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慶應義塾大学大学院文学研究科の研究計画書の書き方|専攻・カリキュラム・教員の研究分野から逆算する

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慶應義塾大学大学院文学研究科の研究計画書に相当する書類では、研究テーマだけでなく、そのテーマが9専攻16分野のどこに属し、誰の専門と接続し、修士論文としてどのように完成するのかを一続きで示すことが重要です。2027年度一般入試では、独立した自由書式の「研究計画書」ではなく、所定の「入学志願者調書B」にある「入学後の研究について(テーマ・問題意識・研究計画)」欄へ記入します。所定枠の中で研究の筋道を示す書類だと理解すると、準備の方向が定まります。

慶應の文学研究科は、哲学や歴史、文学だけを一括して扱う組織ではありません。哲学・倫理学、美学美術史学、史学、国文学、中国文学、英米文学、独文学、仏文学、図書館・情報学という9専攻があり、さらに16分野へ分かれます。同じ「文化研究」でも、作品の解釈、思想の概念分析、史料による歴史研究、フィールドワーク、情報検索の実証研究では、妥当な問いと方法が異なります。したがって、一般的な研究計画書の型を当てはめる前に、志望分野が採用する資料と方法を確かめる必要があります。

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この記事では、2027年度入試ページ、調書B、文学研究科の専攻・分野紹介、修士課程の3つのポリシー、HTMLで公開されている教員一覧を照合し、計画書の設計に必要な部分だけを解説します。出願資格、試験科目、日程、倍率の詳細は慶應義塾大学大学院文学研究科の外部院試を解説した既存記事に譲り、本稿では重複を避けます。研究計画書とは、関心の表明ではなく、先行研究を踏まえた問いを、入学後に利用できる資料・方法・指導環境によって検証し、修士論文へ到達する道筋を説明する文書です。

なお、募集要項・出願書類の様式・教員の配置は年度により変わるため、出願前に必ず最新の公式情報で確認してください。本稿で教員名を挙げるのは、研究テーマとの接続を考える具体例を示すためであり、特定の教員への出願を勧めるものではありません。公式情報を起点に自分で適合性を検証することが、計画書作成の第一歩です。

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目次

慶應義塾大学大学院文学研究科で研究計画書はどう扱われるか

提出するのは4枚の所定様式「入学志願者調書B」

2027年度の修士課程一般入試では、出願時に入学志願者調書Bを提出します。情報資源管理分野以外の一般用は全4枚で、大学は所定の頁数と枠内に収めること、別紙を使用しないことを明記しています。様式は慶應義塾大学の2027年度文学研究科修士課程入試ページから確認できます。自由書式の長文を別添する制度ではないため、情報の選択と圧縮も評価される文章力の一部と考えましょう。

一般用調書Bの構成は、学歴・職歴・研究歴、入学志願理由と将来の希望、卒業論文のテーマと内容概要、入学後の研究、既発表論文・学会報告等です。研究欄だけを完成させても、志願理由や卒論概要との関係が矛盾していれば、書類全体の説得力は落ちます。たとえば卒論では近代日本文学を扱い、大学院では出版文化史へ対象を広げるなら、卒論で得た資料読解の力と、新しく必要になる書誌学的手法を橋渡しして説明します。

調書Bの欄伝える内容整合性の確認点
入学志願理由なぜ慶應の当該専攻・分野か設備の印象ではなく研究上の必要性があるか
将来の希望修了後に研究成果をどう生かすかアドミッション・ポリシーと接続するか
卒業論文の概要これまでの研究経験と到達点新計画への連続または転換理由が明確か
入学後の研究テーマ・問題意識・研究計画問い、資料、方法、工程がつながるか
希望指導教員指導を希望する教員公式の選択可能教員と専門を確認したか

公式の字数指定ではなく、枠への適合が条件

公開様式には「入学後の研究について」の字数指定が記載されていません。したがって、「何字なら合格水準」といった非公式な数字を目標にするのは適切ではありません。入力または記入後の可読性を保ち、所定枠からはみ出さず、別紙を足さないことが先です。字数ではなく必要な論理が揃っているかを点検してください。

枠が限られるときは、背景説明を短くし、研究質問、対象資料、分析方法、先行研究との差、入学後の工程を優先します。「近年、社会が大きく変化している」のような一般論は、対象と問いを限定する働きが弱いため削りやすい部分です。反対に、作品名、史料群、言語資料、調査対象、データの種類などは、実行可能性を判断する材料になるので残します。

口頭試問まで見据えて作る

一般入試は筆記試験の第1次試験と口頭試問の第2次試験で構成されます。公式資料は口頭試問の個別質問を公表していませんが、提出した計画について、なぜその問いなのか、資料を入手できるか、方法を扱えるか、先行研究と何が違うかを自分の言葉で説明できる状態にしておく必要があります。書けても説明できない文は計画書に残さないという基準が有効です。

出願資格・試験科目・日程の確認は前掲の既存記事を利用し、本稿では計画書と口頭説明の対応に集中します。調書Bを仕上げたら、各段落について「根拠は何か」「代替方法はあるか」「2年間で終わるか」の三問に口頭で答える練習をしてください。文章の曖昧さが、そのまま説明の詰まりとして見つかります。

