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神戸大学大学院経営学研究科の研究計画書の書き方|専攻・カリキュラム・教員の研究分野から逆算する

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神戸大学大学院経営学研究科の研究計画書では、一般的な「研究背景・目的・方法」を並べるだけでなく、経営学・会計学・商学のどの専門領域に位置づくのか、どの教員の研究分野と接続するのか、入学後にどの理論と分析手法を学ぶ必要があるのかを一つの筋道として示すことが重要です。令和9年度博士課程前期課程第I期の所定様式は、進学目的と修了後の進路を500字以内、これまでの研究概要を1ページ以内、入学後の研究課題を1ページ以内で記す構成です。限られた紙幅だからこそ、思いの強さよりも、問い・先行研究・方法・準備状況の整合性が問われます。

研究計画書とは、入学後に明らかにしたい問い、その問いが既存研究に対して持つ意味、答えを得るための方法、研究を実行できる根拠を説明する文書です。神戸大学大学院経営学研究科では、所定様式が「どのような分析手法や理論を大学院で学ぶ必要があるのか」にも触れるよう求めています。したがって、完成済みの研究を見せる文書ではありません。現時点の準備と入学後の学修課題を区別して示すことが、実行可能性の伝わる計画につながります。

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本記事は、博士課程前期課程の経営学専攻を対象に、公式の入試ページ、所定様式、教育プログラム、HTMLの教員紹介を基に研究計画書の設計法を解説します。出願資格、試験科目、日程などの入試全体は神戸大学大学院経営学研究科の外部院試解説をご覧ください。ここでは制度の繰り返しを避け、自分のテーマが研究科の射程に入るか、どのように所定様式へ落とし込むかに焦点を絞ります。

注意:募集要項・出願書類の様式・教員の配置は年度により変わるため、出願前に必ず最新の公式情報で確認してください。本記事で扱うのは、2026年8月時点で公開されている令和9年度入試の情報です。

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目次

神戸大学大学院経営学研究科の研究計画書で最初に押さえること

第I期は3つの記述欄を使って一貫した計画を示す

令和9年度博士課程前期課程第I期の研究計画書は、研究科が配布する所定のWordファイルを使います。冒頭で経営学・会計学・商学から志望専門領域を一つ選び、志望する指導教員氏名を記入します。その後に続く三つの欄は独立した作文ではありません。過去に何を学び、なぜ進学し、入学後に何をどのように調べ、修了後にどうつなげるかを分担して説明する欄です。

所定様式の項目上限・形式中心となる内容
進学する目的と修了後の進路500字以内・次ページ不可学びたいこと、学修成果の活用、進路
これまでの研究概要参考文献・図表を含め1ページ以内既往研究、現在の進捗、身につけた能力
入学後に取り組む研究課題参考文献・図表を含め1ページ以内問い、分析、意義、必要な理論・方法、準備状況

所定様式はフォントを10ポイントとし、行間設定を変更しないよう指定しています。文字を小さくしたり余白を変えたりして情報を詰め込む発想は避けましょう。様式の制約そのものが情報の優先順位を測る条件です。問いに直接関係しない経歴、一般論、大学の称賛を削り、読み手が研究の設計を再現できる情報を残します。

研究計画書は面接や総合評価から切り離せない

公式入試情報では、専門科目、英語外部試験、面接、研究計画書、成績証明書等の内容を総合して選考すると説明されています。研究計画書だけの配点や、特定項目の評価比率は公表されていません。そのため「何点取れる書き方」を探すより、専門科目の選択、これまでの履修、志望専門領域、研究方法が矛盾しない状態を作るほうが有効です。

たとえば、人的資源管理をテーマにしながら、研究方法欄では対象者も質問項目も示さず「アンケートを行う」とだけ書けば、面接で実行可能性を説明しにくくなります。財務会計をテーマにしながら、利用する財務データや観察単位を説明できなければ、研究課題がまだ関心の表明にとどまっていると読まれかねません。面接で根拠を説明できる文だけを計画書に残すという基準で推敲すると、書類と口頭説明の一貫性が高まります。

推薦入試と第I期の様式を混同しない

同じ博士課程前期課程でも、推薦入試と第I期では研究計画書の様式が異なります。推薦入試の様式には、これまでの研究概要、研究成果、進学目的、修了後の希望進路、研究テーマと研究課題など、より細分化された欄があります。過年度のファイルや別区分の様式を手元に保存している場合、そのまま使わないでください。入試情報ページから自分の出願区分に対応する最新ファイルを取得し直すことが出発点です。

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経営学専攻の構造と3つの専門領域

博士課程前期課程は経営学専攻の1専攻

神戸大学大学院経営学研究科の博士課程は、前期課程2年と後期課程3年の二段階で構成され、現在は経営学専攻の1専攻です。かつての複数専攻を2012年度に一元化し、分野を横断して学びやすい体制に改められました。ただし、研究対象が無限定という意味ではありません。研究科が掲げる中心領域は経営学・会計学・商学であり、所定様式でもこの三つから志望専門領域を選びます。

専門領域研究対象の見方計画書で明確にしたい点
経営学組織、戦略、人材、イノベーションなど組織・個人・制度のどの水準を分析するか
会計学財務報告、管理会計、会計情報、社会環境会計など会計情報の作成・利用・効果のどこを問うか
商学金融、マーケティング、流通、交通、経営科学など市場主体、取引、消費者、金融機関等の関係をどう捉えるか

