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北海道大学大学院経済学院の研究計画書の書き方|専攻・カリキュラム・教員の研究分野から逆算する

北海道大学大学院経済学院の研究計画書の書き方|専攻・カリキュラム・教員の研究分野から逆算するを示すアイキャッチ画像
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北海道大学大学院経済学院の研究計画書で重要なのは、興味のある社会問題を広く語ることではなく、現代経済経営専攻のどのコースで、どの研究方法を使い、誰の専門分野と接続して成果をまとめるのかを一つの設計として示すことです。北海道大学大学院経済学院の研究計画書とは、研究テーマ、計画、これまでの準備を所定様式で示し、事前内諾と入学者選抜の判断材料にする書類です。書類だけで完結せず、口述試験の質問を組み立てる土台にもなる点を最初に押さえてください。

経済学院の現代経済経営専攻には、研究者養成を主眼とする博士コースと、高度専門職業人を育てる専修コースがあります。専修コースは経済政策コースと経営管理(MBA)コースに分かれます。博士コースでは修士論文、専修コースでは研究成果報告書を作るため、同じテーマでも到達点の置き方が異なります。コース名は単なる出願欄ではなく研究計画の時間軸を決める条件です。

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この記事では、令和9年度一般入試の募集要項、所定様式、学院概要、HTMLで取得できる公式教員一覧を基に、研究計画書の設計方法だけを解説します。募集人数、試験科目、日程、倍率など外部院試全般は、北海道大学大学院経済学院の外部院試を徹底解説した既存記事をご覧ください。本記事では重複を避け、専攻・カリキュラム・教員の研究分野から、テーマの適合性を判断する手順に集中します。

なお、募集要項・出願書類の様式・教員の配置は年度により変わるため、出願前に必ず最新の公式情報で確認してください。以下は計画書を代筆するための型ではありません。自分の問いと根拠を学院の教育設計へ正確につなぐための確認表として活用してください。

読み進める前に、紙かメモ画面へ「希望コース」「研究質問」「利用予定の資料」「候補教員」を一行ずつ書いてみてください。記事中の表と照合することで、準備できている部分と調べ直す部分が見えます。完成稿を一度に書こうとせず、公式情報の確認、問いの限定、方法の試行、文章化の順で進めると、表現だけ整って根拠が弱い計画を避けやすくなります。

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目次

北海道大学大学院経済学院で研究計画書はどう扱われるか

所定様式の項目と提出の流れ

経済学院の研究計画書はフリーフォーマットではなく、公式サイトから入手する所定様式で作成します。様式には、氏名、研究テーマ、当該テーマの研究歴、テーマに密接に関連して学修した科目、入試区分、口述試験で使う言語、博士後期課程への進学予定、経費区分、研究計画、これまでの事前準備を記す欄があります。学修科目は2科目までなので、履修歴を網羅するより研究方法を支える科目を選ぶことが大切です。

様式の欄審査側が確認しやすい内容準備する材料
研究テーマ対象・問い・分析視角が特定されているか仮題と一文の研究質問
当該テーマの研究歴関心が準備行動につながっているか卒論、授業、業務、調査の記録
関連する学修科目研究に必要な基礎があるか2科目の内容と研究との関係
研究計画期間内に実行し成果化できるか問い、先行研究、方法、工程
事前準備計画が思いつきでないか書籍・論文名、調査内容、習得事項

研究計画書は、まず事前内諾申請時にプレアドミッション・サポートシステムへPDFでアップロードします。内諾後の正式出願では、原則として事前内諾申請時と同じものを提出します。つまり、出願直前に初めて作る書類ではありません。内諾申請の時点で選抜に耐える完成度へ近づける必要があります。

所定様式そのものには字数指定が明記されていません。この場合、「何字でもよい」と考えて欄を過密にするのは得策ではありません。指定されたページ構成と欄の大きさを保ち、読みやすい文字サイズで、問いから方法までが追える密度に整えます。書きたい内容が収まらないときは、背景説明を削り、研究対象、未解明点、方法、成果の順に優先してください。

博士コースは5年間、専修コースは2年間を書く

所定様式は、博士コース志望者に修士課程と博士課程を通じた5年間の研究計画を、専修コース志望者に2年間の計画を書くよう求めています。博士コースなら、修士論文を終点にせず、その成果を博士後期課程でどう発展させるかまで描きます。5年間を一つの巨大な調査として書かず段階的な研究課題に分けると実現可能性が伝わります。

専修コースでは、2年間で専門知識を応用し、研究成果報告書へまとめる工程を示します。実務上の問題を扱う場合も、「業界を良くしたい」という目的だけでは研究計画になりません。どの現象を、どの資料やデータで、どの理論枠組みから分析するのかへ落とし込みます。博士コースより実務志向であっても、検証可能な問いと方法は必要です。

口述試験で計画書がどう使われるか

令和9年度一般入試の募集要項によると、面接(口述試験)では提出した研究計画書に基づき、研究テーマの妥当性、学習意欲、目的意識などが問われます。博士コースでは教育研究者としての適性も確認されます。したがって、自分で説明できない専門語や過度な断定は書類に残さないことが基本です。

質問への備えは、文章の暗記ではなく、各判断の理由を説明する練習にします。「なぜこの対象か」「先行研究と何が違うか」「そのデータは得られるか」「別の方法ではなぜ不十分か」「北海道大学で行う理由は何か」を一問一答にしてください。研究テーマは学力・研究能力を判断する重要資料で、入学直後の変更は原則認められないと募集要項に記されています。面接を通すためだけのテーマではなく、実際に継続できるテーマを選びます。

