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名古屋大学大学院経済学研究科の研究計画書の書き方|専攻・カリキュラム・教員の研究分野から逆算する

名古屋大学大学院経済学研究科の研究計画書では、興味のある社会問題を語るだけでなく、学術的な問題意識、これまでの学習、入学後の研究方法、希望指導教員との適合性を一つの筋道にまとめることが重要です。2027年度一般選抜からはコース制が導入され、研究者養成コースの志願者は研究計画書、高度専門人養成コースの志願者は学修計画書を提出します。両コースを併願する場合は、二つの書類を別々の目的に合わせて作らなければなりません。
名古屋大学大学院経済学研究科の研究計画書とは、修士課程で解く問いと、その問いを経済学・経営学の研究として検証する道筋を示す出願書類です。所定用紙を埋める作文ではありません。専攻、コース、教員、方法の四つを整合させる設計図と考えると、準備の順序が見えてきます。社会経済システム専攻と産業経営システム専攻では教員の専門分野が異なり、研究者養成コースと高度専門人養成コースでは書類が評価される文脈も異なります。
書き上げた研究計画書、そのまま出して大丈夫ですか?
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本記事は、出願資格や試験科目、倍率を網羅する記事ではありません。それらは名古屋大学大学院経済学研究科の外部院試解説に譲り、ここでは公式の2027年度募集要項、所定様式、教員紹介を土台に、テーマを研究科へ接続する方法を解説します。募集要項・出願書類の様式・教員の配置は年度により変わるため、出願前に必ず最新の公式情報で確認してください。
結論を先に言えば、書く順序は「志望理由を考える→文章を整える」ではありません。公式様式の指定を読み、専攻とコースを仮決定し、先行研究から問いを作り、使える資料を確認し、最後に教員分野へ照合します。この順序なら、教員名に合わせてテーマを後付けしたり、入手できないデータを前提にしたりする失敗を減らせます。文章力より前に研究の部品をそろえることが、限られた字数を生かす近道です。
名古屋大学大学院経済学研究科で研究計画書はどう扱われるか
最初に確認すべきなのは、自分がどのコースを志望し、どの書類を提出するかです。2027年度の一般選抜では、研究者養成コースと高度専門人養成コースが設けられています。名称が似た一枚の書類を全員が出すのではなく、コースによって研究計画書と学修計画書を使い分ける仕組みです。
| 志望形態 | 提出書類 | 主な記載内容 | 日本語の分量 |
|---|---|---|---|
| 研究者養成コース | 研究計画書 | 研究テーマ、これまでの学習状況、これからの研究計画、希望指導教員との適合性 | 学習状況と研究計画を各1000字程度 |
| 高度専門人養成コース | 学修計画書 | これまでの学習状況、博士前期課程で学びたい内容、修了後のキャリアプラン | 各項目700字程度 |
| 両コースを併願 | 研究計画書と学修計画書 | 上記双方を、それぞれの目的に合わせて記載 | 両様式の指定に従う |
研究者養成コースの研究計画書
公式の2027年度募集要項では、研究テーマを明記し、学術的な問題意識を明確にしながら、「これまでの学習状況」と「これからの研究計画」をそれぞれ日本語1000字程度、または英語400語程度で記述するとされています。研究計画には、希望する指導教員の研究分野と研究アプローチとの適合性も含めます。所定用紙は2ページです。
ここでいう学術的な問題意識は、「地域経済を良くしたい」「企業の生産性を高めたい」という願望だけでは足りません。既存研究が何を明らかにし、何がまだ分かっていないのかを示し、その空白に答える問いへ変換する必要があります。社会的な関心を検証可能な研究上の問いへ狭めることが、計画書の出発点です。
「これまでの学習状況」と「これからの研究計画」は、過去と未来に分かれた欄ですが、評価上は連続しています。過去欄で統計学を履修したと書くなら、未来欄ではその基礎をどの分析へ使うかが読み取れるようにします。卒業論文で企業史料を扱ったなら、史料批判や比較の経験を今回の計画へつなげます。反対に、未来欄で高度な分析を掲げるのに、過去欄にも入学後の学修計画にも準備が見えなければ、実行可能性が弱く見えます。
二つの欄をつなぐには、現在できること、まだできないこと、大学院で身につけることを三列で整理します。弱点を隠す必要はありません。何が不足しているかを正確に認識し、補う教材や授業領域を具体化できれば、計画的に研究へ移行できることが伝わります。学習歴は研究計画の実行可能性を支える証拠として選択してください。
高度専門人養成コースの学修計画書
学修計画書は、研究テーマの独創性だけを競う書類ではありません。これまでの学習状況、博士前期課程で学びたい内容、修了後のキャリアプランを各日本語700字程度、または英語300語程度で書きます。大学院で何を修得し、それを実務や社会の課題解決へどうつなげるかという連続性が中心です。
ただし、「経営を幅広く学びたい」という抽象的な希望では、なぜ名古屋大学でなければならないかが伝わりません。現状の能力や実務上の課題を具体化し、それを分析するために必要な理論、方法、授業領域を挙げます。現在地と修了後を学修内容で橋渡しするのが学修計画書の役割です。
キャリアプランは職種名だけで終わらせず、修了後に担う判断や課題を言葉にします。例えば「コンサルタントになる」ではなく、どのような組織課題を、どの理論と分析能力を用いて診断したいかまで具体化します。現職へ戻る場合も、昇進や転職の希望より、大学院で得た能力をどの意思決定へ適用するかを書きます。
