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慶應義塾大学大学院商学研究科の出願書類の書き方|入学志願者調書と大学卒業論文テーマの書き方

慶應義塾大学大学院商学研究科の出願書類でもっとも誤解されやすいのが、「研究計画書」の扱いです。結論から言うと、商学研究科の一般入試(修士課程)の出願書類一覧に「研究計画書」という名称の書類はありません。かわりに、出願者全員が提出する「入学志願者調書B」という所定用紙のなかに「大学卒業論文テーマ」という記入欄が設けられており、ここに卒業論文(またはそれに代わる研究テーマ)を記入する仕組みになっています。慶應義塾大学院 商学研究科 出願書類と検索して情報を探している人の多くは、この「研究計画書はあるのか、ないのか」という一点でつまずいています。
慶應義塾大学大学院商学研究科とは、商業学・経営学・会計学・金融証券論・国際経済学など商学系10分野を擁する慶應義塾大学の大学院研究科であり、修士課程は「一般入試」と「AO選抜入試」という2つの選抜方式で外部の出願者を受け入れている研究科のことです。両者は出願資格・出願書類・選考方法がそれぞれ大きく異なっており、自分がどちらの方式で出願できるのか、それぞれの方式で何を提出する必要があるのかを正確に把握しないまま準備を進めると、書類の作り直しや出願自体の失敗につながりかねません。
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特に注意したいのが、AO選抜入試には一般入試には無い「研究計画概要」(2,000〜2,500字)という書類が存在する点です。一般入試とAO選抜入試とでは、必要な書類の種類も分量も違います。「大学院の出願書類には研究計画書が必要」という一般論をそのまま当てはめてしまうと、一般入試なのに存在しない書類を探して時間を浪費したり、逆にAO選抜入試なのに研究計画に関する書類の準備を怠ったりする事態になりかねません。
本記事では、2026年8月時点で慶應義塾大学公式サイトに掲載されている2027年度大学院商学研究科入学試験要項(一般入試・AO選抜入試)にもとづき、出願書類の全体像、「入学志願者調書B」の「大学卒業論文テーマ」欄の書き方、AO選抜入試のカテゴリー区分と「研究計画概要」の書き方までを整理して解説します。出願資格・日程・検定料などの制度情報は年度によって変更される可能性があるため、実際に出願する際は必ず慶應義塾大学の最新の募集要項でご確認ください。
なお、「研究計画書」というキーワードは大学院入試全般で検索される頻度が高く、書き方や例文を探している受験生が非常に多いテーマです。しかし研究計画書という書類の有無・名称・分量は大学院・研究科ごとに大きく異なるため、他大学院や他研究科向けの一般的な情報をそのまま商学研究科に当てはめると、実際の出願書類と食い違ってしまう可能性があります。本記事は商学研究科という一つの研究科に絞り込んだうえで、公式要項に書かれている内容だけを根拠に解説していきます。
慶應義塾大学大学院商学研究科の出願書類の全体像(一般入試とAO選抜入試の違い)
慶應義塾大学大学院商学研究科の修士課程には、外部の出願者が利用できる入試方式が大きく分けて2種類あります。ひとつは一般入試で、毎年9月に筆記試験と口頭試問による2段階選考を実施する、もっとも標準的な入試方式です。もうひとつはAO選抜入試で、こちらは筆記試験を課さず、書類審査と口頭試問のみで選考します。募集人員は商学専攻80名で、これは一般入試・AO選抜入試・国際租税留学プログラムの合計人数として公表されており、方式ごとの内訳は公開されていません。
より詳しく知りたい人向けに、慶應義塾大学大学院入試の全体像は慶應義塾大学大学院入試を徹底解説でも研究科横断的に解説していますが、本記事では商学研究科の出願書類、特に「入学志願者調書」まわりの書き方に絞って掘り下げます。
慶應義塾大学の大学院は、研究科によって入試区分の呼び方が異なる点にも注意が必要です。研究科によっては季節を表す呼称や期別の呼称が使われている場合がありますが、商学研究科の入試区分は「一般入試」「AO選抜入試」というシンプルな名称のみで、季節や期を表す独自の呼び名はありません。他の研究科向けに書かれた情報を、そのまま商学研究科に当てはめないよう注意してください。
一般入試とAO選抜入試の基本的な違い
両者の違いをひとことで言えば、一般入試は「筆記試験の学力で選抜する方式」、AO選抜入試は「出願資格を限定したうえで書類と面接で選抜する方式」です。一般入試には出願資格の上乗せ条件がなく、大学を卒業した(見込みを含む)人であれば基本的に誰でも出願できます。一方AO選抜入試は、慶應義塾大学出身者や、公認会計士・税理士・司法試験合格者といった特定の経歴を持つ人に限定された制度です。この違いが、そのまま出願書類の違いにも直結しています。
| 項目 | 一般入試 | AO選抜入試 |
|---|---|---|
| 出願資格 | 大学卒業者・卒業見込者など8区分(限定なし) | カテゴリーⅠ・Ⅱ・Ⅲ(慶應出身者・特定資格者等に限定) |
| 選考方法 | 筆記試験(第1次)+口頭試問(第2次) | 書類審査(第1次)+口頭試問(第2次) |
| 研究計画に関する書類 | 無し(入学志願者調書Bの卒業論文テーマ欄のみ) | 研究計画概要(2,000〜2,500字)が必須 |
| 入学検定料 | 35,000円+サービス利用料1,100円 | 35,000円+サービス利用料1,100円 |
