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公認心理師を目指す大学院の学費を徹底比較

公認心理師を目指す大学院の学費は、国公立か私立か、そして大学ごとの学納金体系によって大きく変わります。結論から言うと、国公立大学院の標準的な学費は2年間で約135万円、私立大学院は大学によって2年間で160万円台からそれ以上になるケースもあり、進学先を決める前に総額の目安を把握しておくことが欠かせません。「思っていたより費用がかかりそう」「奨学金でどこまでまかなえるのか知りたい」という不安を持つ方は少なくなく、学費の全体像を早めに把握しておくことが出願校を絞り込む助けになります。
公認心理師 大学院とは、公認心理師の受験資格を得るために必要な指定科目(基礎科目・実践科目)を履修できる大学院を指し、文部科学大臣・厚生労働大臣が定める基準を満たした課程であることが条件です。学部で基礎科目を修めたうえで、大学院で心理実習を含む実践科目を積み上げていく2年間が一般的なルートで、進学先の学納金体系によって家計への影響は大きく変わってきます。
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学費は入学金・授業料だけを見ていては、大学ごとの本当のコスト差はつかめません。施設設備費や実習費まで含めて総額で比較することが、大学院選びで後悔しないための第一歩です。パンフレットに載っている初年度の金額だけで判断すると、2年目以降に想定より重い負担が発生することもあるため、大学公式サイトで公開されている一次情報を確認する習慣をつけておきましょう。
本記事では大学公式サイトで確認できる実際の学費データをもとに、国公立・私立それぞれの2年間の総額目安と、日本学生支援機構(JASSO)の奨学金や国の教育ローンなど資金調達の選択肢までまとめて解説します。学部を卒業してそのまま大学院に進む方だけでなく、社会人からのキャリアチェンジで公認心理師を目指す方にとっても、学費の見通しを早い段階で立てておくことは志望校選びの判断材料になります。
なお、大学院そのものの選び方や入試科目・研究計画書対策・面接対策といった「学費以外」の視点は、姉妹記事の公認心理師の大学院(第1区分)とは|選び方・入試科目・研究計画書・面接対策を徹底解説で詳しく解説していますので、あわせてご覧ください。
公認心理師を目指す大学院にかかる学費の全体像
公認心理師の指定科目に対応した大学院は、全国に国公立・私立あわせて200校以上あるといわれ、学費の水準も国公立の標準額に近い大学から、私立の中でも比較的高めに設定されている大学までかなり幅があります。まず押さえておきたいのは、大学院の学費は「入学金」「授業料(在学料)」「施設設備費・教育充実費」の3つを中心に構成され、これらを合算した金額が年ごとの納入額になるという点です。大学院の学費は学部の学費とは別体系で設定されているため、出身学部の学費感覚のまま大学院の費用を見積もると誤差が生じやすい点にも注意してください。
2年間の総額はどのくらい違うか
国公立大学院は2年間の総額が約135万円前後に収まる大学が多い一方、私立大学院は大学ごとの学納金体系によって2年間で160万円台から、大学によってはそれ以上になる場合もあります。本記事後半で紹介する文教大学・中央大学の実例のように、私立の中でも大学によって年間数十万円単位の差が出ることも珍しくありません。修士課程は原則2年間ですが、研究や実習の都合で在学期間が延びると、その分だけ在学料や施設設備費が追加で発生する点も資金計画に織り込んでおくと安心です。
学費を比較するときに見落としやすいポイント
大学院検索サイトやパンフレットに載っている「初年度納入金」だけを見て比較すると、2年目以降の在学料や施設設備費が抜け落ちてしまい、実際の総額を見誤ることがあります。募集要項や大学公式サイトの学費ページで、初年度と2年目以降の両方の金額を必ず確認しましょう。また、同じ大学院でも専攻やコースによって学費が異なる場合があるため、志望する専攻名まで特定したうえで学費ページを確認することが大切です。公認心理師と近い資格である臨床心理士との違いについては公認心理師と臨床心理士の違いを徹底比較で解説していますので、資格取得ルート全体を整理したい方はあわせてご確認ください。
「修士課程」と「専門職大学院」で学費の考え方が変わる
公認心理師の指定科目に対応した大学院には、研究能力の育成を重視する一般的な「修士課程」と、実務家養成に特化した「専門職大学院(専門職学位課程)」の2つのタイプがあります。専門職大学院は実習カリキュラムが手厚く設計されている分、年間の授業料が一般の修士課程より高めに設定されている傾向があります。志望校を比較する際は、同じ「大学院」という括りでも課程のタイプが違えば学費水準も変わりうることを念頭に置いておきましょう。
学費情報はどこで確認するのが確実か
学費の一次情報は、志望大学院の公式サイトにある「学費」「学納金」「入試要項」のページに掲載されています。大学院検索サイトや個人ブログの情報は目安として便利ですが、年度改定が反映されていない場合もあるため、出願前には必ず大学公式サイトの最新版で金額を確認してください。オープンキャンパスや個別相談会では、学費だけでなく奨学金の相談窓口についても案内してもらえることが多く、あわせて質問しておくと出願準備がスムーズになります。資料請求だけでは分からない細かい費用の疑問は、その場で職員に直接尋ねてメモを残しておくと、あとで大学院同士を比較する際に役立ちます。
