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学校推薦型選抜とは?指定校・公募の違いと出願条件

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学校推薦型選抜とは、出身高等学校長の推薦に基づいて出願し、調査書を主な資料としながら、大学が能力・意欲・適性等を多面的に評価・判定する入試方法です。文部科学省の「令和9年度大学入学者選抜実施要項」では、一般選抜・総合型選抜と並ぶ3つの入試方法の一つとして位置づけられています。かつて「推薦入試」と呼ばれていた区分にあたり、高校の先生の推薦がなければ出願できないという点が、他の2方式との決定的な違いです。

この記事では、2027年度入試(令和9年度大学入学者選抜)の実施要項と、文部科学省が公表している最新の統計をもとに、学校推薦型選抜の全体像を整理します。具体的には、指定校型と公募型がどう位置づけられるのか、出願条件として何が求められるのか、出願と合格発表がいつなのか、そして一般選抜や総合型選抜と何が違うのかを、一次情報の条文と実数に沿って確認していきます。

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先に要点だけお伝えすると、押さえるべき数字は3つです。第一に、出願は11月1日以降、合格発表は12月1日以降というルール。総合型選抜(出願9月1日以降・発表11月1日以降)とは2か月ずれているため、ここを取り違えると準備の逆算が丸ごと狂います。第二に、募集人員は学部等の募集単位ごとの入学定員の5割以内という上限。第三に、2025年度入試の実績で学校推薦型選抜の入学者は221,415人にのぼり、大学入学者全体の約3割を占めるという規模です。

加えて、2027年度入試からは学校推薦型選抜でも面接による評価を必ず行うことになりました。ただしすべての区分が対象というわけではなく、例外と経過措置が細かく定められています。制度の骨格から日程、出願条件、2027年度の変更点までを順に見ていきましょう。総合型選抜そのものの仕組みについては、総合型選抜とは?仕組み・日程・評価基準を高校生向けに解説で詳しく整理していますので、あわせてご覧ください。

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目次

学校推薦型選抜とは?高校の校長推薦を前提に、調査書を主な資料として評価する入試

文部科学省が定める学校推薦型選抜の定義

学校推薦型選抜の定義は、文部科学省が毎年度定める「大学入学者選抜実施要項」に書かれています。2027年度入試に適用される令和9年度実施要項では、第3の1(3)に次のように示されています。すなわち、一般選抜とは異なる観点や方法により評価を行うという前提のもと、出身高等学校長の推薦に基づき、調査書を主な資料としつつ評価・判定する入試方法、という定義です。

ここで注目したいのは「調査書を主な資料としつつ」という一節です。調査書は高校が作成する公式の記録で、各教科の学習成績の状況(いわゆる評定)のほか、出欠の記録、特別活動の記録、指導上参考となる諸事項などが記載されます。学校推薦型選抜は、この3年間の積み重ねを土台に置いた入試だということが、条文の書きぶりからも読み取れます。

あわせて実施要項は、大学入学者選抜全体の基本方針として「学力の三要素」を適切に把握することを求めています。三要素とは、基礎的・基本的な知識・技能、思考力・判断力・表現力等、そして主体性を持ち多様な人々と協働しつつ学習する態度の3つです。学校推薦型選抜も、この三要素を評価する入試の一つとして設計されています。

「自分の意志だけでは出願できない」という構造

学校推薦型選抜のもっとも特徴的な点は、実施要項の同じ条文に置かれた「なお書き」に表れています。そこには、本選抜については入学志願者自らの意志のみで出願できるものではなく、特定の大学・学部等で教育を受けるにふさわしい能力・意欲・適性等を有する入学志願者を高等学校長が判断するものである、と明記されています。

これは総合型選抜との対比で理解すると分かりやすくなります。総合型選抜は同じ実施要項の第3の1(2)で「入学志願者自らの意志で出願できる公募制」と説明されており、志願者本人が記載する活動報告書や大学入学希望理由書、学修計画書等を必ず評価に活用することとされています。つまり、総合型選抜は本人が手を挙げる入試、学校推薦型選抜は学校が推す入試という構造の違いがあるのです。

この違いは、準備の進め方にもそのまま跳ね返ります。総合型選抜は志望校を自分で決めて出願書類を仕上げれば出願にたどり着けますが、学校推薦型選抜では、そもそも在籍する高校がその大学に推薦を出せる立場にあるか、そして校内で推薦を得られるかという段階を先に越える必要があります。志望校選びの前に、担任や進路指導の先生への相談が欠かせない理由がここにあります。

推薦要件は募集要項に具体的に示される

実施要項は大学側にも義務を課しています。学校推薦型選抜を実施する大学は、推薦要件を可能な限り具体的に設定し、募集要項等により示さなければならないとされているのです。「示さなければならない」という強い書きぶりが使われており、努力義務ではありません。

したがって、受験生が最初に見るべき一次情報は、志望校が公表する募集要項そのものです。推薦要件には、評定平均に関する条件、履修が必要な教科・科目、卒業見込みかどうか、既卒者を認めるか、部活動や資格に関する条件など、大学ごとに異なる内容が並びます。ネット上の一般論ではなく、志望校の募集要項に書かれた条件を読むことが出発点になります。

旧「推薦入試」との関係

2020年度入試まで「推薦入試」と呼ばれていた区分が、高大接続改革に伴う名称・区分の見直しによって現在の「学校推薦型選抜」になりました。同じタイミングで「AO入試」は「総合型選抜」に、「一般入試」は「一般選抜」に改められています。名称が変わっただけでなく、学力の三要素を多面的・総合的に評価するという観点から中身の改善も図られてきました。

