降は大学+大学院のルートを前提に解説します。

すでに心理学とは異なる分野の学士号を持っている社会人の場合、通信制大学に学士入学(1年次入学)するか、既卒の単位を活用して編入学するかで、必要な在学期間が変わってきます。編入学は在学期間を短縮できる可能性がある一方で、指定科目としての単位認定が個別判断になるため、どちらが自分にとって現実的かは、志望校ごとに問い合わせて確認する必要があります。この編入学の単位認定については、後述するチェックリストの章で詳しく取り上げます。

結論:通信制大学でも公認心理師は目指せるが「大学の種類」より「指定科目対応」が本質

先に結論を述べると、通信制大学に在籍していること自体は公認心理師の受験資格取得を妨げません。公認心理師法および同法施行規則が定めているのは、履修すべき科目の内容と単位数であり、通学か通信かという設置形態は要件になっていません。通信制大学でも、指定科目に対応するカリキュラムを開講していれば受験資格の学部要件を満たせます

ただし現実には、この「指定科目に対応するカリキュラムを開講している通信制大学」自体が全国的に見て多くありません。文系学部が充実した通信制大学であっても、公認心理師の指定科目すべてに対応した授業を用意していない大学のほうが一般的です。したがって「通信制大学 公認心理師」で検索した際に見つかる情報の中には、対応校と非対応校が混在していることに注意が必要です。

もう一点押さえておきたいのが、指定科目には「心理演習」「心理実習」という実技・実践系の科目が含まれ、これらは通信制であっても対面のスクーリングで実施されるのが基本という点です。つまり「完全に通学せずに公認心理師になれる」わけではなく、座学は通信、実技は対面という組み合わせが実態に近いといえます。このスクーリングの具体的な内容は、後述する各大学の実例と合わせて詳しく解説します。

加えて、通信制大学を選ぶ際は「入学のしやすさ」だけで判断しないことも大切です。入学試験のハードルが低い通信制大学であっても、心理演習・心理実習には別途の選考が設けられていることが多く、「入学できること」と「指定科目を最後まで履修できること」は別の関門です。この2段階の関門を踏まえたうえで志望校を検討する視点が、通信制ルートを現実的に進めるための土台になります。

結論として、通信制大学から公認心理師を目指すこと自体は制度上可能ですが、「指定科目にフル対応しているか」「スクーリングにどの程度通える見込みがあるか」「大学院段階の見通しが立っているか」の3点を出願前に確認しておくことが、遠回りを避ける最大のポイントになります。

「通信制だから難しい」という情報の背景

ネット上で「公認心理師は通信制大学では難しい」という趣旨の情報が広まっている背景には、いくつかの実態があります。1つは、指定科目にフル対応している通信制大学の数がもともと少ないため、志望校の選択肢自体が狭いこと。もう1つは、心理演習・心理実習に定員や選考があるため、入学しても実習に進めるとは限らないという不確実性があることです。「不可能」ではなく「選択肢が狭く計画性が求められる」というのが実態に近い表現といえます。

「通信制だから簡単」という情報の危うさ

逆に、通信制大学を「スクーリングなしで卒業できる」「働きながら楽に資格が取れる」と紹介する情報も見かけますが、これは公認心理師の指定科目に含まれる心理演習・心理実習の実態を反映していません。実技・実践科目は対面での実施が前提になっているため、通信制大学に在籍していても、通学に近い時間確保が一定期間は必要になります。この点は次章以降で大学ごとの実例をもとに詳しく説明します。

資格取得までの道のりを「簡単」と表現してしまうと、心理演習・心理実習の選考に落ちた場合や、実習期間の休暇調整がつかなかった場合に、計画が大きく崩れるリスクを見落としがちです。通信制大学を検討する際は、良い面と負担が生じる面の両方を事前に把握しておく姿勢が、結果的に途中で挫折しないための備えになります。

心理演習・心理実習の選考に落ちてしまった場合の扱いも、大学によって異なります。次年度に再度選考を受けられる大学もあれば、履修計画の見直しが必要になる大学もあるため、選考に落ちた場合の代替スケジュールまで確認しておくと、万一のときにも計画を立て直しやすくなります。こうした細部まで確認しているかどうかが、通信制大学からの計画倒れを防ぐ分かれ目になります。