指定科目の履修と学費の関係
公認心理師の受験資格を得るためには、大学院で「心理実践実習」を含む実践科目群を履修する必要があります。実践科目には少人数制の演習や実習が多く含まれるため、大学院によっては通常の講義科目より手厚い指導体制が組まれ、そのぶん施設設備費や実習に関連する費用が学費に反映されている場合があります。履修する科目の性質によって学費の構成が変わりうることも、大学院ごとの学費差の背景のひとつです。指定科目をどの学期にどれだけ履修する設計になっているかは、シラバスやカリキュラム表で確認できます。基礎科目を学部段階でどこまで修得しているかによって、大学院での履修計画や在学期間の見通しも変わってくるため、出身学部のカリキュラムと志望大学院の指定科目対応表を突き合わせて確認しておくと安心です。
国公立大学院の学費はいくら?標準額と2年間の総額目安
国立大学の大学院(修士課程)の学費は、文部科学省令によって標準額が定められています。入学料282,000円、年間授業料535,800円が標準額で、この金額は2004年度の改定以降据え置かれています。全国のほとんどの国立大学院がこの標準額、またはこれに近い金額を採用しており、専攻や研究科による差が私立ほど大きくないのが特徴です。2年間の学費総額をまとめると次のとおりです。
| 項目 | 金額 |
|---|---|
| 入学料 | 282,000円 |
| 年間授業料 | 535,800円 |
| 2年間の授業料合計 | 1,071,600円 |
| 2年間の学費総額(入学料+授業料2年分) | 1,353,600円 |
各大学が独自に上乗せできる範囲
国立大学は文部科学省令の標準額を基準にしつつ、各大学の判断で標準額の120%まで独自に金額を設定できる仕組みになっています。上限は入学料338,400円、年間授業料642,960円です。多くの国立大学院は標準額どおりに設定していますが、大学によっては上限に近い金額を採用している場合もあるため、志望する大学院の最新の学生募集要項で必ず確認してください。標準額から改定される場合は、入学年度の学生募集要項や大学公式サイトの「学費」ページで告知されるのが一般的です。改定の有無や時期は大学ごとの財政状況によって異なるため、複数年度にわたって受験を検討している場合は、出願年度が近づいたタイミングで再度金額を確認することをおすすめします。再受験や併願で複数年度をまたぐ場合は、前年度の情報のまま出願準備を進めてしまわないよう注意が必要です。過去に取得した資料の情報が古くなっていないか、出願直前に必ず見直す習慣をつけておきましょう。
公立大学院の学費の考え方
都道府県や市が設置する公立大学院の学費は、国立大学の標準額に準じた金額を設定している大学が多い一方、大学によっては地域住民とそれ以外で金額が異なる場合もあります。公立大学院を志望する場合は、出願資格とあわせて学費の地域要件も募集要項でチェックしておくと安心です。学費を抑えられる大学院の探し方全般は学費が安い大学院の探し方|国公立・通信・社会人入試でも詳しく取り上げていますので、国公立を軸に検討したい方は参考にしてください。
国立大学院の納付スケジュール
国立大学院の授業料は、一般的に前期(4月〜9月)と後期(10月〜3月)の年2回に分けて納付する方式が採られています。入学料は入学手続きの際に一括で納めるのが基本で、授業料は前期分・後期分それぞれの納付期限までに振り込む形になります。口座振替を利用できる大学も多いため、納付漏れを防ぐためにも早めに手続き方法を確認しておきましょう。振込ではなく口座振替の場合、指定口座への入金忘れがそのまま未納につながることもあるため、残高確認のタイミングも決めておくと安心です。奨学金の振込時期と納付期限がずれることもあるため、入学が決まったら資金繰りのスケジュールを具体的に組んでおくことをおすすめします。
国公立大学院を目指すメリットと注意点
国公立大学院を目指す最大のメリットは、学費が標準額で明確に定まっており、私立大学院に比べて総額を見通しやすい点です。家計への負担を抑えたい場合は国公立が有力な選択肢になりますが、定員が少なく倍率が高くなりやすいこと、志望する研究テーマを扱う研究室が近隣にあるとは限らないことには注意が必要です。学費の安さだけで志望校を決めず、専門科目の出題傾向や過去の入試結果もあわせて調べたうえで、併願先の私立大学院とバランスを取りながら受験校を検討することをおすすめします。
私立大学院の学費はいくら?大学ごとの違いと実例比較
私立大学院の学費は大学ごとの差が大きく、「私立は高い」と一括りにはできません。ここでは、公式サイトで学費が公開されている大学の実例を紹介します。あくまで個別の大学の実例であり、私立大学院全体の平均値ではない点にご注意ください。志望校を検討する際は、必ず該当大学院の公式サイトで最新の金額を確認してください。
文教大学大学院 人間科学研究科 臨床心理学専攻の例
2026年度入学者の場合、入学金280,000円、授業料651,000円、教育充実費100,000円で、初年度納入金の合計は1,031,000円です。文教大学の学部出身者は入学金が半額になり、同大学院の修士課程を修了して博士後期課程に進学する場合は入学金が全額免除される制度もあります。学内進学者への優遇があることは、学部から一貫して同じ大学で学ぶメリットのひとつといえるでしょう。
