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東京科学大学(旧東京工業大学)の編入試験を徹底解説|6学院の募集人員・試験科目・日程・倍率と対策【2027年度】
東京工業大学は、2024年10月1日に東京医科歯科大学と統合し、現在は「東京科学大学(Science Tokyo)」という大学名になっています。ただし旧・東京工業大学にあたる理工学系の学士課程編入学試験は、統合後も学院構成・出願資格・試験科目の骨格を維持したまま実施が続いており、「東京工業大学 編入」で調べている場合でも、確認すべき一次情報は東京科学大学の公式サイトにあります。
この編入学試験の最大の特徴は、理学院・工学院・物質理工学院・情報理工学院・生命理工学院・環境・社会理工学院という6つの学院が、学院ごとにばらばらの専門科目ではなく、数学・物理・化学という共通の基礎3科目で選抜される点です。系(学科に相当する区分)によって募集人員も倍率もまったく違いますが、学力検査そのものは学院・系を問わず同じという構造を先に理解しておくと、対策の優先順位が立てやすくなります。この記事では、東京科学大学が公表する2027年度の学士課程編入学試験募集要項と、2025年度・2026年度の編入学試験実施結果をもとに、6学院すべての募集人員・出願資格・試験科目・日程・倍率を整理し、あわせて過去に出題された数学・物理・化学の出題テーマも解説します。
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東京科学大学の編入学試験は「旧・東京工業大学」の理工学系が実施している
まず前提の整理です。東京科学大学は、理工学系(旧・東京工業大学)と医歯学系(旧・東京医科歯科大学)の2系統で構成されています。理工学系には理学院・工学院・物質理工学院・情報理工学院・生命理工学院・環境・社会理工学院の6学院、医歯学系には医学部・医学科と歯学部があります。本記事で扱う「学士課程編入学試験」は理工学系の6学院が実施するもので、高等専門学校または短期大学の卒業者(卒業見込みを含む)を対象とした試験です。
医歯学系の医学部医学科には別建ての「2年次学士編入学」があり、歯学部口腔保健学科口腔保健工学専攻にも別の「2年次編入学」があります。これらは出願資格も選抜方法もまったく異なる制度なので、本記事の対象には含みません。医学部学士編入をお探しの場合は、当サイトの医学部学士編入に関する記事をご参照ください。
東京科学大学の英語名称は Institute of Science Tokyo(略称:Science Tokyo)で、入試情報の公式サイトのドメインも admissions.isct.ac.jp となっています。「東京工業大学」で検索した場合、大学名としては現存しませんが、入試制度・学院構成・キャンパス(大岡山キャンパス)はそのまま引き継がれているため、志望校選びの実質的な判断は変わりません。募集要項の表紙にも「東京医科歯科大学と東京工業大学は令和6(2024)年10月1日に統合し」という一文が明記されています。
大学統合そのものが入試内容に与えた影響について、東京科学大学は入試FAQで次のように説明しています。「大学統合によって入試は変わりますか?」という問いに対し、「変わりません。当面は、旧大学(旧・東京医科歯科大学、旧・東京工業大学)と同等の入学者選抜試験を実施します。入学者選抜試験の方法等を変更する場合は速やかに周知します」としたうえで、「特に学士課程の入学者選抜試験において入学志願者の準備に大きな影響を及ぼす変更がある場合は2年程度前に周知します」と明記しています。つまり、旧・東京工業大学時代からの編入学試験の骨格は、名称が変わったあとも実質的に引き継がれています。
編入学試験には一般入試と特別入試の2種類がある
東京科学大学の学士課程編入学試験は、「一般入試」と「特別入試」の2つに分かれます。この2つは出願資格・試験内容・実施学院がすべて異なるため、自分がどちらに該当するかを最初に確認してください。
一般入試(6学院すべてが対象)
理学院・工学院・物質理工学院・情報理工学院・生命理工学院・環境・社会理工学院のすべてで実施される、学力検査中心の試験です。高等専門学校または日本の短期大学を卒業した者(卒業見込みを含む)であれば出願でき、学校長の推薦は不要です。数学・物理・化学の学力検査と面接、英語外部試験のスコアで選抜されます。本記事で中心的に扱うのはこの一般入試です。
特別入試(生命理工学院のみ)
生命理工学院だけが実施する、学校推薦型の試験です。出願資格は一般入試と同じ「高専卒または短大卒(見込みを含む)」に加えて、出身校の学校長が責任を持って推薦することが条件になります。学力検査はなく、調査書・推薦書・志望理由書と面接(口頭試問)で選抜されます。生命理工学院の募集人員は、一般入試と特別入試を合わせて10人という共通枠です。特別入試の合格者は一般入試に出願できず、逆に特別入試の不合格者は一般入試に出願書類を改めて提出すれば受験できます。
学院別の募集人員と実施年次【2027年度】
2027年度(2026年夏実施)の学士課程編入学試験における、学院・系ごとの募集人員と編入学年次相当は次のとおりです。東京科学大学は教育課程に年次を定めていないため、正式には「年次相当編入学」という扱いになります。
| 学院 | 系 | 編入学年次相当 | 選抜方法 | 募集人員 |
|---|---|---|---|---|
| 理学院 | 数学系 | 2年次相当 | 一般入試 | 若干人(4系合計) |
