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名古屋大学大学院人文学研究科の研究計画書の書き方|専攻・カリキュラム・教員の研究分野から逆算する

名古屋大学大学院人文学研究科の研究計画書を書くときは、一般的なテンプレートを先に埋めるのではなく、志望する分野・専門の個別指示を最初に確認することが出発点です。同研究科は人文学専攻の中に5学繋29分野を置き、分野ごとに使用言語、字数、卒業論文との関係、先行研究や史資料の示し方を細かく指定しています。したがって、同じ「人文学研究科向け」でも、言語学と日本史学、英米文学とメディア文化社会論では有効な構成が異なります。
研究計画書とは、入学後に何を、なぜ、どの資料と方法で明らかにし、修士論文へどう到達するかを説明する研究の設計図です。名古屋大学大学院人文学研究科では、出願書類審査に使われるだけでなく、口述試験で提出書類に関する試問を受けます。文章が整っているだけでは足りず、自分の言葉で研究設計を説明できる状態まで準備する必要があります。
書き上げた研究計画書、そのまま出して大丈夫ですか?
研究職キャリアを持つ講師が、テーマ設定・先行研究の位置づけ・研究方法まで、出願レベルに届いているかを個別に確認します。
- 研究職の講師が研究計画書を添削し、改善点を明確化
- 相談後に、志望校の出題傾向と学習ロードマップをまとめた個別フィードバックレポートをお渡し
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(費用は一切かかりません)
本記事は、出願資格・試験日程・倍率を詳しく繰り返すものではありません。それらは名古屋大学大学院人文学研究科の外部院試解説に譲り、ここでは公式の募集要項、組織、修了要件、HTMLで確認できる教員配置から、テーマ適合の判定と研究計画書の組み立て方を解説します。まず分野を決め、次にカリキュラムと教員配置を照合し、最後に個別様式へ落とし込む順序で進めてください。
なお、募集要項・出願書類の様式・教員の配置は年度により変わるため、出願前に必ず最新の公式情報で確認してください。本記事は2027年度博士前期課程第1期の公式情報を基準にしています。年度が変われば字数や提出方法も再確認し、過年度の書式をそのまま使わないことが大切です。
読み進める前に、手元へ三枚のメモを用意してください。一枚目は志望分野の要求仕様、二枚目は問い・資料・方法、三枚目は公式教員情報とカリキュラムの照合表です。本文の各章で得た情報をこの三枚へ追記すれば、単なる情報収集で終わらず、自分の研究計画書の骨格が残ります。特に、公式の事実と自分の解釈を分けて記録すると、教員の専門や制度を推測で補う事故を防げます。
名古屋大学大学院人文学研究科の研究計画書で最初に確認すること
所定様式・提出時期・口述試験との関係
2027年度博士前期課程第1期では、研究計画書は出願時に提出する書類です。人文学研究科の入試ページからWord形式の所定様式をダウンロードし、A4判用紙に片面印刷して郵送します。自由書式の論文を別途作ればよいのではなく、所定様式と分野別注意点の両方に従う必要があります。入試ページには募集要項、履歴書等の用紙、研究計画書が別ファイルで掲載されるため、三つを取り違えないよう保存名も整理しましょう。
所定様式自体は記入先を与える器であり、実質的な内容は募集要項の「研究計画書に関する注意点」で決まります。共通ルールは、志望分野に言語・文字数の指示があれば個別指示を優先し、指示がなければ日本語4,000字以上または英語1,600語以上とすることです。「4,000字程度」「2,000字以上」「1,600字以上2,000字以内」は意味が異なるため、助詞まで含めて指定を正確に転記してください。
選抜は出願書類審査と学力試験で行われ、一般入試の口述試験では提出書類、外国語外部試験スコア、筆記試験に関する試問と、研究遂行に必要な専門基礎知識・研究能力等に関する試問が行われます。社会人入試でも提出書類と筆記試験に関する試問があります。つまり研究計画書は提出して終わる文書ではなく、口述試験の質問を生み出す基礎資料です。
分野によって要求仕様が変わる
個別指示の違いは字数だけではありません。言語学は希望指導教員の記載を求め、日本語学は研究背景・目的・意義・方法を求めます。応用日本語学は先行研究を挙げ、主要な3点とテーマの関連を具体的に書くよう指示しています。英語学では扱う構文や言語事実、理論的枠組み、方法、卒業論文との関係が焦点になります。分野の研究実践が指定項目に表れていると読むと、何を評価しようとしているかが見えてきます。
| 確認項目 | 確認する場所 | 計画書への反映 |
|---|---|---|
| 提出要否・所定様式 | 入試ページ、募集要項 | 指定ファイルを使用 |
| 使用言語・字数 | 分野別注意点 | 上限・下限・程度を区別 |
| 必須項目 | 分野別注意点 | 見出しと分量を割り当てる |
| 卒論との関係 | 分野別注意点 | 継続・変更の論理を説明 |
| 希望指導教員 | 分野別注意点、教員紹介 | 指定がある分野で記載 |
| 口述での利用 | 選抜方法 | 根拠資料と想定問答を準備 |
