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東京科学大学物質理工学院の編入試験を徹底解説|出願資格・試験科目・過去問対策・志望理由書・面接まで

東京科学大学物質理工学院の編入学試験は、材料系・応用化学系の2系を対象に、高等専門学校卒業(見込)者と日本の短期大学卒業(見込)者だけを出願資格とする学士課程編入学試験です。2024年10月に旧東京工業大学と旧東京医科歯科大学が統合して東京科学大学となった後も、理工学系(旧東京工業大学)の学士課程編入学制度は基本的な枠組みを引き継いでおり、物質理工学院は工学院・情報理工学院・環境・社会理工学院とあわせた4学院合計20人という共同の募集枠の中で、材料系・応用化学系ともに3年次相当での受け入れを行っています。本記事では、2026年4月に公表された令和9(2027)年度学生募集要項と、令和6〜8年度の編入学試験実施結果という大学公式の一次情報にもとづき、出願資格、試験科目と配点、出願・試験日程、倍率の実績、科目別の対策、志望理由書と面接、過去問の入手方法までを整理します。令和9年度実施分からは英語の学力検査が廃止されるなど、直近で制度そのものが変わった部分もあるため、旧情報のまま準備を進めないよう注意が必要です。募集要項は年度ごとに更新されるため、実際に出願する年度の最新情報は必ず大学公式サイトで確認してください。
東京科学大学物質理工学院の編入学試験とは
物質理工学院は、東京科学大学の理工学系(旧東京工業大学)に置かれる6学院の一つで、材料系と応用化学系の2つの系から構成されています。学士課程の入学者受入れの方針(アドミッション・ポリシー)では、「材料科学および応用化学に関する確かな基礎学力と明快な論理的思考力を持ち、環境調和型社会の発展に貢献できる人材を養成する」ことが掲げられ、求める学生像として「自然科学の幅広い分野について基礎学力を有し、柔軟な発想ができる人」「材料や応用化学に関係する諸現象について積極的に学習する意欲がある人」の2点が明記されています。編入学試験の面接や志望理由の組み立てでは、この2点にどう合致するかを具体的に語れるかどうかが評価の軸になります。
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編入学試験における物質理工学院の位置づけで押さえておきたいのは、出願資格が高等専門学校卒業(見込)者と日本の短期大学卒業(見込)者に限定されている点です。募集要項の「出願資格」には「高等専門学校を卒業した者又は2027年3月卒業見込みの者」「日本の短期大学を卒業した者又は2027年3月卒業見込みの者」の2区分のみが記載されており、4年制大学に在学して一定単位を修得した者や専門学校修了者を対象とする条項はありません。大学によっては大学在学者(62単位以上取得見込み等)にも門戸を開いているケースがありますが、東京科学大学の学士課程編入学試験はこの2区分に限られるため、出願資格の見落としがないよう最初に確認しておく必要があります。
編入学年次は、材料系・応用化学系のいずれも3年次相当です。ただし募集要項には「本学は教育課程に年次を定めていないため、年次相当編入となります」と明記されており、卒業要件は入学年次別のカリキュラムではなく、在学年数と修得単位、そして学士特定課題研究・学士特定課題プロジェクトの審査によって定められます。物質理工学院に3年次相当で編入学した場合、卒業に必要な在学期間は2年以上とされていますが、高専・短大までに学んだ分野が物質理工学院の専門分野と大きく異なる場合には認定される単位が少なくなり、2年間では卒業できないケースもあると募集要項が注意を促しています。出身学科のカリキュラムと物質理工学院のカリキュラムがどの程度重なるかは、出願前に確認しておきたいポイントです。
用語の整理として、「編入学」は在籍していた高専・短大を卒業(見込み)した状態で、東京科学大学の学士課程に途中の年次相当から入り直す制度であり、同一大学内で学部・学科を移る「転部」や、他大学から在学のまま籍を移す「転入学」とは異なります。「3年次相当」という表現も、物質理工学院に入学した瞬間に3年生として扱われることを意味するのではなく、高専・短大での修得単位を成績証明書とシラバスにもとづいて個別に認定した結果として、卒業までの標準的な在学期間が2年以上(3年次相当編入の場合)になる、という単位認定の仕組みを表しています。
試験会場は東京都目黒区にある大岡山キャンパスです。全国の高専・短大から出願できる制度である一方、試験会場は大岡山キャンパスの1か所に限られるため、遠方から受験する場合は前泊を含めた交通・宿泊の計画も、出願準備とあわせて早めに検討しておくと安心です。
材料系と応用化学系は、学士課程では同じ物質理工学院に属していますが、掲げているビジョンと大学院進学後のコース編成は異なります。材料系は「産業の発展に寄与する新しい材料と新しい工学の創出を目指すとともに、社会に貢献する人材を養成する」ことを理念とし、大学院では材料コース、エネルギー・情報コース、人間医療科学技術コース、原子核工学コースなどに接続します。応用化学系は「化学の力で無限の未来を創造する」ことをビジョンに掲げ、大学院では応用化学コースのほか、エネルギー・情報コース、人間医療科学技術コース、地球生命コースなどに接続します。どちらの系も学士課程で学ぶ基礎化学・材料科学が土台になる点は共通しており、編入学後にどちらの専門性を深めたいかは、志望理由書や面接での説明に直結する部分です。両系の教育ページには研究室検索の機能や卒業生の進路事例を紹介するページも用意されており、編入後にどの研究室・分野に進みたいかを具体的にイメージする材料として、出願前に目を通しておくと志望理由の解像度が上がります。
