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北海道大学大学院工学院の研究計画書の書き方|専攻・カリキュラム・教員の研究分野から逆算する

北海道大学大学院工学院の研究計画書を準備するとき、最初に確認すべき結論は、修士課程の全志願者が同じ研究計画書を出すわけではないという点です。2027年度第1次募集では、一般入試の研究計画書は材料科学専攻で専門科目の筆答試験に代わる口述試験を希望する人が提出する任意書類です。様式は任意、A4判1ページ、1000字程度、図表を入れることもできます。他専攻の志願者が、存在しない共通様式を探したり、提出不要の書類を願書に同封したりしないよう、まず志望専攻と試験区分を確定してください。
北海道大学大学院工学院の研究計画書とは、工学院の全専攻に共通する提出物ではなく、特定の選考区分で、研究課題と実行方法を短く説明する文書です。ただし、書類として提出しない人にも研究計画の整理は役立ちます。口頭試問では、志望研究室と自分の学修歴をどう接続し、入学後に何を明らかにしたいかを一貫して説明する必要があるからです。提出用の計画書と口頭説明用の設計メモを区別すると、要項に忠実な準備ができます。
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本記事では、出願資格・試験科目・日程・倍率を詳しく繰り返しません。それらは北海道大学大学院工学院の外部院試を解説した既存記事で確認できます。ここでは13専攻の構造、カリキュラムとの整合、公式HTMLに掲載された教員と研究分野を読み解き、テーマの適合性を判断する方法に絞ります。専攻名、研究室、問い、方法、修士段階の到達点を一本につなぐことが、工学系の研究計画を設計する中心課題です。
なお、募集要項・出願書類の様式・教員の配置は年度により変わるため、出願前に必ず最新の公式情報で確認してください。本記事は2027年度修士課程第1次募集の要項と、取得時点の公式教員ページをもとに整理しています。教員の所属や研究分野は年度により変わるため、出願前に必ず最新の教員一覧で確認してください。
北海道大学大学院工学院で研究計画書が必要になるケース
一般入試では材料科学専攻の口述試験希望者が提出する
2027年度修士課程第1次募集の公式募集要項では、材料科学専攻の研究計画書は「任意提出」とされています。対象は、材料科学の専門科目について筆答試験に代わる口述試験を希望する人です。A4判1ページ、1000字程度、様式任意、図表可という仕様が明記されています。通常の筆答試験を受ける人や、別の専攻を受ける人に一律提出を求める仕組みではありません。
この条件は、単なる書類上の違いではありません。材料科学専攻の口述試験では、材料科学および工学に関する基礎学力と研究計画が問われます。したがって、計画書には斬新な発想だけでなく、現象を説明する基礎知識、測定・解析の考え方、扱う材料系の理解が必要です。計画書の各主張を口頭で根拠まで説明できる状態にしておくことが、提出後の準備になります。
募集要項は、合格した場合でも記載した研究計画の実施を保証するものではないと注記しています。これは、入学後の設備、研究室の課題、予備実験の結果などを踏まえて計画が調整されうるという意味で読めます。題目を固定契約のように書くのではなく、現時点での問い、根拠、実行可能な方法を示してください。確定した未来ではなく、検証可能な仮説として書くのが適切です。
他専攻では研究室希望調査票や志望理由書を混同しない
工学院では専攻・試験区分により、志望理由書や研究室希望調査票の扱いが異なります。材料科学専攻は専攻内の全研究室に対して希望順位を記載し、機械・宇宙航空工学系研究室群と応用量子科学系研究室群も試験区分内の全研究室に希望順位を付けます。研究計画書の代わりに志望理由書を出せばよいわけではありません。書類名、対象者、所定様式の有無をチェック表と要項の両方で照合してください。
| 対象 | 研究計画書の扱い | 設計上の注意 |
|---|---|---|
| 材料科学専攻・口述試験希望者 | 任意提出、A4判1ページ、1000字程度、図表可 | 材料科学・工学の基礎学力まで説明できる計画にする |
| 材料科学専攻・筆答試験受験者 | 当該研究計画書の対象外 | 志望理由書、研究室希望調査票を要項どおり準備する |
| その他の一般入試志願者 | 全専攻共通の研究計画書はない | 各専攻の書類と口頭試問に合わせて研究構想を整理する |
| e3参加申請者 | 英文研究計画書が必要 | 一般入試と別の選考・様式として確認する |
e3の英文研究計画書は別制度である
工学院のe3プログラムは、英語による講義、研究指導、論文執筆、論文審査によって学位取得を目指す制度です。日本人学生向け参加申請では英文研究計画書が必要で、様式は自由ですが指定のResearch proposalも利用できます。書類審査と英語面接があるため、一般入試の1000字計画書とe3の英文計画書を混同しないでください。応募時点、対象者、言語、選考方法が異なります。
13専攻の構造から志望先を絞る
研究対象だけでなく現象と方法で専攻を選ぶ
