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東北大学大学院経済学研究科の研究計画書の書き方|専攻・カリキュラム・教員の研究分野から逆算する

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東北大学大学院経済学研究科の研究計画書は、単に関心のある社会問題を説明する文書ではありません。経済経営学専攻で選ぶ研究分野、入学後に履修する演習、指導を受けうる教員の専門、そして修士論文またはプロジェクト報告までを一本の線で結ぶ設計図です。したがって、合否を意識した準備では「何を研究したいか」だけでなく、そのテーマを東北大学で実行できる根拠を示す必要があります。

2027年度募集要項では、経済経営リサーチコースの研究計画書はA4サイズで2,000字程度、社会人特別選抜では4,000字程度とされています。高度グローバル人材コース(GPEM)では、英語・A4・ダブルスペースで1,500ワード程度、社会人特別選抜では3,000ワード程度のプロジェクト計画書を提出します。東北大学大学院経済学研究科の研究計画書とは、問い・先行研究・方法・指導可能性を限られた分量で対応づける文書だと捉えるとよいでしょう。

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本記事は、出願資格や試験日程、倍率を詳しく繰り返すものではありません。それらは東北大学大学院経済学研究科の外部院試解説で確認できます。ここでは大学公式の募集要項、研究科の理念・カリキュラム、教員一覧を照合し、研究計画書をどの順番で設計すればよいかに集中します。経済学、経営学、歴史研究、データ科学のどこに自分のテーマを置くか迷っている方も、分野選択から文章化まで順に確認できます。

なお、募集要項・出願書類の様式・教員の配置は年度により変わるため、出願前に最新の公式情報で確認してください。本記事は2027年度4月入学の公式情報を基準にしていますが、実際に出願する年度の要項が公開されたら、字数、提出形式、担当教員をもう一度照合することが前提です。

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目次

東北大学大学院経済学研究科で研究計画書はどう扱われるか

最初に確認したいのは、入試区分とコースによって書類の名称、分量、審査での使われ方が異なる点です。経済経営リサーチコースでは日本語の「研究計画書」、GPEMでは英語の「プロジェクト計画書」を提出します。どちらも出願登録時にPDF化してオンライン出願システムTAOへアップロードします。本文を完成させてから様式を見るのでは遅いため、最初に自分の区分を確定してください。

コース・区分要求される書類分量・形式選抜での扱い
経済経営リサーチコース・一般選抜等研究計画書A4、2,000字程度、冒頭に氏名出願書類として提出
同・社会人特別選抜研究計画書A4、4,000字程度、所定表紙付き書類審査と口述に接続
GPEM・一般選抜等プロジェクト計画書英語、A4、ダブルスペース、1,500語程度英語の口述に接続
GPEM・社会人特別選抜プロジェクト計画書英語、3,000語程度、所定表紙付き書類審査と英語口述に接続

一般選抜では、経済経営科目や英語などを含む選抜全体のなかで提出書類が扱われます。一方、社会人特別選抜では、学力試験と研究計画書等の審査を総合して判定すると募集要項に明記されています。口述試験も志望する専門科目と今後の研究計画等に関して行われるため、社会人の計画書は口頭で説明できることまで含めて完成と考える必要があります。

2,000字は「概要」ではなく選択の結果を書く分量

2,000字程度では、背景を長く説明すると研究方法や実現可能性を書く余地がなくなります。社会課題の一般論、個人的な関心、大学の魅力を順に書く構成では、研究として何を明らかにするかが後ろへ押し出されます。まず問いを一文で置き、その問いが先行研究のどこに位置し、どの資料やデータをどの方法で扱うかを優先してください。削るべき第一候補は社会問題の長い概説です。

4,000字程度の社会人特別選抜では、長く書けるからといって職歴紹介を増やすのは適切ではありません。実務経験から得た問題意識を、検証可能な研究課題へ変換する過程に字数を使います。勤務先で見た現象がテーマの出発点でも、「自社ではこうだった」だけでは一般化できません。関連する理論、既存の実証研究、比較対象、利用できるデータを示し、実務上の疑問を学術上の問いへ翻訳します。

口述試験を見据えた書き方

口述で問われやすい論点を予想して文章を飾るより、計画書の各判断に理由を用意することが重要です。「なぜこの対象か」「なぜこの期間か」「なぜその方法か」「別の説明をどう排除するか」「二年間で終えられるか」を自分の言葉で答えられる状態にします。計画書に書いた用語の定義を説明できなかったり、挙げた先行研究を読んでいなかったりすると、文章と理解のずれが表れます。

GPEMは口述試験の使用言語が英語です。日本語で考えた計画を直訳するだけでは、研究上の中心概念や因果関係が不明瞭になりがちです。英語で問い、仮説、データ、手法、期待される貢献を短く説明する練習を並行させてください。書面と口述で同じ研究ロジックを再現できるかが準備の基準になります。

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経済経営学専攻のコースと研究分野を理解する

東北大学大学院経済学研究科には、博士課程の経済経営学専攻と、専門職学位課程の会計専門職専攻があります。本記事が扱う研究計画書は経済経営学専攻博士課程前期のものです。会計専門職専攻は教育目的や入試体系が異なるため、会計専門職を志望する方は別の募集要項を確認してください。研究科名だけでなく専攻とコースまで確定してから資料を集めます。

