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法政大学大学院イノベーション・マネジメント研究科「冬入試」の傾向と対策(1月実施)

法政大学大学院イノベーション・マネジメント研究科(法政ビジネススクール)は、年4回の入試を実施しており、そのうち2027年1月13日〜20日に出願し1月31日に試験を行う「第3回入試」が、いわゆる「冬入試」にあたります。社会人が働きながらMBA取得を目指す場合、第3回入試は9月・11月の回を逃した人にとっての再挑戦の機会であると同時に、年末の実務経験の棚卸しをそのまま出願書類に反映できるタイミングでもあります。
法政大学大学院イノベーション・マネジメント研究科とは、経営管理修士(専門職)の学位を授与する専門職大学院で、市ヶ谷キャンパスの新一口坂校舎で夜間・週末を中心とした授業が行われています。本記事では、この研究科の第3回入試(冬入試)について、出願資格・試験科目・出願から合格発表までのスケジュール・学費、さらに研究科が公開している過去問題から読み取れる出題テーマまで、公式の入試要項に基づいて整理します。
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第3回入試とは、一般入試・外国人入試・AO入試という3つの入試区分に共通する「入試実施回」の名称であり、区分そのものを指す言葉ではありません。この違いを最初に押さえておくと、出願資格の読み方でつまずきにくくなります。実際、出願資格・試験科目そのものは第1回から第4回まで変わらず、変わるのは日程と、後述する出願資格審査の締切だけです。
働きながらMBA取得を目指す社会人にとって、入試回の選び方は単なる日程の都合ではなく、勤務先との調整や証明書類の取り寄せ期間にも直結する重要な判断です。特に第3回入試は、出願資格審査の締切が出願開始よりも1か月早いという特徴があり、この点を知らずに準備を始めると間に合わなくなるおそれがあります。まずは研究科全体の制度を確認したうえで、第3回入試特有のスケジュール感をつかんでいきましょう。
なお、募集要項の内容は年度により変わるため、本記事の情報は必ず最新の募集要項で確認したうえで出願準備を進めてください。特に出願期間・試験日・学費・出願資格の細目は年度改定が入りやすい項目です。
法政大学大学院イノベーション・マネジメント研究科とは|MBAコースの全体像
法政大学大学院イノベーション・マネジメント研究科は、市ヶ谷キャンパス新一口坂校舎に開設されている専門職学位課程で、修了すると経営管理修士(専門職)の学位が授与されます。授業・研究指導は原則として日本語で実施され、アドミッション・ポリシーには「社会の課題解決への興味と情熱をもった実務経験のある社会人」を受け入れる方針が明記されています。単なる知識の習得ではなく、過去のビジネス事例から学ぶ「ケースメソッド」と、数値として記録される経営データを活用する「ITリテラシー」、さらに各自の実際のビジネス課題を解決策として構築していく「プロジェクトメソッド」を軸にしたカリキュラムが組まれています。
ディプロマ・ポリシーでは、企業経営における混沌とした議論や情報から「概念を抽出」し「構想を形成」し「計画を立案・構築」する能力の獲得が到達目標として掲げられています。これは、後述する小論文の出題傾向(与件文の主張を要約し、自身の経験に基づいて課題を抽出し、具体的な施策を提案する形式)とも一貫しており、入試の段階から研究科が求める人材像が反映されているといえます。
カリキュラム・ポリシーでは、基礎から専門・応用に至る科目を体系的に配置し、経営管理修士(専門職)に相応しい知識と実践的能力の育成を目指すことが掲げられています。過去のビジネス事例から知を得る「ケースメソッド」と、経営データを活用する「ITリテラシー」を土台に、各自のビジネス課題の解決方法を実際に構築していく「プロジェクトメソッド」を中心としたカリキュラムが展開されており、講義形式で知識を得るだけでなく、自分自身の課題に落とし込んで実践する比重が大きい点が特徴です。
MBAコース1年制・2年制の違い