編入学後の単位認定という観点では、座学科目だけでなく実験・実習科目の扱いにも注意が必要です。募集要項には「今まで学んだ分野と全く異なる分野の系に編入学した場合は、認定できる単位が少なくなり、3年次相当編入学であっても編入学後2年間では卒業できない場合も起こり得ます」と明記されており、単位認定は成績証明書とシラバスの内容に基づいて個別に行われる仕組みです。材料系・応用化学系ともに実験科目の比重が大きい分野であるため、出身校での実験・実習の履修状況を、出願前にできる範囲で整理しておくとよいでしょう。
実務的な注意点として、東京科学大学は理工学系(旧東京工業大学)と医歯学系(旧東京医科歯科大学)の2つの系統で構成されており、物質理工学院は理工学系に属します。インターネット検索では「東京工業大学 編入」といった旧名称での情報や、医歯学系(医学部・歯学部)の編入学情報が混在して表示されることがあるため、物質理工学院の情報を探す際は理工学系の学士課程編入学試験のページにたどり着いているかを必ず確認してください。募集要項の問合せ先も理工学系の「大岡山キャンパス入試課」であり、医歯学系の入試課とは窓口が異なります。
出願を検討する段階でもう一つ確認しておきたいのが、在籍している課程が出願資格上の「高等専門学校卒業(見込み)」に該当するかどうかです。高専の専攻科に在籍している場合、本科(5年間)とは別課程にあたるため、出願資格の扱いが本科卒業見込みの場合と異なる可能性があります。専攻科に在籍している、あるいは在籍を検討しているという場合は、自己判断で準備を進めず、出願前に大岡山キャンパス入試課へ在籍状況を伝えたうえで確認することをおすすめします。海外の高専に準ずる課程を修了している場合など、出願資格の該当有無が募集要項の文言だけでは判断しにくい個別の事情がある場合も同様に、出願期間より前の早い時期に問い合わせておくと安心です。
募集人員・出願資格
令和9(2027)年度学生募集要項に掲載されている学院・系ごとの募集人員と編入学年次は、次のとおりです。
| 学院 | 系 | 編入学年次相当 | 募集人員 |
|---|---|---|---|
| 理学院 | 数学系・物理学系・地球惑星科学系 | 2年次相当 | 若干人 |
| 理学院 | 化学系 | 3年次相当 | 若干人 |
| 工学院 | 機械系・システム制御系・電気電子系・情報通信系・経営工学系 | 3年次相当 | 工学院・物質理工学院・情報理工学院・環境社会理工学院で合わせて20人 |
| 物質理工学院 | 材料系・応用化学系 | 3年次相当 | |
| 情報理工学院 | 数理・計算科学系(2年次相当)・情報工学系(3年次相当) | 2年次相当/3年次相当 | |
| 環境・社会理工学院 | 建築学系(2年次相当)・土木環境工学系/融合理工学系(3年次相当) | 2年次相当/3年次相当 | |
| 生命理工学院 | 生命理工学系 | 3年次相当 | 一般入試・特別入試あわせて10人 |
物質理工学院単独の募集人員は、募集要項上では明示されていません。工学院・物質理工学院・情報理工学院・環境社会理工学院の4学院合計で20人という枠組みで公表されており、そのうち物質理工学院の材料系・応用化学系にそれぞれ何人が配分されるかは、後述する過去の実施結果の実数から傾向を読み取るしかありません。また募集要項には「選考の結果によっては、合格者数が募集人員に満たない場合があります」との注記もあり、必ずしも上限まで合格者を出すとは限らない点にも留意してください。
出願資格は、一般入試の場合、次の2区分のいずれかに該当することが必要です。
| 区分 | 出願資格の内容 |
|---|---|
| 高等専門学校卒業者 | 高等専門学校を卒業した者、または出願年度の3月に卒業見込みの者 |
| 日本の短期大学卒業者 | 日本の短期大学を卒業した者、または出願年度の3月に卒業見込みの者 |
募集要項の注記では「高等専門学校及び短期大学は、学校教育法により定められたものを指す」とされており、専修学校(専門学校)や各種学校は対象外です。同様に、高等学校卒業者がそのまま出願できる区分や、大学院修了者を対象とする区分も、学士課程編入学試験には設けられていません。物質理工学院を「東京科学大学に入り直したい」という理由だけで検討している場合は、まず自分の在籍・卒業区分がこの2区分のいずれかに当てはまるかどうかを最初に確認してください。物質理工学院を志望する場合、実際の出願者の多くは、材料工学・物質工学・応用化学・化学工学系の学科を置く高専の出身者と見られますが、募集要項上は学科名による制限は設けられていません。自分の在籍する高専・短大の学科がどの系に対応しやすいかは、後述するカリキュラムの内容と照らして判断する必要があります。出願資格の記載には年齢や卒業からの経過年数に関する制限は見当たらず、高専・短大を卒業してから年数が経過している既卒者も出願対象に含まれると解釈できます。ただし、この点についても募集要項に明示の条文があるわけではないため、該当する場合は出願前に大岡山キャンパス入試課へ確認しておくと確実です。
参考までに、材料系は材料工学・物質工学・金属工学系の学科、応用化学系は応用化学・化学工学・工業化学系の学科の出身者が学びの連続性を持ちやすいと考えられますが、募集要項は出身学科名による制限を設けていないため、機械系・電気系などの学科に在籍していても出願自体は可能です。学科名の一致よりも、数学・物理・化学の学力検査に対応できる基礎学力が実質的な出願の前提になっている、と捉えておくとよいでしょう。
試験科目と配点
物質理工学院の編入学試験(一般入試)は、調査書・学力検査・面接、および英語外部試験のスコアを組み合わせて選抜が行われます。学力検査の科目と内容は、次のとおりです。
| 科目 | 内容 | 試験時間 |
|---|---|---|
| 数学 | 微分積分学、線形代数学 | 120分 |