通学制と比較したときの現実的なメリット

それでも通信制大学には、通学制にはない明確なメリットがあります。全国どこに住んでいても出願できる大学が多いこと、多くの座学科目を自分のペースで進められること、そして仕事を辞めずに学び続けられることです。心理演習・心理実習の期間だけ集中的に休暇や勤務調整を行えば足りるという設計は、フルタイムで働きながら心理職を目指す社会人にとって現実的な選択肢になり得ます。「通信制だから難しい」という情報だけを見て最初から選択肢から外してしまうのはもったいないといえます。

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公認心理師の受験資格に必要な「法律で定める科目」とは

公認心理師法施行規則は、大学の学部段階で履修すべき科目を具体的に列挙しています。一般に「指定科目」または「法律で定める科目」と呼ばれ、心理学概論や臨床心理学、心理的アセスメント、精神疾患とその治療、そして実技科目である心理演習・心理実習などで構成されます。京都橘大学の通信教育課程の公表情報では、この指定科目は25科目・50単位の履修が必要とされており、1年次入学と3年次編入学のどちらのルートでも同じ25科目50単位を満たす必要があるとされています。

学部段階と大学院段階で科目が分かれている

指定科目は学部段階だけで完結しません。学部で定められた科目を履修したうえで、大学院段階でも別途指定された科目(研究や実習を含む)を履修する必要があります。学部の指定科目だけでは受験資格は成立せず、大学院修了(または一定の実務経験)まで一体として設計されている点は、通信制ルートを検討するうえでも変わらない大前提です。大学院段階の科目内容や研究計画の立て方については、公認心理師の大学院(第1区分)の入試科目・研究計画書対策の解説記事で詳しく扱っています。

「対応している」の意味を取り違えないための注意

大学のパンフレットや紹介サイトで「公認心理師に対応」と書かれていても、実際には指定科目の一部にしか対応していない、あるいは編入学者は対象外というケースもあります。対応の範囲は必ず募集要項・シラバスの科目名まで照合することが欠かせません。とくに通信制大学は入学年度によってカリキュラムが改訂されることがあるため、資料請求や公式サイトの最新情報での確認を習慣にしておくと安心です。

放送大学の公式情報では、学部段階の指定科目25科目52単位すべてに対応するカリキュラムを提供している一方で、大学院課程は公認心理師のカリキュラムに対応していないことが明記されています。学部と大学院で対応状況が異なる大学もあるため、「大学単位」ではなく「学部・研究科単位」で確認する意識を持つことが重要です。

指定科目に含まれる代表的な分野

指定科目には、心理学の基礎理論を扱う科目(心理学概論・臨床心理学概論など)、心理的アセスメントの方法を学ぶ科目、精神疾患とその治療に関する医学的知識を扱う科目、そして実技・実践を伴う心理演習・心理実習が含まれます。座学だけでなく実技科目が必修に組み込まれている点が、公認心理師のカリキュラムの大きな特徴です。座学は通信授業や動画教材で学べても、実技科目は対面での実施が原則になるため、通信制大学を選ぶ際は座学と実技の両方がどう提供されるかを確認する必要があります。

単位数の見え方が大学によって異なる理由

京都橘大学の資料では「25科目50単位」、放送大学の資料では「25科目52単位」と、同じ25科目でも単位数の表記に差があります。これは科目の配当単位数の設計が大学ごとに異なるためで、必ずしもどちらかが誤りというわけではありません。志望校を比較する際は、科目名の一致だけでなく、実際にシラバスで単位数・履修年次まで照合することをおすすめします。

指定科目と一般教養科目の違い

通信制大学の卒業要件には、指定科目とは別に一般教養科目・専門選択科目などが含まれます。公認心理師の受験資格で問われるのはあくまで指定科目の履修状況であり、卒業要件を満たすことと指定科目を満たすことは別の基準である点に注意が必要です。まれに「卒業はできたが指定科目が一部不足していた」というケースも起こり得るため、履修計画を立てる段階から、卒業要件と指定科目の両方をチェックリストとして管理しておくと安心です。

履修計画は入学時のガイダンスで確定させる

多くの通信制大学では、入学直後にガイダンスや個別の履修相談の機会が設けられています。この段階で指定科目の年次配当・履修順序を担当窓口と一緒に確認しておくことで、後になって「必要な科目を取り忘れていた」という事態を防ぎやすくなります。特に心理演習・心理実習は選考の前提として一定の単位数取得が求められる場合があるため、入学初年度から逆算した履修計画を立てておくことが重要です。

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公認心理師に対応する通信制大学の実例(2026年時点で確認できる大学)