学びたい内容を具体化するときは、公式に確認していない科目名を推測で並べず、研究科が掲げる経済学・経営学の領域と指導体制に基づいて表現します。履修科目は入学年度に変わる可能性があるからです。変わりやすい科目名より獲得したい能力を中心にすると、制度変更にも耐える計画になります。
口述試験の質問源になる
研究計画書は出願時の審査資料で終わりません。第二次の口述試験では、研究者養成コースの志願者に対して研究計画書と関連する経済学・経営学の知識が問われ、研究に必要な外国語能力を確認される場合もあります。高度専門人養成コースでは、学修計画書に基づいて学習状況、今後の学習意欲、研究指導への適応力、コミュニケーション能力が確認されます。
したがって、背伸びした専門用語や説明できない方法を書き込むのは危険です。各段落について「なぜその問いなのか」「なぜその方法なのか」「その概念をどう定義するか」と聞かれても答えられる状態にします。書類と口頭説明を同じ論理でそろえることが、提出前の重要な確認事項です。
2専攻・2コースの構造から研究計画書の方向を決める
研究計画書を書き始める前に、テーマがどの専攻に属し、どのコースの目的に合うかを決めます。名古屋大学大学院経済学研究科の博士前期課程には、社会経済システム専攻と産業経営システム専攻があります。一般選抜では専攻を一つ選択するため、テーマ名だけでなく、中心となる理論と分析単位から判断することが大切です。
| 専攻 | 公式教員一覧から見える主な領域 | 研究対象の例 | 計画書で明確にする点 |
|---|---|---|---|
| 社会経済システム専攻 | マクロ経済学、計量経済学、金融論、公共経済学、経済史、政治経済学、国際・開発経済学など | 家計、企業、産業、市場、政策、国際経済、歴史的制度 | 経済学の理論、制度的背景、データと識別方針 |
| 産業経営システム専攻 | 財務会計、管理会計、経営組織論、経営戦略、生産管理、マーケティング・サイエンスなど | 企業、組織、職場、会計情報、生産システム、消費者 | 分析単位、経営学上の概念、資料・調査方法 |
社会経済システム専攻に接続しやすい問い
社会経済システム専攻には、理論・応用経済学だけでなく、経済史、政治経済学、金融、公共、国際、開発などの領域があります。例えば物価上昇への関心は、そのままでは広すぎます。金融政策と企業価格設定の関係、特定期間の家計消費への影響、地域間の差といった形に対象を限定し、利用する統計と分析方法を対応させる必要があります。
歴史研究でも「過去を調べる」にとどめず、時期、地域、制度、資料群を限定します。実証研究なら、結果を生む仕組みと観察可能な変数を区別します。対象ではなく問いと方法が専攻適合を決めるため、「地方企業」を扱うから経営学、「政策」を扱うから経済学と単純に分類しないでください。
政策効果を扱うテーマでは、政策実施後に数値が変化したという前後比較だけで結論を出さない設計が求められます。政策がなくても起きた変化、同時期の別要因、対象になった地域や企業の選ばれ方を考えます。計画書の段階で完全な識別戦略を完成できなくても、単純な相関と因果を区別し、比較対象をどう置くかを説明できれば、方法への理解が伝わります。
理論研究を志す場合も、現実の問題を数式化するとだけ書くのでは足りません。どの主体が、どの情報と制約の下で意思決定し、既存モデルのどの仮定を拡張するのかを示します。実証では比較、理論では仮定を明らかにすることが、問いを研究可能な形へ変える基本です。
産業経営システム専攻に接続しやすい問い
産業経営システム専攻では、企業や組織の意思決定、会計情報、生産、戦略、マーケティングなどへ焦点を当てられます。例えば人的資源への関心を扱う場合、従業員満足度の一般論ではなく、特定の人事施策が組織行動や成果へ及ぼす仕組みを問います。会計なら、制度や開示情報が誰の判断にどう影響するかを明確にします。
企業の成功事例を紹介するだけでは研究になりません。比較対象、データ、概念の測定、反証可能性が必要です。ケース研究を選ぶなら、なぜその事例が問いに答えるうえで適切なのかを説明します。企業紹介から理論的な説明へ一段深めることが研究計画書の質を左右します。
経営研究では分析単位の混同にも注意します。個人の意識を測るデータから組織全体の能力を直接結論づけたり、一社の意思決定から産業全体を説明したりすると、問いと証拠の水準がずれます。個人、チーム、事業部、企業、企業間関係のどれを分析するのかを決め、資料の単位もそろえます。
ケース研究には、典型例、極端例、決定的事例、比較事例など、選ぶ理由があります。「身近で協力を得やすい企業だから」だけでなく、その事例を観察すると理論上の何を検討できるかを述べます。事例の選定理由が研究結果の意味を決めるため、アクセス可能性と学術的理由の両方を示してください。
研究者養成と高度専門人養成を分ける
研究者養成コースは、博士後期課程への進学や、博士号を要件とする研究者・専門職キャリアを念頭に置きます。1名の指導教員による研究指導を受け、修士論文を完成させます。このため研究計画書では、先行研究の中の位置づけ、理論的な問い、方法の妥当性、研究を発展させる可能性が重くなります。
高度専門人養成コースは、修了後に社会・実務で活躍することを志向し、複数教員によるチーム制で研究指導を受けます。学修計画書では、職務経験や学部での学びを棚卸しし、不足している分析能力と大学院で学ぶ内容を対応させます。コース名ではなく修了後の目的から選ぶと、書類の主張がぶれにくくなります。
カリキュラムと修了要件から求められる研究の型を逆算する