| 物理学系 | 2年次相当 | 一般入試 | ||
| 化学系 | 3年次相当 | 一般入試 | ||
| 地球惑星科学系 | 2年次相当 | 一般入試 | ||
| 工学院 | 機械系 | 3年次相当 | 一般入試 | 工学院・物質理工学院・情報理工学院・環境・社会理工学院の4学院合計20人 |
| システム制御系 | 3年次相当 | 一般入試 | ||
| 電気電子系 | 3年次相当 | 一般入試 | ||
| 情報通信系 | 3年次相当 | 一般入試 | ||
| 経営工学系 | 3年次相当 | 一般入試 | ||
| 物質理工学院 | 材料系 | 3年次相当 | 一般入試 | |
| 応用化学系 | 3年次相当 | 一般入試 | ||
| 情報理工学院 | 数理・計算科学系 | 2年次相当 | 一般入試 | |
| 情報工学系 | 3年次相当 | 一般入試 | ||
| 環境・社会理工学院 | 建築学系 | 2年次相当 | 一般入試 | |
| 土木・環境工学系 | 3年次相当 | 一般入試 | ||
| 融合理工学系 | 3年次相当 | 一般入試 | ||
| 生命理工学院 | 生命理工学系 | 3年次相当 | 一般入試および特別入試 | 10人(一般・特別合計) |
この表から読み取れる重要な点を整理します。
理学院だけ募集人員が独立の「若干人」枠です。工学院・物質理工学院・情報理工学院・環境・社会理工学院の4学院は合わせて20人という共通枠を分け合う一方、理学院は数学系・物理学系・化学系・地球惑星科学系の4系合計で「若干人」と表記されるのみで、具体的な人数は公表されていません。後述する実施結果を見ると、理学院は実際の志願者数も年によっては1桁またはゼロという規模です。
4学院20人の内訳は系ごとに公表されていません。工学院・物質理工学院・情報理工学院・環境・社会理工学院の合計20人という数字はわかりますが、「機械系は何人」「情報工学系は何人」という系ごとの募集人員は要項に記載がありません。したがって、系ごとの倍率を見るときは、募集人員ではなく実際の受験者数・合格者数の実績で判断することになります。
2年次相当と3年次相当が学院・系によって混在しています。理学院の数学系・物理学系・地球惑星科学系、情報理工学院の数理・計算科学系、環境・社会理工学院の建築学系は2年次相当、それ以外は3年次相当です。高専卒の場合は2年次相当・3年次相当のどちらの区分に該当するかで、編入後に必要な在学年数(後述)が変わります。
受験資格|自分が出願できるかを先に確かめる
東京科学大学の学士課程編入学試験は、法政大学のような「学部ごとに追加される資格」の分岐はなく、6学院すべてで共通の資格が適用されます。
| 試験区分 | 出願資格 |
|---|---|
| 一般入試 | ①高等専門学校を卒業した者または2027年3月卒業見込みの者 ②日本の短期大学を卒業した者または2027年3月卒業見込みの者 のいずれか |
| 特別入試(生命理工学院のみ) | ①または②の資格を満たし、かつ出身学校長が責任を持って推薦する者 |
四年制大学に在学しながら単位を取得して出願する形式の区分は設けられていません。高等専門学校・短期大学は学校教育法により定められたものを指すと要項に明記されているため、専修学校や各種学校からの出願を検討している場合は、自分の在籍課程がこの定義に該当するかを、出願期間が始まる前に大岡山キャンパス入試課へ確認しておくことをおすすめします。
資格そのものはどの学院・系を志望しても共通ですが、前述のとおり理学院の化学系のみ3年次相当・その他3系は2年次相当という違いがあるため、「自分がどの年次相当で編入するか」は志望系によって変わります。
試験科目|数学・物理・化学の3科目と面接【一般入試】
一般入試の学力検査は、志望する系を問わず全受験者が共通の科目を受けます。系ごとに異なる専門科目を課すのではなく、理工系の基礎学力を横断的に評価する設計です。
| 科目等 | 内容 | 時間 |
|---|---|---|
| 数学 | 微分積分学、線形代数学 | 120分 |
| 物理 | 力学、電磁気学、熱力学または波動 | 90分 |
| 化学 | 物理化学、無機・分析化学、有機化学 | 90分 |
| 面接 | 個人面接。志望する系における専門的な知識を問うことがある。建築学系受験者は自作の設計製図の作品を持参 | – |
学力検査で実施される科目を1科目でも受験しなかった場合は不合格になります。「化学は自信がないので受けない」という選択肢はなく、3科目すべてで一定の完成度が求められる設計だと理解しておく必要があります。
特別入試(生命理工学院のみ)は学力検査がなく、面接のみです。面接では基礎学力(特に化学)、論理的な思考能力、語学力(英語)、学習意欲および生命理工学分野における適性を評価する口頭試問が行われます。
英語は「外部試験スコアのみ」に一本化された
2027年度学士課程編入学試験(2026年度実施)から、試験科目「英語」については筆記試験を実施せず、英語外部試験のスコアで英語能力を評価する方式に一本化されています。出願時に、2025年4月1日以降に受験したTOEIC L&Rのデジタル公式認定証、またはTOEFL iBT(Home Editionを含む)のオンラインスコアレポートのいずれかをアップロードする必要があります。TOEIC-IPやTOEFL-ITPなど団体受験制度で取得したスコアは対象外です。
