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立教大学大学院現代心理学研究科心理学専攻「春入試」の傾向と対策

立教大学大学院現代心理学研究科心理学専攻には、秋季実施分とは別に「春季実施分」というもう一度チャレンジできる入試区分があります。心理学専攻の博士課程前期課程は、一般入学試験・社会人入学試験・外国人入学試験の3区分を、秋季(9月試験)と春季(2月試験)の年2回に分けて実施しており、秋季で思うような結果が出なかった人や、社会人としてじっくり準備してから受験したい人にとって、春季実施分は重要な選択肢になります。
春入試とは、4月入学を前提に翌年1月に出願し2月に試験を受ける実施区分のことです。募集人員は秋季・春季・学内推薦を合わせた人数として公表されているため、春季だけの定員が別枠で示されているわけではありません。だからこそ、出願資格や試験科目、出願書類の準備を早めに進め、限られたチャンスを確実に生かす対策が必要になります。とくに社会人として働きながら受験する場合は、秋季実施分の準備期間だけでは研究計画書を練り上げきれないケースも多く、半年ほど余裕のある春季実施分を軸に据えるという選び方も現実的です。
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心理学専攻は、同じ現代心理学研究科の中でも臨床心理学専攻・映像身体学専攻とは異なり、秋季・春季の両方で一般・社会人・外国人のすべての試験区分を実施している専攻です。臨床心理学専攻は春季入試を実施していないため、専攻によって「もう一度のチャンス」があるかどうかが変わってくる点は、志望専攻を決める段階で必ず押さえておきたいポイントです。試験科目も英語・心理学の筆記試験と口頭試問という構成で、英語は資格・検定試験のスコアで代替できる制度も用意されています。
本記事では、立教大学が公式に公開している2027年度大学院入試要項(現代心理学研究科)をもとに、心理学専攻春季実施分の出願資格・日程・試験科目を一次情報から整理し、あわせて公式に公開されている過去問題から読み取れる出題テーマと対策の方向性、出願から合格発表までの逆算スケジュールまでを解説します。募集要項の内容は年度により変わるため、出願にあたっては必ず最新の要項を確認してください。
立教大学大学院現代心理学研究科心理学専攻「春入試」とは何か
立教大学大学院現代心理学研究科は、心理学専攻・臨床心理学専攻・映像身体学専攻の3専攻から構成される研究科です。このうち博士課程前期課程の入学試験は、一般入学試験・社会人入学試験・外国人入学試験の3つの試験区分に分かれ、さらに実施時期として秋季と春季の年2回が設けられています。心理学専攻はこの3専攻の中で、秋季・春季の両方に一般・社会人・外国人のすべての区分を実施している専攻です。
一方で臨床心理学専攻は春季入試を実施していません。臨床心理学専攻を志望する場合は秋季実施分が唯一のチャンスになるため、この違いを正確に理解しておくことが最初のポイントです。映像身体学専攻は心理学専攻と同様に春季も実施されますが、論文系・制作系という別の系統選択があり、心理学専攻とは出願書類の性質が異なります。3専攻とも同じ「現代心理学研究科」に属していますが、実施時期の設計は専攻ごとに異なるという点は、併願や志望専攻の変更を検討する際に見落としやすいポイントです。
心理学専攻の研究領域
心理学専攻は、知覚心理学・認知心理学・学習心理学・発達心理学といった基礎心理学の領域から、社会心理学・産業組織心理学といった応用心理学の領域まで、幅広いテーマを研究対象としています。複数教員による共同研究指導体制が特徴で、修了に必要な単位は30単位以上とされています。臨床心理学専攻との連携科目も用意されており、心理職を目指す場合でも基礎心理学の視点を養える点が特色です。入学者受入れの方針でも「学部で習得した心理学、臨床心理学、映像身体学のいずれかについての一般的見識ならびに専門的技能を持ち、自らの研究テーマに明確な自覚と批判精神をもって取り組みうる学生を受け入れる」と明記されており、学部段階での基礎知識に加えて、自分の研究テーマを言語化できているかどうかが重視されていることがうかがえます。
学内推薦入試との違い
心理学専攻の募集人員には、本記事で扱う一般・社会人・外国人の3区分に加えて、学内推薦入試の合格者数も含まれます。ただし学内推薦入試は現代心理学部の在学生を対象に別途案内される制度であり、外部の大学から出願する場合や、現代心理学部以外の学部出身者が対象とする一般入学試験・社会人入学試験・外国人入学試験とは、出願資格も選考プロセスも異なります。本記事で解説している春季実施分は、あくまで一般・社会人・外国人の3区分についての内容です。学内推薦での出願を検討している現代心理学部の在学生は、学部からの案内を別途確認してください。