| 物理 | 力学、電磁気学、熱力学又は波動 | 90分 |
| 化学 | 物理化学、無機・分析化学、有機化学 | 90分 |
| 面接 | 個人面接。志望する系における専門的な知識を問われることがある | 系により異なる |
面接の内容は系によって一部異なり、たとえば環境・社会理工学院の建築学系を受験する場合は、面接時に自分で作成した設計製図の作品持参が求められます。物質理工学院の材料系・応用化学系については、そうした系固有の持参物は令和9年度募集要項には明記されていません。
ここで重要な変更点があります。令和9(2027)年度実施分から、英語は学力検査(筆記試験)としては実施されず、TOEIC L&Rまたは TOEFL iBT(Home Edition含む)の外部スコアを利用する方式に切り替わりました。令和8(2026)年度実施分までは「英文の読解力、英語による表現力」を問う90分の英語筆記試験が課されていましたが、令和9年度実施分の募集要項には「『英語』は学力検査ではなく、英語外部試験のスコアを利用します」と明記されています。外部スコアの提出自体は任意ですが、面接試験の際に参考資料として考慮される場合があるため、提出できるスコアがあれば積極的に用意しておくことが望ましいでしょう。提出する場合は、出願年度の前年4月1日以降に受験したTOEIC L&RのDigital Official Score Certificate、またはTOEFL iBT・TOEFL iBT Home EditionのOnline score reportをWeb出願サイトにアップロードする形式で、団体受験制度(TOEIC-IP、TOEFL-ITP等)のスコアは対象外とされています。
| 実施年度 | 英語の扱い |
|---|---|
| 令和8(2026)年度実施分まで | 学力検査として英語筆記試験を実施(英文の読解力・英語による表現力、90分) |
| 令和9(2027)年度実施分から | 学力検査としての英語筆記試験は廃止。TOEIC L&R/TOEFL iBTの外部スコア(任意提出)を面接時の参考資料として利用 |
この変更により、学力検査当日の科目は数学・物理・化学の3科目に絞られ、8月26日の1日で完結する形になりました(旧方式では2日目に英語筆記試験も実施されていました)。英語力そのものが不要になったわけではなく、外部スコアを提出しない場合は面接でのアピール材料が一つ減ることになるため、TOEIC・TOEFLのスコア取得を出願準備の一部として計画しておくことをおすすめします。
選抜方法全体としては、「調査書、学力検査、面接及び英語外部試験のスコアによって行います」と募集要項に記載されており、学力検査(数学・物理・化学)と面接の得点だけでなく、出身校の調査書の内容も選考材料になります。また「学力検査において実施される科目を1科目でも受験しなかった者は、不合格とします」という注意事項があるため、体調不良等で受験できない科目が出ないよう、当日のコンディション管理も準備の一部と考えておく必要があります。各科目の配点比率(数学・物理・化学・面接それぞれの点数配分)は募集要項上に数値としては公表されていません。この点は正確な一次情報として確認できなかったため、出願前に最新の募集要項や大学への問い合わせで確認することをおすすめします。
出願・試験日程のスケジュール
令和9(2027)年度学生募集要項に記載された一般入試のスケジュールは、次のとおりです。2027年4月1日付での編入学を予定する日程で、出願はすでに2026年7月8日から10日の期間で締め切られています。次年度以降に出願を検討する場合は、下記の日程を目安にしつつ、公式サイトで公表される最新の令和10(2028)年度募集要項(例年4月頃に公表)を必ず確認してください。
| 項目 | 令和9(2027)年度一般入試の内容 |
|---|---|
| Web出願サイト登録開始 | 2026年7月6日(月)午前9時〜 |
| 入学検定料支払受付期間 | 2026年7月1日(水)〜7月10日(金) |
| 出願期間(書類必着) | 2026年7月8日(水)〜7月10日(金) |
| 学力検査(数学・物理・化学) | 2026年8月26日(水)、大岡山キャンパス |
| 面接 | 2026年8月27日(木)、大岡山キャンパス |
| 合格者発表 | 2026年9月8日(火)12時頃、受験生サイトにPDF掲載 |
| 入学手続通知の発送 | 2027年2月上旬 |
| 入学手続締切 | 2027年3月15日(月) |
| 編入学時期 | 2027年4月1日 |
出願は、次の7つの手続きをすべて完了させる必要があります。Web上の登録と検定料納入だけでは出願は完了しません。
- 受験生サイトからWeb出願サイトにアクセスし、出願情報を登録する
- 顔写真データ(カラー・上半身・脱帽・正面向き・無背景・無加工、出願前3か月以内撮影、100KB〜5MBのJPGまたはPNG)をアップロードする
- 入学検定料30,000円をE-支払いサイトで納入する
- 志願票等をWeb出願サイトから印刷する
- 志願票、調査書(出身校長作成・厳封。高専編入の場合は在籍高校の成績証明書も別途)、成績開示用封筒(任意)、在留カード等(外国籍の者のみ)を、書留・速達で大岡山キャンパス入試課へ郵送する(持参は不可)
- 出願が受理されると、Web出願サイト上に受験票が表示される
- 受験票をダウンロード・印刷し、試験当日に必ず持参する
出願書類の内訳と提出方法は、次のとおりです。
| 提出書類 | 提出方法 | 留意事項 |
|---|---|---|
| 志願票 | Web入力+郵送 | Web出願サイトの志願票フォームに入力し、片面印刷して郵送する |
| 顔写真データ | システム(アップロード) | カラー・上半身・脱帽・正面向き・無背景・無加工、出願前3か月以内撮影、100KB〜5MBのJPGまたはPNG |