この変更が実際にいつから始まったのかを、前年度(2026年度、2025年度実施)の募集要項と比較して確認しました。2026年度までは、英語は「英文の読解力、英語による表現力」を問う90分の筆記試験として、8月28日10:00〜11:30に実施されており、英語外部試験のスコア証明書はあくまで任意提出でした。2027年度(2026年度実施)から、この英語の筆記試験そのものが廃止され、外部試験スコアの提出が一般入試では必須に切り替わっています。つまりこれは今年度から始まった、受験生にとって影響の大きい制度変更です。
この方式変更は受験者にとって、当日の英語筆記の負担がなくなる一方で、出願までにスコアを準備しておく必要があることを意味します。試験本番で英語の失点を数学・物理・化学で挽回する、という戦い方はもう成立しません。出願期間(2026年7月8日〜10日)に間に合うよう、逆算してスコアメイクの計画を立てる必要があります。なお特別入試では英語外部試験スコアの提出は任意ですが、面接の参考資料として考慮される場合があるため、積極的な提出が推奨されています。
6学院が面接で求める人材像(アドミッション・ポリシー)
学力検査は共通でも、面接や志望理由書で問われる「学院がどんな人材像を求めているか」は学院ごとに違います。東京科学大学は学院別のアドミッション・ポリシーを募集要項に明記しており、これは志望理由書や面接の準備に直結する一次情報です。
| 学院 | 求める人材像(要約) |
|---|---|
| 理学院 | 自然界の仕組みを深く知りたい強い好奇心を持ち、自ら主体的に学び、自分の意見を持って他者と議論できる、十分な学力と表現力を持つ人 |
| 工学院 | 工学的知識・技術の発展に貢献しようという高い志を持ち、理数系科目を中心とする確実な基礎学力と、他者と協働できるコミュニケーション力・柔軟な発想を備えた人 |
| 物質理工学院 | 自然科学の幅広い分野について基礎学力を有し柔軟な発想ができ、材料や応用化学に関係する諸現象について積極的に学習する意欲がある人 |
| 情報理工学院 | 数学や理科に関する十分な基礎学力を有し、数理科学とコンピュータの仕組み・活用法に興味を持ち、情報化社会の発展に貢献したいという志を有する人 |
| 生命理工学院 | 自然科学の基本的な概念を応用できる力、論理的に思考し集中して取り組む力、生命理工学の専門教育に必要な基礎的語学力、生命現象を探究する意欲を有する人 |
| 環境・社会理工学院 | 理数系分野の基本的概念と基礎知識、専門力を身につけるための基礎的語学力を持ち、理工学・人文社会科学の両分野を主体的に学ぶ意欲と、人類と社会の持続的発展への高い志を持つ人 |
共通するのは「基礎学力」と「自ら主体的に学ぶ姿勢」で、これはどの学院を志望する場合にも面接で語れるようにしておきたい要素です。一方で、環境・社会理工学院だけが「人文社会科学的叡智」という理工学以外の視点を明示的に求めている点、情報理工学院が「情報化社会への貢献」という社会実装志向を明示している点など、学院固有の重点も存在します。志望理由書や面接では、自分の学院のアドミッション・ポリシーに出てくる言葉を、これまでの学びや今後の研究計画と結びつけて説明できるようにしておくと説得力が増します。
出願書類|提出物とその注意点
一般入試の出願完了には、Web出願サイトでの登録・入学検定料の納入・出願書類の郵送という複数の手続きをすべて終える必要があります。主な提出物は次のとおりです。
| 提出物 | 提出方法 | 注意点 |
|---|---|---|
| 志願票 | 郵送・システム | Web出願サイトの志願票フォームに入力後、片面印刷して提出 |
| 顔写真データ | システム | カラー・上半身・脱帽・正面向き・無背景・無加工、出願前3か月以内撮影、100KB〜5MBのJPGまたはPNG |
| 英語外部試験スコアシート | システム | 2025年4月1日以降受験のTOEIC L&RデジタルまたはTOEFL iBTのオンラインスコアレポート。一般入試は提出必須、特別入試は任意 |
| 入学検定料(30,000円) | システム | E-支払いサイトで納入。コンビニ支払いの場合は取扱明細書のアップロードが必要 |
| 調査書(厳封) | 郵送 | 出身学校長が作成し厳封したもの。高専に編入した者は在籍高校の成績証明書も別途必要 |
| 成績開示用封筒 | 郵送 | 成績開示を希望する場合のみ。長形3号封筒に460円分の切手を貼付、一般入試のみ対象 |
| 在留カード等(外国籍の者) | 郵送・システム | 在留カード両面の画像、または国籍・在留資格を確認できる書類 |
特別入試(生命理工学院のみ)では、これらに加えて出身学校長が作成する推薦書と、生命理工学院を志望する理由をA4用紙2枚以内でまとめた志望理由書の提出が必要です。志望理由書は「現在行っている卒業研究または編入学後に行いたい研究、興味を持っている生命現象などと関連づけて」記述することが求められています。
出願書類は書留・速達での郵送のみが認められており、大岡山キャンパス入試課への持参は認められていません。出願書類の到着有無についての問い合わせにも一切応じないとされているため、書留の受領証に記載された引受番号を使い、各自で郵便追跡システムを確認する必要があります。入学時の必要経費は、入学料282,000円(予定)、授業料前期分317,700円(年額635,400円、予定)です。
日程・スケジュール【2027年度】
2027年度(2026年夏実施)の日程は次のとおりです。年度によって変更されるため、必ず最新の募集要項で確認してください。
| 一般入試 | 特別入試(生命理工学院のみ) | |