この表はテーマを機械的に分類するためのものではありません。たとえば企業の人的資本開示は、人的資源管理と財務報告の両方に接続し得ます。ブランド価値はマーケティングと会計の接点になり得ます。重要なのは、複数領域にまたがることを売り文句にするのではなく、中心となる研究上の問いを一つの領域に置くことです。そのうえで、補助的に使う理論やデータを隣接領域から導入します。

MBAの現代経営学専攻とは目的と成果物が異なる

研究科には、経営学専攻の博士課程とは別に、専門職大学院の現代経営学専攻、いわゆる神戸大学MBAがあります。名称に「経営学」が共通するため、ウェブ検索では両者の情報が混ざりやすい点に注意が必要です。本記事の対象である博士課程前期課程は、経営学・会計学・商学の専門知識と科学的方法論を修得し、新たな科学的知見を生み出す力を養う課程です。

実務上の課題を扱うテーマでも、博士課程前期課程の計画書では「この会社の問題を解決したい」だけでは不足します。どの概念間の関係を明らかにするのか、その結果が既存研究に何を加えるのかを示す必要があります。実務的な動機を、検証可能な研究上の問いに翻訳してください。課題解決の提案と科学的な説明を区別することが、MBA志望書との差を作ります。

異分野出身者は既修知識との橋を架ける

公式FAQは、経営学部以外の出身者について、これまで学んだ知識が入学後の研究課題にどう活かされる可能性があるかを明確に書くよう案内しています。工学で統計解析を学んだ人なら、その技法を経営データに適用できるというだけでなく、どの理論上の問いを検証するために使うかまで書きます。心理学出身者なら、尺度や実験の経験を組織行動研究へどう接続するかを説明します。

異分野であることを弱点として謝る必要はありません。一方で、「異なる視点があるから新規性がある」と断言するだけでも足りません。既修知識、経営学研究としての問い、大学院で補う知識の三点を示すと、学際性が具体化します。この構造は所定様式の「これまでの研究概要」と「必要な理論・分析手法」を自然につなぎます。

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カリキュラムと修了要件から逆算する研究の型

特論・方法論研究・特殊研究・演習を研究計画に対応させる

公式の教育説明によれば、前期課程は第1群の特論、第2群の方法論研究、第3群の特殊研究、第6群の演習を中心とする体系的なコースワークです。特論で領域の基礎を固め、方法論研究で科学的な分析方法を学び、特殊研究で発展的・横断的な論点に触れ、演習で修士論文を作成する流れだと理解できます。この構造を計画書に置き換えると、理論、方法、専門的展開、個別研究の四層になります。

所定様式が「どのような分析手法や理論を大学院で学ぶ必要があるのか」を求めるのは、この教育構造と整合しています。単に「統計を学びたい」と書くのではなく、仮説を検証するためにどのデータ構造を想定し、現在どこまで扱え、何を補う必要があるかを書きます。定性研究なら、インタビューをするという作業名だけでなく、対象者の選定、記録、コード化、解釈の考え方をどこまで準備しているか示します。

30単位と修士論文から実行可能性を考える

本科履修コースの前期課程修了には、2年以上在学し、演習を含む30単位を修得し、修士論文の審査と最終試験に合格する必要があります。研究計画書は壮大な社会課題を宣言する文書ではなく、この期間に授業を履修しながら修士論文としてまとめられる研究を提示する文書です。二年間で収集・分析・執筆できる範囲へ問いを絞る必要があります。

「日本企業の競争力低下の原因を解明する」のような問いは、対象も期間もメカニズムも広すぎます。「特定産業の企業において、ある組織施策が従業員の行動にどう関係するか」のように、対象、説明したい結果、原因候補を定めると調査可能性が上がります。会計研究なら、企業・年度・開示項目・市場反応など観察単位を具体化します。商学研究なら、消費者、企業、金融機関、プラットフォームなど、どの主体間の関係を見るかを限定します。

総合学力試験が示す理論と方法の基礎

前期課程から後期課程へ進むには、修了要件に加え、第1群9科目のうち1分野、第2群3科目のうち1分野の総合学力試験に合格する必要があります。すべての入学者が後期課程へ進むわけではありませんが、この制度は研究科が専門理論と方法論の双方を重視していることを示します。

研究計画書でも、現象への関心だけでなく、理論的な位置づけと分析方法を対にして書くべきです。事例を紹介するだけでは、なぜその事例から一般化可能な知見が得られるのかが伝わりません。数値を集めるだけでも、何を説明するモデルなのかが曖昧です。理論が問いを形づくり、方法が答えの根拠を作るという関係を意識してください。

科目名は飾りではなく不足能力の説明に使う

計画書に大学公式サイトの科目群を列挙しても、研究との関係がなければ志望理由は強まりません。「方法論研究を履修したい」ではなく、「企業パネルデータから施策導入前後の差を検討するため、計量的な方法を体系的に学ぶ必要がある」のように、研究上の判断と学修課題を結びます。逆に、シラバスで確認していない授業名や、毎年開講されると確認できない科目を断定的に書くのは避けます。

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教員の研究分野マップとテーマの接続

研究科公式のHTML教員一覧は、教員を経営学・会計学・商学の三分野に分けています。以下は、公式の個別紹介ページで研究内容を確認できた代表例です。教員の所属や研究分野は年度により変わるため、出願前に最新の公式教員一覧と、入試ページに掲載される当該年度の演習担当可否を確認してください。入試ページは、一覧で前期課程演習担当が「-」の教員は次年度に指導できないと注意しています。

