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北海道大学大学院医学院の研究計画書の書き方|専攻・カリキュラム・教員の研究分野から逆算する

北海道大学大学院医学院の研究計画を準備するときは、最初に「自分はどの課程・出願区分に該当し、何という書類を提出するのか」を確認する必要があります。令和9年度入試では、医科学専攻修士課程の一般出願書類に独立した名称の研究計画書はなく、所定用紙の「志望の動機」を提出します。一方、医学専攻博士課程では、一部の出願資格審査対象者にA4判2,000字程度の「これからの研究課題及び研究計画」が課され、勤務医を除く社会人入学志望者は研究計画を含む志望理由書をA4判で作成します。全員が同じ研究計画書を出す制度ではありません。
ただし、書類名が「研究計画書」でない受験者にも研究計画の準備は必要です。修士・博士とも、出願前に志望教室の指導予定教員へ詳細な研究内容と研究計画を照会し、確認することが募集要項に明記されています。つまり北海道大学大学院医学院の研究計画書対策とは、定型文を埋める作業ではなく、課程、コース、志望教室、研究方法、修了成果の整合を取る作業です。ここでいう研究計画とは、何を、なぜ、どの方法で、どの教室で明らかにするかを示す設計図を指します。
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本記事では、外部院試の試験科目や倍率を繰り返さず、医学院の専攻構造、カリキュラム、修了要件、公式教員一覧に掲載された主要研究内容から、研究計画を組み立てる方法を解説します。募集人員、出願資格、日程、試験科目の詳細は北海道大学大学院医学院の外部院試を解説した既存記事で確認してください。この記事の目的はテーマと研究環境の適合を自分で判定できるようにすることです。
なお、募集要項・出願書類の様式・教員の配置は年度により変わるため、出願前に必ず最新の公式情報で確認してください。以下は令和9年度の公式情報を基準にしていますが、志望年度の募集要項実物と所定用紙を取り寄せ、最終確認することが前提です。
北海道大学大学院医学院で研究計画はどう扱われるか
修士課程は「志望の動機」と事前照会で研究構想を示す
令和9年度の医科学専攻修士課程で列挙されている出願書類は、入学願書、所定用紙の「志望の動機」、成績証明書、卒業証明書などです。独立した「研究計画書」はありません。そのため、一般的な大学院向けテンプレートをそのまま提出書類として準備すると、実際の様式とずれます。まず所定用紙を入手し、欄の大きさと設問を確認してください。修士では志望動機の中に研究関心と教室適合を凝縮するという理解が適切です。
同時に、募集要項は出願に先立ち、志望教室の指導予定教員へ詳細な研究内容・研究計画を照会し、確認するよう求めています。提出書類が短くても、事前照会では背景、問い、方法、期待する成果を説明できなければなりません。書面に載せる短い要約と、教員に説明する詳しい構想を分けて準備するとよいでしょう。前者は選考資料、後者は指導可能性を確かめるための対話資料です。
博士課程は出願区分によって様式が異なる
医学専攻博士課程の一般的な出願書類にも、全員共通の研究計画書は列挙されていません。ただし、一部の出願資格審査を受ける人は「これからの研究課題及び研究計画」をA4判用紙で2,000字程度提出します。さらに、勤務医を除く社会人入学志望者は、関心をもつ分野、研究計画、将来の目標をA4判用紙に記した志望理由書を提出します。後者には公式な字数指定がありません。2,000字という条件を全受験者に一般化しないことが大切です。
| 対象 | 令和9年度の研究構想に関する書類 | 公式仕様 |
|---|---|---|
| 医科学専攻修士課程の一般出願 | 志望の動機 | 所定用紙。独立した研究計画書は列挙なし |
| 医学専攻博士課程の一般出願 | 全員共通の研究計画書は列挙なし | 事前に指導予定教員へ研究計画を照会 |
| 博士課程の一部の出願資格審査 | これからの研究課題及び研究計画 | A4判、2,000字程度 |
| 博士課程の社会人志望者(勤務医を除く) | 志望理由書 | 関心分野、研究計画、将来目標をA4判に記載。字数指定なし |
選考での位置づけを過大にも過小にも見ない
募集要項の評価方針では、修士・博士とも出願書類は「重視する要素」です。修士では課題論文、専門科目、外国語、公衆衛生学コース1年コースの口述試験など、別の評価方法もあります。したがって研究構想だけで選考結果が決まるとはいえませんが、書類と事前照会の内容が食い違えば、研究への準備不足を示してしまいます。研究計画は他の試験準備を束ねる軸として扱うのが現実的です。
公衆衛生学コース1年コースには口述試験があるため、実務経験から生じた課題を、研究可能な問いへ変換して説明できるようにします。「現場で困った」だけで終えず、対象集団、指標、比較、データ源、倫理上の配慮まで話せる状態を目指します。公式要項で口述試験の詳細な質問内容は示されていないため、質問を断定的に予測するのではなく、自分が提出した内容を根拠とともに説明する準備を優先してください。
医学院の専攻・コース構造と研究テーマの対応
修士課程の医科学専攻には三つの履修経路がある
医学院の修士課程は医科学専攻で、医科学コース、公衆衛生学コース2年コース、公衆衛生学コース1年コースに分かれます。医科学コースは医学・生命科学領域の幅広い知識をもつ高度専門職業人を育成する経路です。公衆衛生学コースは、社会全体や人々の健康、生活、安全に関わる課題を扱い、1年コースは一定の実務経験をもつ医師、歯科医師、薬剤師などを対象とします。同じ医科学専攻でも研究対象と成果の示し方が違います。