提出前には、所定様式の各欄が同じ研究を指しているかも点検します。テーマ欄では地域雇用を掲げているのに、研究計画では企業財務を分析し、事前準備ではマーケティング文献だけを挙げるようなずれがあると、準備の一貫性が伝わりません。研究質問を中心に、関連科目、文献、方法、候補教員を放射状につないだ図を作ると、ずれを発見できます。

PDF化した後の確認も審査内容と同じくらい実務上重要です。文字が欄外へはみ出していないか、改ページで文章が欠けていないか、日本語と英語の記入欄を取り違えていないかを、別の端末でも確認します。ファイル名やアップロード形式は申請画面の案内に従い、送信直前ではなく余裕のある段階で一度PDF化すると修正時間を確保できます。

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専攻・コース構造を理解して志望先を定める

経済学院の2専攻を混同しない

経済学院には現代経済経営専攻と会計情報専攻があります。本記事が対象とする研究計画書は、一般入試・社会人入試で事前内諾を求める現代経済経営専攻のものです。会計情報専攻は専門職学位課程のアカウンティングスクールで、修士論文を課さず、会計とIT・経営情報分野を中心に48単位以上を修得します。「経済学院」だけで志望理由を書くと教育課程の選択が曖昧になるため、専攻とコースまで明示してください。

区分育成像主な修了成果研究計画で示すこと
現代経済経営専攻・博士コース研究者修士論文独自性、発展性、5年間の展望
現代経済経営専攻・専修コース(経済政策)経済分野の高度専門職業人研究成果報告書政策・社会課題と分析方法の接続
現代経済経営専攻・専修コース(経営管理MBA)経営分野の高度専門職業人研究成果報告書組織・市場の課題と検証可能な問い
会計情報専攻会計専門職所定単位の修得別の入試制度を公式情報で確認

博士コースに合う計画

博士コースは、経済・経営分野の深い学識、幅広い視野、創造的能力を備えた研究者の育成を目指します。修士論文には研究論文としての学問的独自性と発展性が期待され、博士後期課程進学時の審査対象にもなります。そのため、研究計画では社会的重要性だけでなく、既存研究のどの説明を精緻化・修正・拡張するのかを示す必要があります。

5年間の計画は、修士段階で基礎となる理論整理やデータ構築、初期分析を行い、博士段階で対象範囲の拡張や頑健性の検討、論文としての発展を進める構造が考えられます。ただし、具体的な工程は分野によって異なります。経済史で史料を読む計画と、計量経済学でパネルデータを分析する計画を同じ工程表に当てはめないでください。

専修コースの2つの方向

経済政策コースでは、経済現象や政策課題を、経済理論、統計、歴史、思想などの視角から検討する接続が考えられます。例えば地域政策を扱うなら、「地方創生に貢献する」という結論を先に置くのではなく、人口移動、雇用、産業構造などの対象を定め、利用できる統計や資料を確認します。政策提言より先に現状を検証できる研究質問を置くことが研究としての骨格になります。

経営管理(MBA)コースは、欧米の典型的なビジネススクールのようにケース・ディスカッション中心ではなく、演習や論文指導など研究に一定の重点を置くと募集要項に明記されています。企業経験を語るだけでは足りません。組織、戦略、マーケティング、ビジネスモデルなどの概念を使い、観察した課題を分析可能な問いに変えます。実務経験は結論の根拠ではなく問いを発見した経緯として使うと整理しやすくなります。

コース選択に迷うときは、卒業後の肩書だけで決めず、最終成果物から逆算します。先行研究に対する学術的貢献を中心に据え、博士後期課程まで発展させたいなら博士コースとの整合を検討します。専門知識を使って具体的な政策・経営問題を分析し、2年間で研究成果報告書へまとめたいなら専修コースとの整合を確認します。

判断をさらに具体化するには、同じ仮題で二つの工程表を書いてみます。博士コース版では、修士段階で得る中間成果と博士段階で拡張する問いを分けます。専修コース版では、2年間で実務的な問題を分析し研究成果報告書へまとめるため、対象と資料を絞ります。二つを比較すると、自分が求める成果が学術研究の継続なのか、専門知識の応用なのかが見えやすくなります。

社会人志望者は、仕事を続けながら確保できる調査時間もコース判断に含めてください。勤務先のデータを使えると想定していても、守秘義務や退職・異動によって利用できなくなる可能性があります。公開資料で代替できる設計や、特定企業だけに依存しない比較枠組みを用意すると、生活条件が変わっても研究の核を維持しやすい計画になります。

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カリキュラムと修了成果から研究の型を逆算する

修士論文から逆算する博士コース

博士コースの修士論文には、学問的な独自性と発展性が期待され、成果は公開の修士論文発表会で報告されます。この要件から逆算すると、計画書には少なくとも、先行研究で分かっていること、残された問い、自分が用いる資料・データと方法、得られる知見の位置づけが必要です。「調べる」から「何を根拠にどの主張を検証するか」へ具体化するのが第一歩です。

独自性は、誰も扱ったことのない巨大テーマを選ぶことではありません。対象時期や地域を変える、新しいデータを用いる、既存理論を別の現象へ適用する、対立する説明を比較するなど、先行研究との関係で定義します。計画段階では結果を断定できないため、「明らかにする」「検証する」「比較する」といった研究行為を中心に書きます。

発展性は、修士論文の後に何が残るかで示します。5年間の前半で基礎分析を行い、後半で対象や方法を拡張する筋道があると、博士後期課程までの見通しが伝わります。ただし、5年分の成果を細かく約束しすぎる必要はありません。研究の核は固定しつつ検証結果に応じて次段階を調整できる設計にします。