代表例は各分野の幅を確認するために使います。経営学分野では人的資源管理、組織行動、イノベーション、会計学分野では財務会計、管理会計、社会環境会計、商学分野では金融、マーケティング、経営科学などへの接続を公式HTMLで確認できます。以下では、個別ページに掲載された文言に沿って教員ごとの接続を整理します。

経営学分野は対象と分析水準を照合する

上林憲雄教授の個別ページは経営学・人的資源管理論を専攻として掲げています。服部泰宏教授は、人的資源管理論と組織行動論が重なる領域を研究すると説明しています。公式ページには企業の人事データやサーベイデータ、インタビューや参加観察を用いることも記載されています。原田勉教授は、イノベーション確率、組織や個人の創造性、マネジメント・認知心理学・脳神経科学の学際領域への関心を掲載しています。

人材や組織を扱う受験生は、キーワードの一致だけで志望教員を決めないでください。組織制度を分析するのか、個人の心理や行動を見るのか、イノベーションの生成過程を見るのかで、問いの水準も利用するデータも変わります。研究対象・理論・データの三点で教員との接続を確認すると、表面的な専門一致を避けられます。

会計学分野は会計情報のどの局面を見るかを分ける

音川和久教授の専門分野は財務会計・財務諸表分析で、財務諸表データや株価データなどを用い、資本市場における財務会計の機能を実証的に明らかにする研究が紹介されています。梶原武久教授は管理システム、管理会計、コスト・マネジメントを専攻として掲げ、企業内部における会計情報の役割を研究しています。國部克彦教授は社会環境会計、経営倫理、価値創造について説明しています。

同じ「企業の会計」を扱っていても、外部報告と資本市場の関係、企業内部の意思決定や管理、社会・環境価値の評価では研究の文献群が異なります。研究計画書では「会計に興味がある」から一段進み、誰が何のために作成・利用する情報なのか、どの効果を説明したいのかを示します。分析に使えるデータの入手経路も早い段階で確認しましょう。

商学分野は市場の主体と相互作用を定める

内田浩史教授は、銀行を中心とした金融機関の経済的機能、金融システムの設計、企業の資金調達、ソーシャルファイナンスを専門として掲載しています。栗木契教授はマーケティング論を専攻とし、マーケティング戦略、ウェブ・コミュニケーション、ブランド・マネジメントを中心とする研究テーマを説明しています。松井建二教授はマネジリアルエコノミクス、経営科学・オペレーションズリサーチを専攻とし、企業の問題の数理的モデル化と統計的評価への関心を掲載しています。

商学分野は扱える現象が広いため、主体を明確にすることが大切です。金融機関と企業の関係、企業と消費者のコミュニケーション、供給者間の戦略的相互作用では、同じデジタル化という現象でも異なる問いになります。流行語ではなく主体間の関係を研究単位にすると、必要な理論と方法を選びやすくなります。

教員名は権威づけではなく指導可能性の確認に使う

「知名度の高い教員がいるから志望する」という書き方では、研究適合を説明できません。個別ページで研究テーマ、担当科目、用いる方法を読み、自分の問いとの共通点と相違点をメモします。共通点が研究対象だけなら、理論や方法が合うか追加確認が必要です。完全一致を求める必要はありませんが、少なくとも研究を評価し指導できる学術的な接点を言葉にできる状態を目指します。

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自分の研究テーマが研究科に合うか判定する手順

手順1:関心を疑問文へ変える

最初に「人的資本経営」「生成AIとマーケティング」「地域金融」のような名詞を、答えを調べられる疑問文へ変えます。「なぜ」「どのように」「どの条件で」「どの程度」を使い、説明したい結果と原因候補を入れます。たとえば「生成AIがマーケティングに与える影響」では広すぎますが、「生成AIを用いた商品説明の開示が消費者の信頼にどう関係し、その関係は商品知識によってどう異なるか」なら、対象と関係が見えます。

手順2:三つの専門領域のどこに置くか決める

次に、問いが経営学・会計学・商学のどこに主軸を置くか決めます。判断基準は題材ではなく、説明に使う理論と成果を届けたい研究領域です。企業を対象にしても会計学研究になり得ますし、消費者を対象にしても組織研究にはなりません。何を調べるかより、何を説明する研究かで領域を選ぶことが大切です。

手順3:先行研究から未解明点を一文にする

関連する査読論文や学術書を読み、既に分かっていること、結果が一致していないこと、十分に検討されていない条件を分けます。新規性を「日本では研究が少ない」だけで済ませず、既存理論ではどの関係を説明し切れていないのか示します。文献を読んだ順に紹介するのではなく、研究課題に至る論理の順に整理してください。

先行研究の探索では、題名の似た論文だけでなく、主要論文が引用する基礎理論、その論文を引用した後続研究をたどります。各文献について、問い、データ、方法、結果、限界を一行ずつ記録すると、研究の空白を比較しやすくなります。

手順4:データへのアクセスを先に検証する

企業へのインタビュー、社内人事データ、非公開の取引情報などを前提にすると、協力が得られない場合に研究全体が止まります。公開データで代替できるか、対象数を変えられるか、別の方法で同じ問いに近づけるかを考えます。アンケートなら母集団、募集方法、必要回答数の考え方を整理します。二次データなら収録範囲、単位、欠損、利用条件を確認します。

