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東京工芸大学の編入学試験を徹底解説|芸術学部・工学部の学科別募集人員・試験科目・日程・倍率と対策【2027年度】

東京工芸大学の編入学試験を徹底解説|芸術学部・工学部の学科別募集人員・試験科目・日程・倍率と対策【2027年度】の記事アイキャッチ画像。大学編入対策の出願資格・試験科目・対策を示す図解。
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東京工芸大学は「芸術学部(中野キャンパス)」と「工学部(厚木キャンパス)」の2学部だけで構成される大学で、編入学試験の中身も学部でまったく別物です。芸術学部は学科試験がなく、エントリーシート・課題・面接だけで選考します。一方の工学部は数学の筆記試験(微分積分学・線形代数)と面接で選考しており、同じ「編入学試験」という名前でも準備すべきことがまるで違います。さらに芸術学部は7学科のうち編入学試験(2年次)を実施しているのが3学科だけで、3年次編入学試験は2027年度は募集がないなど、学部単位の理解だけでは足りない構造になっています。

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この記事では、東京工芸大学が公式サイトで公表している2027年度の学生募集要項・入試情報および直近(2026年度)の志願・受験・合格者数の実績をもとに、学部・学科別の募集人員・受験資格・試験科目・日程・倍率を整理します。あわせて、工学部が公開している編入学試験の過去問(数学)から読み取れる出題テーマや、芸術学部の編入学試験で課される「課題」の内容まで、一次情報の範囲で踏み込んで解説します。なお東京工芸大学(t-kougei.ac.jp、通称:工芸大)は、校名が似ている東京工科大学(teu.ac.jp、八王子・蒲田キャンパス)とは別の大学ですので、志望校を確認する際はご注意ください。

特に確認しておきたいのは、「工学部と芸術学部で編入学試験を実施している」という情報だけでは出願の可否も対策の方向性もわからないという点です。芸術学部は7学科のうち編入学試験(2年次)を実施しているのがわずか3学科で、学力試験がなく課題と面接が中心です。工学部は4コースすべてで実施していますが、数学の筆記試験が合否を左右します。この記事を最後まで読めば、自分の志望学科・コースが「どの制度で」「何を対策すべきか」を具体的に把握できるはずです。

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目次

東京工芸大学の編入学試験は、芸術学部と工学部で選考方法がまったく違う

東京工芸大学には芸術学部と工学部の2学部があり、いずれも編入学試験を実施していますが、その中身は次のように大きく異なります。

学部実施年次(2027年度)選考方法学科試験
芸術学部2年次のみ(3年次は募集なし)エントリーシート+課題+面接なし
工学部3年次が基本(建築のみ2年次が基本、単位状況により3年次の場合も)筆記試験(数学)+面接あり(数学:微分積分学・線形代数)

芸術学部は「学力試験」という形の試験がなく、出願時に提出するエントリーシートと課題(学科によって内容が違う)、そして面接で合否を決めます。工学部は逆に、数学の筆記試験が選考の核になっており、面接と合わせて配点も公開されています。この違いを知らずに「編入学試験だから学科試験の対策をしなければ」と身構えて芸術学部を受ける、あるいは「作品を作ればいい」と考えて工学部を受けるようなミスマッチが起きやすいので、まず自分の志望学科がどちらの方式かを確認してください。

もう一点、出願方法にも違いがあります。芸術学部の編入学試験(2年次)は、東京工芸大学の他の入試区分と異なりインターネット出願ではなく、Googleフォームでの出願登録と郵送書類の組み合わせという独自の手順です。工学部は事前確認申請という単位認定の事前チェック制度があり、出願前に入試課へ書類を送って認定可否を確認する必要があります。どちらも一般選抜のつもりで直前に出願準備を始めると間に合わない可能性があるため、早めに手順を把握しておくことが重要です。

なお、事前に大学公式サイトで学部単位の実施状況を確認した段階では「工学部、芸術学部の2学部で編入学試験を実施している」というところまでしかわかりませんでした。実際に募集要項・入試情報ページを1つずつ確認したところ、芸術学部は7学科中3学科(写真・インタラクティブメディア・ゲーム)に限られ、しかも2027年度は3年次編入学試験の募集自体がないなど、学部単位の情報だけでは志望校選びの判断がつかない粒度であることがわかりました。以下、学科・コース単位まで踏み込んで整理します。

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学部・学科別の募集人員と実施年次【2027年度】

まず芸術学部です。芸術学部は写真学科・映像学科・デザイン学科・インタラクティブメディア学科・アニメーション学科・ゲーム学科・マンガ学科の7学科がありますが、2027年度に編入学試験(2年次)を実施しているのは3学科だけです。

学科2年次編入3年次編入募集人員
写真学科×(2027年度募集なし)若干名
映像学科×(募集なし)×
デザイン学科×(募集なし)×
インタラクティブメディア学科×若干名
アニメーション学科×(募集なし)×
ゲーム学科×若干名
マンガ学科×(募集なし)×