高校の先生や保護者の方が「推薦」と呼ぶとき、指定校推薦を指している場合もあれば、学校推薦型選抜全体を指している場合もあります。話がかみ合わないときは、制度上の正式名称は学校推薦型選抜であり、その中に指定校型や公募型があるという構造を共有すると整理しやすくなります。

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学校推薦型選抜は3タイプに分かれる|指定校型・公募型・附属高校型の位置づけ

文部科学省の委託調査による4分類

実施要項は「学校推薦型選抜」という大きな枠を定めているだけで、その内訳を条文で分類しているわけではありません。実務上の分類を確認できるのが、文部科学省の委託調査「大学入学者選抜の実態の把握及び分析等に関する調査研究」(令和8年2月報告書)です。この調査では、学校推薦型選抜を次の4つに分けて集計しています。

  • 公募型…大学が定める出願要件を満たし、かつ所属学校の推薦を得られれば、誰でも出願できる学校推薦型選抜
  • 附属高校…大学の附属高校(大学と同一法人)の生徒のみが出願できる学校推薦型選抜
  • 指定校…大学が指定した学校の生徒のみが出願できる学校推薦型選抜(附属高校を除く)
  • その他…上記以外の学校推薦型選抜

受験生の間で「指定校推薦」「公募推薦」と呼ばれているものは、この分類の指定校型・公募型にあたります。いずれも学校推薦型選抜という同じ傘の下にあるため、出願は11月1日以降といった日程ルールや、学校長の推薦が前提であるという性格は共通しています。

入学者ベースでは指定校型が過半を占める

この分類で入学者数を集計した結果が、同調査の図表3-7です。大学全体(対象219,502人)の内訳は次のとおりでした。

区分公募型附属高校指定校その他
大学全体(n=219,502)30.4%13.4%53.1%3.1%
国立大学(n=12,695)98.4%0.1%0.1%1.4%
公立大学(n=9,728)90.3%0.7%7.2%1.8%
私立大学(n=197,079)23.1%14.9%58.8%3.3%

大学全体で見ると、学校推薦型選抜の入学者の53.1%が指定校型で入学しています。公募型は30.4%、附属高校型は13.4%です。「学校推薦型選抜=公募推薦」というイメージで語られることがありますが、実際の人数の重心は指定校型にあるということになります。

国公立と私立で景色がまったく違う

上の表でもう一つ目を引くのが、設置区分による差の大きさです。国立大学では公募型が98.4%を占め、指定校型は0.1%にとどまります。公立大学でも公募型が90.3%です。一方で私立大学は指定校型が58.8%、附属高校型が14.9%で、公募型は23.1%にとどまります

つまり、国公立大学を志望する場合、学校推薦型選抜はほぼ公募型を意味します。私立大学を志望する場合は、指定校型・附属高校型・公募型のどれを狙うのかで、準備の内容も出願できるかどうかの前提条件もまるで変わります。「学校推薦型選抜を受けたい」と考えたら、まず志望校の設置区分とタイプを確かめるところから始めてください。

3タイプの位置づけを一枚で整理する

タイプごとの性格をまとめると次のようになります。細かな運用は大学と高校によって異なるため、ここでは全体像の把握にとどめ、詳細は志望校の募集要項と高校の進路指導で確認してください。

タイプ出願できる人校内での手続き主に見られる資料
指定校型大学が指定した高校の在籍者のみ校内選考を通過する必要がある調査書・推薦書・面接
公募型大学の出願要件を満たし学校長の推薦を得られる人推薦を得る手続きが必要調査書・推薦書・小論文・面接など
附属高校型大学と同一法人の附属高校の在籍者学内の基準による調査書・推薦書・面接など

指定校型では、大学に出願する前に高校の中で候補者を絞る校内選考が行われるのが一般的です。校内選考の基準や時期は高校ごとに定められており、公表の仕方も学校によって異なります。校内選考の詳細は必ず在籍校の進路指導で確認し、一般的な情報で判断しないようにしてください。

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学校推薦型選抜の出願条件|学校長の推薦・評定平均・推薦要件の確認方法

出願条件の土台は「学校長の推薦」

学校推薦型選抜の出願条件は大学ごとに異なりますが、共通する土台は学校長の推薦です。実施要項の定義がそもそも「出身高等学校長の推薦に基づき」と書かれている以上、推薦が得られなければ出願そのものが成立しません。志望校の出願要件を満たしていても、校内で推薦を得られなければ受験にはたどり着けない、という構造になっています。

推薦にあたって高校が作成するのが推薦書です。実施要項の第3の1(3)③は、推薦書の中に、大学・学部等のアドミッション・ポリシーに対応する志願者本人の学習歴や活動歴を踏まえた学力の三要素に関する評価についての記載を求めています。加えて、生徒の努力を要する点などその後の指導において特に配慮を要するものがあれば、その内容の記載も求められます。推薦書は形式的な書類ではなく、評価の一部として読まれる資料だということです。

評定平均(学習成績の状況)はどう使われるか

受験生がもっとも気にするのが評定平均でしょう。調査書における正式な欄の名称は「3.各教科の学習成績の状況」です。前述の委託調査によると、高校等の教科の評定平均値を利用する選抜区分の割合は、選抜方式ごとに次のように異なります。