研究成果報告書から逆算する専修コース

専修コースの研究成果報告書は、専門的知識の理解や応用、文献資料分析、フィールド調査など、コースで磨いた知的スキルを文章で表すものです。ここから逆算すると、計画書では実務課題を紹介するだけでなく、どの専門知識を用い、どの資料をどう分析するかを示す必要があります。実践的問題解決と研究上の検証可能性を両立させることが要点です。

例えば企業の新規事業を扱う場合、「成功要因を調べる」だけでは、成功の定義も比較対象も不明です。特定業界の企業群を対象に、組織間協働の仕組みと新規事業の継続との関係を、公開資料とインタビューから検討する、といった形まで絞ります。政策研究なら、政策の賛否よりも、対象者への効果、地域差、制度変更前後の変化など観察できる現象へ変換します。

授業科目と研究方法の対応を確かめる

公式教員一覧には担当科目も掲載されています。時系列分析特論、計量経済学特論、現代経済思想特論、労働経済学特論、組織イノベーション論特論、オペレーションズ・リサーチ特論など、研究方法や対象に関係する科目があります。出願時点で開講年度や内容を固定的に断定せず、北海道大学の公式シラバス案内から最新情報を確認してください。

確認するときは科目名を志望理由へ並べるだけでなく、研究上の不足と結びます。例えば因果関係を数量的に検討したいのに統計手法が不足しているなら、どの基礎を入学前に補い、入学後の科目と演習でどの分析へ進むかを書きます。科目は魅力の一覧ではなく研究を実行するための学修資源として位置づけます。

反対に、履修したい科目が多いという理由だけでは研究計画の整合性は示せません。計画書の中心は研究上の問いです。カリキュラムは、その問いへ答えるために必要な理論、方法、指導をどこで得るかという補助線になります。科目、演習、成果物の三つが一続きになるように設計してください。

研究計画をカリキュラムへ結びつけるときは、入学前、1年目前半、1年目後半、2年目という順に学修課題を置くと整理できます。入学前には数学・統計・外国語や基礎理論を補い、1年目に専門科目と演習で問いと方法を精緻化し、後半から資料収集と分析を進め、2年目に成果物へまとめるという骨格です。分野によって順序は変わりますが、授業を受けてから研究を始めるのではなく両者を往復させる発想が必要です。

博士コースでは公開発表を見据え、分析結果だけでなく、先行研究との関係を第三者に説明できる構成を早い段階から作ります。専修コースでも、研究成果報告書は専門知識の応用や資料分析を文章で示す成果物です。どちらも「学んだことのまとめ」ではないため、研究質問に対する証拠と論証が中心になります。

入学前に全ての手法を習得している必要はありませんが、何が不足しているかを把握していることは重要です。統計手法を使う計画なら、前提となる数学やデータ処理の準備状況を確認します。史料研究なら、対象言語と史料所在を調べます。不足を曖昧にせず学修順序へ変換することで、カリキュラムとの整合性が具体化します。

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教員の研究分野マップから指導可能性を確かめる

現代経済経営専攻の4講座を地図にする

現代経済経営専攻の公式教員一覧は、経済分析、社会経済・歴史分析、経済政策、経営分析の講座別に教員を掲載しています。研究計画書を作る際は、自分のテーマを「経済学」や「経営学」という大分類だけで合わせず、講座、教員の公式専門分野、担当科目の順に照合します。テーマの名詞一致より問いと方法の一致を優先することが重要です。

講座教員の代表例公式掲載の専門分野と現在の研究接続確認の視点
経済分析柿沢佳秀教授数理統計学,特に,ノンパラメトリックな関数推定。統計的方法が研究質問に必要か
社会経済・歴史分析橋本努教授経済思想,政治哲学,社会理論。規範・思想・理論史の問いか
社会経済・歴史分析松村史穂教授中国経済史。毛沢東時代の食糧政策。時期・地域・史料が具体的か
経済政策安部由起子教授労働経済学, 社会保障論。労働・社会保障の現象を検証するか
経営分析阿部智和教授経営組織論・経営戦略論 共有・共創空間での知識創出メカニズムの解明,ビジネスモデル変革プロセスの探求組織現象と分析単位が一致するか
経営分析石井利昌教授オペレーションズ・リサーチ。特に,組合せ最適化問題に対する効率的な解法の研究。数理モデルと最適化問題を定義できるか
経営分析岡田美弥子教授コンテンツ産業のビジネスシステム産業とビジネスシステムを特定したか

表の専門分野は、北海道大学大学院経済学研究院の公式教員一覧に掲載された文言に合わせています。ここに挙げたのは代表例で、全教員の列挙ではありません。教員の所属や研究分野は年度により変わるため出願前に最新一覧で確認してください。

教員名を志望理由の飾りにしない

教員名を書けば適合性が示せるわけではありません。「相澤俊明准教授が医療健康経済学,応用ミクロ経済学を専門としているから志望する」で止めると、読者自身の問いとの関係が見えません。医療利用、健康格差、制度変更など何を対象にし、どのデータでどの関係を確かめたいのかを示したうえで、公式分野との接続を説明します。

歴史研究でも同様です。松村史穂教授の公式掲載分野は「中国経済史。毛沢東時代の食糧政策。」です。中国に関心があるという地域一致だけでは広すぎます。対象時期、制度、利用する史料、比較軸を定め、自分の問いが経済史研究として成立するかを確認します。人物名ではなく研究対象・資料・方法の三点で接続を書くと説得力が増します。