修了後の進路
心理学専攻の修了生の進路としては、IBMやリクルートといった情報サービス企業のほか、教育機関、製造業など幅広い業種が挙げられます。修士課程で培った統計・実証研究のスキルを活かし、データ分析やマーケティングリサーチに関わる仕事に進む修了生もいれば、博士後期課程へ進学して研究者としてのキャリアを目指す道も用意されています。出願前に研究テーマだけでなく、修了後にどのようなキャリアを描いているかも合わせて考えておくと、研究計画書の説得力にもつながります。
なぜ春入試という区分が存在するのか
春季実施分が用意されている最大の理由は、受験機会を年1回に限定しないためです。秋季実施分は8月下旬に出願し9月に試験というスケジュールで、大学4年生であれば卒業論文と並行して準備することになります。一方で春季実施分は1月に出願し2月に試験というスケジュールのため、秋季で不合格だった場合の再チャレンジや、社会人が年度後半にかけてじっくり研究計画を練り上げてから出願する、といった使い方ができます。ただし、募集人員は秋季・春季・学内推薦を合算した人数として公表されているため、「春季のほうが枠が広い」という単純な図式にはならない点に注意が必要です。志願者数が募集人員に達しない場合でも、試験の成績によっては全員が合格になるとは限らない、という注意事項も要項に明記されています。
出願資格・受験資格(一般・社会人・外国人の3区分)
心理学専攻春季実施分に出願するには、まず博士課程前期課程共通の出願資格を満たす必要があります。基本となるのは学校教育法第102条に基づく大学卒業(卒業見込みを含む)という要件で、このほかにも学位授与機構による学士号取得者、海外の16年課程修了者、専修学校専門課程修了者、防衛大学校など各省大学校の修了者など、複数のルートが認められています。自分がどの要件に該当するか判断が難しい場合は、出願前に研究科の窓口に問い合わせておくと安心です。
| 試験区分 | 受験資格の概要 |
|---|---|
| 一般入学試験 | 博士課程前期課程の出願資格要件を満たす者 |
| 社会人入学試験 | 出願資格要件を満たし、かつ「大学卒業後、出願時に同一の企業・官公庁・団体・教育研究機関等で1年以上常勤職員として勤務している者」、または「大学卒業後、出願時までに2年以上の職歴を有すると研究科委員会が認めた者」のいずれかに該当する者 |
| 外国人入学試験 | 出願資格要件を満たし、かつ日本国籍を有せず、日本以外の国の大学を卒業した者(卒業見込みを含む) |
社会人入学試験・外国人入学試験については、出願に先立つ受験資格審査は行われません。出願後に区分が認められなかった場合でも、出願資格要件を満たしていれば一般入学試験として受験が認められる仕組みになっているため、迷った場合にまず社会人区分や外国人区分で出願してみる、という選び方も可能です。逆に言えば、社会人区分の要件をぎりぎり満たしているか自信が持てない場合でも、一般入学試験として受験できる可能性は残るため、出願自体を諦める必要はありません。
出願資格事前審査が必要なケース
大学卒業に相当する学力があると本大学院で認められた者(学校教育法施行規則第155条第1項第8号、2027年4月1日までに満22歳に達することが条件)によって出願する場合は、出願に先立って出願資格事前審査を受ける必要があります。春季実施分でこの審査を利用する場合、まずメールによる事前連絡の締切が2026年11月6日(金)に設定されており、その後に成績・単位証明書、卒業証明書、在籍証明書・業績一覧等、研究計画書、履歴書といった必要書類を簡易書留・速達で郵送する期間(2026年11月16日〜11月20日)が設定されています。審査結果は出願受付開始までに回答書で通知されるため、該当する可能性がある人は早い段階で研究科の窓口に問い合わせておくと安心です。
| 提出書類 | 内容 |
|---|---|
| 成績・単位証明書 | 出身大学等が発行したもの(本学出身者は不要) |
| 卒業証明書 | 出身大学等が発行したもの(本学出身者は不要) |
| 在籍証明書、業績一覧等 | 大学、研究所等が発行したもの |
| 研究計画書 | 本学所定書式。入試要項Webサイトからダウンロード |
| 履歴書 | 本学所定書式。事前連絡後に学部事務5課から書式を提供 |
2027年度春季実施分の出願期間・試験日程(逆算表)
2027年度の大学院入試要項(現代心理学研究科、2026年8月3日改訂版)によると、心理学専攻春季実施分のスケジュールは以下の通りです。出願受付期間は2027年1月8日(金)0:00から1月14日(木)23:59までで、Web出願システムでの締切時間は最終日の23時59分59秒(日本時間)です。
| 項目 | 日程 |
|---|---|
