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法政大学大学院イノベーション・マネジメント研究科「冬入試」の傾向と対策(2月実施)

法政大学大学院イノベーション・マネジメント研究科(法政大学ビジネススクール)の「冬入試」は、年4回実施される入試のうち最終回にあたる「第4回入試」を指す通称です。出願期間は2月上旬(2027年度は2月3日〜10日)、試験は2月下旬(2月21日)に行われ、社会人がその年度の4月入学を目指して出願できる最後のチャンスにあたります。イノベーション・マネジメント研究科とは、経営とITなどを横断する視野を持ち、既存ビジネスの革新や組織改革を含む「ビジネス・イノベーション」を起こせる人材の育成を目的とする専門職大学院で、修了すると経営管理修士(専門職)、いわゆるMBAの学位が授与されます。
冬入試(第4回)は、第1回から第3回までと出願資格・試験科目そのものは共通です。しかし、出願資格審査の締切が出願開始よりも早く設定されている点、その年度で唯一「追加合格」の仕組みが用意されている点、そして合格発表から入学手続・入学までの期間が最も短い点など、他の3回とは異なる注意点がいくつも存在します。これらを知らずに出願準備を進めると、書類の不備や資金準備の遅れにつながりかねません。
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本記事では、2027年度入試要項をもとに、出願資格・入試区分・日程・試験科目・学費といった一次情報を整理したうえで、研究科ウェブサイトで公開されている過去問から読み取れる出題テーマ、そして冬入試(第4回)ならではの出願〜合格までの逆算スケジュールまでを解説します。法政大学大学院イノベーション・マネジメント研究科の冬入試を検討している社会人受験者が、出願直前に慌てないための準備リストとして活用してください。
なお、入試要項の内容は年度により変更される可能性があります。本記事に記載した日程・金額・出願資格は2027年度入試要項に基づく情報であり、実際に出願する際は必ず研究科ウェブサイトで最新の募集要項をご確認ください。
法政大学大学院イノベーション・マネジメント研究科「冬入試(第4回入試)」とは
法政大学大学院イノベーション・マネジメント研究科は、市ヶ谷キャンパス新一口坂校舎で開講される専門職学位課程で、授業・研究指導は原則として日本語で行われます。アドミッション・ポリシーでは「社会の課題解決への興味と情熱をもった実務経験のある社会人」を受け入れると明記されており、学部からのストレート進学ではなく、実務経験のある社会人が主な対象となっている点が特徴です。コースはMBAコース1年制(1年)とMBAコース2年制(2年)の2種類があり、1年制の中には中小企業診断士登録養成課程を兼ねる「MBA特別プログラム」も設けられています。
カリキュラムが重視する3つの力
研究科のカリキュラム・ポリシーでは、過去のビジネス事例から学ぶ「ケースメソッド」と、経営データを数値として活用する「ITリテラシー」を柱に据えたうえで、各自のビジネス課題について解決方法を実際に構築していく「プロジェクトメソッド」を中心に授業が展開されると説明されています。ディプロマ・ポリシーでは、企業経営における混沌とした議論や情報から「概念を抽出」し「構想を形成」し「計画を立案・構築」する能力の育成が到達目標として掲げられており、これが後述する小論文の出題方針にもつながっています。研究科が公表しているディプロマ・ポリシーの到達目標(DP)は、次の5項目です。
- DP1:社会や企業の中でイノベーションをおこしていくための経営的専門性を備えた知識を持っている
- DP2:企業経営における混沌とした議論や情報から「概念を抽出」する論理的な分析力を持っている
- DP3:分析結果からイノベーティブなコンセプトの構築ができる「構想を形成」する構想力を持っている
- DP4:経営的専門知識をベースに「計画を立案・構築」し課題を解決する実行力を持っている
- DP5:経営リーダーとして事業を表現する力およびコミュニケーション能力を持っている
なぜ年4回も入試があるのか
一般入試・外国人入試・AO入試は、9月出願の第1回、11月出願の第2回、1月出願の第3回、2月出願の第4回(冬入試)と、年間を通じて4回実施されます。これは社会人が働きながら受験するという性質上、「今年の異動が決まってから出願を検討したい」「年度末の業務が落ち着いてから準備したい」といった多様なタイミングに対応するためと考えられます。実際、第4回の入学手続期間は入学年度の直前である2月下旬から3月上旬に設定されており、進学の意思決定を年度ぎりぎりまで持ち越せる回になっています。
