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早稲田大学大学院 文学研究科の外部院試を徹底解説|出願資格・試験科目・研究計画書・面接対策まで

早稲田大学大学院文学研究科の外部院試とは、早稲田大学以外の大学に在籍する学生や既卒者、社会人が、修士課程・人文科学専攻の22コースのいずれかを一般入学試験で受験することを指します。文学研究科は哲学・心理学・社会学・教育学・日本語日本文学・英文学・日本史学・美術史学など22の専門コースを人文科学専攻の下に置き、コースごとに専門科目の出題言語や研究計画書の文字数、外国語試験の課し方が大きく異なる点が特徴です。名称が同じ「文学研究科」でも、志望するコースによって受験科目の重さは大きく変わります。
本記事では、2027年4月入学を対象とした修士課程一般入学試験要項(2026年6月1日公開)と、2026年度入学試験の実際の志願者・合格者データにもとづき、募集人員・出願資格・試験科目・研究計画書・日程・倍率の実績・過去問の公開状況・口述試験対策までを、確認できる一次情報の範囲で整理します。募集人員や試験日程、コースの取り扱いは年度によって変更される可能性があるため、出願前には早稲田大学大学院文学研究科の公式サイトで最新の要項を必ず確認してください。断定できない箇所については、「最新の募集要項でご確認ください」と補足しながら読み進めます。
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早稲田大学大学院文学研究科とは|外部院試における位置づけ
人文科学専攻22コースの構成と学問領域
早稲田大学大学院文学研究科は、修士課程・博士後期課程ともに人文科学専攻の1専攻のみで構成され、その下に22の専門コースが置かれています。2027年度一般入学試験の対象は人文科学専攻の22コース(哲学・東洋哲学・心理学・社会学・教育学・日本語日本文学・英文学・フランス語フランス文学・ドイツ語ドイツ文学・ロシア語ロシア文化・中国語中国文学・演劇映像学・美術史学・日本史学・東洋史学・西洋史学・考古学・文化人類学・表象・メディア論・現代文芸・中東・イスラーム研究・社会構築論)です。これに加えて英語プログラムの国際日本学コースがありますが、国際日本学コースは出願資格・試験科目・スケジュールが別要項で定められており、本記事で扱う一般入学試験要項(国際日本学コースを除く)の対象外です。
22コースは、哲学・心理学のように単一分野で完結するコースから、日本語日本文学・日本史学のように国内でも指導教員が多いコース、中東・イスラーム研究や社会構築論のように学際的な視点を持つコースまで幅が広く、志望する研究テーマがどのコースの専門分野に最も近いかを、出願前に公式サイトの教員紹介やシラバスで確認しておく必要があります。
| 分野グループ | コース名 |
|---|---|
| 思想・心理・社会系 | 哲学、東洋哲学、心理学、社会学、教育学 |
| 文学・言語系 | 日本語日本文学、英文学、フランス語フランス文学、ドイツ語ドイツ文学、ロシア語ロシア文化、中国語中国文学、現代文芸 |
| 芸術・表象系 | 演劇映像学、美術史学、表象・メディア論 |
| 歴史・考古系 | 日本史学、東洋史学、西洋史学、考古学 |
| 地域・学際系 | 文化人類学、中東・イスラーム研究、社会構築論 |
研究科の沿革(1902年の文学科設置から新コース設置まで)
文学研究科のルーツは、1902年に東京専門学校が早稲田大学と改称した際、大学部に文学科が置かれたことにさかのぼります。1920年の大学令による旧制大学への移行で文学部が設置され、1949年には第一文学部・第二文学部の2学部体制となりました。大学院文学研究科としては1951年に修士課程が、1953年に博士課程が開設され、以後70年以上にわたって人文科学専攻のもとで専門コースの新設・改編が続けられています。
比較的新しいコースとしては、2010年に表象・メディア論コース、2011年に現代文芸コースが新設され、2017年には中東・イスラーム研究コース(当時の名称は中東・イスラーム文化コース)が加わりました。倍率の分析で後述するとおり、表象・メディア論は志願者数が多いコースの一つであり、比較的新しいコースであっても学際性の高さから受験者を集めやすい傾向がうかがえます。志望コースがいつ設置され、どのような経緯で他コースと分かれたのかを知っておくと、研究計画書でそのコースを選ぶ理由をより具体的に説明しやすくなります。
3つのポリシーから見る修士課程の学び
文学研究科は、ディプロマ・ポリシー(学位授与方針)として、人文学の各分野における高度に専門的な文献を批判的に読み解く力、実験やフィールドワークで目的に適した研究方法を立案・実施しデータを分析する力、説得力のある論文にまとめる高い言語表現力、学問的発見を社会へ発信する力の4点を修士課程修了者に求めています。カリキュラム・ポリシーでは32単位の取得と修士論文の提出が修了要件と定められ、他コース科目・共通講義は14単位まで、他研究科科目は10単位まで修了要件に算入できるとされています。1年次で幅広い知識と研究の基盤を築き、2年次に修士論文の作成へ重心を移す2年間の構成が想定されています。