資料一般選抜(n=35,002)総合型選抜(n=21,692)学校推薦型選抜(n=21,106)
高校等の調査書(全般的利用)64.3%84.3%91.7%
高校等の教科の評定平均値32.2%63.8%83.4%
探究的な学習成果等に関する資料21.0%38.1%34.4%

学校推薦型選抜では、83.4%の選抜区分で評定平均値が使われています。さらに重要なのが使われ方です。同じ調査によれば、評定平均値を利用する学校推薦型選抜のうち42.0%は「出願資格」として、19.8%は「得点化」して用いています。一方、総合型選抜では総合評価が20.0%、得点化が16.9%で、出願資格としての利用は上位に挙がっていません。

ここが両制度の実務上の分かれ目です。総合型選抜では評定平均が低くても他の評価で挽回できる設計の区分が多いのに対し、学校推薦型選抜では評定平均が出願の可否そのものを決める基準になりやすいのです。高1・高2の定期テストの積み重ねが、そのまま出願できる大学の範囲を決めることになります。

大学は教科・科目を指定して評定を出願要件にできる

この運用には実施要項上の根拠があります。第5の2(2)には、大学は「重要と判断する教科・科目を指定し、単位修得や一定水準以上の具体的な評定の獲得を出願要件等として求めることができる」と明記されています。全体の評定平均だけでなく、特定の教科・科目の評定を条件にできるということです。

実際、理系学部で数学や理科の評定を、外国語学部で英語の評定を条件に挙げる例が見られます。学部の性格に直結する科目の成績が指定されやすいため、志望分野が固まっている場合は、その分野に関わる科目の評定を落とさないことが実質的な出願条件対策になります。

なお、必要な評定平均の水準は大学・学部・選抜区分ごとに定められており、全国共通の基準はありません。「4.0以上あれば足りる」といった一般論を鵜呑みにせず、志望校の募集要項に書かれた数値で判断してください。同じ大学でも学部や年度によって条件が変わることがあります。

調査書で見られるのは評定だけではない

評定平均に目が行きがちですが、実施要項は調査書の使い方についてもう一歩踏み込んだ指示を出しています。第5の2(1)は、調査書の「3.各教科の学習成績の状況」だけではなく、調査書の他の記載事項も有効に活用することを求めています。出欠の記録、総合的な探究の時間の内容、特別活動の記録、指導上参考となる諸事項などが、評価の材料になり得るということです。

さらに第5の2(4)②では、特に総合型選抜および学校推薦型選抜において、評価の方法や重み付け等に配慮し、個々の入学志願者の成果獲得に向けた努力のプロセスや、入学を志願する大学で学ぼうとする意欲を多面的・総合的に評価するなどの工夫に配慮するとされています。あわせて、大学は推薦書や志願者本人が記載する資料においてこれらの努力のプロセス等について記載を求めるなど評価方法を定め、その内容を募集要項等で周知することとされています。

実際、委託調査でも学校推薦型選抜で探究的な学習成果等に関する資料を利用する選抜区分は34.4%にのぼります。探究活動の記録は評定に次ぐ材料になりつつあると考え、何にどう取り組んだかを自分の言葉で説明できる状態にしておくと、面接や書類で使える材料が増えます。

出願条件を確認する手順

出願条件の確認は、次の順序で進めると漏れが出にくくなります。

  1. 在籍校に志望大学の指定校枠があるかを進路指導室で確認する
  2. 志望校の募集要項で、公募型の推薦要件(評定・履修科目・現役か既卒か等)を読む
  3. 専願か併願可かを募集要項で確認する
  4. 推薦書・調査書以外に必要な提出書類(志望理由書、活動報告書など)を洗い出す
  5. 出願期間と発表日を書き出し、一般選抜の準備と重ならないか確認する

実施要項の第7の1により、各大学は個別テストの実施教科・科目や評価方法などの基本的な事項を選抜区分ごとに決定し、令和8年5月27日から7月31日までに発表することとされています。募集要項そのものは令和8年12月15日までの発表と定められていますが、学校推薦型選抜は11月に出願が始まるため、実際にはそれより早く公表されるのが通例です。夏には志望校の入試方法が確認できると考えて、逆算の計画を立てるとよいでしょう。

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学校推薦型選抜の日程|出願は11月1日以降、合格発表は12月1日以降(2027年度入試)

2027年度入試の日程ルール

学校推薦型選抜の日程は、実施要項の第4の5に定められています。2027年度入試(令和9年度大学入学者選抜)については、次のとおりです。入学願書受付を令和8年(2026年)11月1日以降とし、その判定結果を令和8年12月1日以降で一般選抜の試験期日の10日前まで(学校推薦型選抜で大学入学共通テストを活用する場合は前日までのなるべく早い期日)に発表する、と規定されています。

ここを総合型選抜と取り違えるケースが少なくありません。総合型選抜の日程は第4の4に別途定められており、出願は令和8年9月1日以降、発表は令和8年11月1日以降です。両者は出願・発表ともにちょうど2か月ずれています。「11月1日」という日付は、総合型選抜では合格発表の解禁日、学校推薦型選抜では出願の解禁日という、まったく別の意味を持つことになります。

総合型選抜・一般選抜との日程比較

2027年度入試の主な日程を並べると、年内から年明けにかけての流れが見えてきます。

選抜方式出願受付合格発表根拠
総合型選抜2026年9月1日以降2026年11月1日以降実施要項 第4の4
学校推薦型選抜2026年11月1日以降2026年12月1日以降※実施要項 第4の5
一般選抜(個別試験)試験期日に応じて設定2027年3月31日まで実施要項 第4の2