冬入試(第4回)が持つ位置づけ
冬入試(第4回)は、その年度における一般入試・外国人入試・AO入試の最終回です。第1回から第3回までの結果を踏まえたうえで、あるいは他大学院との比較検討を重ねたうえで、最後に出願先を確定させる受験者が選ぶ回になりやすいという特徴があります。一方で、特別入試(大学卒業見込者対象)は第1回のみの実施であり、冬入試(第4回)では実施されません。この違いは併願戦略を考えるうえで見落としやすいポイントです。研究科ウェブサイトには過去5年分の志願者数・合格者数・入学者数のデータも公開されているため、出願前の情報収集として一読しておくとよいでしょう。
1年制と2年制、どちらを選ぶか
冬入試(第4回)に出願する際は、コース(1年制・2年制)も同時に決める必要があります。1年制は短期間で経営管理修士(専門職)の学位取得を目指すコースで、業務との両立がしやすい反面、1年間で基礎から応用までを凝縮して学ぶ密度の高さが求められます。2年制は2年間かけてじっくり学ぶコースで、学費の年間負担は1年制より軽くなる一方、在学期間中の授業料等の総額は同程度になります。中小企業診断士の資格取得も同時に目指す場合は、1年制の中に設けられた「MBA特別プログラム」を選ぶ必要があり、この場合は出願時点で令和7年度または令和8年度の中小企業診断士国家試験第1次試験に合格していることが前提条件になります。
なお、研究科には英語で学ぶ「GMBAコース」も設置されていますが、こちらは本記事で扱う一般入試・外国人入試・AO入試の年4回スケジュールとは別枠で案内されている課程です。GMBAコースへの出願を検討している場合は、本記事の日程をそのまま当てはめず、研究科ウェブサイトで専用の募集案内を確認してください。
出願資格|職歴上の資格と学歴上の資格
一般入試(第1回入試から第4回入試まで共通)の出願資格は、職歴上の資格と学歴上の資格の両方を満たす必要があります。2027年4月1日までに、次の条件をどちらも満たしているかを確認してください。
職歴上の資格
- 海外を含む民間企業や行政機関、公益法人等において、原則3年以上のフルタイムでの実務経験(パート・アルバイトは含まない)を有する者
- 事前の「職歴上の出願資格審査」による合格者:個別の出願資格審査により、上記と同等以上の実務能力があると研究科が認めた者
学歴上の資格
学歴上の資格は、2027年4月1日までに次のいずれかを満たすことが条件です(受験時見込みを含みます)。最も一般的なのは大学を卒業した者、または大学院を修了した者という要件ですが、それ以外にも複数のルートが用意されています。
- 大学を卒業した者、または大学院を修了した者
- 独立行政法人大学改革支援・学位授与機構により学士の学位を授与された者
- 外国において学校教育における16年の課程を修了した者
- 外国の学校が行う通信教育における授業科目を我が国で履修し、16年の課程を修了した者
- 外国の大学の課程に相当する教育施設として文部科学大臣が指定するものを修了した者
- 個別の出願資格審査により大学卒業者と同等以上の学力を認められ、2027年3月末までに22歳に達する者
学士の学位に相当する学位を取得していない場合はこれらのルートに該当しないため、出願前に自分がどの区分に当てはまるかを整理しておく必要があります。とくに、修業年限3年の専科大学・職業学院のみを卒業し学士学位を取得していないケースなどは該当しない点に注意してください。
出願資格審査が必要なケースと冬入試の締切
職歴・学歴の要件を個別審査で満たす場合は、事前に「出願資格審査」を受けなければなりません。審査書類の提出期限は各回ごとに設定されており、冬入試(第4回)の場合は2027年1月27日(水)必着です。出願期間(2月3日〜10日)よりも1週間以上前に締め切られるため、個別審査が必要な人は特に早めの準備が欠かせません。審査結果はその結果にかかわらず、出願開始までにメールで通知されます。なお、審査は各入試回につき1回のみ申請でき、同一年度内での申請回数は最大2回までという制限もあります。
入試区分の違い|一般入試・外国人入試・AO入試・特別入試