アドミッション・ポリシー(入学者受入方針)では、将来専門的職業を担いうる知性と教養、人文系研究をなすにふさわしい日本語能力、2年間という修業年限で一定水準を超える修士論文をまとめられる見込みを持つ学生を求めると明記されています。「日本語能力」が明示的に求められている点は、外国語試験だけでなく専門科目の論述や研究計画書、口述試験のすべてで日本語での説明力が評価対象になり得ることを示しています。
外部院試で選べる入試区分の整理
文学研究科修士課程の入学試験には、一般入学試験・推薦入学試験・論文特別選抜入学試験という区分があります。推薦入学試験は早稲田大学の学部生(2026年度中に卒業見込みの者)に限定され、出願時点でGPA3.00以上であることと、志望コースへの進学を第一志望としていることが条件です。したがって、他大学に在籍する外部生や既卒者が挑む外部院試の中心は一般入学試験になります。
推薦入学試験の対象コースは、哲学・東洋哲学・心理学・社会学・教育学・日本語日本文学・英文学・フランス語フランス文学・ドイツ語ドイツ文学・ロシア語ロシア文化・中国語中国文学・美術史学・東洋史学・西洋史学・考古学・文化人類学・中東・イスラーム研究・社会構築論という一般入学試験の主要コースの多くをカバーしており、選考は書類審査と口述試験(Zoom)によって行われ、2027年度は2026年7月11日(土)に口述試験、7月16日(木)10時に合格発表という日程が組まれていました。推薦入試に合格すると、その後の2027年度入試への出願はできません。内部進学者の一定数がこの推薦入試で先に進学を決めるため、一般入学試験の実際の競争関係を見るときは、推薦入試の存在も念頭に置く必要があります。論文特別選抜入学試験は、既発表の学術論文等を審査対象とする区分で、2027年度要項は2026年7月下旬に公開予定とされていました。
実施研究科・募集人員・出願資格|語学要件まで
人文科学専攻の募集人員と2026年度の実績
人文科学専攻(修士課程)の入学定員は210名です。この210名は一般入学試験・推薦入学試験・論文特別選抜入学試験・国際日本学コースを合算した数字であり、コースごとの個別定員は設けられていません。特定のコースだけ極端に定員が絞られているわけではない一方、志願者数がコースによって大きく偏るため、実質的な競争率はコースごとに大きく異なります(倍率の詳細は後述します)。
参考として、2026年度(2026年4月入学)一般入学試験の実績データでは、人文科学専攻・国際日本学コースを合わせた志願者数364名、受験者数316名、合格者数156名でした。このうち学外(早稲田大学以外の出身者)の志願者数は285名、受験者数239名、合格者数97名と公表されており、志願者の8割前後を学外出願者が占めていたことが読み取れます。
一般入学試験の出願資格7区分
一般入学試験の出願資格は、次の7区分のいずれかに該当することです。
- 日本の大学(学部)を卒業した者、または入学までに卒業見込みの者(ここでいう「日本の大学」は国内の大学を指し、海外の大学出身者は資格③・④で判断されます)
- 大学改革支援・学位授与機構(短期大学・高等専門学校・専門学校の専攻科等の修了者に学士の学位授与を行う独立行政法人)により学士の学位を授与された者、または入学までに授与される見込みの者
- 外国において通常の課程による16年の学校教育を修了した者、または入学までに修了見込みの者
- 外国の大学等で修業年限3年以上の課程を修了し、学士相当の学位を授与された者、または入学までに授与される見込みの者
- 文部科学大臣の指定した者
- 大学に3年以上在学し、研究科が定める単位を優れた成績で修得したと認められた者(飛び入学)
- 研究科の個別審査により大学卒業者と同等以上の学力があると認められ、2027年3月までに22歳に達する者
出願資格⑤・⑥・⑦に該当する場合は、2026年6月12日(金)までに個別審査の申請が必要です。この期限を過ぎると出願資格そのものが認められない可能性があるため、該当する可能性がある方は出願期間が始まる前の早い段階で確認しておくことが重要です。⑥は大学に3年以上在学した学生が対象となる、いわゆる飛び入学の枠組みで、⑦は大学を卒業(見込み)していない場合に個別審査で学力を認定する枠です。高専・短大・専門学校出身者がどの区分に該当するかは経歴によって異なるため、自分の学歴がどの出願資格に当てはまるか自己判断で決めつけず、早めに文学学術院事務所へ問い合わせることをおすすめします。
出願期間A・Bの違いと個別審査
| 区分 | 対象となる出願資格 | 出願期間 |
|---|---|---|
| 出願期間A | ③・④(海外の大学卒業(見込)者) | 2026年7月1日(水)〜7月13日(月)17:00 |
| 出願期間B | ①・②(日本の大学卒業(見込)者) | 2026年7月14日(火)〜7月27日(月)17:00 |