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9専攻16分野から研究テーマに合う志望先を選ぶ

専攻名ではなく、分野の研究対象と方法を見る

文学研究科の公式ページは、9専攻16分野が哲学、美学、史学、文学、図書館・情報学などを広くカバーすると説明しています。計画書では「人文学に関心がある」だけでは範囲が広すぎます。対象が何で、どの資料から、どんな方法で問いに答えるのかを分野の性格に合わせます。対象・資料・方法の三点で分野を選ぶと、名称の印象だけで選ぶ失敗を避けられます。

専攻・分野公式紹介に基づく主な領域計画書で明確にしたい点
哲学・倫理学古典・現代哲学、規範倫理学、メタ倫理学、応用倫理学など扱う概念、論証、原典言語
美学美術史学美学・芸術学、美術史、音楽史、アート・マネジメント作品・制度・組織のどれをどう分析するか
史学日本史、東洋史、西洋史、民族学考古学時代・地域、一次史料、実証手続
国文学日本文学・言語・文化、日本語教育学作品・言語現象・学習者資料と分析法
中国文学中国古典文学、中国現代文学、中国語学原典、時代、ジャンル、言語現象
英米文学中世英文学、英語学、アメリカ文学、書物史、批評理論英語資料と文学・言語学的方法の区別
独文学ドイツ語学、文学・文化理論、演劇学、中世文化原語資料と理論枠組み
仏文学近現代フランス文学・思想、フランス語学作品・思想・言語の中心軸
図書館・情報学情報システム、情報メディア、情報検索、情報資源管理データ、利用者、制度、評価指標

境界領域は中心となる問いで決める

一つの対象を複数分野から研究できることは、人文学の特徴です。たとえば近代の雑誌を扱う場合、掲載作品の表現を問えば国文学、出版・流通や読書のあり方を問えば書物史、検索・組織化や利用を問えば図書館・情報学へ接続し得ます。複数のラベルを並べるだけではなく、最終的に何を明らかにする研究なのかで所属先を判断します。

境界領域の計画では、主たる分野を一つ定め、その方法では扱いきれない部分を隣接領域で補う構造にします。「文学、歴史、社会学を横断する」と宣言するだけでは、必要な訓練が見えません。「国文学の本文比較を中心とし、同時代の出版資料を用いて受容環境を補足する」のように、中心と補助を分けると実行可能性が上がります。

西洋中世研究コースという横断的な選択肢

西洋中世研究コースは、哲学・倫理学、美学美術史学、史学の西洋史、英米文学の4専攻を対象とします。入試で独立した専攻を選ぶ仕組みではなく、入学後に指導教授と相談して参加を決めます。出願時点で参加を検討している場合は、調書Bの研究欄にその旨を書くよう入試要項が案内しています。まず所属専攻を定め、その上で横断性を示す順番です。

たとえば中世の説教写本を扱うとしても、思想内容の概念史、写本の物質的特徴、宗教・社会史、英語史のどれを主軸にするかで所属先は変わります。コース名を志望理由に掲げるだけでは足りません。主たる専攻で修士論文を成立させる問いと方法を書き、他専攻の知見がどの局面で必要かを限定してください。

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カリキュラムと修士論文審査から研究計画を逆算する

特殊講義・演習・研究科目を研究工程に置き換える

修士課程のカリキュラム・ポリシーでは、特殊講義科目、特殊講義演習科目、研究科目などで教育課程を構成し、少人数演習を全在学期間にわたり履修できるとしています。計画書で大切なのは科目名を褒めることではなく、入学前に不足している能力を見極め、授業と研究工程を対応させることです。履修の目的を研究上の課題として書くと、志望理由が具体化します。

原典読解が中心なら、対象言語の読解と文献学的手続が必要です。歴史研究なら、史料批判、所在調査、翻刻や比較が工程になります。民族学考古学ならフィールドワークと一次資料の整理、図書館・情報学なら調査設計、データ収集、分析、評価が欠かせません。「幅広く学びたい」ではなく、「一次資料の読解精度を高め、対象資料群を比較できるようにする」と書き換えます。

個別指導と複数教員からの検討を想定する

公式方針は、指導教員による個別論文指導と演習に加え、修士論文中間報告会などで複数教員から指導を受ける機会を示しています。つまり、計画は一人の教員の専門と重なるだけでなく、研究分野の共同体に対して説明可能であることが望まれます。専門外の教員にも問いと方法が伝わる文章を目指してください。

専門用語を使う場合は、最初に意味と採用理由を短く示します。理論名だけを列挙するのではなく、その理論によって資料のどの特徴を捉えるのかを書きます。中間報告で反論や別解釈を受けることを想定し、比較対象や反証可能性を計画段階から用意すると、研究の閉鎖性を避けられます。

主査・副査と口頭試問に耐える修士論文像を作る

修士論文は、主査を原則として指導教員とし、2名の副査を加えた審査団による論文審査と口頭試問を経て、研究科委員会で審議・承認されます。計画書は入試用の作文で終わらず、複数の研究者が検討できる修士論文へつながらなければなりません。結論の予告より検証可能な問いを置くことが重要です。

「作品の魅力を明らかにする」では、何を根拠に明らかになったと判断するかが曖昧です。「初版本と改訂版の語彙選択を比較し、語り手の位置づけがどう変化したかを検討する」とすれば、資料と操作が見えます。修士論文の章立てを仮に作り、各章で使う資料と答える小問を並べると、2年間で完成する規模かを判断できます。