コースは大きく分けて「MBAコース1年制」と「MBAコース2年制」の2種類があり、募集人員は合計60名です。内訳は1年制が40名(このうち中小企業診断士登録養成課程にあたるMBA特別プログラムが35名)、2年制が20名となっています。1年制は短期集中でMBAを取得したい人向け、2年制は仕事との両立を重視しながらじっくり学びたい人向けという位置づけです。どちらのコースも第1回〜第4回の入試回から出願回を選べますが、コースによって学費の納入スケジュールが異なるため、後述する学費の章もあわせて確認しておくことをおすすめします。授業は夜間・週末を中心に開講されており、平日昼間に本業を持つ社会人でも通学しやすい時間割が組まれています。1年制はカリキュラムが凝縮される分、在学中の学習負荷は2年制より高くなる傾向があるため、本業との両立をどこまで重視するかで選ぶコースが変わってきます。
MBA特別プログラム(中小企業診断士登録養成課程)とは
MBA特別プログラムは、MBAの学位取得と中小企業診断士の資格登録を同時に目指せる制度で、必修科目は昼間に配置されています。受験資格は「令和8年度またはその前年度(令和7年度)に中小企業診断士国家試験第1次試験に合格した者」で、平成12年度以前の第1次試験合格者は対象外(この場合は一般入試の対象)となる点に注意が必要です。入学後は、指定科目を入学年度に履修し単位を修得すること、指定された全科目に90%以上出席し実習先企業および実習担当教員からの評価を得ること、研究科が実施する修得水準審査に合格することなどの条件を満たすことで、中小企業診断士登録に必要な科目を履修したことを証する「中小企業診断士登録課程修了証明書」が発行されます。導入講義は2027年3月27日(土)に実施予定で、必ず受講する必要があります。
「第3回入試(冬入試)」とは何か|年4回ある入試のうち1月出願・1月31日試験の回
法政大学大学院イノベーション・マネジメント研究科の一般入試・外国人入試・AO入試は、いずれも年4回、第1回から第4回まで実施されます。このうち出願期間が2027年1月13日(水)〜1月20日(水)、入学試験日が2027年1月31日(日)にあたるのが第3回入試です。第1回・第2回は秋(9月・11月)に実施されるのに対し、第3回・第4回は年明けに実施されるため、本記事ではこの2回をまとめて「冬入試」と呼んでいます。
「冬入試」という名称は法政大学の公式呼称ではなく、入試実施時期をわかりやすく示すために本記事で用いている表現です。募集要項上はあくまで「第3回入試」という回次で表記されているため、大学への問い合わせや出願書類の作成時には「第3回」という表記を使うようにしてください。
第1回〜第4回の全体スケジュール
| 入試回 | 出願期間 | 入学試験日 | 合格発表 | 入学手続期間 |
|---|---|---|---|---|
| 第1回 | 2026年9月16日〜9月23日 | 2026年10月4日 | 2026年10月6日 | 2026年10月6日〜10月13日 |
| 第2回 | 2026年11月4日〜11月11日 | 2026年11月22日 | 2026年11月24日 | 2026年11月24日〜12月1日 |
| 第3回(冬入試) | 2027年1月13日〜1月20日 | 2027年1月31日 | 2027年2月2日 | 2027年2月2日〜2月9日 |
| 第4回 | 2027年2月3日〜2月10日 | 2027年2月21日 | 2027年2月23日 | 2027年2月23日〜3月2日 |
特別入試(2027年3月大学卒業見込者対象)は第1回のみの実施で、試験場・合格発表・入学手続期間は第1回の一般入試に準じます。なお、追加合格発表は第4回入試でのみ、入学手続における欠員が生じた場合に限り実施され、第1回〜第3回では追加合格発表は行われません。第3回に不合格でも第4回に再挑戦することは可能ですが、提出書類は転用できず、証明書等も含めた全ての書類を再度提出する必要があり、入学検定料も都度必要になる点は覚えておいてください。
また、公式の入試要項には「仮に第1回目入試で多数の合格者がいた場合でも、第2回目以降の入試は実施する」ことが明記されています。合格者数にかかわらず、あらかじめ定められた入試日程に沿って各回が実施されるため、「早い回のほうが枠が残っていて有利」といった心配をする必要はありません。第3回入試を選ぶかどうかは、純粋に自分の準備状況とスケジュールで判断してよいということになります。逆に言えば、「出願資格審査の要否」「証明書類の取り寄せにかかる期間」「勤務先との調整に必要な時間」という自分側の事情こそが、実質的に出願回を左右する最大の変数になるということです。