工学院には13専攻があります。テーマ適合を判断するときは、「環境」「エネルギー」「材料」といった広い名詞だけで選ばないことが大切です。同じ環境問題でも、水処理の微生物反応、河川の流出解析、建築の熱環境、鉱物を介した資源循環では、問いと方法が大きく異なります。対象、現象、方法の三点で志望専攻を照合すると、専攻名の印象に引っ張られにくくなります。
| 専攻 | 公式ページから読める主な射程 | 計画書で示す接続 |
|---|---|---|
| 応用物理学 | 物性、量子輸送、超伝導、光・音響など | 物理現象と理論・計測方法 |
| 材料科学 | 材料表面、組織、強度、プロセス、資源循環など | 材料系、評価指標、作製・解析 |
| 機械宇宙工学 | 宇宙、熱流体、材料、推進、数値解析など | 機械システムと支配現象 |
| 人間機械システムデザイン | ロボティクス、計測、制御、バイオメカニクスなど | 利用場面と設計・検証方法 |
| エネルギー環境システム | 原子力、熱エネルギー、燃料電池、流れ制御など | 変換過程、安全性、性能評価 |
| 量子理工学 | 量子ビーム、医工学、中性子、プラズマなど | ビーム・放射線と計測対象 |
| 環境フィールド工学 | 河川、海岸、地盤、水文、防災など | フィールド条件と観測・解析 |
| 北方圏環境政策工学 | 構造、交通、維持管理、防災、政策評価など | 社会基盤と意思決定指標 |
| 建築都市空間デザイン | 建築構造、防災、計画、設計、都市空間など | 空間課題と設計・評価 |
| 空間性能システム | 建築環境、設備、材料、構造性能など | 性能指標と実測・シミュレーション |
| 環境創生工学 | 水処理、環境微生物、廃棄物、環境リスクなど | 物質・生物プロセスと処理性能 |
| 環境循環システム | 地質、鉱物、資源再生、製錬、資源管理など | 資源フローと分離・評価技術 |
| 共同資源工学 | 資源開発、スマートマイニング、生物工学など | 資源開発課題と国際的・技術的解決 |
近接する専攻は評価指標で見分ける
近接分野を見分けるには、研究で最終的に何を測るかを考えます。たとえば二酸化炭素削減を扱う場合でも、材料の反応効率を測る計画、建物の年間エネルギー消費を評価する計画、資源回収プロセス全体を評価する計画では接続先が違います。成果指標を一つの式や単位で言えるかを試してください。評価指標が定まると、必要な設備、データ、指導分野も絞れます。
専攻を選ぶ順番は、教員名を先に決めて題目を寄せるのではなく、自分の問題意識を問いに変え、必要な方法を特定し、その方法を扱う研究室を探す流れが基本です。ただし現実には指導可能性が不可欠なので、最後は公式教員ページで往復確認します。問題から研究室へ進み、研究室から問題へ戻って検証するという二方向の確認が有効です。
試験区分と所属専攻を別々に確認する
機械宇宙工学、人間機械システムデザイン、エネルギー環境システム、量子理工学の周辺では、研究室群による試験区分が関係します。研究テーマがエネルギーに見えても、研究室により機械・宇宙航空工学系か応用量子科学系かが変わりえます。専攻名だけで試験区分を推定しないで、最新募集要項の研究室一覧と希望調査票を照合してください。
カリキュラムと修了要件から研究の型を逆算する
科目名は不足知識を発見するために読む
工学院の公式教育ページでは、学位授与方針、教育課程の編成・実施方針、シラバス検索、実行教育課程表検索、カリキュラムマップ、学位論文に関する情報へ進めます。研究計画書の準備では、科目名を飾りとして引用するのではなく、研究を実行するために不足している知識を見つける材料として使います。入学後に何を学べば方法を実行できるかまで示せると、計画と教育課程がつながります。
たとえば数値解析を用いるなら、支配方程式、境界条件、検証用データの理解が必要です。材料作製なら、プロセス条件、組織評価、物性測定の関係を学ぶ必要があります。フィールド調査なら、観測設計、誤差、統計処理、安全面の検討が欠かせません。方法の動詞を分解して必要知識へ変換すると、シラバスを具体的に検索できます。
演習と研究指導を前提に到達点を絞る
修士研究は、授業だけで完結するものではなく、研究指導、演習、論文作成を通じて進みます。1000字の計画書に壮大な社会課題をすべて解決すると書くより、修士段階で検証できる一つの関係を設定してください。社会的背景は広くても、研究上の問いは狭くします。二年間で取得できるデータと比較できる条件に絞ることが、実行可能性の核です。
到達点は「装置を開発する」「モデルを作る」だけでは不十分です。装置なら、何を基準に性能を評価するのか。モデルなら、どのデータで再現性や予測精度を検証するのか。調査なら、何を比較して仮説を支持または棄却するのかを書きます。成果物ではなく検証結果を到達点に置くと、研究らしい計画になります。
e3を選ぶなら英語で研究を遂行する計画にする
e3修士では英語による講義等を30単位履修し、研究指導や論文執筆・審査も英語で行います。英文研究計画書は、日本語の構想を機械的に翻訳するだけでは足りません。専門用語を一貫させ、研究質問、方法、期待される結果を英語面接で説明できるようにします。書いた英文を口頭で再構成できるかを確認することが実践的です。
カリキュラムとの整合を確認する際は、最新年度の実行教育課程表とシラバスを用いてください。科目は年度によって変わり、履修できる時期や言語も異なりえます。計画書に科目名を並べすぎると変更に弱くなるため、必要な能力を中心に書き、面接準備のメモで具体的な科目候補を管理するとよいでしょう。