領域横断を可能にする制度は補助線として使う

文学研究科では、一定範囲で他研究科、附属研究所、提携大学院の科目や留学先で得た単位を修了要件に含められ、全科目は半期科目として開講されます。これは横断研究の可能性を支える制度ですが、計画書で無制限の履修を約束する材料ではありません。中心課題に必要な学びだけを選ぶ姿勢が大切です。

研究対象が複数領域にまたがる場合でも、主指導の場、中心資料、中心方法を先に固定します。その後で、附属研究所の資料、隣接分野の科目、留学による原資料調査などを補助工程に配置します。制度の存在を志望理由に書くときは、何を履修するかの断定ではなく、どの能力や資料アクセスを補う可能性があるかとして示すと安全です。

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アドミッション・ポリシーを自己点検表として使う

文学研究科の修士課程アドミッション・ポリシーは、専門領域の基礎知識、具体的な研究計画、一次・二次資料を正確かつ批判的に読む基礎的読解力、学術的に論じる表現力、修了後のキャリアへの意識を掲げています。これを美辞麗句として志願理由へ引用するだけではなく、調書Bのどの欄でどの証拠を示すかに変換します。求める学生像を提出書類の点検項目へ変える使い方が効果的です。

専門領域の基礎知識は卒論概要と先行研究整理、具体的な研究計画は研究欄の問い・資料・方法・工程で示せます。資料読解力は、原典や一次資料をどの言語と手続で扱ったか、表現力は論理の順序と用語の定義に表れます。修了後のキャリアは将来の希望欄で扱います。この対応を作ると、一つの欄へすべてを詰め込む必要がなくなり、4枚全体の役割分担が明確になります。

一次資料と二次資料の区別も確認してください。文学作品、思想家の原典、公文書、書簡、出土資料、観察記録、収集した利用データなどが一次資料になり、対象を分析した研究書や論文が二次資料になります。ただし、何が一次資料かは研究質問によって変わります。ある時代の研究史を対象にするなら、過去の研究論文自体が分析対象となります。資料の役割は研究質問との関係で定義する必要があります。

批判的に読むとは、資料を否定的に評価することではありません。誰が、いつ、どの目的で作成し、何が記録され、何が記録されにくいかを検討することです。翻訳を使う場合は原語との差、デジタル化資料を使う場合は収録範囲やOCR誤り、インタビューを使う場合は質問と回答の相互作用を考えます。こうした注意点を方法欄に一つ入れるだけでも、資料を単なる情報源ではなく研究対象として扱う姿勢が伝わります。

キャリアについては、職種を確定していなければ書けないわけではありません。研究者、教育者、実務家という公式方針を踏まえ、修士課程で身につける読解、調査、分析、発信の能力を、どの領域で生かしたいかを具体化します。アート・マネジメントや情報資源管理のように実務との接続が明確な分野でも、職歴の紹介だけで終わらず、実務上の課題を研究可能な問いへ変換する必要があります。

慶應文学研究科の教員研究分野マップ

教員名は「指導可能性を調べる入口」として読む

慶應義塾大学の文学研究科公式教員一覧は、59名について所属と「専門」をHTMLで公開しています。以下は全員の網羅ではなく、専攻・分野ごとの幅をつかむ代表例です。専門表記は公式ページの文言に合わせています。氏名の一致だけでなく専門の範囲を照合するために使ってください。

哲学分野の荒畑靖宏教授について、公式掲載の専門は「現代ドイツ語圏の哲学、哲学的論理学」です。

倫理学分野の荒谷大輔教授について、公式掲載の専門は「現代フランス思想、精神分析」です。

美学美術史学分野とアート・マネジメント分野に所属する金山弘昌教授について、公式掲載の専門は「西洋美術史」です。

日本史学分野の浅見雅一教授について、公式掲載の専門は「キリシタン史、中国天主教史」です。

東洋史学分野の岩間一弘教授について、公式掲載の専門は「東アジア近現代史、食の文化交流史、中国都市史」です。

西洋史学分野の赤江雄一教授について、公式掲載の専門は「西洋中世史」です。

民族学考古学分野の安藤広道教授について、公式掲載の専門は「日本考古学・博物館学」です。

国文学分野の小川剛生教授について、公式掲載の専門は「中世文学、和歌文学」です。

日本語教育学分野の大場美穂子教授について、公式掲載の専門は「日本語学、日本語教育学」です。

中国文学専攻の浅野雅樹教授について、公式掲載の専門は「中国語学」です。

英米文学専攻の井上逸兵教授について、公式掲載の専門は「英語学・社会言語学・談話分析」です。

川島建太郎教授は独文学専攻に所属し、公式掲載の専門は「現代ドイツ文学・思想,メディア理論」です。

仏文学専攻の市川崇教授について、公式掲載の専門は「現代フランス文学及び思想」です。

図書館・情報学分野と情報資源管理分野に所属する安形麻理教授について、公式掲載の専門は「書誌学、書物史、図書館・情報学」です。

教員の所属や研究分野は年度により変わるため、出願前に必ず最新の教員一覧で確認してください。さらに、希望指導教員として選択できる教員は入試要項で確認します。教員一覧に氏名があることと、その年度に希望指導教員として選択できることを同一視しないでください。教員一覧と入試要項を二段階で照合する必要があります。