※学校推薦型選抜の発表は、一般選抜の試験期日の10日前までに行うこととされています。共通テストを活用する場合は共通テスト前日までのなるべく早い期日です。なお、一般選抜の個別試験期日は2027年2月1日から3月25日までの間、大学入学共通テストの本試験は2027年1月16日・17日、追試験は1月23日・24日と定められています。

個別テストは2月1日より前に実施できる

学校推薦型選抜でも、教科・科目に係る個別テストを課すことができます。実施要項の第4の5は、第3の1(3)に記載の事項を遵守した上で、個別テストを令和9年2月1日よりも前に実施することができるとしています。ただし、その場合は高等学校教育に対する影響や入学志願者に対する負担に十分配慮することが求められています。

さらに第4の3により、小論文・面接・実技検査等や志願者本人が記載する資料等を用いた評価は、2月1日より前から実施することができます。実際には11月から12月にかけて小論文や面接が行われる大学が多く、学校推薦型選抜の勝負どころは年内に集中します

高校3年生の1年間の動き

日程ルールを高校3年生の1年に置き換えると、次のような流れになります。学校や志望校によって前後しますので、あくまで目安として捉えてください。

  • 4月〜6月…志望校と選抜方式の候補を絞る。1学期の成績が評定に反映されるため定期テスト対策を継続する
  • 5月下旬〜7月…各大学が入試方法を発表する。志望校の推薦要件と評価方法を確認する
  • 7月〜9月…指定校枠の希望調査や校内選考が行われる時期。志望理由書の骨子を作り始める
  • 9月〜10月…推薦書・調査書の準備を高校と進める。小論文・面接の演習を始める
  • 11月…出願開始。面接・小論文などの試験が実施される
  • 12月…合格発表。不合格の場合は一般選抜へ切り替える

注意したいのは、校内選考の時期が出願解禁より前に来る点です。11月1日に間に合えばよいわけではないため、夏休み前後には志望と書類の準備が固まっている状態が望ましくなります。

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学校推薦型選抜の選考方法|推薦書・調査書・小論文・面接で何が見られるか

出願書類だけで合否は決まらない

「推薦だから書類だけで決まる」という理解は、現在の制度には当てはまりません。実施要項の第3の1(3)②は、学校推薦型選抜について、高等学校の学習成績の状況など調査書・推薦書等の出願書類だけではなく、第6の1から4に掲げる評価方法のうち少なくともいずれか一つを必ず活用し、その旨を募集要項に記述する、と定めています。

第6の1から4に掲げる評価方法とは、次の4つです。

  1. 教科・科目に係る個別テスト(大学が独自に実施する学力試験)
  2. 大学入学共通テスト
  3. 小論文・面接・実技検査等
  4. 資格・検定試験等の成績

言い換えれば、学力を測る評価方法が最低1つは必ず課されるということです。なお、1の個別テストを活用する場合は、各大学における学修に必要な範囲で高等学校段階での基礎的な学習の成果を問うものとし、他の評価方法との間でバランスの取れた配分で判定に活用することとされています。

実際に使われている評価方法の割合

では、実際にはどの評価方法が使われているのでしょうか。文部科学省の委託調査で学校推薦型選抜の学力把握措置を集計した結果(大学全体・複数回答)は次のとおりです。

評価方法学校推薦型選抜(n=21,106区分)参考:総合型選抜(n=21,692区分)
書面(推薦書など)95.2%83.5%
高校等における学習成果95.4%87.0%
面接・討論等77.4%92.6%
小論文等32.0%42.9%
資格・検定試験の成績28.2%43.6%
活動歴・顕彰・表彰23.0%34.7%
個別学力検査19.2%15.4%
大学入学共通テスト5.6%2.6%

書面と高校での学習成果がいずれも95%台で並ぶ一方、小論文は32.0%、個別学力検査は19.2%です。学校推薦型選抜の中心は書類と面接で、学科試験を課す区分は少数派だと読み取れます。ただし少数派とはいえ、共通テストを利用しない区分のうち20.2%は個別学力検査を実施しているとも報告されており、志望校次第では学力試験の対策が必要になります。

推薦書・志望理由書で書かれること

書類の内訳を見ると、学校推薦型選抜らしさがさらにはっきりします。同じ調査の集計では、推薦書等を利用する選抜区分の割合は一般選抜1.5%、総合型選抜14.1%に対して、学校推薦型選抜は89.6%です。逆に、大学入学希望理由書・学修計画書等の利用は総合型選抜77.7%に対して学校推薦型選抜68.4%、活動報告書は総合型選抜31.3%に対して学校推薦型選抜18.0%となっています。

つまり、学校推薦型選抜は「学校が書く書類」の比重が高い入試です。とはいえ志望理由書が不要というわけではなく、7割近い区分で本人が書く書類が使われています。実施要項の第6の5(3)は、特に総合型選抜や学校推薦型選抜においては、志願者本人が記載する資料に関するプレゼンテーションなどにより積極的に活用する、としています。書いた内容は面接で掘り下げられる前提で準備しておくのが安全です。