この表からわかるとおり、芸術学部で編入学試験(2年次)の対象になっているのは写真学科・インタラクティブメディア学科・ゲーム学科の3学科のみで、映像学科・デザイン学科・アニメーション学科・マンガ学科は2027年度の募集がありません。さらに3年次編入学試験は、芸術学部の公式サイト上で「2027年度 編入学試験(3年次)の募集はありません」と明記されており、直近で確認できる3年次の学生募集要項は2021年度分が最後にアーカイブされているものでした。芸術学部の入試情報ページでは、編入学試験全体の選考方法について「課題や面接、専門知識に関する筆記試験(3年次編入のみ)などを通して選考します」と説明されており、仮に将来3年次編入学試験が再開された場合は、2年次にはない専門知識に関する筆記試験が課される可能性がある点も読み取れます。3年次編入を希望する場合は、年度によって実施の有無や選考方法が変わる可能性がある点を踏まえ、出願を検討する年度の最新情報を必ず確認してください。

続いて工学部です。工学部は情報コース・機械コース・電気電子コース・建築コースの4コース制で、いずれも編入学試験(一般型)の対象です。

コース編入年次募集人員
情報コース3年次編入のみ若干名
機械コース3年次編入のみ若干名
電気電子コース3年次編入のみ若干名
建築コース2年次編入(カリキュラムや単位取得状況により3年次の場合も有り)若干名

工学部は建築コースだけが「2年次編入」を基本としており、他の3コースは3年次編入のみです。建築コースが2年次を基本とするのは、建築の専門カリキュラムが積み上げ式で、前籍校での修得単位数によっては2年次からのスタートが標準的な単位認定になりやすいためと考えられます(実際に3年次からの編入が認められるかどうかは、後述する「事前確認」で個別に判定されます)。なお工学部・芸術学部とも募集人員はすべて「若干名」で、上限人数は公表されていません。

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受験資格|自分が出願できるかを先に確かめる

受験資格は芸術学部・工学部でほぼ同じ枠組みですが、卒業見込みの基準年月が試験年度によって変わる点に注意してください。2027年度(2027年4月入学)の場合、共通する資格は次のとおりです。

区分条件
大学を卒業した人、または2027年3月卒業見込みの人
短期大学または高等専門学校を卒業した人、または2027年3月卒業見込みの人
大学に1年以上(休学期間を除く)在学し、一定単位数を修得して退学した人、または見込みの人(芸術学部は32単位以上、工学部は60単位以上)
専修学校の専門課程(修業年限2年以上・総授業時間数1,700時間以上)を修了した人、または2027年3月修了見込みの人
外国において同程度の課程を修了した人、または修了見込みの人

芸術学部と工学部で異なるのは③の必要単位数です。芸術学部の2年次編入は「大学に1年以上在学し32単位以上を修得」が条件ですが、工学部は「2年以上在学し60単位以上を修得」が条件になっています。工学部の方が在学期間・単位数の要件が重いのは、工学部の対象年次が原則3年次(建築のみ2年次基本)であることと対応しています。

出身校のパターン別に整理すると、4年制大学に在学して2年次で退学・編入したい人は芸術学部(32単位以上)が対象になりやすく、4年制大学に2年以上在学して60単位以上を修得した人や、高専・短期大学・専修学校(専門士)を卒業(見込み)した人は工学部(3年次中心)も選択肢に入ります。専修学校卒業者の条件にある「専門士」は、修業年限2年以上・総授業時間数1,700時間以上の専門課程修了者に付与される称号で、該当するかどうかは出身校の専門課程の設計によって変わるため、不明な場合は出身校の教務窓口に確認しておくと安心です。

留学生の場合は、両学部とも「日本語能力試験(JLPT)N2以上に合格」または「日本留学試験(EJU)の日本語(読解・聴解・聴読解)が一定点以上」が追加で必要です。得点基準は芸術学部が220点以上、工学部が210点以上とわずかに異なるため、留学生として出願する場合は学部ごとの募集要項で必ず基準点を確認してください。また工学部は「留学」の在留資格を有することも条件として明記されています。

出願方法・提出書類の違い

受験資格の次に確認しておきたいのが出願方法です。東京工芸大学の編入学試験は、芸術学部と工学部のどちらもインターネット出願ではなく郵送出願ですが、手順が異なります。

学部出願の流れ
芸術学部(2年次)①Googleフォームで出願登録→②登録内容の控えメールを印刷→③入学検定料を振込→④出願書類一式を速達・簡易書留で郵送
工学部①事前確認の申請(卒業・成績証明書やシラバス等を送付し単位認定の可否を確認)→②事前確認の結果通知を受領→③出願期間内に検定料振込・出願書類を郵送

芸術学部(2年次)の出願書類は全員共通のものだけでも10種類あり、留学生の場合はさらに追加書類が必要です。学生募集要項に明記されている一覧は次のとおりです。

提出書類対象
①志願票全員
②経歴書全員
③受験票全員
④写真票全員
⑤エントリーシート全員
⑥課題全員
⑦経費支払書留学生のみ
⑧パスポートのコピー留学生のみ
⑨日本語能力に関する証明書(JLPT・EJU)留学生のみ
⑩卒業(見込)証明書または在学期間の証明書等全員
⑪成績証明書全員
⑫本年度履修中の科目名・単位数が明記された証明書在学中の人のみ
⑬宛名カード全員
⑭送金依頼書等の控え全員
⑮出願登録フォーム「登録内容の控え」全員