| 出願受付期間 | 2027年1月8日(金)0:00〜1月14日(木)23:59 |
| 受験票発行日 | 2027年2月5日(金)11:00(マイページから印刷) |
| 筆記試験(英語・心理学) | 2027年2月17日(水) |
| 口頭試問 | 2027年2月17日(水)14:00〜 |
| 合格発表 | 2027年2月26日(金)11:00 |
| 入学手続期間 | 合格発表日〜2027年3月12日(金) |
| 証明書等原本の提出期限 | 2027年3月12日(金)(入学手続書類に同封) |
| 受験上の配慮申請締切 | 2026年11月27日(金) |
この日程は2027年度(2027年4月入学者向け)の公式要項に基づくものです。出願期間・試験日は年度によって変動するため、実際に出願する際は必ず立教大学の公式サイトで最新の入試要項を確認してください。
出願の手順は3段階
出願手続は大きく3段階に分かれます。まず、Web出願システムから出願に必要な情報をもれなく日本語で入力し、顔写真(顔が鮮明に写ったもので、画像に加工が施されていないもの)をアップロードしたうえで、選考料の納入をクレジットカード決済(VISA/MASTER/JCB/AMEX/DINERS)で行います。次に、選考料納入完了後に生成される「マイページ」から、研究計画書や証明書といった所定の出願書類をすべてPDF形式でアップロードします。中国の教育機関を卒業した志願者は、これに加えてCHSI発行書類の直送手配を出願期間内に済ませる必要があります。
Web出願システムは入力開始から180分以上経過すると自動的にタイムアウトになり、入力内容は保持されません。再入力が必要になってしまうため、出願書類一式を事前に手元で整理し、まとまった時間を確保したうえで一気に入力を終える段取りにしておくことをおすすめします。
研究テーマ相談(研究室訪問)を先に済ませておく
心理学専攻・映像身体学専攻に出願予定の場合、特段の事情がない限り、出願に先立って研究テーマ相談(研究室訪問)を行うことになっています。これは指導を希望する教員と研究テーマについてすり合わせる機会で、研究計画書の内容にも直結します。試験日から逆算すると、出願受付が始まる1月上旬より前、できれば秋から冬にかけて済ませておくのが安全です。詳細は現代心理学研究科の公式サイトで案内されているため、早めに確認しておきましょう。
試験会場は新座キャンパス
心理学専攻の筆記試験・口頭試問はいずれも新座キャンパスで実施されます。池袋キャンパスでは受験できない点に注意してください。試験当日は開始15分前までに試験場へ集合する必要があり、遅刻は原則認められません(最初の筆記試験科目に限り開始後30分以内の遅刻入室のみ例外的に認められています)。試験場には時計の設備がないため、時間を計る機能のみの時計を各自持参する必要があり、スマートウォッチなどのウェアラブル端末は使用できません。試験時間中の辞書等の使用も原則として認められておらず、携帯電話やスマートフォンを身につけていること自体が不正行為とみなされる可能性がある点も、当日の持ち物準備の際に確認しておきたいポイントです。
要項では不正行為とみなされうる具体的な行為も列挙されています。筆記試験では、カンニングペーパーや参考書類・他の受験者の答案を見ること、使用を禁じられた機器・用具を使って解答すること、「解答を始めてください」の指示前に問題冊子を開くこと、指示後も解答を続けること、他の受験者に答えを教えるといった行為が該当します。口頭試問についても、面接中に他者と連絡を取り合うこと、面接の録画・録音やSNS等への掲載、面接前の受験者への内容漏洩、控室での通信機器の使用などが明記されています。不正行為と認定された場合は、当該年度に実施される本学のすべての入学試験の受験および結果が無効となるため、当日は指示に忠実に従う意識を持っておく必要があります。
試験科目と配点構成(英語・心理学・口頭試問)
心理学専攻の入学者選考は、試験区分にかかわらず筆記試験(英語・心理学)と口頭試問の成績を総合的に評価して行われます。2027年度要項の時間割は以下の通りです。
| 時間帯 | 科目 |
|---|---|
| 9:30〜10:30 | 英語 |
| 11:10〜12:10 | 心理学 |
| 14:00〜 | 口頭試問 |
筆記試験・口頭試問は日本語で行われますが、英語科目の解答については問題の指示に従う形式です。試験時間はそれぞれ1時間で、午前中に英語と心理学の2科目を続けて受験し、昼休みを挟んで午後に口頭試問という一日がかりの日程になります。長丁場になるため、当日の体調管理や昼食の準備も含めて事前にシミュレーションしておくと安心です。
英語は資格・検定試験のスコアで代替できる