公式教員一覧でつくる研究分野マップ
13専攻の代表例を公式表記のまま確認する
以下は、工学院の各専攻ページから代表例を抜き出したものです。氏名と研究分野は取得した公式HTMLの掲載内容に沿っています。全教員を列挙する表ではなく、テーマ探索の入口です。自分のテーマに近い語があれば専攻ページ全体へ進むようにしてください。
| 専攻・分野 | 公式掲載の教員例 | 公式掲載の研究分野 |
|---|---|---|
| 応用物理学・数理物理工学 | 浅野泰寛教授、池谷聡准教授。 | 物性物理学の理論研究、量子輸送現象、トポロジカル超伝導、超伝導現象論 |
| 材料科学・材料表面化学 | 菊地竜也教授、宮本真之助教。 | アノード酸化(陽極酸化)を用いた自己規則化ナノマテリアルの創製、高速超親水・滑落性制御型超撥水金属材料の開発、ナノ構造の最適設計による機能性金属材料の創製、水滴発電機の開発、持続可能な湿式金属リサイクル技術の開発 |
| 機械宇宙工学・宇宙環境システム工学 | 永田晴紀教授、西井啓太准教授、脇田督司助教。 | 宇宙工学、ロケットシステム、宇宙機器設計、ミッション解析、推進工学、プラズマ工学 |
| 人間機械システムデザイン・精密計測学・ロボティクス | 清水裕樹教授、江丸貴紀准教授、SHIN DONG WOOK助教。 | 超精密計測・制御、光計測・制御、表面形状計測、高機能表面創成、センサ、ロボティクス・ダイナミクス、ロボット構造解析と制御、機械システムの動特性解析と運動制御、自律ロボットのナビゲーション、ドローンによるインフラ点検、雪道環境における自動運転技術の開発、農林業支援ロボット |
| エネルギー環境システム・エネルギー変換システム | 田部豊教授、植村豪准教授。 | 熱エネルギー変換及び利用工学、反応を伴う熱物質移動の解析制御、環境低負荷型エネルギーシステム、燃料電池、大容量二次電池、リチウム空気電池 |
| 量子理工学・量子ビーム応用医工学 | 松浦妙子教授、宮本直樹准教授、陳叶助教。 | 粒子線治療工学、放射線医学物理学、医用画像工学 |
| 環境フィールド工学・水圏防災・環境 | 岩崎理樹准教授、田中岳助教、田鍋颯一助教。 | 河川工学、水工学、土砂水理学、水文学(流出解析・洪水予測)、防災工学・教育(教育実践・教材開発) |
| 専攻・分野 | 公式掲載の教員例 | 公式掲載の研究分野 |
|---|---|---|
| 北方圏環境政策工学・交通ネットワーク解析学 | 内田賢悦教授、峪龍一准教授。 | 交通ネットワーク解析学(自動運転、公共交通、交通データ解析)、都市経済学、インフラマネジメント計画、防災計画、政策評価、不確実性下の意思決定論 |
| 建築都市空間デザイン・建築計画学 | 森傑教授、野村理恵准教授、坪内健助教。 | 建築計画、住環境計画、地域計画、建築・都市デザイン、公共空間、集合住宅、コミュニティ、居住文化、国際協力 |
| 空間性能システム・環境システム工学 | 葛隆生教授、劉洪芝助教。 | 環境システム工学、再生可能エネルギー有効利用、空気調整工学、ゼロエネルギー建築、ヒートポンプシステム、エネルギー貯蔵技術 |
| 環境創生工学・水質変換工学 | 岡部聡教授、押木守准教授。 | 生物学的水処理工学、環境微生物工学 |
| 環境循環システム・環境地質学 | 大竹翼教授、菊池亮佑助教、石田美月助教。 | 応用地質学、環境鉱物学、地球化学、鉱床学、地質材料の評価・利用、廃棄物の地層処分、地球と生命の共進化 |
| 共同資源工学・資源マネージメント | 川村洋平教授。 | 資源情報学、スマートマイニング、資源開発工学、鉱山工学、採鉱工学、地下インフラ構築、トンネル工学、推進工法、情報地質学 |
分野語を研究質問へ変換する
教員ページの研究分野と自分のテーマが一語一致しただけでは、適合性の証明になりません。たとえば「自動運転」が一致しても、交通ネットワーク全体の政策評価を扱うのか、雪道環境のロボット制御を扱うのかで、必要なデータと方法は異なります。同じ名詞の後ろに置かれる研究動詞を確認することが重要です。予測する、制御する、設計する、評価する、分離するでは研究の型が変わります。
接続を確認するメモには、公式の分野語、自分の問い、共通する対象、共通する方法、足りない知識の五列を作ります。共通するのが対象だけで方法が異なるなら、志望先として弱い可能性があります。逆に対象が少し異なっても、方法論が強く重なり応用可能性を説明できれば、検討の余地があります。一致語の数ではなく研究プロセスの一致を見るようにしてください。
教員名を書くときは指導可能性を断定しない
研究計画書に教員名を書く場合は、「この教員なら受け入れてくれる」「この研究室が有利」と断定してはいけません。公式ページで分野を確認したうえで、自分の問いがその分野にどう接続するかを説明します。教員の人柄、指導スタイル、評判は根拠にしません。公開された研究分野と自分の計画の関係だけを書くのが安全です。
教員配置は変わります。出願年度の教員一覧、募集要項の指導教員一覧、研究室ページの順に確認し、受け入れ可否を必要に応じて問い合わせます。特に公式入試案内が事前連絡を求める区分では、その指示に従ってください。研究室訪問の進め方は研究室訪問の完全ガイドも参考になります。
書き上げた研究計画書、そのまま出して大丈夫ですか?