哲学・芸術・歴史系では原典と一次資料を具体化する

荒畑靖宏教授の「現代ドイツ語圏の哲学、哲学的論理学」へ接続する計画なら、思想家名を挙げるだけでなく、検討する著作、原語、概念、論証上の対立を示します。荒谷大輔教授の「現代フランス思想、精神分析」についても、理論を作品へ当てはめるだけではなく、その概念が問いの解明に必要な理由を書きます。

美術史や史学では資料の所在と扱い方が実行可能性を左右します。同じ過去研究でも、キリシタン史、東アジア近現代史、西洋中世史では、資料と言語が異なります。対象時代・地域・史料群を一組で示すことが必要です。

民族学考古学では、安藤広道教授の専門が「日本考古学・博物館学」と公式掲載されています。物質資料や展示を扱うなら、観察項目、比較対象、資料へのアクセス、記録方法を記します。単に「文化を研究する」と書かず、誰が再検討できるデータをどのように作るかまで考えます。

文学・言語系では作品研究と言語研究を区別する

国文学の小川剛生教授は「中世文学、和歌文学」、日本語教育学の大場美穂子教授は「日本語学、日本語教育学」です。同じ日本語資料を扱っても、和歌の本文・表現・伝承を問う研究と、言語形式や教育上の課題を問う研究では方法が違います。何語の何をデータとして数えるか読むかを明確にしましょう。

中国文学専攻や英米文学専攻には、文学研究だけでなく中国語学、英語学、社会言語学、談話分析などの専門もあります。専攻名を文学作品だけの研究と決めつけず、公式の専門分野から、文学研究と言語研究のどちらを主軸にするか選びます。

独文学や仏文学にも、文学、思想、メディア理論など異なる接近があります。思想、文学、メディア、言語学を一つの計画へ詰め込むと中心がぼやけます。主資料と主方法を一つ定め、他の視角は比較や背景説明へ限定してください。

図書館・情報学では評価可能なデータ設計を置く

図書館・情報学では、物としての書物とその歴史を調べる計画、検索アルゴリズムやテキストデータを評価する計画、利用者や組織を調査する計画で、必要なデータが異なります。データ源と評価指標を先に仮置きすると具体性が増します。

教員一覧の専門語と自分のテーマに共通語があるだけでは適合の証明になりません。対象、問い、方法の三列を作り、教員の公開情報と一致する部分、追加確認が必要な部分、範囲外の部分を分けます。研究テーマを教員へ無理に寄せるのではなく、現時点で指導を受けるために必要な基礎と、入学後に伸ばす能力を率直に整理してください。

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自分の研究テーマが文学研究科に合うか判定する手順

手順1:研究対象を一文で固定する

最初に、「何について研究したいか」ではなく「何を資料として扱うか」を一文で書きます。作品、思想家の著作、史料群、出土資料、学習者コーパス、検索ログ、図書館サービスなど、観察できる対象へ落とします。「近代社会における文化」のような広い語から始めても構いませんが、最終的には時代、地域、資料の範囲を付けます。研究対象は手に取れる単位まで限定するのが目安です。

手順2:先行研究の対立点か空白を見つける

先行研究は読書量を示すために並べるものではありません。主要な研究が対象をどう説明してきたか、どこで見解が分かれるか、どの資料が十分に検討されていないかを整理します。各文献を「対象」「方法」「結論」「限界」の四列でメモすると、問題意識が作りやすくなります。未研究という断定は検索範囲とともに慎重に扱うべきです。

手順3:問いを答えられる形に変える

「なぜ人気なのか」「どのような意味があるか」といった問いは、そのままでは資料と判定基準が曖昧です。比較する版、時期、地域、語彙、制度、利用者群などを置き、観察結果から答えを組み立てられる形にします。問いが複数ある場合は、中心質問一つと、その答えに必要な小問二つか三つに階層化します。

手順4:資料と方法を対応させる

資料名だけでなく、どこから入手し、何を記録し、どう比較・解釈するかを書きます。原典講読、本文校訂、史料批判、図像分析、インタビュー、参与観察、コーパス分析、テキストマイニングなど、方法名は操作の説明と組み合わせます。一つの資料に一つ以上の分析操作を置くと、計画が動き始めます。

手順5:専攻・教員・カリキュラムの順に照合する

まず公式の専攻・分野紹介で射程を確認し、次に教員一覧の所属と専門を見ます。その後、修士課程の方針から、必要な演習、言語、個別指導、複数教員による検討と計画を結びます。教員名から逆算して題材を選ぶと、自分の問いが失われがちです。問いを保ったまま指導環境との接点を探す順序を守りましょう。

手順6:2年間の規模へ縮める

資料収集に半年以上かかる場合、許可が不確実な施設調査が必要な場合、複数言語を入学後に一から習得する場合は、代替案を用意します。中心資料を絞り、比較対象を一つにし、調査不能時に公開資料で答えられる副計画を考えます。修士論文は将来の研究全体ではなく、限られた期間で検証できる一段階です。