志望理由の組み立て方そのものは、大学入試でも編入学試験でも共通する部分があります。構成の型や具体例の入れ方については、大学編入向けに書いた大学編入志望理由書の添削ガイド|受かる構成と例文の考え方が参考になります。対象は異なりますが、「なぜこの大学か」を論理的に示す手順は流用できます。

資格・検定試験の成績が使われる場合

第6の1から4に挙げられた評価方法のうち、見落とされやすいのが4番目の資格・検定試験等の成績です。学校推薦型選抜では28.2%の選抜区分でこれが活用されています。実施要項の第6の4は、英語について「聞く」「読む」「話す」「書く」の4技能を測ることのできる資格・検定試験等の結果を活用することを望ましいとしており、実用英語技能検定やTOEFLなどが例示されています。

活用の仕方は大学によって異なります。出願要件として一定のスコアを求める場合もあれば、得点に換算する場合もあります。実施要項は、具体的な活用方法(例えば個別テストの成績に代えて資格・検定試験等の結果を用いる場合の得点の換算方法など)を分かりやすい形で入学志願者に明らかにすることを大学に求めています。志望校が英語資格を使う可能性があるなら、高2のうちに受験計画を立てておくと選択肢が広がります。

あわせて実施要項は、家庭環境や居住地域により資格・検定試験等を受検する負担が大きい志願者の公平性に配慮するため、資格・検定試験等の結果を利用しない選抜区分を設けることや、個別テストの成績と資格・検定試験等の結果のいずれか有利となる方を選択的に利用することなどの措置を望ましいとしています。資格がないと出願できないとは限らないため、募集要項で扱いを確認してください。

小論文・学力検査が課される場合

小論文が課される場合、実施要項の第6の3に留意点が置かれている点は知っておくとよいでしょう。小論文・面接・実技検査等は第6の1(教科・科目に係る個別テスト)と異なる評価方法として規定されている趣旨を踏まえ、専ら教科・科目に係る知識を問うことにならないように留意しなければならないとされています。教科の知識を小論文の形式で問うような出題は想定されていないということです。

とはいえ、学部の学びに関わるテーマについて、資料を読み解いて自分の考えを論理的に述べる力は求められます。過去問や出題テーマが公表されている大学も多いので、志望校の傾向を確認した上で、書く分量と時間配分を体に入れておくと当日の負担が軽くなります。

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2027年度入試からの変更点|学校推薦型選抜でも面接が原則必須になる

通知に書かれた変更点

2027年度入試には、学校推薦型選抜を受ける人にとって見逃せない変更があります。令和8年5月27日付けの文部科学省高等教育局長通知(8文科高第318号)は、令和9年度大学入学者選抜実施要項の主な変更点として、入学志願者の能力・意欲・適性等を多面的・総合的に評価・判定する総合型選抜及び学校推薦型選抜の趣旨に鑑み、面接による評価を必ず行うこととしたと記しています。

この変更は総合型選抜だけの話ではありません。実施要項本体でも、学校推薦型選抜を定めた第3の1(3)①に、志望する学問分野に対する意欲や適性等に係る面接(ディベート、集団討論、プレゼンテーション、口頭試問等を含む。オンラインによる実施を含む。)による評価を必ず行う、と明記されています。面接の必須化は学校推薦型選抜にも及びます。あわせて、入学志願者の障害等の特性に配慮することも求められています。

影響の大きさは、前掲の委託調査から推し量ることができます。面接を利用する選抜区分の割合は、学校推薦型選抜で72.3%でした。総合型選抜の86.5%、一般選抜の14.9%と比べると中間の水準です。裏を返せば、これまで面接を行っていなかった区分が3割近くあったことになり、今後はそうした区分にも面接が入ってくることになります。

非公募型で入学を確約する場合の例外

ただし、例外が明示されています。通知および実施要項第3の1(3)①のただし書きによれば、高等学校との緊密な連携により、意欲や適性等を含め丁寧なマッチングが図られていると考えられる非公募型の学校推薦型選抜であって、合格した際には入学することを入学志願者が確約して受験するものについては、大学の実情に応じて面接の要否を判断することができます。

ここは正確に読む必要があります。例外にあたるのは「非公募型であること」と「合格した場合の入学を確約して受験するものであること」の両方を満たす区分です。指定校型や附属高校型はこの条件に当てはまりやすい一方、公募型にはこの例外は適用されません。また、例外に当たる場合でも面接をしてはいけないわけではなく、要否を大学が判断できるという規定です。志望校が面接を課すかどうかは、募集要項で確認してください。

この点は総合型選抜と扱いが異なります。総合型選抜は「入学志願者自らの意志で出願できる公募制」と定義されており、非公募型という類型がそもそも存在しないため、面接の要否を大学が判断できるという例外規定も置かれていません。例外があるのは学校推薦型選抜の側だけだと理解しておくとよいでしょう。

令和11年度までの経過措置

もう一つ押さえておきたいのが経過措置です。実施要項の第14(備考)は、この要項が令和8年度に実施する令和9年度大学入学者選抜に適用されるとした上で、令和9年度大学入学者選抜における総合型選抜または学校推薦型選抜のうち、令和8年度に既に実施されていた選抜区分であって、第3の1(2)または(3)に則って令和9年度から面接を導入することが難しいものについては、遅くとも令和11年度大学入学者選抜までに面接を導入するとしています。

令和11年度大学入学者選抜は2029年度入試にあたります。したがって、2027年度入試の時点では面接を実施しない既存の区分が残る可能性があります。「必ず面接がある」と決めつけるのではなく、志望校の募集要項で実際の選考方法を確認するという原則は変わりません。