中央大学大学院 文学研究科(心理学専攻を含む)の例
2027年度入試向けの学費情報によると、入学金240,000円・在学料(年間)559,600円・施設設備費128,300円で、初年度納入金の合計は927,900円です。2年目以降は在学料と施設設備費を合わせた687,900円が年額としてかかるため、2年間の総額は1,615,800円になります。納入時期も入学手続時・9月・翌年1月と分割されており、一度に全額を用意する必要はありません。
実例からわかる私立大学院の学費レンジ
上記2校の実例だけを見ても、初年度納入金は約93万円から約103万円、2年間の総額は約160万円台に収まっており、私立大学院だからといって国公立より極端に高額とは限らないことがわかります。一方で、専門職大学院や実習設備が充実した大学院では、年間の授業料が100万円を超えるケースもあるため、志望校ごとに公式サイトの学費ページを個別に確認することが欠かせません。学納金の内訳は大学によって呼び方が異なり、「施設設備費」「教育充実費」「教育環境整備費」など名称は違っても性質はほぼ同じ費目であることが多いので、合計額で比較するのがおすすめです。国公立・私立を横断した学費比較や免除制度の詳細は大学院の入学金・受験料・学費まとめ|国公立と私立の違い・免除制度・総額シミュレーションでさらに詳しく解説しています。
初年度と2年目以降で負担感が変わる
私立大学院では、入学金が発生する初年度と、入学金のかからない2年目以降とで、実際に必要な金額が大きく変わります。初年度だけを見て「高い」と判断してしまうと、2年間トータルで見たときの負担感を見誤ることがあります。逆に、初年度納入金だけを比較して大学院を決めてしまうと、2年目の在学料や施設設備費が想定より重く感じられることもあるため、必ず2年間の総額で比較する習慣をつけましょう。奨学金や教育ローンの月々の返済計画を考えるときも、初年度と2年目以降の負担の違いを踏まえて資金繰りを設計することが大切です。
| 大学院(区分) | 入学金 | 初年度授業料等 | 初年度合計 | 2年間総額目安 |
|---|---|---|---|---|
| 国立大学院(標準額) | 282,000円 | 535,800円 | 817,800円 | 1,353,600円 |
| 文教大学大学院(臨床心理学専攻) | 280,000円 | 751,000円 | 1,031,000円 | 参考:初年度のみ公表 |
| 中央大学大学院(文学研究科) | 240,000円 | 687,900円 | 927,900円 | 1,615,800円 |
学内進学と外部進学で条件が変わる場合がある
私立大学院の中には、同じ大学の学部から内部進学する場合と、他大学から外部進学する場合とで入学金の扱いが異なるケースが少なくありません。文教大学の例のように学部出身者は入学金が半額になる制度を設けている大学院は珍しくなく、内部進学者にとっては学費面でのメリットになります。逆に言えば、他大学の学部から進学する場合は入学金を満額負担する前提で資金計画を立てておく必要があります。志望大学院が内部進学優遇制度を設けているかどうかは、募集要項の学費ページや入試種別ごとの案内で確認できます。
学費を比較する際のチェックリスト
複数の大学院を比較検討する際は、次の項目を横並びで確認すると、学費の差を見落としにくくなります。
- 入学金の金額と、内部進学者向けの減免制度の有無
- 初年度の授業料(在学料)と施設設備費・教育充実費の金額
- 2年目以降の年間納入金額
- 納付スケジュール(一括・分納・延納の可否)
- 大学独自の奨学金・授業料免除制度の有無と応募条件
これらを大学院ごとに一覧表にまとめておくと、出願校を絞り込む段階での比較検討がしやすくなります。募集要項は年度ごとに更新されるため、比較表を作る際は必ず最新年度のものを参照するようにしてください。
資料請求・個別相談で確認しておきたいこと
公式サイトに掲載されている学費はあくまで標準的なケースであり、コースや履修モデルによって金額が変わる場合もあります。資料請求や個別相談の機会を利用して、自分が想定している履修プランで実際にいくらかかるのかを具体的に質問しておくと、入学後の想定外の出費を減らせます。特に社会人特別選抜や長期履修制度を利用する予定がある場合は、通常の学費体系と異なる計算になることもあるため、個別に確認しておくことをおすすめします。
学費に含まれるもの・含まれないもの
学費として大学が提示する金額には、入学金・授業料(在学料)・施設設備費(教育充実費)が含まれるのが一般的です。一方で、次のような費用は学費とは別に自己負担になることが多く、大学院選びの段階で見落とされがちなポイントです。学費の総額だけを見て安心してしまうと、入学後に想定外の出費が続くこともあるため、事前にリストアップしておくことをおすすめします。
学費に含まれることが多いもの
- 入学金(入学時に一度だけ納付)
- 授業料・在学料(年間または学期ごとに納付)
- 施設設備費・教育充実費(校舎や設備の維持費に充てられる)
学費に含まれないことが多いもの
- 教科書代・専門書籍代
- 学会参加費・研修参加費
- 実習先までの交通費や、実習によっては別途発生する実習料
- 一人暮らしをする場合の家賃・生活費