最初の作業は文章を書くことではなく、この表を自分の志望分野について埋めることです。指定の見落としは、内容以前の不整合になります。なお、一般的な研究計画書の作業順序は研究計画書の書き方7ステップでも確認できますが、名古屋大学向けではその前に分野別注意点を読み込む工程を置いてください。
要求仕様を転記するときは、本文に必要な要素と、別紙・要約・添付に必要な要素を分けます。たとえば英米文学では英語による卒論内容と日本語による修論テーマの見解が連続して求められますが、メディア文化社会論では研究計画と反対言語の要約という組合せです。どちらも二言語を使うものの、各部分の役割は同じではありません。字数だけでなく各部分の役割を定義してから執筆すると、重複や不足を避けられます。
口述試験を意識するなら、計画書に書く専門用語を「説明できる語」と「引用しただけの語」に分けてください。理論名や方法名を増やすほど高度に見えるわけではありません。定義、採用理由、資料への適用方法、ほかの方法を選ばない理由を答えられる語だけを残します。提出前に各用語を二文で説明するカードを作れば、内容の推敲と口述準備を同時に進めることができます。
公式情報を保存するときは、入試ページのURLだけでなく、募集要項の該当ページ番号と確認日も記録します。入試ページは同じURLのまま年度情報が更新されることがあるためです。自分用の要求表には「2027年度第1期」「募集要項18〜20ページ」のように根拠を付け、所定様式のファイル名も残します。どの年度の何を根拠にしたかを固定すれば、後から改訂情報と比較できます。
研究計画書と任意提出の論文等も区別します。募集要項では、卒業論文の写し、卒論に準じる論文、作成中の卒論要旨などは該当するものがある場合の任意提出として案内されています。一方、研究計画書は提出書類です。任意資料を出す場合も、計画書に書いた卒論内容・修論への発展と矛盾しないかを確認し、資料を増やすこと自体を目的にしないでください。
人文学専攻の5学繋・29分野から志望先を選ぶ
研究科名ではなく分野・専門まで特定する
名古屋大学大学院人文学研究科の博士前期課程は人文学専攻という一専攻ですが、その内部は5学繋29分野に分かれます。研究計画書では「人文学に関心がある」という大きな括りでは不十分です。どの分野の方法と資料で問うのかまで特定して、志望先と研究設計を一致させます。
| 学繋 | 分野・専門 | 計画書で見極める軸 |
|---|---|---|
| 言語文化学繋 | 言語学、日本語学、日本語教育学、応用日本語学 | 言語現象、理論、教育・習得、資料の種類 |
| 英語文化学繋 | 英語学、英米文学、英語教育学 | 構文・言語事実、作品・文化、教育研究法 |
| 文献思想学繋 | ドイツ語ドイツ文学、ドイツ語圏文化学、フランス語フランス文学、日本文学、中国語中国文学、哲学、西洋古典学、中国哲学、インド哲学 | 原典言語、文献、思想史、解釈の枠組み |
| 超域人文学繋 | 映像学、日本文化学、文化動態学、ジェンダー学、メディア文化社会論、ダイバーシティ論 | 表象、移動、社会・文化、学際的理論と調査 |
| 歴史文化学繋 | 日本史学、東洋史学、西洋史学、美学美術史学、考古学、文化人類学、文化遺産学 | 史料、作品、遺物、フィールド、文化遺産 |
近いテーマが複数分野にまたがることは珍しくありません。たとえば映画を扱う研究でも、映像表現の分析なら映像学、映画を介した社会的言説ならメディア文化社会論、特定時代の映画資料を歴史史料として扱うなら歴史系の接続が考えられます。大切なのは対象名ではなく、問い・資料・方法の組合せで所属を選ぶことです。
文学作品を扱う場合も同様です。作品が英語で書かれているから英米文学、と即断するのではなく、作品そのものの精読、翻訳・受容、ジェンダー表象、メディア展開など、何を明らかにしたいかを分けます。研究計画書の冒頭に置く題目は、対象だけでなく分析観点が分かる形にすると、分野との接続が読み取りやすくなります。
学繋と分野を二段階で照合する
志望先を決めるときは、第一段階で学繋の射程、第二段階で分野の研究実践を確認します。学繋の紹介文は、育成する能力や対象領域の大枠を示します。分野ページや募集要項の専門試験・研究計画書注意点は、実際に用いる資料や基礎知識をより具体的に示します。組織図だけで選ばず試験と計画書も照合するのがポイントです。
- 研究対象を一語で置くのではなく、時代・地域・言語・媒体まで限定する
- 明らかにしたい問いを疑問文で書く
- 主要資料を一次資料と二次資料に分ける
- 分析方法を候補段階でも言語化する
- 5学繋の紹介と照合し、候補を二つ程度に絞る
- 分野別の研究計画書注意点と専門試験を読み、最終候補を決める
G30国際プログラムの言語学・文化研究プログラムと「アジアの中の日本文化」プログラムは別途募集です。一般入試・社会人入試の29分野と出願経路を混同しないでください。研究内容が近く見えても、募集単位が異なれば様式や選抜方法も変わります。研究内容と出願制度を別々に確認し、最後に両者を一致させましょう。
候補分野が二つ残ったときは、それぞれの研究計画書注意点を仮に適用して、同じテーマを二通りに説明してみます。言語学なら言語事実と理論、日本語教育学なら教育・習得上の問題と研究方法、メディア文化社会論ならメディア・文化・社会の関係というように、分野が変わると中心語も変わります。どちらの説明が自分の一次資料と問いを無理なく結ぶかを比べれば、名称の印象ではなく研究手続で選択できます。