経済経営学専攻博士課程前期には、経済経営リサーチコースとGPEMがあります。前者は日本語で教育を行い、修士論文を中心に研究を進めます。後者は経済学と経営学の教育を英語で提供し、通常の講義に加えて海外研鑽などを含むプログラムです。教育言語だけでなく、成果物の型と学修環境が違うため、単純に英語力の有無だけで選ぶべきではありません。

比較軸経済経営リサーチコースGPEM
主な教育言語日本語英語
出願時の計画研究計画書プロジェクト計画書
研究成果修士論文を軸にする個人研究プロジェクトを軸にする
教育上の特徴演習・特別演習による研究指導英語授業、海外研鑽、国際的な学修
適合確認の重点専門分野・方法・指導教員左記に加え英語での遂行と海外研鑽との整合

出願時に選ぶ研究分野の意味

募集要項では、入学後に主に研究しようとする分野を出願時に選択します。区分は「現代経済学」「現代社会・経済・企業」「経営学・経済史・経営史」「数理・データ科学」です。試験時に変更できず、各分野には担当教員数に応じた受入上限があります。したがって分野選択は願書上の形式ではなく、テーマと指導可能性を結びつける重要な決定です。

分野テーマを考える主な軸計画書で示したい接続
現代経済学個人・企業・市場・政策の行動や効果経済理論、仮説、識別または検証方法
現代社会・経済・企業政策、制度、産業、地域・国際経済の変化対象の制度的文脈と分析単位
経営学・経済史・経営史組織、戦略、革新、非営利、歴史的形成理論枠組みまたは史料に基づく問い
数理・データ科学統計、計量、意思決定、経済・経営データデータ構造、モデル、分析手順

たとえば地域企業の事業転換を扱う場合でも、企業戦略の形成過程を問うのか、地域産業政策の効果を測るのか、財務・取引データを分析するのかによって接続先が変わります。テーマ名の名詞だけで分野を決めず、研究質問と方法の組み合わせで分類してください。同じ対象でも、何を説明したいかによって学術的な所属は変わります。

入試科目の分野と研究テーマを混同しない

出願では、入学後に研究する分野とは別に、筆答試験で選ぶ経済経営科目があります。得意な受験科目と、研究テーマの接続先は必ずしも一致しません。筆答で準備しやすい科目だけを基準に研究分野を選ぶと、計画書の方法や教員との整合が弱くなります。まず研究質問から分野を決め、次に基礎学力を証明しやすい受験科目を検討するという順番が安全です。

出願資格、試験科目、日程の詳細は既存記事に譲ります。ここで押さえるべき結論は、コース・研究分野・計画書の言語を同時に決めることです。この三つが揃うと、読むべき先行研究、確認すべき教員、必要な方法論の準備が具体化します。

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カリキュラムと修了要件から研究の型を逆算する

研究計画書の説得力は、入試時点の文章の巧さだけでは決まりません。入学後の教育課程で実行し、最終成果へ到達できる構造になっているかが重要です。東北大学大学院経済学研究科の博士課程前期では、所定単位を修得し、必要な研究指導を受け、修士論文等を提出して審査と最終試験に合格した学生に修士(経済学または経営学)が授与されます。計画書は修了成果の小型設計図として読むことができます。

演習と特別演習を前提に「報告できる研究」にする

研究科公式ページは、研究テーマ別に指導教員が行うゼミ形式の「演習」と、複数教員が合同で行うワークショップ形式の「特別演習」を挙げています。これは、研究が一人で資料を集めて最後に提出する作業ではなく、途中経過を報告し、批判を受け、問いや方法を更新する過程だということです。計画書にも、他者が検討できる明確な問いと手順が必要です。

「地域活性化について研究したい」のように対象だけを示した文は、演習で何を報告するのかが見えません。「地域企業への補助制度が設備投資に与える効果を、導入前後の企業データで検討する」のように、対象、関係、データ、分析方向を置けば議論できます。ゼミで反証や改善案を受けられる粒度まで問いを具体化してください。

複数教員が関わる特別演習を想定すると、狭い事例にも広い位置づけが必要です。特定企業や一地域を扱う場合でも、その事例が産業組織、地域企業、経済政策、経営史などのどの議論に知見を加えるのかを示します。対象が小さいこと自体は問題ではありません。小さな対象から、既存研究のどの論点を検討できるかが説明されているかが重要です。

修士論文の評価基準を計画書のチェック項目に変える

公式の修士論文評価基準には、主題を究明する社会的・学問的必要性、主題に即した研究方法、歴史的・分野横断的・国際的文脈を含む広い視野、専門知識・技能や独創的研究能力などが挙げられています。研究計画書の段階で完成した独創性を証明する必要はありませんが、どこに貢献の可能性があるかは示せます。

修士論文の評価観点研究計画書での対応確認質問
社会的・学問的必要性背景と先行研究上の不足誰に重要か、学術的に何が未解明か
主題に即した研究方法対象、資料・データ、分析方法その方法で問いに答えられるか
広い視野歴史・他分野・国際比較の位置づけ事例を孤立させていないか
専門知識・技能理論枠組みと方法の準備状況入学後に補う課題が明確か
独創的研究能力既存研究との差分と期待する知見何を新しく確かめるのか

この表を使うと、「志望理由」と「研究計画」を分けて考えられます。東北大学の教育環境に魅力を感じることは志望理由になりますが、研究の必要性そのものではありません。反対に、社会的に重要なテーマでも、研究科の教員やカリキュラムで扱えなければ実現可能性が不足します。必要性と実行環境の二つを別々に立証してください。