学力検査に偏った運用への是正要請

同じ通知には、運用面の是正要請も書かれています。令和8年度大学入学者選抜について、一部の大学の総合型選抜および学校推薦型選抜において、2月1日より前に実施される教科・科目に係る個別テストの配点割合が著しく高い、または他の要素が点数化されていないなどにより、実質的に学力検査の成績に大きく偏って合否判定が行われている等、趣旨に合わない事例が見受けられたとされています。これを受けて、大学入学者選抜協議会により各国公私立大学長に対する「大学入学者選抜実施要項の遵守についてのお願い」が取りまとめられました。

この指摘は、受験生から見れば「学力だけで決まる推薦」が是正され、書類と面接を含む多面的な評価へ戻る方向を意味します。学科試験の対策だけを進めていればよいという状況にはなりにくいと考え、書類と面接の準備を並行させておくのが現実的です。面接そのものの答え方の型については、大学編入の面接対策|質問例と志望理由の答え方で扱っている考え方が、高校生の面接にも応用できます。

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数字で見る学校推薦型選抜|入学者の約3人に1人、募集人員は入学定員の5割まで

令和7年度の実数で規模をつかむ

文部科学省が令和7年11月26日に公表した「令和7年度国公私立大学入学者選抜実施状況」から、学校推薦型選抜の規模を確認します。調査対象は778大学2,661学部、令和7年5月1日現在の集計です。

区分実施大学・学部数入学志願者数合格者数入学者数
国立大学76大学304学部31,953人12,714人12,706人
公立大学97大学213学部23,032人9,753人9,732人
私立大学599大学1,999学部480,971人287,117人198,977人
合計772大学2,516学部535,956人309,584人221,415人

同じ調査で、大学入学者の総数は648,430人です。ここから単純に計算すると、学校推薦型選抜による入学者は全体の約34.1%にあたります。総合型選抜は126,766人で約19.5%、一般選抜は300,249人で約46.3%です。学校推薦型選抜と総合型選抜を合わせた、いわゆる年内入試の入学者は約53.7%となり、大学入学者の半数を超えます。

学校推薦型選抜を実施している大学は772校で、調査対象778大学のほぼすべてにあたります。入学者数で見ると学校推薦型選抜は総合型選抜の約1.75倍の規模で、年内入試の主役は学校推薦型選抜だといえます。

募集人員は入学定員の5割を超えない

ここで、総合型選抜には存在しない制約に触れておきます。実施要項の第8の2は、学校推薦型選抜の募集人員について、附属高等学校長からの推薦に係るものも含め、学部等募集単位ごとの入学定員の5割を超えない範囲において各大学が定めると規定しています。短期大学については、学校推薦型選抜以外の入試方法における受験機会の確保にも配慮して各短期大学が適切に定めることとされています。

実施要項の第8を通読しても、総合型選抜には同様の募集人員の上限は置かれていません。上限が定められているのは学校推薦型選抜だけだという点は、制度の構造を理解するうえで重要です。学校長の推薦という限定された経路で入学者の大半が決まってしまわないよう、制度側でブレーキがかけられていると読むことができます。

国公立と私立で比率が大きく異なる

設置区分別に入学者の比率を計算すると、景色の違いがはっきりします。文部科学省の実施状況データから算出すると、学校推薦型選抜による入学者の比率は国立大学で約12.7%、公立大学で約26.9%、私立大学で約38.8%です。私立大学では入学者の4割近くが学校推薦型選抜による入学者ということになります。

この差は、前述した指定校型の分布とも符合します。私立大学は指定校型と附属高校型で入学者の7割強を占めており、高校との継続的な関係を通じて入学者を確保する仕組みが機能しています。国公立大学ではほぼ公募型のみで、募集人員も相対的に小さいのが実情です。

数字を読むときの注意点

公表データを読む際は、文部科学省が付けている注記も確認しておく必要があります。入学志願者数・受験者数・合格者数は延べ数であること、通信教育課程と学士編入学選抜は含まないことが明記されています。さらに、今年度の数値には外国人留学生を対象とする選抜を含むこと、令和7年度実施要項での区分再整理により、令和6年度入学者選抜の数値との比較はできないとされています。前年比の増減として語られている情報を見かけたら、出典と注記を確かめる習慣を持ってください。

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一般選抜・総合型選抜との違いと、学校推薦型選抜の選び方

3つの選抜方式の違いを比較する

ここまでの内容を、3つの選抜方式の比較として整理します。いずれも実施要項の第3・第4・第8に基づく2027年度入試の内容です。

比較項目学校推薦型選抜総合型選抜一般選抜
出願の起点出身高等学校長の推薦志願者本人の意志(公募制)志願者本人の意志
主な資料調査書詳細な書類審査と丁寧な面接等学力検査、小論文等
出願受付2026年11月1日以降2026年9月1日以降試験期日に応じて設定
合格発表2026年12月1日以降2026年11月1日以降2027年3月31日まで
募集人員の上限入学定員の5割以内実施要項に定めなし実施要項に定めなし
面接の扱い(2027年度〜)原則必須(非公募型かつ入学確約の区分は大学判断)必須組み合わせる資料の一つ

この表で最初に確認したいのは1行目です。出願の起点が本人か学校かという違いが、日程の違いにも書類の比重の違いにもつながっています。総合型選抜の中身をさらに詳しく知りたい場合は、総合型選抜とは?仕組み・日程・評価基準を高校生向けに解説で評価基準や選考方法まで掘り下げていますので、そちらをご覧ください。