心理学専攻の特徴として、英語資格・検定試験のスコア・級に関する証明書を出願時に提出することで、「英語」筆記試験に代えることができる制度があります。対象となるのは以下の試験で、いずれも入学試験実施月から過去2年以内に取得したスコアが有効です。
- 実用英語技能検定(英検)2級以上(英語4技能に限る)
- GTEC CBT
- IELTS
- TEAP(Reading/Listening+Writing+Speaking)
- TOEFL iBT
- TOEIC L&Rおよび TOEIC S&W(両方のスコアを提出すること)
- Cambridge English(ケンブリッジ英検)
証明書提出のみを希望するか、証明書を提出したうえで英語筆記試験も受験するかは出願時に選択する必要があり、出願後の変更はできません。両方受けた場合や複数の資格試験の証明書を提出した場合は、評価点の最も高いものに基づいて選考が行われます。英語に自信がある場合は筆記試験も受けて選択肢を広げる、逆に資格試験のスコアに自信がある場合はそのスコアで代替する、という戦略が立てられます。証明書を提出する場合は、①証明書の提出のみを希望するか、②英語筆記試験の受験も希望するかを記載したメモ(書式自由)を証明書と一緒にアップロードする必要がある点も忘れずに確認しておきましょう。
口頭試問で問われること
心理学専攻の口頭試問は、筆記試験と同日の午後に実施されます。要項では試問の具体的な質問内容までは公開されていませんが、研究計画書に基づいて志望動機や研究テーマの実現可能性、先行研究の理解度を確認する形式が一般的です。前述の通り研究計画書は評価対象になっており、口頭試問も研究計画書の内容と地続きであると考えられるため、研究計画書を提出して終わりにするのではなく、口頭で説明できるレベルまで内容を消化しておくことが重要です。
口頭試問対策として意識したいこと
口頭試問の対策としては、まず自分の研究計画書を第三者に説明する練習を重ねることが基本になります。研究テーマ相談(研究室訪問)の段階で受けたコメントや、指導を希望する教員から出た質問は、そのまま口頭試問で聞かれる可能性がある論点だと考え、事前にメモにまとめておくと安心です。「なぜこの研究科・この専攻でなければならないのか」「なぜこのテーマを、この時期に研究したいのか」という2つの問いに、自分の言葉で簡潔に答えられるようにしておくことが、口頭試問全体の土台になります。
また、心理学専攻は複数教員による共同研究指導体制を特徴としているため、志望する研究室の教員だけでなく、隣接領域の教員からも質問を受ける可能性があります。研究計画書に書いた内容が、心理学専攻全体の研究領域(基礎心理学から応用心理学まで)の中でどこに位置づけられるのかを説明できるよう、関連分野の基本的な知識も広く押さえておくと落ち着いて対応しやすくなります。
外国人入学試験合格後の在留資格「留学」取得について
外国人入学試験で合格し、日本国内に在留資格を持っていない場合、立教大学が出入国在留管理局に対して「在留資格認定証明書」交付の代理申請を行います。審査には約2〜3か月を要するとされており、証明書の交付後に自国の在外公館で「留学」ビザを申請・取得し、日本に入国する流れになります。合格発表から入学(オリエンテーション開始)までの期間は限られているため、在留資格の取得が間に合わない入試もある点を踏まえ、いつの実施時期を受験するかを慎重に判断する必要があります。
在留資格「留学」を希望する入学者は、日本での在留資格の有無にかかわらず、合格発表後に立教大学在留管理システム(IRIS)への登録を完了する必要があります。登録書類のうち、日本在留中の経費支弁能力を示す書類(本人または経費支弁者名義の預金残高証明書で、目安残高は年間120万円以上など)は入手に時間がかかるため、合格発表後に速やかに提出できるよう、あらかじめ準備しておくことが推奨されています。
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公開されている過去問題から読み取れる出題テーマ
立教大学は大学院入試の過去問題・出題の意図を公式サイトで公開しており、心理学専攻についても筆記試験問題がPDFで確認できます。ここでは公式に公開されている2025年度春入試(博士課程前期課程)の問題構成をもとに、出題テーマと対策の方向性を解説します。問題文そのものの転載は著作権上できないため、大学が公開している範囲での構成・テーマのみを扱います。出題内容は年度によって変わるため、実際の対策では必ず最新の公開資料を確認してください。
心理学(記述式・大問2問構成)