二年間で終わる範囲へ縮める

修士課程の計画では、壮大さより完遂可能性が重要です。「日本企業の生産性低下の原因を解明する」では対象も原因候補も広すぎます。産業、企業規模、期間、地域、説明変数を限定し、入手できるデータに合わせます。歴史研究なら史料の所在と閲覧可能性、インタビューなら対象者へのアクセスと倫理上の配慮、計量分析なら必要な標本数と変数を確認します。

予備調査で入手できないと分かった資料を前提にした計画は、文章を整えても成立しません。公開統計、企業開示資料、自治体資料、既存データベース、アーカイブなど、入学前に存在と利用条件を確かめられる資料から設計します。データの入手可能性は方法論の一部です。

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公式教員一覧から作る研究分野マップ

教員情報は研究計画書の適合性を確かめる中心資料です。東北大学経済学部・大学院経済学研究科の公式教員一覧は、経済経営学専攻の教員名、職位、担当分野をHTMLで公開しています。ここでは全員を列挙せず、研究方向をつかむための代表例を示します。専門分野名は公式ページの表記をそのまま使用しています。

現代経済学に近い代表例では、舛田武仁准教授の公式掲載分野は「ミクロ経済学」です。泉田成美教授は「産業組織論」、湯田道生教授は「医療経済」と掲載されています。研究計画書では、個人、企業、医療機関などの行動主体を定め、どの制約や制度が選択へ作用するのかを整理します。同じ政策を扱う場合でも、制度の紹介ではなく、主体の反応や市場の結果として検証できる形へ変える必要があります。

マクロ経済や金融に近い代表例では、鈴木通雄准教授の公式掲載分野は「応用マクロ経済学」です。浅野康司准教授は「金融論」、久保田荘准教授は「金融政策論」と掲載されています。時系列の変化を扱うなら、対象期間を選んだ理由、制度変更の時点、同時期に生じた別の変化を整理してください。金融機関や政策を対象にするだけでは分野適合を示せないため、理論上の変数と観察可能な指標を対応づけます。

社会・産業・政策の代表例では、川端望教授の公式掲載分野は「産業発展論」です。日置史郎教授は「アジア経済論」、黒瀬一弘教授は「経済政策」と掲載されています。産業構造、地域、国際関係、政策を一度に扱うと射程が広がりすぎるので、中心となる説明対象を一つ選びます。企業行動を説明したいのか、産業全体の変化を説明したいのか、政策の形成や効果を問うのかによって、必要な資料と比較単位が変わります。

経営・組織の代表例では、秋池篤准教授の公式掲載分野は「イノベーション論」です。NGUYEN CHI NGHIA准教授は「経営戦略」、閻亜光講師は「経営組織論」、西出優子教授は「非営利組織論」と掲載されています。企業事例を扱う場合は、成功要因を列挙するのではなく、意思決定や組織変化の過程を理論的に説明できる問いへ整えます。非営利組織を扱う場合も、企業との違いを前提にせず、資源、目的、ガバナンスなど比較可能な観点を置きます。

歴史・思想の代表例では、古谷豊教授の公式掲載分野は「経済学史」です。酒井一輔准教授は「日本経済史」、川名洋教授は「西欧経済史」、菅原歩准教授は「グローバル経営史」と掲載されています。歴史研究では、時期と地域を限定したうえで、利用する史料群を具体化します。出来事を年代順に紹介するだけでなく、概念や制度、企業行動がどのような条件のもとで変化したかを問うことで、史料分析と研究質問が結びつきます。

数理・データ科学の代表例では、石垣司教授の公式掲載分野は「経営統計学」です。松田安昌教授は「経済統計学」、黒田雄太准教授は「計量経済学」、石原卓弥准教授は「経済データ科学」と掲載されています。分析の目的を因果推論、予測、分類、意思決定支援などに分け、データの観察単位や期間を決めます。複雑な手法を使うこと自体を目的にせず、比較対象、評価指標、再現可能な分析手順を示すことが計画の明確さにつながります。

これらは「おすすめ教員」の一覧ではありません。教員名からテーマを後付けするのではなく、自分の問いを構成する概念と方法が、どの公式専門分野に接続するかを確かめるための地図です。たとえば医療機関の経営を扱う場合でも、医療経済、経営組織論、経営統計学など複数の入口が考えられます。研究対象よりも、問いと方法で接続先を選ぶことが大切です。

現代経済学へ接続する場合

個人や企業の意思決定、市場構造、政策効果を扱うテーマでは、理論上のメカニズムと観察可能な結果を分けます。誰がどの制約のもとで選択し、その結果が市場や厚生にどう表れるかを明示してください。医療を扱う場合も、対象名だけで終えず、患者や医療機関などの分析主体と、制度上の条件を特定します。

計画書では「関心が近い」と書くだけでは足りません。扱う理論、必要なデータ、分析単位を整理し、修士課程でどの専門知識を深めたいかを示します。教員の専門名と自分の研究質問の間に方法を置くと、接続が具体的になります。

現代社会・経済・企業へ接続する場合

産業や政策、地域・国際経済を扱う場合は、制度と時間軸が重要です。川端望教授の「産業発展論」、日置史郎教授の「アジア経済論」、黒瀬一弘教授の「経済政策」など、公式一覧に示された分野を手掛かりにします。ある産業の変化を扱うなら、技術、企業間関係、政策、国際分業のどれを説明要因として検討するのかを絞ります。