2026年時点で、学部段階の指定科目に対応するカリキュラムを提供していることが公式情報で確認できる通信制大学として、放送大学・京都橘大学(たちばなエクール)・東京福祉大学・聖徳大学の名前が挙げられます。それぞれ対応範囲やスクーリングの実施方法に違いがあるため、主な特徴を整理します。

大学学部段階の対応スクーリング・実習の特徴
放送大学(全国から入学可)指定科目25科目52単位に対応心理演習・心理実習は選考試験合格者のみ、定員は全体30名程度
京都橘大学(たちばなエクール)指定科目25科目50単位に対応(1年次・3年次編入とも)心理演習は3年次後期に週末1日×4回、心理実習は4年次通年で年20〜25日程度の対面実施
東京福祉大学(通信教育課程)心理学部心理学科で指定科目に対応受験資格の確定には卒業後の大学院進学が必須という位置づけ
聖徳大学(通信教育部)心理学関連の対応あり(詳細は要問合せ)年数回程度のスクーリングを実施(具体的な科目対応範囲は公式に要確認)

この4校のうち、全国どこからでも入学しやすく学費面でも比較的検討しやすいのが放送大学です。放送大学は学部段階のみの対応で、大学院課程は公認心理師のカリキュラムに対応していません。そのため放送大学で学部要件を満たした後は、他大学の大学院(通学・通信を問わず)に進学する前提で計画を立てる必要があります。

京都橘大学は近畿圏に拠点があるため、心理演習・心理実習のスクーリングに通う際の移動距離が近畿圏在住者にとっては比較的短くて済みます。一方で遠方在住者の場合、3年次後期・4年次と複数回にわたるスクーリングのたびに移動・宿泊が発生する可能性があるため、居住地からのアクセスも比較検討の材料になります。「対応している」だけでなく「通いやすいか」も志望校選びの重要な軸です。

東京福祉大学は複数の地域にキャンパスを構えており、通信教育課程の学生であっても、スクーリングや実習の実施場所がどのキャンパス圏になるかによって通いやすさが変わります。同じ大学でも学科・コースによって実施拠点が異なる場合があるため、資料請求の際にはどのキャンパスでスクーリング・実習が行われるのかも合わせて確認しておくと、入学後のミスマッチを防げます。

大学ごとに定員・選考のハードルが異なる

京都橘大学の心理演習は定員30名に対して選考試験があり、倍率はおおむね2〜5倍程度で推移しているとされています。放送大学の心理演習・心理実習も同様に選考制で、全科履修生であることが受講の前提条件です。入学できても実習科目に進めるとは限らないという構造は、通信制大学から公認心理師を目指すうえで見落とされがちなポイントです。志望校を絞る際は、指定科目への対応有無だけでなく、実習系科目の選考倍率や過去の実施実績まで確認しておくと計画が立てやすくなります。

聖徳大学は通信教育部でスクーリングを年2〜3回程度実施している旨は確認できるものの、指定科目の対応範囲や実習の具体的な実施方式については公式サイト上で詳細が明示されていません。志望する場合は資料請求や問い合わせで、心理学関連の学科・コースが公認心理師の指定科目にどこまで対応しているかを直接確認することをおすすめします。

4校以外の通信制大学を検討する場合の注意

本記事で紹介した4校以外にも、心理学系の学科を持つ通信制大学は複数存在します。ただし、心理学を学べることと公認心理師の指定科目にフル対応していることはイコールではありません。「心理学が学べる」という表記だけで判断せず、募集要項やシラバスに「公認心理師の受験資格に対応」「指定科目に対応」といった明記があるかを必ず確認してください。対応の有無が不明な場合は、大学の入試課やオープンキャンパスの相談窓口に直接問い合わせるのが確実です。

また、通信制大学のカリキュラムは改訂されることがあり、入学時点では対応していても在学中に科目編成が変わる可能性もゼロではありません。入学後も年度ごとの履修要項を確認する習慣を持っておくと、途中で指定科目の要件を満たせなくなるリスクを避けやすくなります。

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通信制でも避けられない「スクーリング」—心理演習・心理実習の実態

「通信制大学ならスクーリングなしで卒業できる」という情報を見かけることがありますが、公認心理師を目指す場合は事情が異なります。心理演習・心理実習という実技・実践科目は、通信制大学であっても対面での実施が基本です。座学科目は通信で完結できても、この2科目については通学に近い時間確保が必要になると考えておく必要があります。