| 課程・コース | 中心となる領域 | 計画書で強調する接続 |
|---|---|---|
| 修士・医科学コース | 医学・生命科学 | 生物学的意義、仮説、実験・調査による検証 |
| 修士・公衆衛生学2年コース | 公衆衛生、予防医学 | 集団の健康課題、情報収集・分析、対策の評価 |
| 修士・公衆衛生学1年コース | 実務に接続する公衆衛生 | 実務経験からの問題設定と短期間での実行可能性 |
| 博士・基盤医学コース | 基礎的な医学研究 | 機序を解明する問いと国際的な学術的意義 |
| 博士・臨床医学コース | 臨床医学研究 | 臨床課題、患者・試料・データ、診療への還元 |
| 博士・社会医学コース | 公衆衛生、予防医学、社会医学 | 研究倫理、統計、医療情報、EBMを用いる設計 |
公衆衛生学コースを選択した場合は、社会医学講座のいずれかの教室で学修する必要があります。したがって、公衆衛生という語をタイトルに入れるだけでは適合を示せません。志望する社会医学系の教室が扱う主要研究内容と、利用したいデータ・方法がつながるかを確認します。コース選択と志望教室選択を一つの判断として行うことが重要です。
博士課程は基盤・臨床・社会医学の三コース
医学専攻博士課程は、基盤医学、臨床医学、社会医学の三コースです。基盤医学コースは医学研究者・教育者としての自立を目指し、臨床医学コースは臨床技術と研究能力を備えた臨床医・研究医を育てます。社会医学コースは、生物学・生命科学とは異なる社会医学的・予防医学的視点から、研究倫理、統計学、医療情報学、EBMなどを修得します。研究対象だけでなく問いに答える方法でコースを選ぶと、分類しやすくなります。
たとえば「がん」を扱う計画でも、がん細胞の分子機構なら基盤医学、治療反応や患者予後なら臨床医学、検診政策や地域差なら社会医学への接続が考えられます。病名だけでは所属コースは決まりません。研究単位が分子・細胞なのか、患者・治療なのか、集団・制度なのかを明らかにし、主要評価項目とデータ源を置くと、コースとの関係が具体化します。テーマ名より分析単位を先に確定するのが有効です。
医理工学院との混同を避ける
北海道大学には医学院とは別に医理工学院があります。放射線治療、医学物理、医用画像などに関心があっても、志望先が医学院か医理工学院かで募集要項と教育課程が異なります。技術開発を含むから自動的に医理工学院、臨床を扱うから自動的に医学院とは限りません。指導を希望する教員がどの教育組織で学生を受け入れるか、最新の教員一覧と募集要項で確かめます。似た組織名を取り違えると計画全体の前提が崩れます。
カリキュラムと修了要件から研究の型を逆算する
修士課程は研究計画法と教室実習を成果へつなぐ
修士課程の教育課程は、共通コア科目、必修科目I、必修科目II、選択科目の四区分です。共通コアには「基本医学研究概論」「基本実験・研究計画法」「医倫理学序論」「トランスレーショナルリサーチ概論」があります。研究計画には、仮説と方法だけでなく、倫理、統計、成果の社会・臨床への橋渡しを考える土台が必要だと読み取れます。授業で補う能力と出願時に示す準備を区別すると、無理な背伸びを防げます。
必修科目IIでは、研究データの統計解析やプレゼンテーション技法を学び、配属教室の研究指導教員が科目責任者となる実習を通じて、修士論文または特定課題研究に必要な能力を養います。研究計画には「高度な解析を行う」とだけ書かず、どのデータを、どの比較で、何を指標として分析するかを書きます。入学後に学ぶ技法については、習得計画まで示せば実行可能性の説明になります。
医科学と公衆衛生学では学位成果の論理が違う
修士の医科学コースと公衆衛生学2年コースは原則2年以上在学し、公衆衛生学1年コースは1年以上在学します。いずれも30単位以上と必要な研究指導を受け、医科学・2年コースでは修士論文、1年コースでは特定課題研究の成果に関する審査・試験に合格することが求められます。最終成果の形式から研究規模を逆算する必要があります。
医科学の学位方針は、医学・生命科学に関する背景を理解し、生物学的重要性のあるテーマや検証すべき仮説を立て、実験・調査結果を分析する能力を重視します。公衆衛生学は、健康と生活・安全に関わる仕組みを理解し、課題解決に必要な情報を集めて分析し、対策を立案・実施・評価して次の対策につなげる能力を重視します。医科学は仮説検証、公衆衛生学は課題解決の循環を明確にすると、学位との整合が伝わります。
公衆衛生学は五領域との関係を示す
公衆衛生学コースでは、疫学、生物統計学、社会行動科学、保健医療管理学、環境保健学の五領域を学びます。計画書ですべてを扱う必要はありませんが、主要な方法がどの領域に立脚し、他の領域がどう補助するかを説明できると、教育課程への理解が表れます。たとえば地域の受診行動なら疫学的な関連分析だけでなく、社会行動科学による要因整理や保健医療管理上の施策評価が関係します。五領域を飾りとして列挙せず役割を割り当てることがポイントです。
博士課程は英語原著論文まで見通す
博士課程は共通コア8単位、選択したコースの必修12単位、所属教室開講の医学総論を含む選択科目10単位以上で、計30単位以上を修得します。4年を標準として博士論文の審査・試験に合格する必要があり、3年次初めには中間審査があります。計画書では最終年だけでなく、初年度の準備、データ取得、解析、中間審査までの到達点を段階化します。四年間の工程を一つの実験に依存させない設計が必要です。