|---|---|---|
| 出願期間 | 2026年7月8日(水)〜10日(金)【必着】 | 2026年5月27日(水)〜29日(金)【必着】 |
| Web出願サイト登録開始 | 2026年7月6日(月)9時〜 | 2026年5月25日(月)9時〜 |
| 入学検定料支払期間 | 2026年7月1日(水)〜10日(金) | 2026年5月20日(水)〜29日(金) |
| 試験日 | 8月26日(水)学力検査、8月27日(木)面接 | 6月24日(水)面接のみ |
| 合格者発表 | 2026年9月8日(火)12時頃 | 2026年7月7日(火)12時頃 |
| 入学検定料 | 30,000円 | |
特別入試の出願は5月末、合格発表は7月上旬と、一般入試よりも2カ月以上早く動きます。生命理工学院を第一志望にしていて特別入試の出願資格(学校長推薦)を得られる場合は、この早い日程で決着をつけられる可能性がある一方、不合格になった場合は改めて一般入試の出願書類を用意し直す必要がある点に注意してください。
一般入試は出願期間がわずか3日間(7月8日〜10日)と短く、この短い窓に、Web登録・検定料支払い・書類の書留郵送まで完了させる必要があります。出願書類は大岡山キャンパス入試課への持参が認められていないため、郵送のスケジュールにも余裕を持たせてください。
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倍率・難易度|編入学試験だけに分離した実績【2025・2026年度】
東京科学大学は、一般選抜(前期日程)や総合型選抜とは別に、学士課程編入学試験(一般入試・特別入試)の実施結果を独立した表で公表しています。法政大学のように転籍・転部・転科試験などと数字が混ざることはなく、編入学試験だけの志願者数・受験者数・合格者数・入学手続者数が学院・系別に確認できます。以下は、東京科学大学(および統合前の東京工業大学)が公表した「学士課程編入学等実施結果」のうち、直近2カ年分です。
| 学院 | 系 | 2026年度 受験者数 | 2026年度 合格者数 | 2026年度 実質倍率 | 2025年度 実質倍率 |
|---|---|---|---|---|---|
| 理学院 | 数学系 | 2 | 1 | 2.0倍 | 志願者なし |
| 物理学系 | 2 | 0 | 合格者なし | 2名受験・合格者なし | |
| 化学系 | 1 | 1 | 1.0倍 | 志願者なし | |
| 地球惑星科学系 | 0 | – | 志願者なし | 1名受験・合格者なし | |
| 工学院 | 機械系 | 9 | 4 | 2.25倍 | 1.8倍 |
| システム制御系 | 4 | 2 | 2.0倍 | 5.0倍 | |
| 電気電子系 | 10 | 5 | 2.0倍 | 2.25倍 | |
| 情報通信系 | 2 | 1 | 2.0倍 | 3.0倍 | |
| 経営工学系 | 0 | – | 志願1・受験者なし | 2.0倍 | |
| 物質理工学院 | 材料系 | 3 | 1 | 3.0倍 | 1.0倍 |
| 応用化学系 | 4 | 2 | 2.0倍 | 2.0倍 | |
| 情報理工学院 | 数理・計算科学系 | 3 | 2 | 1.5倍 | 2.0倍 |
| 情報工学系 | 4 | 3 | 1.33倍 | 2.67倍 | |
| 環境・社会理工学院 | 建築学系 | 0 | – | 志願者なし | 1.0倍 |
| 土木・環境工学系 | 0 | – | 志願1・受験者なし | 1.0倍 | |
| 融合理工学系 | 2 | 1 | 2.0倍 | 1名受験・合格者なし | |
| 生命理工学院 | 生命理工学(一般入試) | 1 | 1 | 1.0倍 | 志願1・受験者なし |
| 生命理工学院 | 生命理工学(特別入試) | 12 | 10 | 1.2倍 | 1.55倍 |
| 一般入試 合計 | 47 | 24 | 約1.96倍 | 約2.29倍 | |
本節で扱った出題テーマ・解答例・出題意図・採点のポイントは、いずれも東京科学大学および統合前の東京工業大学が公表した2025年度・2026年度の「学士課程編入学等実施結果」に基づいています。実質倍率は受験者数÷合格者数で算出しており、実施年度によって数値は変動するため、必ず最新の公表資料をご自身で確認してください。
学院によって「倍率」の意味が大きく違う
この表を見て最初に気づくのは、多くの系で受験者数が1桁、なかには受験者数がゼロという系も複数あることです。これは、編入学試験だけに分離した実質倍率を読むうえで決定的に重要な前提です。
理学院は母数が極端に小さく、倍率という指標自体の意味が薄い系があります。2026年度は数学系2名受験1名合格、化学系1名受験1名合格、物理学系2名受験0名合格、地球惑星科学系は志願者ゼロでした。2025年度も物理学系2名受験・合格者なし、地球惑星科学系1名受験・合格者なし、数学系・化学系は志願者ゼロという年でした。1名単位で倍率が2倍にも0倍にもなる規模なので、「理学院は簡単/難しい」を一概に語ることはできません。むしろ、そもそも志願者が非常に少ない学院だという事実のほうが重要な情報です。
工学院・物質理工学院・情報理工学院は、受験者数10名前後・実質倍率1.3〜3倍というレンジに収まっています。4学院合計20人という共通枠のなかで、系ごとの人気や年度による変動はあるものの、極端に高い倍率がつく系は見当たりません。母集団は高専・短大の上位層が中心と考えられるため、「倍率が低いから簡単」という単純な読み方は禁物ですが、少なくとも数十倍規模の狭き門ではありません。
