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京都大学大学院経済学研究科の研究計画書の書き方|専攻・カリキュラム・教員の研究分野から逆算する

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京都大学大学院経済学研究科の研究計画書では、関心のある社会問題を説明するだけでなく、研究者養成プログラムで扱える研究分野を選び、先行研究から問いを導き、修士課程で実行できる方法へ落とし込むことが重要です。2027年度一般選抜の所定様式は3ページ以内で、研究題目から背景、目的、計画、期待される成果、研究準備状況までを一続きに示す構成です。短い様式だからこそ、情報量を増やすよりも、問い・方法・研究分野の整合性を高める必要があります。

京都大学大学院経済学研究科の研究計画書とは、研究者養成プログラムで取り組みたい問いと、その問いを経済学・経営学・会計学・経済史などの研究として検証する道筋を示す出願書類です。一般的な志望理由書とは役割が異なります。大学への憧れや将来像だけではなく、何がまだ明らかでないのか、どの資料やデータをどう分析するのか、どの研究分野で指導を受けうるのかを説明します。

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この記事は、出願資格、TOEFL、日程、倍率を広く解説する記事ではありません。それらは京都大学大学院経済学研究科の外部院試解説に譲り、ここでは公式の大学院入試情報、大学院紹介、カリキュラム、教員一覧を基に、計画書の設計方法を掘り下げます。募集要項・出願書類の様式・教員の配置は年度により変わるため、出願前に必ず最新の公式情報で確認してください。

結論を先に言えば、完成度を分けるのは題材の珍しさではなく、所定様式の全項目が同じ研究上の問いを支えているかどうかです。背景で示した未解明点を目的が引き受け、研究計画の方法がその目的に答え、期待成果が先行研究との差分へ戻る必要があります。さらに、準備状況は計画を実行できる根拠にならなければなりません。本記事では、この連鎖を作るための確認作業を、分野選択、カリキュラム、教員、方法、口述の順に解説します。読み進めながら、自分の計画を「対象」「問い」「証拠」「分析」「貢献」の五つに分けてメモすると、修正箇所を見つけやすくなります。

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目次

京都大学大学院経済学研究科で研究計画書がどう扱われるか

研究計画書を出すのは研究者養成プログラム

最初に確認したいのは、経済学専攻の二つのプログラムで提出書類が異なる点です。2027年度一般選抜では、研究者養成プログラムの志願者が研究計画書を提出し、高度専門人材養成プログラムの志願者は学修設計書を提出します。両プログラムは併願できず、出願後の変更もできません。したがって、書き始める前にプログラムを確定することが最初の作業です。

比較項目研究者養成プログラム高度専門人材養成プログラム
主な目的博士後期課程進学を前提とした研究者養成経済学に基づく高度専門職業人の養成
中心となる出願書類研究計画書学修設計書
論文指導入学後に決まる指導教員による個別指導修士論文ワークショップによる集団指導
口述試験研究計画書に基づく学修設計書に基づく

研究をしたいからR、就職したいからPと単純化するのも適切ではありません。Rでは博士後期課程への進学を前提に、研究に必要な基礎学力と分析能力を修得します。一方、Pでも修士論文を作成します。違いは、研究者として継続的に研究するための設計を中心に置くか、経済社会の課題を実践的に分析する学修と専門職業人としての活用を中心に置くかです。自分が提出書類で答えるべき問いを取り違えないようにしましょう。

所定様式3ページで問われる項目

研究計画書は自由形式ではありません。公式のWord様式を使い、3ページ以内に収めます。枠の上下幅は変えられますが、行間、文字間、上下左右の余白は変更できません。Wordで作る場合はMS明朝またはTimes New Roman、11ポイントです。体裁を縮めて内容を詰め込む方法は使えません。論理の重複を削り、各欄に固有の役割を持たせる編集力が求められます。

所定欄評価者が確認しやすい内容避けたい重複
研究題目対象・関係・範囲が分かる題名志望理由の標語
背景・理由・問題意識・先行研究既知と未解明点、問いの導出目的の繰り返し
研究の目的明らかにすること方法の細目
研究計画資料、データ、方法、手順背景説明
期待される成果学術的な追加点と含意大きすぎる社会貢献
学修歴・準備状況・参考文献等実行能力と準備の根拠履歴書の再掲

書類選考と口述試験をつなぐ資料

研究計画書は提出して終わる作文ではありません。一般選抜は一次の書類選考と二次の口述試験で構成され、Rの口述試験は提出した研究計画書に基づいて行われます。つまり、一文ごとに「なぜその問いなのか」「なぜその方法なのか」「その資料は入手できるのか」と質問される可能性を考えて書く必要があります。

口述で説明できない専門用語を飾りとして入れると、かえって弱点になります。反対に、計画段階で確定できない点があっても、代替案や入学後に検討する順序を示せれば、研究上の不確実性を理解していることが伝わります。計画書は口述試験の質問設計図でもあると捉え、各主張の根拠を手元のメモに残してください。

提出前に縦と横の二方向から整合性を点検する

研究計画書は、所定欄ごとの完成度だけでなく、欄をまたぐ対応関係で読みます。縦方向の点検では、背景から目的、方法、成果へ論理が進んでいるかを確認します。横方向の点検では、目的文に含まれる概念が題目、方法、期待成果にも同じ意味で使われているかを確認します。たとえば目的で「企業の生産性」を扱いながら、方法では売上高だけを観察し、成果では雇用の質を論じると、中心概念がずれています。