公式の博士課程紹介では、学位申請に、インパクトファクターのある英文学術雑誌等へ掲載または掲載予定で、申請者が第一著者である英語基礎論文1編が求められます。この条件から、博士計画では学術的新規性、再現可能な方法、国際的な読者に伝わる意義が重要だと分かります。採択や成果を保証する表現は避けながら、どの成果を原著論文の単位にまとめるかまで想定しておきましょう。
教員の研究分野マップと志望教室の選び方
公式HTMLの氏名と「主要研究内容」を照合する
北海道大学医学系部局の公式教員・教室一覧は、教室名、教員名、職位に加え、各教室の主要研究内容をHTMLで掲載しています。研究計画を作るときは、検索結果の古いプロフィールや記憶ではなく、この一覧を起点にします。教員の所属や研究分野は年度により変わるため、出願前に必ず最新の教員一覧で確認してください。氏名と研究内容を同じ時点の公式ページで確認することが基本です。
| 研究の方向 | 公式一覧の教室例 | 公式掲載の主要研究内容 |
|---|---|---|
| 分子・細胞・発生 | 分子生物学 | 先天異常と遺伝子発現の研究、先天異常とエピゲノム制御の研究、細胞・組織・臓器の運命決定機構の研究 |
| タンパク質・シグナル | 医化学 | タンパク質分解システムにおけるユビキチン化の役割、がんや免疫における細胞内シグナル伝達、質量分析によるタンパク質・脂質の機能解析 |
| 炎症・病理 | 統合病理学 | 炎症とがんに関する研究、炎症と組織再生に関する研究、自己免疫、炎症性疾患の病態形成に関する研究 |
| 法医診断 | 法医学 | 法医診断学に関する研究(死因、死後経過時間、損傷、窒息、個人識別、死後CT画像診断)、外因性異常所見の発生機序に関する研究 |
| 呼吸器 | 呼吸器内科学 | 喘息/COPDに関する前向きコホート研究、呼吸器腫瘍の病因・診断・治療に関する研究 |
| 神経 | 神経生物学 | 軸索の神経生物学、シナプスの神経生物学 |
| 免疫 | 免疫生物学 | 腫瘍免疫に関する基礎的・臨床的研究、移植免疫に関する基礎的・臨床的研究(遺伝子改変ブタを用いた異種移植含む)、炎症性疾患に対する細胞療法の研究開発 |
表は全教員を網羅するものではなく、研究の幅を理解するための代表例です。公式ページには基礎系、病理系、社会医学系、内科系、外科系、専門医学系、連携医学系など多数の教室が掲載されています。自分のテーマに近い語が一つあるだけで決めず、教室の主要研究内容を複数確認し、現在の受入可否を指導予定教員へ照会してください。キーワード一致は候補発見であり指導可能性の確定ではありません。
基礎研究は現象・機序・測定手段を対応させる
竹内純教授が掲載される分子生物学では、先天異常と遺伝子発現、エピゲノム制御、細胞・組織・臓器の運命決定機構などが主要研究内容として示されています。畠山鎮次教授が掲載される医化学では、ユビキチン化、細胞内シグナル伝達、質量分析による機能解析が挙げられています。基礎系を志望するなら、対象分子だけでなく、観察する現象と検証方法の組合せを示します。「遺伝子を研究したい」から検証可能な因果仮説へ進める必要があります。
谷口浩二教授が掲載される統合病理学には、炎症とがん、炎症と組織再生、自己免疫・炎症性疾患の病態形成などが掲載されています。病理学的な研究では、試料、病態モデル、評価する組織変化や分子指標を具体化します。教室の研究名を借りるだけでなく、自分の問いが既存研究のどこを一段進めるのかを先行研究から示してください。教室のテーマを復唱せず未解明点を置くことで、独自の計画になります。
臨床・社会医学は対象集団とデータへのアクセスを確かめる
今野哲教授が掲載される呼吸器内科学では、喘息/COPDの前向きコホート、呼吸器腫瘍、慢性気道疾患などの研究が公式に示されています。臨床研究を計画する場合、患者集団、選択基準、観察期間、主要評価項目、交絡要因を考えます。ただし、利用できる症例数やデータを外部から推測してはいけません。事前照会では、実施可能なデータ範囲を確認してから方法を絞ることが必要です。
的場光太郎教授が掲載される法医学では、死因、死後経過時間、損傷、窒息、個人識別、死後CT画像診断を含む法医診断学と、外因性異常所見の発生機序が掲載されています。特殊な試料や機微性の高い情報を扱う研究は、倫理、法令、データ管理、アクセス権限が実行可能性を左右します。計画書で安易に利用可能とせず、必要な承認と匿名化の考え方を明記するとよいでしょう。
神経・免疫では階層と橋渡しの範囲を限定する
神谷温之教授が掲載される神経生物学の主要研究内容は「軸索の神経生物学」「シナプスの神経生物学」です。清野研一郎教授が掲載される免疫生物学では、腫瘍免疫、移植免疫、炎症性疾患に対する細胞療法の研究開発が示されています。分子から細胞、動物、患者、治療までを一つの短い計画で全て扱うと焦点がぼやけます。主たる検証階層を一つ決め、次段階は展望に置くと実行可能性が高まります。
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自分の研究テーマが医学院に合うか判定する手順
第一段階は研究課題を一文にする