手順5:教員ページと方法論を二方向から照合する

教員一覧から近い分野の複数名を選び、個別HTMLページを読みます。「テーマが似ている」だけでなく、研究方法や担当科目も確認します。同時に、自分の方法を指導できる教員がいても、当該年度に前期課程演習を担当できるかを入試ページの一覧で確認します。候補が一人も見つからない場合は、テーマの置き方か志望校の選択を再検討する合図です。

手順6:二年間の作業へ分解する

文献レビュー、理論枠組み、予備調査、倫理上の手続、データ収集、分析、執筆を時系列に置きます。それぞれに必要な期間と前提条件を付けます。研究方法を作業工程まで分解して初めて実行可能性を評価できるからです。この段階で無理が見えたら、対象範囲を狭めるか、データを変更します。

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所定様式3項目の書き方と分量設計

進学目的と修了後の進路は500字で因果関係を書く

第1欄では、これまでの問題意識、神戸大学で補う能力、その能力を修了後にどう使うかをつなぎます。大学の歴史や知名度を説明する余裕はありません。冒頭で研究したい課題を示し、現在不足する理論・方法を一つか二つ挙げ、教育プログラムとの接続を述べ、進路へ結びます。「研究者になりたい」「企業で活躍したい」だけでなく、どの領域でどの研究能力を使うのかまで具体化します。

500字の目安は、問題意識100字、進学して学ぶ内容200字、修了後の進路150字、接続の調整50字です。これは固定の配分ではありませんが、進路だけが長い、大学の説明だけで半分を使う、といった偏りを防げます。書き上げたら、研究課題欄と同じ問い・用語を使っているか確認します。

これまでの研究概要は能力の証拠を示す

第2欄は卒業論文の要約だけを書く欄ではありません。公式様式は、大学などで行った研究または現在進行中の研究について、適宜見出しを付けて詳しく説明するよう求めています。研究目的、先行研究、方法、得られた結果または進捗、限界を簡潔に示します。入学後のテーマを変更する場合も、文献探索、データ処理、調査設計、論証など、転用できる研究能力を明らかにします。

研究経験が少ない場合は、経験を大きく見せようとせず、ゼミ論文や授業内研究で何を行い、どこまで自力で判断したかを書きます。共同研究なら自分の担当を明確にします。結果が仮説通りでなかった研究も、方法と考察が適切なら経験として説明できます。成果の派手さではなく研究過程で行った判断を示すことが重要です。

研究課題欄は問いから準備状況までを一ページに収める

第3欄は計画書の中心です。所定様式が求める内容を、研究題目、背景と先行研究、研究課題、分析方法、期待される意義、必要な学修、準備状況の順に配置すると読みやすくなります。題目は広いテーマ名ではなく、対象と主要概念が分かる表現にします。

要素役割確認質問
背景・先行研究既知と未解明を区別する引用が問いに直接つながるか
研究課題答える疑問を限定する一文の疑問文にできるか
分析方法答えの根拠を作る対象、データ、分析単位があるか
興味深さ・意義研究する理由を示す学術的意義と実務的含意を区別したか
必要な学修大学院進学の必要性を示す不足する理論・方法が具体的か
準備状況実行可能性を示す読了文献、予備分析、データ確認があるか

一ページの中では、背景説明を長くしすぎないことが肝心です。社会的に重要な問題であることを示す統計やニュースを並べても、学術研究の空白は示せません。先行研究から研究課題へ至る部分に紙幅を使い、方法は読み手が実施手順を想像できる程度に具体化します。

分析方法は名称ではなく設計を書く

「定量分析を行う」「インタビュー調査を行う」だけでは、方法の妥当性を判断できません。定量研究なら対象母集団、データ源、主要変数、比較の考え方を示します。定性研究なら事例選定の理由、情報提供者、収集方法、分析手順を示します。文献研究なら資料の選定基準と比較軸が必要です。

まだ確定できない部分は、無理に断定せず候補と選択条件を示せます。たとえば「公開企業データの収録状況を確認したうえで対象期間を確定する」と書けば、未確定事項と解決手順を分けられます。不確実性を隠すのではなく管理方法を示すことで、計画としての信頼性が上がります。

参考文献は最小限でも役割を持たせる

様式は参考文献を必要不可欠なものに絞るよう求めています。基礎理論を示す文献、直近の主要実証研究、研究上の空白を示す文献など、役割の異なるものを選びます。題名だけ知っている文献や本文で触れない文献を水増ししないでください。引用形式を統一し、本文の主張と文献リストが対応するか確認します。汎用的な構成の確認には研究計画書の例文・テンプレート集も参考にできますが、提出時は神戸大学の所定様式を優先します。

経営学分野の計画を具体化する思考例

経営学分野で人材や組織を扱う場合、「若手社員の離職を減らしたい」という実務課題をそのまま研究目的にしないことが大切です。まず、離職意思、実際の離職、組織への定着、職務満足など、説明したい結果を区別します。次に、採用時の期待、上司との関係、評価制度、仕事の自律性など、原因として検討する概念を選びます。最後に、どの理論がその関係を説明するのかを先行研究から探します。日常語を測定可能な研究概念へ置き換えることで、問いが分析可能になります。