- 公認心理師国家試験の受験手数料
公認心理師国家試験の受験手数料は28,700円(非課税)です。大学院の学費とは別に、修了後に受験する国家試験の費用として見込んでおく必要があります。実習費については大学院や専攻によって授業料に含まれる場合と、実習先ごとに別途徴収される場合があるため、志望校のシラバスや募集要項で実習にかかる費用の扱いを確認しておきましょう。心理実習は複数の実習先を回ることが多く、交通費が積み重なると年間で数万円単位になることもあるため、通学圏内に実習先が確保されているかどうかも合わせて確認しておくと安心です。実習先が遠方の場合は交通費だけでなく移動時間の負担も大きくなるため、実習開始前に大学院から案内される実習先リストを見て、通いやすさをあらかじめ確認しておくとよいでしょう。
入学前後に一時的にかかる費用も見込んでおく
大学院入試そのものにも、出願時の検定料(受験料)がかかります。併願する大学院が増えれば、その分だけ検定料の合計も膨らみます。合格後は入学手続きに関する書類の準備費用や、自宅から通えない場合は引っ越し費用・敷金礼金なども必要になります。学費以外の一時的な出費も含めて資金計画を立てることで、入学後に慌てて資金を工面する事態を避けられます。パソコンや統計ソフトなど、研究や実習で使う機材の準備が必要になる専攻もあるため、入学前のオリエンテーションや先輩からの情報収集で必要なものを早めに把握しておくとよいでしょう。特に臨床心理検査に用いる検査用具は専攻によって購入が必要になる場合があり、金額も検査の種類によって幅があるため、シラバスや在学生への相談で早めに把握しておくと安心です。
学生教育研究災害傷害保険など諸経費
多くの大学院では、入学手続きの際に授業料などとは別に、学生教育研究災害傷害保険や学生自治会費・後援会費といった諸経費の納付を求められます。金額は数千円から数万円程度と大学によって幅がありますが、学費の総額を計算するときにこうした諸経費も見落としやすい項目です。募集要項の「学費」ページには、学費本体とあわせて諸経費の内訳が記載されていることが多いため、初年度納入金の明細を一つずつ確認しておくと安心です。
大学院生活を通じてかかる継続的な費用
入学時だけでなく、2年間の在学期間中には継続的にかかる費用もあります。学会発表を行う場合の参加費・交通費、修士論文の作成にかかる印刷代や調査費、心理検査の実施にあたって必要な検査キットの購入費などが代表的です。研究テーマや所属する研究室によって必要な費用は変わるため、先輩や指導教員に相談しながら、年間でどの程度の追加費用がかかりそうか早めにイメージしておくと、資金計画に無理が生じにくくなります。修士論文の提出年である2年目は特に費用がかさみやすい時期でもあるため、1年目のうちから少しずつ備えておくと安心です。奨学金や貯蓄の使い方についても、1年目と2年目でメリハリをつけて計画しておくと、直前になって資金が不足する事態を防ぎやすくなります。
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国公立と私立、学費以外に見ておきたい違い
学費だけで大学院を選ぶと、入学後に「思っていた環境と違った」となりかねません。国公立と私立では、学費以外にも実習先の確保のしやすさや研究室の体制、開講形態などに違いが出やすい傾向があります。学費と学びの環境は必ずセットで比較することが、大学院選びの失敗を避けるコツです。
定員と競争倍率
国公立大学院は私立に比べて定員が少なく設定されている大学院が多いため、学費が抑えられる一方で、入試の競争が激しくなりやすい傾向があります。学費の安さだけで志望校を絞るのではなく、自分の学部での学習内容や研究テーマとの相性、入試科目の対策のしやすさも含めて検討することが重要です。定員が少ない大学院ほど、専門科目の出題傾向や過去の合格実績を早めに調べておく価値があります。
昼夜開講・社会人向け制度の有無
社会人が働きながら通える昼夜開講制を導入している大学院は私立に多く見られます。仕事を続けながら公認心理師を目指す場合、学費の総額だけでなく、平日夜間や土曜日に授業を受けられるかどうかも大学院選びの重要な基準になります。昼夜開講制の大学院では、実習の時間帯や修了までの年限が柔軟に設定されている場合もあるため、社会人特別選抜の制度とあわせて確認しておくとよいでしょう。
修了までの標準年限と長期履修制度
公認心理師の指定科目に対応した修士課程は原則2年間で修了する設計になっていますが、大学院によっては、社会人が仕事と両立しやすいように、学費の総額を変えずに在学期間を3年や4年に延ばせる「長期履修制度」を用意している場合があります。長期履修制度を利用すると年間の学費負担を分散できる可能性がある一方、対象となる授業料の算定方法は大学院ごとに異なるため、制度の有無と具体的な仕組みは志望大学院に直接確認することをおすすめします。長期履修制度を利用する場合、年間の授業料負担は下がっても、在学期間中に発生する施設設備費や諸経費は年数分だけ積み重なることがあるため、2年間で修了する場合との総額比較も忘れずに行いましょう。制度の詳細は入試要項とは別のページに案内されていることもあるため、資料請求や個別相談の際にあわせて確認しておくと見落としを防げます。
実習先ネットワークと立地