最初に「対象」「未解明点」「方法」「得たい知見」を一文にします。たとえば「呼吸器疾患を研究する」では広すぎます。「特定の患者集団における因子と転帰の関連を、既存の臨床データを用いて検討する」のように、分析単位と関係を明確にします。この一文が作れない段階では教員名を先に決めず、先行研究を読んで問いを絞ります。テーマの広さは修了期間内に答えられる範囲まで狭めることが原則です。
第二段階はコースと学位方針に照合する
次に、問いが医科学、公衆衛生学、基盤医学、臨床医学、社会医学のどこに接続するか判定します。生物学的仮説の検証なら医科学・基盤医学、患者の診断・治療なら臨床医学、集団の健康や制度なら公衆衛生学・社会医学が候補になります。ただし境界領域も多いため、対象だけで機械的に決めず、主要な方法と最終成果を確認します。学位方針の動詞と自分の研究行為を合わせると判断しやすくなります。
第三段階は教室の主要研究内容と照合する
公式教員一覧で、候補教室の主要研究内容を確認します。自分の計画との接点を「対象」「方法」「問い」の三列で整理し、少なくとも二つが具体的に重なるか見ます。一語だけ一致する場合は、別の教室も比較してください。計画書には「著名な先生だから」ではなく、公式に公開された研究内容と、自分の先行研究・技能がどう接続するかを書きます。教員への敬意と研究上の適合理由は分けて表現することが大切です。
第四段階は実行条件を監査する
候補が見つかったら、試料、データ、装置、解析技能、倫理審査、期間を確認します。ヒトを対象とする研究なら同意取得や匿名化、既存データ研究なら利用権限、実験研究ならモデルと測定法が必要です。外部の受験者が利用可能性を断言せず、事前照会で相談すべき事項として整理します。研究価値が高くても実施条件がなければ計画として成立しません。
- 研究対象と未解明点を一文にする
- 主要な分析単位と方法を決める
- 課程・コース・学位方針に照合する
- 公式教員一覧から候補教室を複数探す
- 先行研究を読み、重複と新規性を確認する
- データ・倫理・期間・技能を監査する
- 指導予定教員への事前照会で修正する
この手順で接点が見つからない場合は、大学名に合わせて無理にテーマを変えるのではなく、問いを見直すか、別の教育組織を検討します。研究計画の適合は、表現を整えるだけでは作れません。指導可能な教室と修了成果の両方が見えることを判定基準にしてください。
テーマ適合を三つの文章で自己点検する
判定結果は、三つの短い文章にまとめると弱点が見えます。第一文は「私は何を明らかにしたいか」、第二文は「そのためにどのデータと方法を用いるか」、第三文は「なぜ北海道大学医学院のこのコース・教室で行うのか」です。第三文だけが長く、第一・第二文が曖昧なら、志望先の説明に依存しすぎています。反対に第一・第二文は具体的でも第三文が大学名の称賛だけなら、適合確認が不足しています。問い・方法・環境を同じ解像度で説明することが目標です。
自己点検では、研究タイトルから固有名詞を外しても問いが理解できるか、別の方法でも答えられるのに選択理由を説明できるか、志望教室の主要研究内容を正確に引用できるかを確認します。さらに、得られる結果が仮説を支持しなかった場合でも学術的な意味が残るかを考えます。望む結果だけを前提にした計画は、研究というより結論を決めた作業に見えます。否定的な結果から何が分かるかまで考えると、問いの質を確認できます。
対象書類別・研究計画と志望動機の構成方法
2,000字程度の研究計画は六要素で配分する
博士課程の該当者が提出する2,000字程度の研究計画は、背景、問題、目的、方法、期待される成果、工程の六要素で組み立てます。字数は本文全体の目安であり、各要素の配分はテーマによって調整します。背景説明だけで半分を使うと方法が薄くなるため、先行研究は未解明点を導くものに限定します。研究目的と方法に最も多くの字数を配分すると設計が伝わります。
| 項目 | 2,000字での目安 | 書く内容 |
|---|---|---|
| 背景・先行研究 | 350〜450字 | 分かっていること、未解明点、根拠文献 |
| 研究課題・目的 | 200〜300字 | 問い、仮説、明らかにする範囲 |
| 方法 | 650〜800字 | 対象、デザイン、測定、比較、解析、倫理 |
| 予想される成果・意義 | 250〜350字 | 学術的意義、臨床・社会への接続 |
| 工程・実行可能性 | 200〜300字 | 準備、取得、解析、論文化の順序 |
これは大学の所定配分ではなく、2,000字に必要要素を収めるための執筆上の目安です。公式指定はA4判で2,000字程度という点までなので、設問や追加指示がある場合はそちらを優先します。独自の目安と大学の公式条件を混同しないよう注意してください。
背景から目的へ論理をつなぐ
背景の第一段落では、研究対象が医学・公衆衛生上どのような意味を持つかを示します。次に、先行研究によって分かっていることを整理し、条件や対象が限定されている点、結果が一致していない点、検証されていない機序などを示します。最後に、その空白を埋める研究目的を一文で置きます。背景の一文ごとに「この情報は目的の必要性を説明しているか」と問い、関係しない一般論は削ります。社会的重要性だけでなく学術的な未解明点を示す必要があります。
目的には「検討する」「明らかにする」だけでなく、何と何の関係を、どの対象で、どの観点から評価するかを書きます。仮説を置く場合は、先行研究から導ける方向性とします。探索的研究なら無理に方向を決めず、探索する変数と、その後に仮説を形成する手順を明確にします。目的が複数ある場合は主目的と副目的を区別し、主目的だけでも一つの成果として完結する構造にします。