提出された書類・入学検定料は理由の如何にかかわらず返却されないため、原本の提出が必要な証明書類は事前に発行部数を確認しておく必要があります。工学部は前述のとおり事前確認が出願の前提条件になっており、卒業(見込)証明書・成績証明書・シラバス(講義要項)を事前確認の期間内に送付し、認定可否の通知を受けてから、志願票・顔写真等の出願書類一式を出願期間内に郵送する2段階の流れです。書類に不備があると受理されないため、出願期間の締切間際ではなく余裕を持って準備することが推奨されています。志望校を決めたら、まず自分がどちらの手順を踏む必要があるのかを学生募集要項で確認してください。

試験科目・選考方法

芸術学部(2年次)|学科試験なし・エントリーシート+課題+面接

芸術学部の編入学試験(2年次)は、学力を問う筆記試験がありません。配点は次のとおりで、全学科共通です。

項目配点
エントリーシート100点
課題100点
面接(1人15分程度)100点
満点300点

エントリーシートはA欄・B欄の2部構成で、A欄は全学科共通で「志望理由と入学後の抱負」、B欄は学科ごとに異なるテーマが公式に指定されています(例:写真学科は「写真と自分」について400字程度、インタラクティブメディア学科は「インタラクティブ」について自由に表現、ゲーム学科は「遊び」についての考えを述べる、というように学科の専門性を反映したテーマです)。課題は学科ごとに「ポートフォリオ型」「企画提案型」「論述型」などタイプが異なり、面接では提出した課題やエントリーシートの内容について質疑が行われます。試験当日に自作品の任意持ち込みも認められています。

工学部|筆記試験(数学)+面接

工学部の編入学試験(一般型)は、直近で公開されている学生募集要項(2026年度)に基づくと、次の2科目で構成されています(2027年度版の学生募集要項は本稿執筆時点で未公表のため、科目構成自体は例年大きく変わっていない前提で参考にしつつ、出願前に最新版を必ず確認してください)。

試験試験時間配点備考
筆記試験10:30〜11:30(60分)100点数学(微分積分学、線形代数)
面接12:30〜(1人約20分)100点受験生1名に対し面接官2名

工学部はコース(情報・機械・電気電子・建築)で試験科目に違いはなく、共通の数学筆記試験と面接で選考します。試験場は厚木キャンパスです。後述するとおり、この数学筆記試験は2025年度実施分について大学が問題・解答・出題意図を公開しており、出題範囲を具体的に把握できます。

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日程・スケジュール

芸術学部(2年次)は2027年度の学生募集要項が既に公開されており、日程が確定しています。

区分出願期間試験日試験場合格発表日入学手続締切日
芸術学部(2年次)2026年9月25日(金)〜10月1日(木)2026年11月14日(土)中野キャンパス2026年11月20日(金)2026年12月11日(金)

工学部は、入試情報ページの入試カレンダーに2027年度(提携校推薦・一般)の日程が確定して掲載されています。ただし本稿執筆時点では、この日程に対応する学生募集要項PDFは「準備中」であり未公開です(直近で公開されている学生募集要項は2026年度分)。

区分出願期間試験日試験場合格発表日入学手続締切日
提携校推薦2026年11月24日(火)〜12月2日(水)2026年12月13日(日)厚木キャンパス2026年12月21日(月)2027年1月13日(水)
一般2027年2月8日(月)〜2月19日(金)2027年2月27日(土)厚木キャンパス2027年3月4日(木)2027年3月18日(木)

工学部には「提携校推薦」という、指定の提携校に在籍している人だけが対象になる区分があります(対象かどうかは在籍校に確認が必要です)。一般の編入学試験を検討する場合は「一般」の日程を見てください。なお工学部は出願前に「事前確認」という単位認定の事前チェック手続きが必要で、直近の2026年度実施分では事前確認の申請期限が出願開始のおよそ2か月前(12月15日〜翌年1月9日)に設定されていました。2027年度分の正式な事前確認期間は学生募集要項の公開を待つ必要がありますが、出願直前に慌てないよう、早めに入試課へ問い合わせておくことを推奨します。

検定料・初年度納付金

受験・入学にかかる費用も学部で異なります。検定料は次のとおりです。

学部入学検定料
芸術学部(2年次・2027年度)35,000円
工学部(2026年度公開分)30,000円

初年度納付金(入学金・授業料・実験実習費・施設設備費・諸会費の合計)は次のとおりです。芸術学部は「初年度納付金(2027年度)」として、工学部は直近公開の学生募集要項の金額です。

学部入学手続時後期(9月)1年間の合計
芸術学部1,081,000円814,000円1,895,000円
工学部901,000円684,000円1,585,000円

芸術学部は実験実習費(100,000円×前後期)が独立項目として計上されている分、工学部より初年度納付金が高くなっています。入学金は芸術学部250,000円・工学部200,000円で、こちらも芸術学部の方が高く設定されています。編入学の場合は最短で2〜3年間の在学になるため、単年度の納付金だけでなく、後述する単位認定の状況によって在学期間が延びる可能性も踏まえて資金計画を立てることをおすすめします。

検定料の振込にも注意が必要です。両学部とも金融機関の窓口またはATM・インターネットバンキングで指定口座に振り込む方式で、振込人名義には志願者本人の氏名に加えて、出願する学科・コースごとに割り振られた番号を前に付ける必要があります(例:工学部機械コースなら「2 コウゲイ タロウ」のように記入)。番号の記入を誤ると照合に支障が出る可能性があるため、募集要項の記載どおりに振り込むようにしてください。また、振り込まれた検定料は理由の如何にかかわらず返金されない点も両学部共通です。