研究職キャリアを持つ講師が、テーマ設定・先行研究の位置づけ・研究方法まで、出願レベルに届いているかを個別に確認します。
- 研究職の講師が研究計画書を添削し、改善点を明確化
- 相談後に、志望校の出題傾向と学習ロードマップをまとめた個別フィードバックレポートをお渡し
- 志望校が決まっていなくてもOK
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LINE登録でもらえる4大特典 : ①プロ講師の映像授業 ②合格までのロードマップシート ③受験校検索サイト ④「今から間に合うか」の判断材料
(費用は一切かかりません)
自分の研究テーマが工学院に合うか判定する
問いを一文に固定する
最初に「何を、どの条件で、何と比較し、何を明らかにするか」を一文にします。「持続可能な社会に貢献したい」のような目的だけでは研究質問になりません。対象、操作または条件、評価指標を入れると検証可能になります。背景の大きさと研究質問の小ささを両立させることが、修士計画では大切です。
たとえば「寒冷地のエネルギー問題を研究する」では、専攻も方法も絞れません。「外気温条件の違いがヒートポンプシステムの性能指標に与える影響を、実測とモデルで比較する」と置けば、空間性能システムの公式分野との接続を検討できます。これはテーマの正解例ではなく、名詞中心の関心を比較可能な問いに変える例です。
方法と利用資源を照合する
次に、問いへ答えるためのデータ取得と解析を分けます。実験なら試料、作製条件、測定項目、比較群。数値解析ならモデル、入力、境界条件、検証データ。フィールド研究なら対象地点、観測期間、変数、欠測への対応です。方法を再現できる粒度の工程へ分解すると、実行不能な部分が見えます。
- 公式専攻ページで近い研究分野を三つ探す
- 各分野について対象・現象・方法を抜き出す
- 自分の問いとの共通点と相違点を書く
- シラバスで不足知識を補える科目領域を探す
- 研究室ページや募集要項で指導・募集の状況を確認する
- 第一候補と第二候補で計画の焦点がどう変わるか比較する
装置の利用可否やデータへのアクセスは、公式ページだけでは判断できない場合があります。そのときは、計画書で利用を当然視せず、「利用可能な設備とデータの範囲を確認し、代替方法も検討する」と準備メモに残します。未確認の研究資源を既に使えるように書かないことが重要です。
三段階で適合性を判定する
| 判定 | 状態 | 次の行動 |
|---|---|---|
| 高い | 問いと方法の双方が公式研究分野に接続し、修士段階の検証が可能 | 先行研究を深掘りし、教員・研究室との接続を確認 |
| 要調整 | 対象は近いが方法が遠い、または範囲が広すぎる | 問いを絞り、利用可能な方法へ組み替える |
| 低い | 関連する教員分野が見つからず、必要設備やデータも確認できない | 別専攻・別研究科も含めて探索し直す |
「北海道大学だから」という大学名だけの志望理由と、「この先生の研究に興味がある」という一文だけでは適合性を示せません。工学院の専攻構造の中で、なぜその専攻なのか、どの研究分野と接続するのか、どの教育資源で不足を補うのかを説明します。大学、専攻、研究室の三層を区別して理由を書くと説得力が増します。
材料科学専攻の1000字研究計画書を組み立てる
一ページを五つの役割に配分する
1000字程度では、長い自分史や一般的な社会背景に紙幅を使えません。目安として、背景と問題設定、先行研究と課題、研究目的、方法、期待される成果と適合性の五つに配分します。字数は固定規則ではなく、論理の欠落を防ぐための設計目安です。目的と方法に全体の半分近くを配分すると、計画の実体が見えやすくなります。
| 項目 | 目安 | 書く内容 |
|---|---|---|
| 背景・問題設定 | 150〜180字 | 対象分野で何が問題か、対象をどこまで限定するか |
| 先行研究・未解決点 | 150〜200字 | 何が分かり、何が未検証か |
| 研究目的・問い | 150〜180字 | 何を比較し、何を明らかにするか |
| 方法・工程 | 300〜350字 | 材料、条件、測定、解析、比較、実行順序 |
| 成果・工学院との接続 | 150〜200字 | 得られる知見、限界、研究分野との接続 |
題目は「新規材料の開発」のように広くせず、材料、機能、アプローチが分かる表現にします。ただし結果を先取りして「高性能化を実現する」と断定するより、「条件が特性に与える影響の解明」のように検証内容を示す方が計画に合います。題目だけで対象と評価軸が想像できる状態を目指してください。
背景から目的までを因果でつなぐ
背景では社会的重要性を一段落で示し、すぐ研究上の不足へ移ります。「重要である」「注目されている」を並べるだけでは目的につながりません。既存手法の制約、未比較の条件、理解されていない機構など、先行研究から導ける空白を示します。未解決点の直後に研究目的を置くと、なぜその研究を行うのかが明確になります。
先行研究は著者名を列挙する欄ではありません。研究Aは何を示したか、研究Bはどの条件を扱っていないか、自分はその空白をどう埋めるかを短くまとめます。1000字では文献表記の形式も含めて情報量を調整する必要があります。汎用的な構成例は研究計画書の例文・テンプレート集、理系の方法論は理系大学院の研究計画書例文も参照してください。
方法は材料・条件・測定・解析で書く
材料科学の方法では、少なくとも何を対象に、どの条件を変え、何を測り、どの指標で比較するかを示します。「実験を行い考察する」では再現性を判断できません。複数の工程がある場合は、予備評価、本実験、分析の順序を明記します。操作変数と評価指標を対にして書くと、目的との対応が見えます。