点検表を作るなら、列に題目、先行研究の限界、目的、証拠、方法、成果を置き、行に中心概念、対象、期間、分析単位を置きます。空欄がある場所は説明不足、異なる語が入る場所は概念のずれです。欄をまたいで同じ研究を説明できているかを視覚的に確かめられます。

もう一つの確認法は、計画書を五文に要約することです。第一文で未解明点、第二文で目的、第三文で資料、第四文で方法、第五文で期待成果を書きます。五文だけで因果関係や論理がつながらないなら、長い本文でもつながっていない可能性があります。逆に要約が通れば、各欄はその根拠や詳細を補う役割になります。

最後に、評価者が本文に書かれていない前提を補わなくても理解できるかを見ます。制度名の説明、対象期間を選んだ理由、データが対象を表す根拠など、書き手には自明でも読み手には不明な点があります。専門外の読者に要約してもらい、誤解が生じた箇所へ最小限の定義を足してください。限られた3ページでは、情報を増やすより、誤読を生む飛躍をなくす方が効果的です。

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専攻・プログラム・研究分野の構造を研究計画書に反映する

経済学専攻のRプログラムを三つの研究分野で捉える

2027年度の研究計画書では、希望する研究分野を「理論・応用経済学」「制度・歴史」「経営学・会計学」から一つ選びます。様式には、各分野の担当教員一覧を参考に、希望する指導教員が所属する分野を選ぶよう明記されています。研究題目を先に固定し、最後に近そうな分野へチェックを付けるのではなく、問いを作る段階からどの研究共同体に置くかを考える必要があります。

研究分野計画で中心になりやすい問い方法・資料を点検する観点
理論・応用経済学主体の行動、制度や政策の効果、市場の仕組み理論モデル、統計データ、識別、推定
制度・歴史制度の形成・変化、歴史的過程、思想や政策の文脈史資料、比較対象、時期区分、概念の定義
経営学・会計学企業・組織の行動、戦略、管理、会計情報企業データ、事例、調査、会計基準・開示資料

表は境界を固定するものではありません。環境政策を扱う場合でも、政策効果をデータで推定する計画、制度形成を歴史的に検討する計画、企業の環境情報開示を会計の観点から分析する計画では、置かれる分野が変わりえます。重要なのはテーマ名ではなく、問い、先行研究、方法の組み合わせです。同じ対象でも研究の切り方で所属分野が変わることを理解しましょう。

RとPの違いを題材ではなく研究目的で判断する

データ分析を使うからP、経済史だからRという分け方も正確ではありません。Rにも理論・応用経済学があり、実証分析を用いる研究は数多く考えられます。Pは応用ミクロまたは応用マクロの領域を選び、複数教員による修士論文ワークショップで指導を受けます。Rは博士後期課程進学を前提とし、選択した研究分野で個別指導を受けます。

判断材料は、修士課程で何を作り、その後どう発展させたいかです。既存研究に対する学術的な問いを設定し、修士論文を博士後期課程への研究の土台にしたいならRとの整合を検討します。経済学やデータ分析を社会課題の解決に活用する学修と職業上の展開を中心に据えるならPの趣旨を読み込みます。どちらが有利かではなく、自分の目的と教育方式が合うかで選びます。

国際連携専攻は別の選考として区別する

経済学研究科には京都大学国際連携グローバル経済・地域創造専攻もあります。これは英語で教育する秋入学の3大学国際共同学位プログラムで、学生はグラスゴー大学、バルセロナ大学、京都大学で学びます。募集と選考はGLOCALプログラムによって統一的に行われます。

したがって、一般選抜Rの3ページ様式を国際連携専攻にもそのまま当てはめることはできません。本記事が中心に扱うのは経済学専攻のRです。プログラム名、入学時期、使用言語が違えば、確認すべき募集要項も変わります。複数制度を検討する場合は、出願経路ごとに書類を分けて管理すると混同を防げます。

三研究分野の境界で迷ったときの判断例

分野選択で迷うのは、研究対象が複数分野にまたがるときです。企業の脱炭素行動を例にすると、炭素価格が企業行動へ与える効果を企業データで推定するなら理論・応用経済学との接続を検討できます。環境規制が形成された歴史と企業団体の対応を史資料からたどるなら制度・歴史、気候関連情報の開示が投資家や企業行動へどう関係するかを会計情報から分析するなら経営学・会計学が候補になります。

このとき「環境」という名詞で分野を決めてはいけません。目的文の動詞と、証拠の種類に注目します。「効果を推定する」「形成過程を解明する」「開示の仕組みを検討する」では、必要な先行研究も方法も異なります。様式で一分野しか選べない以上、中心となる問いを一つ決め、他分野の知見は補助線として使います。分野は題材ではなく問いと方法で選ぶと説明できれば、計画全体の一貫性も高まります。

判断に迷う場合は、候補分野ごとに主要文献を三本ずつ読み、各文献が何を証拠としているかを比較します。さらに公式教員一覧の研究分野と照合し、どの分野なら研究上の議論を継続できるかを確認します。単に近い単語がある方を選ぶのではなく、自分が修士論文で参加したい学術的な議論を選んでください。

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カリキュラムと修了要件から逆算する研究の型

30単位以上と修士論文を別々に考えない

公式のカリキュラムページでは修士課程の修了に30単位以上が必要とされ、Rは基礎科目と専門科目などを履修し、修士論文審査に合格することが学位授与の要件です。研究計画書では科目名を並べる必要はありませんが、研究に必要な理論、方法、分野知識をどのように補うかを考えておく必要があります。