生命理工学院は、特別入試のほうが一般入試より実質倍率が低い傾向にあります。2026年度の特別入試は12名受験・10名合格で1.2倍、2025年度は17名受験・11名合格で1.55倍でした。一方、一般入試の生命理工学系は志願者・受験者ともに1名前後という年が続いています。学校長の推薦を得られる見込みがあり、生命理工学院を第一志望にしているなら、特別入試のルートを優先的に検討する価値があります。ただし特別入試に不合格の場合は一般入試に出願書類を出し直す必要があり、逆に特別入試に合格した場合は一般入試を受験できないという片道切符である点は理解しておいてください。
女子の比率は全体として低い傾向にあります。公表データの( )内は女子の内数ですが、2026年度の一般入試は受験者47名中4名、2025年度は受験者48名中8名が女子でした。理工系の編入学試験全体に共通する傾向であり、特定の学院・系に偏った現象ではありません。総合型選抜の女子枠のような別制度は編入学試験には設けられていない点も、あわせて押さえておいてください。
なお、これらとは別に「海外特定協定大学からの転入学」という、募集要項の対象外の枠組みも公表されています。2026年度は物質理工学院材料系で6名が志願し3名が入学しており、海外の協定大学に在学している場合はこちらの制度が該当する可能性があります。本記事で扱う国内の高専・短大からの編入学試験とは出願資格・手続きが異なるため、該当する可能性がある方は入試課に個別に確認してください。
学院ごとに、何から手をつけるべきか
学力検査そのものは数学・物理・化学の3科目共通ですが、学院・系によって出願前に確認すべき固有の論点があります。ここでは6学院それぞれの着手順を整理します。
理学院|まず志願者数の実態を把握してから動く
理学院の数学系・物理学系・地球惑星科学系は2年次相当、化学系のみ3年次相当という編入で、4系合計の募集人員は「若干人」としか公表されていません。前述のとおり実際の志願者数も年によっては1桁またはゼロという規模のため、まず自分の系の直近数年の志願・合格実績を確認し、極端に薄い母集団のなかでの受験になることを前提に準備を進めてください。理学院は3年以上の在学(化学系のみ2年以上)が卒業要件になっており、他の5学院より1年長い点も、志望動機や学習計画に反映させておく必要があります。理数系分野の基本的概念や自ら主体的に学ぶ姿勢が学院のアドミッション・ポリシーで明示されているため、面接では「なぜ理学院なのか」を、工学的応用ではなく学術的探究の観点から説明できるようにしておくとよいでしょう。
工学院|機械・電気電子・情報通信・システム制御・経営工学を横断する基礎力
工学院は機械系・システム制御系・電気電子系・情報通信系・経営工学系の5系を扱う学院で、いずれも3年次相当編入です。系ごとの募集人員が非公表のため、系選びよりも数学・物理・化学の基礎3科目を高い水準で仕上げることが優先事項になります。当サイトの東京科学大学工学院の編入試験の解説記事では、科目別の対策の考え方や志望理由書の書き方まで踏み込んで扱っていますので、あわせて参照してください。
物質理工学院|材料系・応用化学系の基礎化学と論理的思考力
物質理工学院は材料系・応用化学系の2系、いずれも3年次相当編入です。材料科学および応用化学に関する確かな基礎学力と明快な論理的思考力を持つ人材を求めるとアドミッション・ポリシーに明記されており、化学の配点比重を軽視しない対策が重要です。詳しい科目別対策は当サイトの東京科学大学物質理工学院の編入試験の解説記事で扱っています。
情報理工学院|2年次相当の数理・計算科学系と3年次相当の情報工学系
情報理工学院は、数理・計算科学系が2年次相当、情報工学系が3年次相当という違いがあります。同じ学院内でも編入年次が異なるため、自分の系がどちらに該当するかを募集要項の表で必ず確認してください。数理科学への興味とコンピュータの仕組みへの関心の両方が求められる学院です。詳細は当サイトの東京科学大学情報理工学院の編入試験の解説記事を参照してください。
環境・社会理工学院|建築学系は面接に作品持参が必要
環境・社会理工学院は建築学系(2年次相当)、土木・環境工学系・融合理工学系(3年次相当)の3系です。建築学系の受験者は、面接の際に自分で作成した設計製図の作品を持参する必要があると要項に明記されており、この準備には学力検査対策とは別の時間が必要です。理工学的叡智と人文社会科学的叡智の両方を広く応用する人材像が求められる学院でもあります。詳しくは当サイトの環境・社会理工学院の編入試験の解説記事を参照してください。
生命理工学院|一般入試と特別入試のどちらで勝負するか
生命理工学院は一般入試・特別入試のどちらでも出願でき、募集人員10人を両方の入試で分け合います。特別入試は学力検査がなく、学校長推薦と面接(口頭試問)で決まるため、出身校の推薦を得られる見込みがあるなら早期に相談を始めるべきです。一般入試を選ぶ場合は、他学院と同じ数学・物理・化学の学力検査に加えて生命理工学分野への志望動機を固める必要があります。当サイトの東京科学大学生命理工学院の編入試験の解説記事では、志望理由書の書き方や過去4年間の志願・合格データの推移まで扱っています。
過去問はどこで手に入るか