分野選択では、専門試験との整合も有効な確認材料です。研究計画書で特定理論を掲げても、その分野の基礎概念や原典言語を学んでいなければ、入学後の研究準備に疑問が残ります。募集要項の専門試験欄を読み、求められる基礎知識を自分の学修歴と照合してください。足りない部分は隠すのではなく、出願までと入学後にどのように補うかを現実的に整理します。
歴史文化学繋の中でも、証拠の性格は分野ごとに違います。日本史学・東洋史学・西洋史学では文献史料の読解と研究史、美学美術史学では作品と重要文献、考古学では遺跡・遺構・遺物、文化人類学ではフィールドと理論、文化遺産学では遺跡・遺物・テクストなどが中心になりえます。同じ地域対象でも証拠の種類で分野が変わるため、対象地域だけで所属を決めないようにします。
文献思想学繋では、対象文献を原語で扱う準備と、思想・文学上の問いの両方が重要です。哲学なら中心的な読解対象となる言語、西洋古典学やインド哲学なら古典語・古典文献、日本文学なら古典を読む意義など、個別指示や試験科目に分野の基礎が表れます。翻訳だけに依存して立てた問いではなく、どの原典・版・注釈・研究言語を使うかを早期に確認してください。
カリキュラムと修了要件から研究の型を逆算する
30単位と修士論文の構造を読む
博士前期課程の修了には30単位が必要で、そのうち分野・専門で開講される科目から20単位以上を修得します。同時に、人文学基礎、リサーチ・倫理・情報リテラシー、他分野科目などを通じて幅広い学識も得る構造です。研究計画書では専門を絞る一方、他分野の知見が必要な理由も整理しておくと、カリキュラムとの整合が明確になります。
必修には人文学基礎1単位、リサーチ・倫理・情報リテラシー1単位、分野・専門の学位論文研究または卒業論文研究Ⅰ〜Ⅳの計8単位が含まれます。この構成から、研究倫理と情報の扱い、継続的な論文指導が教育の中心にあると分かります。研究対象が人を対象とする調査、個人情報、著作物、未公開史料などに関係する場合は、アクセスと倫理上の手続きを計画に含めるべきです。
1年次には指導教員を定め、研究題目と研究計画を提出し、研究指導計画に沿って指導を受けます。2年次には学位論文題目を届け出て修士学位論文を提出します。出願時の研究計画は将来一字も変えられない契約ではありませんが、二年間で修士論文へ到達できる見通しを示す必要があります。修士論文から逆算した中間成果を置くと実行可能性を説明しやすくなります。
| カリキュラム上の要素 | 計画書で示す内容 | 弱い書き方 |
|---|---|---|
| 分野科目20単位以上 | 専門分野の理論・資料・方法との接続 | 人文学一般への関心だけを書く |
| 人文学基礎 | 研究の人文学上の位置づけ | 個人的な興味で終える |
| 研究倫理・情報リテラシー | 資料利用、調査協力者、データ管理への配慮 | 入手困難な資料を使える前提にする |
| 論文研究Ⅰ〜Ⅳ | 二年間の段階的な調査・分析・執筆 | 調査時期と執筆時期がない |
| 修士学位論文 | 明らかにする問いと到達点 | 学びたい内容の列挙にとどまる |
人文学研究に必要な実行可能性を示す
人文学の実行可能性は、実験設備の有無だけで決まりません。原典を読む言語能力、史料の所在、作品へのアクセス、フィールド調査の期間、インタビュー対象への接触、アーカイブの利用条件などが重要です。日本史学の注意点が史料等の所在と方法を求めるのは、問いに答える資料へ到達できるかを見ようとしているからです。
研究方法は「文献研究を行う」「作品を分析する」だけでは抽象的です。どの版のテクストを、どの概念枠組みで、何と比較し、どの特徴を記述するのかまで分解します。調査研究なら、対象者、選定基準、データの取得方法、分析方法、倫理的配慮を示します。史料研究なら、史料群、所蔵機関、成立時期、史料批判の観点を示すと、方法が問いへの手段として機能します。
二年間の計画では、1年目前半に先行研究の整理と資料確定、後半に予備分析、2年目前半に本分析、後半に章別執筆と推敲というように段階を置きます。海外調査や長期フィールドワークが必要なら、渡航できない場合の代替資料も考えます。計画に柔軟性を持たせることは、曖昧にすることではなく、研究目的を守る代替経路を用意することです。
修士論文の章立てを仮置きすると、計画の過不足を確認できます。序章で問題設定と研究史、第1章で資料と方法、第2章以降で分析、終章で結論という程度でも構いません。各章にどの資料を使い、どの小問へ答えるかを書き込むと、対象が広すぎる箇所や同じ分析を繰り返す箇所が見つかります。仮の章立ては実行可能性の検査道具であり、完成後の構成を固定するものではありません。
他分野科目を履修できる構造は、計画を無制限に広げる理由ではなく、主分野の問いを補強する機会として捉えます。たとえば文学研究でデジタル資料を扱う、歴史研究で文化人類学の視点を参照する場合でも、中心となる証拠と分析は明示します。「学際的」という語の代わりに、他分野から何の概念・技法を借り、それが主たる分析のどの弱点を補うかを書けば、教育課程との接続が具体化します。