2025年度春入試の心理学は、大問2問の構成でした。問1は12個の専門用語の中から2つを選び、それぞれ120字以内で説明する形式で、日本語・英語のどちらで解答してもよいとされています。提示された用語は、ローボールテクニックや自己呈示、共通方法バイアスといった社会心理学系、幻肢痛や信号検出理論、時間統合窓、音嫌悪症といった知覚・生理心理学系、選択肢過多仮説や多属性多肢選択課題における妥協効果といった意思決定研究系、ピアジェの自己中心性といった発達心理学系、隠蔽と阻止といった学習心理学系まで、基礎心理学の主要領域を横断する専門用語から構成されていました。
問2はa〜fの6つの論述テーマから1つを選択して記述する形式です。出題されたテーマの分野は、集団極性化の理論的発展経過を問う社会心理学、認知スタイルが認知バイアスに及ぼす影響を検討する研究計画立案(独立変数・従属変数の設定を含む)、分離脳と大脳半球機能局在性に関する実験デザインを問う生理心理学、横断的調査研究における偽相関の排除方法を問う研究法・統計、オンライン心理学実験における視知覚刺激サイズの統制問題を扱う実験心理学の方法論、乳児の形態知覚に関する実験計画を問う発達心理学と、いずれも「知識を説明する」だけでなく「自分で研究をデザインする」力を問う内容でした。
この構成から読み取れる対策の方向性は次の通りです。まず、専門用語の説明問題に備えて、社会・知覚・認知・発達・学習といった基礎心理学の主要領域の用語を、教科書レベルにとどまらず最新の研究トピック(妥協効果や時間統合窓のような、比較的新しい概念)まで押さえておく必要があります。次に、論述問題では単なる知識暗記ではなく、独立変数・従属変数の設定や実験デザインの妥当性まで踏み込んで説明できる「研究計画を立てる力」が問われるため、志望する研究室のテーマに近い実証研究の論文を読み、自分でリサーチクエスチョンを立てて分析方法を考える練習をしておくことが有効です。
英語(学術論文とポピュラー心理学記事からの出題)
英語についても問題文そのものは著作権上公開されていませんが、出典書誌は公開されています。2025年度春入試では、問1がItoi, Ujiie, Ooishi, & Kashino(2024)による論文「自閉症者における内受容感覚処理の主観的困難さと心拍知覚の正確性の関係」(Discover Mental Health誌掲載)を一部改編した学術論文からの出題、問2がJordan Grumet(2025)による記事「Happiness: Why purpose beats money every time」(Psychology Today誌掲載)を一部改編したポピュラー心理学系の記事からの出題でした。
この出典の傾向から、英語試験対策としては心理学の学術論文(アブストラクト・イントロダクション相当の英文)と、Psychology Todayのような一般向け心理学メディアの記事の両方に日常的に触れておくことが有効だとわかります。学術論文は専門用語と統計的な言い回しに慣れる練習になり、一般向け記事は平易な英語で心理学的な議論を読み解く練習になります。前述の通り、心理学専攻は英語資格試験のスコアで代替可能なため、英語力に不安がある場合は早い段階からTOEICやTOEFL iBTなど対象となる試験のスコアを確保しておく戦略も検討する価値があります。なお、公開されている過去問は2025年度・2026年度分にとどまり、それ以前の年度は確認できていません。出題形式・テーマは年度によって変わりうるため、対策の際は必ず最新の公開資料もあわせて確認してください。
秋季実施分・他専攻(臨床心理学・映像身体学)との違い
春季実施分を検討する際は、秋季実施分や他専攻との違いを整理しておくと、併願や受験時期の判断がしやすくなります。
| 専攻・区分 | 春季実施の有無 | 選考方法の特徴 |
|---|---|---|
| 心理学専攻(秋季・春季) | あり | 筆記試験(英語・心理学)+口頭試問を同日に実施し総合評価 |
| 臨床心理学専攻(秋季のみ) | なし | 筆記試験を先に実施し、結果により口頭試問対象者を選抜する2段階選考 |
| 映像身体学専攻(秋季・春季) | あり | 出願時に論文系/制作系を選択し、卒業論文等または制作物の提出が必須 |
臨床心理学専攻は春季入試を実施しないため、この専攻を志望する場合は秋季実施分が唯一の機会になります。臨床心理学専攻の筆記試験は英語(13:00〜14:00)と心理学および臨床心理学(14:40〜15:40)の2科目で、筆記試験の翌日に、筆記試験の結果により選抜された者のみが口頭試問に進む2段階選考です。合格者(口頭試問の対象者)の受験番号一覧は、筆記試験当日の夜に大学のWebサイト上で発表されます。これは心理学専攻(全員が筆記試験当日に口頭試問も受ける方式)とは大きく異なる選考プロセスであり、心理学専攻と臨床心理学専攻の両方を検討している場合はこの試験構造の違いを踏まえて準備の重点を調整する必要があります。