複数候補を比較する手順

公式の事前内諾申請では、一度に申請できる指導希望教員は2名までです。候補を決める前に、教員一覧で専門分野と担当科目を読み、研究者総覧、主要論文、シラバスへ進みます。ただし計画書で教員の研究を要約するときは、読んでいない論文の内容を推測しないでください。候補ごとに一致点と不一致点を一枚の表で比較すると判断しやすくなります。

  1. 研究質問を一文にする
  2. 必要な理論・方法・資料を三列に分ける
  3. 公式教員一覧から一致する講座と教員を探す
  4. 研究者総覧と公開論文で実際の研究対象を確認する
  5. 自分の計画で不足する指導資源がないか点検する
  6. 第一・第二候補について接続理由を別々に説明する

経済学院は、出願内諾を目的として教員へ直接コンタクトを取ることを認めず、所定システムの利用を求めています。一般的な大学院の「まず教員へメールする」という助言をそのまま適用しないでください。公式の手順に従い、研究計画書と必要書類を整えて申請します。

候補教員の選定メモには、公式ページから確認した事実と、自分の推測を分けて記録してください。「公式掲載分野」「担当科目」「読んだ論文」「自分の問いとの接続」「確認が必要な点」という列を作ると、未確認の印象を事実のように書く事故を防げます。教員の人柄、指導の厳しさ、合格しやすさなど、公式に示されていない評価を計画の判断材料にしないことも大切です。

同じ講座内でも研究方法は一様ではありません。経済分析講座には数理統計学と応用ミクロ経済学などがあり、社会経済・歴史分析講座にも思想・哲学と歴史研究があります。経営分析講座も組織研究、産業研究、数理的な最適化を含みます。講座名だけで指導領域を推測せず個々の公式分野まで読むことが欠かせません。

計画書本文で教員名を出す場合は、教員の研究を自分の研究の権威づけに使わないでください。「この教員が扱うから重要だ」ではなく、自分が整理した先行研究と問いがあり、その遂行に必要な指導領域が公式分野と接続する、という順序で書きます。教員の異動があっても研究計画の学術的意義が崩れない構造が望まれます。

教員一覧を読む際は、研究分野と担当科目を別々に確認します。研究分野は指導可能性を考える中心資料で、担当科目は入学後に学べる理論や方法を検討する材料です。担当科目が自分のテーマと近いだけで指導可能と断定せず、研究分野、研究者総覧、公開業績まで進んでください。反対に研究分野が合っていても、予定する方法に必要な基礎科目が不足するなら、他の科目や入学前学習で補う計画を立てます。

研究計画書に教員名を何人も並べる必要はありません。事前内諾で選ぶ候補と研究上の接続を明確にし、学院全体の教員配置を理解したうえで選んだことが伝われば十分です。一覧を網羅した説明より候補一人との具体的な接続を深く書く方が、計画の焦点を保てます。

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自分の研究テーマが経済学院に合うか判定する

問い・対象・方法・成果物の4点で判定する

テーマ適合性は、扱いたい話題が教員の専門分野に含まれるかだけで判定しません。研究上の問い、観察する対象、用いる方法、修了時の成果物という4点をそろえます。例えば「北海道の地域活性化」は話題であって問いではありません。どの制度や産業を、どの期間・地域で比較し、何を説明したいのかへ分解します。テーマを検索語から研究可能な疑問文へ変換する作業が必要です。

判定項目確認質問不適合の兆候
問い答えが調査前から決まっていないか賛成・反対の主張だけになっている
対象地域・時期・組織・制度を特定したか日本経済全体など範囲が広すぎる
方法データ・史料・文献へアクセスできるか非公開情報だけを前提にしている
成果物修士論文か研究成果報告書に合うか事業計画や感想文で終わる
指導公式分野と問い・方法が接続するか教員名とのキーワード一致だけ

経済学系テーマの絞り方

経済学系では、政策や市場の効果を論じる前に、理論上の仕組みと観察可能な指標を考えます。労働政策なら雇用、賃金、労働時間、移動など、環境政策なら価格、行動、資源利用など、問いに対応する変数や資料を候補化します。統計分析を使うなら、データの単位、期間、入手可能性、識別の考え方を確認します。データがあることと研究質問へ答えられることは別問題です。

思想・歴史分野では、数量データが中心でなくても方法の明示が必要です。誰の議論、どの時代、どの史料群を扱い、どの概念や制度の変化を読み解くのかを示します。資料の所在や言語、閲覧条件も実行可能性に関わります。「歴史を振り返る」のではなく、先行研究が提示した解釈と自分の資料分析がどう関係するかを書きます。

経営学系テーマの絞り方

経営学系では、成功企業を紹介して一般則を導く計画になりやすいため注意します。分析単位が個人、チーム、組織、組織間関係、産業のどれかを定め、ケース選択の理由を示します。インタビューを予定するなら、対象者へアクセスできるか、何件程度を想定するか、公開資料で補完できるか、倫理面をどう扱うかを検討します。

MBAコースを志望していても、計画書を自社の課題解決提案書にしないことが大切です。自社だけで観察した現象を、経営組織論、経営戦略論、マーケティングなどの先行研究へ位置づけ、他の事例にも検討可能な問いへ変換します。経験を理論で捉え直し反証可能な問いへ整えることで、研究として評価しやすくなります。