公認心理師の指定科目には心理実習が含まれており、実習先の確保は大学院によって差があります。大学が長年の実績で実習先とのつながりを持っているかどうかは、学費には表れない重要な情報です。オープンキャンパスや個別相談会で、実習先の実績について直接質問することをおすすめします。自宅から通える範囲に大学院があるかどうかも、一人暮らしの家賃という「学費以外の総費用」に直結するため、あわせて検討しておきたいポイントです。実習先が遠方にしかない場合、通学定期代や実習期間中の宿泊費が発生することもあるため、志望校の実習先一覧を事前に確認し、通いやすさも含めて検討しておくと安心です。実習先が複数の地域に分散している大学院もあるため、通学時間だけでなく実習期間中の移動負担についても具体的にイメージしておくと、入学後のスケジュール管理がしやすくなります。在学生に実際の通学ルートや移動時間を聞いてみることで、公式サイトだけでは分かりにくい生活面のイメージがつかみやすくなります。実習先の確保状況は在学生の声や大学院修了者のインタビューからも情報を得られることがあるので、公式サイトの体験談ページなども参考にしてみてください。
研究室・指導教員との相性
公認心理師を目指す大学院では、指導教員の専門領域や研究室の方針が、修士論文のテーマ選びや実習先の紹介にも影響します。学費や立地だけでなく、指導を受けたい教員が在籍しているかどうかも重要な判断基準です。学費の安さだけで決めるのではなく、研究室訪問やオープンキャンパスで指導教員と直接話す機会を作り、研究テーマとの相性を確認しておくことをおすすめします。国公立・私立を問わず、指導教員の異動や退職によって研究室の体制が変わることもあるため、出願前の情報収集は複数の手段で行うと安心です。
国公立・私立それぞれの特徴の整理
| 観点 | 国公立大学院の傾向 | 私立大学院の傾向 |
|---|---|---|
| 学費水準 | 標準額でほぼ統一・総額を見通しやすい | 大学ごとの差が大きい |
| 定員・倍率 | 定員が少なく倍率が高くなりやすい | 定員が比較的多い大学院もある |
| 開講形態 | 昼間開講が中心の大学院が多い | 昼夜開講制を導入する大学院が多い |
上記はあくまで一般的な傾向であり、すべての大学院に当てはまるわけではありません。個別の大学院ごとに公式サイトで詳細を確認することが、比較の精度を高める近道です。
キャリアの方向性から逆算して選ぶ視点
公認心理師の資格取得後にどのような現場で働きたいかによって、大学院で重視すべきポイントも変わってきます。たとえば医療分野での勤務を志望する場合は病院との連携実績、教育分野を志望する場合はスクールカウンセリングの実習先が充実しているかなど、将来のキャリアから逆算して大学院を選ぶ視点も大切です。学費の比較と並行して、卒業後の進路実績やOB・OGの活躍分野についても大学院のパンフレットや公式サイトで確認しておくと、進学後のミスマッチを防ぎやすくなります。学費という数字だけでは見えない部分だからこそ、時間をかけて情報収集する価値があります。
大学院の学費を支える奨学金制度
大学院の学費は、貯蓄や家庭の支援だけでまかなうとは限りません。多くの大学院生が日本学生支援機構(JASSO)の奨学金や大学独自の制度を組み合わせて学費を用意しています。複数の制度を早めに調べておくことで、出願前から資金計画の見通しを立てやすくなります。ここでは代表的な奨学金制度の内容と、申し込み時に押さえておきたいポイントを紹介します。
日本学生支援機構(JASSO)の貸与型奨学金
JASSOの奨学金には、無利子の第一種奨学金と、有利子の第二種奨学金があります。第一種奨学金(修士課程相当)は月額50,000円または88,000円から選択でき、第二種奨学金は月額50,000円・80,000円・100,000円・130,000円・150,000円の中から選ぶことができます。第二種奨学金は在学中は無利子で、返還時に利息が加算される仕組みです。
| 種類 | 利子 | 月額の選択肢(修士課程相当) |
|---|---|---|
| 第一種奨学金 | 無利子 | 50,000円/88,000円 |
| 第二種奨学金 | 有利子(在学中は無利子) | 50,000円/80,000円/100,000円/130,000円/150,000円 |
いずれも家計基準・学力基準など出願要件があり、申し込み時期も決まっています。大学院に進学してから慌てないよう、学部在学中のうちに大学院進学者向けの予約採用制度の有無を確認しておくと安心です。
予約採用と在学採用の違い
JASSOの奨学金には、大学院に入学する前(学部の在学中)に申し込む「予約採用」と、大学院に入学してから申し込む「在学採用」の2つの申し込み方式があります。予約採用のほうが入学前に受給の見通しを立てやすいため、大学院進学を決めた段階で、在籍している学部の奨学金窓口に相談しておくとよいでしょう。在学採用でも進学後に申し込むことは可能ですが、選考の時期や必要書類は大学院ごとに異なるため、入学後のガイダンスで案内される締め切りを見逃さないようにしてください。
申請時に準備しておきたい書類
JASSOの奨学金や大学独自の奨学金を申請する際は、家計の状況を示す課税証明書や源泉徴収票、マイナンバー関連書類などの提出を求められるのが一般的です。必要書類の準備には時間がかかることがあるため、申し込み時期が近づいてから慌てないよう、進学が決まった段階で必要書類のリストを確認し、早めに取り寄せておくことをおすすめします。家族の協力が必要な書類もあるため、資金計画を家族と共有しておくことも申請をスムーズに進めるポイントです。