海外の大学出身者は国内の大学出身者より2週間近く早い出願期間Aに出願する必要があり、この違いに気づかず出願期間Bのつもりで準備を進めると、出願そのものができなくなるおそれがあります。出願資格⑤〜⑦に該当する個別審査対象者がどちらの出願期間に含まれるかは、審査結果の通知にあわせて案内されるため、事務所への問い合わせ時にあわせて確認しておくと安心です。
検定料と出願書類一覧
検定料は30,000円で、OECD開発援助委員会(DAC)が認定する後発開発途上国等に居住し、当該国の国籍を持つ場合は、所定書類の提出により免除の対象になることがあります。出願書類は入学志願票、卒業(見込)証明書や成績証明書の原本、研究計画書、出願チェック票など複数種類にわたり、卒業(見込)証明書・成績証明書は原本の提出が求められます。
| 分類 | 書類 | 注意点 |
|---|---|---|
| A | 入学志願票1・2 | TAOからダウンロード・印刷して使用 |
| B | 卒業(見込)証明書・修了(見込)証明書 | 原本提出、コピー不可 |
| C | 学部・大学院成績証明書 | 原本提出 |
| D | 研究計画書 | TAOへPDFをアップロード、紙提出は不要 |
| E | 日本語能力試験またはEJU証明書 | 出願期間A対象者(海外の大学出身者)のみ |
| F | 提出書類返還依頼書 | 原本の返還を希望する場合のみ |
| G | 出願チェック票 | 提出書類の最終確認用 |
中国の大学出身者はCSSD(CHESICC)が発行する認証書を文学学術院事務所へ直接メールで送付してもらう必要があるなど、出身国・出身大学によって必要な証明書の取得手続きが異なります。取得には日数がかかる場合があるため、出願期間の直前ではなく早めに手配を始めることをおすすめします。研究計画書はTAOへPDFをアップロードする一方、卒業(見込)証明書・成績証明書のような原本書類は別途郵送が必要とされており、オンラインでの入力と紙の書類の郵送が並行して発生する出願方式である点に注意してください。郵送の締切や必着・消印有効の別は出願期間A・Bで異なる可能性があるため、必ず最新の要項で確認してください。
検定料減免と国費外国人留学生の案内
検定料30,000円の減免措置は、OECD開発援助委員会(DAC)が認定する後発開発途上国等に居住し、当該国の国籍を有する志願者が対象です。別紙で定められた提出書類を検定料納入前に用意する必要があり、免除の可否は事前に文学学術院事務所へ確認する運用になっています。入学後に国費外国人留学生としての身分を希望する可能性がある場合は、出願前に早稲田大学の留学センターへ相談するよう案内されており、出願書類の準備と並行して情報を集めておくことが望まれます。国籍・居住国の要件に該当するかどうかを自己判断で決めず、早めに問い合わせておくと、検定料の納入手続きで慌てずに済みます。
試験科目を徹底解説|専門科目・外国語・研究計画書・口述試験
第一次試験の枠組み(専門科目・一般外国語)
文学研究科の第一次試験は、専門科目と一般外国語の筆記試験によって行われ、早稲田大学戸山キャンパス(東京都新宿区戸山1-24-1)での対面受験が必須です。オンライン受験の制度は設けられていません。専門科目の試験時間は2時間(10:00〜12:00)、一般外国語は1時間(13:30〜14:30)で、2科目の外国語を課されるコースでは2時間(13:30〜15:30)に延びます。通信機能のある電子機器は試験時間中かばんにしまうことが求められ、辞書等の持参可否は科目ごとに案内されるため、受験票発送時の案内を確認する必要があります。遠方から受験する場合、戸山キャンパスまでの交通経路と所要時間を事前に確認し、9月中旬という残暑が残る時期の受験であることも踏まえて、当日の服装や体調管理を計画しておくと安心です。
コース別 外国語要件の違い(1ヶ国語か2ヶ国語か)
一般外国語の科目数と選択できる言語は、コースによって大きく異なります。哲学コースは英・仏・独・露・現代中国・伊・西・朝鮮語から2ヶ国語を選ぶ必要がある一方、心理学コースは英語のみで足ります。フランス語フランス文学コースやドイツ語ドイツ文学コース、西洋史学コースのように、専攻言語を含む2ヶ国語が求められるコースもあります。
| コース | 必要な言語数 | 備考 |
|---|---|---|
| 哲学 | 2ヶ国語 | 英・仏・独・露・現代中国・伊・西・朝鮮語から選択 |
| 東洋哲学 | 1ヶ国語 | 上記言語群から選択 |
| 心理学 | 1ヶ国語 | 英語のみ、他言語の選択肢なし |
| 社会学 | 1ヶ国語 | 言語群から選択 |
| 教育学 | 1ヶ国語 | 言語群から選択 |
| 日本語日本文学 | 1ヶ国語 | 言語群から選択 |
| 英文学 | 1ヶ国語 | 英語を除く言語から選択 |
| フランス語フランス文学 | 2ヶ国語 | 仏語を含む2ヶ国語 |
| ドイツ語ドイツ文学 | 2ヶ国語 | 独語を含む2ヶ国語 |
| ロシア語ロシア文化 | 1ヶ国語 | 言語群から選択 |
| 中国語中国文学 | 1ヶ国語 | 言語群から選択 |