出願資格|職歴上・学歴上の要件と特別入試の条件
一般入試・外国人入試・AO入試の出願資格は、第1回〜第4回のどの回で受験する場合でも共通です。第3回入試だからといって出願資格が緩和・厳格化されることはありません。出願資格を満たしていない場合は受験そのものができないため、出願準備の最初のステップとして必ず確認しておく必要があります。
一般入試の出願資格(職歴+学歴の両方が必要)
一般入試では、次のa・bの両方を満たす必要があります(いずれも2027年4月1日までに満たすこと、受験時見込みを含む)。
- a.職歴上の資格:海外を含む民間企業・行政機関・公益法人等において、原則3年以上のフルタイムでの実務経験(パート・アルバイトは含まない)を有すること。この基準に届かない場合も、個別の出願資格審査で同等以上の実務能力があると認められれば出願可能
- b.学歴上の資格:大学卒業者・大学院修了者、独立行政法人大学改革支援・学位授与機構による学士学位取得者、外国において16年の課程を修了した者など、学校教育法上の大学卒業相当の学歴を有すること
学歴上の資格については、文部科学大臣指定外国大学日本校の出身者や、専修学校の専門課程修了者など、細かい区分がいくつも設けられています。自分がどの区分に該当するか判断に迷う場合は、出願締切日の1か月前までに研究科事務局へ問い合わせることが推奨されています。
外国人入試・AO入試・特別入試の資格
外国人入試は、日本国籍を有さない者を対象に、一般入試と同様の職歴・学歴要件に加え、日本語能力試験N1合格または日本留学試験(EJU)日本語330点以上のいずれかを満たす必要があります。なお、日本における日本語による学士以上の課程を修了した者は、外国人入試ではなく一般入試の対象となります。日本語能力試験N1については、第1回試験(7月実施)までに合格しないと証明書の発行が出願に間に合わない可能性があるため、早めの受験計画が必要です。
AO入試は「企業等派遣」「後継経営者育成」「士業経営者育成」「MBA特別プログラム」のいずれかの区分に該当し、一般入試・外国人入試の職歴・学歴要件を満たしたうえで、区分ごとの推薦書や資格証明の提出が求められます。士業経営者育成の区分は、弁護士・弁理士・司法書士・社会保険労務士・行政書士・公認会計士・税理士・不動産鑑定士・中小企業診断士・一級建築士・技術士・医師・歯科医師・薬剤師・看護師のいずれかの資格を有する、または登録している者が対象です。特別入試は、2027年3月に大学を卒業見込みの4年生在学生が対象で、前年度までに100単位以上修得し、かつ修得単位の55%以上がA-評価(素点80点相当)以上であることに加えて、アルバイトではなく家業を手伝う等の正社員に近い働き方を3年以上経験していることが条件です。
出願資格審査が必要なケースと第3回の提出期限
実務経験や学歴が基準に届かない場合は、出願前に個別の出願資格審査を受ける必要があります。第3回入試の審査書類提出期限は2026年12月16日(水)必着で、出願締切(1月20日)より1か月以上早く設定されています。審査書類は出願資格認定審査調書(様式4)・学術活動実務経験報告書(様式5)に加え、最終学歴証明書・成績証明書などをメール添付でPDF提出する形式です。審査結果はその結果にかかわらず、出願開始までにメールで通知されます。審査は各入試回につき1回に限り申請でき、同一年度内での申請回数は最大2回までという制限があるため、初回の審査で不備があった場合に備えて余裕を持って準備しておくとよいでしょう。出願資格に不安がある場合は、このタイミングを逃さないよう早めに研究科事務局へ相談することが重要です。
試験科目・選考方法|小論文90分+口述試験15分、AO入試は小論文免除
一般入試・外国人入試・AO入試の合否判定は、アドミッション・ポリシーに基づき、研究科査定会議において試験科目・口述試験の結果および出願書類を総合的に評価して行われます。特定の科目の点数だけで合否が決まるわけではなく、志望理由書・職務経歴書の内容と口述試験での受け答え、小論文(該当者のみ)の内容を総合的に見て判断される点が特徴です。