この六手順を一枚の表にし、「根拠となる公式ページ」「確認済み」「未確認」を記録すると、志望先選びと計画書執筆を同時に進められます。テーマの魅力だけでなく、資料へのアクセス、言語能力、分析技術、指導可能性を含めて判定することが大切です。

人文学の研究質問を三つの型から点検する

研究質問を作りにくいときは、差異、変化、関係という三つの型で考えると整理できます。差異を問う研究では、版、作家、地域、言語、利用者群などの比較対象と、差を判断する基準を置きます。変化を問う研究では、期間を区切り、変化前後を同じ資料条件で比較します。関係を問う研究では、作品と思想、制度と実践、検索機能と利用行動など、二つの要素を結ぶ仕組みを考えます。問いの型を決めると必要な資料が逆算できるようになります。

ただし、型へ機械的に当てはめてはいけません。比較できる資料が偏っていれば、見つかった差が対象そのものによるのか、資料保存の事情によるのか区別できません。歴史資料では残存条件、文学では版の異同、インタビューでは対象者の選定、情報検索ではデータセットの代表性を検討します。計画書にはすべての限界を書く余裕がなくても、最も結果へ影響する制約と、その扱いを一つ示すと研究設計の理解が伝わります。

適合しない可能性も判定結果として受け入れる

公式ページを調べた結果、研究テーマに近い専門の教員が見つからない、必要な方法を扱う分野がない、資料へのアクセスが難しいと分かる場合があります。そのとき、表現だけを変えて無理に合わせるのは避けましょう。対象を変えずに方法を調整できるのか、問いを保ちながら別の資料へ移せるのか、他研究科や他大学院の方が適切なのかを比較します。不一致を早く見つけることも志望校調査の成果です。

適合判定では、完全一致だけを求める必要もありません。修士課程は研究能力を伸ばす場であり、入学時点で計画の全技能が完成しているとは限らないからです。重要なのは、すでに持つ基礎、入学前に補う事項、入学後の指導や演習で伸ばす事項を区別できることです。中心方法そのものが分野の射程外なら再検討が必要ですが、補助的な技能の不足なら、学習工程として説明できます。

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調書Bの研究欄を慶應の様式に合わせて組み立てる

冒頭:テーマと中心質問を置く

最初の二、三文で、対象、時代・地域、中心質問を示します。題名だけでは伝わらないため、「本研究は何を資料とし、何を明らかにするか」を本文で言い切ります。テーマ名は仮題でも構いませんが、抽象語を重ねず、固有の資料群や現象を入れます。冒頭だけで研究の対象と問いが読める状態を目指します。

問題意識:先行研究と残る課題をつなぐ

次に、先行研究の到達点を一つか二つの論点に絞って示し、自分の問いがなぜ必要かを説明します。「研究が少ないから」ではなく、既存研究の対象範囲、資料、方法、解釈のどこを再検討するのかを書きます。社会的意義を述べる場合も、学術上の問題を置いた後に短く接続すると、研究計画としての軸が保たれます。

資料と方法:実際の作業が見えるように書く

対象資料の範囲、収集方法、分析単位、比較軸を示します。文学なら作品の版や範囲、歴史なら史料群と史料批判、哲学なら原典と概念・論証、言語学ならコーパスや用例の抽出基準、図書館・情報学ならデータ源と評価方法を書きます。方法名の直後に具体的な操作を続けると伝わります。

研究計画:年度ではなく成果物で区切る

「1年目に勉強し、2年目に執筆する」だけでは、何がいつ整うか分かりません。先行研究表の完成、資料目録の作成、予備分析、中間報告、章別草稿、全体推敲という成果物で工程を区切ります。調査や資料閲覧が必要なら、申請時期と代替資料も考えます。

段階研究作業確認できる成果
入学前基礎文献と原資料の所在確認文献表、資料候補一覧
修士1年前期先行研究整理、方法の訓練、予備分析論点表、分析基準
修士1年後期資料収集と本分析、中間報告章構成、部分草稿
修士2年前期不足資料の補充、各章執筆全章の初稿
修士2年後期反論検討、修正、口頭試問準備修士論文完成稿

志望理由と指導環境:固有名詞を機能で結ぶ

教員名や制度名を並べるのではなく、研究工程のどこで必要かを書きます。「○○教授のもとで学びたい」だけで終えず、公式掲載の専門と自分の対象・方法がどこで接続するかを説明します。ただし、指導を受けられることを既定事実のように断定せず、最新の入試要項で選択可能教員を確認します。

アート・マネジメント分野と日本語教育学分野の出願者は、調書B上、希望指導教員を必ずしも書く必要がないと注記されています。それ以外の分野でも、氏名を書くだけで適合性が証明されるわけではありません。公式の専門語と研究上の接点を一文で示すことが大切です。

最後:期待する成果と限界を示す

結論を先取りして断定するのではなく、研究によって何を説明できる見込みかを書きます。修士論文で扱わない範囲も一言示せると、規模を管理できていることが伝わります。将来の博士研究や実務展開は、今回の計画で得る成果を土台として位置づけます。

一般的な構成や文体の例をさらに確認したい場合は、研究計画書の書き方を解説した記事研究計画書の例文・テンプレート集も参照してください。ただし、テンプレートの文章を移すのではなく、慶應の調書Bの項目と枠へ再編集する必要があります。