イノベーション・マネジメント研究科の入試は、一般入試・外国人入試・AO入試・特別入試の4区分に分かれます。冬入試(第4回)で選べるのは一般入試・外国人入試・AO入試の3区分で、特別入試(大学卒業見込者対象)は第1回のみの実施のため冬入試では利用できません。
一般入試と外国人入試
一般入試は日本国籍を含む志願者全般が対象で、小論文と口述試験の両方が課されます。外国人入試は日本国以外の国籍を有する志願者が対象で、こちらも小論文と口述試験が課されますが、口述試験では日本語能力についても口頭試問される点、日本語能力試験N1合格または日本留学試験(EJU)日本語330点以上といった日本語能力の資格が別途必要な点が一般入試と異なります。また、外国籍志願者で出願時に日本国外に居住している場合は、1月以降に実施する入学試験(第3回・第4回)には出願できない点にも注意が必要です。
AO入試(企業等派遣・後継経営者育成・士業経営者育成・MBA特別プログラム)
AO入試は、雇用先からの修学承諾・推薦を受けた「企業等派遣」、将来の後継経営者を対象とした「後継経営者育成」、弁護士や公認会計士、中小企業診断士など特定の国家資格保有者を対象とした「士業経営者育成」、そして中小企業診断士登録養成課程を志望する「MBA特別プログラム」の4区分から構成されます。これらはいずれも所定の証明書類(推薦書・資格証等)の提出と引き換えに小論文が免除され、口述試験のみで選考が行われます。
提出書類は入試区分ごとに異なる
入学志願票や職務経歴書(様式1)、志望理由書(様式2)といった基本書類は全区分で共通ですが、そのほかの提出書類は区分ごとに異なります。一般入試の主な提出書類は次のとおりです。
- 入学検定料の納入を証明する書類
- 入学志願票(出願システム上で作成)
- 職務経歴書(様式1)
- 志望理由書(様式2)
- 卒業(見込)証明書(大学院卒の場合は学部・大学院ともに必要)
- 成績証明書(編入学された場合は編入前・編入後ともに必要)
これに対しAO入試では、区分に応じて修学承諾書(様式3、企業等派遣・後継経営者育成)、資格に関する合格証の写し(士業経営者育成)、中小企業診断士第1次試験合格証書の写し(MBA特別プログラム)の提出が追加で求められます。外国籍志願者は住民票またはパスポート写しの提出も必要です。提出書類に不備があると審査に不利になる場合があるため、指定様式の項目を一つずつ確認しながら準備することが大切です。
MBA特別プログラム(中小企業診断士登録養成課程)の入学後の要件
MBA特別プログラムは、出願時点の要件だけでなく、入学後にも複数の修了要件が課される点が他の区分と異なります。指定された必修科目を入学年度中に履修して単位を修得すること、指定科目全てに90%以上出席し実習先企業・実習担当教員からの評価を得ること、中小企業庁のガイドラインに沿った修得水準審査に合格すること、そして2027年3月27日(土)実施予定の導入講義(1日間)を必ず受講することが求められます。これらすべてを満たすことで、中小企業診断士登録に必要な科目を履修したことを証する「中小企業診断士登録課程修了証明書」が発行されます。
特別入試(大学卒業見込者対象)との違い
参考として、冬入試(第4回)では実施されない特別入試についても触れておきます。特別入試はMBA特別プログラムを除く区分が対象で、2027年3月に大学を卒業見込みの4年生在学生のうち、前年度までに100単位以上を修得し、修得単位の55%以上がA-評価(素点80点相当)以上であり、かつアルバイトではなく正社員に近い働き方を3年以上経験していることが条件です。試験科目は口述試験のみで、第1回(10月4日実施分)としてしか実施されません。冬入試(第4回)で出願を検討している社会人はこの区分を利用できない点を押さえておきましょう。
外国籍志願者の証明書提出における注意
外国人入試で出願する場合、出身国・出身校によって証明書の提出方法が異なります。中国の大学・大学院の卒業者は、大学発行の証明書やその翻訳は出願書類として認められず、中国高等教育学生信息網(CHSI)が発行する英文の電子認証報告を、出願締切日までにCHSIから法政大学へ直接送信してもらう必要があります。中国以外の外国の大学・大学院の場合は、日本語または英語で書かれた証明書であればそのまま提出できますが、それ以外の言語の場合は原本・翻訳・大使館や公証処での公証という3点セットの提出が必要です。日本の公証役場での公証は認められない点にも注意してください。これらの手続きには時間がかかるため、出願期間が短い冬入試(第4回)では特に早めの準備が求められます。