計画書の実現可能性は、入学後の教育課程と照合して判断します。2027年度募集要項によれば、両コースとも講義・演習で30単位以上を修得し、必要な研究指導を受け、修士論文に合格することが修了要件です。授与される学位はいずれも修士(経済学)です。つまり、実務志向のコースでも最終成果は修士論文であり、単なる資格取得計画や授業の受講希望では不十分です。
30単位と修士論文を同時に進められる規模にする
修士課程では、授業で理論と方法を学びながら、演習で研究を進めます。計画書では壮大な問題を掲げるより、限られた期間に資料を入手し、分析し、論文としてまとめられる問いへ絞るべきです。全国の全産業を対象に長期変化を完全に説明する計画より、期間、地域、産業、制度変更などを限定した計画の方が検証可能です。
実現可能性を確認するには、データ入手、分析技能、倫理的配慮、調査協力、時間の五点を点検します。企業内部資料や多数の経営者への面接を前提にする場合は、アクセスできなかったときの代替資料も考えます。修士論文まで完了できる最小の問いを置くことは、テーマを小さく見せるのではなく、研究遂行力を示す行為です。
二年間の工程を、準備、収集、分析、執筆の四段階に分けると、無理が見えます。準備には研究倫理上の手続やデータ利用申請も含みます。収集開始が遅れる資料を使うなら、申請中に進められる文献レビューや予備分析を置きます。分析方法を新しく学ぶ場合は、習得と本分析を同時進行にせず、練習用データで検証する期間も必要です。
計画書では細かな月次予定をすべて書けなくても、作業の依存関係を理解しておきます。データ取得前に変数定義と仮説を整理し、インタビュー前に先行研究から質問項目を導くといった順序です。工程の順序が説明できれば実行可能性が高まるため、研究内容とスケジュールを別物にしないでください。
研究者養成コースは一人の指導教員との接続を深くする
研究者養成コースは1名の指導教員による研究指導が明記されています。志願時には受入可能教員リストから第1希望と第2希望を記入します。そのため、専門分野が近いというだけでなく、自分の問いに必要な理論や研究アプローチが接続するかを調べる必要があります。
教員名を計画書に置くだけでは適合性の説明になりません。「〇〇を専門とする教員だから希望する」から一歩進み、自分の問いのどの部分がその研究分野と重なるのか、どの方法を学ぶ必要があるのかを書きます。人物への志望ではなく研究上の接点を示すのが安全で説得的です。
高度専門人養成コースは複数領域の学びを課題へ統合する
高度専門人養成コースでは複数教員によるチーム制の研究指導が行われます。学修計画書では一人の教員への適合だけを強調するより、解決したい課題と必要な学問領域を整理します。例えば事業投資の意思決定を扱うなら、ファイナンス、会計、戦略のどの知識が現在不足しているかを分けて示せます。
複数領域を挙げる場合も、科目カタログの羅列にしません。一つの課題を中心に据え、各領域が何を補うかを説明します。修了後の役割までつなげれば、学ぶ内容が目的に従属します。課題、学修、成果、キャリアを一本の線にすることが学修計画の骨格です。
専攻別に見る教員の研究分野マップ
教員選びでは、最初から著名な一人に絞るのではなく、公式教員一覧を専攻別・分野別に見ます。以下は、2026年8月に取得できた名古屋大学経済学研究科の公式教員紹介に掲載された表記から、代表例を抜粋したものです。専門分野の文言は公式表記に合わせています。
代表例のうち、社会経済システム専攻の篠田和彦准教授について、公式掲載の専門分野は計量経済学です。
| 専攻 | 教員 | 公式掲載の専門分野 | テーマ接続を確認する観点 |
|---|---|---|---|
| 社会経済システム | 植村優貴 | マクロ経済学 | 集計量や景気変動を扱う問いか |
| 社会経済システム | 篠田和彦 | 計量経済学 | データから関係を推定する方法が中心か |
| 社会経済システム | 清水克俊 | 金融論 | 金融機関・金融市場・資金配分に接続するか |
| 社会経済システム | 玉井寿樹 | 公共経済学 | 政策や公共部門の分析か |
| 社会経済システム | 田村彌 | 情報の経済学 | 情報の偏りや戦略的行動を扱うか |
| 社会経済システム | 花薗誠 | 産業組織論 | 企業行動と市場構造の関係か |
| 社会経済システム | 萬行英二 | 開発経済学 | 開発課題を経済学的に検証するか |
| 社会経済システム | 柳瀬明彦 | 国際経済学 | 貿易・国際的相互依存に接続するか |
表の最後の列は、公式が個別テーマへの指導可否を保証するものではなく、志願者が確認すべき問いです。例えば計量経済学の教員が掲載されていても、あらゆるデータ分析テーマを指導できるとは限りません。一覧は候補を絞る入口として使うのが適切です。
| 専攻 | 教員 | 公式掲載の専門分野 | テーマ接続を確認する観点 |
|---|---|---|---|
| 産業経営システム | 浅見裕子 | 財務会計 | 外部報告や会計情報の利用を扱うか |
| 産業経営システム | 犬塚篤 | 経営組織論 | 組織構造や組織内関係に焦点があるか |
| 産業経営システム | 尾関規正 | 会計学 | 会計現象を中心に問いを立てているか |
| 産業経営システム | 木村彰吾 | 管理会計 | 組織内部の計画・統制・意思決定か |
| 産業経営システム | 中島英喜 | ファイナンス | 企業金融や投資判断に接続するか |
| 産業経営システム | 樋野励 | 生産管理、生産システム | 生産活動や工程の管理が中心か |