図表を使うなら、文章の飾りではなく、研究フロー、比較条件、仮説モデルのいずれかを簡潔に示します。一ページに収めるため文字を極端に小さくするのは避け、図を外しても論理が読める本文にしてください。図中の用語も口述試験で説明できる必要があります。図表は字数節約ではなく関係の可視化に使うのが基本です。
口述試験の質問へ展開する
提出後は各文を質問に変えます。「なぜこの材料か」「比較条件はなぜ妥当か」「測定誤差をどう扱うか」「期待と異なる結果ならどう解釈するか」「基礎学力としてどの理論が関係するか」を準備します。一文につき一つの根拠資料を用意すると、回答が感覚的になりません。
口述試験は研究計画だけでなく、材料科学および工学の基礎学力も対象です。計画書に熱力学、反応、組織、強度、電気化学などの概念を出したなら、定義、基本式、前提、適用限界を復習してください。高度な用語を増やすほど評価されるのではなく、使った概念を基礎から説明できることが重要です。
通りにくい研究計画と改善方法
研究科の射程外または接続が名詞だけ
第一の失敗は、工学院で扱う理由が見えない計画です。社会課題の名称や流行語が教員ページと一致しても、方法が接続しなければ指導可能性を説明できません。改善するには、公式研究分野から対象、現象、方法を抜き出し、自分の問いと対応表を作ります。「関連する」ではなく共通する研究操作を書くようにしてください。
指導可能な教員を確認していない
第二の失敗は、古い研究室情報や記憶だけで教員名を書くことです。異動、募集状況、所属は変わります。取得可能な公式HTMLと最新募集要項を確認し、必要な区分では事前連絡を行います。返答がないことを受け入れの承諾と解釈してはいけません。公式情報と個別確認を別の証拠として扱うことが大切です。
方法が実行不能または評価方法がない
第三の失敗は、必要な設備、試料、データ、期間を考えずに方法を書くことです。「AIで最適化する」「大規模実験をする」だけでは、入力、比較基準、検証方法がありません。方法ごとに必要資源、所要期間、失敗時の代替案を表にします。主方法と最低限の代替方法を一組で持つと、計画の頑健性が上がります。
修士段階では、複数の巨大課題を同時に扱うより、一つの主要仮説を検証する方が現実的です。実験条件を増やしすぎると組合せが膨らみ、反復測定や誤差評価ができなくなります。条件数、試料数、解析時間を概算し、二年間の中で予備実験と論文執筆の時間を残してください。
先行研究の位置づけがない
第四の失敗は、社会的意義からいきなり自分の提案へ飛ぶことです。既に何が分かっているかを示さなければ、新規性も方法の妥当性も判断できません。レビュー論文で地図をつかみ、主要な原著論文で条件と結果を確認します。新規性は未解決点との差分として表現するのであって、「新しい」と宣言するだけでは成立しません。
志望理由と研究目的が混ざっている
「北海道で学びたい」「著名な大学だから」は志望の背景になっても研究目的ではありません。一方、「ある条件が材料特性へ与える影響を明らかにする」は研究目的ですが、それだけでは工学院を選ぶ理由になりません。研究目的と志望先との適合を別段落で書くと、双方が明確になります。
| 弱い表現 | 問題 | 改善の方向 |
|---|---|---|
| 環境問題を解決する | 範囲と評価指標がない | 対象プロセスと測定指標を限定する |
| 最新技術を用いて分析する | 技術名と妥当性がない | 入力、処理、比較、検証を書く |
| 指導者のもとで研究したい | 研究分野との接続がない | 公式分野と自分の問いの共通点を書く |
| 成功することが期待される | 結果を先取りしている | 想定結果と反証可能性を示す |
出願までの逆算スケジュール
六か月前から問いと研究室を往復する
研究計画は短期間で文章だけ整えても、先行研究、指導分野、実行方法の確認が追いつきません。材料科学専攻で口述試験を検討する場合も、他専攻で口頭説明を準備する場合も、半年前から段階的に進めると修正時間を確保できます。初稿完成を締切ではなく検証開始日にするのがコツです。
| 時期の目安 | 作業 | 完了条件 |
|---|---|---|
| 出願6か月以上前 | 13専攻と教員分野を確認、関心領域を三候補に整理 | 各候補の対象・現象・方法を説明できる |
| 5か月前 | レビュー論文と主要原著論文を読む | 既知・未解決・自分の問いを一枚に整理 |
| 4か月前 | 研究質問、方法、評価指標を設定 | 問いと方法が一対一で対応する |
| 3か月前 | 最新要項と教員配置を再確認、必要な事前連絡 | 試験区分、提出書類、研究室候補が一致 |
| 2か月前 | 1000字初稿または口頭説明メモを作成 | 背景・空白・目的・方法・成果がそろう |
| 1か月前 | 根拠、字数、図表、用語を推敲 | 第三者が問いと方法を再説明できる |
| 提出後 | 口述・口頭試問の質問練習 | 各主張の根拠と基礎概念を説明できる |
先行研究ノートを本文と分けて管理する
1000字の本文にはすべての検討過程を入れられません。文献ごとに研究質問、材料・データ、方法、結果、限界、自分の計画との関係を記録します。引用候補の文がどの論文のどの箇所に基づくかも残してください。本文の一文を根拠ノートへ逆引きできる状態にすると、口述試験の準備にも使えます。
三回のレビューで観点を変える
第一回は研究内容を知る人に、問いと方法の妥当性を見てもらいます。第二回は専門外の人に、論理が通じるか確認します。第三回は自分で要項、字数、用語、図表、提出対象を点検します。同じ観点で何度も読むより、役割を変えた方が欠落を見つけやすくなります。内容、可読性、形式を別々に検査すると効率的です。
添削を依頼しても、テーマや結果を他人任せにはできません。指摘の理由を理解し、自分で修正案を比較してください。専門的な確認が必要なら指導可能性を含めて公式の案内に従い、文章構成に不安がある場合は北海道大学大学院工学院の研究計画書にも対応する大学院入試対策を活用する方法もあります。