専願か併願かで戦略が変わる

もう一つ、進路計画を左右するのが専願か併願かです。文部科学省の委託調査は、私立大学の学校推薦型選抜(18,819選抜区分)について、併願の可否を種類別に集計しています。

種類専願他校併願可第1志望学内のみ併願可
公募型(n=6,814)34.4%59.1%4.4%1.7%
附属高校(n=4,224)69.2%22.3%2.6%0.2%
指定校(n=5,760)93.4%0.9%4.9%0.3%
その他(n=2,021)84.0%10.4%1.6%1.3%

指定校型は93.4%が専願で、他大学との併願を認める区分は0.9%にとどまります。一方、公募型は59.1%が他校併願可で、専願は34.4%です。同じ学校推薦型選抜でも、指定校型は「合格したらそこに進学する」前提の入試、公募型は併願しながら受けられる場合が多い入試という違いがあることになります。ここでいう専願とは、原則として当該区分のみの出願しか認めていないという意味です。

学校推薦型選抜が向いている人・慎重に考えたい人

ここまでの制度の特徴を踏まえると、学校推薦型選抜が力を発揮しやすいのは次のようなタイプです。

  • 高1から定期テストに継続して取り組み、評定平均を安定して積み上げてきた
  • 志望する分野が固まっており、面接でその理由を自分の言葉で説明できる
  • 在籍校に志望大学の指定校枠があり、校内での実績が評価されている
  • 年内に進路を決め、入学までの時間を次の学びに充てたいと考えている

逆に、次のような場合は慎重に検討したほうがよいでしょう。評定平均が出願要件に届いていない場合は、そもそも出願できない可能性があります。志望校が固まっていない段階で専願の区分に出願すると、合格後に進路を選び直しにくくなります。学力試験で勝負したい場合は、一般選抜のほうが持ち味を出せることもあります。向き不向きは学力の高低ではなく、評価される要素との相性で考えるのが実際的です。

学年別にやっておきたいこと

学校推薦型選抜は、準備の始まりが他の方式より早い入試です。学年ごとの動き方を整理しておきます。

  • 高校1年生…評定は1年生の成績から積み上がります。定期テストと提出物を安定させることが、出願できる大学の範囲を広げる最短の方法です。興味のある分野の本や講演に触れ、探究のテーマの種を持っておくと後の書類で効きます
  • 高校2年生…志望分野を絞り始める時期です。総合的な探究の時間の課題研究に本腰を入れ、記録を残しておきます。英語資格を使う可能性があるなら、この学年のうちに受験しておくと余裕が生まれます
  • 高校3年生の前半…5月末から7月末にかけて各大学が入試方法を発表します。志望校の推薦要件・選考方法・専願か併願かを読み込み、指定校枠の有無を進路指導室で確認します
  • 高校3年生の後半…校内選考、推薦書と調査書の準備、志望理由書の作成、小論文と面接の演習が重なります。一般選抜の学習も並行して継続します

この流れで見ると、高3から始められる作業は書類と面接の仕上げだけだと分かります。評定と探究の記録は前の学年の行動の結果として決まっているためです。高1・高2の段階でこの記事を読んでいる場合は、今の授業への向き合い方がそのまま入試の準備になっていると考えてください。

不合格だった場合と、入学後の進路変更

学校推薦型選抜で不合格になった場合でも、一般選抜を受験することはできます。ただし合格発表が12月以降であるため、結果が出てから一般選抜の対策を始めるとなると準備期間は限られます。専願の区分に出願する場合ほど、一般選抜の学習を並行して続けておくことが安全策になります。実施要項でも、学校推薦型選抜の発表は一般選抜の試験期日の10日前までとされており、切り替えの時間は長くありません。

入学後に学びたいことが変わった場合には、大学編入学という選択肢もあります。仕組みや必要な準備については大学編入とは?仕組み・難易度・費用・スケジュールを徹底解説【完全ガイド】で整理しています。入試の時点で進路を一つに固定しなければならないわけではない、という前提を知っておくと、志望校選びの視野が広がります。

なお、学校推薦型選抜は書類・小論文・面接という、一人では完成度を判断しにくい要素で評価が決まります。校内選考の準備から出願書類、面接の受け答えまでを体系的に見てほしい場合は、総合型選抜・学校推薦型選抜の対策に特化したアドミのオンライン指導のような専門のサポートを検討するのも一つの方法です。

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よくある質問(FAQ)

学校推薦型選抜と指定校推薦は何が違いますか?

指定校推薦は、学校推薦型選抜という制度の中の一つのタイプです。文部科学省の委託調査の分類では、大学が指定した学校の生徒のみが出願できるものを「指定校」と呼び、出願要件を満たして所属学校の推薦を得られれば誰でも出願できるものを「公募型」と呼びます。両者は同じ学校推薦型選抜なので、出願は11月1日以降という日程ルールや、学校長の推薦が前提である点は共通しています。違いは出願できる対象者の範囲と、校内での手続きの有無です。

学校推薦型選抜に評定平均は必要ですか?

多くの場合、必要です。文部科学省の委託調査によると、学校推薦型選抜では83.4%の選抜区分で教科の評定平均値が利用されており、そのうち42.0%は出願資格として使われています。実施要項の第5の2(2)も、大学が重要と判断する教科・科目を指定し、一定水準以上の評定の獲得を出願要件等として求めることができると定めています。必要な水準は大学・学部・年度によって異なるため、志望校の募集要項で確認してください。

学校推薦型選抜は他の大学と併願できますか?