本記事が対象とする範囲
本記事では、修士課程の一般入試とAO選抜入試を対象とします。後期博士課程は出願書類の構成(修士論文またはこれに準ずる論文の提出等)が異なるため、本記事の対象外です。また、募集人員・出願資格・日程はすべて2027年度(2026年8月時点で公開されている情報)を前提としており、最新の年度では内容が変更されている可能性があるため、出願前には必ず慶應義塾大学大学院入学案内の公式ページで最新の要項を確認してください。
商学研究科が扱う10分野
商学研究科修士課程(商学専攻)は、商業学・金融証券論・保険論・交通公共政策産業組織論・計量経済学・国際経済学・産業史経営史・経営学・会計学・産業関係論の10分野で構成されています。出願書類のなかで自分の研究テーマや志望動機を書く際は、これら10分野のどこに位置づけられるテーマなのかを意識すると、書類全体の一貫性が伝わりやすくなります。特に経営学・会計学は指導教員の人数も多く、テーマの幅も広いため、自分の関心がどの分野の延長線上にあるのかを早い段階で整理しておくと、後述する大学卒業論文テーマ欄や研究計画概要の記述もスムーズに進みます。
一般入試の出願書類一覧と入学志願者調書Bの書き方
一般入試の出願資格(8区分)
一般入試の出願資格は、大学を卒業した(見込みを含む)者を中心に、次の8つの区分のいずれかに該当することが条件です。商学部の卒業生に限定されておらず、他学部・他大学の出身者でも出願できる点が、出願資格が限定されているAO選抜入試との大きな違いです。
| 区分 | 対象の概要 |
|---|---|
| 1 | 日本国内の大学を卒業した者・卒業見込みの者 |
| 2 | 大学改革支援・学位授与機構により学士の学位を授与された者(見込含む) |
| 3 | 外国において学校教育16年以上の課程を修了した者(見込含む) |
| 4 | 文部科学大臣が指定する専修学校の専門課程等を修了した者(見込含む) |
| 5 | 文部科学大臣の指定した者 |
| 6 | 大学に3年以上在学し、優れた成績で所定の単位を修得したと大学院が認めた者 |
| 7 | 外国の3年制以上の大学等で学士相当の学位を授与された者(見込含む) |
| 8 | 大学卒業者と同等以上の学力があると認められ、入学までに22歳に達する者 |
このうち区分6・8に該当する形で出願する場合は、事前に「出願資格認定申請」という別の手続きが必要になります。出願資格認定申請の受付期間は出願登録開始よりも前の時期に設定されており、提出書類は出願資格認定申請書・申請用履歴書・最終学歴を証明する書類・出願資格認定申請理由書の4点です。審査結果はおおむね2週間を目処にメールで通知される仕組みになっているため、区分6・8での出願を検討している場合は、通常の出願スケジュールよりも早いタイミングで準備を始める必要があります。
一般入試(修士課程)で提出する出願書類は、大きく分けて次の8種類です。出願書類はすべて日本語または英語で作成し、A4用紙で片面印刷することが指定されており、ホチキス留め・クリップ留め・糊付けも禁止されています。まずは全体のリストを確認しましょう。
| 書類名 | 形式 | 概要 |
|---|---|---|
| ①出願書類チェックリスト | 所定用紙 | 公式サイトからダウンロードし、揃った書類にチェックして同封 |
| ②入学志願者調書 | オンライン出願後に印刷 | 検定料支払いと顔写真アップロード完了後に印刷可能 |
| ③入学志願者調書B | 所定用紙 | 手書きまたはWord入力。学歴・大学卒業論文テーマ等を記入 |
| ④成績証明書 | 原本 | 出身大学発行のもの(編入学・学士入学者は編入前の成績証明書も) |
| ⑤卒業証明書または卒業見込証明書 | 原本 | 卒業見込者は卒業見込証明書で代替 |
| ⑥学位取得証明書 | 原本(該当者のみ) | 海外大学出身で卒業証明書に学位記載が無い場合に必要 |
| ⑦語学試験結果 | TOEFL iBT/TOEIC L&R/IELTSのいずれか1つ | 試験実施機関からの公式データ送付+コピー提出の2点が必要 |
| ⑧推薦状 | 所定用紙・任意 | 出身大学の学長または教員による推薦状1通(任意提出) |
任意書類である推薦状の位置づけ
⑧の推薦状は、8種類の出願書類のなかで唯一の任意提出書類です。提出は必須ではありませんが、出身大学の学長または教員による推薦状を用意できる場合は、書類審査での評価材料が一つ増えることになります。推薦状は大学所定用紙を使用し、日本語または英語で作成したうえで、封筒に厳封(封緘部分にまたがって記入者本人が署名)された状態で提出する必要があります。依頼から受け取りまでに時間がかかることも多いため、提出を希望する場合は早めに依頼しておくとよいでしょう。
書類の綴じ方・体裁で気をつけたいこと
出願書類は複数枚にわたるため、つい見やすいようにホチキスやクリップでまとめたくなりますが、ホチキス留め・クリップ留め・糊付けはいずれも禁止されています。あわせて、証明書はすべて原本または原本の複製であると公的に証明されたものに限られ、厳封が必要な書類と不要な書類が混在している点も見落としやすいポイントです。書類ごとに指定が異なるため、封筒に入れる直前に、どの書類が厳封対象かをもう一度確認しておくと安心です。
入学志願者調書と入学志願者調書Bの違い