一般入試・外国人入試:小論文+口述試験
一般入試・外国人入試では、小論文(日本語・90分・10:00〜11:30)と、午後に実施される口述試験(15分間)の両方が課されます。小論文は、日本語の文章を読み、設定されたテーマについて規定字数で論じる形式です。論理的な思考力を問う試験のため、問題を読んでいきなり書き始めるのではなく、構成を練ってから答案を作成することが公式にも推奨されています。口述試験では、出願時に提出した志望理由書・職務経歴書の内容について審査されます。外国人入試では、これに加えて日本語能力についても口頭で確認されます。
AO入試・特別入試:口述試験のみ(小論文免除)
AO入試(企業等派遣・後継経営者育成・士業経営者育成・MBA特別プログラム)では、それぞれの区分に応じた推薦書または資格証明の提出により小論文が免除され、口述試験(15分間)のみで選考が行われます。特別入試(大学卒業見込者対象)も同様に口述試験のみです。小論文を課されたくない場合は、自分がAO入試のいずれかの区分に該当するかどうかを出願前に確認しておく価値があります。ただし、AO入試であっても志望理由書・職務経歴書の作成が不要になるわけではなく、これらの書類は口述試験の質問の土台になる点は一般入試と変わりません。
口述試験対策のポイント
口述試験は15分間と短く、その場で提出書類の内容について質問されます。志望理由書・職務経歴書に書いた内容と矛盾なく話せるかどうかが最初の関門になるため、提出前に自分の書類を読み返し、想定質問への回答を口頭で用意しておくことが実践的な対策です。特に「なぜこの研究科なのか」「入学後に何を学び、修了後どう活かすのか」という2点は、区分を問わずほぼ必ず聞かれる質問として準備しておく価値があります。時間が短い分、結論から簡潔に答える練習をしておくと、限られた時間で伝えたい内容を伝えきりやすくなります。
| 入試区分 | 試験科目 | 時間 |
|---|---|---|
| 一般入試・外国人入試 | 小論文(日本語)+口述試験(日本語) | 小論文90分(10:00〜11:30)、口述15分(午後) |
| AO入試(企業等派遣等) | 口述試験(日本語)のみ | 15分(午前もしくは午後) |
| 特別入試(卒業見込者) | 口述試験(日本語)のみ | 15分(午前もしくは午後) |
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出願〜合格発表までのスケジュール(逆算表)|出願資格審査12月16日締切から入学手続2月9日まで
第3回入試(冬入試)を受験する場合、実質的な準備開始のタイミングは1月ではなく、その前月にあります。特に出願資格審査が必要な人は12月中旬が最初の締切であり、審査が不要な人であっても職務経歴書・志望理由書の作成や証明書類の取り寄せには相応の時間がかかります。
| 時期 | やること |
|---|---|
| 〜12月上旬 | 出願資格の該当確認、必要に応じて研究科教員との個別相談を予約 |
| 2026年12月16日(水) | 出願資格審査が必要な人の審査書類提出期限(必着) |
| 12月中〜下旬 | 職務経歴書(様式1)・志望理由書(様式2)の作成、各種証明書の手配 |
| 2027年1月13日(水)〜1月20日(水) | オンライン出願システム「The Admissions Office」での出願手続き |
| 1月中旬〜1月30日 | 小論文対策(該当者のみ)、志望理由書・職務経歴書の内容を口述試験用に整理 |
| 2027年1月27日頃 | 受験票が出願システムで発行可能に(試験日の4日前) |
| 2027年1月31日(日) | 入学試験(小論文10:00〜11:30、口述試験は午後) |
| 2027年2月2日(火) | 合格発表(出願システム上、午前10時) |
| 2027年2月2日(火)〜2月9日(火) | 入学手続期間 |
出願はすべてオンライン出願システム「The Admissions Office」を通じて行い、事前に許可された場合を除き郵送・窓口での提出は受け付けられません。証明書類は原本をPDF化してアップロードする必要があるため、大学発行の卒業証明書・成績証明書などは余裕を持って取り寄せておくことをおすすめします。特に外国の大学・大学院出身者や、証明書の翻訳・公証が必要なケースでは、想定より時間がかかることがあります。中国の大学・大学院を卒業・修了した場合は、大学発行の証明書ではなく中国高等教育学生信息網(CHSI)が発行する電子認証報告のPDFが必要になるなど、出身国・地域によって手続きが異なる点にも注意してください。