方法は第三者が研究の輪郭を再現できる程度に書く
実験研究では、対象となる細胞・組織・モデル、介入または条件、対照、測定項目、解析の順を示します。臨床・疫学研究では、研究デザイン、対象集団、組入れ・除外の考え方、曝露・介入、比較、アウトカム、交絡への対応を示します。質的研究なら、参加者、データ収集法、分析手順、研究者の立場を検討します。全ての技術名を詰め込む必要はありませんが、目的に答えるための中心的な比較は省けません。
統計解析は「統計的に解析する」で終えず、まず記述する変数、主要な比較、結果の不確実性をどう示すかを考えます。受験段階で手法を確定できない場合は、想定する方法と選択理由を書き、入学後に統計学の科目と指導を通じて精緻化する計画を示します。必要な標本数も根拠なく断定せず、主要評価項目と想定効果に基づいて検討する工程を置きます。高度な手法名よりデータと問いの対応を優先するべきです。
成果・限界・代替案を同時に考える
期待される成果では、仮説どおりの結果だけを書かず、研究によってどの知識の空白が縮まるかを示します。臨床応用や政策提言は、研究結果から直接導ける範囲に限定します。一つの観察研究から因果や普遍的施策まで断定すると、研究デザインとの不整合が生じます。基礎研究でも、細胞やモデル動物の結果をそのまま患者への効果に置き換えません。成果の主張範囲を方法が支えられる範囲に保つことが重要です。
限界は弱点の告白ではなく、解釈の境界を理解していることを示す要素です。対象の偏り、測定誤差、交絡、外的妥当性、試料やデータの不足などを想定し、可能な対策を置きます。主要な方法が使えない場合の代替データ、予備解析、研究範囲の縮小案も考えます。事前照会では、こうした選択肢を示すことで、教室の実情に合わせて計画を調整しやすくなります。代替案は計画の迷いではなくリスク管理として整理します。
修士の「志望の動機」は研究構想を圧縮する
修士の所定用紙では、入手した実物の欄に合わせる必要があります。基本的には、これまでの学習・研究・実務、問題意識、北海道大学医学院で取り組みたい研究、志望教室との接続、修了後の方向を短くつなぎます。研究方法を細部まで書けない場合でも、対象と問いが分かる一文を置きます。志望理由を大学の知名度や設備だけで終わらせないことが重要です。
医科学コースなら、これまでに身につけた生命科学の知識・技能と、検証したい仮説をつなぎます。公衆衛生学コースなら、観察した健康課題を個人的経験のまま語らず、集団レベルの情報、分析、対策評価へ広げます。1年コースでは実務経験を強みにしつつ、短期間で扱える範囲と特定課題研究の形を意識します。経験は研究課題を発見した根拠として使うと説得力が増します。
社会人向け志望理由書は将来目標まで一本化する
勤務医を除く博士課程の社会人入学志望者は、関心分野、研究計画、将来目標をA4判に記載します。三項目を別々の作文にせず、実務上の問題から研究課題が生まれ、博士課程の方法で検証し、成果を将来の研究・行政・企業活動へ還元する流れにします。同時に提出する活動歴・業務内容の書類と重複しすぎないよう、志望理由書では経験の列挙より研究へ転換する論理を中心にします。
引用と文献は未解明点を支えるために使う
先行研究は数を誇るのではなく、既知と未知の境界を示すために使います。総説で分野全体を把握し、重要な原著論文で対象・方法・結果を確認します。対象集団や測定法が異なる研究をまとめて「未解明」と断定しないようにします。詳しい一般的な組み立て方は研究計画書の書き方7ステップ、文章化の型は研究計画書の例文とテンプレートも参照してください。
先行研究を比較表にして研究の空白を探す
文献を読み始める前に、検索語を研究対象、疾患・現象、方法、主要評価項目に分けます。最初は総説やガイドラインから分野の用語と代表的な論点を把握し、その後に原著論文へ進みます。読んだ順に要約するだけでは研究の空白が見えにくいため、著者・年、対象、研究デザイン、測定、主な結果、限界、自分の計画との関係を表にします。論文数ではなく比較可能な形で整理できたかを進捗の基準にしてください。
複数の研究を比べるときは、結果が異なる理由をすぐに「未解明」とまとめません。対象者の年齢や疾患段階、試料の種類、測定時点、統計調整、研究地域が異なれば、結果の差は設計の差から生じる可能性があります。北海道大学医学院で扱いたい問いは、こうした条件の違いを整理した後に置きます。先行研究の限界と自分の研究の必要性を一対一で対応させることが大切です。
文献の選択では、自分の仮説を支持する研究だけを集めないようにします。反対の結果を示す研究や、より大規模で精度の高い研究も読み、現在の証拠の強さを評価します。異なる結果があるなら、それ自体が研究課題になる場合がありますが、単なる再現を超えて、どの条件が差を生むかを検証する視点が必要です。研究計画は結論を守る文章ではなく問いを検証する文章です。
修士と博士で新規性の示し方を調整する
修士計画では、限られた期間で研究の基本過程を遂行できることが重要です。世界で誰も扱っていない壮大な問いを掲げるより、明確な対象と方法で、既存研究の条件を補う、別の集団で検討する、測定を改善するといった具体的な貢献を示します。医科学コースなら仮説検証、公衆衛生学コースなら情報分析から対策評価までのどこを担うかを明らかにします。小さくても結論まで到達できる問いを優先することが修士計画の強みになります。