給付型奨学金と貸与型奨学金の違い
JASSOには返還が不要な給付型奨学金もありますが、大学院生(修士課程等)は原則として給付型奨学金の対象外で、多くの場合は貸与型(第一種・第二種)の利用を検討することになります。貸与型は修了後に返還義務が生じる点が、学部生向けの給付型奨学金と大きく異なるポイントです。返還は毎月一定額を長期にわたって行う仕組みが一般的で、在学中から将来の返還計画をイメージしておくと、卒業後の家計管理がしやすくなります。
大学独自の給付型奨学金・授業料免除制度
大学独自の奨学金は、成績優秀者を対象にした給付型のものから、家計急変者向けの授業料減免まで多様です。たとえば文教大学大学院では、人物・学力ともに優秀で学費の支弁が困難な学生に対して授業料の全額または一部を給付する制度があり、学部からの内部進学者には入学金の半額免除といった制度も用意されています。こうした制度は大学院ごとに名称や給付条件が異なり、成績要件だけでなく研究テーマや所属する研究科によって対象範囲が変わることもあります。給付人数が限られている制度も多いため、出願前の早い段階で募集時期と選考方法を確認しておくことをおすすめします。志望大学院の「学納金・奨学金」ページを出願前に確認し、応募条件と申請時期を把握しておくことをおすすめします。
特別選抜や研究奨励金との組み合わせ
社会人特別選抜で入学した場合に授業料の一部を減免する制度や、研究テーマによっては学内の研究奨励金を利用できる大学院もあります。複数の制度を組み合わせて活用することで、学費の自己負担を大きく減らせる可能性があります。公認心理師になるまでの全体ルートや社会人からの目指し方は公認心理師になるには?大学・大学院ルートと社会人からの目指し方を完全解説でも整理していますので、あわせて参考にしてください。
地方自治体・民間財団の奨学金も候補になる
JASSOや大学独自の制度以外にも、出身地の地方自治体や民間の財団法人が独自の奨学金制度を運営している場合があります。対象分野や地域が限定されている奨学金もあるため、心理系の大学院生を対象にした奨学金がないか、出身地の自治体窓口や大学のキャリアセンター・奨学金窓口に問い合わせてみるとよいでしょう。地域や分野を限定した奨学金は情報が広く出回っていないことも多いため、大学院の奨学金相談窓口に直接問い合わせてみるのも有効な方法です。募集人数が少なく競争が生じる制度もあるため、情報収集はできるだけ早い時期から始めることをおすすめします。心理系の資格取得を支援する専門職団体や学会が、会員向けに研究助成や奨学金制度を設けている場合もあるため、志望する研究領域に関連する学会の情報もあわせてチェックしておくと選択肢が広がります。指導教員や大学院の先輩に、自身が利用した奨学金・助成金について尋ねてみるのも、公式サイトだけでは分からない実践的な情報を得る方法のひとつです。
教育ローン・大学独自の授業料減免制度の活用法
奨学金だけでは学費が足りない場合や、入学時にまとまった金額が必要な場合には、教育ローンの活用も選択肢になります。代表的なのが日本政策金融公庫の「国の教育ローン(教育一般貸付)」です。奨学金と教育ローンは併用できるため、どちらか一方に絞らず組み合わせを検討するとよいでしょう。
国の教育ローン(日本政策金融公庫)の概要
融資限度額は子ども1人あたり350万円以内が基本ですが、自宅外通学・修業年限5年以上の大学の昼間部・大学院・海外留学のいずれかに該当する場合は450万円以内まで拡大されます。融資期間は18年以内で、固定金利が適用されます。金利は令和8年7月時点で年4.05%となっていますが、金利は改定されることがあるため、申し込み時には必ず最新の金利を公式サイトで確認してください。
民間の教育ローンとの違い
国の教育ローンは固定金利かつ長期返済が可能な点が特徴で、金融機関ごとの民間教育ローンと比べて金利が低めに設定されている場合があります。一方で、審査には所得要件や必要書類の準備が必要になるため、出願・入学のスケジュールから逆算して早めに申し込みの準備を進めることが重要です。民間の教育ローンは審査から融資までのスピードが速い商品もあるため、入学金の納付期限が迫っている場合には選択肢として検討する価値があります。銀行や信用金庫、労働金庫などが独自の教育ローン商品を扱っている場合もあり、勤務先の福利厚生で提携ローンが用意されていることもあるため、複数の選択肢を比較検討する価値があります。金利や保証料、繰上返済のしやすさは金融機関ごとに異なるため、国の教育ローンと民間ローンの両方をシミュレーションしたうえで、総返済額が少なくなる組み合わせを選ぶことをおすすめします。保護者が連帯保証人になるケースが多いため、家族と条件をよく話し合ったうえで申し込み先を決めることも大切です。
奨学金と教育ローンを組み合わせるときの考え方
JASSOの奨学金は入学後に振り込まれるため、入学手続き時に必要な入学金や初回の授業料には間に合わないことがあります。入学時に必要な資金は教育ローンで手当てし、在学中の生活費や授業料の一部は奨学金でまかなうというように、資金の性質に応じて使い分けるのも一つの方法です。奨学金は貸与型の場合、修了後に返還義務が生じるため、将来の収入見込みと返還計画をあらかじめ考えておくことも大切です。
大学独自の分納・延納制度