| 演劇映像学 | 1ヶ国語 | 言語群から選択 |
| 美術史学 | 1ヶ国語 | 言語群から選択 |
| 日本史学 | 1ヶ国語 | 言語群から選択 |
| 東洋史学 | 1ヶ国語 | 言語群から選択 |
| 西洋史学 | 2ヶ国語 | 対象地域の言語を含む2ヶ国語 |
| 考古学 | 1ヶ国語 | 言語群から選択 |
| 文化人類学 | 1ヶ国語 | 言語群から選択 |
| 表象・メディア論 | 1ヶ国語 | 言語群から選択 |
| 現代文芸 | 1ヶ国語 | 言語群から選択 |
| 中東・イスラーム研究 | 1ヶ国語 | 言語群から選択 |
| 社会構築論 | 1ヶ国語 | 言語群から選択 |
22コースのうち2ヶ国語を課すのは哲学・フランス語フランス文学・ドイツ語ドイツ文学・西洋史学の4コースのみで、残る18コースは1ヶ国語の対策で足ります。「文学研究科だから外国語は2ヶ国語必須」と思い込むと準備量を見誤ります。志望コースの一般外国語要件は、必ず最新の要項でコース別の表を確認してください。2ヶ国語が必要なコースを志望する場合は、専門科目・研究計画書の対策と並行して2つの外国語を仕上げる必要があるため、1ヶ国語のコースより語学の学習時間を多めに確保する計画を早い段階で立てておくことが現実的です。
研究計画書の提出方式とコース別文字数
研究計画書は全コース共通で提出が必須の書類で、紙での提出ではなくTAO(オンライン出願システム)へのPDFアップロードが必須です。文字数の目安はコースによって2,000字から8,000字まで幅があり、志望コースの分量を勘違いしたまま執筆を始めると、出願直前になって大幅な書き直しが必要になりかねません。
| コース | 研究計画書の目安の分量 |
|---|---|
| 哲学 | 4,000字 |
| 東洋哲学 | 2,000字(日本語)または1,000語(英語) |
| 心理学 | 4,000字(日本語・横書)または2,000語(英語) |
| 社会学 | 4,000〜4,500字 |
| 教育学 | 4,000字 |
| 日本語日本文学 | 8,000字 |
| 英文学 | 2,000字 |
| フランス語フランス文学 | 2,000字 |
| ドイツ語ドイツ文学 | 4,000字 |
| ロシア語ロシア文化 | 4,000字 |
| 中国語中国文学 | 4,000字以内 |
| 演劇映像学 | 8,000字 |
| 美術史学 | 6,000〜8,000字 |
| 日本史学 | 6,000〜8,000字 |
| 東洋史学 | 8,000字 |
| 西洋史学 | 8,000字以内 |
| 考古学 | 8,000字以内 |
| 文化人類学 | 4,000字以内 |
| 表象・メディア論 | 4,000〜5,000字 |
| 現代文芸 | 4,000字 |
| 中東・イスラーム研究 | 8,000字または2,000語 |
| 社会構築論 | 5,000字または2,500語 |
日本語日本文学・演劇映像学・東洋史学のように8,000字規模を求めるコースがある一方、英文学やフランス語フランス文学は2,000字と短めです。字数の多いコースほど、先行研究の整理と自分の研究テーマの独自性を、より詳細な論拠とともに書き込むことが求められると考えられます。
分量の傾向を分野で見ると、日本史学・東洋史学・考古学・美術史学のように、一次史料や作品・遺構といった対象を博捜し実証的に論じることが求められる分野は6,000〜8,000字規模、英文学やフランス語フランス文学のように特定の言語・文学圏を対象とするコースは2,000字程度と、分野の性質によって求められる分量に差が出ていると読み取れます。文字数の多寡は、コースが求める論証の緻密さの目安として捉え、字数が多いコースほど早い段階から先行研究の読み込みに着手する計画を立てることをおすすめします。
第二次試験(口述試験)の実施方法
第二次試験は口述試験で、Web会議システムZoomを使用してオンラインで実施されます。2027年度は2026年10月4日(日)の実施が予定され、時間帯はコース・受験者によって異なりますが例年10:00〜13:00の枠で行われることが多いとされています。試験開始時刻から20分を超えて接続できない場合は受験できない扱いになるため、事前の接続テストと同一の機材・同一の場所で本番に臨むことが推奨されています。バーチャル背景機能の使用やマスクの着用は認められていません。
不正行為に関する規定
出願書類から口述試験当日まで、一貫した不正行為の定義が要項に明記されています。提出書類の偽造・虚偽記載・剽窃等が確認された場合は不正行為の認定対象となり、研究計画書についても発行元・提供元への照会が行われることがあるとされています。不正行為が認定されると、その年度の入学試験の結果が無効になり、検定料も返還されません。研究計画書は自分の言葉で、先行研究を踏まえて仕上げる必要があります。