倍率・難易度|2026年度の実績

大学が公表している「昨年度入試結果」ページから、編入学試験だけの実績を抜き出すと次のとおりです(芸術学部は2025年秋実施・2026年4月入学分、工学部も同じく2026年4月入学分の実績です)。

学部学科・コース志願者数受験者数合格者数倍率
芸術学部(2年次)写真学科2120121.0倍
インタラクティブメディア学科2212.0倍
ゲーム学科11110
合計3433217.0倍
工学部情報コース4―(非公表)41.0倍
機械コース111.0倍
電気電子コース00
建築コース331.0倍
合計881.0倍

この表を読むときに注意すべき点が2つあります。1つは、大学が公表する「倍率」の算出根拠です。芸術学部の写真学科は志願21名・受験20名・合格1名ですが、公式の倍率は21.0倍(志願者数÷合格者数)であり、受験者数を分母にした実質倍率(20.0倍)とは一致しません。つまりここでの「倍率」は志願倍率であり、受験当日の競争率とは厳密には異なります。もう1つは、工学部の編入学試験結果には受験者数の列自体が公表されておらず、志願者数と合格者数のみが公開されている点です。工学部の倍率も志願ベースで読む必要があります。

数字そのものについては、芸術学部の合計が志願34名に対して合格2名(倍率17.0倍)と狭き門である一方、工学部は合計志願8名に対して合格8名(倍率1.0倍、つまり全員合格)と対照的な結果でした。ただしどちらも母数が一桁〜二桁前半ときわめて小さいため、この1年の数字だけで「芸術学部は難しく工学部は易しい」と単純に結論づけるのは危険です。特にゲーム学科は志願11名に対して合格0名という年もあり、年度によって結果が大きく振れる可能性を踏まえておく必要があります。

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編入学試験は、他の入試方式と比べてどれくらいの規模か

編入学試験の合格者数がどれくらい小さな枠なのかを実感するために、大学が公表している2026年度の全入試区分の結果と並べてみます。まず工学部です。

入試区分志願者数合格者数倍率
総合型選抜Ⅰ期24241.0倍
総合型選抜Ⅱ期・Ⅲ期・Ⅳ期27271.0倍
学校推薦型選抜(公募制・同窓生子女)16151.1倍
全学統一選抜68641.1倍
一般選抜(Ⅰ期・Ⅱ期・Ⅲ期)4313801.1倍
共通テスト利用選抜4564551.0倍
留学生選抜1361041.3倍
帰国生特別選抜111.0倍
社会人特別選抜00
編入学試験881.0倍
全区分合計1,1671,0781.1倍

工学部全体の志願者1,167名・合格者1,078名のうち、編入学試験はそれぞれ8名(いずれも約0.7%)にすぎません。倍率自体は1.0倍と低いものの、これは編入学試験という枠が最初から非常に小さく設計されているためであり、「倍率が低い=取り組みやすい」と単純に捉えるのではなく、募集人員自体が「若干名」という規模である点を理解しておく必要があります。

芸術学部も同様に確認します。

入試区分志願者数合格者数倍率
総合型選抜Ⅰ期3912431.6倍
総合型選抜Ⅱ期93342.7倍
表現力選抜96372.6倍
学校推薦型選抜(公募制)99541.8倍
全学統一選抜5152002.6倍
一般選抜Ⅰ期(一般型)9003552.5倍
一般選抜Ⅰ期(共通テスト利用型)7532223.4倍
一般選抜Ⅱ期(一般型・共通テスト利用型)141226.4倍
留学生選抜(Ⅰ期・Ⅱ期)397616.5倍
編入学試験(2年次)34217.0倍
全区分合計3,4191,2302.8倍

芸術学部は工学部とは対照的に、編入学試験(34名志願・2名合格)が全区分の中で最も高い倍率(17.0倍)になっています。全体の合格者1,230名のうち編入学試験の合格者はわずか2名(約0.16%)で、一般選抜や総合型選抜と比べても際立って狭い枠であることが数字から読み取れます。芸術学部の編入学(2年次)を志望する場合は、一般選抜以上に狭い枠を狙う前提で、課題・エントリーシートの完成度を高めておく必要があります。

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合格後に効いてくる「要件」の落とし穴

合格した後の話も、募集要項から読み取れる範囲で整理しておきます。

工学部の「事前確認」は出願の前提条件

工学部の編入学試験では、出願前に「事前確認」という手続きが必須です。これは、編入学する学年(2年次または3年次)の学生として標準的な単位数の単位認定が可能かどうかを、大学が出願前に確認する仕組みです。卒業証明書・成績証明書・修得科目のシラバス(講義要項)を期限内に送付し、認定可否の通知を受け取ってから出願する流れになっており、この事前確認を経ずに出願することはできません。書類準備には時間がかかるため、志望を決めたらできるだけ早く資料を揃え始める必要があります。

芸術学部は複数学科の併願ができない

芸術学部の編入学試験(2年次)は、募集要項に「複数学科への併願はできません」と明記されています。写真学科・インタラクティブメディア学科・ゲーム学科のいずれか1学科にしか出願できないため、志望学科は出願前に確定させる必要があります。