15分でできる適合性チェック

仮題の下に、研究質問、対象、資料、方法、期待する成果、候補教員、コースを各一行で書いてください。一行で書けない項目は準備不足の可能性があります。次に、候補教員の公式掲載分野の文言と、自分の各項目を線で結びます。接続が話題だけなら再検討し、方法や資料まで接続すれば候補として深掘りします。

最後に「北海道大学でなければならない理由」を、知名度や立地を使わず説明します。講座の研究領域、候補教員の専門分野、研究に必要な科目、修了成果の型から書ければ、志望理由と計画が一体になります。学院への適合性は研究内容と教育資源の対応関係で示すものです。

適合性判定では、肯定材料だけでなく反対材料も探します。候補教員の専門分野とは対象が近いが方法が異なる、必要な資料が入手できない、2年間では調査範囲が広すぎる、といった弱点を列挙します。それぞれに、対象を絞る、方法を変更する、公開資料へ切り替えるなどの修正案を付けます。不一致を早期に見つけるほど出願前に計画を強くできるからです。

テーマの社会的意義と研究上の意義も分けて書きます。社会的意義は、その現象を理解することが政策、企業、地域、生活者にどう関係するかです。研究上の意義は、既存研究の説明にどの知見を加えるかです。両者が同じ文章になっている場合、先行研究レビューが不足している可能性があります。

研究質問には、現時点で答えを予想する仮説を置く場合があります。ただし、自分の価値判断を証明するために資料を集める計画にしないでください。仮説と異なる結果が出たときにも学術的な意味が残る問いであるかを確認します。経済政策や経営課題では、望ましい結論と実証的に確かめる結論を混同しないことが重要です。

複数の問いが並んでいる場合は、主質問と副質問へ階層化します。主質問は修了成果全体で答える一つの問い、副質問は理論整理、データ記述、比較分析など主質問へ答える段階です。三つ以上の独立した大きな問いがあるなら、一つの研究計画に収まりにくい可能性があります。中心的な因果関係や解釈課題を残し、他は将来課題へ移します。

データの試行確認も判定に有効です。公開統計なら数行をダウンロードし、必要な地域、年、変数が含まれるかを見ます。史料なら目録とサンプルを読み、問いに必要な情報が記録されているかを確かめます。インタビューなら質問項目を数問作り、誰に尋ねれば答えられるかを検討します。小さな試行で計画上の思い込みを出願前に発見することができます。

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所定様式に合わせて研究計画書を組み立てる

研究テーマは対象と問いが見える仮題にする

研究テーマ欄では、短さより識別可能性を優先します。「地域経済について」「企業の成長戦略」のような題では範囲が分かりません。「制度変更が誰のどの行動に与える影響か」「特定産業の組織間協働がどの過程を通じて成果へつながるか」のように、対象と関係を示します。仮題を読んだだけで研究対象と中心的な問いが推測できる状態を目指します。

タイトルに方法を入れるかは分野次第です。差の差法、史料分析、比較事例研究など、方法が研究の輪郭を大きく決める場合は有効です。一方、まだ方法の妥当性を検討中なのに高度な手法名を飾りとして入れると、口述で説明できなくなります。仮題、研究質問、方法の三つが同じ範囲を指しているか確認してください。

問題設定と先行研究を一続きに書く

問題設定では社会的背景を長く説明せず、研究上の未解明点へ早く進みます。背景、先行研究の到達点、残された問題、自分の問いという順序が基本です。ニュースや政府資料は現象の存在を示す材料にはなりますが、学術的な未解明点を示すには査読論文や専門書の検討が必要です。

先行研究は「AはXを示した。BはYを示した」と要約して終わらせず、対象、データ、方法、結論を比較します。そのうえで、対象地域が限られる、近年の制度変更が検討されていない、異なる理論が競合しているなど、研究質問につながる隙間を特定します。先行研究の不足を批判するより自分が埋める範囲を正確に限定する方が堅実です。

文献探索の具体的な進め方は、大学院入試の研究計画書で使う先行研究の探し方も参考にしてください。検索語を日本語だけに限定せず、主要概念の英語表現、代表論文の引用文献、被引用文献へ広げます。読んだ文献は、問い、方法、データ、結果、限界を表にして比較します。

方法はデータ入手から分析まで書く

研究方法では「アンケートを行う」「統計分析する」「インタビューする」だけでは不十分です。対象者や標本、データの出所、観察期間、主要な概念、分析手順、比較の仕方を示します。公開統計を使うなら、実際に変数と期間を確認します。フィールド調査なら、アクセス方法と代替資料も考えます。入手できないデータを前提にした精密な分析計画は実行可能とはいえないためです。

因果効果を論じる計画では、相関を示すだけの設計になっていないか確認します。歴史資料を使う場合は、史料の作成主体や偏りをどう扱うかを書きます。事例研究では、なぜその事例を選ぶのか、何と比較するのかを示します。方法の弱点を隠さず、修士段階で可能な範囲と補完策を書くと、計画の現実性が伝わります。

研究計画と事前準備を対応させる

所定様式は、研究計画だけでなく、これまでどのような事前準備をしたかを具体的に求めています。読んだ書籍・論文や調査内容を記す指示があるため、「関連文献を読んだ」とまとめないでください。文献名を挙げ、それによって問いや方法がどう変わったかを説明します。準備の量より計画の各部分を支える具体的な学習履歴を示します。

計画の要素対応する事前準備記述例の方向
理論枠組み基本書・主要論文の精読概念の定義と研究質問への利用
データ分析統計科目・ソフトの練習扱える手法と今後補う基礎
史料分析史料所在・言語の確認閲覧可能性と史料批判の準備
聞き取り対象候補・倫理面の検討アクセスと匿名化の見通し
実務課題業務資料・制度資料の整理経験を研究上の問いへ変えた過程