「地方創生」「グローバル化」「格差」といった大きな言葉をそのまま研究テーマにしないでください。地域、産業、政策期間、主体を限定し、比較の軸を用意します。制度の説明と研究上の因果を区別すれば、背景紹介だけで終わるのを防げます。

経営学・経済史・経営史へ接続する場合

経営学では、企業や組織の事例紹介を研究へ変換する理論枠組みが必要です。秋池篤准教授の「イノベーション論」、NGUYEN CHI NGHIA准教授の「経営戦略」、閻亜光講師の「経営組織論」、西出優子教授の「非営利組織論」などを確認し、自分の対象がどの組織現象を説明するのかを定めます。成功企業を紹介するのではなく、条件やプロセスを比較できる問いにします。

歴史研究では、古谷豊教授の「経済学史」、酒井一輔准教授の「日本経済史」、川名洋教授の「西欧経済史」、菅原歩准教授の「グローバル経営史」などが公式に掲載されています。対象時期を区切り、一次史料または検証可能な資料群を示し、現在の概念を過去へ安易に当てはめない構成が必要です。史料の所在と読解手順まで書くと実現可能性が伝わります。

数理・データ科学へ接続する場合

石垣司教授の「経営統計学」、松田安昌教授の「経済統計学」、黒田雄太准教授の「計量経済学」、石原卓弥准教授の「経済データ科学」などが掲載されています。データ分析を使うというだけでは研究分野の説明になりません。目的が因果効果の推定なのか、予測なのか、分類なのか、意思決定支援なのかを区別し、その目的に合うデータと評価方法を選びます。

分析ソフト名や高度な手法名を並べても、問いとの対応がなければ説得力は上がりません。目的変数、主要な説明変数、観察単位、期間、欠測や選択バイアスへの対応を可能な範囲で示します。手法の新しさより問いに対する妥当性を優先してください。

教員の所属や研究分野は年度により変わるため、出願前に最新の公式教員一覧で確認してください。本文の代表例は執筆時点で取得できた公式HTMLに基づきます。教員個人の研究テーマをさらに調べる場合も、公式一覧からリンクされたresearchmapや個人ページへ進み、現在の研究内容と担当科目を確認します。

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自分の研究テーマが研究科に合うか判定する手順

テーマ適合は「東北大学に興味の近い先生がいる」という印象では判断できません。研究質問、学術分野、方法、資料、指導可能性、修了成果の六点を順に照合します。以下の手順を踏むと、早い段階で射程外のテーマや実行不能な計画を発見できます。文章を書く前に適合判定を済ませることが、手戻りを減らす近道です。

  1. 関心のある現象を一文で書く
  2. 説明したい関係を疑問文にする
  3. 先行研究を読み、既知と未解明を分ける
  4. 研究分野とコースを仮決定する
  5. 公式教員一覧で専門分野を照合する
  6. 資料・データと方法の実行可能性を調べる
  7. 二年間の成果物へ縮小する
  8. 反証条件を含めて計画書の骨格を作る

ステップ1:関心を研究質問へ変える

「中小企業のDXに関心がある」はテーマ領域であり、研究質問ではありません。「地方の中小製造業におけるデジタル技術導入は、取引先構成の変化とどのように関係するか」まで絞ると、対象、変化、関係が見えます。そこから経営戦略、産業発展、経営統計など、接続候補を検討できます。問いは一文で答えの型が見える形にします。

疑問文を作ったら、主要語を定義します。「地域企業」「成長」「イノベーション」の範囲が曖昧なままでは、データも比較対象も決まりません。法制度上の定義、既存研究の定義、測定可能性を比較し、研究目的に合う定義を採用します。定義は辞書的説明ではなく、何を研究対象に含め、何を除外するかを決める操作です。

ステップ2:先行研究の地図を作る

先行研究は、読んだ論文を順に要約するための欄ではありません。研究質問に対する説明を理論、対象、方法、結果で比較します。表計算ソフトなどに、書誌情報、問い、データ、方法、主な発見、限界、自分の計画との関係を記録すると、研究上の空白が見えやすくなります。一致点と対立点を整理してから文章化してください。

「日本では研究が少ない」だけを独自性にすると、なぜ日本で調べる必要があるかが残ります。制度、産業構造、組織慣行、データ環境など、日本や東北地域を対象にすることで理論上何を検討できるかを説明します。逆に海外比較を行うなら、比較可能な定義と資料があるかを確かめます。

ステップ3:教員と科目を二方向から照合する

一人の教員だけを見て適合を判断せず、同じ分野の複数教員、関連する演習・専門科目、研究科全体の教育方針を確認します。教員の専門が近くても、自分の方法を扱う教育環境が見つからない場合があります。反対に、対象は違っても方法論や理論が接続する教員がいる場合もあります。対象一致と方法一致を分けて確認しましょう。

社会人特別選抜では、募集要項に基づき、予定指導教員へ出願前に連絡して内諾を得る必要があります。選択した専門科目の担当教員が予定指導教員となるため、研究テーマだけでなく授業内容もよく確認します。一般選抜など社会人特別選抜以外は、指導教員を入学後に選び、出願時に決めたり連絡したりする必要はありません。事前連絡をしても合否に影響しないと明記されています。

ステップ4:実行可能性を小さく検証する

本調査の前に、公開データを数件取得する、史料目録を検索する、質問票案を作る、企業開示資料の変数を確認するなど、小さな予備調査を行います。ここで必要な変数が存在しない、史料が閲覧できない、比較対象が揃わないと分かれば、問いか方法を修正できます。予備調査の結果は計画の信頼性を高める材料になります。