| 産業経営システム | 宮崎正也 | 経営戦略 | 競争・資源配分・事業選択を扱うか |
| 産業経営システム | 山口景子 | マーケティング・サイエンス | 消費者・市場データを分析する問いか |
教員候補を三段階で調べる
第一段階では公式教員一覧で、志望専攻に自分の中心分野があるかを確認します。第二段階ではリンクされた名古屋大学研究者総覧を開き、現在の研究課題、論文題目、使用している方法を読みます。第三段階では、自分の問い、理論、データ、方法のうち、どこが一致し、どこを入学後に学ぶ必要があるかをメモします。
論文題目に同じ対象語があるだけで適合と判断しないでください。対象が同じでも、経済史の史料分析と計量経済学の因果推論では研究アプローチが異なります。逆に対象が違っても、同じ理論や方法を応用できる場合があります。対象・問い・理論・方法を分けて照合すると、表面的な一致を避けられます。
候補表には、教員名、公式専門分野、自分のテーマとの接点、近年の研究で使われる資料・方法、確認が必要な点を記録します。このとき公式一覧の専門分野と、自分が論文から読み取った内容を混ぜないでください。計画書で事実として示すのは公式に確認できる範囲にとどめ、自分のテーマへの接続は志願者自身の判断として書き分けます。
第2希望は、第1希望が不在の場合の名前埋めではありません。自分の研究を異なる角度から支える分野を検討します。ただし二人の専門が離れすぎ、どちらに合わせても別の計画になるなら、中心質問がまだ定まっていない可能性があります。二候補に共通する研究の核を言えるかを確認してください。
教員名を計画書に書くときの範囲
研究者養成コースの研究計画では、希望指導教員の研究分野と研究アプローチとの適合性を書くことが公式に求められます。適合性は、「〇〇先生のもとで学びたい」という敬意の表明ではなく、「本研究は〇〇という問いを△△の方法で検討するため、公式に□□を専門分野とする教員の研究領域と接続する」という形で説明します。
指導可能性は、一覧掲載だけでは確定しません。受入可能教員リストと最新の案内を確認し、大学が案内する手続に従います。教員の所属や研究分野は年度により変わるため、出願前に必ず最新の教員一覧ページで確認してください。
書き上げた研究計画書、そのまま出して大丈夫ですか?
研究職キャリアを持つ講師が、テーマ設定・先行研究の位置づけ・研究方法まで、出願レベルに届いているかを個別に確認します。
- 研究職の講師が研究計画書を添削し、改善点を明確化
- 相談後に、志望校の出題傾向と学習ロードマップをまとめた個別フィードバックレポートをお渡し
- 志望校が決まっていなくてもOK
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自分の研究テーマが研究科に合うか判定する手順
テーマ適合は、大学名の魅力や研究対象の一致だけでは判断できません。次の順序で、問いから教員までを一枚の対応表にします。途中でつながらない箇所があれば、テーマを狭めるか、専攻・方法を再検討します。
- 関心のある現象を一文で書く
- 先行研究を読み、未解明点を一つ選ぶ
- 研究質問を疑問文にする
- 中心となる理論・概念を定める
- 必要なデータや資料を特定する
- 分析方法と実行可能性を確認する
- 専攻と教員分野に照合する
- 修士論文としての成果を定義する
関心を研究質問へ変換する
最初は「地域の衰退」「企業のDX」「物価」「人的資源」などの関心で構いません。ただし計画書に入れる前に、主体、時期、場所、説明したい結果を限定します。「DXは中小企業の生産性を高めるか」から、「特定産業の中小企業におけるデジタル投資と生産性の関係は、組織能力によってどう異なるか」のように、比較できる問いへ進めます。
次に、その問いがすでに答えられていないかを確認します。先行研究の結論を並べるのではなく、対象、データ、方法、結果の違いを表にすると不足が見えます。未解明点は読書の量ではなく比較から見つけるものです。一般的な進め方は研究計画書の例文・テンプレート集も参考になります。
データと方法を先に現実化する
経済学・経営学の計画では、方法名を書くことより、何を観察して問いに答えるかが重要です。公的統計を使うなら、必要な変数、単位、期間、公開範囲を確認します。企業データなら利用条件を調べます。質問紙やインタビューなら、対象者へのアクセス、質問設計、同意、匿名化を考えます。史料研究なら所蔵場所と閲覧可能性を確認します。
「回帰分析を行う」「インタビューをする」だけでは、問いとの関係が不明です。説明したい結果、原因と考える要因、交絡しうる要因、比較の設計を言葉で説明します。方法は専門用語より問いへの役割を説明すると、口述試験でも答えやすくなります。
公開データを使う場合は、実際に配布ページを開き、観測単位、調査頻度、利用可能年、欠損、個票利用の条件を確認します。「政府統計を使う」とだけ書いても、必要な変数が同じデータ内に存在しなければ分析できません。企業開示資料の場合は、企業間で定義が統一されているか、過去年度まで取得できるかを見ます。
独自調査をする場合は、回答者数の目標より先に、母集団、募集方法、質問項目が概念を測れるかを考えます。インタビューでは録音、文字起こし、匿名化、分析手順まで見通します。資料を入手した後の処理まで方法に含めると、計画が作業可能な水準になります。
専攻・コース・教員を同時に照合する
研究質問ができたら、専攻と教員を別々に選ばず、一つの表で評価します。社会経済システム専攻と産業経営システム専攻のどちらに主要な理論領域があるか、研究者養成か高度専門人養成か、公式一覧に関連分野の教員がいるかを確認します。