たとえば複数企業の従業員サーベイを想定するなら、企業ごとの制度差と個人差をどう扱うかが問題になります。一社の事例研究なら、その会社を選ぶ理由と、他社にも役立つ知見をどう導くかが必要です。インタビューと質問紙を組み合わせる場合も、単に「混合研究法」と名付けるのではなく、インタビューで仮説を作るのか、統計結果を解釈するのか、役割を明示します。

上林憲雄教授の経営学・人的資源管理論、服部泰宏教授の人的資源管理論と組織行動論が重なる領域など、公式ページで確認した研究内容と比較するときは、題材の近さだけを見ないでください。自分の問いが制度側を説明するのか、個人の行動・心理を説明するのかを整理します。志望教員と同じ用語を使っていても、分析水準が違えば必要な理論は変わります。

進学目的欄では、この整理を踏まえて、現時点で不足する理論や分析技法を明記します。研究概要欄では、これまで扱った対象が異なっていても、サーベイ設計、統計処理、インタビューの記録と分析など、再利用できる能力を示せます。研究課題欄では、対象者の範囲、比較群、収集可能性、倫理上の配慮を含めます。三つの欄で同じ研究能力の成長過程を描くと、進学の必要性が具体的になります。

会計学分野の計画を具体化する思考例

会計学分野では、「ESG情報開示が重要である」「管理会計を企業経営に役立てたい」といった目的を、会計情報の作成者、利用者、利用場面、結果へ分解します。外部の投資家が開示情報をどう評価するのか、経営者が内部情報を意思決定へどう利用するのか、従業員の行動が管理システムによってどう変わるのかでは、必要な文献とデータが異なります。

音川和久教授の公式ページは、財務諸表データや株価データなどのアーカイバル・データを用いる研究を紹介しています。こうした研究との接続を検討するなら、どの企業群と期間を対象にし、どの開示や会計数値を説明変数・結果変数として扱うかを考えます。市場反応を扱う場合は、単なる前後比較でよいのか、同時期の別要因をどう区別するかという問題もあります。利用できるデータから問いを逆算する視点も欠かせません。

梶原武久教授の管理システム、管理会計、コスト・マネジメントとの接続を考える場合は、企業内部の情報が必要になる可能性があります。協力企業が未定なら、その不確実性を無視せず、公開資料による事例比較、質問票、既存データなどの代替案を検討します。國部克彦教授の公式ページは社会環境会計、経営倫理、価値創造を扱っています。これに接続するテーマでは、社会的価値の定義を先行研究に基づいて明確にします。

会計制度の解説だけで終わる計画にも注意が必要です。制度が変更された事実をまとめるだけでは、研究上の問いになりません。その変更が企業行動、情報の比較可能性、利害関係者の判断などにどう関係するのかを問います。法令や基準の文言を一次資料として扱う場合と、企業データで効果を検証する場合を区別し、結論を支える証拠が何かを示してください。

商学分野の計画を具体化する思考例

商学分野でマーケティングを扱う場合、「SNSは購買に影響する」という一般論を、発信主体、コンテンツ、受け手、心理過程、行動へ分解します。企業発信と消費者発信では信頼形成が異なり、認知、態度、購買意図、実購買も同じ結果ではありません。栗木契教授の公式ページにあるマーケティング戦略、ウェブ・コミュニケーション、ブランド・マネジメントとの接続を検討しつつ、自分が説明する関係を限定します。

金融研究では、内田浩史教授の公式ページが、銀行、金融機関の経済的機能と金融システムの設計、企業の資金調達、ソーシャルファイナンスを挙げています。地域企業の資金調達を扱うなら、企業側の属性、金融機関の行動、融資条件、地域環境のどこを中心にするか決めます。公開統計、企業財務、質問票など、利用するデータによって答えられる問いの粒度が変わります。

経営科学では、現実の問題を数理モデルへ置き換える際の仮定が研究の核心になります。松井建二教授の公式ページは、企業が直面する問題の数理的なモデル化、モデルの妥当性の統計的評価、問題解決への活用への関心を掲載しています。モデルの複雑さより仮定と現象の対応を説明することが重要です。数式を多く載せるより、意思決定主体、選択肢、制約、目的を文章で明確にします。

三つの例に共通するのは、流行する題材を挙げるだけでは計画にならないことです。デジタル化、サステナビリティ、地域創生といった語は、複数の専門領域に置けます。どの主体のどの行動を、何の理論で、どの証拠から説明するかを決めて初めて、志望領域と教員の選択が可能になります。

推敲では読み手が迷う箇所を一つずつ消す

内容を整えた後は、研究計画書を初めて読む人の視点で確認します。冒頭を読んだ時点で研究対象が分かるか、先行研究から問いへの移動に飛躍がないか、方法によって本当に問いへ答えられるか、必要な学修が研究上の不足と対応するかを見ます。一文に複数の主張を詰め込んでいる箇所は分け、主語が曖昧な文は対象を明記します。

専門用語は避けるのではなく、同じ語を一貫した意味で使います。「成果」「効果」「影響」を無造作に言い換えると、何を測るのかがぼやけます。仮説、研究課題、目的も役割が違います。目的は何を明らかにするか、研究課題は答える問い、仮説は検証可能な予測として整理します。用語の統一は研究設計の統一につながると考えてください。

第三者に読んでもらうときは「分かりやすいですか」とだけ尋ねず、研究課題を一文で言い返してもらいます。想定した問いと異なる答えが返れば、背景が長すぎるか、中心文が埋もれています。次に、どのデータをどう分析する計画に見えたかを尋ねます。読み手が再現できない部分を優先して直します。