研究倫理は、調査対象者がいる研究だけの話ではありません。著作権のある作品画像や映像、公開範囲が限られた史料、差別や被害経験に関わる記録、オンライン上の投稿を扱う場合も、引用、匿名化、保存、公開の扱いを検討します。計画書で詳細な規程を列挙する必要はありませんが、資料の性質に応じた倫理上の論点を把握していることは実行可能性の一部です。
語学力についても、資格スコアと研究遂行能力を分けて考えます。入試で求められる外国語外部試験の情報は既存記事で確認できますが、研究計画書では原典や研究文献をどう読むかが問題です。対象言語の習熟度、利用する辞書・校訂版・翻訳、追加学修の予定を整理し、資料範囲を現在の準備で扱える量に調整します。
教員の研究分野マップと指導可能性の調べ方
公式教員紹介の氏名・所属から候補を探す
教員を探すときは、検索エンジンの古いプロフィールや第三者のまとめではなく、名古屋大学人文学研究科の公式教員紹介を起点にします。HTMLで氏名と人文学研究科における学繋・分野所属を確認できるため、現在の所属候補を公式ページで絞ることができます。
たとえば、言語文化学繋の宮地朝子教授について、公式掲載の専門分野は日本語学です。
| 学繋・分野 | 教員 | 公式掲載の専門分野 |
|---|---|---|
| 言語文化学繋 | 宮地朝子 | 日本語学 |
| 英語文化学繋 | 秋田喜美 | 英語学 |
| 英語文化学繋 | 村尾玲美 | 英語教育学 |
| 文献思想学繋 | 加藤弓枝 | 日本文学 |
| 文献思想学繋 | 勝川裕子 | 中国語中国文学 |
| 文献思想学繋 | 小栗栖等 | フランス語フランス文学 |
| 超域人文学繋 | 新井美佐子 | ジェンダー学 |
| 超域人文学繋 | 小川翔太 | 映像学 |
| 歴史文化学繋 | 東賢太朗 | 文化人類学 |
| 歴史文化学繋 | 中川朋美 | 考古学 |
この表は教員の優劣や推奨順位を示すものではなく、公式HTML上の所属例です。氏名が見つかったら、公式教員紹介からリンクされる個人ページ、分野ページ、研究者情報を読み、研究対象・方法・担当分野を確認します。氏名の一致だけで指導可能と判断しないことが重要です。
研究領域の公式文言をテーマへ接続する
言語学分野の公式ページには「音声学/音韻論/形態論/統語論/意味論/語用論/言語類型論/歴史言語学/社会言語学/対照言語学/フィールド言語学/言語接触研究」と研究領域が掲載されています。自分のテーマが方言接触を扱うなら、単に「日本語に興味がある」と書かず、言語接触研究や社会言語学と、データ・問い・方法がどう接続するかを確認します。
ジェンダー学の公式ページには「経済、労働、社会政策、社会調査(質的調査、量的調査)、LGBT研究、クィア理論、スポーツマネジメント」などの文言があります。たとえば職場の制度を扱う計画なら、労働や社会政策の論点、調査方法、ジェンダー概念の使い方を先行研究から固めます。公式の領域語を飾りとして足すのではなく、研究設計そのものとの接続を示してください。
- 公式教員紹介で志望分野に所属する教員を確認する
- 分野ページに掲載された研究領域を原文のままメモする
- 個人ページや公式研究者情報で対象・方法・成果を確認する
- 自分の問い、資料、方法との重なりと相違を表にする
- 指導可能性を断定せず、出願年度の案内に従って確認する
教員の所属や研究分野は年度により変わるため、出願前に最新の教員一覧で確認してください。過年度のPDFや論文の所属表記だけで判断せず、現在のHTML一覧を起点にするのが安全です。募集要項は全志願者に事前連絡を一律義務づけていませんが、言語学は計画書に希望指導教員の記載を求め、英語教育学は希望する場合に記載できます。自分の分野の指示だけを適用してください。
教員情報の照合表には、氏名、公式の所属分野、確認したURL、確認日、自分のテーマと重なる対象・方法、まだ確認できない点を分けて書きます。「指導してもらえそう」という印象は事実欄に入れません。論文題目が近くても、現在の指導可能性までは公開情報だけで断定できないからです。確認済み・推測・要確認の三分類を守ると、計画書で過剰な断定を避けられます。
公式ページに記載された研究領域を使うときも、語を貼り付けるだけでは接続になりません。たとえば「社会言語学」と書くなら、話者集団、言語変種、収集するデータ、社会的変数、分析単位を示します。「クィア理論」と書くなら、どの概念をどの表象や資料の読解に使うかを示します。研究領域名を、資料の選定と分析操作へ翻訳できて初めて、テーマ適合の根拠になります。
教員情報を本文へ書く場合は、大学が公表している範囲にとどめます。所属分野、研究領域、担当情報から研究環境を確認することはできますが、指導スタイル、人柄、合否への影響を推測することはできません。公開事実と受験上の評価を混ぜない姿勢は、志望理由や事前連絡の文章でも守ってください。
自分のテーマに完全一致する題目の教員が見つからなくても、直ちに不適合とは限りません。人文学の指導可能性は、対象だけでなく理論、方法、言語、地域、時代の組合せで考える必要があります。反対に、題目の単語が一致しても方法が大きく異なる場合があります。候補比較表では「対象の一致」と「方法の一致」を別の列にして確認しましょう。
書き上げた研究計画書、そのまま出して大丈夫ですか?