単位認定は「本学の基準にしたがう」とだけ公表

編入学後の単位認定については、両学部とも「編入学前の大学・短期大学等で修得した単位について、本学の基準にしたがい単位認定を行う」という説明にとどまり、認定単位数の上限や具体的な認定ルールは公募要項の時点では数値化されていません。手続きには出身校の成績証明書に加えてシラバスが必要になる点は共通しています。工学部で3年次編入を希望していても2年次相当の単位認定にとどまるケースがあり得るため、事前確認の結果次第で在学期間が延びる可能性がある点は、出願前に想定しておくべきです。

工学部の「事前確認」制度は、この単位認定リスクを出願前に可視化するための仕組みとも言えます。出願そのものより先に、卒業証明書・成績証明書・シラバスを提出して認定可否の通知を受け取る設計になっているため、通知の内容次第では「希望していた年次では出願できない」「一部科目の再履修が必要になる」といった事実を、出願前の時点で把握できます。芸術学部にはこうした事前確認の制度はなく、単位認定の詳細は合格後に送付される「入学手続要項」で初めて判明する流れです。この違いも、工学部と芸術学部でどちらが「先に情報を得られるか」という観点での違いになります。

学部・学科別に、何から手をつけるべきか

芸術学部(写真・インタラクティブメディア・ゲーム学科)を目指す場合

学力試験がない分、対策の中心はエントリーシートと課題の作り込みです。エントリーシートのB欄は学科ごとにテーマが固定されているため、まずは自分の志望学科のテーマ(写真学科なら「写真と自分」、インタラクティブメディア学科なら「インタラクティブ」についての自由記述、ゲーム学科なら「遊び」についての考え)に沿って、何を伝えるかを早い段階で言語化しておくことが重要です。課題はポートフォリオ型・企画提案型・論述型など学科でタイプが違うため、大学が公開している「合格作品集」(募集要項内で案内されているホームページ上の参考資料)に目を通し、どの水準の作品・企画が評価されているかを具体的にイメージしてから制作に入ることをおすすめします。面接では提出した課題とエントリーシートの内容について質疑が行われるため、自分の作品や企画の意図を口頭で説明できるように準備してください。

3学科を比べると、評価の重心がそれぞれ違います。写真学科の課題はポートフォリオ型で「これまでに撮影した写真」の完成度がそのまま評価対象になるため、出願までに実績(受賞歴や活動歴があれば記入欄も用意されています)を積み上げておく必要があります。インタラクティブメディア学科の課題は「実現可能性は問わない」と明記された企画提案型で、完成度よりも発想の面白さや伝え方が重視される設計です。ゲーム学科は企画・デザイン・プログラムの3分野から1つを選ぶ方式で、自分の得意分野に寄せて自作品や論述を用意できる柔軟さがある一方、分野ごとに提出物の形式(動画・平面作品・1,200字程度の論述)がまったく異なるため、早い段階でどの分野で勝負するかを決めておく必要があります。

工学部(情報・機械・電気電子・建築コース)を目指す場合

工学部は数学の筆記試験(微分積分学・線形代数)が合否を左右するため、まずこの範囲の基礎を固めることが最優先です。後述する過去問(2025年度公開分)を見る限り、出題は2次関数のグラフ・3次関数の増減や極値・2次不等式・基本的な関数の微分(指数・三角・対数関数)・基本的な関数の積分・ベクトルの内積・行列の計算といった、高校数学から大学初年次レベルの基礎的な計算問題を幅広く網羅する構成でした。難問というより「取りこぼしのない基礎計算力」を問う出題であるため、微分積分学と線形代数の教科書の基本問題を一通り解き直しておくことが最も効率的な対策になります。面接では志望動機や前籍校での学習内容について問われるため、単位認定の事前確認の結果と合わせて、編入後にどの科目から学び直す必要があるかを自分の言葉で説明できるようにしておくとよいでしょう。

コースによる対策の違いも押さえておきます。情報・機械・電気電子コースは3年次編入のみのため、出願資格として「他大学に2年以上在学し60単位以上修得」という要件を満たす必要があり、対象は主に4年制大学の在学者・高専専攻科の在学者・短大卒業者などになります。建築コースは2年次編入が基本で、カリキュラムや単位取得状況により3年次となる場合もあるため、出願前の事前確認で自分がどちらの年次で認定されるかを必ず確認してください。建築のように設計課題が学年ごとに積み上げ式で構成される分野は、編入年次によって履修すべき設計演習の順序が変わりやすく、事前確認の結果が学習計画そのものを左右します。

合格発表・入学手続きの方法

合否の確認方法も両学部で共通する部分と異なる部分があります。共通しているのは、どちらの学部も「掲示による合格発表は行わない」という点です。合格者には合格発表当日に合格通知書が郵送され、到着は発表日の翌日以降になります。不合格者への通知は送付されず、試験の成績開示も行われません。

異なるのは、芸術学部が合格発表当日の14時から3日間、大学公式ホームページ上で合格者の受験番号を掲示する仕組みを併用している点です。工学部の学生募集要項(直近公開分)にはこのようなオンライン掲示の記載はなく、合格通知書の郵送のみで確認する形になっています。どちらの学部も、合否に関する電話・メールでの問い合わせには応じないと明記されているため、発表日以降は郵送物の到着を待つ必要があります。

入学手続きは、合格通知書に同封される「入学手続要項」に従って、指定の入学手続締切日までに納付金を振り込み、必要書類を提出する流れです。期日までに手続きが完了しない場合は入学辞退となる点も両学部共通です。