映像身体学専攻は心理学専攻と同じく春季にも実施されますが、出願時に「論文系」か「制作系」かを選択し、この選択は出願後に変更できません。論文系は「卒業論文および卒業研究等」として大学に提出した(または提出予定の)ものをPDFでアップロードし、該当する論文がない場合は参考文献を含め8,000字以上の「論文および研究成果等」を新たに作成して提出することもできます。制作系は卒業制作(映像身体学にかかわるDVD等)またはこれに準ずるものを郵送で提出する必要があります。心理学専攻を第一志望としつつ映像身体学専攻を併願するようなケースは少ないと考えられますが、同じ研究科内の専攻でも提出書類の性質が大きく異なる点は押さえておきましょう。
出願書類の準備と研究計画書のポイント
心理学専攻春季実施分の出願書類は、Web出願システムのマイページからPDF形式でアップロードする方式です。主な出願書類は次の通りです。
| 出願書類 | 内容 |
|---|---|
| 研究計画書 | 所定の書式を入試要項Webサイトから入手し、記載事項に従って本文を作成したもの |
| 成績・単位証明書 | 出身大学が発行したもの。本学卒業(見込み)者は不要。複数の大学に在学した場合は全ての大学について提出 |
| 卒業(見込)証明書 | 出身大学が発行したもの。本学卒業(見込み)者は不要 |
| 英語資格・検定試験のスコア・級に関する証明書 | 心理学専攻志願者で、英語の代替・加点を希望する場合のみ提出 |
| パスポートの写し | 外国人入学試験志願者のみ提出 |
証明書類はカラーでスキャンし、ファイルサイズは8MB以内でPDF化する必要があります。白黒スキャンでは内容が判別できず出願が認められないことがあるため注意してください。翻訳を添付する場合や複数の証明書を提出する場合は、原本→翻訳、入学年度が早い→遅いの順で1つのPDFファイルにまとめてアップロードするようルールが定められています。
出願書類に関する注意事項
証明書類は日本語または英語で記載された原本を提出する必要があり、それ以外の言語で作成されている場合は、公的機関等が作成した和訳または英訳を添付します。最終学歴で編入を経験している場合には、編入前・編入後の両方の証明書を提出する必要がある点も見落としやすいポイントです。証明書に記載された氏名が現在の氏名と異なる場合は、氏名変更を証明する公的な書類(マイナンバーの記載がない戸籍抄本等)を1通添付する必要があります。なお、婚姻等で氏名が変わった場合でも、入学後に旧姓使用・通称使用・別名併記制度に基づく氏名使用を希望する場合は、届け出により許可される仕組みも用意されています。
もう一つ注意しておきたいのは、一度提出された出願書類は、いかなる理由があっても返還されないという点です。証明書の原本を複数の出願先で使い回したい場合は、あらかじめ必要部数を出身大学に請求しておく必要があります。証明書の発行には数日から数週間かかることもあるため、出願期間の直前になって慌てないよう、冬の早い段階で請求を済ませておくことをおすすめします。
選考料と受験票
選考料は35,000円で、これに加えて事務手数料1,500円が別途かかります。納入方法はクレジットカード決済(VISA/MASTER/JCB/AMEX/DINERS)のみで、納入期間は出願受付期間と同じです。一度納入された選考料は原則として返還されませんが、選考料を納入したのに出願書類を提出しなかった場合や、出願書類を提出したが受理されなかった場合、誤って二重・過剰に納入した場合には返還される仕組みがあります。出願手続を完了すると、2027年2月5日(金)11:00からWeb出願システムのマイページ上で受験票が発行されます。受験票は郵送されないため、必ず自分でプリントアウトして持参する必要があり、スマートフォンやタブレットの画面提示は認められません。
研究計画書は評価対象になる
心理学専攻の出願書類の中でも、研究計画書は選考の評価対象になる重要書類です。前述の研究テーマ相談(研究室訪問)で得た指導教員とのすり合わせの内容を踏まえ、先行研究をどこまで調査・検討したか、入学後の期間で研究を仕上げられる実現可能性があるかまで具体的に記述することが求められます。研究計画書の構成や書き方に不安がある場合は、研究計画書の書き方と例文|大学院入試で評価される構成で基本的な組み立て方を確認しておくとよいでしょう。
また、心理学専攻を経て将来的に公認心理師の資格取得を視野に入れている人は、大学院での学びと資格取得ルートの関係を事前に整理しておくことをおすすめします。公認心理師の大学院(第1区分)とは|選び方・入試科目・研究計画書・面接対策を徹底解説で、大学院選びの際に確認すべきポイントを解説しています。同じ立教大学大学院で別の研究科(社会学研究科)の外部院試を検討している場合は、立教大学大学院 社会学研究科の外部院試を徹底解説もあわせて確認すると、大学単位での出願書類・研究計画書の傾向を比較しやすくなります。