適合判定の最後に、「もし仮説どおりの結果が出なくても研究として何が分かるか」を考えます。望む結果を得ることが目的になっている計画は、分析の中立性に欠けます。仮説が支持されない場合にも、理論の適用範囲や制度的条件について知見を示せる設計にします。

テーマ適合を一枚の対応表で点検する

ここまでの確認結果は、研究質問、選択分野、関連する専門分野、使用資料、研究方法、修了成果という六つの欄を持つ対応表にまとめると便利です。一つの行で説明できない欄があれば、研究設計の接続が切れています。たとえば研究質問と方法は対応していても、関連する公式専門分野を説明できないなら、分野の選び方または問いの位置づけを再検討します。空欄を文章表現で隠さず設計へ戻ることが大切です。

対応表では「東北大学で学びたい」という希望と、「東北大学で実行できる」という根拠を分けます。前者は動機ですが、後者には教員配置、演習、研究分野、必要な方法論との接続が要ります。さらに「実行できる」と「二年間で完遂できる」も別です。全国の企業を対象に詳細な聞き取りを行う計画は、分野に合っていても期間と資源の面で現実的でない可能性があります。適合性・実行可能性・完遂可能性を別々に採点してください。

各項目を三段階で自己評価する方法も有効です。「説明できる」「追加調査が必要」「根拠がない」と分け、根拠がない項目は初稿へ進む前に解消します。資料の存在は確認したが利用条件が不明なら追加調査、公開データを試しに取得して必要変数を確認できたなら説明できる、と判断します。このように証拠の水準を揃えると、思い込みによる過大評価を防げます。

分野をまたぐテーマでは、主たる分野と補助的に参照する分野を区別します。たとえば企業の環境対応を扱うとき、経営戦略を主軸にして政策環境を条件として扱うのか、経済政策を主軸にして企業反応を結果として扱うのかで計画は変わります。両方を同じ厚さで扱おうとすると、理論も資料も増えすぎます。主質問に直接答える分野を一つ定めると、研究計画書の焦点が安定します。

最後に、研究を知らない人向けの百字説明と、専門分野を学んだ人向けの三百字説明を作ります。二つの説明で研究質問が変わってしまうなら、中心概念がまだ定まっていません。短い説明では対象と問い、長い説明では先行研究上の不足と方法まで含めます。説明の長さが変わっても問いは変えないことが、計画全体の一貫性を確かめるテストになります。

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2,000字・4,000字・GPEM用の構成と分量配分

公式要項は分量と形式を示していますが、本文の小見出し構成までは指定していません。そのため、研究質問から方法までが最短距離で読める順序を自分で作ります。以下は提出様式を置き換えるものではなく、内容を設計するための配分例です。出願年度に所定項目が追加された場合は、最新様式の項目を優先して再配分してください。

項目2,000字の目安4,000字の目安役割
研究題目・問題設定250字450字対象と問いを特定
背景・先行研究450字900字既知と不足を整理
目的・研究質問250字450字明らかにする内容を固定
資料・方法550字1,100字実行手順と妥当性を説明
期待する貢献200字400字学術的・社会的意義を区別
東北大学との適合・計画300字700字分野、教員、修了までの道筋

研究題目と問題設定

題目は短すぎても広すぎても研究の輪郭が伝わりません。対象、中心概念、分析視角のうち二つ以上を含めます。たとえば「地域企業の研究」より、「地方製造業におけるデジタル技術導入と取引関係の変化」の方が、読む側が内容を予測できます。ただし結論を先取りする断定的な題目は避けます。

問題設定では、社会的背景を簡潔に置いた後、学術的な問題へ移ります。「重要だから研究する」だけではなく、既存研究ではどの関係が十分に説明されていないかを示します。社会的意義と学術的空白を別の文で書くと論理が明確になります。

先行研究と研究目的

先行研究は、理論ごと、結果の対立ごと、方法ごとにまとめます。著者名を多数並べるより、研究の流れを二、三群に整理した方が、自分の位置が伝わります。そのうえで、対象の違い、期間の古さ、方法上の限界、検討されていない変数などを根拠に、自分が取り組む範囲を示します。

目的は「考察する」「明らかにする」だけで終えず、何と何の関係を、どの対象で、どの資料により検討するかを書きます。複数の研究質問を置く場合は、主質問と副質問の階層を作ります。一つの主質問に方法を集中させた方が、限られた修士期間では実行可能性を示しやすくなります。

資料・データと研究方法

方法欄は「アンケートを行う」「回帰分析をする」「事例研究を行う」という名称だけでは不十分です。対象の選定基準、収集時期、変数、比較方法、分析手順を説明します。インタビューなら、誰をどの基準で選び、どのように記録・分析するかを示します。歴史研究なら、使用する史料群と所蔵機関、対象期間、史料批判の方針を書きます。

計量分析では、相関と因果を区別します。政策導入の効果を問うなら、処置群と比較群、導入前後の期間、同時期の別要因をどう扱うかが必要です。予測を目的にするなら、訓練データと評価データ、精度指標、ベースラインを考えます。研究質問に答えるための手順として方法を書くことが重要です。

期待される貢献と研究科への適合

期待される貢献では、結果を断定しません。「制度Aが有効であることを証明する」ではなく、「制度Aと企業行動の関係を検証し、どの条件で差が生じるかを明らかにすることを目指す」と書きます。研究前に結論を決めず、得られる知見の種類を示します。