最後に、所定様式の指示、フォント、行間、ページ数、不要な案内文の削除、ファイル形式を確認します。文献表記、教員氏名、専門領域の表記も公式ページと照合します。内容の推敲と形式確認を同時に行うと見落としやすいため、別の工程に分けます。

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評価を下げやすい研究計画書の共通点

社会問題の重要性だけで研究課題を代用する

「人手不足は深刻である」「DXは重要である」という説明は研究の動機にはなりますが、研究課題ではありません。何がまだ説明されておらず、どの関係を調べるかが必要です。社会的重要性の段落を半分に削り、その分を先行研究の対立や限界の説明に使います。

指導教員の専門を勝手に広げる

教員ページにない分野を、論文題名の印象や記憶から付け加えてはいけません。公式HTMLに掲載された研究と教育の概要、専攻、担当科目を確認し、自分のテーマとの接続は「自分が確認すべき仮説」として扱います。教員名を権威づけに使ったり、指導を受ければ有利だと書いたりするのも避けます。

入手できないデータを前提にする

特定企業の機密データ、経営者への多数の面談、契約が必要な大規模データベースなどを、利用許可の確認なしに前提とすると実行可能性が弱くなります。代替データ、対象規模の縮小、公開資料による予備分析を考えます。データへのアクセスは方法論の一部であり、研究開始後に考える事務作業ではありません。

先行研究が要約の羅列になっている

A論文は何を述べ、B論文は何を述べたという紹介だけでは、自分の問いの必要性が見えません。研究結果を比較する軸を設け、どこが一致し、どこが対立し、どの条件が未検討かを整理します。最後の一文で、その空白から自分の研究課題が導かれるようにします。

三つの欄で別々の人物に見える

進学目的では組織研究、これまでの研究概要では金融研究、入学後の課題ではマーケティング研究を説明し、接続がなければ一貫性が伝わりません。テーマ変更自体は問題ではありませんが、過去の経験から転用できる能力、変更した理由、補うべき知識を明示します。

大学院で学ぶことが抽象的である

「高度な知識を身につけたい」「幅広く学びたい」だけでは、なぜこの研究科である必要があるか説明できません。問いを解くうえで不足している理論、分析方法、研究指導を特定し、特論・方法論研究・演習という教育構造に対応させます。科目名の羅列ではなく、研究上の必要から学修内容を導きます。

断定が根拠を超えている

調査前から「施策は業績を向上させる」と結論を決めると、研究ではなく主張の確認になります。「どの条件で関係するかを検討する」「正負の効果を比較する」のように、反証可能な問いを作ります。期待する結果と研究上の結論を区別してください。テーマ設定に迷う場合は研究計画書のテーマが決まらないときの決め方も併用できます。

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出願までの逆算スケジュール

研究計画書は出願直前の文章作業ではありません。テーマの絞り込み、文献探索、データ確認、教員照合を先に行い、文章化と推敲の時間を確保します。以下は出願締切を基準にした一例です。実際の日程は当該年度の募集要項で確認し、授業、卒業論文、英語外部試験の準備と合わせて調整してください。

時期主な作業到達点
締切6〜8か月前関心領域の文献を広く読む候補テーマを3案程度にする
締切5か月前先行研究を比較し問いを絞る未解明点を一文で説明する
締切4か月前教員HTML、教育内容、データ源を確認領域・教員・方法の接続表を作る
締切3か月前予備分析、調査設計、文献表作成実行可能性の弱点を洗い出す
締切2か月前所定様式で初稿を書く三つの欄を一貫させる
締切1か月前第三者確認と複数回の推敲論理、形式、面接説明を整える
締切1週間前最新様式・アップロード形式を再確認提出可能な最終ファイルを作る

初期段階ではテーマを一つに固定しすぎない

最初から一案に執着すると、先行研究が見つからない、データを得られない、指導可能な教員と接続しないと分かった時に行き詰まります。同じ問題意識から、対象や方法の異なる複数案を作ります。文献とデータを確認した後に、学術的意義と実行可能性の両方が高い案へ絞ります。

初稿は所定様式に直接書く

自由な長文を作ってから削ると、背景だけが詳しく、方法や準備状況が薄い文章になりやすい傾向があります。最初から所定様式のページ制約に合わせ、各要素へ仮の字数を配分します。制約の中で論理を組むこと自体が推敲の第一段階です。

提出前は面接用の一分説明を作る

研究課題、先行研究の空白、方法、意義を一分で説明できるようにします。次に、なぜ神戸大学か、なぜその専門領域か、なぜその教員を志望するか、データが得られない場合の代替案を答えます。説明できない箇所は計画書の論理が飛んでいる可能性があります。書類を直し、口頭説明も更新してください。

文献ノートを計画書の部品として管理する

文献を読んだ冊数だけを増やしても、計画書の論理は自動的には整いません。各文献について、研究課題、理論、対象、データ、方法、主要な結果、限界を同じ項目で記録します。文献ごとの要約より研究間の比較表を作るほうが、未解明点を発見しやすくなります。自分の計画で引用する理由も一行で付けてください。

基礎理論を示す文献と、対象現象の最新研究は役割が違います。前者は概念間の関係を説明する土台、後者は現時点の到達点や残る課題を示します。一つの文献に背景・理論・方法の全役割を負わせないようにすると、引用の偏りを防げます。反対の結果を示す研究も外さず、違いが生じた条件を検討します。