冬入試(第4回)の出願スケジュールと試験日程
2027年度の冬入試(第4回)は、出願期間が2027年2月3日(水)から2月10日(水)まで、入学試験日は2月21日(日)、合格発表は2月23日(火)午前10時です。第4回のみ追加合格制度があり、追加合格発表は2027年3月5日(金)に行われます。以下に2027年度の全4回の日程をまとめます。
| 回次 | 出願期間 | 試験日 | 合格発表 | 入学手続期間 |
|---|---|---|---|---|
| 第1回 | 9月16日〜9月23日 | 10月4日 | 10月6日 | 10月6日〜10月13日 |
| 第2回 | 11月4日〜11月11日 | 11月22日 | 11月24日 | 11月24日〜12月1日 |
| 第3回 | 1月13日〜1月20日 | 1月31日 | 2月2日 | 2月2日〜2月9日 |
| 第4回(冬入試) | 2月3日〜2月10日 | 2月21日 | 2月23日 | 2月23日〜3月2日 |
受験票の発行と合格発表の確認方法
受験票は試験日の4日前からオンライン出願システム上で発行できる仕組みになっており、郵送では届きません。出願システムにログインし、「出願一覧」から「完了済」の該当募集を選んで「受験票表示」を選択し、A4サイズで印刷して試験当日に持参する必要があります。合格発表も同様にオンライン出願システム上でのみ行われ、電話や掲示による発表は一切行われません。合格者は「選考結果を確認する」から結果を確認したうえで、「合格通知書」を各自で発行します。
冬入試(第4回)特有の日程とリスク
冬入試(第4回)は入学年度の直前に試験・合格発表・入学手続が集中する回です。合格発表から入学手続開始までの期間が短いため、入学金や学費の準備は出願前から並行して進めておくことが望ましいといえます。追加合格は入学手続において欠員が出た場合に限り実施されるものであり、第4回受験者全員に必ず案内される制度ではありません。追加合格が発表された場合の入学手続期間は3月5日(金)から3月10日(水)までとさらに短くなります。
試験会場
試験会場は全4回共通で、法政大学市ヶ谷キャンパス新一口坂校舎(東京都千代田区九段北3-3-9)です。JR総武線・中央線の市ヶ谷駅または飯田橋駅から徒歩10分の立地にあります。
出願資格に不備があった場合の取り扱い
出願資格や入学資格を取得見込みで受験し、入学時までに要件を満たせないことが判明した場合、または出願資格・入学資格に不正があると判明した場合は、合格取消しまたは入学取消しの対象になります。入学前に不備・不正が判明した場合は、入学金を除く学費その他の納入金の返還を受けられますが、入学後に判明した場合は入学金・納入済みの授業料等は返還されません。卒業見込みで受験した場合、万が一卒業できなければ入学資格を失うため、成績や単位の見込みには余裕を持たせておくことが大切です。
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試験科目と選考内容|小論文と口述試験
一般入試・外国人入試の試験科目は、小論文(日本語、90分)と口述試験(日本語、15分間)の2つです。合否は、この2つの試験結果と出願書類全体を、研究科査定会議において総合的に評価して判定されます。
小論文(10:00〜11:30)
小論文は、日本語の文章を読み、問いで設定されたテーマについて規定の字数で論じる形式です。研究科ウェブサイトの説明では「論理的な思考能力を問う試験」と位置づけられており、問題を読んでいきなり書き始めるのではなく、構成をよく考えて答案を作成することが推奨されています。試験時間は90分で、AO入試・特別入試の出願者はこの科目が免除されます。なお、研究科ウェブサイトでは過去5年分の小論文の問題そのものは公開されている一方、模範解答は公開されていません。
口述試験(午後15分間)
口述試験では、出願時に提出した志望理由書と職務経歴書の内容について審査が行われます。外国人入試の場合は、これに加えて日本語能力についても口頭試問される点に注意が必要です。口述試験は指定会場で受験生ごとに順番に行われるため、受験生によって開始時刻が異なり、試験の順番・時間を指定することはできません。控室から会場へ向かう際は、手荷物をすべて持参する必要があります。
試験当日の持ち物と注意点