| TOEIC L&R/TOEFL iBTスコアシート(任意) | システム(アップロード) | 前年度4月1日以降に受験した公式スコアのみ対象。団体受験制度のスコアは対象外 |
| 入学検定料(30,000円) | システム(E-支払いサイト) | 納入後の照会結果、またはコンビニ収納証明書をアップロード |
| 調査書(厳封) | 郵送 | 出身校長作成のものを厳封して提出。高専編入者は在籍高校の成績証明書も別途提出(厳封不要) |
| 成績開示用封筒(任意) | 郵送 | 長形3号封筒に460円分の切手を貼付して同封すると、個人別成績が後日送付される |
| 在留カード等(外国籍の者のみ) | 郵送・システム | 在留カード両面の画像、または国籍・在留資格を確認できる書類 |
これらのうち、志願票・調査書・成績開示用封筒は最終的に紙で郵送する必要があるのに対し、顔写真データ・英語外部試験スコア・検定料関連書類はWeb出願サイト上でのアップロードで完結します。紙の郵送とオンライン手続きが混在する出願方式のため、出願期間の直前になって慌てないよう、調査書の発行依頼だけは早めに出身校へ申し出ておくと安心です。
入学検定料は30,000円で、E-支払いサイトでのオンライン決済、またはコンビニエンスストアでの支払いに対応しています。国費外国人留学生は検定料が不要となる制度や、災害救助法の適用を受けた場合の減免制度も設けられています。入学時に必要となる経費としては、入学料282,000円(予定)、前期授業料317,700円(年額635,400円・予定)が募集要項に記載されていますが、いずれも「予定」であり在学中に改定される場合があるため、最新額は入学手続時の通知で確認してください。
直前期のスケジュールの目安
物質理工学院の編入学試験は、出願が7月上旬、学力検査・面接が8月下旬、合格発表が9月上旬、入学が翌年4月という日程で進みます。出願から合格発表までは1年以上の準備期間を確保できる一方、出願書類の提出自体は7月上旬の3日間に集中するため、直前期の動き方を年間で整理しておくと安心です。
| 時期の目安 | 取り組むこと |
|---|---|
| 出願前年の秋〜冬 | 出願資格(高専・短大卒業見込み)を確認し、過去問を大岡山キャンパス入試課へ請求する |
| 出願年の春(4月頃) | その年度の学生募集要項が公表されるため、募集人員・日程・科目の変更点を確認する |
| 出願2〜3か月前 | 数学・物理・化学の出題範囲に沿って演習を進め、英語外部試験のスコアを取得する |
| 出願直前(6月〜7月上旬) | 出身校に調査書の発行を依頼し、Web出願サイトでの登録・検定料納入・書類郵送を済ませる |
| 試験直前(8月) | 面接想定質問への回答を整理し、学力検査の総復習を行う |
出願前に確認しておきたいポイント
- 出願資格:高専卒業(見込)または日本の短期大学卒業(見込)に該当するか。4年制大学在学者・専門学校修了者は対象外です。
- 調査書の発行依頼:出身校長作成・厳封の調査書が必要なため、出願期間の3日間に間に合うよう、早い段階で出身校の教務窓口へ発行を依頼しておく。
- 英語外部試験スコア:任意提出ですが、TOEIC L&Rは前年度4月1日以降のスコアのみ対象。受験日とスコア到着時期を出願期間から逆算しておく。
- 検定料30,000円の支払い:入学検定料支払受付期間(出願期間より前から開始)を確認し、E-支払いサイトまたはコンビニで早めに納付する。
- 試験日程の重複確認:学力検査8月26日・面接8月27日が、併願を検討している他大学の試験日と重ならないか確認する。
- 過去問の請求:大学公式サイトでは公開されていないため、大岡山キャンパス入試課への来訪または郵送請求を、出願前の早い時期に済ませておく。
まずは無料相談で、合格までの最短ルートを確認しませんか?
スプリング・オンライン家庭教師のプロ講師が、現在の学力・志望校・残り期間に合わせて、必要な対策を個別に整理します。
- 大学編入のプロ講師が最適な受験戦略を提案
- 今後の大学編入の勝ち筋が見える。
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倍率・難易度
東京科学大学は、学士課程編入学試験の学院別・系別の詳細な倍率を常時公開しているわけではありませんが、入試データのページに掲載されている「学士課程編入学等実施結果」というPDF資料には、年度ごとの系別の志願者数・受験者数・合格者数が実数で記載されています。令和6・7・8年度(いずれも一般入試)の物質理工学院の実績は、次のとおりです。
| 年度 | 系 | 志願者数 | 受験者数 | 合格者数 | 入学手続者数 |
|---|---|---|---|---|---|
| 令和6年度 | 材料系 | 5人 | 4人 | 0人 | 0人 |
| 令和6年度 | 応用化学系 | 4人 | 4人 | 3人 | 3人 |
| 令和7年度 | 材料系 | 4人 | 2人 | 2人 | 2人 |
| 令和7年度 | 応用化学系 | 3人 | 2人 | 1人 | 1人 |
| 令和8年度 | 材料系 | 3人 | 3人 | 1人 | 1人 |
| 令和8年度 | 応用化学系 | 4人 | 4人 | 2人 | 2人 |
この実数から読み取れる特徴は、材料系・応用化学系とも募集人員自体が数人規模の小さな枠だということです。志願者数は各年度3〜5人程度、受験者数も2〜4人程度にとどまっており、合格者数は0〜3人の間で年度ごとに大きく変動しています。特に材料系は令和6年度に受験者4人中合格者0人という結果になっており、母数が小さい選抜では単純な倍率計算(志願者数÷合格者数)が実態を正確に表しにくい点に注意が必要です。応用化学系は3年間を通じて合格者が出ており、令和6年度は受験者4人中3人が合格するなど、年度による振れ幅が大きいことがわかります。なお、公式データの内数からは、材料系・応用化学系とも女子の志願者は年度によって0〜1人程度で推移していることも読み取れます。