放送大学のケース

放送大学では、心理演習・心理実習を履修するには選考試験に合格し、全科履修生であることが条件になります。受講者の定員は全体で30名程度とされ、心理実習では学外の臨床現場に見学に行く形式が取られています。定員が限られているため、学部の座学科目を修了しても実習に進めるとは限らない点は、事前に理解しておきたい制約です。

京都橘大学のケース

京都橘大学では、心理演習は3年次後期に配当され、11〜12月ごろの週末に1日×4回という形でスクーリングが組まれています。心理実習は4年次に通年で実施され、年間20〜25日程度、原則平日に実施されます。内訳は学外実習が7〜12日程度、学内実習が10〜15日程度で、定員は30名、科目履修料として10万円程度が別途必要になるとされています。平日実施の実習期間は、働きながらの受講では有給休暇の調整が必須になる点に注意が必要です。

東京福祉大学のケース

東京福祉大学の通信教育課程では、心理学部心理学科の全指定科目のうち、対面またはオンラインでのスクーリングが求められる科目が一定数あることが公式に案内されています。心理実習についても実習先が特定の地域の医療機関・施設等に限定される想定で案内されており、居住地によっては通学・宿泊の負担が発生する可能性があります。

このように、大学によってスクーリングの頻度・期間・実施地域は大きく異なります。「通信制だから通学不要」という前提で計画すると、実習期間の休暇調整で行き詰まるケースが実際に起こり得るため、出願前に年間スケジュールの目安を必ず確認してください。

東京福祉大学のようにオンライン型のスクーリングを中心とする大学もあれば、京都橘大学のように対面での集中スクーリングを重視する大学もあり、方式は一様ではありません。オンライン中心のスクーリングは移動負担が少ない反面、実技を伴う内容は結局どこかの段階で対面に切り替わることが多いため、「オンライン対応」の範囲がどこまでかも個別に確認しておくとよいでしょう。

座学と実技のバランスをどう捉えるか

指定科目全体に占める心理演習・心理実習の割合自体はそれほど大きくないため、在学期間の大半は自宅学習を中心とした座学科目に充てられます。「常に通学が必要」ではなく「特定の学年・時期に集中して対面対応が必要」という捉え方のほうが実態に近いといえます。座学科目については、通信教育用の教材やオンライン授業を使って、通勤時間や休日を活用しながら計画的に進めていくスタイルが基本になります。

とはいえ、心理演習・心理実習の選考に向けては、それまでの座学科目の成績や取り組み姿勢が評価対象に含まれる大学もあります。「実技科目は後で頑張ればよい」と後回しにせず、入学初年度から座学科目にも丁寧に取り組んでおくことが、実習選考を突破するうえでも有利に働きます。

働きながらスクーリングに参加するための考え方

社会人がスクーリングと仕事を両立させるには、心理演習・心理実習が組まれる学年をあらかじめ把握し、その時期に休暇を取りやすい業務体制を整えておくことが重要です。京都橘大学のように実習が原則平日で年20日以上に及ぶ場合、有給休暇だけでまかなうのが難しいケースもあります。勤務先の休暇制度や時短勤務の可否を早めに確認しておくことで、入学後に慌てずに済みます。

また、実習先までの移動時間や宿泊の要否も、居住地によっては大きな負担になります。実習先が特定地域に限定されている大学の場合、遠方在住者は一時的な滞在先の確保が必要になることもあるため、通学圏内に実習先があるかどうかも志望校選びの判断材料に加えるとよいでしょう。

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学部卒業後の関門—通信制大学院の選択肢と対面要件

公認心理師の受験資格を得るには、学部の指定科目を修了した後、大学院でも指定科目(研究・実習を含む)を履修する必要があります。この大学院段階についても、通信制のカリキュラムを提供する大学院は限られており、対応が確認できる例として佛教大学大学院(教育学研究科臨床心理学専攻)と東京福祉大学大学院(心理学研究科臨床心理学専攻)があります。

佛教大学大学院のケース

佛教大学大学院は、教育学研究科臨床心理学専攻で2018年度から公認心理師の養成を開始しています。修了までの標準期間は3年間とされ、通常の大学院修士課程(2年間)より長めの設計です。臨床心理実習は週1日×15〜16週というペースで対面形式が組まれており、開講日程は年度・担当教員によって変わるとされています。

東京福祉大学大学院のケース

東京福祉大学大学院は、心理学研究科臨床心理学専攻(博士課程前期)が対応しています。「心理実践実習I」(405時間以上)と「臨床心理実習I(心理実践実習II)」(45時間以上)を合わせて合計450時間以上の実習が1年次後期から3年次にかけて実施されます。加えて1年次は週1日のスクーリングで基礎訓練を行い、2・3年次は実習と並行して原則週末にスーパービジョンやケースカンファレンスが組まれるなど、通信制であっても継続的な対面指導が前提となっています。