研究職キャリアを持つ講師が、テーマ設定・先行研究の位置づけ・研究方法まで、出願レベルに届いているかを個別に確認します。
- 研究職の講師が研究計画書を添削し、改善点を明確化
- 相談後に、志望校の出題傾向と学習ロードマップをまとめた個別フィードバックレポートをお渡し
- 志望校が決まっていなくてもOK
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(費用は一切かかりません)
自分の研究テーマが人文学研究科に合うか判定する
問い・資料・方法・教員配置の四点で判定する
テーマ適合は、題材が人文学らしいかだけでは決まりません。「問い」「資料」「方法」「教員配置」の四点が同じ分野へ収束するかで判定します。たとえばSNS上の言語使用を扱う場合でも、語用論的分析、社会言語学的調査、メディア文化研究、ジェンダー表象分析では、参照すべき先行研究も方法も異なります。題材より研究上の問いを先に置くと分野を選びやすくなります。
| 判定軸 | 確認する質問 | 合わない兆候 |
|---|---|---|
| 問い | 何を明らかにすれば研究上の不足を埋められるか | 感想や社会的主張だけになっている |
| 資料 | 一次資料を特定し、現実に入手できるか | 資料名・所在・範囲がない |
| 方法 | 資料から問いへ答える分析手順があるか | 「考察する」だけで手順がない |
| 教員配置 | 公式情報上、近い分野・方法の教員がいるか | 研究科名の知名度だけで選んでいる |
| 修士課程 | 二年間で論文として完結できるか | 対象時代・地域・資料が広すぎる |
五項目のうち一つでも答えられない場合は、出願先が不適合と即断するのではなく、テーマの範囲を調整します。問いが広ければ対象時期や資料を絞り、資料が得られなければ公開アーカイブや別の資料群へ切り替え、方法が曖昧なら同分野の先行研究が採用した手順を比較します。不足を具体化すれば修正箇所が見えるからです。
卒業論文からの継続と変更を説明する
29分野の注意点では、卒業論文やこれまでの研究との関係を求めるものが多くあります。英語学、英米文学、ドイツ語圏文化学、哲学、日本文化学、ジェンダー学、メディア文化社会論、考古学、文化人類学、文化遺産学などで、表現は違っても研究の連続性が問われます。同じテーマかどうかより発展の論理を説明しましょう。
継続する場合は、卒論で明らかになったこと、残った課題、修論で拡張する資料や方法を示します。変更する場合は、卒論を通じて得た知識・読解力・調査経験が、新テーマのどこに生きるかを書きます。「興味が変わった」だけではなく、どの研究上の問題に気づき、なぜ新しい対象が必要になったのかを説明できれば、変更にも一貫性を与えられます。
卒論がない場合は、ゼミ論文、授業レポート、実務経験、自主的な文献調査などから研究準備を示します。ただし、経験談そのものを研究成果として扱わないでください。経験は問題意識の背景になっても、研究目的の妥当性は先行研究と資料によって支える必要があります。個人的動機を学術的な問いへ変換することが研究計画書の役割です。
テーマ適合を一文で表す
判定の仕上げとして、「本研究は、Aという資料をBの方法で分析し、Cという未解明点を明らかにするため、D分野の研究領域と接続する」と一文で書きます。この文に対象、方法、問い、分野が入れば、計画書全体の背骨になります。うまく書けないときは、四要素のどれかが曖昧です。一文要約を各節の整合チェックに使うと論点のずれを防げます。
次に、その一文へ反証質問を当てます。「A以外の資料では答えられないか」「BでCを判断できるのか」「D分野ではすでに解決済みではないか」「対象範囲を半分にしても目的を達成できるか」という質問です。答えに詰まった箇所は、弱点が見つかったということです。自分の計画に反対する質問を先に作ると、口述試験で説明すべき根拠も明確になります。
適合判定では「名古屋大学にある分野」と「自分が準備できる研究」を混同しないでください。魅力的な領域が配置されていても、必要な原典言語や調査経験を出願までに用意できない場合があります。現在の能力、出願までに補える能力、入学後の科目履修で伸ばす能力を分け、研究の中核を現在から着手できる範囲に置くと、計画の信頼性が高まります。
テーマの広さは、固有名詞の数ではなく分析量で見積もります。作品三点でも精密な原文比較が必要なら大きな計画になり、数百件の短い言語データでも既存コーパスから抽出できれば扱える場合があります。資料一件あたりの収集・翻刻・翻訳・符号化・分析時間を試算し、予備分析を少量行ってください。予備分析の所要時間から全体量を逆算すると、実行可能な範囲を説明できます。
社会的関心が出発点の場合は、規範的な結論を先に決めないことも重要です。「制度を改善すべきだ」「表象は有害だ」という結論へ資料を当てはめるのではなく、どの言説・実践・歴史過程がどのように形成されたかを問います。期待と異なる資料が出た場合にも分析できる問いへ整えると、研究としての開放性が保たれます。
分野別要件に合わせた研究計画書の構成と分量配分
まず個別指定を構成表に変換する
名古屋大学向けの構成は、一般テンプレートをそのまま使わず、募集要項の指示を見出しへ変換して作ります。日本語学なら研究背景・目的・意義・方法が指定されているため、その四項目を欠かさない構成にします。中国語中国文学なら冒頭に研究テーマを置き、問題の所在、目的・趣旨、独創性を中心に組みます。指定語を構成表のチェック欄にすると漏れを防げます。
| 構成要素 | 4,000字型の目安 | 書く内容 |
|---|---|---|
| 研究題目・要旨 | 150〜250字 | 対象、問い、方法、到達点 |
| 背景・問題の所在 | 600〜800字 | 研究対象と学術的背景 |
| 先行研究と課題 | 900〜1,100字 | 到達点、対立、未解明点 |
| 目的・問い・意義 | 500〜700字 | 明らかにすることと貢献 |
| 資料・方法 | 900〜1,100字 | 資料範囲、入手方法、分析手順 |