| 判定項目 | 確認できた状態 | 見直しが必要な状態 |
|---|---|---|
| 研究質問 | 対象と説明したい関係が一文で言える | 社会問題の重要性だけを述べている |
| 先行研究 | 既知と未解明を区別できる | 文献の要約が並ぶだけ |
| 方法 | 資料、変数、比較方法が具体的 | 分析名だけでデータが未確認 |
| 専攻 | 中心理論が教員分野と対応する | 対象語だけで専攻を選んだ |
| コース | 修了後の目的と指導体制が合う | 難易度の想像だけで選んだ |
| 実行可能性 | 代替資料と作業範囲がある | 非公開資料や大規模調査が前提 |
六項目のうち一つでも説明できないなら、文章表現を整える前に設計へ戻ります。特に、教員分野と方法の不一致は、言い回しでは解消できません。書けない箇所は調査不足か設計の空白だと捉え、根拠を追加してください。
経済学テーマの仮説と変数を点検する
経済学の実証テーマでは、研究質問を仮説へ変え、仮説を観察可能な変数へ落とす作業が必要です。例えば「支援策が企業成長を促す」という仮説なら、支援策への参加を何で捉え、企業成長を売上、雇用、生産性のどれで測るかを決めます。同じ「成長」でも指標によって意味が違うため、先行研究の定義と利用可能なデータを照合します。
次に、比較する集団を考えます。支援を受けた企業と受けていない企業には、もともとの規模や意欲に違いがあるかもしれません。政策の前後にも景気や産業構造の変化があります。計画書では、こうした別の説明を認識し、どの比較で影響を切り分けたいかを書きます。高度な推定法の名称を並べるより、何と何を比べれば問いに近づけるかを明確にする方が、方法の理解を伝えられます。
マクロデータを使う場合は時系列の長さや制度変更、地域データを使う場合は地域単位の違い、企業データを使う場合は生存企業だけが残る偏りにも注意します。すべてを解決する必要はありませんが、主要な限界を挙げ、結論の範囲を限定します。仮説、変数、比較、限界の四点を一枚にまとめると、研究質問と方法のずれを発見できます。
経営学テーマの概念と分析単位を点検する
経営学のテーマでは、「組織能力」「エンゲージメント」「イノベーション」「企業文化」のような広い概念を、そのまま観察できるものとして扱わないことが重要です。先行研究が概念をどの要素に分け、質問項目、行動、制度、文書などの何を証拠としているかを確認します。同じ語でも研究領域によって定義が異なるため、採用する定義と理由を示します。
分析単位も固定します。従業員個人への質問紙で個人の認識を測るのか、複数回答を集約して部署の特徴を測るのか、企業の制度を開示資料で測るのかによって、主張できる範囲が変わります。個人レベルの関連から企業業績への効果を直接断定しないよう、問い、データ、結論の単位をそろえます。概念の定義と分析単位は研究の土台であり、調査開始後に簡単には変更できません。
ケース研究なら、出来事の時系列と代替説明を整理します。戦略変更の後に業績が改善しても、市況、競合撤退、為替など別の要因がありえます。社内文書、公開資料、複数の関係者への聞き取りなど、異なる資料を突き合わせる方針を置きます。一般化を急がず、その事例から理論のどの仕組みを詳しく観察できるかを成果として示します。
所定様式に合わせた研究計画書・学修計画書の書き方
所定様式にはページと字数の制約があります。長い一般論を削り、各段落に一つの役割を持たせます。研究者養成コースの計画書は、これまでの学習状況とこれからの研究計画が各1000字程度です。研究計画側には、問題意識、先行研究、問い、方法、教員との適合性を密度高く配置します。
研究テーマは対象と問いが伝わる題名にする
テーマ欄には「日本経済について」「マーケティングの研究」のような分野名を書かず、対象、関係、文脈が伝わる仮題を置きます。結論を先取りする必要はありません。「何が何にどう関係するか」「どの制度変化をどの資料で検討するか」が読み取れる題名を目指します。
題名を決めたら、本文の研究質問と一致するか確認します。本文で扱わない概念を題名へ盛ると、範囲が広く見えます。題名は研究の境界線を示す短い要約です。最終稿では、重要語の定義と分析対象が本文内にすべて登場する状態にします。
これまでの学習状況は研究準備の証拠にする
履修科目や卒業論文を時系列に列挙するだけでは、研究計画との関係が弱くなります。どの授業や読書から問題意識を得たか、どの理論・統計・語学・資料読解の基礎を身につけたか、現在どの不足を補っているかを書きます。異分野出身者なら、経済学・経営学の基礎をどう学び直しているかが重要です。
卒業論文が計画と異なる分野でも、調査設計、文献検索、データ処理、論証の経験を接続できます。社会人なら職歴の説明を長くするのではなく、実務で見えた課題を学術的な問いへ変えた過程と、分析に必要な学習を示します。経歴は研究を遂行できる根拠として選ぶと、限られた字数を有効に使えます。
これからの研究計画は六つの要素で組む
研究計画の1000字程度には、背景と問題意識、先行研究と不足、研究質問、方法と資料、期待される意義、希望指導教員との適合性を配置します。均等配分ではありません。背景を短くし、問いと方法に字数を使います。先行研究は著者名の羅列ではなく、計画を必要とする論理を作ります。
| 要素 | 書く内容 | 避けたい書き方 |
|---|---|---|
| 背景 | 研究対象と問題が生じる文脈 | 社会的重要性を長く訴える |
| 先行研究 | 分かっていることと残る課題 | 文献を一冊ずつ要約する |
| 研究質問 | 計画が答える一つの中心的な問い | 目的を三つ以上並列する |