筆記試験では、鉛筆・シャープペンシル・ボールペン・消しゴム・時計などの使用が認められる一方、携帯電話やスマートフォン、電卓、辞書機能付きの端末などは使用できません。遅刻は筆記試験で20分、口述試験で5分まで認められていますが、試験開始前の重要な説明を受けられなくなるため、時間に余裕を持って早めに会場入りすることが勧められています。本人確認のため、顔写真付きの身分証明書の持参も必須です。
不正行為に関する注意
出願書類の偽造・虚偽記載、カンニング行為、使用が認められていない用具の使用、監督者の指示に従わないことなどは、いずれも不正行為とみなされます。不正行為が認められた場合は、当日の試験を含めその年度に受験した全ての入学試験の成績が無効となり、翌日以降に実施される同年度の入学試験も受験できなくなります。この場合、入学検定料も返還されません。当たり前の内容ではありますが、電子機器類の電源を切り忘れてかばんに入れずに手に持っていた場合なども不正行為とみなされることがあるため、当日は所持品の扱いにも注意しましょう。
公開されている2026年度過去問から読み取れる出題テーマ
イノベーション・マネジメント研究科は、研究科ウェブサイトで年度・回次別の過去問題集と、解答例に代わる「出題趣旨」をPDFで公開しています。問題文そのものは著作権上の理由から一部非公表ですが、出題趣旨からは研究科がどのような能力を測ろうとしているかが具体的に読み取れます。ここでは冬入試(第4回)に相当する回を中心に紹介します。
2026年度第4回の出題テーマ
2026年度第4回の小論文は、企業経営における生成AIなどの新技術導入について、早期導入を支持する意見Aと、慎重かつ選択的な導入を支持する意見Bという対立する2つの立場を読んだうえで、経営戦略・組織マネジメント・リスク管理などの観点から800〜1,200字で論述する形式でした。意見A・Bの本文自体は著作物の権利処理により大学側も非公表としています。大学が公表した出題趣旨には、次のように記されています。
「MBAにおける意思決定は必ずしも唯一の正解が存在する問題ばかりではない。現実の経営課題では相対立する主張がいずれも一定の合理性を持つ場合が少なくない。本問は受験者がいずれか一方の立場を主体的に選択し、その理由を論理的に構成できる能力を測ることを目的とする。あわせて対立する立場の論点を正確に理解し、自らの主張との関係を整理しながら説得的に論述できる力を評価する」
「唯一の正解がない問い」に対して自分の立場を選び、論理立てて説明する力が一貫して求められていることがうかがえます。
他の回の出題趣旨から見える傾向
同年度の第1回から第3回までの出題趣旨も参考になります。第1回は文章の要約力に加え、日本で兼業・副業による起業を促すうえでの課題や克服策、そして「啓発的な意味での広義の起業教育」施策について、自身の知識や経験を活用して論じる問題でした。第2回はコロナ禍を経てリモートワークが広がった一方でその弊害も露呈しているという状況を踏まえ、企業が新しい働き方をどのように構築するかを、自身の経験を交えて論じる問題で、大意を掴んだうえで「自分ごと」として考える姿勢が重視されています。第3回は与件文における筆者の主張を構造化して整理したうえで、下線部の意味を前後の文脈から理解し、日本におけるサプライチェーン全体の取引関係の適正化を進めるための独自の施策を組み立てる問題でした。
4回を通じて共通するのは、与えられた文章を正確に読み解く読解力と、自身の実務経験や知識を根拠に据えた論理的な意見構築力が求められている点です。小論文は論述形式であるため大学側も「具体的な解答例を示すことはできない」と明記しており、出題趣旨の説明をもって解答例に代えています。したがって対策としては、模範解答の暗記ではなく、日頃のニュースや経営課題に対して自分なりの立場を決め、根拠を添えて説明する練習を重ねることが有効といえます。
| 回次 | 出題テーマの概要 | 問われている力 |
|---|---|---|
| 第1回 | 兼業・副業による起業促進の課題と克服策、起業教育施策の論述 | 要約力+独自の施策立案力 |
| 第2回 | コロナ禍後のリモートワークの弊害を踏まえた新しい働き方の構築 | 大意把握力+自分の経験に基づく論述力 |
| 第3回 | 与件文の構造整理と、サプライチェーン適正化などの施策立案 | 読解力+課題抽出力+施策の具体化力 |
| 第4回(冬入試) | 生成AI導入をめぐる意見対立にどちらの立場を取るかの論述 | 論点整理力+主体的な立場選択と論理構成力 |
過去問を入手する方法