このように大学院段階では、学部段階以上に対面での実習・指導の比重が大きくなる傾向があります。学部を通信制大学で修了しても、大学院は通学制を選ぶという組み合わせも十分現実的な選択肢です。実際、公認心理師の大学院入試では出身学部の設置形態よりも、研究計画書の完成度や専門科目の理解度が合否を左右します。この点の実務的な対策は公認心理師の大学院(第1区分)対策の記事で詳しく解説しているので、あわせて参考にしてください。

通信制大学院を選ぶメリットと限界

通信制大学院を選ぶ最大のメリットは、仕事を続けながら学べる点です。佛教大学大学院・東京福祉大学大学院とも、平日は通常業務を続けつつ、決まった曜日や週末にスクーリング・実習を組み込む設計になっています。一方で、修了までの標準期間が通学制の2年より長く設定されている大学院もあり、資格取得までのトータル期間は通学制より延びる可能性がある点は理解しておく必要があります。

通学制大学院を選ぶという選択肢

学部を通信制大学で修了した後、大学院は通学制を選ぶ人も少なくありません。通学制大学院は選択肢の数が多く、研究テーマや指導教員との相性で選びやすいという利点があります。ただし、フルタイムで働きながら通学制大学院に通うのは時間的な負担が大きいため、休職・時短勤務・オンライン授業の比率が高い大学院を選ぶなど、両立の工夫が必要になります。学部段階を通信制で進める場合でも、大学院は「通信・通学のどちらも候補に入れて」情報収集しておくことで、進路の幅を狭めずに済みます。

研究計画書と専門科目対策は学部在学中から準備する

通信制大学院・通学制大学院のいずれを選ぶ場合でも、大学院入試では研究計画書の完成度と専門科目の理解度が重視されます。出願直前になってから研究テーマを決めようとすると、準備期間が不足しがちです。学部の卒業論文やレポート作成の段階から、将来大学院で深めたい研究領域を意識しておくと、研究計画書の土台づくりがスムーズになります。専門科目についても、学部の指定科目の学習内容が大学院入試の出題範囲と重なる部分が多いため、学部段階の学習を疎かにしないことが結果的に大学院入試対策にもつながります。

実践職を志向する場合に意識したい視点

公認心理師を目指す人の中には、研究者としてではなく、臨床現場で相談支援に携わる実践職を志向する人が多く含まれます。実践職志向の場合、研究テーマの独創性以上に、現場でどのような支援を行いたいかという問題意識の一貫性が評価されやすい傾向があります。通信制大学在学中に携わっている仕事の経験や、ボランティア・実習で感じた課題意識を、研究計画書の中でどう言語化するかが、社会人ならではの強みを生かすポイントになります。

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通信制ルートに進む前に確認すべきチェックリスト

通信制大学・大学院から公認心理師を目指す場合、出願前の情報収集の精度が今後数年間の計画を左右します。「対応している」という言葉を鵜呑みにせず、以下の項目を一次情報で確認することをおすすめします。

  • 指定科目25科目(学部)がすべて開講されているか、科目名と単位数を募集要項・シラバスで照合したか
  • 心理演習・心理実習の実施時期・日数・実施形式(対面/オンライン)を確認したか
  • 心理演習・心理実習に選考試験や定員制限がある場合、その倍率・条件を確認したか
  • 実習先の地域が自宅から通える範囲か、宿泊や交通費の負担をどこまで許容できるか
  • 学部卒業後に進学する大学院の候補(通信制・通学制の両方)を具体的に想定できているか
  • 編入学(3年次編入など)を利用する場合、編入前の履修単位が指定科目として認定されるか
  • 学費の総額(入学金・授業料・スクーリング参加費・実習費など)を年度ごとに見積もったか

この中でも見落とされがちなのが、編入学時の単位認定です。すでに他大学・短大を卒業している社会人が3年次編入を利用する場合、以前の学部での履修が指定科目としてそのまま認定されるとは限りません。編入前の相談窓口で、指定科目としての認定可否を個別に確認することが遠回りを避けるポイントです。