| 方法 | 資料、対象、期間、比較・分析手順 | 方法名のみを置く |
| 意義 | 既存研究へ加える知見 | 社会を変えると大きく断定する |
| 適合性 | 教員の公式分野・アプローチとの接点 | 有名だから、立地が良いからと書く |
文章は「背景→しかし未解明→そこで問う→この資料と方法で検討→この知見を加える」という因果でつなぎます。一段落ごとに次の段落が必要になる論理を作ると、短い字数でも説得力が出ます。
各要素を書いた後は、接続語を消しても論理が分かるか確認します。「しかし」の前後が本当に対立しているか、「そこで」の後の問いが先行研究の不足に答えているか、「このため」の後の方法が問いを検証できるかを点検します。接続語だけで関係を作っている文章は、根拠が抜けていることがあります。
引用する研究は、テーマの近さだけでなく、計画内の役割で選びます。概念を定義する研究、主要な結論を示す研究、異なる結果を示す研究、方法上の基礎となる研究を区別します。一つの文献に一つの論理的役割を与えると、少ない字数でも先行研究の地図が伝わります。
学修計画書は三つの指定項目を往復させる
高度専門人養成コースでは、これまでの学習状況、学びたい内容、キャリアプランを独立した作文にしないことが大切です。まず現在の知識・技能と課題を示し、次に課題を解くために学ぶ理論・方法を述べ、最後に修了後の役割でどう使うかを示します。
例えば、実務経験から企業の投資判断に課題を感じたなら、経験談だけで終えず、会計情報、ファイナンス、意思決定を分析する能力の不足を特定します。そのうえで大学院での学修内容と修士論文の方向を述べます。経験を学問へ、学問を将来の実践へ接続することで、三項目が一つの計画になります。
1000字程度へ圧縮する編集手順
内容をそろえた後は、指定字数へ圧縮します。第一稿では字数を気にせず、各段落の結論と根拠を書きます。第二稿で、一段落一主張になるよう並べ替えます。第三稿で、一般的な社会背景、同じ意味の言い換え、研究への熱意だけを表す文を削ります。最後に、削った結果として主語や比較対象が消えていないか確認します。
背景は、問いを理解するために必要な範囲へ限定します。ニュースで知られた問題でも、社会全体への影響を長く説明するより、研究対象となる制度や期間を示します。先行研究は、文献数を誇示せず、結論のまとまりと不足を示します。方法は削りすぎず、資料、対象、比較の三点を残します。削る優先順位は背景、重複、抽象的な意気込みです。
一文が長い場合は、接続関係を見直します。「〜であり、〜であり、〜ため」と情報を重ねず、事実、解釈、計画を分けます。専門用語には短い定義を添え、一般語に置き換えると意味が変わる語だけを残します。所定様式へ貼り付けた後は、改ページ、見出し、氏名欄、研究テーマ欄が崩れていないかも確認します。
提出前の事実確認と引用管理
計画書に入れた制度名、統計値、企業情報、文献情報は、提出前に出典へ戻って確認します。ウェブ上の解説を孫引きせず、論文、書籍、官公庁統計、企業の一次資料などへ当たります。文献の著者名、発行年、題名を一覧化し、本文中の言及と一致させます。短い所定様式でも、他者の知見と自分の主張の境界を明らかにします。
数値は、調査年、対象、単位を一緒に記録します。異なる調査の割合を直接比較する場合は、母集団や質問方法が同じか確認します。最新値であることだけを優先せず、研究質問に対応する期間のデータを選びます。数字には定義・時点・対象をセットにすると、口述で出典を問われても説明できます。
教員情報については、個人サイトや古い紹介記事だけに依存せず、出願時点の公式教員一覧と受入可能教員リストを確認します。本記事で挙げた氏名と専門分野も固定情報ではありません。自分の提出稿では、その年度の公式表記へ更新し、連絡先や未公表の指導状況を転載しないでください。
評価されにくい研究計画書の共通点と直し方
文章が流暢でも、研究の設計が空白なら評価されにくくなります。名古屋大学経済学研究科の様式と指導体制に照らすと、特に次の失敗を点検する必要があります。誤字修正より先に、問い・根拠・方法・適合性を直します。
研究科の射程外または専攻選択が曖昧
社会問題を扱っていても、経済学・経営学の問いになっているとは限りません。政策への賛否、企業への提言、個人的経験が中心で、理論や検証方法がなければ研究科との接続が見えません。中心概念を経済学・経営学の先行研究から定義し、何を説明する研究かを書き直します。
二専攻の境界にあるテーマは、対象ではなく中心となる文献と方法で決めます。企業を扱う計量経済研究もあれば、制度を扱う経営研究もあります。どの学術対話に参加する研究かを明示することで専攻選択の理由が伝わります。
指導可能な教員との接続が表面的
教員名を一人見つけ、専門分野の語が似ているだけで適合とするのは不十分です。公式一覧、研究者総覧、近年の論文を順に読み、研究対象だけでなく理論とアプローチを確認します。希望教員の研究を代弁したり、自分の計画を指導できると断定したりせず、確認できた接点を限定して書きます。
第1希望と第2希望を考える際も、全く別の二テーマを用意するのではありません。同じ中心的な問いについて、関連する異なる専門から指導可能性を検討します。一つの計画に複数の妥当な接点を持たせると、研究科全体との適合も確認できます。
方法が実行不能または問いに答えていない
全国規模の質問紙、非公開の企業内部データ、海外での長期調査などを当然に利用できる前提で書くと、実現可能性に疑問が生じます。利用可能な公開資料を確認し、必要なら対象を限定します。一次資料が得られない場合に備えて、公開統計、開示資料、既存データなどの代替案を置きます。