過去問題集と出題趣旨のPDFは、研究科ウェブサイトの入試概要・募集要項ページから年度・回次別にダウンロードできます。研究科ウェブサイトには過去5年分の小論文問題(筆記試験のみ、口述試験の過去問はありません)が掲載されている一方、解答そのものは掲載されていません。出題内容は年度によって変わるため、出願前には必ず最新の過去問題集を確認してください。冬入試(第4回)に出願する場合も、直近の第4回分だけでなく他の回の出題趣旨まで目を通すと、研究科が重視する論述の型がより立体的に見えてきます。
ケースメソッドと小論文対策のつながり
研究科のカリキュラム・ポリシーで柱の一つとされている「ケースメソッド」は、過去のビジネス事例を教材として、その背景や意思決定の妥当性を多角的に検討する学習方法です。冬入試(第4回)を含む小論文の出題テーマが、生成AI導入やリモートワークの是非、サプライチェーンの適正化といった正解が一つに定まらない経営課題である背景には、入学後にケースメソッドで求められる「一つの事例を多面的に検討し、自分なりの結論を導く」姿勢が、出願段階からすでに問われているという見方ができます。小論文対策として日頃から経営系のニュースを読む際は、賛成・反対どちらの立場からも根拠を挙げられるかを意識して練習すると、入学後の学びにもつながります。
検定料・学費と出願の流れ
入学検定料は35,000円で、一旦納入すると理由の如何にかかわらず返還されません(重複入金など納入者側の過誤による場合を除く)。学費は年間納入額として、1年制が合計2,924,000円、1年制のMBA特別プログラムが合計3,124,000円と設定されています。以下に主な内訳をまとめます。
| 費目 | 1年制 | MBA特別プログラム | 2年制1年次 | 2年制2年次 |
|---|---|---|---|---|
| 入学金 | 270,000円 | 270,000円 | 270,000円 | – |
| 授業料 | 2,314,000円 | 2,314,000円 | 1,157,000円 | 1,157,000円 |
| 経営診断実習料 | – | 200,000円 | – | – |
| 教育充実費 | 340,000円 | 340,000円 | 270,000円 | 270,000円 |
| 年間合計 | 2,924,000円 | 3,124,000円 | 1,697,000円 | 1,427,000円 |
自校生(法政大学の学部卒業者〈通信教育課程含む〉または大学院修了者)は入学金と教育充実費が半額になります。入学手続時には、入学金と授業料・教育充実費の半期分をまとめて納入する必要があり、1年制で1,597,000円(自校生1,377,000円)、1年制MBA特別プログラムで1,697,000円(自校生1,477,000円)、2年制で983,500円(自校生781,000円)が目安です。1年次の残りの半期分は、9月の秋学期学費納入期日までに納めます。
出願の流れ
出願はオンライン出願システム「The Admissions Office」を通じて行います。まず職務経歴書(様式1)・志望理由書(様式2)などの指定様式を研究科ウェブサイトからダウンロードして作成し、出願システム上でアカウントを作成したうえで、「学校検索」から法政大学・イノベーション・マネジメント研究科を選択して出願を開始します。書類は「入学志願票」「各種証明書」「その他提出書類等」「注意事項」の4セクションに分かれており、すべての必須項目を入力・アップロードしたうえで「出願を完了する」ボタンを押して初めて出願が完了します。郵送や窓口での書類提出は原則として受け付けられていないため、出願は必ずオンラインで完結させる必要があります。アップロードできるファイルサイズは1ファイルにつき20MBまでという制限もあるため、証明書類をスキャンする際はサイズに注意しましょう。出願が完了すると、登録したメールアドレスに「出願完了のお知らせ」が届くため、必ず確認してください。
証明書類はすべて原本のPDF化が必須
卒業証明書・成績証明書などの各種証明書は、原本をPDFファイル化してアップロードする必要があり、出身の教育機関からメールで送ってもらったデータをそのまま使うことはできません。合格後には、出願システムにアップロードした証明書類の原本を、入学手続期間内に郵送で提出することも必要です。アップロードした書類と後日提出する原本の記載内容に相違があったり、入学手続期間内に原本を提出できなかったりした場合は、入学が許可されないことがあり、この場合も入学検定料は返還されません。冬入試(第4回)は入学手続期間が2月23日から3月2日までと短いため、証明書類は出願前の段階で早めに取り寄せておくと安心です。