名前が似ているため混同しやすいのですが、「入学志願者調書」と「入学志願者調書B」はまったく別の書類です。入学志願者調書は、出願登録(インターネット出願)で入力した内容をシステムが自動的に書類化したもので、検定料の支払いと顔写真のアップロードが完了したあとに、出願者自身がオンライン上でダウンロード・印刷する形式です。出力された情報以外の項目には何も書き足してはいけません。
一方入学志願者調書Bは、公式サイトから別途ダウンロードする所定用紙で、手書きまたはダウンロードしたWordファイルへの直接入力のいずれかで作成します。所定のページ数・枠内に収まるように記入し、ページの追加や別紙の添付は認められていません。この「枠内に収める」という制約が、多くの出願者にとって最初の関門になります。書きたい内容を詰め込みすぎず、限られたスペースのなかで要点を絞って伝える構成力が問われます。
入学志願者調書Bに記入する主な項目
入学志願者調書Bには、中学校卒業から高校卒業までの学歴欄と、大学卒業論文テーマの記入欄が設けられています。整理番号欄への記入も忘れずに行う必要があります。中学・高校の学歴まで遡って記入する形式は、一般的な大学院出願書類としてはやや珍しく、記入漏れが起こりやすい箇所でもあるため、下書きの段階で必要事項を一度リストアップしておくことをおすすめします。
証明書類は発行までの時間を見込んで早めに準備する
成績証明書・卒業証明書(または卒業見込証明書)は、出身大学の窓口や証明書自動発行機で取得しますが、大学によっては発行までに数日〜数週間かかる場合があります。出願書類の郵送期間は出願登録期間の終盤にごく短い日数しか設けられていないため、証明書の取り寄せは志望を固めた段階で早めに動き出しておくと安心です。学士入学・編入学を経た人は、編入前の大学・学部の成績証明書も必要になる点、氏名が旧姓など出願時と異なる場合は戸籍抄本の提出が必要になる点もあわせて確認しておきましょう。
語学試験結果の選び方
一般入試では、TOEFL iBT・TOEIC Listening and Reading Test・IELTS(アカデミック・モジュール)の3種類のうち、いずれか1つを選んでスコアを提出します。どの試験を選んでも合否上の優劣が公表されているわけではないため、すでに受験経験があり有効期間内のスコアを持っている試験を選ぶのが現実的です。いずれの試験も、試験実施機関から大学へ結果データが直接送付される手続きと、出願者自身が結果のコピーを提出する手続きの両方が必要になるため、余裕を持ったスケジュールでスコアを準備してください。
海外大学出身者・外国籍の受験者が追加で用意する書類
海外の大学を卒業(修了)した出願者で、卒業証明書や成績証明書に取得学位が記載されていない場合は、別途「学位取得証明書」の提出が必要です。中国大陸の大学を卒業・修了した者は、卒業証明書・修了証明書に加えて「学歴認証報告」と呼ばれる英文の追加書類の提出が求められます。中国教育部のウェブサイトに登録してPDFファイルを入手し、印刷して提出する必要があるため、時間に余裕を持って準備しておく必要があります。
また、外国籍で、外国の大学学部を卒業した(または卒業見込みの)一般入試出願者は、日本語能力を証明する書類の提出も求められます。日本語能力試験(JLPT)N1の認定結果、または日本留学試験(EJU)の日本語成績のいずれかを提出する仕組みで、それぞれ有効な受験期間が定められているため、対象に該当する場合は募集要項で受験期間の条件を確認してください。日本語または英語以外で記載された証明書はすべて、和訳または英訳のうえ、出身国の大使館や公証処での証明とあわせて提出する必要がある点もあわせて押さえておきましょう。
「大学卒業論文テーマ」欄の書き方(卒業論文を書いていない場合の対応を含む)
入学志願者調書Bのなかでも、もっとも記入に悩む人が多いのが「大学卒業論文テーマ」欄です。この欄は、一般入試における事実上唯一の「研究に関する記述」であり、商学研究科の出願書類における「研究計画書」に近い役割を担っていると考えてよいでしょう。ただし正式な書類名はあくまで「大学卒業論文テーマ」であり、「研究計画書」ではない点は正確に理解しておく必要があります。
卒業論文を書いた(書く予定の)場合
すでに卒業論文を執筆済み、またはこれから執筆する予定がある場合は、そのテーマと概要を記入します。限られた枠内で伝えるべき要素は、大きく分けて「テーマ設定の背景・問題意識」「研究の方法・使用したデータや理論」「明らかになったこと、あるいは明らかにしたいこと」の3点です。商学研究科は経営学・会計学・金融論・国際経済学など幅広い分野を扱うため、自分の卒業論文のテーマが、志望する分野・指導を希望する教員の研究領域とどうつながるのかを意識して書くと、書類全体に一貫性が生まれます。
卒業論文を書いていない(書かない予定の)場合
大学によっては卒業論文の提出が必須ではない学部・学科もあり、卒業論文を書かずに卒業した(あるいは卒業見込みの)人も少なくありません。この場合の対応は、公式の入学試験要項に明記されています。卒業論文を書かないで卒業した者(あるいは卒業見込みの者)は、「大学卒業論文テーマ」欄に「なし」と記入するよう指示されています。つまり、卒業論文が無いこと自体は不利な条件として扱われているわけではなく、様式に沿って正直に「なし」と書けばよいということです。
ただし、大学卒業論文テーマ欄が「なし」になる場合でも、口頭試問では大学時代に力を入れて取り組んだ内容や、商学研究科で何を学びたいのかを問われる可能性があります。書類上は「なし」と記入しつつ、口頭試問に向けては自分の問題意識や研究テーマの構想を言語化しておくことが実務的には重要です。