多くの大学院では、初年度納入金を一括ではなく分割で納付できる分納制度や、家計の事情に応じて納付時期を遅らせられる延納制度を設けています。中央大学の例のように、入学手続時・秋・翌年冒頭と分けて納付できる大学院もあり、入学手続き時に一度に用意すべき金額を抑えられる可能性があります。家計急変などやむを得ない事情がある場合は、申請によって納付期限そのものを延ばせる延納制度を用意している大学院もあります。まとまった資金を一度に用意するのが難しい場合は、出願前に志望大学院の学費ページで分納・延納制度の可否を確認しておくとよいでしょう。
学費を抑えながら公認心理師を目指すための考え方
学費だけを基準に大学院を選ぶことにはリスクもありますが、資金計画を立てずに出願することにもリスクがあります。複数の資金調達手段を組み合わせて考えることが、無理のない大学院選びにつながります。
併願で選択肢を広げる
国公立と私立を併願することで、合格した大学院の学費を比較したうえで進学先を決めることができます。国公立は入試の競争が激しくなりやすい一方、学費面での負担は抑えやすいため、私立を軸にしつつ国公立も視野に入れておくと選択肢が広がります。併願先を増やすと受験料の負担も増えるため、志望順位を明確にしたうえで出願校数を検討することも大切です。
通信制大学院という選択肢
公認心理師の指定科目に対応した大学院の中には、通信制を採用している大学院もあります。通信制大学院は対面型と比べて学費を抑えられる傾向があるとされていますが、実習や一部の科目はスクーリング(対面授業)が必須になるため、学費だけでなく通学の頻度や実習先の確保方法もあわせて確認する必要があります。働きながら通いやすい環境を重視する場合は、通信制と通学制の両方を比較したうえで、自分の生活スタイルに合う大学院を選ぶとよいでしょう。
働きながら学費を用意する選択肢
社会人特別選抜や昼夜開講制を利用すれば、収入を維持しながら学費を準備できます。JASSOの奨学金や国の教育ローンを併用しつつ、在職中に一定額を貯蓄しておくことで、進学後の資金繰りに余裕を持たせることができます。勤務先によっては教育訓練給付制度など公的な助成の対象になる講座もあるため、キャリアコンサルタントやハローワークに相談してみるのも一つの方法です。退職してから進学するか、在職しながら通うかによって、学費の資金計画は大きく変わります。退職して進学する場合は生活費も含めた資金計画が必要になるため、貯蓄額や奨学金・教育ローンの合計でどこまで2年間をまかなえるか、入学前に具体的なシミュレーションをしておくと安心です。在職しながら通う場合も、実習期間中は勤務調整が必要になることがあるため、勤務先の理解を得ておくことも資金計画とあわせて進めておきたい準備のひとつです。
入試対策と資金計画は並行して進める
研究計画書の作成や専門科目の対策に時間がかかる一方で、奨学金や教育ローンの申し込みには締め切りがあります。出願スケジュールを立てる段階で、学費の資金計画も同時に進めておくことをおすすめします。専門科目の対策や研究計画書の書き方など入試そのものの準備を効率的に進めたい場合は、公認心理師大学院受験対策コースのような大学院入試に特化した指導を活用するのも一つの方法です。
情報収集はできるだけ早く始める
学費・奨学金・教育ローンのいずれも、申し込みには締め切りがあり、審査にも一定の時間がかかります。大学院進学を考え始めた時点で情報収集をスタートすることで、出願直前になって資金繰りに追われる事態を避けられます。志望大学院が複数ある場合は、それぞれの学費・奨学金制度・分納の可否を一覧にまとめておくと、合格後の意思決定がスムーズになります。家族と資金計画を共有しておくことも、学業に集中するための土台になります。
よくある質問(FAQ)
公認心理師の大学院は2年間でいくらかかりますか?
大学によって幅がありますが、国立大学院の標準額では2年間で1,353,600円です。私立大学院は本記事で紹介した中央大学の例のように2年間で1,615,800円になるケースもあり、大学ごとに公式サイトで確認する必要があります。専攻やコースによっても金額が変わるため、志望校が決まったら早めに最新の学費ページをチェックしておきましょう。学費に加えて教科書代や実習の交通費、国家試験の受験手数料なども含めた「総費用」で考えることをおすすめします。自宅から通学できない場合は、家賃や引っ越し費用も加えた総額でシミュレーションしておくと、進学後の家計管理がしやすくなります。
国公立と私立ではどのくらい学費が違いますか?
国立大学院の標準額は入学料282,000円・年間授業料535,800円です。私立大学院は初年度納入金が90万円台から100万円を超える大学まで幅があり、国公立より初年度の負担が大きくなる大学院もあります。ただし本記事で紹介した実例のように、私立でも国公立に近い水準の大学院もあるため一括りにはできません。私立大学院の中には内部進学者向けの入学金優遇制度を設けている大学院もあり、出身大学によって実質的な負担が変わる場合もあります。
大学院の学費に実習費や教科書代は含まれますか?
大学が提示する学費には入学金・授業料・施設設備費が含まれるのが一般的で、教科書代や学会参加費、実習先までの交通費などは別途自己負担になることが多いです。実習にかかる費用の扱いは大学院ごとに異なるため、募集要項で個別に確認してください。
JASSOの奨学金は大学院生でも借りられますか?