受験票は試験日の4日前から出願システム上で発行できる仕組みで、郵送はされません。発行後は内容に誤りがないか確認したうえで、A4サイズで印刷し試験当日に必ず持参する必要があります。合格発表も出願システム上で行われ、電話や掲示での発表はありません。合否に関する問い合わせにも一切応じられないとされているため、合格発表日は自分でシステムにログインして確認する必要があります。
公開されている過去問題から読み取れる出題テーマと対策
法政大学大学院イノベーション・マネジメント研究科では、筆記試験(小論文)の過去問題を研究科ウェブサイトで公開しています(直近の年度分、解答は非公開)。口述試験については過去問題の公開はありません。ここでは、公式に公開されている出題趣旨をもとに、第3回入試を中心とした出題傾向を整理します。問題文そのものは著作権処理の都合上、大学側も非公表としているため、以下は出題の構成・テーマ・大学が公表している評価の観点についての解説です。
2026年度第3回:新聞記事を題材にした4問構成
直近の第3回入試(2026年度、2026年1月実施)の小論文は、日本経済新聞(朝刊)2025年9月30日掲載記事を題材に、以下の4問で構成されていました。
- 問1:筆者の主張の要約(300字以内)
- 問2:下線部について、自身の職業経験・学習経験を踏まえた賛否を含む考察(300字以内)
- 問3:価格協議を通じた知識融合とイノベーション促進の観点から、課題とその克服のための施策(300字以内)
- 問4:「サプライチェーン全体の取引関係の適正化」を促す日本国内の施策提案(400字以内)
大学が公表している出題趣旨によれば、問1は与件文の主張を理解し要点を構造化する能力、問2は文脈理解に基づき自身の知識・経験から独自の主張を組み立てる能力、問3は文脈理解のうえで課題を抽出し施策を組み立てる能力、問4は独自の施策を具体的に構築し論理的に説明する能力を、それぞれ確認するものとされています。設問が「要約→自己の経験に基づく意見→課題抽出→施策提案」という順に難度が上がっていく構成になっている点が特徴です。
他の回の出題傾向(第1回・第2回・第4回)
公開されている出題趣旨からは、回によってテーマの性格が異なることも読み取れます。第1回は兼業・副業による起業の促進をテーマに、要約力と独自の施策立案力を問う出題でした。第2回はリモートワークの弊害と新しい働き方の構築というテーマで、自身の実務経験を交えて論述できているかが採点のポイントとされていました。第4回は、唯一の正解が存在しない経営課題を想定し、対立する2つの立場のどちらかを主体的に選択して理由を論理的に構成する、意思決定型の出題が特徴です。あわせて、対立する立場の論点を正確に理解し、自らの主張との関係を整理しながら説得的に論述できる力も評価対象とされています。
これらの出題趣旨から共通して読み取れるのは、単なる知識の再生ではなく、自身の実務経験を土台にした論理的な主張構築が一貫して評価されているという点です。小論文対策としては、経営・イノベーション関連のニュースを日頃から読み、自分の職務経験に引き寄せて「賛否」「課題」「施策」を言語化する練習を重ねておくことが有効といえます。特に、300字前後の短い字数で要約・意見・施策をそれぞれ独立してまとめる練習は、時間内に4問すべてを解ききるための実践的なトレーニングになります。出題内容や設問構成は年度によって変わるため、対策の際は必ず研究科ウェブサイトで最新の公開資料を確認してください。
小論文対策の具体的な進め方
過去問題の出題趣旨を踏まえると、小論文対策は次の3ステップで進めると効率的です。第一に、日本経済新聞などの経済紙で経営・イノベーション関連の記事を読み、300字程度で要約する練習を重ねること。第二に、記事のテーマについて自分ならどう考えるか、実際の職務経験を根拠にして賛否や意見をまとめること。第三に、課題に対する具体的な施策を、対象・内容・実施方法・期待される効果まで踏み込んで提案する練習をすることです。この3ステップは、2026年度第3回の問1〜問4の構成そのものと対応しており、90分という試験時間内に4問へ配分する時間感覚を養う練習にもなります。