初稿を点検する十の観点
第一に、研究対象の境界を点検します。対象材料、構造物、流域、装置、データ群などが特定されているか、その対象を選ぶ理由が研究質問とつながっているかを確認します。「各種材料」「さまざまな地域」のような表現は範囲を曖昧にします。対象を固有名詞ではなく選定条件で説明すると、別の試料や地点に変更された場合にも計画の論理が残ります。
第二に、比較の軸を点検します。工学研究では、提案手法の性能だけを示しても、その意味を判断できないことがあります。既存手法、基準条件、処理前後、異なる環境条件など、何と比べるかを明記してください。比較対象が多すぎる場合は、主要比較と補助比較に分けます。比較によってどの仮説を検証するかまで一文で結びます。
第三に、変数の関係を点検します。変化させる条件、一定に保つ条件、測定する結果を区別します。複数の要因が同時に変われば、結果の原因を特定しにくくなります。フィールド研究のように統制が難しい場合は、共変量として記録する項目や解析上の扱いを検討します。原因候補と結果指標を混同しないことが、方法の読みやすさにつながります。
第四に、測定の妥当性を点検します。目的とする現象を、その測定値が本当に表しているかを考えます。一つの指標だけでは判断できないなら、補助指標や異なる測定原理を組み合わせます。装置名を挙げるだけでなく、そこから得る値と解釈を書いてください。測るものと知りたいものの間を説明することで、方法が単なる作業一覧ではなくなります。
第五に、再現性とばらつきを点検します。実験回数、試料差、観測誤差を1000字ですべて詳述できなくても、反復や統計的評価を考えていることは方法の信頼性に関わります。単一の成功例だけを成果にしない設計が必要です。平均値だけでなくばらつきの扱いも準備すると、口述試験の質問にも対応しやすくなります。
第六に、データ解析の出口を点検します。「解析する」で終えず、どの関係を図示し、どのモデルや指標で判断するかを決めます。機械学習を用いる場合も、学習データと評価データの分離、比較する基準手法、性能指標が必要です。解析手法を選ぶ理由を研究質問から導くようにし、手法の新しさだけを理由にしないでください。
第七に、研究倫理と安全性を点検します。人に関するデータ、機密情報、危険物、高温・高圧、放射線、現地調査など、テーマによって必要な手続きは異なります。出願時点で詳細が確定していなくても、該当可能性を認識し、大学の規程と指導に従う姿勢が必要です。技術的に可能でも手続きなしには実施できない研究があることを計画に織り込みます。
第八に、失敗時の分岐を点検します。試料を作製できない、観測データが不足する、モデルが収束しないといった事態は起こりえます。すべての代替案を本文へ書く必要はありませんが、中心仮説を別の方法で検証できるかを考えておきます。手段が失敗しても問いを検討できる設計は、研究目的と方法を区別できている証拠です。
第九に、成果の限界を点検します。特定条件で得た結果を、あらゆる材料や地域へ一般化することはできません。どの範囲まで主張できるか、次の研究課題として何が残るかを考えます。過度な保証表現を避け、得られる知見の単位を明確にしてください。貢献と限界を同時に述べると、現実的な研究計画として伝わります。
第十に、計画全体の用語を点検します。同じ概念を途中で別名にしたり、対象と評価指標を同じ略語で示したりすると、短い文書ほど混乱が大きくなります。題目、目的、方法、期待される成果で中心語を統一します。略語は最初に定義し、一般的でない表現は避けます。題目の主要語が目的と方法にも現れるかを最後に検索すると、論理のずれを発見できます。
口述・口頭試問用の説明を三つの長さで作る
研究構想は、30秒、2分、5分の三種類で説明できるようにします。30秒版は背景、問い、方法を一文ずつ述べます。2分版では未解決点と期待される成果を加えます。5分版では比較条件、測定、解析、志望分野との接続を補います。時間が短くても研究質問と方法を落とさないようにすると、質問に応じて説明量を調整できます。
説明練習では原稿の暗唱だけに頼らず、図、キーワードカード、白紙からの再構成を試します。質問で順番が変わっても答えられるよう、各要素の関係を理解するためです。聞き取れない質問は確認し、分からない点を推測で埋めず、分かる範囲と今後の確認方法を分けて答えます。即答の速さより論理と根拠の一貫性を保つことを重視してください。
基礎学力の確認では、研究計画に登場する概念から復習範囲を逆算します。材料特性なら構造と物性の関係、流体なら保存則と境界条件、制御ならモデルと安定性、統計なら推定と誤差など、計画を支える基礎へ戻ります。専門用語を定義、式、物理的意味の順に説明する練習をすると、暗記だけではない理解を示しやすくなります。
想定質問は賛成方向だけでなく反対方向にも作ります。「なぜ有効か」だけでなく「どの条件では有効でないか」、「期待結果は何か」だけでなく「逆の結果なら何が分かるか」を考えます。研究は予定した結果を出す作業ではありません。仮説が支持されない場合にも知見が残る問いであれば、結果を先取りしない計画になります。
最後に、志望先との接続を一分で説明します。公式教員ページに掲載された研究分野、自分が使いたい方法、入学後に補いたい知識を順に述べます。研究室の設備や受け入れを未確認のまま断定せず、確認済みの情報と希望を分けます。公式事実、自分の解釈、希望を言い分けることが、誠実で検証可能な説明につながります。
研究方法の型ごとに計画を具体化する
実験研究では、試料や供試体を作る工程と、性能を測る工程を分けて設計します。作製条件を変えた結果として組織や状態がどう変化し、それが最終的な物性や性能へどう影響するかという連鎖を意識してください。すべての要因を一度に変えると原因を切り分けられません。作製条件、中間状態、最終性能を三段階で結ぶと、材料科学やエネルギー系の計画が整理されます。対照条件と反復の考え方も準備しておきます。