研究計画書は「志望者が何を考え、何を明らかにしたいのか」を研究科に伝える書類であるという前提に立ち、参考文献やアイデアの出典を自分の中で整理したうえで、最終的な文章化は自分の言葉で行うことをおすすめします。口述試験では研究計画書の内容について踏み込んだ質問がされる可能性が高いため、内容を自分で説明できない状態で提出すること自体が、結果的に不利に働きかねません。
研究計画書・指導教員希望・研究室訪問の実際
指導教員希望の記載が必須のコースと任意のコース
研究計画書には、多くのコースで指導を希望する教員名を記載する欄が設けられています。哲学・心理学・社会学・教育学・日本語日本文学・フランス語フランス文学・ドイツ語ドイツ文学・演劇映像学・美術史学・東洋史学・西洋史学・表象・メディア論・現代文芸などのコースでは指導教員希望の記載が求められ、東洋哲学・英文学のように記載欄はあっても必須とされていないコースもあります。志望コースでの扱いは要項のコース別ページで必ず確認してください。要項には、記載した希望どおりの指導教員に必ずしもならない場合があると明記されており、希望教員が決まっている場合でも、配属は入学後に確定する前提で計画を立てる必要があります。
| 記載の扱い | 該当コース(例) |
|---|---|
| 必須記載 | 哲学、心理学、社会学、教育学、日本語日本文学、フランス語フランス文学、ドイツ語ドイツ文学、演劇映像学、美術史学、東洋史学、西洋史学、表象・メディア論、現代文芸 |
| 記載欄はあるが任意 | 東洋哲学、英文学 |
| 要項に記載欄の言及なし | 日本史学、ロシア語ロシア文化、中国語中国文学、考古学、文化人類学、中東・イスラーム研究、社会構築論 |
同じ文学研究科でも、コースによって指導教員希望の扱いが3段階に分かれている点は見落としやすいポイントです。記載欄の有無や必須・任意の区分は年度によって変わる可能性があるため、研究計画書の様式をダウンロードした際に、最新版の記載欄を必ず確認してください。
研究室訪問・教員への事前連絡は必要か
公式のよくある質問には、研究指導を希望する教員が学生を募集しているかどうかを確認したいという趣旨の質問が掲載されており、「研究者データベース」で該当教員を検索し、連絡先が非公開の場合は志望コースの窓口に問い合わせるという案内がされています。出願資格や出願手続に関する個別の質問は、文学学術院事務所が受け付けています。理系の研究科で見られるような「訪問必須」という明文規定は確認できませんでしたが、研究計画書に指導教員希望を書く以上、志望する教員の研究業績やシラバスを事前に確認しておくことは、書類の説得力を高めるうえで実務的に有効です。
研究計画書を書くうえで押さえたい視点
アドミッション・ポリシーが「2年間の修業年限で一定水準を超える修士論文をまとめることが期待される」学生を求めている以上、研究計画書ではテーマの学術的な意義だけでなく、2年間で実行可能な研究計画になっているかを意識して書く必要があります。先行研究をどこまで押さえているか、どのような方法(文献研究・実験・フィールドワーク・資料調査など)で進めるのか、志望コースのどの教員・どの科目とテーマが接続するのかを具体的に書き込むことが、書類選考と口述試験の両方で評価される土台になると考えられます。
ディプロマ・ポリシーが掲げる「批判的に読み解く力」「研究方法を立案・実施する力」「言語表現力」「社会への発信力」の4点は、研究計画書の構成要素にそのまま対応させて考えることができます。先行研究の批判的検討で1点目を、研究方法の具体的な記述で2点目を示し、限られた文字数の中でも結論を明確に述べる文章構成で3点目を意識すると、書類全体の一貫性が高まります。字数の少ないコース(2,000〜4,000字)ほど、この4要素を過不足なく詰め込む要約力が問われ、字数の多いコース(6,000〜8,000字)ほど、先行研究の博捜と論証の緻密さが問われると考えられます。
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出願から入学手続までのスケジュール
出願期間・試験・合格発表の日程
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 出願期間A(資格③・④) | 2026年7月1日(水)〜7月13日(月)17:00 |
| 出願期間B(資格①・②) | 2026年7月14日(火)〜7月27日(月)17:00 |
| 個別審査申請期限(資格⑤〜⑦) | 2026年6月12日(金) |
| 検定料 | 30,000円(出願期間内に納入) |
| 第一次試験 | 2026年9月14日(月)・早稲田大学戸山キャンパス |
| 第一次試験合格発表 | 2026年9月25日(金)10:00 |
| 第二次試験(口述試験) | 2026年10月4日(日)・Zoom実施 |
| 最終合格発表 | 2026年10月8日(木)10:00 |
| 入学手続期間 | 2027年2月上旬〜3月上旬(予定) |