過去5年の志願者数・合格者数の推移
研究科が公開しているデータ集によると、直近5年間の志願者数・合格者数(1年制・2年制合計)は次のように推移しています。
| 年度 | 志願者数 | 合格者数 |
|---|---|---|
| 2022年度 | 120名 | 95名 |
| 2023年度 | 146名 | 94名 |
| 2024年度 | 169名 | 92名 |
| 2025年度 | 152名 | 91名 |
| 2026年度 | 125名 | 84名 |
単純に志願者数を合格者数で割ると、おおむね1.3倍〜1.8倍程度で推移していることが読み取れます。これは第1回から第4回までの全4回の合計値であり、回ごとの内訳は公表されていません。合格の可否は、この倍率よりも、出願資格を満たしたうえで志望理由書・職務経歴書・口述試験(該当者は小論文も)の内容がアドミッション・ポリシーに合致しているかどうかで決まる、と理解しておくのが実態に近いでしょう。
第1回・第2回・第4回との違い|冬(1月)出願を選ぶメリット・注意点
同じ研究科・同じコースであれば、第1回から第4回のどの回で出願しても選考基準そのものは変わりません。ただし、実務上のメリット・注意点にはいくつかの違いがあります。
第3回(冬入試)を選ぶメリット
第3回入試は、9月・11月の回に間に合わなかった人にとって、年度内で再挑戦できる回にあたります。また、年末に1年間の業務を振り返るタイミングと出願準備が重なるため、職務経歴書・志望理由書に直近の実績を反映しやすいという側面もあります。前述のとおり「早い回ほど枠が埋まって不利になる」といった心配をする必要はないと公式に明言されているため、純粋に自分の準備状況で出願回を選んでよいという点は安心材料といえます。
第3回(冬入試)の注意点
一方で、第3回・第4回は入学手続期間が2月に集中するため、勤務先への調整(休職・時短勤務の申請など)を進める時間が、秋の回に比べて短くなりがちです。また、出願資格審査が必要な人は12月16日という早い締切があるため、「1月に出願すればよい」と考えていると、審査自体に間に合わなくなる可能性があります。第3回で出願資格審査を検討している場合は、11月中には準備を始めておくことをおすすめします。第4回とどちらを選ぶか迷う場合は、出願資格審査の要否と、入学後すぐの4月からの通学準備に充てられる期間の長さを基準に検討するとよいでしょう。
再受験を検討する場合の注意点
第1回や第2回で不合格になった場合、第3回・第4回に再挑戦することは制度上可能です。ただし、公式の入試要項には「提出書類は転用できない」と明記されており、証明書等も含めた全ての書類をシステム上から再度提出する必要があります。入学検定料もそのつど納入が必要です。前回の口述試験でどのような質問を受け、どう答えたかを振り返り、志望理由書・職務経歴書の内容を見直したうえで再出願に臨むことで、同じ論点で評価が変わらないという事態を避けやすくなります。第3回・第4回は出願期間・試験日が約3週間しか離れておらず連続して実施される回でもあるため、第3回で見えた課題を短期間で修正して第4回に臨む、という戦略も選択肢の一つになります。
学費・入学検定料と出願書類の準備
入学検定料は35,000円で、一旦納入すると理由の如何にかかわらず返還されません。学費は年間納入額として次のとおり定められています。
| 区分 | 入学金 | 授業料 | 実験実習費 | 教育充実費 | 年間合計 |
|---|---|---|---|---|---|
| 1年制(通常) | 270,000円 | 2,314,000円 | – | 340,000円 | 2,924,000円 |
| 1年制(MBA特別プログラム) | 270,000円 | 2,314,000円 | 200,000円 | 340,000円 | 3,124,000円 |
| 2年制1年次 | 270,000円 | 1,157,000円 | – | 270,000円 | 1,697,000円 |
| 2年制2年次 | – | 1,157,000円 | – | 270,000円 | 1,427,000円 |