たとえば因果効果を検証したいのに、利用するデータの単位、比較群、推定上の課題を何も説明できなければ、研究計画としては未成熟です。歴史研究であれば、史資料の所在、資料が作られた主体、欠落や偏りを検討します。経営研究なら、分析単位を企業、事業、組織、個人のどこに置くかを定めます。履修は研究方法の不足を埋める手段として計画に接続させましょう。

修士論文に到達できる範囲へ問いを狭める

「日本経済を成長させる方法」「企業を持続可能にする条件」のような大きな問いは、そのままでは修士論文の研究対象になりません。対象、期間、地域、制度、主体、結果変数を絞り、検証できる小さな問いへ変換します。小さくすることは価値を下げることではありません。限定された対象で明確な証拠を提示する方が、広い主張を根拠なく述べるより研究として強くなります。

問いを絞るときは、先行研究がどこまで答えているかを基準にします。対象が違うだけでは新規性にならない場合があります。既存研究と異なる制度的条件、測定、データ、理論的予測を特定し、その違いによって何を再検討できるのかを書きます。新規性は未研究という宣言ではなく差分の説明です。

個別指導を受けられる準備状態を示す

Rの指導教員は入学後に決定します。そのため、特定の教員から指導を受けられると断定する書き方は避けるべきです。一方、所定様式は希望教員の所属を参考に研究分野を選ぶよう求めています。計画書では、研究分野の文献を読み、必要な方法と資料を把握し、指導を受けて発展させられる準備があることを示します。

準備状況の欄では、受講科目名だけでなく、そこで何を修得し、研究計画のどの部分に使えるかを書きます。統計学を履修したなら、回帰分析を知っているという抽象表現より、扱った推定法と今後補う課題を示します。卒業論文が近い分野なら、問い、資料、方法、得られた限界を簡潔に説明します。経験を研究遂行能力の証拠へ変換することがポイントです。

研究倫理とデータ管理も実行可能性に含める

実行可能性は、時間内に分析できるかだけではありません。個人に関するデータ、インタビュー、企業内部資料などを扱う計画では、同意、匿名化、保管、利用目的を考える必要があります。公開データでも、利用規約や再配布条件を確認します。史資料には個人情報やセンシティブな記述が含まれることがあり、公開範囲への配慮が必要です。

3ページの計画書に倫理手続きを長く書く余裕はありませんが、方法の説明に必要な配慮を短く入れることはできます。たとえば、聞き取り調査なら対象者の同意を得て匿名化すること、機密性の高い企業資料なら公開資料へ切り替える代替案を示します。入手できることと使用してよいことは別です。

データ管理では、元データ、加工手順、分析用データ、結果を分け、再現できる記録を残す計画を立てます。定性資料でも、収集日、出典、選定基準、コード化のルールを記録します。こうした準備は計画書の見栄えのためではなく、修士論文で主張の根拠を追跡するために必要です。研究準備状況に予備的作業を書く際も、結果だけでなく手順を説明できるようにしておきましょう。

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教員の研究分野マップからテーマとの接続を確認する

理論・応用経済学につながる代表例

京都大学経済学研究科・経済学部の公式教員一覧には、安達貴教教授の研究分野として「産業組織論、競争政策論、応用ミクロ経済学、実証ミクロ経済学」、佐々木啓明教授は「経済理論、経済動学、経済成長論」、竹内憲司教授は「環境経済学」、神事直人教授は「国際経済学」と掲載されています。柳貴英准教授は「計量経済学、統計学」です。

これらの表記から、企業間競争、政策評価、成長、環境、国際取引、計量的方法などの接点を確認できます。ただし、公式一覧の短い研究分野だけで個別テーマの指導可否までは判断できません。一覧は候補を絞る入口として使うのが安全です。その後、大学公式の教育研究活動データベース、公開論文、担当科目を読み、自分の問いとの距離を確かめます。

制度・歴史につながる代表例

公式教員一覧では、黒澤隆文教授の研究分野は「経済史・経営史,経済政策論」、竹澤祐丈准教授は「社会思想史」と記載されています。制度や歴史を扱う研究では、現在の課題を過去の出来事で説明するだけでなく、時期区分、資料、概念、因果の扱いを明確にする必要があります。

たとえば産業政策の歴史を扱う場合、「政策が重要だった」と評価するだけでは研究になりません。どの政策文書、企業資料、統計、議会記録を使い、先行研究のどの解釈を再検討するのかを示します。思想史なら、用語を現在の意味で読むのではなく、著者、読者、時代背景、テキスト間の関係を検討します。資料から答えられる問いに調整することが不可欠です。

経営学・会計学につながる代表例

公式一覧では、草野真樹教授が「財務会計,国際会計」、関口倫紀教授が「人的資源管理論・組織行動論」、若林直樹教授が「ネットワーク組織論」を研究分野として掲げています。企業や組織を扱う計画では、社会的に注目される経営課題を紹介するだけでなく、分析単位と理論的な仕組みを定めます。

会計情報を扱うなら、開示資料のどの項目をどの基準で測るのかを考えます。組織行動なら、個人、チーム、組織の水準を混同しないことが重要です。企業間ネットワークを扱うなら、関係をどう定義し、どのデータで観察するかを示します。対象企業の紹介ではなく分析枠組みを書くことで研究計画になります。