適合性は大学名への賛辞ではなく、選択分野、関連する公式掲載の専門分野、演習を通じて補う能力を対応づけます。ただし、一般選抜で特定教員の指導が確約されているような書き方は避けます。指導可能性を示しつつ確約とは区別してください。

GPEMのプロジェクト計画書で加える視点

GPEMでは英語で研究を遂行し、海外研鑽を含む教育環境との整合を考えます。英語1,500語または3,000語の配分も、基本は問題設定、先行研究、目的、方法、貢献、実行計画です。ただし国際的な読者が日本固有の制度を知らない可能性を考え、制度説明を短く明確にします。英語文献の議論に自分の研究を位置づけ、国際比較または国際的含意を無理のない範囲で示します。

直訳調を避けるには、各段落を一つの主張から始め、その根拠と計画への意味を続けます。用語は同じ概念に同じ英語を使い、途中で言い換えすぎないようにします。英語の流暢さと研究設計の明確さを別々に推敲すると、内容の欠陥を表現で隠すことを防げます。

一般的な構成例や書式をさらに確認したい方は、研究計画書の例文・テンプレート集も参照してください。ただし、テンプレートの文言をそのまま埋めるのではなく、東北大学の分野区分、教員の公式専門分野、修士論文評価基準へ合わせて内容を作り替える必要があります。

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評価されにくい研究計画書の共通点と直し方

研究計画書の弱点は、表現の美しさより構造の不一致に現れます。テーマが研究科の射程外、指導可能な専門分野が見えない、方法が問いに答えない、資料が入手できない、先行研究との差分がない、といった問題です。ここでは典型例を診断し、どこから直すかを整理します。

社会課題の説明だけで研究質問がない

人口減少、地域衰退、医療費増加、企業のDXなどの重要性を長く説明しても、研究質問にはなりません。背景段落の最後に「しかし、何が分かっていないか」を一文で置き、その不足を調べる疑問文を作ります。問題の大きさではなく未解明点の明確さが研究の入口です。

直す際は、背景を半分に削り、先行研究の対立または限界を加えます。そして目的文の主語と述語を具体化します。「地域活性化について考察する」を「補助金導入前後の設備投資行動を比較し、企業規模による差を検討する」へ変えるような作業です。

教員名だけを挙げて適合性を主張する

「〇〇教授のもとで学びたい」だけでは、研究上の接続が説明されていません。教員一覧の専門分野、自分の研究質問、必要な理論または方法の三点をつなぎます。逆に、教員の研究内容を推測したり、公式にない専門を付け足したりしてはいけません。公式表記を起点に自分の行動を説明します。

一般選抜では指導教員を入学後に選ぶため、一人の教員だけを前提に全計画を組むのも危険です。関連する複数の専門分野や科目を確認し、研究科全体として指導可能性があるかを見ます。社会人特別選抜は内諾が必要なので、募集要項の手順を守って予定指導教員と研究・授業内容を確認します。

方法が問いと対応していない

因果効果を知りたいのに単純な意識調査だけを行う、長期的変化を論じるのに一時点の資料しか使わない、組織内プロセスを問うのに公表財務データだけを見る、といった不一致があります。まず問いが記述、比較、因果説明、予測、規範評価のどれかを判定し、目的に合う方法を選びます。

複数方法を組み合わせる場合も、それぞれの役割を決めます。インタビューで仮説を探索し、統計分析で広い傾向を検証するのか、統計結果を事例調査で解釈するのかを明示します。方法の数ではなく役割分担の明確さが説得力につながります。

資料やデータの入手可能性を確認していない

非公開の企業内部データ、取得条件が厳しい個票、所在不明の史料を前提にすると、計画全体が止まります。第一候補が使えない場合の代替資料も検討します。公開統計へ切り替える、対象期間を変える、企業単位から産業単位へ分析を変更するなど、問いを壊さない代替策を用意します。

個人情報を扱う調査では、同意、匿名化、保管、研究倫理上の手続きも考えます。倫理面を無視した「大量に集める」計画は実現可能とはいえません。収集できることと適切に利用できることを区別してください。

先行研究の要約で終わり、自分の差分がない

先行研究を丁寧にまとめても、最後に自分の研究が何を加えるかがなければ計画にはなりません。対象、時期、資料、理論、方法のどこを変えるかを一つずつ検討します。ただし「誰も研究していない」ことを根拠なく断定せず、検索範囲と確認した研究群に基づいて慎重に表現します。

差分は派手である必要はありません。既存理論を異なる制度環境で検討する、新しい期間のデータで再検証する、別々に論じられてきた二つの研究群を接続するなど、修士課程で実行できる貢献を選びます。小さくても検証できる差分を置く方が現実的です。

研究計画と志望理由が混ざっている

大学の知名度、仙台の環境、教員への憧れを長く書くと、研究計画の核心が薄くなります。志望理由は、研究を実行するうえで東北大学の分野・演習・教員配置がなぜ合うかに限定します。「教育環境が魅力的だから」ではなく、「〇〇分野の演習を通して△△の方法を深め、□□という問いを検討する」という形にします。

最後に全文を読み、各段落へ「背景」「先行研究」「問い」「方法」「貢献」「適合」のラベルを付けてみてください。同じ役割の段落が重複し、方法が一段落しかないなら配分を直します。段落の役割を可視化すると冗長さが見えるようになります。