一般的な研究計画書の項目配分や文章例を確認したい場合は、研究計画書の書き方と例文を参照できます。ただし、汎用テンプレートをそのまま貼り付けず、北海道大学経済学院の所定欄、コース別の年数、事前準備の指示に合わせて再構成してください。

初稿ができたら、各段落の冒頭だけを読んで論理が追えるか確認します。背景から先行研究、問い、方法、期待される成果へ進んでいれば、段落の役割が明確です。同じ背景説明が複数箇所にある場合は統合し、空いた部分をデータの入手可能性や分析手順の説明へ使います。抽象的な意欲表明を削り研究行為を表す文へ置き換えると密度が上がります。

次に、名詞の定義を点検します。「効果」「活性化」「成功」「持続可能性」のような語は、人によって意味が異なります。何を観察できれば効果や成功とみなすのかを示してください。定義できない場合は、より具体的な指標や現象へ置き換えます。定義は先行研究に基づき、都合よく作らないことも必要です。

引用や参考文献の扱いも準備段階から統一します。所定欄が限られていても、誰の知見に依拠したのか判別できる形にし、出典不明の数値を入れません。本文へ入りきらない知識を詰め込むより、中心的な論文を正確に理解していることを示します。引用数ではなく先行研究から問いを導く論理が研究計画の価値を決めます。

最後に音読し、一文が長すぎないか、主語と述語が対応しているかを確認します。専門語には必要な定義を添え、同じ概念に複数の表記を使わないよう統一します。口述試験では書いた文を自分で説明するため、音読で理解が止まる箇所は、面接でも質問されやすい弱点だと考えて修正してください。

研究計画の時間軸は、単に「1年目に文献、2年目に執筆」と書くのではなく、各段階の判断材料を示します。先行研究レビューから仮説を修正する、予備分析から標本や変数を確定する、中間報告の指摘から追加分析を選ぶ、といった節目です。研究は予定表どおり機械的に進むものではないため、どの成果を得たら次の段階へ移るかを考えると現実的になります。

博士コースの5年間では、修士論文と博士研究の間に何が継承されるのかを明示します。理論枠組み、構築したデータ、開発した分析方法、発見した新しい問いなどが候補です。単に同じ調査を長く続けるのではなく、修士論文の限界から博士段階の課題が生まれる構造にします。専修コースの2年間では、成果を実務へどう還元するかを書いてもよいですが、研究上の分析結果が出る前に提言内容を決めないでください。

事前準備欄へ記す科目や文献は、研究計画本文と表記を合わせます。本文で「応用ミクロ経済学」と書き、準備欄で一般的な経済学学習だけを示すなら、どの程度まで学んだかが分かりません。授業で扱った理論、使用した教科書、行った分析課題など、公開して差し支えない範囲で具体化します。

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評価されにくい研究計画書の共通点と直し方

研究科の射程外またはコース不一致

最初の失敗は、社会問題として重要でも、経済・経営研究としての問いになっていないことです。法制度の解釈そのもの、技術開発そのもの、臨床的介入そのものが中心なら、経済学院の教員分野や方法との接続を慎重に確認します。分野横断を掲げるだけでは適合性になりません。経済・経営の理論や方法で何を説明するのかを一文で示す必要があります。

博士コースなのに2年で完結する実務報告になっている、専修コースなのに博士論文規模の理論構築を約束している、といったコース不一致もあります。修了成果と期間へ戻り、問いの大きさを調整します。博士コースでは修士段階の成果と博士段階の発展を分け、専修コースでは2年間で資料収集から報告書まで完了できる単位へ絞ります。

指導可能な教員との接続が弱い

教員の専門分野に含まれる単語をタイトルへ入れただけでは、指導可能性を示せません。環境、地域、組織など同じ語でも、理論研究、実証研究、歴史研究、事例研究では必要な指導が異なります。公式教員一覧の専門分野と担当科目を読み、研究者総覧や論文で対象・方法を確認します。

直し方は、自分の計画を問い、対象、方法、資料に分解し、候補教員の研究との一致点を同じ四項目で書くことです。一致が一項目しかない場合は候補を広げます。指導希望教員ありきでテーマを不自然に寄せるのではなく接続の強弱を検証する姿勢が必要です。

方法が実行不能または問いに答えない

全国の全企業へアンケートする、非公開の個票データを当然に使う、短期間に多数国で聞き取りを行うなど、資源を考慮しない計画は実現性を欠きます。利用予定データは実際に公開ページや利用条件を確認し、取得できない場合の代替案を用意します。修士課程で使える時間、語学、統計知識、費用も見積もります。

方法が実行できても、問いへ答えられない場合があります。成功企業だけを調べて成功要因を論じる、制度導入後だけを見て効果を断定する、といった設計です。比較対象、反証可能性、別の説明を検討し、結論の強さを方法に合わせます。方法名の高度さより問いと証拠の対応が明確かを優先することが大切です。

先行研究が羅列または欠落している

先行研究がない計画は、問いの独自性も方法の妥当性も判断しにくくなります。一方、文献を大量に並べても相互関係がなければ不足は同じです。テーマ別、方法別、結論別に整理し、どこで見解が一致・対立するかを示します。その整理から自分の問いを導きます。

事前準備欄でも、文献タイトルのリストだけでは学習の成果が見えません。各文献から得た理論、方法上の示唆、残された課題を一文ずつ整理し、研究計画の箇所と結びます。計画本文と事前準備欄が相互に根拠を与える構造を作ってください。