過去問はどこで手に入るか

工学部と芸術学部では、そもそも「過去問」に相当するものの有無が異なります。

工学部は、公式サイトの「入試過去問題(工学部/大学院)」ページで、編入学試験(数学)の過去問題を1年度分(2025年度実施分)公開しています。ここには問題そのものに加えて解答例と「出題意図」が付されており、大学がどの単元の理解度を測ろうとしているかまで公表されている点が貴重です。なお同じページには編入学試験の面接に関する情報は含まれておらず、面接内容は非公開です。

一方、芸術学部の「入試過去問題(芸術学部/大学院)」ページで公開されているのは大学院(芸術学研究科)の学力試験問題のみで、学部の編入学試験(2年次)に対応する過去問は存在しません。これは芸術学部の編入学試験(2年次)がそもそも学力試験を課さず、エントリーシート・課題・面接だけで選考する方式であるためです。過去問という形式が成立しない代わりに、学生募集要項が学科別の課題テーマ・課題タイプを毎年公開しており、これが実質的な出題傾向の情報源になります。以下の章では、この2つの一次情報(工学部の数学過去問と、芸術学部の課題内容)を整理します。

公開されている過去問・課題から読み取れる出題テーマ

工学部|編入学試験(数学)2025年度実施分

大学が公開している2025年度の編入学試験(数学)は、大問7問構成・記述式・試験時間60分・筆記用具以外の持ち込み不可という形式でした。出題テーマと、大学が公開している出題意図は次のとおりです(問題文そのものの引用は行わず、テーマと大学公表の出題意図のみを整理しています)。

大問出題テーマ大学が公開した出題意図
12次関数のグラフ2次関数のグラフについての理解度を問う問題
23次関数の極値関数の値の変化についての理解度を問う問題
32次不等式2次不等式についての理解度を問う問題
4基本的な関数の微分(指数関数・三角関数・対数関数)基本的な関数の微分についての理解度を問う問題
5基本的な関数の積分(多項式・三角関数の不定積分)基本的な関数の積分についての理解度を問う問題
6ベクトルの内積ベクトルの基本的な性質についての理解度を問う問題
7行列の積の計算行列の計算について理解度を問う問題

大学自身が「基本的な○○についての理解度を問う」という表現を7問すべてに使っていることからわかるとおり、この試験は応用力や発想力を問うタイプではなく、高校数学(数学II・数学B・数学IIIの基礎)と線形代数の入り口にあたる範囲を、抜け漏れなく計算できるかを確認する出題です。特定の単元に偏らず、関数のグラフ・微分・積分・ベクトル・行列という主要分野を1問ずつ満遍なく配置している点も特徴で、苦手分野を1つでも残すと大問1問分をまるごと失点するリスクがあります。コース(情報・機械・電気電子・建築)による科目の違いはなく、共通のテストです。

芸術学部|編入学試験(2年次)の課題(2027年度募集要項より)

芸術学部は学力試験がない代わりに、学科ごとに全く異なる課題が課されます。2027年度学生募集要項で公開されている課題の内容は次のとおりです。

学科課題タイプ内容の概要(大学公表)
写真学科ポートフォリオ型市販のA4判ポケット付クリアファイル1冊(10ポケット)に、これまでに撮影した写真を中心とした自己アピール内容をまとめる。内容・構成は自由
インタラクティブメディア学科企画提案型「未来」をテーマに、インタラクティブメディアによる新しいコミュニケーションの方法を構想し、A4判用紙1枚に文章と図で企画を提案する(実現可能性は問わない)
ゲーム学科企画/デザイン/プログラムの3分野から1つを選択企画分野はこれまでの自作品動画とその解説、デザイン分野はオリジナルの平面・立体作品、プログラム分野は自身が挑戦した創作・研究について1,200字程度で解説(いずれもポートフォリオ型または論述型)

3学科とも「これまでに自分が何を作ってきたか」を軸にした出題である点は共通していますが、写真学科は完成した作品そのものの質、インタラクティブメディア学科は実現可能性を問わない「発想の提案力」、ゲーム学科は分野に応じて実制作物・平面/立体作品・論述のいずれかという形で、評価の軸が学科ごとに明確に異なります。大学は課題の参考として「芸術学部選抜合格作品集」を公式サイトで公開しているため、出願前に必ず目を通し、どの程度の完成度・方向性が評価されているかを確認したうえで課題に着手することをおすすめします。

本節で扱った出題テーマ・解答例・出題意図は、いずれも東京工芸大学が公開している2025年度の編入学試験(数学)過去問題資料および2027年度の芸術学部学生募集要項に基づいています。出題内容・課題内容は年度によって変わるため、必ず最新の公開資料をご自身で確認してください。

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面接ではどのような準備が有効か

芸術学部・工学部いずれの編入学試験でも、面接は選考の3分の1(芸術学部)または2分の1(工学部)の配点を占めており、学科試験や課題の出来と並んで軽視できない要素です。両学部に共通して言えるのは、面接で聞かれる内容は「提出した書類の中身を、自分の言葉で説明できるか」に集約されるという点です。芸術学部はエントリーシート・課題の内容について質疑が行われると公式に案内されており、工学部も前籍校での学習内容や志望動機が問われる一般的な編入面接の形式です。