卒業論文概要から研究欄へつなぐ書き方

卒論と大学院のテーマが連続する場合は、卒論で扱った範囲と結論を短く示し、そこで残った問いを入学後の研究へ接続します。「卒論では資料Aを用いて現象Xを検討したが、資料Bとの比較が残った。大学院では比較範囲を広げ、変化の条件を検討する」という流れです。卒論の説明を長く繰り返すのではなく、既にできることと次に解くことを分けると成長の道筋が見えます。

テーマを転換する場合は、共通する研究技能を見つけます。たとえば文学作品の精読から思想史へ移るなら、原典読解を引き継ぎつつ、概念史や史料批判を新たに学ぶ必要があると整理できます。歴史研究から図書館・情報学へ移るなら、資料調査の経験を基礎に、データ設計や評価方法を補う構成が考えられます。転換を「以前の研究を捨てること」と表現せず、問題関心がどの資料や方法の不足を経て変化したかを説明します。

研究の意義は学術的意義から書く

人文学のテーマでは、社会的意義を大きく語りすぎると、実際の資料分析との距離が開きます。まず、特定の作品解釈を更新する、未比較の史料を接続する、言語現象の説明を精密にする、検索評価の条件を明らかにするなど、研究分野の中で得られる成果を書きます。そのうえで、教育、文化継承、情報アクセス、専門実務などへの示唆を慎重に述べます。資料から直接導ける意義を先に置くと誇張を避けられます。

「現代社会に貢献する」とだけ書くのではなく、誰が、どの場面で、研究成果の何を利用できるのかまで限定します。アート・マネジメントなら組織運営上の課題、日本語教育学なら教材や学習支援、図書館・情報学なら検索や利用者サービスなど、分野に応じた接点があります。ただし、実務的効果を測らない研究で効果まで断定せず、「基礎的理解を提供する」「検討材料を示す」と範囲を守ります。

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評価されにくい研究計画の共通点と直し方

研究科の射程外または所属分野が曖昧

「文化」「メディア」「国際」といった広い語だけで、9専攻16分野のどこに属するか分からない計画は、指導環境との適合を判断しにくくなります。修正するには、中心資料と中心方法を決め、公式の分野紹介にある領域と対応させます。横断性は所属の曖昧さではなく接続の設計として示してください。

指導可能性を教員名だけで説明している

教員の著名さや氏名の記載は、研究計画の妥当性を代替しません。公式一覧の「専門」と自分の研究について、対象、方法、時代・地域の接点を確認します。一部だけが重なる場合は、何を主指導で扱い、何を自習や隣接科目で補うかを整理します。

資料へアクセスできない、方法を実行できない

未公開資料、国外の所蔵資料、大規模調査だけに依存する計画は、許可や費用、時間の不確実性が高くなります。公開デジタル資料、国内複製、対象範囲の縮小など代替経路を用意します。言語や統計手法の習得が必要なら、現在の到達点と入学前・入学後の学習工程を示します。最良案と実行可能な代替案を持つことが有効です。

先行研究の要約で終わり、自分の問いがない

文献を多く紹介しても、何を再検討するかがなければ研究計画になりません。各文献の結論を並べた後に、資料の違い、方法の違い、説明できない事例を探します。「A説とB説のどちらが妥当かを、未比較の資料群Cで検討する」のように、先行研究から問いを導きます。

結論を決めて資料を集めようとしている

「○○が重要であることを証明する」のような書き方は、反対の証拠を扱わない印象を与えます。「どの条件で、どのような差が生じるかを検討する」と開いた問いに変え、予想と異なる結果も説明できる設計にします。人文学でも、資料に基づき解釈を修正できることが研究の信頼性につながります。

志願理由・卒論・将来像が別々の文章になっている

調書Bは複数頁で一つの人物像と研究計画を伝えます。卒論からテーマを変えること自体が問題なのではなく、転換の理由と引き継ぐ能力が説明されていないことが問題です。卒論で得た知識、大学院で補う方法、修了後に生かす成果を一本の線にします。各欄の役割を分けながら論理はつなぐことを意識してください。

枠を埋めるために抽象表現を増やしている

「多角的に考察する」「深く研究する」「新たな知見を得る」は、対象や操作を伴わなければ情報量が少ない表現です。何と何を比較するのか、どの資料をどう読むのか、何が分かれば問いに答えたことになるのかへ置き換えます。推敲では、抽象語の直後に具体例があるかを一つずつ確認します。

方法論の名前が飾りになっている

「言説分析を行う」「デジタル・ヒューマニティーズを用いる」「比較文学的に考察する」と書いても、実際の操作がなければ方法は伝わりません。どの単位を抽出し、どう分類し、何と比較し、どの証拠から解釈を支持するのかを続けます。質的研究でも、資料選択と解釈手順を説明できます。方法論は資料に対する動詞へ翻訳すると具体的になります。

複数方法を使う場合は、それぞれが答える小問を割り当てます。作品の語彙分析で表現上の傾向を捉え、同時代批評の読解で受容の文脈を検討する、といった役割分担です。方法が増えるほど研究が高度になるわけではありません。中心質問に不要な方法は削り、補助方法についても必要な資料と時間を見積もります。