大学卒業論文テーマ欄を書くときの注意点
- 枠内に収まる分量に要約する(所定のページ数を超える記述・別紙添付は不可)
- 商学研究科の10分野のどれに近いテーマかを意識する
- 指導を希望する教員の研究分野との接点を、無理のない範囲で言及する
- 「なし」と記入する場合でも、口頭試問での説明を別途準備しておく
分野別に考える大学卒業論文テーマの伝え方
商学研究科は分野の幅が広いため、テーマの伝え方も分野によって重心が変わります。経営学・会計学系のテーマであれば、企業の意思決定や財務・会計処理のどの局面に着目したのかという「対象の絞り込み」を明確にすると伝わりやすくなります。金融証券論・国際経済学系であれば、扱ったデータや理論的枠組みを簡潔に示すと、専門性が伝わりやすくなるでしょう。産業史・経営史のように歴史的な事象を扱う分野であれば、対象とした時代・企業・産業と、そこから何を明らかにしようとしたのかという問いの立て方が重要です。いずれの分野でも共通するのは、「何を」「なぜ」「どのように」調べたのかを、限られた字数のなかで簡潔に示すという基本姿勢です。
なお、志望理由や研究テーマの文章をどう構成すればよいか迷う場合は、院試の志望理由書の書き方|研究計画書との違い・構成テンプレート・例文つきで解説している「背景→方法→意義」という基本構成の考え方が、大学卒業論文テーマ欄や後述の研究計画概要を書く際にも応用できます。
AO選抜入試のカテゴリーⅠ・Ⅱ・Ⅲと出願資格の違い
AO選抜入試は、一般入試とは異なり出願資格が限定されています。出願資格はカテゴリーⅠ・Ⅱ・Ⅲの3区分に分かれており、自分がどのカテゴリーに該当するかによって、提出する入学志願者調書の種類も変わります。
| カテゴリー | 対象 | 主な条件 |
|---|---|---|
| Ⅰ | 本大学からの自己推薦者 | 慶應義塾大学の学部を卒業・卒業見込みで、3年次までの成績が所属学部で上位30%以内 |
| Ⅱ | 本大学商学部卒業生からの自己推薦者 | 商学部卒業後10年以内で成績上位20%以内、または卒業後間もない場合は上位30%以内 |
| Ⅲ | 専門的な知識や経験を有する者 | 調査研究業務3年以上+研究業績、または公認会計士・税理士・司法試験合格者等 |
カテゴリーⅠ・Ⅱ(自己推薦)の条件
カテゴリーⅠは、慶應義塾大学の学部(商学部に限らない)を卒業・卒業見込みで、3年次までの成績が所属学部において上位30%以内の者が対象です。カテゴリーⅡは商学部の卒業生に限定された枠で、卒業後10年以内かつ成績上位20%以内、または卒業から間もない場合は上位30%以内という条件が設けられています。いずれも事前に出願資格確認の申請が必要であり、休学・留学・在学延長による場合を除き、原級に留まったことがある者はカテゴリーⅠ・Ⅱでの出願自体ができません。
カテゴリーⅢ(専門的な知識や経験を有する者)の条件
カテゴリーⅢは、学士号以上を有し(学部卒業見込みを含む)、次のいずれかに該当する社会人・専門職を想定した枠です。ひとつは公的・私的機関で調査研究業務に3年以上従事し、著書・論文・報告書などの研究業績を有する者。もうひとつは、公認会計士試験合格者(または公認会計士)、税理士試験合格者(または税理士)、司法試験合格者(または弁護士)のいずれかに該当する者です。実務経験や国家資格を通じて商学研究科での学びとの接続を示せる人向けの枠だと言えます。
3つのカテゴリーのうち、自分がどれに該当するかは出願資格の文言だけで機械的に判断できる場合が多いですが、迷う場合は自己判断のまま出願準備を進めず、事前に大学へ確認するのが安全です。特にカテゴリーⅠ・Ⅱは在籍時の成績順位という定量的な条件があるため、自分の順位が条件を満たしているかどうかを、出願資格確認の申請に先立って学事担当窓口で確認しておくとよいでしょう。
カテゴリーⅢの提出書類はサブ区分によって異なる
カテゴリーⅢで出願する場合、提出書類はさらに細かく分かれます。研究業績にもとづいて出願する人は「研究成果」(研究業績とその一覧)を追加提出し、公認会計士・税理士・司法試験合格者にもとづいて出願する人は、資格取得を証明する「資格証明書等」(合格証書のコピー等)を追加提出する仕組みです。自分がカテゴリーⅢのどのサブ区分に該当するのかによって、用意すべき証明資料が変わってくるため、募集要項の該当箇所を細部まで確認しておく必要があります。
カテゴリーⅠ・Ⅱは受験資格確認回答書が必要
カテゴリーⅠ・Ⅱで出願する場合は、出願書類のひとつとして「受験資格確認回答書」の提出が求められます。これは所属(または出身)学部の学事担当窓口で発行してもらう書類で、発行に一定の日数がかかる可能性があるため、出願資格確認の申請とあわせて早めに窓口へ相談しておくとよいでしょう。
AO選抜入試の出願時期(A日程・B日程)
AO選抜入試には年に2回、A日程とB日程の出願機会があります。2027年度入試では、A日程の出願登録が2026年5月18日(月)〜5月28日(木)、第2次試験(口頭試問)が7月14日(火)、B日程の出願登録が2026年11月2日(月)〜11月5日(木)、第2次試験が12月8日(火)に設定されています。同一年度内に2回以上出願することはできないため、A日程・B日程のどちらで挑むかは早めに決めておく必要があります。