したがって、面接直前に想定問答を丸暗記するよりも、提出書類(エントリーシート・課題・志望理由に相当する内容)を作成する段階から「なぜこの内容にしたのか」「この学科・コースで何を学びたいのか」を言語化しておくことが、結果的に一番効率のよい面接対策になります。特に工学部は事前確認で単位認定の見込みが通知されているはずなので、その結果を踏まえて「編入後にどの科目をどう学び直すか」まで話せるようにしておくと、志望動機に具体性が出ます。芸術学部は課題の制作意図やポートフォリオに込めた狙いを、作品を見せながら説明できるように準備しておくとよいでしょう。

併願をどう組むか

芸術学部(写真・インタラクティブメディア・ゲーム学科)を志望する場合、試験日(例年11月中旬)は他大学の美術・芸術系学部の編入学試験と時期が近いことが多いため、日程の重複がないか早めに確認してください。特に写真・映像・デザイン系の学科を横断的に検討している場合は、実技試験の有無や課題テーマの傾向が近い大学を組み合わせると対策の重複を活かせます。工学部(情報・機械・電気電子・建築コース)を志望する場合、編入学試験の科目が数学(微分積分学・線形代数)中心の大学は他にもあるため、出題範囲が近い大学を併願先に選ぶと1つの対策で複数校に対応しやすくなります。学部・学科をまたいだ併願を検討する際の考え方は、下記の関連記事も参考にしてください。

よくある質問

Q. 東京工芸大学の編入は難しいですか?

A. 学部・学科によって大きく異なります。2026年度の実績では芸術学部が志願34名に対して合格2名(倍率17.0倍)と狭き門だった一方、工学部は志願8名に対して合格8名(倍率1.0倍)でした。ただしどちらも母数が一桁〜二桁前半と小さく、年度によって結果が大きく変動する可能性があります。

Q. 芸術学部の編入学試験に学科試験はありますか?

A. ありません。エントリーシート(100点)・課題(100点)・面接(100点)の合計300点満点で選考されます。学力を測る筆記試験は課されていません。

Q. 芸術学部で編入学試験(2年次)を実施しているのはどの学科ですか?

A. 2027年度は写真学科・インタラクティブメディア学科・ゲーム学科の3学科のみです。映像学科・デザイン学科・アニメーション学科・マンガ学科は募集がありません。

Q. 芸術学部の3年次編入学試験は受けられますか?

A. 2027年度は3年次編入学試験の募集がありません。公式サイトで確認できる直近の3年次向け学生募集要項は2021年度分が最後で、実施の有無は年度によって変わる可能性があるため、出願を検討する年度の最新情報を必ず確認してください。

Q. 工学部の編入学試験の科目は何ですか?

A. 直近公開分(2026年度)の学生募集要項によると、筆記試験(数学:微分積分学・線形代数、100点、60分)と面接(100点、1人約20分)です。2027年度版の学生募集要項は本稿執筆時点で未公表のため、出願前に最新版を確認してください。

Q. 工学部は何年次編入になりますか?

A. 情報コース・機械コース・電気電子コースは3年次編入のみです。建築コースは2年次編入が基本ですが、カリキュラムや単位取得状況により3年次になる場合もあります。

Q. 東京工芸大学と東京工科大学は同じ大学ですか?

A. 別の大学です。東京工芸大学(t-kougei.ac.jp)は中野キャンパス(芸術学部)と厚木キャンパス(工学部)からなる大学で、英語表記はTokyo Polytechnic University。東京工科大学(teu.ac.jp)は八王子・蒲田キャンパスの大学で、両者は名称が似ていますが運営法人・所在地とも異なります。

Q. 過去問はどこで手に入りますか?

A. 工学部は公式サイトの「入試過去問題(工学部/大学院)」ページで編入学試験(数学)の過去問題(2025年度実施分)を解答例・出題意図つきで公開しています。芸術学部の編入学試験(2年次)は学力試験がないため過去問という形式は存在せず、代わりに学生募集要項で学科別の課題内容が公開されています。

Q. 工学部の「事前確認」とは何ですか?

A. 出願前に、編入学する学年の学生として標準的な単位数の単位認定が可能かどうかを大学が確認する制度です。卒業証明書・成績証明書・シラバスなどを期限内に送付し、認定可否の通知を受けてから出願する流れで、この手続きを経ないと出願できません。

Q. 留学生でも出願できますか?

A. 可能です。ただし日本語能力試験(JLPT)N2以上の合格、または日本留学試験(EJU)の日本語得点が一定基準(芸術学部220点以上、工学部210点以上)を満たしている必要があります。工学部は加えて「留学」の在留資格を有することも条件です。

Q. 編入学試験の検定料はいくらですか?

A. 芸術学部(2027年度)は35,000円、工学部(直近公開の2026年度分)は30,000円です。他の入試区分と検定料が異なる場合があるため、出願前に該当年度の学生募集要項で確認してください。

Q. 編入学後の学費はどれくらいかかりますか?

A. 初年度納付金(入学金・授業料・実験実習費・施設設備費・諸会費の合計)は、芸術学部が1年間で1,895,000円、工学部が1,585,000円です(いずれも直近公開分の金額)。芸術学部は実験実習費が独立項目として計上されている分、工学部より高くなっています。