倍率の見方としては、「志願者数÷合格者数」で計算される見かけ上の倍率と、「受験者数÷合格者数」で計算される実質倍率の2種類があることも押さえておきたいポイントです。出願だけして当日欠席する志願者が一定数含まれるため、実際の競争の厳しさに近いのは受験者数を基準にした実質倍率です。たとえば令和8年度の材料系は志願者3人・受験者3人で欠席者がいなかった一方、令和7年度の応用化学系は志願者3人に対して受験者2人と、志願者の一部が受験に至っていない年度もあり、見かけの倍率と実質倍率が一致しない場合がある点にも注意してください。
参考として、工学院・物質理工学院・情報理工学院・環境社会理工学院の4学院合計(一般入試)の実績は、令和6年度が志願者84人・受験者68人・合格者21人、令和7年度が志願者67人・受験者48人・合格者21人、令和8年度が志願者54人・受験者47人・合格者24人でした。4学院合計では毎年20人前後の合格者が出ており、募集人員20人に近い水準で運用されていることがわかります。物質理工学院の材料系・応用化学系は、この20人枠の中の一部を占める形になるため、機械系・電気電子系・情報工学系など人気の高い系との合格者数の配分状況も、間接的に難易度へ影響していると考えられます。
4学院合計の内訳を系ごとに見ると、令和8年度実施結果では次のようになっています。
| 学院 | 系 | 志願者数 | 受験者数 | 合格者数 |
|---|---|---|---|---|
| 工学院 | 機械系 | 11人 | 9人 | 4人 |
| 工学院 | システム制御系 | 5人 | 4人 | 2人 |
| 工学院 | 電気電子系 | 10人 | 10人 | 5人 |
| 工学院 | 情報通信系 | 2人 | 2人 | 1人 |
| 工学院 | 経営工学系 | 1人 | 0人 | 0人 |
| 物質理工学院 | 材料系 | 3人 | 3人 | 1人 |
| 物質理工学院 | 応用化学系 | 4人 | 4人 | 2人 |
| 情報理工学院 | 数理・計算科学系 | 3人 | 3人 | 2人 |
| 情報理工学院 | 情報工学系 | 5人 | 4人 | 3人 |
| 環境・社会理工学院 | 建築学系 | 0人 | 0人 | 0人 |
| 環境・社会理工学院 | 土木・環境工学系 | 1人 | 0人 | 0人 |
| 環境・社会理工学院 | 融合理工学系 | 3人 | 2人 | 1人 |
この一覧から、機械系・電気電子系は志願者・合格者とも他系より多く、4学院合計20人の枠のうち相当数を占めていることがわかります。物質理工学院の材料系・応用化学系は、志願者数自体が他系と比べて突出して多いわけではありませんが、受験者に対する合格者の比率で見ると、応用化学系の4人中2人、材料系の3人中1人は、システム制御系や情報通信系と同程度の水準です。全体として、4学院共同枠の中では機械系・電気電子系に志願が集まりやすく、材料系・応用化学系は募集規模自体が小さい分、年度ごとの合格者数の振れ幅も大きくなりやすい構造だといえます。
なお、正確な最新年度の倍率や志願動向は、大学が受験生サイトの「入試データ」ページで毎年更新するため、出願を検討する際は必ず最新の実施結果PDFを確認してください。本記事で示した数値は2026年7月13日時点で確認できた令和6〜8年度分の実施結果にもとづくものであり、母数が小さい選抜であるがゆえに、翌年度以降も同水準の倍率になるとは限りません。
科目別対策
学力検査は数学・物理・化学の3科目で、いずれも高専・短大の専門教育で学ぶ基礎理論が土台になっています。科目ごとに、募集要項に明記された出題範囲を起点とした対策の考え方を整理します。
数学(微分積分学・線形代数学)対策
数学は120分と、3科目の中で最も試験時間が長く設定されています。出題範囲は「微分積分学、線形代数学」と明記されており、多変数関数の微分・積分、級数、線形写像、固有値・固有ベクトル、行列の対角化といった、高専の専門課程や短大の理工系科目で扱う内容が中心になると考えられます。120分という試験時間の長さは、計算量の多い問題や複数の小問で構成された大問が出題される可能性を示唆しており、公式を覚えているだけでなく、計算を最後まで正確に進めきる速度と持久力を養う演習が欠かせません。高専生の場合は在籍校の専門科目の教科書・演習書を、短大生の場合は理工系の微分積分学・線形代数学の標準的なテキストを繰り返し解き、単元ごとの抜けを洗い出しておくとよいでしょう。微分積分学は多変数関数の偏微分・重積分・級数展開まで、線形代数学は行列の階数・固有値問題・対角化・二次形式までを一通り解けるようにしておくと、120分という試験時間の中で複数の大問を落ち着いて処理しやすくなります。
物理(力学・電磁気学・熱力学又は波動)対策
物理は「力学、電磁気学、熱力学又は波動」の3分野から出題される旨が明記されています。「又は」という表記から、熱力学と波動のいずれか、あるいは年度によって扱う分野が変わる可能性があるため、両分野とも基礎は押さえたうえで、直近の出題傾向がわかる過去問(後述する方法で入手可能)で実際にどちらが出題されているかを確認することが有効です。力学は運動方程式・エネルギー保存・剛体の力学、電磁気学はクーロンの法則からマクスウェル方程式の初歩まで、材料系・応用化学系の専門科目とも関連の深い分野です。物理化学や材料物性の学習を先取りする意味でも、電磁気学と熱力学の基礎は早い段階から固めておく価値があります。熱力学であれば状態方程式とエントロピー、波動であれば干渉・回折といった典型論点を、力学・電磁気学と並行して仕上げておくと、どちらの分野が出題されても対応しやすくなります。