冬入試(第4回)ならではの合格戦略|逆算スケジュールと注意点
冬入試(第4回)は、その年度の一般入試・外国人入試・AO入試における最終回です。他の回の結果や情報収集の進み具合を踏まえて出願先を最終決定できるという点は大きなメリットですが、準備期間が短くなりがちな側面もあるため、逆算した計画づくりが欠かせません。
出願資格審査が必要な人の逆算スケジュール
職歴・学歴の要件を個別審査で満たす必要がある場合、冬入試(第4回)の審査書類提出期限は2027年1月27日(水)必着です。審査には「出願資格認定審査調書(様式4)」や「学術活動・実務経験報告書(様式5)」といった指定様式の作成が必要になるため、出願期間が始まる2月3日から逆算するのではなく、1月27日の審査締切から逆算してスケジュールを組むことが重要です。研究科では出願資格審査を希望する人向けに、教員との個別相談やオープンキャンパス・説明会での相談機会も案内されているため、早い段階で活用するとよいでしょう。
志望理由書・職務経歴書の作り込み
口述試験は志望理由書と職務経歴書の内容をもとに行われます。単なる経歴の羅列ではなく、これまでの実務経験のなかでどのような課題意識を持ち、研究科で何を学び、修了後にどう活かしたいのかを一貫したストーリーとして整理しておくことが、口述試験対策の土台になります。研究科のディプロマ・ポリシーが掲げる「概念を抽出」「構想を形成」「計画を立案・構築」という3つの力を、自分自身の実務経験のエピソードに落とし込んで語れるように準備しておくと、書類と口述試験の一貫性が高まります。
小論文対策の始め方
小論文対策は、過去問の出題趣旨を読み込むことから始めるのが効率的です。生成AIの活用や働き方改革、サプライチェーンの適正化など、いずれも経営に関わる時事的なテーマが題材になっています。日頃から経済ニュースや業界の動向に触れ、自分なりの立場と根拠をセットで説明する練習を重ねておくと、当日の800〜1,200字という制限字数のなかでも論点がぶれにくくなります。
併願・再受験を検討する場合の留意点
冬入試(第4回)に落ちた場合でも、翌年度の第1回から改めて出願することは可能です。ただし、提出書類は前回のものを転用できず、証明書類を含めてすべて再提出し、入学検定料も都度必要になります。また、第1回で多数の合格者が出た場合でも第2回以降の入試は予定どおり実施されるため、「早い回のほうが枠が残っていて有利」といった単純な見方は成り立ちません。研究科は入試日ごとの募集定員や合格者数の速報値を公表していないため、回によって難易度が大きく変わるという前提で戦略を立てるのは避けたほうがよいでしょう。他の国内MBAとの併願を検討している場合は、それぞれの出願期間・試験日が重ならないかをあわせて確認しておくと安心です。
出願前に確認しておきたい情報源
研究科ウェブサイトでは、入試要項・過去問題集・出題趣旨のほかに、過去5年分の志願者数・合格者数・入学者数のデータ、シラバス・時間割・履修の手引きも公開されています。出願を決める前にこれらの一次情報を一通り確認しておくと、志望理由書に書く「なぜこの研究科でなければならないのか」という説得力のある根拠づくりにも役立ちます。体験クラスや説明会も開催されているため、出願資格審査が必要かどうか迷う場合は、個別相談の機会を活用するとよいでしょう。
受験上の配慮が必要な場合
障がい等があり、受験上・修学上で特別な配慮を必要とする場合は、出願期間開始日の2か月前までに必要書類を提出することになっています。冬入試(第4回)であれば出願開始が2月3日であるため、12月上旬ごろが申請の目安です。配慮が必要な可能性がある場合は、通常の出願準備よりもさらに早いタイミングで研究科に相談しておくと安心です。
よくある質問(FAQ)
法政大学大学院イノベーション・マネジメント研究科の冬入試(第4回)はいつ出願すればいいですか?
2027年度の冬入試(第4回)は、出願期間が2027年2月3日(水)から2月10日(水)までです。試験日は2月21日(日)、合格発表は2月23日(火)となっています。出願資格審査が必要な場合は、これより早い1月27日(水)が審査書類の締切です。年度によって日程は変わるため、出願前に必ず最新の入試要項を確認してください。
冬入試(第4回)と他の回はどちらが受かりやすいですか?