計測・観測研究では、センサや装置の名称より、測定原理、空間・時間分解能、誤差、校正の方が計画の妥当性を左右します。河川や建築、交通の実環境を扱う場合は、天候、利用状況、季節など制御できない要因も記録する必要があります。観測できる値から目的変数をどう推定するかを説明し、欠測や外れ値が生じた場合の基本方針も考えてください。単に長期間測ればよいとは限らず、仮説に応じた観測間隔が必要です。
数値シミュレーション研究では、モデルの精密さだけを追わず、何を簡略化し、どの範囲で使えるモデルにするかを決めます。入力値の出典、初期条件と境界条件、計算結果を比較する実験・観測データが必要です。モデル構築と妥当性検証を別工程として書くと、計算を実行するだけの計画になりません。感度分析によって、どの入力が結果へ強く影響するかを調べる視点も有効です。
データ駆動型研究では、利用できるデータの量より、生成過程と偏りを理解することが先です。目的変数の定義、特徴量の意味、学習用と評価用の分割、比較対象となる単純な手法を定めます。精度だけでなく、再現率、誤差分布、説明可能性など、研究目的に合う評価指標を選びます。高性能な手法を使うこと自体を研究目的にしないで、工学上の判断をどう改善するかまでつなげてください。
設計研究では、形状やシステムを提案するだけでなく、要求条件と評価方法が必要です。安全性、効率、快適性、耐久性、コストなど複数の要求が競合する場合は、どれを制約条件とし、どれを最適化するかを分けます。要求、設計変数、評価指標を対応させることで、好みだけに依存しない設計になります。試作、解析、実験、利用者評価のどこまでを修士段階で行うかも限定してください。
フィールド研究では、対象地域の特徴を詳しく語るだけでなく、その場所を選ぶことで何を検証できるかを示します。一地点の事例研究なら、一般化できる範囲と事例固有の条件を区別します。複数地点を比較するなら、規模、気候、地質、人口などの違いをどう扱うかが重要です。場所の魅力ではなく研究上の選定基準を書くと、環境フィールド工学や社会基盤分野との接続を説明しやすくなります。
政策・マネジメント研究では、制度の紹介や意見表明だけで終わらないよう、政策手段、利害関係者、評価基準、データを設定します。交通や資源管理では、技術性能と社会的な意思決定を分けて分析する必要があります。誰のどの判断を改善する研究かを特定し、効率、公平性、安全性、環境影響などの指標を選びます。シナリオ比較を行う場合は、前提条件を明示してください。
学際的な研究では、複数分野を含むこと自体を価値とせず、各分野が研究質問へどの役割を果たすかを示します。材料と機械、建築と人間工学、環境技術と政策などを組み合わせる場合、中心となる問いと補助的な視点を決めます。主たる方法を一つ定めて補助方法を配置すると、計画が散漫になりにくくなります。工学院内に近い分野が複数ある場合も、第一の指導軸を説明できるようにしてください。
1000字へ圧縮するときに削る順番
初稿は1000字を気にしすぎず、背景、先行研究、問い、方法、成果、適合性をすべて書き出します。その後、重複する背景、一般論、形容詞、同じ意味の言い換えから削ります。目的や方法を先に削ると、読みやすくても研究内容のない文章になります。研究質問と検証工程を最後まで残すことを編集の原則にしてください。各段落の最初の一文だけを読んで論理が通るかも確認します。
背景は、社会全体の説明を一文、研究対象に固有の問題を一文に圧縮します。「近年」「非常に」「ますます」といった語を削り、数値を使うなら出典と研究目的への必要性を確認します。先行研究は論文ごとの紹介ではなく、到達点と限界でまとめます。背景から未解決点へ最短距離で移ると、方法へ十分な字数を残せます。志望動機的な経験談は、研究質問の形成に直接関係する部分だけに限定します。
方法は短くしても具体性を失わないよう、工程を表す動詞を残します。「検討する」を、作製する、測定する、比較する、推定する、検証するへ置き換えます。装置の型番や細かな条件は、研究の妥当性に不可欠なものだけを残します。一つの文に一つの主要工程を置くと、口述試験で工程ごとに説明を展開できます。専門用語を並べて圧縮したつもりになるのは避けてください。
期待される成果は、社会実装の大きな効果より、研究から直接得られる知見を先に書きます。「環境負荷を低減する」なら、その前にどの条件と性能の関係が明らかになるのかを示します。応用可能性は、直接成果から一段だけ先へ進める程度に抑えます。直接成果と将来的な波及効果を分けることで、誇張を避けながら意義を伝えられます。支持されない結果から得られる知見も準備しておくとよいでしょう。
最後は文字数だけでなく一ページの視認性を確認します。段落が一つだけの文章や、余白を埋め尽くす小さな文字は、論理構造を読み取りにくくします。題目と本文、必要なら簡潔な図表を配置し、各段落の役割が見えるようにします。形式任意でも読み手の探索負担を減らすことが重要です。PDF化や印刷が必要な場合は、文字化け、図の解像度、ページ超過がないか提出前に確認してください。
出願書類全体で矛盾をなくす
研究計画書だけが整っていても、志望理由書や研究室希望調査票と矛盾すれば、志望の軸が伝わりません。第一希望の研究室、扱いたいテーマ、これまでの学修、入学後に補う知識が書類間で対応しているかを一覧にします。同じ内容を複写せず役割ごとに深さを変えることが大切です。志望理由書では選択理由、研究計画書では検証設計、希望調査票では選択順位を正確に示します。
学部での卒業研究と修士計画が異なる場合は、変更を隠すのではなく、移行に使える知識と新たに補う知識を分けます。実験操作、数値解析、プログラミング、統計、文献調査など、対象が変わっても移転できる技能があります。過去の実績から将来の実行可能性を説明すると、未経験分野への関心だけを述べるより具体的です。分野変更の理由は研究質問の発展として示してください。