出願から最終合格発表までは、出願期間の始まりから数えて約3か月という比較的タイトな日程です。第一次試験の専門科目・外国語対策と、研究計画書の作成・推敲を並行して進める必要があります。入学手続期間はあくまで要項公開時点の予定であり、確定日程は必ず最新の要項で確認してください。第二次試験の口述試験は最終合格発表の4日前に行われる計算になり、第一次試験の合格発表(9月25日)から口述試験本番(10月4日)までは10日ほどしかありません。第一次試験の対策と並行して、口述試験の想定質問への準備もある程度進めておくと、短い準備期間でも落ち着いて臨みやすくなります。
出願前に済ませておきたい準備
出願期間B(日本の大学出身者向け)の締切は7月27日で、第一次試験まではそこから1か月半ほどしかありません。卒業(見込)証明書や成績証明書は在籍大学の窓口発行に数日から数週間かかる場合があるため、出願書類の提出締切から逆算し、遅くとも出願期間が始まる7月上旬までには証明書の発行申請を済ませておくと安全です。研究計画書はTAOへのアップロードが前提のため、締切直前の通信トラブルに備えて余裕を持った時間帯に入力を終える計画にしておくことをおすすめします。
- 出願資格⑤・⑥・⑦に該当する場合は、2026年6月12日(金)までに文学学術院事務所へ相談する
- 志望コースの外国語要件(1ヶ国語か2ヶ国語か、選択できる言語)を確認し、対策する言語を確定する
- 志望コースの研究計画書の文字数目安を確認し、先行研究の整理から着手する
- 指導教員希望の記載が必要なコースでは、研究者データベースで志望教員の研究テーマを確認する
- 卒業(見込)証明書・成績証明書などの原本を、発行に時間のかかる海外の大学出身者は特に早めに準備する
- 出願期間A・Bのどちらに該当するかを再確認し、出願締切の直前ではなく余裕を持ってTAOへ入力する
- 第一次試験合格発表(9月25日)から口述試験(10月4日)までの短い期間を見据え、口述試験の想定質問を出願前から準備しておく
倍率・難易度をどう読むか|コース別実績データ分析
2026年度入試データの全体像
文学研究科は、コース別の年度別志願者数・受験者数・合格者数を「入学試験データ」として公式サイトに公表しています。2026年度(2026年4月入学)一般入学試験の実績は、人文科学専攻・国際日本学コース合計で志願者364名・受験者316名・合格者156名で、受験者数を合格者数で割った倍率は約2.0倍でした。学外出願者に限ると、志願者285名・受験者239名・合格者97名で、倍率は約2.5倍となり、学内(早稲田大学出身)の受験者より学外出願者のほうが実質的な倍率がやや高い傾向がうかがえます。
コース別倍率の一覧(2026年度実績)
| コース | 受験者数 | 合格者数 | 倍率(受験者÷合格者) |
|---|---|---|---|
| 哲学 | 5 | 3 | 約1.7倍 |
| 東洋哲学 | 11 | 6 | 約1.8倍 |
| 心理学 | 22 | 21 | 約1.0倍 |
| 社会学 | 22 | 8 | 約2.8倍 |
| 教育学 | 17 | 7 | 約2.4倍 |
| 日本語日本文学 | 38 | 11 | 約3.5倍 |
| 英文学 | 8 | 5 | 約1.6倍 |
| フランス語フランス文学 | 6 | 3 | 約2.0倍 |
| ドイツ語ドイツ文学 | 3 | 2 | 約1.5倍 |
| ロシア語ロシア文化 | 3 | 2 | 約1.5倍 |
| 中国語中国文学 | 13 | 5 | 約2.6倍 |
| 演劇映像学 | 15 | 7 | 約2.1倍 |
| 美術史学 | 11 | 7 | 約1.6倍 |
| 日本史学 | 20 | 12 | 約1.7倍 |
| 東洋史学 | 7 | 1 | 約7.0倍 |
| 西洋史学 | 4 | 4 | 約1.0倍 |
| 考古学 | 8 | 5 | 約1.6倍 |
| 文化人類学 | 12 | 5 | 約2.4倍 |
| 表象・メディア論 | 39 | 13 | 約3.0倍 |
| 現代文芸 | 20 | 13 | 約1.5倍 |
| 中東・イスラーム研究 | 2 | 1 | 約2.0倍 |
| 社会構築論 | 8 | 4 | 約2.0倍 |
| 国際日本学 | 22 | 11 | 約2.0倍 |
倍率だけを見て単純に「入りやすい・入りにくい」を判断するのは危険です。東洋史学は受験者7名に対して合格者1名と倍率が高い一方、母数そのものが小さいため、1年ごとの変動が大きくなりやすい構造です。心理学や西洋史学のように倍率が1倍台前半のコースも、出願要件(語学要件や研究計画書の分量)自体は他コースと変わらず課されるため、書類・語学・専門科目のいずれかで準備不足があれば不合格になり得る点は共通しています。
倍率が示す傾向とその読み方
日本語日本文学・表象・メディア論・社会学は、志願者数・受験者数がほかのコースより多く、相対的に倍率も高くなる傾向があります。これらのコースを志望する場合、研究計画書の独自性や専門科目の答案の完成度で、他の受験者との差をつける必要性がより高いと考えられます。一方、ドイツ語ドイツ文学・ロシア語ロシア文化・中東・イスラーム研究のように受験者数自体が一桁のコースは、倍率が低めに出やすい半面、募集する教員の専門分野と自分の研究テーマがどこまで一致しているかが、少人数だからこそ重視されやすい可能性があります。