化学(物理化学・無機分析化学・有機化学)対策
化学は「物理化学、無機・分析化学、有機化学」という3分野が出題範囲です。物質理工学院という学院名が示すとおり、化学は材料系・応用化学系のいずれを志望する場合でも避けて通れない中心科目になります。物理化学では熱力学第一法則・第二法則、反応速度論、化学平衡、無機・分析化学では周期律と元素の性質、酸塩基平衡、定量分析の考え方、有機化学では官能基の反応性や基本的な合成反応の理解が問われると想定されます。3分野を均等に学習するのが理想ですが、限られた準備期間の中では、まず自分の在籍校のカリキュラムで手薄になりやすい分野(高専の学科によっては有機化学の比重が小さいなど)を洗い出し、そこから優先的に補強する進め方が効率的です。物理化学は熱力学第一法則・第二法則と反応速度論、無機・分析化学は周期律と滴定計算、有機化学は代表的な官能基の反応機構を、それぞれ計算問題と記述問題の両方の形式で解けるように仕上げておくことが、化学を中心科目とする物質理工学院の対策では特に重要です。
科目間の学習配分の考え方
各科目の配点比率は公表されていませんが、試験時間の配分(数学120分、物理90分、化学90分)は、出願者が参考にできる数少ない手がかりの一つです。数学だけ試験時間が突出して長く設定されていることから、微分積分学・線形代数学の計算量が多いことを見込んだ時間配分になっていると考えられます。学習の優先順位に迷う場合は、まず数学の基礎計算力を安定させ、そのうえで物理・化学の典型問題演習に時間を配分し、直前期に面接想定質問と英語外部試験のスコア取得を並行させる、という順序が一つの目安になります。ただし、この配分はあくまで試験時間から読み取れる推測であり、実際の配点や重視される科目を大学が公表しているわけではない点には注意してください。
英語外部試験スコアの準備
令和9年度実施分からは英語の筆記試験が実施されず、TOEIC L&RまたはTOEFL iBT(Home Edition含む)のスコア提出が任意で求められる形式に変わりました。提出は任意ですが、面接時の参考資料として考慮される可能性があるとされているため、出願前年度の4月1日以降に受験したスコアを準備しておくことをおすすめします。TOEIC L&Rの場合はデジタル公式認定証、TOEFL iBTの場合はオンラインスコアレポートをWeb出願サイトにアップロードする形式で、団体受験制度(TOEIC-IP、TOEFL-ITP等)のスコアは対象外です。出願直前になって受験可能な日程が見つからない、という事態を避けるため、出願期間から逆算して受験日とスコア到着時期を早めに確保しておく必要があります。TOEIC L&Rであればリーディング・リスニングの総合点、TOEFL iBTであれば4技能のスコアが証明書に記載されるため、面接で英語力を裏付ける資料として使えるレベルのスコアを、出願期間に間に合うよう計画的に取得しておきましょう。
面接・志望理由書・過去問分析と出題予測
過去問の入手方法
物質理工学院を含む編入学試験(一般入試)の過去問は、大学の公式ウェブサイト上では公開されていません。入試FAQによれば、編入学試験の過去問は「過去3年分まで」配付されており、入手方法は大岡山キャンパス入試課への直接来訪か、郵送での請求(送料は請求者負担)の2通りです。郵送で請求する場合は、角形2号の返信用封筒に180円分の切手を貼り、返信先の郵便番号・住所・氏名と連絡先を明記したメモを同封して、大岡山キャンパス入試課宛てに送付します。海外への発送はできず、代理人による請求も国内在住者に限られる、という条件も付されています。ネット上に問題そのものは公開されていないため、過去問を使った演習を計画に組み込む場合は、出願期間よりも十分前の時期に請求の準備を進めておく必要があります。過去問が手元に届くまでの間は、在籍している高専・短大の定期試験や、学力検査の出題範囲(微分積分学・線形代数学、力学・電磁気学・熱力学又は波動、物理化学・無機分析化学・有機化学)に対応する大学の専門科目の教科書・演習書の章末問題を先に解き進めておくと、過去問が届いた後の答え合わせと弱点の洗い出しがスムーズになります。
なお、物質理工学院には材料系を対象とした「海外特定協定大学からの転入学」という別枠の制度も存在しますが、これは大学間協定を結んだ海外の大学に在籍する学生を対象とする転入学制度であり、高専・短大出身者を対象とする一般の編入学試験とは出願資格・選考方法が異なります。両者を混同しないよう、募集要項の該当箇所を区別して確認してください。
募集要項から見た出題予測
過去問そのものが手元にない段階でも、募集要項に明記された情報から、出題の方向性をある程度予測することは可能です。まず学力検査が数学・物理・化学の3科目に絞られており、英語が学力検査から外れたことで、専門系科目である化学と、その土台となる数学・物理の比重が相対的に高まっていると考えられます。次に、化学の出題範囲が「物理化学、無機・分析化学、有機化学」と3分野にわたって明記されている点から、材料系・応用化学系のいずれも化学を万遍なく学習していることが前提とされていると読み取れます。物理の出題範囲に「熱力学又は波動」という選択的な表記がある点も、年度によって出題分野が変わりうることを示すシグナルであり、直近数年分の過去問(前述の方法で請求可能)を確認して、どちらの分野が実際に出題されているかを把握することが対策の精度を高めます。以上はあくまで募集要項の記載から導いた推測であり、実際の出題内容や難易度を保証するものではない点にご留意ください。
志望理由書の準備