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AO選抜入試の入学志願者調書A・Bと「研究計画概要」の書き方
AO選抜入試では、カテゴリーによって提出する入学志願者調書の種類が分かれます。カテゴリーⅠ・Ⅱは「入学志願者調書(A)」(5枚)、カテゴリーⅢは「入学志願者調書(B)」(9枚)を提出する仕組みです。一般入試の「入学志願者調書B」とは別の書類なので、名称の類似に惑わされないよう注意してください。
入学志願者調書(A)の卒業論文テーマ欄
カテゴリーⅠ・Ⅱが提出する入学志願者調書(A)にも、一般入試と同様に卒業論文テーマに関する記入欄があります。ただし記入方法の指示は一般入試よりも具体的です。卒業論文を作成しなかった場合は、「卒業論文テーマ」欄に大学で関心を持って研究したテーマとその内容を記入するよう求められており、あわせて「指導教員名」欄には研究会(ゼミ)の担当教員名(所属していなかった場合は特に指導を仰いだ教員名)を記入する必要があります。一般入試の「なし」で済ませる対応とは異なり、AO選抜入試では代替となるテーマを自分の言葉で説明することが求められる点が実務上の大きな違いです。
AO選抜入試だけに存在する「研究計画概要」
AO選抜入試には、一般入試には存在しない書類がもうひとつあります。それが「研究計画概要」です。2,000〜2,500字で作成し、1枚目に氏名を記入することが指定されており、カテゴリーⅠ・Ⅱ・Ⅲのいずれの出願者にも共通して必須の提出書類です。名称は「研究計画書」ではなく「研究計画概要」ですが、内容としては大学院入学後にどのような研究テーマにどう取り組みたいかを記述する、研究計画書に近い性質の書類だと理解しておくとよいでしょう。
研究計画概要を書く際は、次の3つの観点を押さえておくと、限られた字数のなかでも説得力のある文章になります。
- なぜそのテーマに関心を持ったのか(問題意識の背景)
- 商学研究科のどの分野・どの教員のもとで、どのように研究を進めたいのか
- 大学(学部)での学びや卒業論文、あるいは実務経験と、研究計画がどうつながっているのか
研究計画概要のように分量の決まった書類は、一度書き上げたあとに文字数ぴったりに収めようとして推敲を重ねるあまり、内容の一貫性が崩れてしまうことがあります。書き上げた後は、可能であれば第三者に読んでもらい、初めて読む人にも問題意識と研究の方向性が伝わるかどうかを確認しておくと、書類としての完成度が上がります。特にカテゴリーⅢで出願する社会人・専門職の場合は、実務経験のなかで培った問題意識を、商学研究科の研究分野の言葉に翻訳して説明できるかどうかが評価の分かれ目になりやすい部分です。希望する指導教員の研究分野は、事前に商学研究科のウェブサイトで確認できるほか、出願登録開始の一定期間前までであれば、希望指導教員への事前問合せフォームから研究分野が合致するかどうかを確認することもできます。
研究計画概要と大学卒業論文テーマ欄の書き分け
AO選抜入試の出願者は、入学志願者調書(A)または(B)の卒業論文テーマ欄と、研究計画概要という2つの書類にそれぞれ研究に関する内容を記入することになります。卒業論文テーマ欄は「これまで何を研究してきたか」を、研究計画概要は「大学院でこれから何を研究したいか」を書く欄だと整理すると、内容の重複を避けやすくなります。過去の研究(または実務経験)と、これからの研究計画とのあいだにどのような発展・つながりがあるのかを意識して書くと、2つの書類が矛盾なく響き合う出願書類一式に仕上がります。
指導教員の選び方で気をつけたいこと
希望指導教員一覧に記載のない教員を指導教員として指定することはできません。また、記載されている教員であっても、留学など別の事情により指導教員になれない場合がある点にも注意が必要です。研究計画概要のなかで特定の教員名を挙げて志望動機を書く場合は、その教員が実際に指導可能な状態にあるかを事前問合せフォームで確認しておくと、出願後に「指導を希望していた教員が対応できない」という事態を避けやすくなります。
出願スケジュールと検定料・提出方法の実務(2027年度)
出願書類の中身と同じくらい重要なのが、スケジュール管理です。一般入試とAO選抜入試(A日程・B日程)では、出願登録期間も試験日もまったく異なります。2027年度入試のスケジュールは以下の通りです(2026年8月時点の公式要項に基づく)。
| 入試方式 | 出願登録期間 | 第2次試験(口頭試問) | 合格発表 |
|---|---|---|---|
| 一般入試 | 2026年6月30日〜7月10日 | 2026年9月11日 | 2026年9月11日 19:00 |
| AO選抜入試A日程 | 2026年5月18日〜5月28日 | 2026年7月14日 | 2026年7月14日 19:00 |
| AO選抜入試B日程 | 2026年11月2日〜11月5日 | 2026年12月8日 | 2026年12月8日 19:00 |
入学手続期間はいずれの方式で合格しても2027年3月1日(月)〜5日(金)に統一されています。AO選抜入試のA日程は一般入試よりも早い時期に出願・合否が確定するため、カテゴリーⅠ・Ⅱ・Ⅲのいずれかに該当し、早期に進学先を決めたい人にとってはA日程が選択肢になり得ます。
入学検定料と出願書類の郵送
入学検定料は一般入試・AO選抜入試ともに35,000円(サービス利用料1,100円が別途必要)で、金額に差はありません。出願は郵送に限られており、窓口での提出は受け付けられていません。出願書類は市販の封筒に入れ、所定の宛名ラベルを貼付したうえで「速達(簡易)書留」で郵送する必要があります。日本国内からの投函であれば締切日消印有効ですが、海外からの郵送出願の場合は締切日必着となる点に注意してください。