資料請求だけで終わらせないための質問例

大学のパンフレットや公式サイトの記載だけでは判断がつかない部分は、問い合わせの段階で具体的に質問しておくと安心です。例えば「指定科目25科目のうち、貴学で開講していない科目はあるか」「心理演習・心理実習の直近の選考倍率はどの程度か」「編入学者の場合、前籍校の単位はどの科目としてみなされるか」といった数字や個別事例で答えてもらえる質問を用意しておくと、パンフレットだけでは分からない実態が見えてきます。

確認段階主な確認先確認しておきたい内容
出願前大学の入学案内・資料請求窓口指定科目の開講状況、編入時の単位認定基準
在学中ゼミ担当教員・実習担当部署心理演習・心理実習の選考基準、実習先の候補地
卒業前大学院進学相談・予備校等大学院の指定科目対応状況、研究計画書の方向性

相談先を1つに絞らない

大学の公式窓口だけでなく、すでに同じ大学で学んでいる在学生・卒業生、心理系の資格取得を支援している専門家など、複数の相談先を持っておくことも有効です。立場の異なる相談先から情報を集めることで、公式情報だけでは見えにくい実際の負担感もつかみやすくなります。特に心理演習・心理実習の選考対策や、大学院入試に向けた専門科目の学習法など、大学の窓口では答えにくい実践的な相談は、外部の専門的な指導を頼るのも選択肢の一つです。

チェックリストを段階ごとに使い分ける

これらの確認項目は、出願前に一度確認すれば終わりというものではありません。出願前・在学中・卒業前の3段階でそれぞれ確認すべき相手と内容が変わるため、上の表のように段階を分けて管理すると抜け漏れを防ぎやすくなります。特に在学中は、心理演習・心理実習の選考時期が近づくタイミングで、最新の選考基準や倍率の情報を担当窓口に再確認しておくと安心です。

また、学費については、入学時に提示される総額の見積もりだけでなく、心理演習・心理実習にかかる科目履修料や、実習先までの交通費・宿泊費といった付随費用まで含めて試算しておくことをおすすめします。付随費用を見落とすと、想定より総費用がふくらむケースが少なくありません。

複数校を比較検討するときの進め方

1校だけに絞って検討すると、その大学の対応状況がたまたま自分の希望と合わなかった場合に計画全体を見直すことになりかねません。最初の段階で2〜3校を並行して比較検討することで、スクーリングの負担・費用・実習先の地域などを相対的に判断しやすくなります。資料請求や説明会への参加は複数校分をまとめて行い、同じ質問項目で横並びに比較できるようにしておくと、後から振り返りやすい記録にもなります。

情報が古い・変わっている可能性への対処法

Web上の比較記事やまとめサイトの情報は、更新時点から時間が経っていることがあります。大学の公式サイト・募集要項が更新されていないか、必ず最新のページで確認することに加えて、可能であれば入試課やオープンキャンパスの窓口に直接問い合わせて口頭でも確認しておくと、情報の齟齬に気づきやすくなります。特に指定科目の対応状況やスクーリングの実施方式は、カリキュラム改訂のタイミングで変わることがあるため、出願直前にも再確認する習慣を持っておくと安心です。

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働きながら・地方在住でも進めるための学習戦略と注意点

通信制大学から公認心理師を目指す人の多くは、仕事や家庭と両立しながら学習を進めています。スクーリングの日程を軸に、その前後の座学学習を計画的に配分することが継続の鍵になります。特に心理演習・心理実習が組まれる学年は、通常の学期よりも休暇取得や勤務調整の負担が大きくなるため、入学前の時点で職場に相談できる見込みを立てておくと安心です。

よくある失敗パターン

通信制ルートで挫折しやすいパターンとして、次のようなケースが挙げられます。1つ目は、指定科目の対応範囲を確認せずに入学し、後から一部科目が非対応だと判明して計画が崩れるケースです。2つ目は、心理演習・心理実習の選考に落ちて、学部を修了しても受験資格の要件が満たせないケースです。3つ目は、学部段階の見通しだけを立てて大学院段階の情報収集を後回しにし、卒業後に進学先が見つからず足踏みするケースです。学部入学の時点で大学院までの一連の流れを見通しておくことが遠回りを防ぎます。

独学・予備校活用との比較

通信制大学のカリキュラムは指定科目の履修という「受験資格の獲得」を目的にしたものであり、大学院入試そのものの対策(専門科目の応用力・研究計画書・面接対応)までは十分にカバーしないケースが少なくありません。通学制の大学に比べて同級生や教員との接点が少なくなりやすい通信制だからこそ、大学院入試対策は別途の情報収集や指導を組み合わせる人が多いのが実情です。社会人が働きながら大学院入試を突破するための具体的な進め方は、公認心理師になるには?社会人からのロードマップ解説でも詳しく取り上げています。