研究室希望順位を複数付ける場合、すべての研究室に同じ計画がそのまま適合するとは限りません。中心の問題意識を維持しながら、各研究室の公式分野に応じて対象や方法がどう変わるかを考えます。ただし提出書類を研究室ごとに勝手に複数作るのではなく、要項の指示に従います。順位の違いと研究上の接続理由を説明できるように準備しておくと、口頭で問われた場合にも一貫して答えられます。
提出直前には、募集要項とチェック表を新しくダウンロードして照合します。以前保存したファイルや解説記事だけに依存せず、年度、入学時期、第1次・第2次、一般入試・別選考を確認します。ファイル名が似ているため、表紙と対象課程まで見ることが必要です。内容確認と形式確認を別の日に行うと、思い込みによる見落としを減らせます。提出不要な資料を追加することも避け、指定された方法と順序を守ってください。
よくある質問(FAQ)
北海道大学大学院工学院では全員が研究計画書を提出しますか
いいえ。2027年度修士課程第1次募集では、全専攻共通の必須書類ではありません。材料科学専攻で専門科目の筆答試験に代わる口述試験を希望する人が任意提出します。志望専攻と試験区分ごとの提出書類を確認し、最新年度の募集要項とチェック表を優先してください。
材料科学専攻の研究計画書は何字ですか
公式要項では、様式任意、A4判1ページ、1000字程度とされています。図表も使用できます。1000字を背景説明だけで埋めず、未解決点、目的、方法、評価指標、期待される知見まで含めてください。提出対象も年度により変わりうるため、出願時の要項を確認します。
研究計画書に図表を入れてもよいですか
材料科学専攻の該当書類は図表可です。研究フロー、比較条件、仮説の関係を文章より明確に示せる場合に使います。小さすぎる文字や説明のない図は避けること、図中の内容を口述試験で説明できることが大切です。
教員名は研究計画書に書くべきですか
様式上の指定を最新要項で確認したうえで、書く場合は公式掲載の研究分野と自分の問いの接続を示します。教員名を挙げるだけでは適合性の説明になりません。所属や募集状況は変わるため、最新の教員一覧と指導教員情報を照合してください。
他大学からの受験者は研究室へ事前連絡が必要ですか
工学院全13専攻について一律のルールと決めつけず、志望する専攻・研究室群の公式案内を確認してください。応用量子科学系研究室群の公式入試情報は、他大学等の卒業者・卒業見込み者に事前の配属希望研究室への連絡を求めています。個別区分の指示を全体ルールより優先する必要があります。
志望理由書と研究計画書はどう違いますか
志望理由書は、なぜその専攻・研究室で学びたいか、これまでの学修とどうつながるかを中心に説明します。研究計画書は、何を問い、どの方法で検証し、何を明らかにするかが中心です。重なる部分はありますが、志望の理由と研究の検証計画を分けると書類の役割が明確になります。
e3プログラムの研究計画書は日本語でよいですか
日本人学生向けe3参加申請では英文研究計画書が必要です。様式は自由で、指定Research proposalも使用できます。選考には英語面接もあるため、英文を提出できるだけでなく、問い、方法、期待される結果を英語で説明する準備が必要です。
研究テーマは入学後も同じでなければなりませんか
材料科学専攻の募集要項は、合格しても記載した研究計画の実施を保証するものではないと明記しています。入学後に指導、設備、予備結果を踏まえて調整される可能性があります。だからこそ出願時には、変更可能性を残しつつ、現時点での仮説と方法を具体的に示すことが大切です。
まとめ|専攻・教員・方法を一本につなげる
北海道大学大学院工学院の研究計画書対策では、最初に提出対象を確認し、次に13専攻と教員の研究分野からテーマの適合性を検証します。一般入試の全志願者に共通する研究計画書があるわけではありません。2027年度第1次募集では材料科学専攻の口述試験希望者が対象で、A4判1ページ、1000字程度、様式任意、図表可です。
- 研究計画書、志望理由書、研究室希望調査票を混同しない
- テーマは対象、現象、方法、評価指標に分けて専攻と照合する
- 教員名と研究分野は最新の公式HTMLで確認する
- 1000字では未解決点、目的、方法を中心に配分する
- 方法は材料・条件・測定・解析・比較の順に具体化する
- 提出後は各主張を基礎学力と根拠の質問へ変える
- e3の英文研究計画書は一般入試とは別制度として準備する
良い計画は、社会課題の大きさではなく、問いが検証可能で、方法が実行可能で、工学院の研究分野と接続していることによって伝わります。読み手が研究の流れを追える明快さも欠かせません。まず公式専攻ページから近い分野を三つ選び、対象・現象・方法の対応表を作ってください。そのうえで先行研究を読み、二年間で答えられる一つの問いまで絞ると、文章化の土台ができます。
募集要項・出願書類の様式・教員の配置は年度により変わるため、出願前に必ず最新の公式情報で確認してください。独学での対策に不安がある場合は、専門の指導を活用するのも一つの方法です。添削を受ける場合も、公式情報の確認と研究内容の最終判断は自分で行い、口述・口頭試問で説明できる計画に仕上げましょう。
書き上げた研究計画書、そのまま出して大丈夫ですか?
研究職キャリアを持つ講師が、テーマ設定・先行研究の位置づけ・研究方法まで、出願レベルに届いているかを個別に確認します。
- 研究職の講師が研究計画書を添削し、改善点を明確化
- 相談後に、志望校の出題傾向と学習ロードマップをまとめた個別フィードバックレポートをお渡し
- 志望校が決まっていなくてもOK
\ 合格がグッと近づく/
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