接続候補公式一覧で確認できる研究分野の例受験生が確認すること
理論・応用産業組織論、競争政策論、応用ミクロ経済学、実証ミクロ経済学問いと識別・データの対応
理論・応用環境経済学環境課題を経済学の問いに変換できるか
制度・歴史経済史・経営史,経済政策論史資料と時期区分が具体的か
制度・歴史社会思想史概念とテキストの文脈を扱えるか
経営・会計財務会計,国際会計会計情報と分析対象が定義されているか
経営・会計人的資源管理論・組織行動論分析水準と理論が対応するか

教員の所属や研究分野は年度により変わるため、出願前に最新の公式教員一覧で確認してください。ここで挙げた教員は代表例であり、特定教員への出願を勧めるものでも、指導受入れを示すものでもありません。最新一覧と担当教員資料の両方を照合することが必要です。

教員の論文を読むときの確認表を作る

教員との接続を確認するとき、論文タイトルに自分のテーマと同じ語があるかだけを見ると判断を誤ります。少なくとも、研究上の問い、理論、対象、資料・データ、分析方法、主な結論の六項目を記録します。そのうえで、自分の計画と共通するのが題材だけなのか、問いや方法までつながるのかを区別します。

たとえば「企業」を扱う研究でも、産業組織論は市場構造や企業行動、人的資源管理論は人と組織の関係、財務会計は企業が提供する会計情報というように、中心となる分析対象が異なります。自分が企業の何を観察し、どの理論で説明したいのかが決まれば、読むべき研究も絞られます。共通する名詞より分析の仕組みを見ることが重要です。

論文を読んだ後は、計画書へ教員の研究内容を長く紹介するのではなく、自分の研究の位置づけを精密にします。「この教員がいるから志望する」という文章より、「この問いは当該分野のどの議論に接続し、何を検討するか」を示す方が研究計画の説明になります。教員の業績は変わりうるため、大学公式ページで本人と所属を確認し、論文の書誌情報も原典で確かめてください。

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自分の研究テーマが京都大学経済学研究科に合うか判定する

対象、問い、方法を一文ずつに分解する

適合判定はテーマ名の印象で行いません。まず「何を対象にするか」「何を明らかにするか」「どの証拠で答えるか」を一文ずつ書きます。たとえば対象が最低賃金でも、問いが雇用への効果なら応用経済学、政策形成の歴史なら制度・歴史、企業の人員配置なら経営学との接続が考えられます。

次に、各文に含まれる曖昧語へ線を引きます。「影響」「活性化」「持続可能性」「企業価値」などは、測定や意味が複数あります。誰にとっての何が、いつ、どのように変わるのかを定義してください。抽象語を観察可能な概念に置き換えると、必要な先行研究とデータが見えます。

先行研究を三層で整理する

先行研究は、題材が同じ文献だけを集めるのではなく、三層に分けると整理しやすくなります。第一は問いを直接扱う研究、第二は同じ理論や方法を別の対象へ適用した研究、第三は対象の制度・歴史的背景を説明する研究です。これにより、問いの位置、方法の妥当性、対象理解を別々に確認できます。

  1. 主要なレビュー論文や代表的研究から論点を把握する
  2. 近年の研究が使うデータと方法を比較する
  3. 結果が一致しない条件や未検討の範囲を探す
  4. 自分の対象で検討する理由を説明する
  5. 研究目的を一文で書き直す

文献数を増やすだけでは、計画書の質は上がりません。各文献について、問い、データ、方法、結論、限界を短く記録し、自分の計画との関係を一行で付けます。文献リストを論点の地図に変えることが大切です。汎用的な進め方は研究計画書の例文・テンプレート集も参考になります。

指導可能性と実行可能性を二段階で確認する

第一段階では、公式教員一覧に自分の研究と接点のある公開分野があるかを確認します。第二段階では、利用するデータや資料を修士課程の期間内に入手・分析できるかを確認します。教員との接点があっても、非公開データを前提にしたり、全国規模の大調査を一人で実施したりする計画は実行可能性に問題が残ります。

データが未入手なら、公開状況、申請条件、代替データを調べます。インタビューなら、対象者、人数の考え方、質問内容、倫理面、分析方法を準備します。史資料なら、所蔵機関、閲覧条件、対象期間を確認します。取得できない場合の代替案まで持つと、口述でも現実的に説明できます。

適合判定のチェックリスト

  • 問いが経済学・経営学・会計学・制度・歴史の研究として表現されている
  • 所定の三研究分野から一つを、方法と教員配置を根拠に選べる
  • 公式教員一覧に接点のある研究分野が確認できる
  • 先行研究との差分を文献に基づいて説明できる
  • 資料やデータの取得可能性を確認している
  • 修士課程で扱える範囲に対象を限定している
  • 入学後に補う理論・方法上の課題を言語化できる

複数項目に答えられない場合、文章表現より前の設計に課題があります。テーマを捨てる必要はなく、問いの範囲、比較対象、方法を調整します。テーマ決定で行き詰まったら、研究計画書のテーマが決まらないときの整理法も使い、関心と研究可能性を分けて考えてください。

定量・定性・歴史研究で適合性の見方を変える

定量研究では、データがあることと問いに答えられることを区別します。観察できる変数が概念を適切に測っているか、比較可能な集団があるか、結果を生む別の要因をどう扱うかを検討します。公開統計を使う場合でも、調査設計、標本、欠損、定義変更を確認します。分析ソフトを使えることは準備の一部ですが、推定結果を解釈する理論がなければ研究目的とつながりません。