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出願までの逆算スケジュールと仕上げ方

研究計画書は、締切直前に文章力だけで完成させる書類ではありません。先行研究の読み込み、教員・科目の確認、資料の予備調査、方法の修正に時間がかかります。出願予定日から少なくとも六か月程度を想定し、調査と執筆を分けて進めると安定します。大学院入試全体の準備は大学院入試対策の完全ガイドも併せて確認してください。

時期中心作業完成物確認点
出願6〜5か月前関心領域の探索、コース・分野確認研究質問候補3案研究科の射程に入るか
5〜4か月前先行研究の収集・比較文献マトリクス既知と未解明を区別したか
4〜3か月前教員・科目・資料の照合適合表、データ候補公式情報で確認したか
3〜2か月前予備調査、方法の絞り込み章立てと初稿問いに方法が答えるか
2〜1か月前第三者レビュー、口述準備改稿、想定問答反論に説明できるか
最終月様式・字数・出典・PDF確認提出版最新要項と一致するか

六〜四か月前:問いを急いで固定しない

最初の一か月は、候補を三つ程度作り、先行研究とデータの両面から比較します。関心が強くても資料がない案、資料は豊富でも研究上の差分が見えない案を早めに落とします。テーマ候補を比較する期間を先に確保すると、一案への執着を避けられます。

文献検索では、日本語論文だけでなく英語論文、レビュー論文、主要学術誌も確認します。検索語を記録し、引用文献と被引用文献をたどります。読んだ本数を目標にするのではなく、主要な理論と方法の流れを説明できることを目標にします。

四〜二か月前:公式情報と予備調査を結びつける

候補を一つに絞ったら、公式教員一覧、研究科ページ、募集要項、シラバス等を照合します。教員名や専門分野は古いブログや記憶に頼らず、現在の公式情報を使います。社会人特別選抜では内諾取得が必要なので、研究内容を整理したうえで募集要項に沿って余裕をもって連絡します。

同時に予備調査を行います。データの列名や欠測、史料の年代、インタビュー対象の候補数などを確認すると、方法欄が具体化します。ここで計画を縮めるのは失敗ではありません。実行可能な範囲へ調整すること自体が研究設計です。

二か月前から:初稿を説明可能な文章へ直す

初稿は字数を気にしすぎず、必要項目をすべて書きます。その後、研究質問に直接関係しない背景を削り、方法と適合性へ字数を移します。各主張の根拠となる先行研究を確認し、引用情報の誤りをなくします。教員の専門分野も公式表記と一字ずつ照合します。

第三者に読んでもらう際は、「分かりやすいですか」だけでなく、問いを一文で言い直せるか、方法で答えられると思うか、最も弱い前提は何かを尋ねます。意見が割れた箇所は、読み手の知識不足と決めつけず、文章内の定義や論理を点検します。読後に同じ研究像が再現されるかが明確さの基準です。

提出前の最終点検

  • 出願コースと入試区分に合う分量・言語・表紙か
  • 冒頭に氏名を記載したか
  • 研究質問を一文で示したか
  • 先行研究上の不足と自分の差分がつながっているか
  • 資料・データが実際に入手可能か
  • 方法が研究質問に答える設計か
  • 選択分野と公式教員一覧の専門分野を確認したか
  • PDF変換後に文字化け、改ページ、欠落がないか

音読すると、一文が長すぎる箇所、主語が不明な箇所、同じ説明の重複が見つかります。PDFにした後は、ファイル名、ページ順、表紙、氏名、文字の欠けを別端末でも確認します。内容の推敲と提出データの検品は別工程として時間を確保してください。

想定問答から計画書を逆向きに検証する

提出版に近づいたら、計画書を見ずに研究内容を二分程度で説明します。説明には、背景、研究質問、先行研究との差分、資料、方法、期待する貢献を含めます。途中で資料名や比較対象を思い出せない場合は、文章上は整っていても設計を十分に理解できていない可能性があります。暗記ではなく判断理由を説明できるかを確かめてください。

次に、計画を崩す質問を自分で作ります。「その関係は逆方向ではないか」「対象の選び方に偏りはないか」「別のデータでも答えられないか」「その期間に限定する理由は何か」「期待と異なる結果ならどう解釈するか」などです。すべてへ完璧に答える必要はありませんが、限界を認識し、入学後に検討する課題として説明できることが重要です。弱点を隠すより管理方法を示す方が研究計画として誠実です。

経済学系の計画では、理論上の概念と観測する変数が対応しているかを問い直します。たとえば「企業の成長」を売上高、雇用者数、生産性のどれで捉えるかにより結果の意味は変わります。経営学系では、事例選択の理由と理論的な一般化の範囲を確認します。歴史系では、利用する史料が特定主体の視点に偏っていないかを検討します。データ科学系では、評価指標が研究目的を適切に表すかを点検します。

分野ごとの確認を行った後、研究科共通の評価観点へ戻ります。社会的必要性だけが強く学問的必要性が薄くないか、方法は主題に即しているか、対象を広い文脈へ位置づけられているか、必要な専門知識・技能をどこで補うかを読み直します。分野固有の妥当性と研究科共通の基準を両方確認することで、局所的には詳しいのに全体の意義が伝わらない状態を防げます。

最後に、計画書の各文が事実、先行研究の見解、自分の仮説、今後の予定のどれに当たるかを区別します。仮説を既知の事実のように書いたり、期待する結果を確定事項のように書いたりすると、研究前の計画として不自然です。「示されている」「仮定する」「検証する」「明らかにすることを目指す」など、証拠の段階に合う表現を使います。