| 卒論との関係 | 300〜500字 | 継続・発展・変更の論理 |
| 研究計画 | 300〜500字 | 二年間の工程と成果 |
| 参考文献 | 指定に従う | 本文で実際に位置づけた文献 |
この配分は個別指示がない4,000字型の作業目安であり、全分野共通の指定ではありません。たとえばメディア文化社会論は日本語1,600字以上2,000字以内で、さらに英語要約400語以内が必要です。美学美術史学は研究計画約2,000字と重要文献1点の内容約2,000字という二部構成です。分量表より募集要項の個別指定を優先してください。
背景・先行研究・目的を一本につなぐ
背景はテーマに関する社会状況の紹介だけではありません。学術研究で何が論じられ、どこまで明らかになり、何が残っているかを示す場所です。先行研究を年代順に並べるだけでは、研究目的が生まれません。「研究AはXを明らかにしたがYを扱わない。研究BはYを扱うが資料Zを検討していない」と整理し、不足から自分の問いを導く構造にします。
独創性は、誰も考えたことがない壮大な主張を意味しません。未検討の資料を加える、既存の対象を別の理論で読み直す、異なる地域や時代を比較する、従来分断されていた議論を接続するなど、先行研究との差分を具体的に示します。中国語中国文学が「研究の独創性」を求める場合も、先行研究との比較で差分を証明することが基本です。
研究目的は「理解を深める」「考察する」ではなく、「何を明らかにするか」を一文で書きます。研究意義は目的を達成したときに、どの研究領域の理解がどう更新されるかです。社会的意義を加える場合も、学術的意義を飛ばさないでください。人文学の研究計画では、社会課題の重要性だけでなく、資料分析からどんな知見を出すかが問われます。
資料と方法を具体化する
文学研究では対象作品、版、期間、比較対象、理論枠組みを示します。言語研究ではデータの種類、収集方法、分析単位、理論を示します。歴史研究では史料の名称・所在・性格と史料批判の方針を示します。文化人類学ではフィールド、対象者、調査方法、期間、倫理的配慮を示します。映像・美術研究では作品群の選定基準と分析観点を示します。
日本史学は素材となる史料等の所在や研究方法を具体的に示し、核心的な史料を挙げて可能なら原文・翻刻を添付するよう求めています。インド哲学は扱う古典文献を適宜引用し、自作の訳を添えるよう求めます。日本文学は古典を読む意義への言及を求めます。これらは装飾的な追加条件ではなく、分野固有の研究能力を示す中心項目です。
二言語での提出や要約が必要な分野では、片方を機械的な逐語訳にしないよう注意します。英米文学は卒論内容を英語800語以上、その後に修論テーマへの見解を日本語2,000字以上とし、役割が異なります。フランス語フランス文学は日本語2,000字以上と同内容のフランス語800語以上です。西洋史学やメディア文化社会論も言語別要件があるため、各言語部分の目的と上限を分けて管理しましょう。
基本テンプレートの項目例を確認したい場合は、研究計画書の例文とテンプレートも参照できます。ただし、例文の表現を移すのではなく、名古屋大学の個別指示を満たすための骨組みとして利用してください。最終稿では、募集要項の要求語を一つずつ照合し、本文のどこで答えたかを欄外メモに残すと確認しやすくなります。
題目は最後まで仮題として更新します。良い題目は、対象、範囲、分析観点のうち二つ以上を読み取れます。「現代社会における文化の研究」のような広い題目では、本文の焦点もぶれます。対象時期、地域、作品・資料群、中心概念を加え、本文で扱わない大きな主張は外してください。題目と目的文を一対で推敲すると、入口と到達点が揃います。
参考文献表は体裁だけでなく、研究設計の地図として点検します。背景を支える研究、理論を与える研究、方法の先例、対象に関する研究、一次資料を区別し、どこか一群に偏っていないかを見ます。本文で触れていない文献を大量に並べるより、主要文献をどの論点で採用・批判するかを明確にする方が、研究史の理解を示しやすくなります。
方法節では、専門用語の説明と実際の手順を分けます。たとえば言説分析を採用するなら、理論上の定義を書くだけでなく、資料をどう区切り、何をコード化し、どの比較から解釈を導くかを示します。精読なら、語彙、語り、修辞、構成、異本など何を観察するかを示します。方法名の後に作業動詞を並べると、実行手順が具体的になります。
意義は大きさより近さを意識します。まず、対象に最も近い研究領域へ何を加えるかを書き、次に必要であれば広い人文学的・社会的意義へ進みます。いきなり社会全体への貢献を掲げると、資料分析との距離が開きます。「この史料群の再検討により、ある時期の概念理解を修正する」のように、研究成果から直接導ける意義を先に置きましょう。
評価されにくい研究計画書の共通点と直し方
研究科の射程外、または分野が曖昧
弱い計画書の一つ目は、名古屋大学である理由が大学名以外にないものです。「多様な人文学を学べるから」では、29分野のどこで研究するかが分かりません。修正するときは、志望分野の公式な研究領域、計画書の個別指示、教員配置、分野科目と修論指導の構造を照合し、問い・資料・方法が所属へ収束する説明を加えます。
学際性を理由に複数分野を列挙するだけの計画も曖昧になりがちです。学際研究ほど、中心となる分野と補助的に借りる理論・方法を区別します。主たる問いに答える資料と方法はどの分野に属するのか、他分野の知見はどの工程で使うのかを示せば、幅広さと焦点を両立できます。
指導可能性を確認していない
二つ目は、テーマは具体的でも公式教員一覧との照合がないものです。著名な研究者の過年度所属や、第三者サイトの情報だけを根拠にすると、出願年度の配置と食い違うおそれがあります。最新のHTML教員紹介から所属を確認し、分野ページと公式研究者情報で研究領域を照合します。教員名を有利さの根拠として使わないことも大切です。