東京科学大学の編入学試験(一般入試)の過去問題は、公式サイト上でPDFとして自由にダウンロードできる形では公開されていません。入試FAQには次のように明記されています。「編入学試験(一般入試)過去問題は、過去3年分まで配付しています。大岡山キャンパス入試課宛ての封筒に、『編入学過去問3年分請求』と朱書きし」た返信用封筒を送付することで入手する方式です。志望する場合は、出願期間より前の余裕を持った時期に請求しておくことをおすすめします。
なお、英語については、旧・東京工業大学時代の編入学試験問題集において「『英語』は著作権の関係で同封していません」という注記が付されており、英語の過去問は配付対象に含まれません。これは2027年度から英語が学力検査ではなく外部試験スコアに一本化されたこととも整合的で、英語対策は過去問演習ではなくTOEIC・TOEFLのスコアメイクに集中すべきということを裏付けています。
公開されている過去問から読み取れる出題テーマ
本記事では、旧・東京工業大学時代に実施された学士課程編入学試験(一般入試)の数学・物理・化学について、平成31年度・令和2年度・令和3年度の3カ年分の構成・出題テーマ・形式を確認しました。学力検査は学院・系を問わず共通のため、この分析はどの学院を志望する場合にも共通して役立ちます。問題文そのものの引用は行わず、出題された分野と形式のみを整理します。
数学|線形代数(行列の対角化)と多変数の微積分が毎年の軸
3カ年とも、大問構成の中心は「行列の対角化・固有値問題」「連立一次方程式が解を持つための条件」「2変数関数の極値」「重積分(変数変換や広義積分を含む)」の組み合わせでした。時間は120分、大問4問すべてに解答する形式が続いています。単なる計算処理だけでなく、「解をもつための必要十分条件を文字式で表せ」「重積分の値を求めよ」といった、大学初年次レベルの理論的理解を問う設問が毎年含まれているのが特徴です。高専・短大の授業で扱う微分積分・線形代数の教科書レベルの内容を、暗記ではなく仕組みとして理解しているかが問われます。
物理|力学・電磁気学・熱力学の3分野をバランスよく扱う出題
物理は90分で大問3問、力学・電磁気学・熱力学(または量子力学の基礎)という組み合わせが続いています。力学では剛体の回転運動や角運動量、微小振動の単振動近似といったテーマ、電磁気学では同軸円筒状の電荷・電流分布による電場や磁場、自己インダクタンス、電磁誘導とジュール熱、あるいは荷電粒子の偏向運動やヘルムホルツコイルによる磁場生成といったテーマ、熱力学では理想気体の準静的過程(等温・断熱膨張)における内部エネルギー・仕事・熱・エントロピーの比較や、音速の導出といったテーマが出題されています。年度によっては、光電効果やシュレーディンガー方程式の固有値問題など、量子力学の初歩に踏み込む設問も含まれていました。力学と電磁気学を土台にしつつ、熱力学・波動・量子力学の基礎まで手を広げておく必要があります。
化学|無機化学の系統分離と有機化学の反応機構が頻出
化学は90分で大問構成、無機化学ではイオンの系統分離(沈殿反応・錯イオン形成・酸化還元反応から未知の金属イオンを特定する形式)やハロゲンの製法・性質、酸塩基の二段階中和滴定、物理化学ではカルノーサイクルの効率計算、量子化学では波動関数とシュレーディンガー方程式、有機化学では高分子(ナイロンのアミド結合数計算など)や反応機構(SN1・SN2・E1・E2の判別、芳香族の求電子置換反応、立体化学・光学異性体の判定)といった分野が扱われていました。無機・物理化学・有機化学の3領域を満遍なく問う構成で、どれか1分野に偏った対策では対応しきれない設計です。
出題テーマは20年以上前から大きく変わっていない
参考までに、平成17年度(2005年度実施)の学士課程編入学試験(当時の名称は「学部編入学試験」)の数学・物理も確認したところ、数学は「2変数関数の極値」「積分計算」「行列式・階数」、物理は「剛体の衝突・回転運動」「複数の直線電流が作る磁場」といった大問構成でした。これは平成31年度〜令和3年度の出題テーマ(多変数関数の極値、行列の対角化、力学の回転運動、電磁気学の磁場計算)と骨格が共通しており、東京科学大学(旧・東京工業大学)の編入学試験は、20年以上にわたって「線形代数と多変数の微積分」「力学と電磁気学」という核となる出題領域を維持し続けていることがわかります。長期的に安定した出題範囲であるからこそ、直近の過去問だけでなく、時間に余裕があれば数年分をまとめて演習し、頻出パターンを体で覚えることが有効です。
過去問から導ける学習の順番
- 数学は、行列の固有値・対角化と多変数関数の微積分(極値・重積分)を最優先で仕上げる。大学入試レベルにとどまらず、大学初年次の教科書レベルまで手を広げる。
- 物理は、力学と電磁気学を主軸に固め、そのうえで熱力学(気体の状態変化、サイクルの効率)と量子力学の初歩まで押さえる。
- 化学は、無機化学の系統分離、酸塩基・酸化還元反応の計算、有機化学の反応機構という3領域をバランスよく学習する。1分野に偏らないことが重要。
- 英語は学力検査の対象外なので、過去問演習ではなくTOEIC L&RまたはTOEFL iBTのスコアメイクに時間を配分する。
- 直近の過去問は大岡山キャンパス入試課への郵送請求で入手し、時間を計って通し演習を行う。出願期間より前の早い時期に請求しておく。
本節で扱った出題テーマは、平成31年度・令和2年度・令和3年度に実施された学士課程編入学試験(一般入試)の数学・物理・化学の過去問題資料に基づいています。出題内容・形式は年度によって変わるため、必ず大岡山キャンパス入試課への請求により最新の過去問をご自身で確認してください。
単位認定と卒業要件に落とし穴がある