インタビューや事例研究などの定性研究では、少数だから簡単という考えを避けます。なぜその事例や対象者を選ぶのか、発言をどのように記録し、どの観点で比較するのかを定めます。自分の期待に合う発言だけを選ばない仕組みも必要です。対象選定そのものが研究設計の一部だと考えてください。

歴史研究では、現在から見た評価を過去へ投影しないよう注意します。一次資料が誰によって、何の目的で作られ、何を記録していないかを検討します。一つの著名資料だけで時代全体を説明せず、異なる主体の資料や統計と照合します。時期区分も出来事の年を並べるのではなく、制度や行動の変化を捉える根拠に基づいて設定します。

方法を組み合わせる場合は、複数手法を使うこと自体を長所にしないでください。各方法が問いのどの部分に答え、結果をどう統合するかを説明します。3ページ内で実行できないほど広がるなら、中心手法を一つ置き、もう一つを補助的な検討に限定します。方法の数より問いへの必要性を優先するのが安全です。

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所定様式3ページに合わせた研究計画書の書き方

研究題目は対象・関係・範囲を示す

研究題目は、読んだ人が研究対象と問いの方向を予測できる形にします。「日本経済について」「企業経営の研究」のような題名では範囲が分かりません。対象となる制度、企業群、地域、期間、検討する関係を必要な範囲で入れます。ただし、方法が確定していない段階で細部まで題名に固定する必要はありません。

主題と副題を組み合わせる方法もあります。主題で検討する関係を示し、副題で対象や方法を限定します。題目に書いた語は本文で定義し、目的と計画の両方に登場させます。題目だけが本文から浮かないようにすることが基本です。

背景・問題意識・先行研究から問いを導く

この欄は、社会問題の説明、個人的な関心、文献紹介を別々に並べる場所ではありません。まず対象にどの学術的論点があるかを示し、主要な先行研究が何を明らかにしたかを整理します。そのうえで、結果が分かれる条件、未検討の対象、理論と証拠のずれを示し、研究目的へつなげます。

「研究されていない」と断定する前に、検索語、言語、隣接分野を広げて調べます。完全に未研究の題材を探すより、既存研究の蓄積に接続しながら、限定された差分を示す方が説得的です。既知・限界・自分の問いの順で書くと論理が通ります。

研究目的は一つの中心文にまとめる

目的欄では「本研究は、何を明らかにすることを目的とする」と一文で中心を置きます。目的を三つも四つも並べると、3ページ内で方法が追いつきません。副次的な検討事項は研究計画の手順として位置づけます。

「考察する」「検討する」だけでは到達点が曖昧です。関係を推定する、形成過程を明らかにする、理論的説明を比較する、測定方法を検証するなど、得たい知識の形を示します。ただし、結果を先に決めてはいけません。望ましい結論ではなく検証する問いを書くことが研究目的です。

研究計画はデータ・方法・手順を対応させる

研究計画欄は、難しい手法名を並べる箇所ではありません。問いに答えるために必要な証拠、その取得方法、分析単位、比較、分析手順を説明します。定量研究なら変数、データの範囲、推定上の問題を考えます。定性研究なら対象選定、資料収集、分析の観点を示します。歴史研究では史料批判と時期区分も重要です。

手順は、文献検討、資料収集、データ整備、分析、頑健性や代替解釈の検討、執筆という順に並べると見通しが立ちます。各段階で何が分かり、次の判断にどう使うかを書きます。方法名と研究目的の対応を説明することで、実行可能な計画に見えます。

期待される成果は学術的な追加点を書く

期待される成果は「日本経済の発展に貢献する」といった大きな願望だけで終わらせません。先行研究に対して、どの対象、条件、資料、測定、説明を追加できるのかを示します。政策的・実務的な含意を書く場合も、分析結果から直接導ける範囲に限定します。

研究結果は仮説と異なる可能性があります。そのため「効果があることを証明する」ではなく、関係の有無や条件を検証し、理論や政策議論にどのような情報を加えられるかと書きます。どの結果でも知識が増える設計を目指してください。

学修歴・準備状況・参考文献で実行能力を裏づける

最後の欄では、研究に関係する学修、卒業論文、データ分析、語学、資料読解などを、計画の実行能力と結びつけます。資格や成績の列挙ではなく、何を学び、何ができ、何を補う必要があるかを書きます。未修の方法があっても、学習予定と優先順位を示せば準備の具体性が伝わります。

参考文献は、本文で論じた主要研究と対応させます。実際に読んでいない文献を数合わせで入れないでください。書誌情報の形式を統一し、本文の著者名・年と一致させます。参考文献は計画の根拠を追跡できる形にすることが大切です。

3ページ内の分量配分を論理に合わせて変える

公式様式は各欄の上下幅を変えられるため、全欄を同じ長さにする必要はありません。一般には、背景・先行研究と研究計画が多くの説明を必要とします。目的は短く明確にし、期待成果は先行研究との差分に対応させます。準備状況は計画の難所を実行できる証拠へ絞ります。固定の文字数テンプレートより、自分の研究で説明が必要な箇所へ配分します。

背景が長すぎると方法が数行になり、実行可能性を判断できません。反対に方法の細目ばかりで先行研究が薄いと、なぜその分析が必要かが伝わりません。初稿を印刷し、各欄の役割を一文で欄外に書いてください。役割を説明できない段落は、移動か削除の候補です。分量は重要度ではなく説明負荷で配ると考えます。