もう一つの失敗は、計画の規模を文字数に合わせて縮めるのではなく、説明だけを省略することです。問いは大きいまま、データや方法の説明が消えると、実行可能性がさらに分かりにくくなります。まず対象地域、期間、産業、制度を狭め、その小さくした問いについて必要な説明を残します。文章を短くする前に研究対象そのものを適切な大きさへ縮めるのが順序です。

志望理由と研究計画が別々の文章になっている場合も修正します。北海道で学びたい、著名な大学で学びたいという理由は、研究遂行との関係が弱いからです。自分の問いに必要な講座、教員分野、担当科目、成果物の型を示し、それらが研究工程のどこで必要かを説明します。

添削を受けるときは、「読みやすいか」だけでなく、事実と推測が分かれているか、先行研究から問いが導かれているか、方法で問いに答えられるかを確認してもらいます。表現修正だけで完成とせず、指摘によって研究設計そのものを戻す余地を残してください。良い推敲は文章を飾る作業ではなく論理の弱点を発見する作業です。

評価されにくい表現には、根拠のない規模の主張もあります。「社会に大きな影響を与える」「前例のない研究である」と書くなら、それを支える資料や先行研究が必要です。根拠がない場合は、研究対象に即した限定的な意義へ書き換えます。過度に強い表現を避けても、問いと方法が明確なら研究の価値は伝わります。

方法を複数並べすぎる計画にも注意してください。統計分析、インタビュー、参与観察、国際比較を全て行うと書けば充実して見えますが、それぞれの準備と分析に時間がかかります。主質問へ答える中心的方法を一つ定め、他は補完資料として役割を限定します。方法の数より各方法が生む証拠の役割を明確にする方が実現可能性を説明できます。

引用した先行研究と自分の主張の境界も明瞭にします。既存研究が示した結果を自分の予備分析のように書かない、自分の予想を確立した事実のように書かないことが基本です。「先行研究は」「本研究では」「予備的な確認では」と主語を分けると、知識の出所を追いやすくなります。

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出願までの逆算スケジュールと口述対策

事前内諾申請を締切にして逆算する

経済学院では一般入試・社会人入試への出願前に指導希望教員の事前内諾が必要です。令和9年度第1次募集では内諾申請期間が公式に設定され、期間外の申請は審査対象外と案内されました。年度ごとに日程が変わるため、最新ページを確認し、正式出願日ではなく内諾申請日を計画書完成の締切にすることが重要です。

時期の目安作業完成基準
内諾申請の6か月前コース選択、テーマ候補、基礎文献問いを3案に絞る
5か月前先行研究レビュー主要論文の比較表がある
4か月前教員・講座・科目の確認候補ごとの接続理由を説明できる
3か月前データ・史料の試行調査入手可能性と代替案がある
2か月前所定様式の初稿全欄が埋まり論理がつながる
1か月前推敲、第三者確認、口述練習各判断の理由を口頭説明できる
申請前PDF化と公式手順の再確認様式崩れ・不足書類がない

テーマ候補を早く一つに固定しすぎると、先行研究や教員分野との不一致が見つかったときに戻れません。初期は複数案を比較し、文献とデータを試し読みしてから絞ります。一方、申請直前まで広く迷うと事前準備が浅くなるため、3か月前には主要な問いと方法を固定するのが一つの目安です。

所定システムを使い直接連絡しない

北海道大学経済学院は、内諾を得るために所定システムを使うよう明示し、出願内諾目的で教員へ直接コンタクトすることを認めていません。一度に申請できる指導希望教員は2名までです。大学院受験で一般に語られる研究室訪問の作法より、当該年度の経済学院公式ルールを優先する必要があります。

申請前には、所定様式をPDFへ変換したときに文字切れや改ページがないか確認します。研究計画書以外の必要書類も公式表に従って準備します。事前内諾用の提出物は正式な出願書類とはみなされないため、内諾後も期限内の出願手続が別に必要です。

口述試験は弱点説明まで練習する

口述対策では、研究計画書の各段落から質問を作ります。テーマの妥当性、学習意欲、目的意識に加え、先行研究、方法、実行可能性、志望教員との接続を説明します。博士コースでは、5年間の展望と教育研究者として研究を継続する意思も、自分の言葉で整理してください。

  • 研究質問を30秒と2分の二通りで説明する
  • 主要先行研究を三つ選び、相違点を説明する
  • データ・史料の入手経路と代替案を説明する
  • 方法の限界と結論として言える範囲を説明する
  • 候補教員の公式分野との接続を説明する
  • 博士コースまたは専修コースを選ぶ理由を説明する

想定外の質問に対して、分からない内容を取り繕う必要はありません。現時点の理解、確認が必要な点、入学前後に補う方法を分けて答えます。弱点を把握し改善手順まで示せることも研究遂行能力の一部です。原稿を暗記するより、判断の根拠をたどれるように練習しましょう。

練習は録音し、質問に対して結論から答えているかを確認します。一つの質問へ背景から長く話すと、中心的な根拠が伝わりません。「結論」「理由」「計画書の具体箇所」「限界」の順で答えると整理しやすくなります。専門外の聞き手にも通じる短い説明と、専門的な追加質問に答える詳しい説明の二段階を用意してください。

提出版と面接練習版を混在させないため、最終PDFへ版番号と保存日を自分の管理用に記録します。正式提出後に新しい文献を読んだ場合は、計画書の記載を変えたかのように話さず、提出後に学んだ内容として区別します。提出した計画を正確に再現できる版管理も、長期の準備では欠かせません。