出願登録(インターネット)から受験票発行までの流れ
出願は、まず指定の期間内にインターネットで出願登録を行い、あわせて入学検定料を支払うところから始まります。出願登録が完了した後は、受験生本人が登録内容を変更することはできません。誤った情報を登録してしまった場合、検定料の支払い前であれば入力をやり直せますが、支払い後は再登録ができず大学の窓口へ問い合わせる必要があるため、登録内容は送信前に必ず見直してください。出願書類が本学に届き、登録内容と照合されたうえで出願が受理されると、メールで受験票公開期間が案内されます。受験票は郵送されないため、公開期間中に自分でPDFをダウンロードし、A4白色用紙に縦向きで印刷して試験当日に持参する仕組みです。
出願前に済ませておくべき準備の流れ
- 出願資格の該当区分を確認する(該当する場合は出願資格認定申請の要否も確認)
- 成績証明書・卒業証明書など、出身大学に発行を依頼する書類を早めに手配する
- 入学志願者調書B(一般入試)または研究計画概要・入学志願者調書A/B(AO選抜入試)の下書きを作成する
- 語学試験(一般入試の場合、TOEFL iBT・TOEIC L&R・IELTSのいずれか)のスコアを準備する
- オンライン出願登録・検定料の支払いを行う
- 出願書類一式を期限内に郵送する
入学に必要な費用の目安
出願準備と並行して気になるのが学費です。2027年度分の金額は本要項作成時点では未定ですが、2026年度(直近年度)の商学研究科修士課程の初年度納付金は合計1,150,700円(在籍基本料70,000円・授業料1,070,000円・その他費用10,700円の合計)と公表されています。在籍基本料・授業料はスライド制が適用されるため、年度によって金額が変わる可能性がある点もあわせて確認しておきましょう。なお、商学研究科修士課程は雇用保険の教育訓練給付制度(一般教育訓練)の対象講座になっており、支給条件に該当する場合は学費の一部について給付を受けられる可能性があります。詳細な支給条件はハローワークインターネットサービスのウェブサイトで確認できます。
合格後の入学手続
合格後の入学手続期間は、一般入試・AO選抜入試のいずれで合格した場合も2027年3月1日(月)〜5日(金)に統一されています。入学手続は、入学に必要な費用の振込み・必要事項の入力・手続書類の郵送という3つの手続をすべて完了させることで成立し、期間内にいずれかを済ませていない場合は入学の意思を放棄したものとみなされ、入学資格を失うことになります。合格発表からそれほど日数の余裕がない時期でもあるため、合格後にあわてないよう、入学手続に必要な費用や書類についてもあらかじめ大まかに把握しておくと安心です。
試験科目・選考方法(筆記試験・書類審査・口頭試問)
一般入試とAO選抜入試とでは、選考の中身も大きく異なります。一般入試は第1次試験が筆記試験(分野別試験)、第2次試験が口頭試問という2段階選考です。AO選抜入試は筆記試験が無く、書類審査と口頭試問のみで合否を判定します。
一般入試の筆記試験の内容
一般入試の第1次筆記試験は、10:00〜11:00の1時限のみで実施されます。志望する分野によって出題科目が異なり、商業学・経営学・会計学を志望する場合はそれぞれの専門科目の筆記試験が、それ以外の分野(金融証券論・保険論・交通公共政策産業組織論・計量経済学・国際経済学・産業史経営史・産業関係論)を志望する場合は「ミクロ経済学」が課されます。ミクロ経済学のみ参考書が指定されており、商業学・経営学・会計学には参考書の指定がありません。解答は特別な指示がある場合を除き、原則として日本語で作成することになっています。
口頭試問(面接)で見られるポイント
口頭試問は、一般入試・AO選抜入試いずれも出願書類の内容にもとづいて実施されます。一般入試では筆記試験の結果と出願書類、AO選抜入試では入学志願者調書等の出願書類が主な材料です。専門的な知識と学力、問題解決への意欲と積極性、明確な目的意識が評価の観点として公表されています。書類上に書いたテーマや志望動機について、その場で深掘りする質問をされても答えられるよう、提出した書類の内容は自分の言葉で説明できる状態にしておくことが重要です。
合否判定の考え方
合否判定の基準は、単純な得点の合計だけで機械的に決まるものではなく、複数の観点を組み合わせた総合判断であることが公式に明記されています。筆記試験の得点だけを重視しすぎず、書類・口頭試問も含めた準備をバランスよく進めることが結果的に近道になります。一般入試の合否判定は、書類審査・筆記試験・口頭試問の結果を総合して行われ、専門的な知識と学力、問題解決への意欲と積極性、明確な目的意識が評価されると公表されています。語学試験のスコア提出が求められるのは一般入試の出願者のみで、AO選抜入試では語学試験の結果提出は必須とされていません。AO選抜入試の合否判定は、出願資格カテゴリーの確認と出願書類の総合判断による書類審査、そして口頭試問での面接評価によって行われます。どちらの方式でも、筆記試験の得点だけ、あるいは書類の体裁だけで合否が決まるわけではなく、複数の材料を組み合わせて総合的に評価される点は共通しています。
試験会場と当日の注意事項