計画書に希望指導教員を書くかは分野の指示に従います。言語学は記載を求め、英語教育学は希望者に記載を求めています。他分野で記載欄や指示がないのに、名前を強調して適合性の代わりにするのは避けます。指導可能性は、教員への評価ではなく、研究テーマとの対象・方法上の接続として説明します。
方法が実行不能、または問いに答えない
三つ目は、使いたい方法を並べても問いへの答え方が見えない計画です。「文献研究とインタビューを行う」と書くだけでは、どの文献をどう整理し、誰に何を尋ね、二種類のデータをどう統合するかが不明です。各方法の出力と研究質問を対応させ、その分析で何が判断できるかまで書きます。
資料へのアクセスも確認します。非公開アーカイブ、所在不明の史料、許諾が必要な映像、接触経路のない調査対象を前提にすると、二年間での実施可能性が弱くなります。公開目録を確認し、入手条件を調べ、代替資料を用意します。語学力が必要な原典を扱うなら、現在の準備状況と入学後の学修計画も説明します。
先行研究が要約で終わる
四つ目は、文献を多く挙げても自分の問いが生まれない計画です。一冊ずつ内容を紹介するのではなく、論点別・方法別・資料別に研究群を整理します。各研究の到達点と限界を比較し、未解明点を示してから目的へつなぎます。参考文献数より本文での位置づけが重要です。
応用日本語学は主要な先行研究3点とテーマの関連性を具体的に書くよう求めます。美学美術史学は重要文献1点の内容を約2,000字で記すよう求めます。この違いからも、文献一覧を共通テンプレートで処理できないと分かります。指定された文献の扱い方に合わせて、読解メモの段階から整理方法を変えましょう。
目的・方法・結論がずれている
最後に、節ごとは読めても全体がずれている計画があります。背景では社会制度、先行研究では文学表象、方法ではアンケート、意義では教育実践を論じるような状態です。各節の末尾に一文要約を置き、「この内容は研究目的にどう必要か」を確認します。目的文を基準に不要な枝を切ると焦点が戻ります。
表現上の弱点として、価値判断を先に置く書き方にも注意します。「重要である」「深刻である」「注目されている」と書くなら、誰の議論やどの資料からそう位置づけられるのかを示します。研究計画書は主張の強さを競う文章ではなく、根拠から問いへ進む文章です。評価語を根拠と具体的記述へ置換すると、学術的な論理が見えやすくなります。
生成AIや自動翻訳を使った文章は、用語が整っていても出典のない文献、分野に存在しない概念、原文と意味の違う要約を混ぜる危険があります。提出する文は自分で原典・論文へ戻り、書誌情報、引用内容、概念の定義を確認してください。口述で説明できない一節は残さず、調査記録と対応させることが、内容の信頼性を守ります。
出願から逆算した研究計画書作成スケジュール
半年前から段階的に成果物を残す
2027年度第1期の郵送受付は2026年7月27日から7月31日午後4時でした。年度によって日程は変わるため最新情報が前提ですが、研究計画書は受付直前に書き始める書類ではありません。テーマの絞り込み、先行研究、教員配置確認、資料の実行可能性確認、複数回の推敲を考えると、出願半年前を準備開始の目安にすると余裕を持ちやすくなります。
| 出願まで | 主な作業 | 成果物 |
|---|---|---|
| 6か月前 | 5学繋29分野の比較、関心の言語化 | 候補分野表、問いの候補3本 |
| 5か月前 | 先行研究の探索、一次資料の確認 | 文献一覧、資料所在メモ |
| 4か月前 | 問い・資料・方法の絞り込み | 一文要約、研究設計表 |
| 3か月前 | 教員配置・分野ページ・カリキュラム照合 | テーマ適合チェック表 |
| 2か月前 | 構成案、初稿、二年間の工程作成 | 初稿、研究スケジュール |
| 1か月前 | 論理・字数・出典・言語要件の推敲 | 改稿、想定質問集 |
| 2週間前 | 所定様式へ反映、第三者確認 | 提出版候補 |
| 1週間前 | 印刷、全出願書類との整合確認 | 提出版、控え、口述用注釈版 |
各段階で文章だけでなく成果物を残すのがポイントです。文献一覧には読了・未読、主要論点、利用箇所を記録します。資料所在メモにはURLや所蔵機関、利用条件を記録します。教員配置表には確認日と公式URLを記録します。後から根拠へ戻れる調査記録が、推敲と口述準備を支えます。
初稿から提出版までの三回推敲
一回目は内容の推敲です。問いが先行研究の不足から導かれているか、資料が問いに合うか、方法が資料を分析できるか、二年間で実行できるかを確認します。文章表現より、研究設計の因果関係を優先します。二回目は志望分野との整合を確認し、個別注意点の各要求に本文が答えているかを照合します。
三回目は提出仕様の推敲です。字数・語数、使用言語、要約、参考文献、希望指導教員、卒論との関係、所定様式、印刷方法を確認します。英米文学やフランス語フランス文学のように複数言語部分がある場合は、部分ごとの字数・語数を別々に数えます。内容確認と形式確認を別日に行うと見落としを減らせます。
提出版ができたら、口述用の注釈版を作ります。各段落について、根拠となる主要文献、用語の定義、資料の選定理由、代替方法を余白に書き込みます。「なぜこの資料か」「先行研究と何が違うか」「二年間で終わるか」「なぜこの分野か」に一分程度で答える練習をします。研究計画書と口述回答の整合が、計画を自分で理解している証拠になります。
準備を一人で進める場合でも、内容を知らない人に一度読んでもらうと、定義不足や論理の飛躍を発見できます。専門的な確認では、研究分野の知識だけでなく、募集要項への適合を見てもらいます。大学院受験全体の支援が必要な場合は、大学院入試対策コースのような専門指導を利用する方法もあります。
締切管理では、大学へ届く期限と自分が発送する日を分けます。証明書や外国語外部試験スコアなど、研究計画書以外の書類との整合も必要です。志望分野名、氏名、卒論題目、希望指導教員の表記が書類間で食い違わないかを一覧にします。研究計画書だけ完成しても出願は完了しないため、最終週は全書類を一組として点検してください。