令和9年度の一般入試では、志望理由書は必須の提出書類として指定されていません(志望理由書の提出が必須なのは、生命理工学院の特別入試のみです)。ただし、面接で「なぜ物質理工学院を志望するのか」「材料系・応用化学系で何を学びたいのか」を問われることは想定されるため、提出が任意・不要であっても、事前に文章化して準備しておく価値は十分にあります。準備の軸としては、物質理工学院のアドミッション・ポリシーにある「材料や応用化学に関係する諸現象について積極的に学習する意欲」をどう自分の学習歴・実験経験・課題研究と結びつけて語れるかが重要になります。高専の専攻科や卒業研究、短大での実験科目など、これまでに取り組んだ具体的なテーマを挙げ、それを物質理工学院のどの分野の学びに接続したいのかを、抽象的な言葉ではなく固有名詞(反応系・材料の種類・現象名など)を交えて説明できるように準備しておきましょう。
| 物質理工学院が求める人材像 | 志望理由書・面接で示したい内容の例 |
|---|---|
| 自然科学の幅広い分野について基礎学力を有し、柔軟な発想ができる人 | 高専・短大で学んだ数学・物理・化学の内容と、それらを組み合わせて考えた実験・課題研究の経験 |
| 材料や応用化学に関係する諸現象について積極的に学習する意欲がある人 | 材料系・応用化学系のどちらの分野に、どのような現象・テーマで関心を持ったか、その経緯と今後深めたい方向性 |
面接で想定される質問
面接は個人面接形式で、「志望する系における専門的な知識を問うことがあります」と募集要項に明記されています。単なる志望動機の確認だけでなく、材料系・応用化学系の基礎知識に関する口頭試問が行われる可能性を踏まえて準備する必要があります。想定される質問領域としては、次のようなものが考えられます。
- 物質理工学院、特に材料系(または応用化学系)を志望する理由
- これまでの学習歴・実験・卒業研究の内容とその成果
- 学力検査で出題された数学・物理・化学の内容に関連する追加の質問
- 材料科学・応用化学の分野で関心を持っているテーマや現象
- 編入学後に履修したい科目や、参加したい研究室・演習
- 出願資格(高専卒業見込み・短大卒業見込み)に関する在籍状況の確認
- 材料系志望者:関心のある材料(金属・セラミックス・高分子など)とその特性について
- 応用化学系志望者:関心のある化学反応・合成プロセスや、その工業的な応用について
面接では専門知識を問われる場面があるため、志望理由の暗記だけでなく、学力検査の3科目で学んだ内容を口頭で説明できるレベルまで整理しておくことが、筆記と面接の両方に効く準備になります。
併願戦略・内部リンク
物質理工学院の学力検査は2026年8月26日、面接は8月27日に大岡山キャンパスで実施されます。同じ理工学系の他学院(工学院・情報理工学院・環境社会理工学院)の編入学試験も同一の募集要項・同一の日程で実施されるため、物質理工学院と工学院・情報理工学院を同時に併願することはできません(同じ試験日に同じ会場で実施されるため)。一方で、他大学の編入学試験は大学ごとに出願期間・試験日が異なるため、東京科学大学の出願期間・試験日と重ならない大学であれば併願を検討できます。併願校を選ぶ際は、日程の重複だけでなく、出願資格(高専・短大限定か、大学在学者も対象かなど)や試験科目の重なりも合わせて確認すると、対策の負担を分散させやすくなります。
併願を検討する際にもう一点意識したいのが、出願書類の準備期間です。東京科学大学は出願期間が7月上旬の3日間と短く、調査書の厳封や英語外部試験スコアの取得には数週間単位の準備期間が必要になります。併願する大学の出願期間が東京科学大学より前に設定されている場合、書類準備のスケジュールが重なり、どちらかの対策が手薄になるリスクがあります。併願校を決める段階で、出願期間・必要書類・検定料の支払期限を一覧化し、逆算したスケジュールを組んでおくと安心です。
出願書類の面でも、併願校によっては東京科学大学と同様に調査書の厳封原本を求められる場合があります。調査書は出身校長が作成する書類のため即日発行できないことが多く、併願する大学の数だけ必要部数を早めに出身校へ依頼しておく必要があります。出願期間の直前になって部数不足に気づく、という事態を避けるため、併願を決めた時点で必要書類の一覧を作成しておくことをおすすめします。
4学院合計20人の枠内では、物質理工学院以外の学院もそれぞれ異なる人材像を掲げています。工学院は「工学的知識・技術の発展に貢献しようという高い志」「理数系科目を中心とする確実な基礎学力」を、情報理工学院は「数理科学に興味を持ち、コンピュータの仕組みや活用法に興味を持つ人」を、環境・社会理工学院は「理工学的叡智に加えて人文社会科学的叡智」を、それぞれ求める学生像として募集要項に掲げています。同じ枠内でも学院ごとに評価の軸が異なるため、機械・電気系の技術志向であれば工学院、情報・数理志向であれば情報理工学院、材料・化学志向であれば物質理工学院というように、自分の学習歴や関心と最も一致する学院を選ぶことが、志望理由書や面接の説得力を高める近道になります。
あわせて、東京科学大学の理工学系には物質理工学院以外にも編入学を実施している学院があります。同じ4学院合計20人の枠に含まれる東京科学大学工学院の編入試験や東京科学大学情報理工学院の編入試験は、出願資格・出願期間・試験科目の骨格が共通しているため、併願先というより、出願資格や科目構成を比較する参考として読み合わせておくと理解が深まります。また、大学編入全体の難易度の位置づけを確認したい場合は大学編入の難易度を徹底解説した記事も参考になります。編入学試験の準備を体系的に進めたい方は、大学編入対策コースで、出願資格の確認から科目別の学習計画、志望理由書・面接対策までを個別に相談することもできます。編入学試験そのものの基本的な仕組みや年間スケジュールを一から把握したい場合は、大学編入とは何かを解説したガイド記事もあわせて確認してください。