第1次筆記試験・第2次口頭試問は、いずれも三田キャンパスで実施されます。試験会場は試験当日に掲示で案内されるため、事前に教室番号までは分かりません。集合時刻に遅れた場合は受験できないことがあるとも明記されているため、試験当日は余裕を持ったスケジュールで会場入りすることが重要です。携帯電話やスマートフォンを時計代わりに使用することも認められていないため、当日の持ち物には腕時計を忘れずに加えておきましょう。
過去5年間の入試統計(志願者数・合格者数)
商学研究科修士課程(一般入試+AO選抜入試の合計)の過去の入試統計は、年度によって志願者数に幅があります。直近数年では年により数十名から100名を超える規模の志願者があり、合格者数はおおむね20名台で推移している傾向が公式の入試統計として公表されています。年度ごとの詳細な数値は変動するため、正確な最新データは慶應義塾大学大学院商学研究科の公式入学案内ページの入試統計表で確認することをおすすめします。
合格発表の確認方法
合否結果は、大学からの郵送や電話連絡ではなく、オンライン合格発表のページに受験番号とセキュリティコードを入力して確認する方式です。電話などによる合否の問い合わせには一切応じられないと明記されているため、合格発表日時を事前にカレンダーへ控えておき、指定された時間にオンラインで自分で確認する必要があります。
出願書類の記入でつまずきやすいポイントとチェックリスト
ここまで見てきた出願書類のなかでも、特に受験生がつまずきやすいポイントを整理しておきます。書類の名称が似ているために混同しやすいという点が、商学研究科の出願書類における最大の落とし穴です。
名称が似ている書類の混同に注意
一般入試の「入学志願者調書」と「入学志願者調書B」、AO選抜入試の「入学志願者調書(A)」と「入学志願者調書(B)」は、それぞれ別物です。特にAO選抜入試のカテゴリーⅠ・Ⅱが提出する調書(A)と、カテゴリーⅢが提出する調書(B)を取り違えてダウンロードしてしまうミスは起こりやすいため、公式サイトから書類をダウンロードする際は、自分のカテゴリーに対応した正しいファイルかどうかを必ず確認してください。
「研究計画書」という言葉に惑わされない
大学院入試全般でよく使われる「研究計画書」という言葉は、商学研究科の出願書類には登場しません。一般入試では大学卒業論文テーマ欄への記入のみ、AO選抜入試では「研究計画概要」という名称の書類が別途必要です。他の大学院や他の研究科の情報を参考にする際は、書類の名称の違いに注意する必要があります。慶應義塾大学の他の研究科(法学研究科・経済学研究科など)には研究計画書に相当する所定書類が存在する場合もあり、商学研究科と混同したまま準備を進めると、必要な書類を用意し損ねるおそれがあります。
提出方法・体裁のルールを軽視しない
出願書類はすべてA4用紙で片面印刷し、ホチキス留め・クリップ留め・糊付けをしないことが指定されています。一度提出した書類は、いかなる理由があっても返還・変更ができません。記載事項が事実と異なっていた場合や、その他不正が判明した場合には、受験資格・入学資格が取り消される可能性がある旨も明記されています。内容面の準備に気を取られて、こうした体裁面のルールを見落とさないよう、郵送前に一度チェックリストと照らし合わせて確認する習慣をつけておくと安心です。
出願前チェックリスト
最後に、これまで解説してきた内容を出願直前に見返せるチェックリストとしてまとめます。項目を一つずつ確認しながら準備を進めることで、書類の抜け漏れや締切間際のトラブルを避けやすくなります。
- 自分が出願できる方式(一般入試/AO選抜入試のどのカテゴリー)を確認したか
- 出願資格の該当区分によって、出願資格認定申請が必要かどうかを確認したか
- 入学志願者調書(B)または(A)(B)のうち、自分に必要な様式を正しくダウンロードしたか
- 大学卒業論文テーマ欄(または研究計画概要)の下書きを、枠内に収まる分量で用意したか
- 成績証明書・卒業証明書など、発行に時間がかかる証明書類を早めに手配したか
- 語学試験のスコア(一般入試の場合)の有効期限が出願期間に間に合うか確認したか
- 出願書類の郵送方法(速達書留)と締切(消印有効か必着か)を確認したか
大学院入試の書類準備や口頭試問対策を独学で進めることに不安がある場合は、大学院入試コースのように、出願書類の設計段階から伴走してもらえる専門的な指導を検討するのも一つの方法です。
よくある質問(FAQ)
慶應義塾大学大学院商学研究科の出願には研究計画書が必要ですか?
一般入試には「研究計画書」という名称の書類はありません。入学志願者調書Bの「大学卒業論文テーマ」欄に卒業論文のテーマ(卒業論文が無い場合は「なし」)を記入する形式です。一方、AO選抜入試では「研究計画概要」(2,000〜2,500字)という書類が全カテゴリー共通で必須になります。志望する入試方式によって必要な書類が異なるため、まず自分がどちらの方式で出願するのかを先に決めることが重要です。
大学卒業論文テーマ欄には何を書けばよいですか?卒業論文を書いていない場合はどうすればよいですか?
卒業論文を書いた(書く予定の)場合はそのテーマと概要を記入します。卒業論文を書かないで卒業した(または卒業見込みの)場合は、公式要項の指示に従い「なし」と記入してください。AO選抜入試の入学志願者調書(A)の場合は、卒業論文が無い場合でも大学で関心を持って研究したテーマとその内容、指導教員名(ゼミ担当教員名)を記入する必要があります。
一般入試とAO選抜入試はどちらを選べばよいですか?