回次ごとの倍率や合格率は要項上で公表されていないため、正確な難易度差は公式には確認できません。ただし、一般入試・外国人入試・AO入試は年4回とも出願資格・試験科目が共通で、募集人員も回ごとの内訳は明記されていないため、特定の回が明確に有利・不利とは言い切れません。出願準備が整った回で受験するのが基本的な考え方です。
冬入試(第4回)に落ちたら、その年度はもう出願できませんか?
第4回のみ、入学手続における欠員が出た場合に限り追加合格制度があり、追加合格発表は3月5日(金)に行われます。追加合格にも至らなかった場合、その年度の一般入試・外国人入試・AO入試への再出願はできませんが、翌年度の第1回入試から改めて出願することは可能です。その際は提出書類をすべて再作成し、入学検定料も再度納入する必要があります。
小論文はどんなテーマが出ますか?
2026年度第4回では、企業経営における生成AIなどの新技術導入をめぐり、早期導入派と慎重導入派という対立する2つの意見のどちらを支持するかを、経営戦略・組織マネジメント・リスク管理の観点から論じる問題が出題されました。過去の回では働き方改革やサプライチェーンの適正化など、経営に関わる時事的なテーマが題材になっており、いずれも「唯一の正解がない問い」に対して論理的に立場を説明する力が問われています。
AO入試を選ぶと小論文は免除されますか?
企業等派遣、後継経営者育成、士業経営者育成、MBA特別プログラムのいずれかに該当するAO入試出願者は、所定の証明書類の提出と引き換えに小論文が免除され、口述試験のみで選考されます。ただし、修学承諾書や資格証明書など、区分ごとに必須となる提出書類が定められている点に注意が必要です。
冬入試(第4回)の出願資格審査はいつまでに申請すればいいですか?
2027年度の冬入試(第4回)では、出願資格審査書類の提出期限は2027年1月27日(水)必着です。出願期間の開始日である2月3日よりも1週間以上前に設定されているため、審査が必要な人は特に早めの準備が求められます。
MBA特別プログラム(中小企業診断士登録養成課程)は冬入試(第4回)でも出願できますか?
MBA特別プログラムはAO入試の一区分として位置づけられており、一般入試・外国人入試・AO入試が実施される第1回から第4回までのいずれの回でも出願できます。出願にあたっては、令和8年度または令和7年度の中小企業診断士国家試験第1次試験合格証の写しの提出が必須です。
学費はいつ、いくら必要になりますか?
入学手続時には、入学金と授業料・教育充実費の半期分をまとめて納入します。1年制では1,597,000円(自校生1,377,000円)、2年制では983,500円(自校生781,000円)が目安です。冬入試(第4回)の入学手続期間は2月23日から3月2日までと短いため、資金の準備は合格発表を待たずに進めておくと安心です。
まとめ|法政大学大学院イノベーション・マネジメント研究科 冬入試(第4回)対策
法政大学大学院イノベーション・マネジメント研究科の冬入試(第4回)は、その年度における一般入試・外国人入試・AO入試の最終回であり、追加合格制度が用意された特別な回でもあります。出願を検討する際は、以下のポイントを押さえておくと準備が進めやすくなります。
- 出願期間は2月上旬(2027年度は2月3日〜10日)、試験日は2月下旬(2月21日)、合格発表は2月23日
- 出願資格審査が必要な場合は、出願開始より早い1月27日が審査書類の締切
- 試験科目は小論文(90分)と口述試験(15分)。AO入試・特別入試では小論文が免除される
- 小論文は「唯一の正解がない問い」に対して論理的に立場を説明する力が問われる傾向
- 過去問題集と出題趣旨は研究科ウェブサイトで年度・回次別に公開されている(解答そのものは非公開)
- 入学検定料は35,000円、学費は1年制で年間2,924,000円が目安
- 第4回に不合格でも、翌年度の第1回から書類を再提出したうえで再出願は可能
冬入試(第4回)は準備期間が読みにくい回でもあるため、出願資格の確認や志望理由書・職務経歴書の作成は早めに着手することが安心につながります。募集要項の内容は年度により変わるため、出願にあたっては必ず最新の入試要項を研究科ウェブサイトで確認してください。小論文や口述試験の対策、志望理由書の作り込みに独学で不安がある場合は、大学院入試対策の専門的な指導を活用するのも一つの方法です。あわせて法政大学のMBA(イノベーション・マネジメント研究科)を徹底解説した記事や、国内MBA予備校の選び方を解説した記事も参考にしながら、出願準備を進めてみてください。
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