博士計画では、複数年の研究を通じて学術領域を前進させ、英語基礎論文と博士論文へまとめる見通しが必要です。一つの問いを複数の研究段階に分け、予備的検討、主要な検証、結果の妥当性確認という流れを考えます。ただし、研究課題を三つ並べただけでは一貫性が見えません。共通する中心仮説と、各段階が次の段階に何を提供するかを示します。研究群を一つの論理で束ねる中心命題を置いてください。
新規性は「世界初」と書けば生まれるものではありません。新しい対象、新しい方法、新しい比較、新しい理論的説明、既存知見の臨床・社会的文脈での検証など、どこが既存研究と違うかを特定します。その差が医学・公衆衛生上なぜ意味を持つかまで説明します。確認できない最上級表現は避け、検索した文献範囲と公式に確認できる研究環境に基づいて、差分と意義を控えめかつ具体的に示すのが適切です。
研究倫理を対象別に具体化する
人を対象とする研究では、研究参加による負担と利益、説明と同意、撤回の機会、個人情報保護を検討します。診療録などの既存情報を使う計画でも、自由に利用できるわけではありません。誰がどの情報へアクセスし、どの段階で識別情報を分離し、どのように保存・廃棄するかを考えます。出願時点で手続の詳細が未確定なら、所属後に必要な倫理審査を経て研究を開始する工程を明記します。
遺伝情報や希少疾患、小規模集団の情報は、氏名を削除しても再識別の可能性が残る場合があります。法医情報、職場情報、地域情報なども同様に慎重な管理が必要です。計画書では「匿名化する」の一語で済ませず、研究目的に必要な情報を最小化し、公開する結果の粒度を考えます。データの価値と参加者の権利を同時に守る設計が求められます。
動物実験や遺伝子改変を伴う研究では、人を対象とする研究とは異なる承認や管理が関係します。具体的な手続は指導教室と大学の規程に従うため、受験者が外部から確定的に書くべきではありません。その代わり、代替法の可能性、使用数の妥当性、苦痛の軽減、研究者の訓練など、研究計画段階で考えるべき原則を理解しておきます。倫理は承認番号を得る作業ではなく方法選択の条件です。
事前照会後の修正履歴を管理する
指導予定教員との相談によって、対象、方法、研究規模が変わることがあります。変更前の原稿へ部分的に追記すると矛盾が残りやすいため、相談日、指摘、変更内容、変更理由、未確認事項を一覧にします。たとえばデータ利用が難しいと分かった場合は、方法だけでなく目的、期待される成果、工程も連動して直します。一か所の変更が計画全体へ与える影響を確認することが重要です。
修正後は、研究タイトル、目的文、主要評価項目、志望教室の四点を最初に照合します。タイトルが古い対象を含む、目的と主要評価項目がずれる、志望教室の説明が変更前の方法を前提にしている、といった不一致を防げます。完成稿には自分で版番号や日付を付け、出願書類、照会資料、口頭説明の準備に同じ版を使います。最新版を一つに決めるだけで書類間の矛盾を減らせます。
教員からの助言は研究計画を改善する重要な材料ですが、受験者自身が内容を理解して説明できなければなりません。用語、解析法、研究の限界について、なぜその選択をしたかを自分の言葉で答えられるか確認します。分からない点を曖昧な専門語で隠すのではなく、現時点の理解と入学後に習得すべき事項を区別します。助言を受けた計画を自分の研究課題として説明できる状態が必要です。
評価されにくい研究計画の共通点と改善策
研究科の射程外になっている
第一の問題は、医学・生命科学・公衆衛生学との接点が言葉だけになっている計画です。社会的に重要なテーマでも、医学院の教育課程と教室で扱う研究単位・方法につながらなければ、なぜこの学院なのかが伝わりません。改善するには、課程、コース、教室、学位成果を一つずつ照合します。大学名を別の大学に替えても成立する志望理由は再設計が必要です。
指導可能な教員・教室が見えない
第二の問題は、テーマに近い教員を公式一覧で確認していないことです。反対に、教員名だけを挙げ、その主要研究内容と自分の問いの接点を書かない計画も弱くなります。「○○教授の下で学びたい」ではなく、公式掲載の研究内容、自分が解く問い、必要な方法の順で説明します。人物への志望を研究上の適合へ翻訳することが改善の要点です。
方法が壮大すぎる、または抽象的すぎる
「網羅的に解明する」「新しい治療法を確立する」といった大きな目標だけでは、修士・博士の期間で何を検証するか分かりません。対象、比較、主要評価項目、解析法を置き、研究の終了条件を決めます。一方で、外部から利用できるデータや設備を断定するのも危険です。最小限の研究単位と発展的な展望を分けると、意義と実行可能性を両立できます。
先行研究の位置づけがない
先行研究がない計画は、新規性の根拠も方法選択の根拠も示せません。反対に文献要約が長すぎると、自分の問いが埋もれます。研究ごとの対象、方法、結果、限界を比較し、共通して残る未解明点を一文にします。その後に自分の方法がなぜ適切かを続けます。文献紹介の終点を研究目的の始点にするよう構成してください。
倫理とデータ管理が後付けになっている
患者、住民、遺伝情報、診療情報、法医情報などを扱う可能性がある医学院では、倫理は形式的な一文では足りません。研究対象に応じて、同意、匿名化、情報管理、利益と負担、必要な審査を考えます。申請前に詳細が確定しない場合は、指導教員と相談し、承認後に開始する工程を示します。倫理手続を研究開始前の工程として組み込むことが必要です。
志望動機・事前照会・研究計画が食い違う
書類ごとに別々の魅力的な話を作ると、一貫性が失われます。短い志望動機、詳しい研究構想、教員への照会文、口頭説明には同じ中心命題を使います。対象や方法が相談によって変わった場合は、最新版を一枚の要約に反映させて管理します。すべての資料で同じ問いに答える状態が理想です。