相関を調べる方法で因果を断定したり、少数の事例から市場全体を一般化したりすることも避けます。計画段階では限界を認識し、その範囲内で何が言えるかを示せば十分です。方法の限界を書けることも研究理解の証拠になります。
先行研究の位置づけがない
「このテーマの研究は少ない」と根拠なく述べるのは危険です。日本語論文だけでなく、必要に応じて英語文献も検索し、レビュー論文や主要誌から引用関係をたどります。先行研究が多い場合は、対象期間、地域、データ、理論、方法のどこに違いを置くかを考えます。
新規性は、誰も考えたことのない話題である必要はありません。既存理論を新しいデータで検討する、異なる制度環境を比較する、対立する結果の条件を調べるなどの形があります。既存研究との差を一文で説明できる状態まで文献を整理してください。
研究計画書と学修計画書を使い回す
併願者は二つの書類を提出しますが、同じ文章の語尾だけ変えてはいけません。研究計画書は研究質問と学術的方法、教員との適合性が中心です。学修計画書は現在の学習状況、大学院で得る能力、修了後のキャリアが中心です。共通する問題意識があっても、書類ごとの問いに答えます。
二書類の内容が矛盾しないことも重要です。研究計画で高度な方法を使うと書きながら、学修計画でその基礎を学んだ経験を説明できない場合は、現在の技能と入学後に学ぶ技能を分けます。同じ軸を異なる評価目的から書き分けるのが併願書類の考え方です。
提出前には二書類の対応表を作ります。共通する問題意識、研究計画書で答える学術的な問い、学修計画書で伸ばす能力、修了後の活用を横に並べます。研究計画書で企業行動を分析するとしながら、学修計画書では無関係な政策領域だけを学びたいと書いていれば、志望の軸が疑われます。
一方で、全段落を一致させる必要もありません。研究者養成コースでは学術的貢献を前面に出し、高度専門人養成コースでは能力形成と実務への還元を前面に出します。矛盾をなくしつつ評価軸は明確に分けることが、併願時の最終チェックです。
出願までの逆算スケジュール
2027年度一般選抜の出願期間は公式入試ページで案内されていますが、年度ごとに変わります。ここでは特定の日付を固定せず、出願締切から逆算する準備工程を示します。研究計画書は短期間で文章だけ整えるより、文献調査と教員確認に時間を配分した方が安定します。
| 締切まで | 中心作業 | 完成条件 |
|---|---|---|
| 6〜8か月前 | 関心領域、専攻、コース候補を決める | 研究対象と修了後の目的を説明できる |
| 4〜6か月前 | 先行研究を収集し、論点表を作る | 既知・対立・未解明を区別できる |
| 3〜4か月前 | 研究質問、資料、方法を具体化する | データの入手可能性を確認済み |
| 2〜3か月前 | 公式教員一覧と研究者総覧を照合する | 専攻・教員分野との接点を説明できる |
| 1〜2か月前 | 所定様式で初稿を作り、論理を修正する | 各指定項目に過不足なく回答 |
| 2〜4週間前 | 第三者の質問を受けて推敲する | 用語、根拠、方法を口頭説明できる |
| 最終週 | 様式、字数、提出ファイルを点検する | 最新要項と完全に一致している |
文献表と論点表を先に作る
初稿の前に、読んだ文献の著者、年、問い、データ、方法、結論、限界を一行ずつ整理します。三本程度の文献で結論を急がず、レビューから主要研究をたどります。経済学では理論と実証、経営学では概念と分析レベルの違いにも注意します。
論点表があれば、先行研究欄は要約の寄せ集めになりません。どの研究同士が同じ結論か、なぜ結果が異なるか、自分の計画がどの差を検討するかが見えます。執筆前の比較表が計画書の論理を作るため、文章の早書きより優先してください。
検索語は日本語のテーマ名だけで固定せず、中心概念の英語、類義語、分析対象、方法を組み合わせます。最初に見つけた論文の参考文献と被引用文献をたどり、議論の出発点と近年の展開を分けます。経済政策や会計制度のように変更があるテーマでは、研究が対象とした制度期間も記録します。古い研究を排除するのではなく、理論的基礎として使う文献と、現在の状況を示す文献の役割を分けます。
読み終えた文献には、自分の計画へ使える一文だけでなく、使えない理由もメモします。対象が違う、データが利用できない、方法の前提が合わないといった相違は、計画の境界を決める材料です。採用しなかった文献との差も研究範囲を明確にするため、検索結果を集めるだけでなく選択基準を残してください。
初稿は字数を超えてから削る
最初から1000字に収めようとすると、前提が抜けやすくなります。初稿では各要素を書き出し、その後、背景の一般論、重複する意義、経歴の細部を削ります。削る際は、研究質問と方法の対応、教員との適合性を残します。
添削では「読みやすいか」だけでなく、各主張の根拠を問うてもらいます。研究計画書の相談先を選ぶ際は、専門分野の理解と入試書類の構成の両方を確認します。研究室訪問の進め方も、大学側が案内する範囲での情報収集を考える参考になります。
口述試験用の質問集を同時に作る
推敲のたびに、面接者なら何を確認するかを余白へ書きます。重要語の定義、文献選択の理由、データの入手先、方法の限界、代替案、教員との接点、修了後の発展などを質問にします。一問一答を暗記するより、計画書の論理を図にして説明する練習が有効です。
特に研究者養成コースでは、関連する経済学・経営学の知識が問われます。計画書に書いた理論や分析方法の基礎へ戻り、学部標準の教科書で定義と前提を確認します。計画書の一語ごとに説明責任が生じると考えると、過剰な用語を減らせます。