提出した計画書はPDF化または写しを保存し、口述準備では提出時点の版を使います。推敲後に思いついた内容と提出本文を混同すると、試問への回答がずれることがあります。新しい考えは「提出後の補足」として別に記録し、まず提出版の論理を正確に説明できるようにします。そのうえで、限界や今後の修正可能性を問われたときに補足を使いましょう。
想定質問は、計画書の弱い箇所から作ります。先行研究の選定基準、資料の代表性、分析概念の定義、調査協力者の確保、語学資料の読解、卒論からの変更理由、名古屋大学の分野を選ぶ理由を一問一答にします。回答は暗記文ではなく、結論、根拠、具体例の三段で組み立てます。弱点を隠さず代替策まで説明できれば、研究計画を現実的に検討していることが伝わります。
印刷後には、画面上では気づきにくい改ページ、表記ゆれ、文字化け、余白からのはみ出しを確認します。二言語を使う部分や特殊文字、原語表記、文献情報は特に注意します。所定様式へ貼り付けた結果、見出しがページ末に残ったり参考文献が欠けたりしていないか、提出する現物と保存した控えを見比べてください。
よくある質問(FAQ)
名古屋大学大学院人文学研究科の研究計画書は何字必要ですか
志望する分野・専門によって異なります。個別指示に言語・文字数の指定があればそれを優先し、指定がない場合は日本語4,000字以上または英語1,600語以上です。「程度」「以上」「以内」の違いに注意し、出願年度の分野別注意点を確認してください。
希望指導教員は研究計画書に書く必要がありますか
一律ではありません。2027年度第1期では、言語学は希望指導教員の記載を求め、英語教育学は希望する教員がいる場合の記載を案内しています。ほかの分野も最新様式と注意点を確認し、公式教員紹介で現在の所属を照合してください。
卒業論文と違うテーマでも出願できますか
テーマ変更だけで不適合とはいえませんが、変更の理由と研究準備の連続性を説明する必要があります。卒論で得た理論、資料読解、語学、調査方法が新テーマにどう生きるかを示し、新しい問いに至った学術的経緯を先行研究とともに書きます。
先行研究は何本読めばよいですか
全分野共通の本数指定はありません。本数より、主要研究の到達点と不足を比較し、自分の問いを位置づけられることが重要です。応用日本語学の主要3点、美学美術史学の重要文献1点など個別の指定がある場合は、その扱い方に従います。
日本語と英語のどちらで書けますか
使用できる言語も分野ごとに違います。日本語のみの分野、日本語・英語から選べる分野、二言語の記述や反対言語の要約が必要な分野があります。自分が書きやすい言語だけで決めず、募集要項の使用言語欄を確認してください。
研究計画書は口述試験でどのように使われますか
口述試験では提出書類に関する試問と、研究に必要な専門基礎知識・研究能力等に関する試問が行われます。目的、先行研究との差、資料の選定理由、方法、実行可能性を説明できるよう、提出版の根拠を整理しておきましょう。
外部大学出身者は教員へ事前連絡が必要ですか
2027年度第1期の募集要項では、全志願者に事前連絡を一律義務づける記載は確認できません。ただし分野ごとの研究計画書指示や今後の案内が優先されます。連絡の要否を推測せず、最新の募集要項と分野案内で判断してください。
研究計画書はいつから準備すべきですか
出願半年前を一つの目安にすると、分野選択、先行研究、資料確認、教員配置の照合、初稿と複数回の推敲に時間を取れます。語学資料、史料調査、フィールド計画が必要なテーマは、さらに早く着手した方が準備しやすいでしょう。
準備開始が遅れた場合は、文献数を闇雲に増やすより、主要研究、一次資料、方法の先例を優先します。対象範囲も広げず、二年間で検証できる小問へ絞ります。ただし、分野別の字数・言語・必須項目や出願書類は省略できません。時間が少ないほど研究範囲を限定し、形式要件と根拠確認に時間を残してください。
まとめ|29分野の個別要件から研究設計を組み立てる
名古屋大学大学院人文学研究科の研究計画書で中心になるのは、整った文章より、志望分野の研究実践と二年間の修士論文計画が一致していることです。人文学専攻という大枠だけで考えず、5学繋29分野のどこで、どの資料と方法を使うかまで具体化してください。
- 入試ページから最新の募集要項と所定様式を取得する
- 分野別注意点の使用言語・字数・必須項目を転記する
- 問い・資料・方法で5学繋29分野との適合を判定する
- 30単位、分野科目20単位以上、論文研究Ⅰ〜Ⅳ、修士論文から二年間を逆算する
- 公式HTMLの教員紹介と分野ページで現在の配置を確認する
- 卒論との継続・変更を研究上の発展として説明する
- 提出版とは別に口述試験用の根拠メモを作る
最初に作るべきものは完成原稿ではなく、分野別要求表とテーマ適合表です。そこに先行研究の不足、一次資料、分析方法、二年間の工程を加えれば、各段落が同じ研究目的へ向かう構成になります。名古屋大学固有の指定を設計の起点にすることが、一般的なテンプレートとの差を生みます。
最後に、募集要項・出願書類の様式・教員の配置は年度により変わるため、出願前に必ず最新の公式情報で確認してください。教員名や研究領域は過年度情報で補わず、公式教員紹介のHTMLから確認しましょう。独学での対策に不安がある場合は、専門の指導を活用するのも一つの方法です。
研究計画書は、知識量を一度に見せる文書ではなく、問いと根拠を選び取る文書です。29分野の違いを丁寧に読み、自分の対象に必要な資料・言語・方法を絞り、二年間の工程へ落とし込んでください。分野固有の要件に一つずつ答える作業を積み重ねれば、口述試験でも説明できる一貫した設計へ近づきます。
書き上げた研究計画書、そのまま出して大丈夫ですか?
研究職キャリアを持つ講師が、テーマ設定・先行研究の位置づけ・研究方法まで、出願レベルに届いているかを個別に確認します。
- 研究職の講師が研究計画書を添削し、改善点を明確化
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