読んだ文献の用語をそのまま借りる場合は、定義を確認します。同じ「企業成果」でも、売上、利益率、株価、革新性、従業員の評価では意味が異なります。主要概念には観察可能な指標を対応させることで、研究課題と分析方法の間がつながります。

予備調査で計画の弱点を早めに見つける

計画書を書く前に、小規模な予備作業を行うと実行可能性を具体的に説明できます。公開データなら数社・数年分を実際に取得し、欠損や表記揺れを確認します。質問紙なら数名に設問を読んでもらい、意味が一つに定まるかを確かめます。インタビューなら質問項目を作り、答えから研究課題に必要な情報が得られそうか検討します。

予備作業で当初の方法が難しいと分かることは失敗ではありません。対象を狭める、別の指標を使う、研究課題を調整するための情報になります。準備状況には確認済みの事実と残る課題を書くと、過度な自信と準備不足の両方を避けられます。

人を対象とする調査では、研究倫理や個人情報の扱いも考えます。同意をどう得るか、匿名化できるか、所属組織に不利益が生じないかを確認します。入学後に正式な手続が必要な場合は、それを無視して「すぐ調査できる」と書かず、必要な手続を工程と期間に組み込むことが大切です。

面接想定問答を研究計画のストレステストにする

想定問答は回答を暗記するためではなく、研究計画の弱い接続を探すために使います。「なぜその対象なのか」「その方法で因果関係まで言えるのか」「似た研究と何が違うのか」「データを得られなければどうするか」といった問いへ、計画書の記述を根拠に答えます。質問に答えられない箇所は本文へ戻って修正するという往復を行います。

志望教員について尋ねられた場合は、公式ページにある専門を正確に述べ、自分の研究との接点を説明します。「有名だから」「幅広く指導してくれそうだから」という推測は使いません。別の教員や隣接分野との接続も確認しておくと、研究科全体を理解したうえで選んだことが伝わります。

研究の意義を問われたときは、学術的意義と実務的含意を分けます。学術的意義は既存研究の空白に何を加えるか、実務的含意は結果が誰のどの判断に役立ち得るかです。実務的に役立つことだけで新規性を代用しないようにします。結果が想定と異なった場合にも価値がある問いか確認してください。

提出ファイルは内容と同じ水準で点検する

最終版では、研究科サイトから取得した当該区分の様式か、案内文を削除したか、指定された10ポイントと行間を維持したか、各欄がページをまたいでいないかを確認します。別区分や過年度様式との取り違えを最初に点検すると、内容以前の不備を防げます。

教員氏名と専門領域は公式表記に合わせます。ファイル名、アップロード形式、提出方法は募集要項の指示に従います。変換後のファイルを開き直し、文字化け、改ページ、表や参考文献の欠落がないか確認してください。提出する実ファイルを最後に読み直すところまでが推敲です。

確認作業では、まず研究課題だけを読み、次に方法だけを読んで両者が対応するか確かめます。続いて進学目的と修了後の進路を読み、研究能力を学ぶ理由がつながるか見ます。欄ごとの完成度より欄をまたぐ一貫性を確認することが重要です。さらに、参考文献が本文で実際に使われているか、本文の主要な主張に根拠があるかを照合します。引用の数ではなく各文献の役割を点検すると、必要不可欠な文献へ絞りやすくなります。最後に声に出して読み、長すぎる文や主語の曖昧な箇所を直します。形式確認用のチェックリストを別に作ると、内容を直した後の見落としを減らせます。

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よくある質問(FAQ)

神戸大学大学院経営学研究科の研究計画書は何字ですか?

令和9年度博士課程前期課程第I期では、進学目的と修了後の進路が500字以内です。これまでの研究概要と入学後の研究課題は、それぞれ参考文献・図表を含め1ページ以内で、10ポイント、行間変更不可です。単純な総字数ではなく欄ごとの制約なので、最新の所定Word様式で確認してください。

志望指導教員はどのように選べばよいですか?

公式教員一覧で経営学・会計学・商学の分野を確認し、個別HTMLページで研究内容と担当科目を読みます。研究対象だけでなく、理論、方法、利用データの接続を比較してください。さらに、当該年度の入試ページで前期課程演習を担当できるかを確認します。

出願前に教員へ連絡する必要がありますか?

確認した令和9年度第I期の所定様式には志望指導教員氏名欄がありますが、同様式には事前連絡を必須とする記載はありません。必要性を推測で判断せず、最新の募集要項と入試FAQを確認してください。連絡する場合も、教員一覧に載る個人情報を転載せず、大学公式の案内に従います。

経営学部以外の出身でも出願できますか?

公式FAQは幅広い分野から人材を募る方針を示し、異分野出身者には、これまでの知識が入学後の研究課題にどう活かされるか明確に書くよう案内しています。既修知識の紹介だけで終えず、経営学・会計学・商学の問いへどう接続し、何を大学院で補うかを説明しましょう。

定量研究と定性研究のどちらが有利ですか?

公式情報は、どちらかが一律に有利とは示していません。研究課題に答えるために適切な方法を選ぶことが先です。仮説、対象、データ、分析手順の整合を示し、現時点で不足する方法論を具体的に説明してください。

卒業論文と同じテーマでなければなりませんか?