法政大学の学部卒業者(通信教育課程を含む)または大学院修了者は「自校生」として入学金・教育充実費が半額になります。入学手続時には、入学金と授業料・教育充実費の半期分をまず納入する仕組みで、1年制の場合は1,597,000円(自校生は1,377,000円)が入学手続時の目安です。2年制の場合は983,500円(自校生781,000円)、MBA特別プログラムの場合は1,697,000円(自校生1,477,000円)が入学手続時納入金額の目安となります。1年次の残りの半期分は、9月の秋学期学費納入期日までに支払う仕組みです。
入学手続を完了した後に入学を辞退する場合、2027年3月31日までに大学が定める手続きで届け出れば、入学金を除く学費その他の納入金は返還されます。ただし、出願資格等の不足や不正が入学後に判明した場合は、入学金・納入済み授業料等は返還されない点にも注意が必要です。
学費は決して小さな金額ではないため、勤務先の教育訓練支援制度や、自分が加入している雇用保険の教育訓練給付制度の対象になるかどうかを、出願前の段階で確認しておくことをおすすめします。制度の対象講座であるかどうかは年度・専攻・コースによって異なるため、利用を検討する場合は必ず研究科事務局または管轄のハローワークに直接確認してください。本記事では制度の詳細な適用条件までは確認できていないため、金額を前提にした資金計画を立てる前に一次情報での裏取りをおすすめします。あわせて、勤務先によっては自己啓発支援制度や資格取得支援制度として、大学院での学び直しにかかる費用の一部を補助している場合があります。人事部門や総務部門に社内制度の有無を早めに確認しておくと、入学手続時にまとまった金額を用意する際の負担を軽減できる可能性があります。
出願書類の準備で押さえておきたいポイント
一般入試・外国人入試・AO入試のいずれも、職務経歴書(様式1)と志望理由書(様式2)の提出が共通で必須です。これらは口述試験の質問のベースにもなるため、単なる経歴の羅列ではなく、「なぜ今MBAを取得したいのか」「研究科で何を学び、どう活かすのか」を一貫したストーリーとして書くことが重要です。AO入試の「企業等派遣」「後継経営者育成」区分では修学承諾書(様式3)、MBA特別プログラムでは中小企業診断士第1次試験合格証の写しなど、区分ごとに追加の提出書類が必要になるため、自分が該当する区分の必要書類を早めに確認しておきましょう。
証明書類はすべて原本をPDF化してオンライン出願システムにアップロードする形式で、郵送や窓口での提出は原則として受け付けられません。卒業証明書・成績証明書は、大学院修了者の場合は大学・大学院両方の証明書が必要になるなど、最終学歴によって必要書類が変わる点にも注意してください。編入学を経験している場合は、編入前・編入後両方の成績証明書が必要になります。
入学志願票には出願前3か月以内に撮影した本人写真のアップロードも必要です。上半身・正面・無帽・無背景・枠なしのカラー写真で、スナップ写真や編集加工されたものは受理されません。オンライン出願は「出願を完了する」ボタンを押すまでは正式な出願にならないため、必須項目の入力・アップロードが完了しても最後の確定操作を忘れないよう注意が必要です。出願が完了すると登録したメールアドレスに完了通知が届くため、届いていない場合は迷惑メールフォルダも確認したうえで、早めに大学へ連絡することをおすすめします。
よくある質問(FAQ)
法政大学大学院イノベーション・マネジメント研究科の「冬入試」とはいつ実施されますか?
本記事でいう「冬入試」は、出願期間が2027年1月13日〜1月20日、入学試験日が2027年1月31日にあたる第3回入試を指します。これは本記事独自の呼び方で、大学の公式表記では「第3回入試」です。年明けに実施されるもう一つの回として、出願期間2027年2月3日〜2月10日・試験日2月21日の第4回入試もあります。
第3回入試(冬入試)と他の回(第1回・第2回・第4回)はどちらが有利ですか?
選考基準は回によって変わらないため、特定の回が有利・不利ということはありません。ただし出願資格審査の締切や、入学手続期間と勤務先調整のスケジュールが回ごとに異なるため、自分の準備状況に合わせて出願回を選ぶことが現実的です。
第3回入試に出願するには、いつまでに何を準備すればよいですか?