文章を圧縮するときは、主語が同じ連続文をまとめ、一般的な社会背景を短くし、文献の個別要約を論点別の比較へ変えます。一方、研究目的、データの由来、方法を選ぶ理由は削りすぎないでください。図表を追加できる様式ではないため、文章の接続語と段落構造で関係を明示します。最終版はPDF化やアップロード後の表示も確認し、改ページで見出しと本文が分断されていないかを見ます。

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評価を落としやすい研究計画書の型と改善方法

研究科の射程外のまま志望理由で押し切る

社会的に重要なテーマでも、経済学研究科でどの学術分野に接続するかが示されなければ、研究計画として判断しにくくなります。教育問題、環境問題、地域課題などの題材名だけでは所属分野は決まりません。行動、制度、歴史、組織、会計情報など、何を分析するかを明確にします。

改善するときは、公式の三研究分野と教員一覧を見ながら、中心となる先行研究を入れ替えます。別分野の理論を使う場合も、経済学研究科で行う理由を説明します。題材の重要性と学術的適合性を分けて示すと、志望理由に依存しない計画になります。

指導可能な接点が確認できない

著名な大学だから幅広く指導してもらえるだろうという推測は禁物です。最新の教員一覧、担当教員資料、研究業績を確認し、接点のある分野が存在するかを調べます。ただし、教員名を挙げるだけでも不十分です。自分の問いが、その教員の公開研究分野とどの概念や方法で接続するかを説明します。

接点が薄い場合は、無理に言葉を合わせないでください。問いの切り方を変える、関連する教員がいる別研究科を検討するなどの判断が必要です。名前の一致より研究上の接点を優先することが、入学後のミスマッチ防止にもなります。

方法が実行不能または問いと対応しない

データが非公開、調査対象へ接触できない、必要な期間が長すぎる、比較対象がないといった問題は、文章を整えるだけでは解決しません。使用する資料の公開状況を確認し、サンプルの範囲を現実的にします。方法を先に選び、後から題材を当てはめると、問いとの不一致も起こります。

改善には小規模な試行が有効です。公開データを一部ダウンロードする、史資料目録を確認する、数本の文書を試しにコード化するなど、実際に手を動かします。すると変数の欠損、資料の粒度、概念の曖昧さが見えます。予備的な確認を計画書の前に行うことで実行可能性が上がります。

先行研究が要約で終わり、差分がない

先行研究Aはこう述べ、Bはこう述べたと列挙しても、自分の問いは導けません。研究間で前提、対象、方法、結果を比較し、どこが一致し、どこが異なるかを整理します。その差が対象の制度条件によるのか、測定や方法によるのかを考えます。

文献ごとの要約から、論点ごとの比較へ書き換えるのが改善の基本です。段落の最後に「以上から何が未解明か」を置き、次の目的文へつなげます。先行研究の限界と目的を一対一で対応させると、研究の必要性が伝わります。

志望理由、目的、成果が同じ文章になる

3ページという制約の中で、同じ主張を言い換えて繰り返すのは大きな損失です。テーマを選んだ理由は研究へ向かう経緯、目的は明らかにすること、成果は先行研究へ加わる知識です。三者の役割を分けてください。

推敲時には各文の横に「背景」「既知」「限界」「目的」「方法」「成果」「能力」とラベルを付けます。同じラベルが離れた欄に重複していれば移動または削除します。一文一役で情報密度を高めると、所定様式を崩さず読みやすくできます。

引用と参考文献の不整合を残す

限られた紙幅では引用形式が後回しになりがちですが、著者名や年の誤り、本文にない文献の大量掲載、二次資料だけに依存した説明は信頼性を損ねます。検索結果の要約だけを読んで引用せず、入手できる原論文を確認します。引用した主張が論文の結論なのか、先行研究の紹介なのかも区別してください。

参考文献管理表には、完全な書誌情報、入手先、読了日、計画書で使う論点、重要なページを記録します。改稿で本文から削除した文献は参考文献欄からも外し、逆に本文で著者年を挙げた文献が一覧にあるか確認します。本文と文献表を相互に照合する作業を提出前の独立工程にしましょう。

自分の卒業論文や未公刊資料を参照する場合は、その性格が分かるようにします。ウェブ資料は更新日と閲覧日を確認し、政策や統計の事実には可能な限り公的な一次情報を使います。研究計画書の文献表は知識量を誇示する場所ではなく、問いが既存研究を踏まえていることを検証可能にする場所です。

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出願までの逆算スケジュールと口述試験の準備

出願半年前からテーマと資料を往復する

研究計画書は、締切直前に文章だけを作ると、先行研究やデータの確認が浅くなります。少なくともテーマ候補、文献調査、教員分野、資料の取得可能性を往復できる期間を確保します。公式情報の公開時期より前から準備する場合は、前年度様式を参考にしつつ、最新年度公開後に差分を確認します。

時期中心作業完成条件
出願6〜5か月前関心の分解、主要文献の探索候補の問いを3案程度に絞る
出願5〜4か月前三研究分野と教員一覧の確認分野選択の根拠を説明できる
出願4〜3か月前データ・史資料・調査可能性の確認方法と代替案がある
出願3〜2か月前初稿、文献表、予備的分析全欄が論理でつながる
出願2〜1か月前第三者レビュー、圧縮、口述質問作成3ページと指定体裁を満たす
出願直前最新要項、ファイル、アップロード確認提出版と口述用控えを保存