個別の数字を見ると、東洋史学は受験者7名・合格者1名という結果で、22コースの中で最も高い倍率になっています。ただし前年以前も同じ傾向が続くとは限らず、受験者数が一桁のコースでは1〜2名の合否が倍率を大きく動かします。対照的に心理学は受験者22名に対して合格者21名、西洋史学は受験者4名に対して合格者4名と、受験者のほとんどが合格する結果でした。2010年設置の表象・メディア論は受験者39名・合格者13名で約3.0倍と、22コースの中でも志願者数・受験者数ともに上位に入っており、比較的新しいコースでも学際性の高さから受験者を集めやすい傾向がうかがえます。
学外出願者だけで見た倍率(外部院試の実質的な難易度)
外部院試として受験する場合、全体の倍率よりも学外(早稲田大学以外の出身者)出願者だけを対象にした倍率のほうが、実際に直面する競争環境に近い数字になります。コース別の学外実績を見ると、全体の倍率と学外だけの倍率の差が大きいコースがあることが分かります。
| コース | 学外受験者数 | 学外合格者数 | 学外倍率 |
|---|---|---|---|
| 哲学 | 3 | 1 | 約3.0倍 |
| 東洋哲学 | 7 | 3 | 約2.3倍 |
| 心理学 | 17 | 17 | 約1.0倍 |
| 社会学 | 20 | 7 | 約2.9倍 |
| 教育学 | 16 | 7 | 約2.3倍 |
| 日本語日本文学 | 28 | 5 | 約5.6倍 |
| 英文学 | 6 | 4 | 約1.5倍 |
| フランス語フランス文学 | 5 | 3 | 約1.7倍 |
| ドイツ語ドイツ文学 | 2 | 1 | 約2.0倍 |
| ロシア語ロシア文化 | 3 | 2 | 約1.5倍 |
| 中国語中国文学 | 10 | 2 | 約5.0倍 |
| 演劇映像学 | 11 | 3 | 約3.7倍 |
| 美術史学 | 7 | 3 | 約2.3倍 |
| 日本史学 | 13 | 7 | 約1.9倍 |
| 東洋史学 | 7 | 1 | 約7.0倍 |
| 西洋史学 | 2 | 2 | 約1.0倍 |
| 考古学 | 4 | 1 | 約4.0倍 |
| 文化人類学 | 9 | 3 | 約3.0倍 |
| 表象・メディア論 | 24 | 2 | 約12.0倍 |
| 現代文芸 | 16 | 10 | 約1.6倍 |
| 中東・イスラーム研究 | 2 | 1 | 約2.0倍 |
| 社会構築論 | 6 | 2 | 約3.0倍 |
| 国際日本学 | 21 | 10 | 約2.1倍 |
表象・メディア論は全体倍率が約3.0倍である一方、学外だけの倍率は約12.0倍に跳ね上がり、合格者13名のうち学外出願者はわずか2名でした。日本語日本文学(全体約3.5倍→学外約5.6倍)や中国語中国文学(全体約2.6倍→学外約5.0倍)も、全体倍率より学外倍率のほうが明確に高いコースです。逆に心理学・西洋史学・現代文芸は、全体と学外の倍率がほぼ同水準か、学外のほうがやや低いコースでした。志望コースを検討する際は、全体倍率だけでなく学外倍率も必ず確認することをおすすめします。ただし、いずれのコースも母数が数名〜数十名規模であるため、単年度のデータだけで難易度を断定せず、複数年度の入学試験データを継続的に確認する姿勢が大切です。
外国語・研究計画書・倍率を組み合わせた準備量の目安
ここまでの外国語要件・研究計画書の文字数・学外倍率を組み合わせると、コースごとに求められる準備量の総量が見えてきます。以下は主なコースについて、3つの指標を横並びにした一覧です。
| コース | 外国語 | 研究計画書 | 学外倍率 |
|---|---|---|---|
| 哲学 | 2ヶ国語 | 4,000字 | 約3.0倍 |
| 心理学 | 1ヶ国語(英語) | 4,000字/2,000語 | 約1.0倍 |
| 日本語日本文学 | 1ヶ国語 | 8,000字 | 約5.6倍 |
| 英文学 | 1ヶ国語 | 2,000字 | 約1.5倍 |
| フランス語フランス文学 | 2ヶ国語 | 2,000字 | 約1.7倍 |
| 日本史学 | 1ヶ国語 | 6,000〜8,000字 | 約1.9倍 |
| 西洋史学 | 2ヶ国語 | 8,000字以内 | 約1.0倍 |
| 表象・メディア論 | 1ヶ国語 | 4,000〜5,000字 | 約12.0倍 |
| 中国語中国文学 | 1ヶ国語 | 4,000字以内 | 約5.0倍 |
たとえば日本語日本文学は、外国語が1ヶ国語で済む一方、研究計画書が8,000字と最も重く、学外倍率も約5.6倍と高いコースです。逆に西洋史学は、外国語が2ヶ国語で研究計画書も8,000字以内と分量は大きいものの、学外倍率は約1.0倍にとどまっています。表象・メディア論は外国語1ヶ国語・研究計画書4,000〜5,000字と書類の負担自体は中程度ですが、学外倍率が22コース中もっとも高い部類に入るため、書類の完成度で他の受験者と明確な差をつける必要があると考えられます。志望コースを一つの指標だけで判断せず、外国語・研究計画書・倍率の3点を組み合わせて準備計画を立てることをおすすめします。