研究倫理と個人情報への配慮が抜けている

インタビュー、アンケート、観察、利用ログ、学習者データなど人に関する資料を扱う計画では、同意、匿名化、保存、公開範囲を考えます。公開SNSの投稿であっても、研究利用の倫理的問題がなくなるわけではありません。所属後に必要な審査や手続がある可能性を見込み、許可を得る前に収集を既成事実化しない工程を組みます。

古典籍、画像、データベースにも利用条件や著作権があります。入手できることと、論文で複製・公開できることは別です。計画段階では、所蔵機関、利用規約、公開条件を確認し、必要に応じて引用方法や代替資料を考えます。こうした確認は研究の面白さを弱める制約ではなく、成果を正当に共有するための設計です。

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出願までの逆算スケジュール

半年前から公式情報と先行研究を並行して確認する

2027年度修士課程には秋期と春期がありますが、日程の詳細は年度ごとに変わります。以下は特定の日付ではなく、出願締切から逆算する作業計画です。公式要項と様式が公開されたら、前年版の記憶で進めず、欄、頁数、選択可能教員を更新します。出願書類の確認と研究内容の検討を分けないことがポイントです。

出願まで主な作業完了の目安
6か月前専攻・分野候補、基礎文献、卒論との関係を整理対象と仮の中心質問が一文で書ける
5か月前主要先行研究を論点別に比較到達点と残る課題を説明できる
4か月前教員一覧、入試要項、資料アクセスを確認志望分野と方法の適合表ができる
3か月前予備分析を行い、問いと資料範囲を修正小規模な分析例を口頭説明できる
2か月前調書B全体の初稿を作る研究欄と志願理由・卒論概要が整合する
1か月前第三者確認、枠への調整、口頭試問練習根拠・方法・工程への質問に答えられる
直前最新版様式、提出物、印刷状態を確認所定枠内、別紙なし、控えを保存

テーマ確定前に予備分析を一度行う

資料を一件も分析せずに計画を書くと、問いが資料で答えられるか判断できません。短い作品、史料数点、小規模な用例、少数の検索結果などで予備分析を行います。そこで必要な言語能力、分類基準、欠損、倫理上の手続が見つかります。小さく試してから計画の規模を決めると、実行可能性が上がります。

初稿は研究欄だけでなく4枚全体で作る

研究欄を先に書いた後、入学志願理由、将来の希望、卒論概要を加え、最後に4枚を通読します。重複は削り、各欄に役割を持たせます。卒論概要は過去、研究欄は入学後、将来像は修了後を中心にし、志願理由が三つをつなぐ構成にすると整理しやすくなります。

推敲は内容、論理、形式の三周に分ける

一周目は事実と資料アクセス、二周目は問い・方法・成果の因果関係、三周目は所定枠、誤字、表記、読みやすさを確認します。同時に直そうとすると、文面だけ整って研究上の穴が残りやすくなります。最後に調書を見ず、三分で計画を説明して録音し、書面とのずれを直します。

第三者に頼む確認を段階ごとに変える

初期段階では、同分野を学ぶ人に、主要文献の不足、問いの新しさ、方法の妥当性を見てもらいます。中盤では、隣接分野の人に、専門外でも研究の筋が追えるかを確認してもらいます。最終段階では、誤字、表記統一、枠、読みやすさを中心に点検します。内容の相談と文章校正を別の回にすると、指摘を反映しやすくなります。

フィードバックを受けたら、すべてを反映するのではなく、中心質問に関係するかを判断します。相反する指摘が出た場合は、公式の分野説明、先行研究、資料の性質へ戻ります。助言者の好みに文章を合わせるのではなく、なぜ採用または不採用にしたかを説明できる状態にします。調書Bには自分で考え作成したことを誓約する欄があるため、最終的な表現と内容は自分で管理してください。

口頭試問用の一分版と三分版を作る

一分版では、対象、中心質問、資料、方法、意義を一文ずつ述べます。三分版では、先行研究との差、予備分析、入学後の工程、指導環境との接続を加えます。どちらも調書Bと同じ順番にしておくと、質問を受けても該当箇所へ戻りやすくなります。長い説明を短くできることは理解の確認になるからです。

練習では、想定回答を丸暗記せず、質問の意図を確認してから答えます。資料が入手できなかった場合、予想と違う結果が出た場合、対象を半分に絞る場合を尋ねてもらうと、計画の柔軟性を確かめられます。分からない事項を断定で埋めず、現時点の仮説と今後の確認方法を分けて説明する姿勢も大切です。

大学院入試対策を体系的に進めたい場合は、慶應義塾大学大学院を含む大学院入試対策コースも選択肢です。添削を受ける場合でも、公式情報の確認、出典の記録、教員との適合判断は志願者自身が行い、他人の文章をそのまま提出しないでください。

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よくある質問(FAQ)

慶應文学研究科の研究計画書は何字書けばよいですか

2027年度の一般用調書Bには、研究欄の字数指定は確認できません。所定の頁数・枠内に収め、別紙を使わないことが公式条件です。文字を極端に小さくして量を増やすより、テーマ、問題意識、研究計画に必要な情報を選び、可読性を保ってください。

希望指導教員は全員が記入しますか

一般用調書Bには希望指導教員欄がありますが、アート・マネジメント分野と日本語教育学分野の出願者は必ずしも書く必要がないと注記されています。その他の扱いと選択可能教員は、最新の入試要項で確認してください。氏名を書く前に所属と専門を公式一覧で照合することも必要です。