提出直前の修正では、新しい論点を大量に追加しないことも大切です。重要な文献の見落としが判明した場合を除き、最後の一週間は問いと方法の対応、字数、用語、出典、PDFの表示確認に集中します。大幅なテーマ変更が必要だと分かった場合は、表現だけを整えて押し切らず、研究質問まで戻って再設計します。最終稿ほど追加より一貫性の確認を優先してください。

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よくある質問(FAQ)

東北大学大学院経済学研究科の研究計画書は何字必要ですか

2027年度の経済経営リサーチコースはA4サイズ2,000字程度です。社会人特別選抜は4,000字程度で、ダウンロードした所定様式の表紙を付けます。いずれも冒頭に氏名を明記し、PDF化してTAOへアップロードします。出願年度の募集要項で最終確認してください。

研究計画書に所定様式はありますか

通常の2,000字程度の研究計画書はA4で作成し、冒頭に氏名を記載する形式です。社会人特別選抜の4,000字程度の研究計画書には、所定様式の表紙が必要です。本文まで所定欄へ記入するものと決めつけず、最新要項と配布ファイルを確認してください。

GPEMのプロジェクト計画書は何が違いますか

GPEMは英語でA4、ダブルスペース、1,500ワード程度です。社会人特別選抜は3,000ワード程度で所定表紙を付けます。口述試験も英語で、プロジェクト計画等が扱われるため、英語で書いて英語で説明できる状態まで準備します。

一般選抜でも指導希望教員への連絡は必要ですか

2027年度要項では、社会人特別選抜以外は指導教員を入学後に選ぶため、出願時に予定指導教員を決めたり、教員へ連絡したりする必要はありません。事前連絡は妨げられませんが、それが合否へ影響することはないと明記されています。研究内容の確認は公式教員一覧や公開情報を中心に行います。

社会人特別選抜では教員の内諾が必要ですか

必要です。選択した専門科目の担当教員が予定指導教員となり、出願前に研究テーマ・授業内容を確認して連絡し、入学後に指導教員となることの内諾を得ます。内諾がない出願は無効と募集要項に記載されているため、締切から十分に逆算してください。

研究テーマはどの分野を選べばよいですか

テーマの対象名だけでなく、研究質問と方法で判断します。現代経済学、現代社会・経済・企業、経営学・経済史・経営史、数理・データ科学の各分野について、公式の専門科目・担当教員を照合してください。出願時に選んだ分野は試験時に変更できません。

修士論文では何が評価されますか

公式評価基準には、主題の社会的・学問的必要性、主題に即した方法、歴史的・分野横断的・国際的文脈を含む広い視野、専門知識・技能、独創的研究能力などがあります。研究計画書でも、必要性・方法・位置づけ・貢献を対応させると修了成果との一貫性が出ます。

経済学部以外の出身でも研究計画書は作れますか

作れますが、志望分野で必要となる基礎知識と方法を具体的に補う必要があります。出身分野の強みを活かしつつ、経済学・経営学の先行研究へ接続し、入学前と入学後に学ぶ内容を示してください。出願資格や試験科目の詳細は最新募集要項と既存の外部院試記事で確認します。

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まとめ|研究科の構造から研究計画書を逆算する

東北大学大学院経済学研究科の研究計画書で重要なのは、興味のあるテーマを長く説明することではなく、研究科の構造と修了までの学修へ接続した実行可能な計画を示すことです。コース、研究分野、教員の公式専門分野、演習、修士論文等の評価基準を先に確認すると、何を書くべきかが具体化します。

  • 経済経営リサーチコースは2,000字程度、社会人特別選抜は4,000字程度
  • GPEMは英語1,500語程度、社会人特別選抜は3,000語程度
  • 研究分野は研究対象だけでなく問いと方法で選ぶ
  • 演習で検討でき、二年間で完遂できる粒度へテーマを縮める
  • 教員名と専門分野は最新の公式教員一覧で確認する
  • 修士論文評価基準の必要性・方法・広い視野・専門性を計画へ反映する
  • 社会人特別選抜は予定指導教員の内諾を出願前に得る

最初に研究質問を一文にし、先行研究の不足、利用可能な資料、妥当な方法を順に結びつけてください。その後に東北大学の分野・教員・カリキュラムとの適合を確認すれば、志望理由の言い換えではない研究計画書になります。問いから修了成果まで一本の論理でつなぐことが設計の中心です。

募集要項・出願書類の様式・教員の配置は年度により変わるため、出願前に必ず最新の公式情報で確認してください。とくに社会人特別選抜の内諾、研究計画書の表紙、GPEMの英語形式は、準備の開始時と提出直前の二回確認すると安心です。

研究質問の絞り込み、先行研究の整理、方法の選択を一人で進めることが難しい場合は、早い段階で第三者のレビューを受けると修正時間を確保できます。独学での対策に不安がある場合は、東北大学大学院の研究計画書対策にも対応する大学院入試対策コースなど、専門の指導を活用するのも一つの方法です。

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書き上げた研究計画書、そのまま出して大丈夫ですか?

研究職キャリアを持つ講師が、テーマ設定・先行研究の位置づけ・研究方法まで、出願レベルに届いているかを個別に確認します。

  • 研究職の講師が研究計画書を添削し、改善点を明確化
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この記事を書いた人

千葉大学 法政経学部を首席で卒業後、都内国公立大学の法科大学院(ロースクール)を修了し、司法試験に合格。法律・政治・経済分野の専門知識をもとに、スプリング・オンライン家庭教師の大学編入・大学院入試分野の指導および記事監修を担当。

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