区分によって異なります。私立大学を対象とした委託調査では、公募型の59.1%が他校併願可である一方、指定校は93.4%が専願でした。専願とは、原則としてその区分のみの出願しか認めていないという意味です。併願の可否は募集要項に明記されていますので、出願前に必ず確認してください。

学校推薦型選抜と総合型選抜は両方受けられますか?

制度上、両方の選抜方式に出願することは禁じられていません。総合型選抜の出願は9月1日以降・発表は11月1日以降、学校推薦型選抜の出願は11月1日以降・発表は12月1日以降ですので、日程としては続けて受けることも可能です。ただし専願の区分に合格した場合は入学が前提となり、その後の出願が制限されることがあります。各大学の募集要項に書かれた条件を確認したうえで組み立ててください。

学校推薦型選抜でも学力試験や共通テストはありますか?

あります。実施要項の第3の1(3)②により、大学は出願書類だけでなく、教科・科目に係る個別テスト、大学入学共通テスト、小論文・面接・実技検査等、資格・検定試験等の成績のうち、少なくとも一つを必ず活用することとされています。実際の割合は、小論文等が32.0%、個別学力検査が19.2%、大学入学共通テストが5.6%です。学科試験を課す区分は多数派ではありませんが、志望校によっては必要になります。

学校推薦型選抜に落ちたら一般選抜は受けられますか?

受けられます。ただし合格発表が12月1日以降で、一般選抜の試験期日の10日前までに発表されるルールになっているため、結果が出てからの準備期間は限られます。共通テストは2027年1月16日・17日、一般選抜の個別試験は2027年2月1日から3月25日までの間です。学校推薦型選抜に出願する場合も、一般選抜に向けた学習は並行して続けておくことをおすすめします。

学校推薦型選抜の準備はいつから始めればよいですか?

評定平均が出願要件に関わるため、実質的な準備は高1の定期テストから始まっています。学校推薦型選抜を意識するなら、高2までに評定を安定させ、高3の1学期には志望校の推薦要件を確認しておくとよいでしょう。各大学は入試方法を令和8年5月27日から7月31日までに発表することとされているため、夏には志望校の選考方法が確認できます。校内選考は出願解禁の11月より前に行われるのが一般的です。

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まとめ|学校推薦型選抜とは何かを一枚で整理する

学校推薦型選抜とは、出身高等学校長の推薦に基づいて出願し、調査書を主な資料として評価・判定する入試方法です。2027年度入試の制度を、要点として整理します。

  • 定義…出身高等学校長の推薦に基づき、調査書を主な資料としつつ評価・判定する入試方法。志願者本人の意志のみでは出願できない(実施要項 第3の1(3))
  • タイプ…指定校型・公募型・附属高校型などに分かれ、入学者ベースでは指定校型が53.1%と過半を占める。国公立ではほぼ公募型
  • 出願条件…学校長の推薦が前提。評定平均値は83.4%の区分で利用され、そのうち42.0%は出願資格として使われる
  • 日程…出願は2026年11月1日以降、合格発表は2026年12月1日以降。総合型選抜(9月1日・11月1日)とは2か月ずれる
  • 選考方法…書類だけでは決まらず、第6の1から4の評価方法のうち少なくとも一つが必ず課される
  • 2027年度の変更…面接による評価が原則必須に。非公募型かつ入学を確約する区分は大学が要否を判断でき、遅くとも令和11年度までに導入する経過措置がある
  • 募集人員…学部等募集単位ごとの入学定員の5割以内という上限がある(総合型選抜には同様の定めなし)

制度を俯瞰すると、学校推薦型選抜は「3年間の積み重ねを高校が保証し、大学がそれを面接や小論文で確かめる入試」だと言い換えられます。高1・高2の評定が出願できる大学の範囲を決め、高3の秋に書類と面接で仕上げるという時間構造になっているため、思い立ってから準備を始めても間に合わない要素が含まれます。逆に言えば、日々の授業と定期テストへの取り組みが、そのまま入試の準備になっている制度でもあります。

実際の受験校選びでは、まず在籍校に指定校枠があるかを進路指導室で確認し、次に志望校の募集要項で推薦要件と専願・併願の条件を読み、最後に選考方法(面接の有無、小論文や学力試験の有無)を確認する、という順序が確実です。制度の一般論と、志望校の個別ルールは別物だと考えてください。年度によって条件が変わることもあるため、最新の募集要項で必ずご確認ください。

書類の完成度や面接での伝わり方は、自分だけでは判断が難しい部分です。校内選考の準備段階から第三者の視点を入れたい、志望理由を言語化する作業に伴走してほしいという場合は、専門の指導を活用するのも一つの方法です。総合型選抜・学校推薦型選抜に特化したオンライン指導についてはアドミの無料相談で個別に相談できますので、進路の選択肢を整理する場としてお使いください。

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この記事を書いた人

株式会社Spring Knowledge 代表取締役社長。筑波大学 社会・国際学群 社会学類へ編入学し、都内国公立大学大学院 法学政治学研究科 修士課程を修了。大学編入・大学院進学を自ら経験した立場から、スプリング・オンライン家庭教師の大学編入・大学院入試分野の指導および記事監修を担当。

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