よくある質問(FAQ)
物質理工学院の編入学試験は、4年制大学に在学中でも出願できますか。
令和9(2027)年度学生募集要項に記載された出願資格は、高等専門学校卒業(見込)者、または日本の短期大学卒業(見込)者の2区分に限られています。4年制大学に在学して一定単位を修得した者を対象とする条項は募集要項に見当たらず、専門学校修了者も対象に含まれていません。高専の専攻科在籍者や、海外の高専に準ずる課程の修了者など、判断に迷う場合は自己判断せず、出願前に大岡山キャンパス入試課へ確認することをおすすめします。出願資格に該当するかどうかは、年度ごとの最新の募集要項で必ず確認してください。
物質理工学院単独の募集人員は何人ですか。
募集要項では、物質理工学院単独の人数は明示されておらず、工学院・物質理工学院・情報理工学院・環境社会理工学院の4学院合計で20人という形で公表されています。過去3年分(令和6〜8年度)の実施結果を見ると、物質理工学院の材料系・応用化学系はそれぞれ年間で数人程度の志願者・合格者数で推移しており、4学院合計の中では機械系・電気電子系よりも規模の小さい枠です。
英語の筆記試験はありますか。
令和9(2027)年度実施分から、英語は学力検査(筆記試験)としては実施されなくなりました。かわりにTOEIC L&RまたはTOEFL iBT(Home Edition含む)の外部スコア提出が任意で求められ、提出されたスコアは面接時の参考資料として考慮される場合があります。前年度(令和8年度実施分)までは英文読解・表現を問う90分の筆記試験が課されていたため、対策方針を検討する際は必ず出願する年度の募集要項の記載を確認してください。学力検査当日の科目が数学・物理・化学の3科目に絞られたことで、試験自体は8月26日の1日で完結する形になっています。
過去問はどこで入手できますか。
編入学試験の過去問は大学公式サイト上には公開されておらず、過去3年分までを大岡山キャンパス入試課で配付する形が取られています。入手方法は入試課への直接来訪、または返信用封筒(角形2号、180円切手貼付)を同封した郵送での請求で、海外発送は不可、代理人請求も国内在住者に限られます。過去問が届く前の期間は、募集要項に明記された出題範囲(数学・物理・化学の内容)に沿って、専門科目の教科書・演習書で先に演習を進めておくと、届いた後の分析がスムーズになります。
倍率はどのくらいですか。
令和6〜8年度の一般入試の実施結果によると、材料系は志願者3〜5人・合格者0〜2人、応用化学系は志願者3〜4人・合格者1〜3人という範囲で年度ごとに変動しています。募集規模自体が数人単位と小さいため、単年度の数字だけで難易度を判断せず、複数年度の傾向とあわせて捉えることをおすすめします。同じ4学院合計20人枠の中では、機械系・電気電子系の方が志願者・合格者とも多い傾向にあります。
志望理由書は必ず提出しなければなりませんか。
物質理工学院を含む一般入試の出願書類として、志望理由書は必須指定されていません(志望理由書の提出が必須なのは生命理工学院の特別入試のみです)。ただし面接で志望理由や学びたい内容を問われることが想定されるため、提出が任意・不要であっても、事前に文章としてまとめておくことをおすすめします。
試験当日の持ち物や集合時間の案内はいつわかりますか。
学力検査の試験場案内は受験票発送(Web出願サイトでの表示)の際に通知され、面接試験場の案内は化学の試験終了後に配付されます。8月26日の集合時刻や8月27日の面接開始時刻は系によって異なる場合があるため、出願後に届く案内を必ず確認してください。募集要項に記載された標準的な時間割は、8月26日が数学9時30分〜11時30分・物理13時〜14時30分・化学15時〜16時30分、8月27日が面接10時〜(系により開始時刻が異なる)です。
合格発表後、入学手続きはいつまでに行えばよいですか。
令和9(2027)年度実施分の場合、入学手続の通知は2027年2月上旬に発送され、手続の締切は2027年3月15日(月)です。入学時に必要な経費は入学料282,000円(予定)、前期授業料317,700円(予定)とされていますが、いずれも「予定」であるため、正式な金額は入学手続時の通知で確認してください。
まとめ
東京科学大学物質理工学院の編入学試験は、材料系・応用化学系を対象に、高専・短大卒業(見込)者のみを出願資格とする3年次相当の学士課程編入学試験です。工学院・情報理工学院・環境社会理工学院とあわせた4学院合計20人という枠の中で実施され、学力検査は数学・物理・化学の3科目、英語は令和9年度実施分から外部スコアの任意提出に切り替わりました。令和6〜8年度の実施結果を見ると、材料系・応用化学系とも志願者・合格者数は数人規模で年度ごとの変動が大きく、過去問も大学公式サイト上には公開されていないため、募集要項の記載内容から出題範囲を読み解き、入試課への請求という手段で過去問を確保しながら準備を進めることが欠かせません。
準備の順序としては、まず出願資格(高専・短大卒業見込みの区分)を確認し、次に数学・物理・化学の出題範囲を過去問請求と併行して洗い出し、志望理由書と面接で語る内容を材料系・応用化学系それぞれのアドミッション・ポリシーに接続させる、という流れが基本になります。出願資格・日程・科目・配点は年度ごとに更新されるため、実際に出願する際は必ず大学公式サイトの最新の募集要項を確認したうえで、学習計画と書類準備を並行して進めてください。特に令和9年度実施分での英語筆記試験の廃止のように、制度そのものが変わる場合もあるため、数年前の体験談やまとめ記事だけを頼りにせず、出願する年度の公式情報を起点に対策を組み立てることが、遠回りに見えて最も確実な準備の進め方です。
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