出願までの逆算スケジュールと事前照会
前期出願から逆算して準備する
令和9年度は、修士前期の出願が令和8年7月1日から6日、博士前期が7月7日から10日、試験日はともに8月18日です。年度により変わるため日付の丸暗記は避けますが、教員への事前照会、所定用紙の取り寄せ、証明書の準備を出願直前に集中させないことが重要です。研究構想は出願の半年前を目安に着手すると、文献調査と相談の時間を確保できます。
| 時期の目安 | 作業 | 完成条件 |
|---|---|---|
| 出願6〜8か月前 | 課程・コース確認、関心領域の文献探索 | 研究課題候補を三つ以内に整理 |
| 出願4〜6か月前 | 公式教員一覧と教室研究内容の照合 | 候補教室と接点を説明できる |
| 出願3〜4か月前 | 研究構想初稿、指導予定教員への事前照会 | 背景・目的・方法・工程の要約がある |
| 出願2〜3か月前 | 面談・照会内容を反映、所定用紙確認 | 実行条件とテーマ範囲が修正済み |
| 出願1か月前 | 志望動機・研究計画・証明書を点検 | 書類間の表記と内容が一致 |
| 出願後 | 筆記・口頭説明の準備 | 研究構想を短時間で根拠付き説明可能 |
事前照会は受入依頼だけでなく適合確認である
事前照会では、自己紹介、出願予定の課程・コース、これまでの学習・研究・実務、研究したい課題、公式掲載の研究内容との接点、相談したい事項を簡潔にまとめます。教員の連絡先をこの記事から転載することはしません。公式の教室ページで案内を確認し、不明なら医学院の担当窓口に確認してください。一方的に完成案を承認してもらう場ではなく実現性を確かめる場です。
添付資料を送る場合も、教室の案内や相手の指示に従います。初回から長大な原稿を送りつけず、研究構想を一ページ程度に要約して、詳しい資料の要否を尋ねる方法が考えられます。返信の速度や面談可否を推測せず、余裕をもって連絡します。研究室訪問が常に必要、または有利になるとは公式情報から断定できません。募集要項が求めるのは研究内容・研究計画の事前照会と確認です。
出願書類と試験対策を並行する
研究計画に時間を使いすぎて、課題論文、専門科目、外国語などの準備を後回しにしないようにします。既存記事で試験全体を確認し、週ごとの時間を研究構想、英語、専門、課題論文に配分します。研究計画の文献読解は英語対策や専門知識の補強にもなります。別々の対策を志望分野の文献で連動させると効率が上がります。
独力でテーマの絞り込み、文献の位置づけ、方法の具体化が難しい場合は、北海道大学大学院を含む大学院入試対策で第三者の指導を利用する方法もあります。ただし、最終的な研究内容と公式条件は自分で理解し、教員との事前照会に責任をもって臨むことが前提です。
提出直前は内容・形式・出典を分けて点検する
内容面では、目的と方法が対応しているか、志望コースと教室の選択理由が研究上の言葉で説明されているか、期間内に実行できるかを確認します。形式面では、所定用紙、A4判、字数、署名や記入欄など、該当年度の指示を一項目ずつ照合します。出典面では、教員氏名、所属、主要研究内容、カリキュラムの名称が最新の公式情報と一致するかを再確認します。三種類の点検を同時に行わず順番に実施すると、見落としを減らせます。
最後に、専門外の人が読んでも研究の対象と目的が分かるか、専門分野の人が読んでも方法に飛躍がないかを別々に確認します。声に出して読むと、長すぎる文、主語の欠落、同じ説明の繰り返しを発見できます。削った字数は、背景の一般論ではなく方法や実行可能性の説明に回します。読みやすさと専門性は対立せず論理の明確さで両立します。
口頭で三つの長さに説明できるようにする
研究構想は、30秒、3分、10分の三つの長さで説明する練習をします。30秒版では、対象、問い、方法、意義を一文ずつ述べます。3分版では、未解明点と志望教室との接続を加えます。10分版では、先行研究、対象選択、主要評価項目、倫理、工程、限界まで説明します。長い説明から削るのではなく、各時間で聞き手が理解すべき中心情報を決めます。短くしても研究の問いと方法の対応を残すことが重要です。
練習では、用意した文章を暗唱するだけでなく、「なぜその対象なのか」「別の方法ではいけないのか」「データが得られない場合はどうするか」「結果が仮説と反対なら何が分かるか」と自分に問いかけます。公衆衛生学コース1年コースの口述試験について、公式情報にない質問内容を予想して覚えるのではなく、研究上の選択を説明できる力を整えます。想定外の質問には根拠と不確実性を分けて答える姿勢が有効です。
専門用語を使う場合は、同分野の教員には正確に、異なる分野の教員にも研究の意義が伝わる表現を準備します。略語は最初に正式名称を示し、手法名を答えとして使わず、その手法で何を測定・比較できるかを説明します。分からないことを推測で埋めず、現時点で確認できている範囲と、入学後に指導の下で検討する範囲を区別します。説明の明快さは研究計画への理解度を映します。
出願後も公式情報の更新を確認する
出願書類を提出した後も、試験会場、実施方法、教員配置などに案内が出ていないか公式サイトを確認します。研究計画の基礎にした教員一覧も、公開日や更新表示を見てください。変更を見つけた場合に自己判断で提出済み書類を差し替えられるとは限らないため、募集要項の規定と大学の案内に従います。更新確認と無断の書類変更は別の行為として扱う必要があります。