編入後の在学年数は学院によって異なります。理学院は3年以上(化学系のみ2年以上)在学し、所定の単位を修得したうえで学士特定課題研究および学士特定課題プロジェクトの審査に合格する必要があります。工学院・物質理工学院・情報理工学院・生命理工学院・環境・社会理工学院は2年以上(情報理工学院数理・計算科学系および環境・社会理工学院建築学系のみ3年以上)在学し、同様の審査に合格する必要があります。
編入学の際、高等専門学校や短期大学における学修は、成績証明書とシラバスの内容に基づいて本学の授業科目の内容に照らして単位認定されます。募集要項は「今まで学んだ分野と全く異なる分野の系に編入学した場合は、認定できる単位が少なくなり、3年次相当編入学であっても編入学後2年間では卒業できない場合も起こり得ます」と明記しています。高専で学んだ分野と大きく異なる系を志望する場合は、単位認定でどの程度が振り替えられるのか、出願前に入試課へ確認しておくことをおすすめします。
併願をどう組むか
一般入試の試験日は8月26日・27日、合格発表は9月8日です。国公立大学の編入学試験は8月に集中する傾向があるため、他大学の試験日程との重なりを早めに確認しておく必要があります。特に、数学・物理・化学の3科目で選抜する理工系の編入学試験は出題範囲が近いことが多く、対策を一本化しやすい大学を組み合わせるのが効率的です。
特別入試(生命理工学院のみ)は6月24日に面接があり、7月7日に合格発表が出ます。一般入試の出願(7月8日〜10日)より前に結果が判明するため、生命理工学院を第一志望にしつつ他大学も検討している場合は、特別入試の結果を待ってから他大学の出願を絞り込むという時間差の使い方も可能です。ただし特別入試に合格すると一般入試には出願できなくなるため、「特別入試は記念受験」という位置づけはできません。
過去問の請求(大岡山キャンパス入試課宛ての郵送請求)は出願前の早い時期に済ませておくと、併願先の過去問演習と時期が重ならずに済みます。数学・物理・化学という組み合わせは高専・短大生が受験する理工系編入学試験の多くで共通する範囲のため、東京科学大学専用の対策と併願先専用の対策を無理に分けず、微分積分・線形代数・力学・電磁気学・熱力学・無機化学・有機化学という核となる分野を横断的に仕上げる方が、限られた時間を効率的に使えます。そのうえで、東京科学大学固有の出題傾向(行列の対角化や多変数関数の極値が数学で毎年出る、など)を過去問演習で上乗せしていく順序が現実的です。
学院別に、さらに詳しい解説はこちら
各学院の科目別対策・志望理由書の書き方・面接対策など、より詳しい情報は学院別の解説記事にまとめています。あわせてご覧ください。
- 東京科学大学工学院の編入試験を徹底解説|出願資格・試験科目・過去問対策・志望理由書・面接まで
- 東京科学大学物質理工学院の編入試験を徹底解説|出願資格・試験科目・過去問対策・志望理由書・面接まで
- 東京科学大学情報理工学院の編入試験を徹底解説|出願資格・試験科目・過去問対策・志望理由書・面接まで
- 東京科学大学環境・社会理工学院の編入試験を徹底解説|出願資格・試験科目・過去問対策・志望理由書・面接まで
- 東京科学大学生命理工学院の編入試験を徹底解説|出願資格・試験科目・過去問対策・志望理由書・面接まで
医歯学系(旧・東京医科歯科大学)の医学部学士編入をお探しの場合は、次の記事も参考にしてください。
よくある質問
東京工業大学に編入することはもうできないのですか。
東京工業大学という大学名での募集は行われていません。2024年10月1日に東京医科歯科大学と統合して東京科学大学(Science Tokyo)になっており、旧・東京工業大学にあたる理学院・工学院・物質理工学院・情報理工学院・生命理工学院・環境・社会理工学院の6学院が、東京科学大学の学士課程編入学試験として編入学生の募集を続けています。試験内容や出願資格は、大学統合の前後で実質的に維持されています。
東京科学大学の編入は難しいですか。
学院・系によって受験者数の規模が大きく異なります。2026年度の実績では、工学院・物質理工学院・情報理工学院の各系は受験者数10名前後で実質倍率1.3〜3倍程度でした。一方、理学院は受験者数が1桁またはゼロという系が複数あり、倍率という指標自体があまり意味を持たない規模です。全体としては、募集人員そのものが4学院合計20人・生命理工学院10人と小さいため、母集団の学力水準は高いと考えられます。
東京科学大学の編入の倍率はどれくらいですか。
2026年度の一般入試全体で受験者47名・合格者24名、実質倍率は約1.96倍でした。ただし系ごとの受験者数は1桁の場合が多く、1名の増減で倍率が大きく変わります。学院・系別の内訳は本記事の倍率の表でご確認ください。
数学・物理・化学のどれが一番重要ですか。
学力検査で実施科目を1科目でも受験しなかった場合は不合格になるため、3科目すべてで一定の完成度が必要です。過去問の傾向を見る限り、数学は行列の対角化と多変数の微積分、物理は力学と電磁気学、化学は無機化学の系統分離と有機化学の反応機構が繰り返し出題されており、この核となる分野を優先して固めることが効率的です。
英語の対策はどうすればよいですか。
2027年度の一般入試では英語の学力検査(筆記)は実施されず、TOEIC L&Rまたは TOEFL iBT(Home Editionを含む)のスコア提出のみで評価されます。2025年4月1日以降に受験したスコアが対象です。当日の筆記対策ではなく、出願期間(2026年7月8日〜10日)までにスコアを確定させる計画を立ててください。