出願〜合格発表までの逆算対策スケジュール
春季実施分は出願が1月上旬、試験が2月中旬という日程のため、逆算すると前年の夏から秋にかけての準備開始が現実的なラインになります。以下は目安となる準備の流れです。
- 夏(6〜8月): 志望研究室・指導希望教員のリサーチ、研究テーマの方向性を固める。心理学専攻の研究領域(基礎・応用心理学)の中で自分の関心がどこに位置するかを整理する。
- 秋前半(9〜10月): 研究テーマ相談(研究室訪問)の実施。あわせて過去問(2025年度分など公開されている年度)を確認し、心理学の記述式問題と英語の出題傾向を把握する。
- 秋後半(11月): 出願資格事前審査が必要な場合はこの時期に手続きを進める。英語資格試験を受験予定なら、過去2年以内の有効スコアとして間に合うタイミングで受験を済ませる。受験上の配慮申請が必要な場合もこの時期(2026年11月27日締切)までに済ませる。
- 冬(12月): 研究計画書の骨子を固め、成績証明書・卒業見込証明書など出願書類の原本を出身大学に請求しておく。証明書はカラースキャンが必須なので、スキャン環境も事前に確認しておく。
- 出願期間(1月上旬〜中旬): Web出願システムでの登録・選考料納入・出願書類アップロードを余裕をもって完了させる。Web出願システムは入力開始から180分以上経過すると自動的にタイムアウトになり、入力内容が保持されないため、締切直前の駆け込みは避ける。
- 試験直前(2月上旬): 2月5日に発行される受験票を印刷し、心理学の用語説明・論述対策と英語の最終確認を行う。試験会場が新座キャンパスであることを再確認する。
- 試験〜合格発表(2月中旬〜下旬): 筆記試験・口頭試問を受験し、合格発表後は入学手続期間(3月12日まで)内に必要な手続きを完了させる。
特に英語資格試験のスコアで筆記試験を代替したい場合、「入学試験実施月から過去2年以内」という条件があるため、直前に慌てて受験するのではなく、逆算して余裕を持ったスケジュールで取得しておくことが重要です。なお、2027年度の学費その他の納入金(初年度に納入する金額)は2026年10月頃に公式サイトで掲載される予定とされています。入学後の費用計画も気になる場合は、出願準備と並行して情報公開のタイミングをチェックしておくとよいでしょう。
費用面では、国による大学院修士段階の「授業料後払い制度」の利用を希望する場合、事前審査の結果が出るまで入学手続納入金の納入や入学手続書類の提出を行わないよう案内されています。春季実施分の詳細はRIKKYO PORTAL奨学金ページに2026年11月上旬に公開される予定です。また、大規模自然災害により被災した受験者(入学年月日の前日から遡って1年以内に災害救助法が適用された地域が対象)向けの経済支援制度も設けられているため、該当する可能性がある人は出願前に確認しておくとよいでしょう。
社会人が仕事と両立するための工夫
社会人として働きながら春季実施分を目指す場合、平日にまとまった学習時間を確保しにくいことが最大のハードルになります。研究計画書の作成は一気に仕上げようとせず、週末ごとに小さな単位に分解して進めるほうが、仕事との両立という観点では現実的です。研究テーマ相談(研究室訪問)についても、大学の窓口対応時間には制約があるため、平日の休暇取得やオンライン相談の可否を早めに確認しておくと、直前になって身動きが取れなくなる事態を避けられます。
英語資格試験のスコア取得も、社会人にとっては特に計画性が求められる部分です。TOEICやTOEFL iBTなどは申込みから受験、スコア発行までに一定の期間を要するため、「入学試験実施月から過去2年以内」という条件を踏まえつつ、余裕を持って複数回受験できるようスケジュールを組んでおくと安心です。
よくある質問(FAQ)
立教大学大学院現代心理学研究科心理学専攻の春入試はいつ出願すればいいですか?
2027年度の要項では、出願受付期間は2027年1月8日(金)0:00から1月14日(木)23:59までです。試験日は2027年2月17日(水)、合格発表は2027年2月26日(金)となっています。出願期間・試験日は年度によって変わるため、実際に出願する年度の最新の募集要項で必ず確認してください。
春季実施分の心理学専攻は社会人でも受験できますか?
受験できます。心理学専攻は一般入学試験・社会人入学試験・外国人入学試験の3区分すべてを秋季・春季の両方で実施しています。社会人入学試験の受験資格は「大学卒業後、出願時に同一の企業等で1年以上常勤勤務」または「大学卒業後2年以上の職歴を研究科委員会が認めた者」のいずれかです。出願に先立つ受験資格審査は行われず、出願後に社会人区分が認められなかった場合でも、一般入学試験に切り換えて受験できます。
臨床心理学専攻は春入試を受けられませんか?