Q. 工学部の建築コースは2年次と3年次のどちらになりますか?

A. 建築コースは2年次編入が基本ですが、カリキュラムや単位取得状況により3年次編入になる場合もあります。実際にどちらの年次で認定されるかは、出願前の「事前確認」で個別に判定されます。

Q. 合格発表はどのように確認しますか?

A. 両学部とも掲示による合格発表は行わず、合格者にのみ合格通知書が郵送されます。芸術学部はこれに加えて、発表当日14時から3日間、大学公式ホームページで合格者の受験番号を掲示します。工学部の直近公開分の学生募集要項にはホームページ掲示の記載はありません。どちらも合否に関する電話・メールでの問い合わせには応じないとされています。

事前に把握しておくべき情報と、公式サイトで確認した内容の差分

「工学部・芸術学部で編入学試験を実施している」という学部単位の情報だけでは、実際に出願できるかどうかの判断はつきません。今回、公式サイトの入試情報ページ・学生募集要項PDFを1つずつ確認して初めてわかった主な点を整理すると、次のとおりです。

項目学部単位でわかること学科・コース単位で確認して初めてわかったこと
実施学科・コース工学部・芸術学部で実施工学部は4コースすべてで実施。芸術学部は7学科中、写真・インタラクティブメディア・ゲームの3学科のみで、映像・デザイン・アニメーション・マンガは募集なし
芸術学部の3年次編入年次の記載なし2027年度は3年次編入学試験の募集がなく、直近の3年次向け学生募集要項は2021年度分が最後の公開
学科試験の有無「編入学試験」としか書かれていない芸術学部は学科試験なし(エントリーシート・課題・面接のみ)。工学部は数学の筆記試験+面接
2027年度要項の公開状況不明芸術学部は2027年度学生募集要項が公開済み。工学部は入試カレンダー上の日程のみ確定し、学生募集要項は本稿執筆時点で「準備中」
倍率不明2026年度実績で芸術学部(2年次)は志願34名・合格2名(17.0倍)、工学部は志願8名・合格8名(1.0倍)と対照的

このように、同じ「編入学試験」という名称の下でも、学部・学科ごとに募集の有無・選考方式・難易度がまったく異なります。出願を検討する際は、学部単位の情報を鵜呑みにせず、必ず志望する学科・コースの学生募集要項を個別に確認してください。

まとめ

東京工芸大学の編入学試験は、芸術学部と工学部という2学部の枠組みは単純ですが、中身は「学力試験の有無」からして正反対です。芸術学部(写真・インタラクティブメディア・ゲーム学科の2年次のみ)はエントリーシート・課題・面接で選考され、学科ごとに課題のテーマとタイプがまったく異なります。工学部(情報・機械・電気電子は3年次、建築は2年次が基本)は数学の筆記試験と面接が中心で、大学が公開する過去問から基礎計算力を幅広く問う出題傾向が読み取れます。

2026年度の実績では芸術学部の倍率が17.0倍、工学部が1.0倍と対照的でしたが、いずれも合格者が一桁の小規模な試験である点は共通しています。工学部全体の合格者1,078名のうち編入学試験は8名(約0.7%)、芸術学部全体の合格者1,230名のうち編入学試験は2名(約0.16%)と、どちらの学部でも編入学という入り口自体が非常に小さい枠であることも押さえておく必要があります。

出願を検討する場合は、まず自分の志望学科が2年次・3年次のどちらを実施しているか、学科試験の有無はどちらの方式か、工学部であれば事前確認の期限はいつかを、東京工芸大学の公式サイトで年度ごとに確認してください。特に芸術学部は学科によって募集の有無自体が変わり、3年次編入学試験は2027年度は実施されていません。工学部は2027年度の日程こそ確定しているものの、学生募集要項自体は本稿執筆時点で未公表という状態です。年度が変わるたびに前提条件が変わり得る大学であることを踏まえ、出願を予定する年度が近づいたら改めて公式サイトを確認することを強くおすすめします。

編入学という進路そのものが、東京工芸大学に限らずどの大学でも「学部単位の情報だけでは判断できない」制度であることは共通しています。この記事で示した学科・コース単位の一次情報を出発点に、自分の在学状況・修得単位・志望分野に照らして、実際に出願できるかどうかを一つずつ確認しながら準備を進めてください。

本記事の数値は東京工芸大学が公表する2027年度の学生募集要項・入試情報および2026年度の志願・受験・合格者数一覧に基づいています(工学部の2027年度学生募集要項は本稿執筆時点で未公表のため、日程は公式入試カレンダー、試験科目・配点等は直近の2026年度要項を参考情報として使用しています)。制度・日程・募集人員・試験科目は年度によって変更されるため、出願前には必ず東京工芸大学が公表する最新の学生募集要項をご確認ください。

主な参照先は、芸術学部の「編入学試験(2年次)」入試情報ページおよび2027年度学生募集要項PDF、工学部の「編入学試験」入試情報ページおよび直近公開の2026年度学生募集要項PDF、両学部の「昨年度入試結果」ページ、工学部の「入試過去問題(工学部/大学院)」ページで公開されている編入学試験(数学)の過去問題PDFです。いずれも東京工芸大学の公式サイト(t-kougei.ac.jp)で公開されている一次情報であり、本記事の作成にあたってすべてアクセスして内容を確認しています。

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この記事を書いた人

株式会社Spring Knowledge 代表取締役社長。筑波大学 社会・国際学群 社会学類へ編入学し、都内国公立大学大学院 法学政治学研究科 修士課程を修了。大学編入・大学院進学を自ら経験した立場から、スプリング・オンライン家庭教師の大学編入・大学院入試分野の指導および記事監修を担当。

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