大学院受験対策として専門的な指導を受けたい場合は、通信制大学在学中からオンラインで相談できる公認心理師の大学院入試対策コースのような社会人向けサポートを検討するのも一つの方法です。研究計画書の添削や専門科目の学習法など、独学では判断に迷いやすい部分を早い段階で相談しておくと、学部卒業後の進学準備がスムーズになります。

学習時間の確保とモチベーション維持

通信制大学は自分のペースで学べる反面、強制的に学習時間が確保される通学制と違い、計画的に進めないと単位取得が後ろ倒しになりやすい環境でもあります。週単位・月単位で履修計画を可視化し、進捗を定期的に見直す習慣を持つことが、途中で挫折しないための基本になります。特に心理演習・心理実習の選考に向けては、座学の成績や出席状況が評価対象に含まれることもあるため、日々のレポート提出や試験対策を後回しにしないことが重要です。

地方在住者にとっては、オンラインでの学習相談やコミュニティへの参加も有効です。通信制大学の中には、オンライン上で学生同士が交流できる仕組みを用意している大学もあります。孤独になりやすい通信制の学習を継続するうえで、こうした仕組みを積極的に活用することもおすすめします。

家族や職場の理解を得ておく

心理演習・心理実習の期間は、平日の休暇取得や一時的な生活リズムの変化が避けられません。特に家庭がある場合、家事・育児の分担について家族と早めに話し合っておくことが、実習期間を乗り切るうえで大きな支えになります。出願前の段階で家族・職場に大まかなスケジュール感を共有しておくことで、いざスクーリングや実習が始まったときに協力を得やすくなります。長期戦になりやすい進路だからこそ、周囲の理解を早い段階から得ておくことが継続の土台になります。

オンライン説明会・個別相談を情報収集の入口にする

通信制大学の多くは、遠方在住者でも参加しやすいオンライン説明会や個別相談の機会を設けています。パンフレットだけでは分からない在学生の生の声や、直近の実習の実施状況を聞ける貴重な機会になるため、志望校を絞り込む前に積極的に活用することをおすすめします。すでに卒業生や在学生が発信しているブログ・SNSの体験談も参考になりますが、個人の体験は年度やコースによって条件が異なる場合があるため、最終判断は必ず大学公式の最新情報で行ってください。

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よくある質問(FAQ)

ここまでの内容と重なる部分もありますが、通信制大学から公認心理師を目指す際によく寄せられる疑問を改めてQ&A形式で整理します。志望校選びや家族・職場への説明の際にも参考にしてください。

公認心理師は通信制大学だけで取得できますか?

いいえ、通信制大学の学部段階だけでは取得できません。学部の指定科目を修了したうえで、大学院(通信制・通学制いずれか)でも指定科目を履修し修了する必要があります。学部と大学院はセットで計画してください。学部だけで満足してしまい大学院の情報収集を後回しにすると、卒業後に進学先が決まらず足踏みする原因になります。

放送大学だけで公認心理師になれますか?

放送大学は学部段階の指定科目には対応していますが、大学院課程は公認心理師のカリキュラムに対応していません。放送大学で学部要件を満たした後は、他大学の大学院に進学する必要があります。放送大学在学中から、進学候補となる大学院の情報収集を並行して進めておくとスムーズです。

通信制大学は公認心理師の資格取得に不利ですか?

大学の設置形態(通学・通信)自体は受験資格の要件になっていないため、制度上は不利ではありません。ただし指定科目にフル対応している通信制大学は限られるため、志望校選びの選択肢は通学制より狭くなる傾向があります。選択肢が狭い分、出願前の情報収集の精度がより重要になると考えてください。

スクーリングが一切ない通信制大学はありますか?

心理演習・心理実習という実技・実践科目については、確認できた大学のいずれも対面でのスクーリングを実施しています。「スクーリング完全不要」で公認心理師の指定科目すべてに対応している大学は、現時点の一次情報では確認できていません。「スクーリングが少ない」大学を探すことはできても、「ゼロ」を前提に計画するのは避けたほうが安全です。

通信制大学から公認心理師の大学院に進学する場合、内部進学と外部受験どちらが有利ですか?