AO選抜入試はカテゴリーⅠ・Ⅱ・Ⅲのいずれかの出願資格に該当する人だけが選べる方式です。該当しない場合は必然的に一般入試での出願になります。該当する場合でも、筆記試験対策よりも書類・口頭試問での説明力に自信があるならAO選抜入試、専門科目の学力で勝負したいなら一般入試、というように自分の強みに合わせて検討するとよいでしょう。両方に出願できる条件が揃っている場合でも、AO選抜入試は同一年度内に2回以上出願できない点は踏まえておく必要があります。
AO選抜入試のカテゴリーⅢで出願できるのはどんな人ですか?
学士号以上を有し、公的・私的機関での調査研究業務に3年以上従事し研究業績(著書・論文・報告書)を有する人、または公認会計士試験合格者(公認会計士)、税理士試験合格者(税理士)、司法試験合格者(弁護士)のいずれかに該当する人が対象です。実務経験や国家資格を通じたキャリアを持つ社会人向けの出願区分だといえます。
入学志願者調書と入学志願者調書B(またはA)の違いは何ですか?
入学志願者調書は、オンライン出願登録の入力内容をシステムが自動的に書類化したもので、検定料支払いと顔写真アップロード後に印刷します。入学志願者調書B(一般入試)や入学志願者調書A・B(AO選抜入試)は、公式サイトから別途ダウンロードする所定用紙で、学歴や大学卒業論文テーマなどを自分で記入する書類です。名称は似ていますが提出方法も記入内容も異なるため、どちらか一方だけ準備して出願書類が揃ったと思い込まないよう注意してください。
商学研究科の出願書類はどこでダウンロードできますか?
出願書類チェックリストや入学志願者調書B(一般入試)、入学志願者調書A・B(AO選抜入試)などの所定用紙は、慶應義塾大学大学院入学案内の商学研究科ページからダウンロードできます。入学志願者調書(顔写真付きのもの)はオンライン出願登録・検定料支払い後に「申込確認」画面からダウンロードする形式で、他の所定用紙とは入手経路が異なる点にも注意してください。年度によってページの構成や様式が更新されることがあるため、出願する年度の最新版を必ず確認してください。
出願書類の提出方法(郵送)で注意すべき点はありますか?
出願の受付は郵送のみで、窓口での提出はできません。市販の封筒に出願書類一式(論文・論文要約を除く)を封入し、所定の宛名ラベルを貼付のうえ「速達(簡易)書留」で郵送します。日本国内からの投函は締切日消印有効ですが、海外からの郵送は締切日必着となるため、余裕を持った発送が必要です。宛名ラベルは出願登録と検定料の支払いが完了したあとに、申込確認画面からA4白色用紙で印刷する形式のため、出願書類が揃ってから慌てて印刷することのないよう、事前に印刷手順まで確認しておくと安心です。
商学研究科の入試倍率はどのくらいですか?
年度によって志願者数・合格者数は変動しており、直近では年により数十名から100名を超える志願者に対し、合格者数はおおむね20名台で推移する傾向が公式の入試統計として公表されています。倍率は年度差が大きいため、最新の入試統計は慶應義塾大学大学院商学研究科の公式ページで確認することをおすすめします。この志願者数・合格者数は一般入試とAO選抜入試の合計であり、方式別の内訳は公表されていない点もあわせて押さえておいてください。
まとめ|慶應義塾大学大学院商学研究科の出願書類対策
慶應義塾大学大学院商学研究科の出願書類は、一般入試とAO選抜入試とで書類の構成も選考方法もまったく異なります。思い込みで準備を進める前に、自分が出願する方式でどの書類が必要なのかを公式要項で一つずつ確認することが、遠回りのようで実は一番確実な近道です。ここまでの内容を、次のポイントに整理します。
- 一般入試の出願書類に「研究計画書」という名称の書類は存在しない
- 一般入試では入学志願者調書Bの「大学卒業論文テーマ」欄に、卒業論文のテーマ(無い場合は「なし」)を記入する
- AO選抜入試には一般入試には無い「研究計画概要」(2,000〜2,500字)が全カテゴリー共通で必須
- AO選抜入試の出願資格はカテゴリーⅠ・Ⅱ(慶應出身の自己推薦)とカテゴリーⅢ(専門的な知識・経験を有する者)に分かれる
- 一般入試は筆記試験+口頭試問、AO選抜入試は書類審査+口頭試問という選考方法の違いがある
- 出願は郵送のみで、書類の名称が似ているため取り違えに注意が必要
- スケジュール・検定料・出願資格などの詳細情報は年度によって変更されるため、必ず最新の公式募集要項を確認する
商学研究科は10分野という幅広い専門領域を持つ研究科であるぶん、出願書類の書き方も「自分の関心がどの分野に近いのか」を出発点に考えると迷いにくくなります。一般入試かAO選抜入試か、そしてAO選抜入試ならどのカテゴリーに該当するのかという最初の分岐を早い段階で確定させることが、その後の書類準備全体をスムーズに進めるための鍵になります。
「研究計画書があるかないか」という一点だけでも、思い込みで準備を進めてしまうと出願直前にやり直しが発生しかねません。入学志願者調書B(または調書A・B)の枠内に収まる形で、自分の問題意識や研究したいテーマを的確に言語化する作業は、独学だけで完成度を高めるのが難しい部分でもあります。書類の構成や口頭試問での受け答えに不安がある場合は、専門の指導を活用するのも一つの方法です。
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