TOEFLや評価書など他の出願準備も並行しますが、本記事では詳述しません。全体日程は対応する既存記事で確認し、最新募集要項を正としてください。研究計画書だけの締切表を作らないことが、出願手続の抜けを防ぎます。

初稿は3ページを超えてから削る

最初から3ページに収めようとすると、根拠のない短文だけになりやすくなります。まず各欄に必要な要素を書き、論理を完成させます。その後、重複、一般論、修飾語、本文で使わない文献を削ります。削る基準は文字数ではなく、研究目的に必要かどうかです。

第三者に読んでもらうときは「分かりやすいですか」だけでなく、研究目的を一文で言い返してもらい、使用する資料と方法を説明してもらいます。読み手の回答が自分の意図と違えば、中心文か接続に問題があります。読み手が再現できる論理かを確認するレビューが有効です。

予備的な検討を研究準備状況へつなげる

初稿の前後で、小さな予備的検討を行うと方法の現実性が大きく変わります。定量研究なら、候補データの変数一覧と数年分の値を確認し、欠損、単位、定義変更を調べます。公開データを結合するなら、地域コードや企業識別子が一致するかを試します。推定まで完了していなくても、データの構造を理解していることは計画の具体化に役立ちます。

定性研究なら、公開されている会議録や企業資料などを少量選び、どの概念で読み分けられるかを試します。インタビューを予定する場合は、本調査の代わりに質問案を作り、一つの質問で複数の論点を尋ねていないかを点検します。歴史研究なら、所蔵目録を検索し、資料群の作成年代、作成主体、量、閲覧条件を確認します。予備作業は本調査の縮小版として設計すると、見落としを発見しやすくなります。

予備的な結果を計画書へ書くときは、結論を確定したように扱いません。「一部資料の確認から仮説を得た」「データの利用可能性を確認した」という準備の証拠として位置づけます。都合のよい結果だけを示すのではなく、現時点の限界と本研究で追加する手続を説明します。予備分析で仮説と逆の兆候が出たなら、それを隠すより、別の説明を検討する材料にします。

この作業により、準備状況の欄も具体的になります。「研究を進めている」ではなく、「対象データの公開範囲を確認し、分析単位を年度別の企業に設定した」「所蔵目録から対象期間の資料群を確認した」と書けます。ただし、計画書に記すのは実際に行ったことだけです。実施予定と完了済みの作業を区別し、口述で手順を説明できる状態にしてください。

提出ファイルと根拠資料を一体で管理する

出願時は研究計画書をWEB出願システムへアップロードします。提出直前の修正で、手元のWord、PDF、印刷版の内容が違う事故を防ぐため、版を一つに確定し、ファイル名へ日付や版番号を付けます。アップロードした最終ファイルは変更せず保存し、口述対策ではその提出版を使います。

同時に、計画書の各主張を支える根拠フォルダを作ります。主要文献、データ仕様書、公式教員一覧、カリキュラム、募集要項、想定問答を分け、計画書の段落と対応させます。URLだけを保存するとページ更新やリンク切れで確認できなくなるため、閲覧日と書誌情報も記録します。提出版から根拠へ戻れる状態を作ると、口述準備の効率が上がります。

体裁の最終確認では、3ページ以内、指定フォントとサイズ、余白と行間、所定欄の欠落、研究分野のチェック、氏名や題目を確認します。内容確認とは別の日に形式確認を行うと、慣れによる見落としを減らせます。募集要項とチェックリストも照合し、研究計画書だけ完成して他書類が間に合わない状況を避けましょう。

口述試験は計画書の反証から準備する

口述対策では、計画書を要約する練習だけでなく、弱点を突く質問を作ります。なぜその対象か、先行研究との差は何か、データは入手できるか、別の説明はないか、希望分野を選んだ理由は何かを問います。答えは丸暗記せず、結論、根拠、留保の順で短く説明します。

  • 研究目的を30秒と2分の二通りで説明する
  • 主要文献3本の違いを説明する
  • 方法の前提と限界を答える
  • 資料を入手できない場合の代替案を示す
  • 予想と逆の結果が出た場合の意味を考える
  • 入学後に補う知識と履修方針を説明する

日本語運用能力も確認されます。専門用語を難しく言い換えるより、定義と理由を筋道立てて話せることが重要です。提出後に誤りを見つけた場合も隠そうとせず、どこをどう修正するかを説明できるよう準備します。批判に応じて計画を改善できる姿勢は研究に欠かせません。

模擬口述を録音して説明のずれを直す

模擬口述では、計画書を見ずに研究目的を説明し、その後で提出版と照合します。話すたびに目的や対象が変わるなら、中心の問いがまだ固まっていません。録音を聞き、「なぜ」「どのように」「何と比べて」という接続が抜けている箇所を記録し、回答と計画書の両方を見直します。

質問役には専門が近い人だけでなく、隣接分野の人も入れると有効です。専門が近い人は先行研究や方法の弱点を、隣接分野の人は定義不足や論理の飛躍を見つけやすいからです。ただし、指摘をすべて取り入れてテーマを広げる必要はありません。中心の問いに必要な修正かを判断します。回答できない質問を改善リストへ変えることが模擬口述の目的です。

回答は、最初の一文で結論を述べ、次に計画書上の根拠を示し、最後に限界や入学後の検討事項を加えます。分からない点を推測で埋めるより、現時点で確認できている範囲と今後の確認方法を分けます。研究は当初計画どおりに進まないこともあるため、変更の条件を説明できることも実行可能性の一部です。