秋期入試と春期入試で研究欄の書き方は変わりますか

2027年度の一般用調書Bは秋期・春期を選ぶ共通様式で、研究欄は「テーマ・問題意識・研究計画」です。ただし、出願時期が異なり、春期では卒業論文等の準備状況も変わり得ます。再出願する場合も前の文章をそのまま出さず、その後の調査や予備分析を反映してください。

卒業論文と異なるテーマでも出願できますか

公式資料は、卒論と入学後の研究を同一テーマに限定していません。ただし、変更するなら、なぜ転換するのか、卒論で身につけた能力の何を引き継げるか、新分野の基礎をどう補ったかを説明します。変更幅が大きいほど、先行研究と方法の準備を具体的に示す必要があります。

複数分野にまたがるテーマはどう書きますか

主たる問い、資料、方法に基づいて中心となる専攻・分野を一つ定め、隣接分野は補助的な役割として書きます。横断する分野名を列挙するだけでは研究工程が見えません。西洋中世研究コースを検討する場合も、まず対象4専攻のいずれかにおける研究の軸を示します。

出願前に希望指導教員へ連絡する必要がありますか

確認した2027年度の公式入試ページには、一般入試出願者全員に事前連絡を義務づける記載はありません。希望指導教員として選択できる教員は入試要項、専門は公式教員一覧で確認するよう案内されています。個別の連絡可否や方法を推測せず、最新の公式案内に従ってください。

西洋中世研究コースを希望するときはどうしますか

同コースは哲学・倫理学、美学美術史学、史学の西洋史、英米文学が対象で、参加は入学後に指導教授との相談で決まります。出願時点で参加を検討している場合は、調書Bの「入学後の研究について」欄にその旨を記します。コース希望だけでなく、所属専攻での中心課題も説明してください。

口頭試問では研究計画をどのように準備すればよいですか

公式には個別の質問内容は公表されていません。提出した計画について、問いの由来、主要先行研究、資料へのアクセス、方法の選択理由、2年間の工程、代替案を短く説明できるようにします。調書の各文に根拠を一つ用意する練習が役立ちます。

まとめ|16分野と修士論文の要件を一本の計画につなぐ

慶應義塾大学大学院文学研究科の研究計画書対策では、一般的なテンプレートより先に、調書B、専攻・分野、教員一覧、修士課程の方針を照合することが重要です。最後に、作成時の要点を整理します。

  • 2027年度一般入試では、研究計画は4枚の所定様式「入学志願者調書B」に記入する
  • 研究欄の指定項目は「テーマ・問題意識・研究計画」で、所定枠内・別紙不可である
  • 9専攻16分野を対象、資料、方法の三点で比較する
  • 特殊講義、演習、個別指導、中間報告、修士論文審査から研究工程を逆算する
  • 教員名と専門は公式HTMLで確認し、入試要項の選択可能教員とも照合する
  • 先行研究との差、資料アクセス、分析操作、2年間の成果物を具体化する
  • 調書Bの研究欄、志願理由、卒論概要、将来像を一つの論理でつなぐ

よい計画は、壮大な主張を掲げた文章ではなく、限られた資料から何をどの手順で明らかにするかが読み手に再現できる文章です。問い・資料・方法・指導環境・工程を一直線につなぐことを意識してください。制度や教員配置は変わり得るため、提出直前にも公式ページと最新版の様式を確認しましょう。

独学での対策に不安がある場合は、専門の指導を活用するのも一つの方法です。ただし、研究テーマの根拠となる文献を読み、公式情報を確認し、口頭で説明できる状態にする責任は志願者本人にあります。添削は文章を代作してもらう場ではなく、研究上の曖昧さを発見し、自分の計画を磨く機会として使ってください。

提出前には、テーマ名だけを隠して研究欄を読み、対象となる専攻・分野が推定できるかを確認しましょう。推定できない場合は、資料、言語、時代・地域、方法のいずれかが不足しています。反対に教員名を隠しても指導環境との接続が説明できるなら、氏名だけに依存しない計画になっています。固有の研究内容が先に立つ調書へ仕上げることが最終確認の基準です。

そのうえで、最新版の調書Bを印刷した状態でも読みやすいか、各欄の記述が途中で切れていないか、引用した文献名や人名の表記が原資料と一致しているかを確認してください。提出用データと手元の控えを照合し、口頭試問の準備には最終提出版を使いましょう。

\ 大学院入試専門 /

書き上げた研究計画書、そのまま出して大丈夫ですか?

研究職キャリアを持つ講師が、テーマ設定・先行研究の位置づけ・研究方法まで、出願レベルに届いているかを個別に確認します。

  • 研究職の講師が研究計画書を添削し、改善点を明確化
  • 相談後に、志望校の出題傾向と学習ロードマップをまとめた個別フィードバックレポートをお渡し
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この記事を書いた人

千葉大学 法政経学部を首席で卒業後、都内国公立大学の法科大学院(ロースクール)を修了し、司法試験に合格。法律・政治・経済分野の専門知識をもとに、スプリング・オンライン家庭教師の大学編入・大学院入試分野の指導および記事監修を担当。

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