一概にどちらが有利とは言えません。内部進学は在学中の学修状況を評価してもらいやすい利点がある一方、外部受験は通学制も含めて選択肢を広げられる利点があります。研究したいテーマや実習環境の希望に応じて、両方を候補に入れて情報収集することをおすすめします。学部の早い段階から、興味のある研究領域や指導を受けたい教員のいる大学院をリストアップしておくと、出願直前になって慌てずに済みます。

社会人が通信制大学から公認心理師を目指す場合、何年くらいかかりますか?

1年次入学であれば学部4年+大学院2〜3年が目安になり、最短でも6年前後を見込む必要があります。すでに他大学を卒業している場合は3年次編入を使うことで学部側の期間を短縮できる可能性がありますが、指定科目の認定状況によって変わるため個別の確認が欠かせません。仕事の繁忙期や家庭の事情によって、計画より延びる前提で余裕を持ったスケジュールを組むことをおすすめします。

心理学部以外の学部を卒業していても通信制で公認心理師を目指せますか?

可能です。指定科目を新たに履修する必要があるため、心理学部出身かどうかは受験資格の要件そのものには影響しません。ただし編入学を利用する場合、既卒の学部での履修が指定科目としてどこまで認定されるかは大学ごとに異なるため、事前確認が必要です。文系・理系を問わず、社会人になってから心理職を志して通信制大学に入り直す人は珍しくありません。

通信制大学の学費はどのくらいかかりますか?

大学・学部・入学形態(1年次入学か編入学か)によって幅があり、加えて心理演習・心理実習では科目履修料が別途発生する大学もあります。総額は年度ごとの学生募集要項に明示されるため、他の通信制大学と比較する際は入学金・授業料・スクーリング参加費・実習費まで含めて確認してください。大学院段階でも同様に、実習にともなう費用が別途発生する場合があるため、学部と大学院を合わせた総額で資金計画を立てることをおすすめします。

まとめ|通信制大学からの公認心理師ルートは「指定科目対応」の見極めが最優先

公認心理師は通信制大学からでも目指せますが、鍵になるのは大学の設置形態ではなく、法律で定める指定科目にどこまで対応しているカリキュラムかという一点です。「通信制だから難しい」「通信制だから楽」という単純化された情報に流されず、志望校の一次情報にあたる姿勢が結果的に遠回りを防ぎます。本記事の要点を整理します。

  • 公認心理師の受験資格は「大学で指定科目(25科目程度)を履修+大学院で指定科目を履修」という2段階が基本ルート
  • 2026年時点で学部の指定科目に対応する通信制大学として、放送大学・京都橘大学・東京福祉大学・聖徳大学が確認できる
  • 放送大学は学部段階のみの対応で、大学院課程は非対応。学部修了後は他大学院への進学が前提
  • 心理演習・心理実習は通信制大学であっても対面でのスクーリングが基本で、選考試験・定員制限がある大学も多い
  • 大学院段階(佛教大学大学院・東京福祉大学大学院など)は学部以上に対面実習・指導の比重が大きい
  • 出願前に指定科目の対応範囲・実習の実施形式・編入時の単位認定を必ず一次情報で確認する
  • 心理演習・心理実習の期間は休暇調整が必要になりやすいため、家族や職場の理解を早めに得ておく
  • 研究計画書や専門科目対策は学部在学中から準備を始め、大学院段階の見通しを早く立てる
  • 大学名・制度は年度で変わり得るため、最新の学生募集要項・シラバスでの確認を欠かさない

通信制大学というルートは、働きながら・地方に住みながらでも公認心理師を目指せる現実的な選択肢である一方、実習系科目の対面対応や大学院段階の情報収集など、事前に押さえておくべき論点が多い進路でもあります。「通信制だから簡単」でも「通信制だから不可能」でもなく、正確な情報にもとづいて計画を立てられるかどうかが分かれ目になります。

学部段階の指定科目対応、スクーリングの実施形式、そして大学院段階での対面要件という3つの論点は、志望校を決める前に必ず一次情報で確認しておきたいポイントです。学部・大学院を通した長期の計画になるからこそ、研究計画書の準備や専門科目の学習法など、独学での判断に迷う部分については、専門の指導を活用するのも一つの方法です。仕事や家庭と両立しながらでも、正しい情報とスケジュール管理があれば、公認心理師という国家資格は着実に近づける目標になります。

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この記事を書いた人

千葉大学 法政経学部を首席で卒業後、都内国公立大学の法科大学院(ロースクール)を修了し、司法試験に合格。法律・政治・経済分野の専門知識をもとに、スプリング・オンライン家庭教師の大学編入・大学院入試分野の指導および記事監修を担当。

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