所定様式は、これまで行った研究または現在進行中の研究概要と、入学後の研究課題を別欄にしています。テーマを継続する場合は未解明点と発展を、変更する場合は転用できる研究能力と変更理由を示します。二つの欄の間に学術的な橋があれば、一貫性を説明しやすくなります。

MBA向けの研究計画書と同じ内容でよいですか?

そのまま流用するのは適切ではありません。本記事の対象は経営学専攻の博士課程前期課程で、新たな科学的知見を生み出す方法論の修得を重視します。現代経営学専攻のMBAは別の専門職学位課程なので、出願区分、様式、教育目的を取り違えないでください。

面接では研究計画書について何を準備すべきですか?

研究課題、先行研究上の空白、方法、データへのアクセス、研究の意義、必要な学修を簡潔に説明できるようにします。選考は面接や研究計画書等を含む総合評価です。計画書に書いた用語や教員の専門について、根拠を自分の言葉で説明できる状態にしてください。

補足:研究テーマはどのくらい狭くすればよいですか?

二年間で文献確認、データ収集、分析、修士論文執筆まで進められる範囲が目安です。対象となる主体、期間、地域または産業、説明したい結果、原因候補を順に限定します。ただし、狭い題材を選ぶだけでは研究として成立しません。その事例を通じて既存理論のどの関係を検討できるのかを示してください。対象範囲の狭さと研究上の意義は別々に確認する必要があります。

補足:志望教員とテーマが完全に一致する必要はありますか?

完全に同一である必要があるとは公式情報に示されていません。重要なのは、対象、理論、方法のいずれに学術的な接点があり、入学後の研究を指導できる可能性を合理的に説明できることです。個別ページの文言を自分に都合よく広げず、当該年度の演習担当可否も確認します。候補が一人だけの場合は、テーマの置き方が狭すぎないか、隣接分野から評価できる教員がいるかも検討しましょう。

補足:研究結果を事前に予測して書くべきですか?

理論に基づく仮説や予測は書けますが、結果が確定したように断定するのは避けます。仮説を支持する結果と支持しない結果のどちらからも、研究課題に対して何が分かるかを考えます。探索的研究であれば、どのパターンを比較し、どのように解釈するかを説明します。期待する結論ではなく検証できる問いを中心に置くことで、研究としての開放性を保てます。

補足:参考文献は日本語文献だけでもよいですか?

所定様式は参考文献を必要不可欠なものに絞るよう求めていますが、言語別の本数は示していません。研究課題にとって主要な研究が何語で発表されているかを基準に選びます。国内制度や日本企業を扱う研究でも、理論や方法の基礎が海外文献にあることはあります。反対に、日本固有の制度を説明する一次資料や国内研究が不可欠な場合もあります。言語で先に線を引かず、各文献が背景、理論、方法、未解明点のどの役割を持つかで判断してください。

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まとめ|3領域・方法論・教員の接続が研究計画書の軸

神戸大学大学院経営学研究科の研究計画書は、所定様式を埋める前に、研究科の教育構造と教員の研究分野を理解することから始まります。第I期の三つの記述欄を、過去・進学目的・入学後の研究という一続きの計画として設計してください。

  • 最新の出願区分に対応する所定Word様式を使う
  • 経営学・会計学・商学から研究の主軸を一つ定める
  • 社会的関心を先行研究に基づく疑問文へ変える
  • 理論と分析方法を対にして説明する
  • 二年間でデータ収集・分析・執筆できる範囲へ絞る
  • 公式HTMLで教員の専門と当該年度の指導可否を確認する
  • 三つの欄と面接で同じ論理を説明できるようにする

とりわけ重要なのは、テーマ・カリキュラム・教員を一つの研究工程で結ぶことです。関心が研究科の射程に入り、必要な理論と方法を教育課程で学べ、指導可能な教員との学術的接点があり、修士論文として実行できる。この四点を一貫して示せれば、計画書の説得力は高まります。

完成後は、志望専門領域、志望教員、研究課題、分析方法、入学後に学ぶ内容を一枚のメモに並べ、矢印で関係を説明してみてください。どこか一つでも接続を言葉にできなければ、その部分を公式情報と先行研究へ戻って確認します。この最終確認によって、所定様式の短い各欄がばらばらな作文になるのを防げます。

出願資格や専門試験、英語外部試験、日程の確認は神戸大学大学院経営学研究科の外部院試解説と最新の公式募集要項を併用してください。研究計画書は短期間で文章だけを整えても、問いと方法のずれを解消しにくい書類です。独学での対策に不安がある場合は、神戸大学大学院の研究計画書対策を含む大学院入試コースなど、専門の指導を活用するのも一つの方法です。

\ 大学院入試専門 /

書き上げた研究計画書、そのまま出して大丈夫ですか?

研究職キャリアを持つ講師が、テーマ設定・先行研究の位置づけ・研究方法まで、出願レベルに届いているかを個別に確認します。

  • 研究職の講師が研究計画書を添削し、改善点を明確化
  • 相談後に、志望校の出題傾向と学習ロードマップをまとめた個別フィードバックレポートをお渡し
  • 志望校が決まっていなくてもOK

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この記事を書いた人

千葉大学 法政経学部を首席で卒業後、都内国公立大学の法科大学院(ロースクール)を修了し、司法試験に合格。法律・政治・経済分野の専門知識をもとに、スプリング・オンライン家庭教師の大学編入・大学院入試分野の指導および記事監修を担当。

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