練習では、研究概要を一分、三分、五分の三種類で説明します。一分版は問い、方法、意義だけ、三分版は先行研究と適合性を加え、五分版は限界と代替案まで含めます。質問への回答は結論から述べ、その根拠を一つ示し、必要なら限界を補足します。長く話して論点を探すのではなく、問われた範囲を特定して答えます。
厳しい質問は計画を否定するものとは限りません。「そのデータで測れるのか」「別の説明はないか」「なぜこの専攻か」と問われたら、前提を確認し、現在の計画で答えられる範囲と今後検討する範囲を分けます。分からない点を推測で埋めず、どの資料や分析で確かめるかを述べます。限界を認めて次の検証手順を示す回答は、研究への適応力を伝えます。
よくある質問(FAQ)
名古屋大学大学院経済学研究科の研究計画書は何字ですか
2027年度一般選抜の研究者養成コースでは、「これまでの学習状況」と「これからの研究計画」をそれぞれ日本語1000字程度、または英語400語程度で記述します。所定用紙は2ページです。年度により様式が変わる可能性があるため、出願する年度の公式入試情報を確認してください。
研究者養成コースと高度専門人養成コースの違いは何ですか
研究者養成コースは博士後期課程への進学や研究者・専門職キャリアを念頭に置き、1名の指導教員が研究指導を行います。高度専門人養成コースは社会・実務での活躍を志向し、複数教員によるチーム制で指導します。どちらも30単位以上と修士論文合格が修了要件で、修士(経済学)が授与されます。
二つのコースを併願できますか
2027年度一般選抜では、研究者養成コースと高度専門人養成コースの併願が可能です。併願者は研究計画書と学修計画書の両方を提出します。同じ文章を流用せず、研究計画書では学術的な問いと方法、学修計画書では学びとキャリアの接続を中心に書き分けます。
希望指導教員はどう選べばよいですか
まず公式の受入可能教員リストと教員一覧で専攻・専門分野を確認し、次に研究者総覧や近年の論文で研究アプローチを読みます。研究対象の語が似ているだけでなく、問い、理論、資料、方法の接点を確認してください。研究者養成コース志願者または併願者は、第1希望と第2希望を受入可能教員リストから選びます。
教員へ出願前に連絡する必要がありますか
確認した2027年度一般選抜募集要項には、出願前連絡を一律の必須手続とする記載は見当たりません。したがって自己判断で連絡先を探すのではなく、最新の募集要項や入試説明会の案内に従ってください。連絡する場合も、大学が公開する方法とマナーを守り、合否や受入れの確約を求めないことが大切です。
経済学部以外の出身でも研究計画書を書けますか
異分野出身でも、これまでの経験を研究質問へ変換し、経済学・経営学の基礎学習を示すことはできます。ただし関心だけでなく、ミクロ・マクロ、統計、会計、経営学など、テーマに必要な基礎を補う必要があります。学習状況欄では、現在の不足を認識して具体的に準備していることを示します。
口述試験では研究計画書から何を聞かれますか
公式要項では、研究者養成コースは研究計画書と関連する経済学・経営学の知識が問われます。研究上必要な外国語能力を確認される場合もあります。問いの理由、先行研究との差、方法、データ、実現可能性、教員との適合性を、自分の言葉で短く説明できるように準備してください。
学修計画書にも研究方法を書くべきですか
公式指定の中心は、これまでの学習状況、博士前期課程で学びたい内容、修了後のキャリアプランです。修士論文へ取り組むコースなので、学びたい内容の中で関心課題や必要な分析方法を具体化することには意味があります。ただし研究計画書と同じ構成にせず、能力形成とキャリアへの接続を主軸にしてください。
まとめ|名古屋大学経済学研究科の研究計画書は適合性から設計する
名古屋大学大学院経済学研究科の出願書類は、2027年度からのコース制に合わせて準備する必要があります。研究者養成コース、高度専門人養成コース、併願のどれを選ぶかにより、提出物と強調点が変わります。
- 研究者養成コースは研究計画書を提出する
- 高度専門人養成コースは学修計画書を提出する
- 併願者は二つの書類を目的別に書き分ける
- 社会経済システムと産業経営システムから一専攻を選ぶ
- 研究質問、先行研究、方法、教員分野を一つの線にする
- 30単位以上と修士論文を完了できる規模へ絞る
- 提出稿の全用語を口述試験で説明できるようにする
研究計画書で最も大切なのは、立派に見えるテーマではなく、研究科で実行できる問いです。公式教員一覧で分野を確認し、研究者総覧でアプローチを調べ、利用可能な資料と方法へ落とし込んでください。問いから修士論文までの一貫性が計画の強さになります。
入試制度や試験科目の詳細は既存の名古屋大学大学院経済学研究科の外部院試記事で確認できます。募集要項・出願書類の様式・教員の配置は年度により変わるため、出願前に必ず最新の公式情報で確認してください。独学での対策に不安がある場合は、名古屋大学大学院の研究計画書対策に対応する大学院コースなど、専門の指導を活用するのも一つの方法です。
提出直前には、研究テーマと本文の問いが一致するか、指定された各項目へ答えているか、希望教員の表記が最新か、利用予定の資料が入手可能かをもう一度確認しましょう。口述試験で根拠を説明できるかも声に出して確かめてください。様式確認と研究内容の確認を分けて行うと、形式上の漏れと論理上の漏れを発見しやすくなります。
書き上げた研究計画書、そのまま出して大丈夫ですか?
研究職キャリアを持つ講師が、テーマ設定・先行研究の位置づけ・研究方法まで、出願レベルに届いているかを個別に確認します。
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