受けられません。臨床心理学専攻は秋季実施分のみで、春季入試は実施されていません。臨床心理学専攻を志望する場合は、秋季実施分(出願は8月下旬、試験は9月)が唯一の受験機会になります。また臨床心理学専攻は筆記試験合格者のみが口頭試問に進む2段階選考である点も、心理学専攻とは異なります。
心理学専攻の英語試験は英検やTOEICのスコアで免除されますか?
英語資格・検定試験のスコア・級に関する証明書を出願時に提出することで、「英語」筆記試験に代えることができます。対象となるのは英検2級以上(4技能)、GTEC CBT、IELTS、TEAP、TOEFL iBT、TOEIC L&R+S&W、Cambridge Englishで、入学試験実施月から過去2年以内に取得したスコアが有効です。証明書提出のみか筆記試験も受けるかは出願時に選択し、出願後の変更はできません。複数の証明書を提出した場合や筆記試験もあわせて受けた場合は、評価点の最も高いものに基づいて選考されます。
過去問はどこで入手できますか?
立教大学の公式サイト「入試結果・過去問題・出題の意図など(大学院入試)」ページで、現代心理学研究科を含む各研究科の過去問題がPDFやGoogleドライブ形式で公開されています。心理学専攻については2025年度・2026年度の博士課程前期課程分が確認できます。ただし著作権の関係で問題文の一部(英語の出典文章など)が非公開になっている年度もあります。公開範囲・公開年度は変わることがあるため、出願前に最新の状況を確認してください。
春季実施分と秋季実施分はどちらが受かりやすいですか?
公式要項では、募集人員は秋季・春季・学内推薦を合わせた人数として公表されており、実施時期ごとの合格率や倍率は公開されていません。そのため「どちらが受かりやすいか」を一概に判断することはできません。研究テーマの準備状況や英語資格試験のスコア取得タイミングなど、自分の準備が整うタイミングで受験時期を選ぶのが現実的です。
研究室訪問(研究テーマ相談)は必須ですか?
心理学専攻・映像身体学専攻の志願者は、特段の事情を除き、出願に先立って研究テーマ相談(研究室訪問)を行うことになっています。必須と言い切れるかは個々の事情によりますが、研究計画書の内容が評価対象になることを踏まえると、出願前に指導希望教員とすり合わせておくことを強くすすめます。詳細は現代心理学研究科の公式サイトの案内を確認してください。
出願から合格発表まではどのくらいの期間で準備すればいいですか?
出願自体は1月上旬から中旬の1週間程度ですが、研究テーマ相談や研究計画書の作成、英語資格試験のスコア取得(過去2年以内という条件があるため)まで含めると、前年の夏から秋にかけて準備を始めるのが現実的です。特に社会人が仕事と両立しながら準備する場合は、半年以上前からの計画的な準備をおすすめします。合格発表(2027年2月26日)から入学手続締切(2027年3月12日)までは2週間程度しかないため、証明書の原本提出など入学手続に必要な書類も、出願時点であらかじめ準備の見通しを立てておくと落ち着いて対応できます。
まとめ|立教大学大学院現代心理学研究科心理学専攻の春入試対策
- 心理学専攻の博士課程前期課程は、一般・社会人・外国人の3区分を秋季・春季の年2回実施しており、臨床心理学専攻は春季を実施していない。
- 2027年度の春季実施分は、出願期間2027年1月8日〜14日、試験日2027年2月17日、合格発表2027年2月26日というスケジュール(年度により変動するため要最新確認)。
- 試験科目は英語・心理学の筆記試験と口頭試問。英語は英検・TOEIC・TOEFL iBTなど7種類の資格試験のスコアで代替可能。
- 公開されている過去問(2025年度春入試)からは、心理学が基礎心理学を横断する用語説明+研究デザインを問う論述、英語が学術論文と一般向け心理学記事の読解という出題傾向が読み取れる。
- 臨床心理学専攻は筆記試験合格者のみ口頭試問に進む2段階選考、映像身体学専攻は論文系/制作系の選択が必要と、同じ研究科でも専攻ごとに選考プロセスが異なる。
- 出願書類の中でも研究計画書は評価対象であり、出願前の研究テーマ相談(研究室訪問)が実質的な準備の起点になる。
- 逆算すると、前年の夏〜秋には研究室訪問と過去問の確認、秋〜冬には英語資格スコアの取得と研究計画書の作成を進めておく必要がある。
立教大学大学院現代心理学研究科心理学専攻の春入試は、出願資格・試験科目・過去問の傾向まで一次情報をきちんと押さえれば、決して情報の少ない入試ではありません。ただし研究計画書の完成度や英語資格スコアの準備には時間がかかるため、独学での対策に不安がある場合は、専門の指導を活用するのも一つの方法です。まずは大学院入試対策のページで、研究計画書添削や面接対策を含めたサポート内容を確認してみてください。
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