理学院と工学院はどちらが入りやすいですか。
単純に比較できません。理学院は募集人員が「若干人」としか公表されておらず、実際の志願者数も年によっては1桁・ゼロという規模のため、倍率の数字自体が安定しません。工学院は4学院合計20人という枠のなかで、受験者数10名前後・実質倍率1.3〜3倍程度で推移しています。「倍率が低い=簡単」と単純に判断せず、志望する分野で学院を選ぶことをおすすめします。
生命理工学院は一般入試と特別入試のどちらを受けるべきですか。
出身校から学校長の推薦を得られる見込みがあるなら、特別入試の実質倍率が一般入試より低い傾向にあります(2026年度は特別入試1.2倍、一般入試の生命理工学系は受験者自体が1名程度)。ただし特別入試の合格者は一般入試に出願できず、不合格者は一般入試の出願書類を改めて提出する必要があります。学力検査に自信があるかどうかも判断材料になります。
過去問はどこで手に入りますか。
東京科学大学の編入学試験の過去問は、公式サイト上でのPDF公開はされていません。大岡山キャンパス入試課宛てに「編入学過去問3年分請求」と朱書きした返信用封筒を送付することで、過去3年分を入手できます。なお英語の過去問は著作権の関係で配付対象に含まれていません。
高専のどの分野からでも編入できますか。
出願資格そのものは高専卒業(見込みを含む)であれば分野を問いませんが、編入後の単位認定は成績証明書とシラバスの内容をもとに個別に判断されます。募集要項は「今まで学んだ分野と全く異なる分野の系に編入学した場合は、認定できる単位が少なくなり、3年次相当編入学であっても編入学後2年間では卒業できない場合も起こり得る」と明記しているため、出願前に単位認定の見込みを確認しておくことをおすすめします。
2年次相当と3年次相当はどちらが有利ですか。
有利・不利という単純な比較はできません。理学院の数学系・物理学系・地球惑星科学系、情報理工学院の数理・計算科学系、環境・社会理工学院の建築学系は2年次相当編入で、その他の系は3年次相当編入です。年次相当は志望する系によって決まっており、選べるものではありません。2年次相当は在学期間が長くなる分、専門分野を幅広く学べるという側面があります。
建築学系の面接では何を準備すればよいですか。
環境・社会理工学院建築学系の受験者は、面接の際に自分で作成した設計製図の作品を持参する必要があると募集要項に明記されています。学力検査の対策とは別に、作品として提示できる設計製図を早い段階から準備しておく必要があります。
編入学試験に落ちたら、一般選抜(前期日程)で再挑戦できますか。
編入学試験と一般選抜(前期日程)は出願資格が異なる別制度です。一般選抜は高校生・既卒生を主な対象とする学部入学の区分であり、編入学試験は高専・短大の卒業者(見込みを含む)を対象とする区分のため、募集要項・試験科目・日程がそれぞれ別に公表されています。編入学試験に不合格だった場合、翌年度に編入学試験へ再挑戦するか、出願資格を満たすのであれば一般選抜を検討するか、自分の状況に応じて判断することになります。
まとめ
東京科学大学(旧・東京工業大学)の学士課程編入学試験について、公式要項と実施結果から確認できることを整理します。
まず、大学統合後も理工学系6学院の編入学試験は骨格を維持したまま実施されています。「東京工業大学 編入」で検索している場合も、確認すべき一次情報は東京科学大学の公式サイトにあります。試験区分は一般入試(6学院すべて)と特別入試(生命理工学院のみ)の2つで、学力検査は学院・系を問わず数学・物理・化学の3科目共通という設計です。
次に、募集人員は工学院・物質理工学院・情報理工学院・環境・社会理工学院の4学院合計20人、生命理工学院10人、理学院は若干人という小さな枠です。編入学試験だけに分離した実施結果を見ると、多くの系で受験者数は1桁にとどまり、理学院には志願者ゼロの年もある系が複数あります。倍率の数字だけを見るのではなく、母数の小ささを前提に自分の到達度を客観的に測ることが重要です。
そして英語は2027年度から外部試験スコアのみでの評価に一本化されました。当日の筆記対策ではなく、出願前のスコアメイクが合否を左右する構造に変わっています。過去問は公式サイトでは公開されておらず、大岡山キャンパス入試課への郵送請求(過去3年分)で入手する方式です。数学は行列の対角化と多変数の微積分、物理は力学と電磁気学、化学は無機化学の系統分離と有機化学の反応機構という核となる分野が、複数年度にわたって繰り返し出題されています。
最後に、学院ごとの募集人員や倍率だけでなく、アドミッション・ポリシーで示される「求める人材像」も学院によって重点が違います。共通するのは基礎学力と主体的に学ぶ姿勢ですが、環境・社会理工学院は人文社会科学的な視点、情報理工学院は情報化社会への貢献志向というように、学院固有のキーワードが志望理由書・面接の準備に直結します。数学・物理・化学という共通の土台を固めたうえで、自分が編入したい学院・系のアドミッション・ポリシーを読み込み、これまでの学びや将来の研究計画と接続させて説明できるようにしておくことが、対策の総仕上げになります。
本記事の数値は、東京科学大学が公表する2027年度学士課程編入学試験募集要項、および2025年度・2026年度の学士課程編入学等実施結果に基づいています。制度・日程・募集人員・試験科目は年度によって変更されるため、出願前には必ず東京科学大学が公表する最新の募集要項をご確認ください。
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