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よくある質問(FAQ)

京都大学大学院経済学研究科の研究計画書は何字ですか

2027年度Rプログラムの所定様式は、字数ではなく3ページ以内という指定です。Word版ではフォントとサイズも指定され、行間、文字間、余白は変えられません。字数目標を先に置くより、各欄の役割を満たし、重複を削って所定体裁へ収めてください。

高度専門人材養成プログラムにも研究計画書は必要ですか

2027年度一般選抜では、Pの志願者が提出する中心書類は学修設計書です。研究計画書はRの志願者のみ提出します。両プログラムは併願と出願後変更ができないため、教育目的と指導方式を確認してから選択してください。

研究計画書に希望する教員名を書く必要がありますか

所定様式には希望研究分野を一つ選ぶ欄があり、担当教員一覧を参考に希望する指導教員の所属分野を選ぶよう記載されています。教員名を単に書くことより、公開研究分野と自分の問いの接点を確認することが重要です。指導教員は入学後に決定されるため、受入れを前提に断定しないでください。

出願前に教員へ連絡する必要がありますか

本記事で確認した2027年度一般選抜要項と所定様式からは、全志願者に事前連絡を一律に求める記載を確認していません。推測で連絡するのではなく、最新の募集要項、入試Q&A、研究科からの案内を確認してください。連絡する場合も、受入れの内諾を当然視せず、公式の手順に従います。

経済学部以外の出身でも研究計画書を書けますか

出身学部だけでテーマの適否は決まりません。ただし、研究に必要な経済学、統計、歴史研究、経営学、会計学などの基礎をどのように修得したか、何を入学前後に補うかを説明する必要があります。出願資格の詳細は最新募集要項と既存の院試解説で確認してください。

研究方法はどこまで具体的に書くべきですか

少なくとも、使用する資料またはデータ、分析単位、比較の考え方、手順、取得可能性が伝わる水準まで具体化します。高度な手法名だけでは足りません。その方法が研究目的に答えられる理由と、想定される限界も説明してください。

口述試験では何を聞かれますか

公式要項は、Rの口述試験を提出した研究計画書に基づいて実施するとしています。したがって、目的、先行研究、方法、資料、研究分野、準備状況について、自分が書いた内容の理由を説明できるようにします。具体的な質問を断定せず、計画書の各文から想定問答を作るのが現実的です。

研究計画書は日本語と英語のどちらで書くべきですか

2027年度一般選抜では日本語または英語で作成できます。使用言語だけで評価上の有利不利を推測せず、自分が研究内容を正確に書き、口述でも説明できる言語を基準にします。最新年度に指定変更がないかも確認してください。

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まとめ|研究分野・方法・修士論文を一本につなげる

京都大学大学院経済学研究科のRプログラム向け研究計画書は、一般的なテンプレートへ大学名を入れるだけでは完成しません。所定の三研究分野、公式教員一覧、個別指導と修士論文という教育構造を踏まえ、自分の問いがどこで、どのように研究できるかを示す必要があります。

  • Rは研究計画書、Pは学修設計書を提出する
  • 所定様式は3ページ以内で、指定体裁を守る
  • 背景から先行研究の限界を示し、目的へつなぐ
  • 理論・応用、制度・歴史、経営・会計から一分野を選ぶ
  • 教員一覧は最新の公式HTMLで確認する
  • 方法と資料の取得可能性を事前に試す
  • 提出文書を口述試験の質問設計図として見直す

最終確認では、題目、目的、方法、成果、準備状況に同じ中心語が一貫して現れるかを見てください。どこか一欄だけ別の研究になっていれば、文章を整える前に設計へ戻ります。全欄が一つの問いへ収束していることが、短い様式で最も大切です。

提出前には、公式の研究計画書様式を新しくダウンロードし、準備に使った版と同じかを一項目ずつ丁寧に確認しましょう。研究題目、研究分野の選択、各欄の内容、参考文献、ファイルのページ数を順に照合します。さらに、提出版を初めて読む人の立場で読み直し、前提を補わなければ理解できない箇所がないかを確認してください。研究の限界を隠すのではなく、どこまで答えられ、残る課題をどう扱うかを示すと、現実的で検討可能な計画になります。

募集要項・出願書類の様式・教員の配置は年度により変わるため、出願前に必ず最新の公式情報で確認してください。研究分野の選択や方法の具体化を一人で判断しにくい場合は、京都大学大学院の研究計画書対策を含む大学院入試コースで整理する方法もあります。独学での対策に不安がある場合は、専門の指導を活用するのも一つの方法です。

\ 大学院入試専門 /

書き上げた研究計画書、そのまま出して大丈夫ですか?

研究職キャリアを持つ講師が、テーマ設定・先行研究の位置づけ・研究方法まで、出願レベルに届いているかを個別に確認します。

  • 研究職の講師が研究計画書を添削し、改善点を明確化
  • 相談後に、志望校の出題傾向と学習ロードマップをまとめた個別フィードバックレポートをお渡し
  • 志望校が決まっていなくてもOK

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この記事を書いた人

千葉大学 法政経学部を首席で卒業後、都内国公立大学の法科大学院(ロースクール)を修了し、司法試験に合格。法律・政治・経済分野の専門知識をもとに、スプリング・オンライン家庭教師の大学編入・大学院入試分野の指導および記事監修を担当。

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