出願準備は研究計画書だけで終わらないため、語学や学科試験の学習と時間を分けます。週単位で文献講読、方法の練習、計画書執筆、試験対策の枠を確保し、毎週一つは目に見える成果物を残します。文献比較表、データの試し集計、仮説図、口述回答集などを積み上げると、事前準備欄へ書ける具体的な行動にもなります。

月に一度は計画全体を白紙から一枚で再現します。資料を見ずに、背景、問い、先行研究との差、方法、期待する成果、北海道大学で学ぶ理由を短く書きます。再現できない部分は理解が浅いか、文章を借りている可能性があります。自分の言葉で構造を再現できる状態が、口述試験への最も実践的な準備になります。

公式ページの更新確認日も記録してください。教員一覧、所定様式、募集要項、内諾申請期間をブックマークし、申請前に再確認します。古い様式で早めに下書きを作った場合も、最新ファイルへ転記して項目の追加や削除がないか比べます。記事や第三者の解説より大学公式の最新表示を優先します。

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よくある質問(FAQ)

北海道大学大学院経済学院の研究計画書に字数指定はありますか

取得した所定様式には字数指定の明記はありません。指定様式の欄に沿って、読みやすさを保ちながら研究計画と事前準備を記します。字数を独自に決めるより最新様式のページ構成を守ることを優先し、不明点は公式窓口へ確認してください。

博士コースと専修コースで内容を変える必要がありますか

変える必要があります。博士コースは修士・博士を通じた5年間、専修コースは2年間の研究計画を書くよう所定様式が指示しています。博士コースは修士論文の独自性と博士段階への発展、専修コースは専門知識を応用した研究成果報告書までの実行可能性を中心に設計します。

経済学部以外の出身でも研究計画書を出せますか

出身学部名だけで研究計画の可否は決まりません。ただし、所定様式にはテーマに密接に関連して学修した科目を2科目まで書く欄があり、入学者には専門に関連する分野と英語の学習が期待されています。不足する理論・数学・統計等を特定し補習計画と準備実績を示すことが重要です。出願資格そのものは最新募集要項で確認してください。

指導希望教員へ直接メールしてもよいですか

出願内諾目的で教員へ直接コンタクトすることは認められていません。公式ページが指定するプレアドミッション・サポートシステムを利用します。一般的な研究室訪問の助言ではなく、経済学院の当該年度の案内に従ってください。

指導希望教員は何人まで申請できますか

公式案内では、一度に申請できる指導希望教員は2名までです。期限内なら再申請できますが、同一審査期間内に内諾不可となった教員への再申請はできません。候補者数を増やすより各候補との研究上の接続を深く確認することが先決です。

研究テーマは入学後に変更できますか

募集要項は、研究テーマが学力・研究能力を評価する重要なデータであるため、入学直後の変更は原則として許可されないとしています。結果に応じた細部の調整は研究に伴いますが、面接用の仮テーマを選ぶのではなく、継続して取り組める核を熟慮してください。

事前内諾で提出した計画書は正式出願時に書き換えられますか

募集要項では、正式出願時に原則として事前内諾申請時と同じ研究計画書を提出するとされています。誤字の修正など判断に迷う変更がある場合は、自己判断で大幅に差し替えず、公式案内を確認してください。内諾申請版をほぼ完成稿として準備するのが安全です。

口述試験では研究計画書から何を聞かれますか

公式募集要項では、提出した研究計画書に基づき、研究テーマの妥当性、学習意欲、目的意識などを問うとしています。博士コースでは教育研究者としての適性も確認されます。先行研究、方法、データ入手、5年または2年の工程、志望教員との接続を説明できるようにしてください。

まとめ|経済学院の研究計画書はコース・成果物・教員から逆算する

北海道大学大学院経済学院の研究計画書は、一般的な研究背景を整えるだけでは完成しません。所定様式、コース別の時間軸、修了成果、教員の公式専門分野、事前内諾、口述試験が一つにつながっています。問いから指導体制と成果物まで矛盾のない一本の設計にすることが中心課題です。

  • 研究計画書は所定様式を使い、事前内諾申請時にPDFで提出する
  • 正式出願では原則として内諾申請時と同じ計画書を提出する
  • 博士コースは5年間、専修コースは2年間の計画を示す
  • 博士コースは修士論文、専修コースは研究成果報告書から逆算する
  • 教員名は公式HTML一覧で確認し、問い・対象・方法との接続を書く
  • 出願内諾目的で教員へ直接連絡せず、所定システムを使う
  • 口述試験に備え、計画の各判断を自分の言葉で説明する

まず仮題と研究質問を一文で作り、先行研究、データ・史料、方法、候補教員、コースを一枚の表で照合してください。次に所定様式へ移し、研究計画と事前準備が対応しているかを点検します。文字数を埋めるより、各主張に根拠があり修士課程で実行できる範囲へ絞れているかを確認しましょう。

最新の募集情報や試験全体の準備は北海道大学大学院経済学院の外部院試解説で確認できます。研究計画書の添削や口述試験まで含めて準備したい方は、北海道大学大学院経済学院の研究計画書対策にも対応する大学院入試コースもご覧ください。独学での対策に不安がある場合は、専門の指導を活用するのも一つの方法です。

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この記事を書いた人

千葉大学 法政経学部を首席で卒業後、都内国公立大学の法科大学院(ロースクール)を修了し、司法試験に合格。法律・政治・経済分野の専門知識をもとに、スプリング・オンライン家庭教師の大学編入・大学院入試分野の指導および記事監修を担当。

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