出願資格審査が必要な場合は2026年12月16日までに審査書類を提出する必要があります。審査が不要な場合も、職務経歴書・志望理由書の作成や各種証明書の取り寄せには時間がかかるため、遅くとも12月中には準備を始めることをおすすめします。
小論文はどのような対策をすればよいですか?
公開されている出題趣旨からは、要約力・文脈理解力・自身の実務経験に基づく主張構築力・具体的な施策立案力が一貫して評価されていることが読み取れます。経営やイノベーションに関するニュースを読み、自分の仕事に引き寄せて意見をまとめる練習が有効です。出題内容は年度により変わるため、対策時は必ず最新の公開資料を確認してください。
AO入試(企業等派遣・士業経営者育成など)なら小論文なしで受けられますか?
企業等派遣・後継経営者育成・士業経営者育成・MBA特別プログラムのいずれかの区分に該当し、指定の推薦書や資格証明を提出できる場合は、AO入試として出願することで小論文が免除され、口述試験のみで選考を受けられます。
出願資格の実務経験3年に満たない場合はどうすればよいですか?
実務経験が3年に満たない場合でも、個別の出願資格審査により同等以上の実務能力があると認められれば出願できる可能性があります。審査には期限があるため(第3回は2026年12月16日必着)、該当する可能性がある場合は早めに研究科事務局に相談することをおすすめします。
学費はいつ・いくら支払う必要がありますか?
入学検定料35,000円は出願時に納入します。入学手続時には、1年制の場合で1,597,000円(自校生は1,377,000円)を目安に、入学金と授業料・教育充実費の半期分を納入する必要があります。残りの半期分は9月の秋学期学費納入期日までの支払いです。
中小企業診断士登録養成課程(MBA特別プログラム)は第3回でも出願できますか?
MBA特別プログラムはAO入試の一区分として、第1回〜第4回のどの回でも出願可能です。受験資格は令和8年度またはその前年度の中小企業診断士国家試験第1次試験合格者に限られる点に注意してください。
まとめ|第3回入試(冬入試)の対策ロードマップ
法政大学大学院イノベーション・マネジメント研究科の第3回入試(冬入試)について、要点を整理します。
- 出願期間は2027年1月13日〜1月20日、試験日は1月31日、合格発表は2月2日
- 出願資格審査が必要な場合の書類提出期限は2026年12月16日(出願締切より早い)
- 一般入試・外国人入試は小論文(90分)+口述試験(15分)、AO入試・特別入試は口述試験のみ
- 出願資格は「原則3年以上の実務経験」+「大学卒業相当の学歴」の両方が必要
- 公開されている過去問題からは、要約力・自身の経験に基づく主張構築力・具体的な施策立案力が重視されていることが読み取れる
- 学費は1年制で年間2,924,000円、2年制は1年次1,697,000円・2年次1,427,000円が目安
- 出願はすべてオンライン出願システム経由で、郵送・窓口での提出は原則不可
第3回入試(冬入試)は、秋の回に間に合わなかった社会人にとって重要な再挑戦の機会である一方、出願資格審査や証明書類の準備には年末からの逆算が欠かせません。本記事の内容は法政大学ビジネススクールの公式入試要項に基づいていますが、募集要項の内容は年度により変わるため、出願前には必ず最新の要項をご自身で確認してください。
研究科全体の出願資格・入試科目・学費・難易度の総論は法政大学のMBA(イノベーション・マネジメント研究科)を徹底解説で、大学院入試全体のスケジュールの立て方は大学院入試の日程一覧【2026年度】で解説しています。社会人が大学院入試に出願する際の出願資格や研究計画書・面接対策の一般論は社会人 大学院入試を徹底解説を、小論文・面接対策で予備校を検討している場合は国内MBA予備校の選び方をあわせてご覧ください。
法政大学大学院イノベーション・マネジメント研究科の対策を含め、独学での小論文・口述試験対策に不安がある場合は、専門の指導を活用するのも一つの方法です。実務経験を言語化して志望理由書・職務経歴書に落とし込む作業や、小論文の答案構成の練習は、第三者の視点を借りることで効率的に進められます。
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