自分用の研究構想は、提出時点の版を保存したうえで、追加で読んだ文献や事前照会後の確認事項を別に記録します。試験準備では提出版との一貫性を保ちつつ、研究分野への理解が深まった点を説明できるようにします。提出後に考えが発展すること自体は自然ですが、中心目的が変わるほどの修正が必要になった場合は、その理由と影響を整理してください。提出版を基準に学びの更新を積み重ねると混乱を防げます。
よくある質問(FAQ)
北海道大学大学院医学院の修士課程では研究計画書が必要ですか
令和9年度の医科学専攻修士課程では、全員共通の出願書類として独立した「研究計画書」は列挙されておらず、所定用紙の「志望の動機」を提出します。ただし、出願前に指導予定教員へ詳細な研究内容・研究計画を照会・確認する必要があります。提出書類名が違っても研究構想の準備は必要です。
博士課程で2,000字程度の研究計画が必要なのは誰ですか
令和9年度要項では、博士課程の一部の出願資格審査対象者に「これからの研究課題及び研究計画」をA4判用紙で2,000字程度提出するよう求めています。全ての博士一般受験者に共通する条件ではありません。自分の出願資格番号と提出書類欄を照合してください。
志望の動機と研究計画はどう書き分けますか
志望の動機は、これまでの経験、問題意識、北海道大学医学院と志望教室を選ぶ理由、将来像を中心にします。研究計画は、先行研究、未解明点、目的、方法、成果、工程を詳しくします。両者の中心となる研究課題は一致させ、志望動機では「なぜ」、研究計画では「どう検証するか」の比重を高めます。
指導予定教員への事前照会は必要ですか
はい。令和9年度の修士・博士募集要項は、出願に先立ち志望教室の指導予定教員へ詳細な研究内容・研究計画を事前に照会・確認するよう明記しています。連絡方法や必要資料は教室ごとに公式案内を確認し、余裕をもって行動してください。
医科学コースと公衆衛生学コースはどう選びますか
生物学的な仮説を実験・調査で検証する計画は医科学コース、集団の健康課題を情報収集・分析し、対策の立案・評価につなげる計画は公衆衛生学コースとの接続を検討します。対象名だけではなく、分析単位、方法、学位成果で判断します。公衆衛生学コースでは社会医学講座の教室に所属する点も確認してください。
教員名は志望動機や研究計画に書くべきですか
様式の設問と事前照会の結果に従ってください。記載する場合は、最新の公式一覧で氏名と所属を確認し、教員名だけでなく公開された主要研究内容と自分の課題との接点を説明します。教員名の記載自体が評価を保証するものではありません。
研究テーマは入学後に変更できますか
研究は相談や予備的検討で修正されることがありますが、変更可能性を前提に曖昧な計画を出すべきではありません。出願時点で根拠のある問いと実行可能な方法を示し、変更が必要になった場合は指導教員の下で、学位方針と修了期間に整合する形へ調整します。
医学部以外の出身者でも医科学専攻修士課程に出願できますか
公式の修士課程受験案内では、学士の学位を有する人等が出願資格として示され、医学部出身者だけに限定されていません。ただし個別の資格条件、公衆衛生学1年コースの実務経験条件、出願資格審査の要否は異なります。詳細は最新の募集要項実物で確認してください。
まとめ|医学院の教育と教室に接続する研究計画を作る
北海道大学大学院医学院の研究計画対策で最も大切なのは、一般的なテンプレートから書き始めるのではなく、自分の課程・出願区分の公式仕様を確定することです。修士の「志望の動機」、博士の一部の出願資格審査における2,000字程度の研究計画、社会人向け志望理由書では、名称も条件も異なります。公式様式、コース、教室、修了成果を一本の論理でつなぐことが完成基準です。
- 修士一般出願では独立した研究計画書ではなく所定用紙の「志望の動機」を提出する
- 博士の一部の出願資格審査ではA4判2,000字程度の研究課題・研究計画が必要になる
- 修士・博士とも出願前に指導予定教員へ研究内容・研究計画を照会・確認する
- 医科学・公衆衛生学、基盤・臨床・社会医学の違いを対象と方法から判断する
- カリキュラムと修了要件から、研究規模、倫理、統計、成果の形を逆算する
- 教員情報は最新の公式HTMLで氏名・所属・主要研究内容を同時に確認する
- 先行研究、実行条件、工程を整え、志望動機と口頭説明を一貫させる
テーマが広い段階では、まず対象、未解明点、方法、得たい知見を一文にし、公式教員一覧で候補教室を探してください。その後、指導予定教員への事前照会を通じて実行可能性を確かめます。募集要項・出願書類の様式・教員の配置は年度により変わるため、出願前に必ず最新の公式情報で確認してください。研究計画は提出直前の作文ではなく志望先との適合を検証する工程です。
独学での対策に不安がある場合は、専門の指導を活用するのも一つの方法です。第三者の添削を受ける際も、公式情報との一致、研究上の根拠、自分自身が説明できる内容かを最後に確認し、事前照会と選考に備えましょう。
書き上げた研究計画書、そのまま出して大丈夫ですか?
研究職キャリアを持つ講師が、テーマ設定・先行研究の位置づけ・研究方法まで、出願レベルに届いているかを個別に確認します。
- 研究職の講師が研究計画書を添削し、改善点を明確化
- 相談後に、志望校の出題傾向と学習ロードマップをまとめた個別フィードバックレポートをお渡し
- 志望校が決まっていなくてもOK
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