利用できます。無利子の第一種奨学金は月額50,000円または88,000円、有利子の第二種奨学金は月額50,000円から150,000円の範囲で選択できます。出願には家計基準や学力基準があるため、進学前に大学院やJASSOの公式情報で条件を確認しておきましょう。学部在学中に申し込む予約採用と、大学院入学後に申し込む在学採用のどちらも利用できるため、進学が決まった時点で早めに相談することをおすすめします。貸与型のため修了後に返還義務が生じる点も踏まえ、月々の返還額を無理なく続けられるか、進学前にシミュレーションしておくと安心です。あわせて大学独自の給付型奨学金も候補に入れておくと、返還負担を抑えられる可能性があります。
国の教育ローンは大学院の学費にも使えますか?
使えます。日本政策金融公庫の教育一般貸付は、大学院に進学する場合、融資限度額が通常の350万円から450万円に拡大されます。固定金利で融資期間は18年以内ですが、金利は改定されることがあるため申し込み時に最新情報を確認してください。JASSOの奨学金と教育ローンは併用できるため、入学時に必要な資金は教育ローン、在学中の生活費は奨学金というように使い分けることも可能です。
社会人が働きながら学費を用意する方法はありますか?
社会人特別選抜や昼夜開講制を利用して収入を維持しながら通う方法や、JASSOの奨学金・国の教育ローンを組み合わせる方法があります。大学独自の授業料減免制度を設けている大学院もあるため、出願前に学納金・奨学金のページを確認しておくことをおすすめします。
学費が安い大学院を選ぶと公認心理師の合格率は下がりますか?
学費と国家試験の合格率に直接の因果関係を示すデータはありません。学費だけでなく、実習先の充実度やカリキュラム、研究室の指導体制など複数の観点から大学院を比較することが大切です。学費が抑えられている大学院でも、実習先ネットワークが充実しているケースは多くあります。国家試験の合格率は大学院ごとの指導方針や個人の学習量にも左右されるため、学費の高低だけで判断せず、複数の情報源から大学院ごとの特色を確認することをおすすめします。
大学院の学費以外にかかる費用(受験料・引っ越し費用など)はありますか?
大学院入試の受験料、修了後に受験する公認心理師国家試験の受験手数料28,700円、一人暮らしをする場合の家賃や引っ越し費用などが別途かかります。進学先が自宅から通える範囲かどうかも、総費用に大きく影響します。併願する大学院が増えるほど受験料の合計も膨らむため、出願校数を決める段階で見込んでおくとよいでしょう。研究や実習で使うパソコン・書籍代、学会参加費なども2年間で積み重なる費用のひとつです。国公立・私立を問わず、これらの付随費用は学費本体には含まれないことが多いため、余裕を持った資金計画を立てておくと安心です。
まとめ|公認心理師を目指す大学院の学費を正しく比較するために
公認心理師を目指す大学院の学費は、国公立か私立か、そして大学ごとの学納金体系によって大きく変わります。「学費」という一言でくくらず、入学金・授業料・施設設備費・実習にかかる費用・国家試験の受験手数料まで分けて把握することが、資金計画を立てるうえでの第一歩です。本記事のポイントを整理すると次のとおりです。
- 国立大学院の学費標準額は入学料282,000円・年間授業料535,800円で、2年間の総額は1,353,600円
- 私立大学院は大学ごとの差が大きく、本記事で紹介した実例では初年度納入金が93万円台から103万円台、2年間総額は160万円台になるケースもある
- 学費には入学金・授業料・施設設備費が含まれる一方、教科書代や実習にかかる交通費、国家試験の受験手数料28,700円などは別途必要
- JASSOの奨学金は第一種(無利子)が月額50,000円または88,000円、第二種(有利子)が月額50,000円から150,000円まで選択できる
- 国の教育ローンは大学院進学の場合、融資限度額が450万円まで拡大される
- 大学独自の授業料減免や内部進学者向けの入学金優遇など、大学ごとの制度もあわせて確認する価値がある
- 学費以外にも実習先ネットワークや昼夜開講の有無、指導教員との相性など、大学院ごとの環境の違いを確認することが重要
大学院ごとの学費は年度によって改定されることがあるため、最終的な金額は必ず志望校の最新の募集要項・公式サイトで確認してください。国公立か私立かで迷う場合は、学費の総額だけでなく、奨学金や教育ローンを組み合わせたときの毎月の負担感、そして実習先や研究室といった学びの環境まで含めて比較することをおすすめします。学費の資金計画と並行して、専門科目の対策や研究計画書の作成、面接対策まで一人で進めるのに不安がある場合は、専門の指導を活用するのも一つの方法です。特に社会人の方は、限られた時間の中で入試対策と資金計画の両方を進める必要があるため、効率的に情報を整理してくれる伴走者がいると安心感が違います。仕事と両立しながら独学で研究計画書や専門科目の対策を進めるのは負担が大きいため、早い段階で相談先を確保しておくことをおすすめします。大学院選びの視点をさらに深めたい方は、姉妹記事の公認心理師の大学院(第1区分)とは|選び方・入試科目・研究計画書・面接対策を徹底解説もあわせてご覧ください。学費という一つの物差しにとらわれすぎず、実習先の充実度や指導教員との相性、修了後のキャリアまで見据えて、自分に合った大学院を選んでいただければと思います。
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