推薦入学試験との関係
前述のとおり、推薦入学試験は早稲田大学の学部生に限定された区分で、合格者はその後の一般入学試験へ出願できないため、一般入学試験の合格者数には推薦入試の合格者は含まれません。人文科学専攻の入学定員210名のうち、推薦入学試験・論文特別選抜入学試験の枠でどれだけの人数が内部進学するかによって、一般入学試験に実質的に割り当てられる人数は年度ごとに変動します。正確な内部進学者数の公表は確認できなかったため、最新の入学試験データで年度ごとの傾向をあわせて確認することをおすすめします。
過去問分析と口述試験(面接)対策
過去問の公開状況(直近3年分)
文学研究科の入学試験問題は、早稲田大学入学センターのWebサイトで直近3年分(2024・2025・2026年度実施分)が公開されています。専門科目はコースごとに、一般外国語は言語ごとにPDFが公開されています(英語・日本語・仏語・独語・現代中国語・西語・朝鮮語など)。伊語・露語のように、その年度に志願者がいなかった言語は問題自体が掲載されない年もあります。ドイツ語ドイツ文学コースやロシア語ロシア文化コースのように受験者数が少ないコースも、志願者がいた年度は専門科目の問題が公開されています。公開期間を過ぎた年度分は、文学学術院事務所で過去3年分に限り閲覧できるとされていますが、著作権上の理由等でPDFにマスクがかかっている場合や公開が遅れている場合もあると案内されています。
専門科目試験の枠組みから見る対策の方向性
専門科目の試験時間は2時間で、要項には出題形式(記述式か選択式か)についての明記はなく、正確な形式は志望コースの過去問PDFで確認する必要があります。人文科学系の大学院入試で2時間という試験時間が設定されている場合、単答式の知識確認だけでなく、一定量の論述を求める出題が含まれる可能性を想定しておくことが実務的です。過去問を確認する際は、大問数・設問の指示文(何を論じさせているか)・想定される答案の分量を年度ごとに記録し、頻出のテーマと単発で出たテーマを分けて整理することをおすすめします。
過去問の活用法(年度比較のすすめ)
過去問は3年分が公開されているため、1年分だけを解いて終わらせず、2024・2025・2026年度実施分の3年を横並びで比較することで、出題の型が固定されているのか、年度ごとに変わっているのかを見極められます。専門科目のPDFは、コース名と実施年度が分かるファイル名で早稲田大学入学センターのサイトに掲載されているため、志望コースのファイルを年度別に保存し、大問構成や設問の分量を一覧化しておくと、直前期の見直しがしやすくなります。一般外国語についても、英語だけでなく志望コースが指定する第2言語がある場合は、その言語の過去問もあわせて確認しておく必要があります。公開ページのPDFはコース名と実施年度を含むファイル名で管理されているため、志望コースの名称(例:日本史学であれば「nihonshi」、心理学であれば「shinri」)で検索すると該当ファイルを見つけやすくなります。
アドミッションポリシーから見る出題予測
文学研究科のディプロマ・ポリシーは、専門的読解・分析能力、研究方法の実践力、言語表現力、社会への発信力の4点を修士修了要件として掲げています。この4点は、専門科目の論述・研究計画書・口述試験のいずれにも共通して問われる評価軸だと読み取れます。募集要項とディプロマ・ポリシーの記載にもとづく推測であり断定はできませんが、少なくとも次の3点が専門科目・口述試験を通じて評価される可能性が高いと考えられます。
- 専門用語や先行研究を、自分の言葉で定義・要約し、批判的に検討できているか
- 研究計画書に書いたテーマと、専門科目で示す知識・関心が矛盾なくつながっているか
- 2年間の修士課程で完結できる研究計画として、方法・範囲が現実的に設定されているか
口述試験(面接)で問われる可能性が高い観点
口述試験はZoomで実施され、出願時に提出した研究計画書の内容を、資料を見ずに口頭で説明できる状態にしておく必要があります。要項に想定質問のリストは示されていませんが、研究計画書の記載事項(テーマ・先行研究・方法・指導教員希望)や、アドミッション・ポリシーが重視する「日本語能力」「2年間で修士論文をまとめられる見込み」という観点から逆算すると、志望理由、研究テーマを選んだ経緯、先行研究に対する理解、指導を希望する教員の研究との接続、入学後の研究の進め方といった項目が、実際の質問として想定されます。
面接当日の実務対策
試験開始時刻から20分を超えて接続できない場合は受験できない扱いになるため、通信環境の事前確認は必須です。バーチャル背景の使用やマスクの着用は認められておらず、カメラ・マイク・イヤホンを用意したうえで、接続テストと同一の機材・同一の場所で本番に臨むことが推奨されています。研究計画書に書いた内容を暗記するのではなく、想定質問に対して自分の言葉で説明し直す練習を重ねることが、口述試験の準備として実務的です。
併願の考え方と関連コース・内部リンク
文学研究科内でのコース選択
22の専門コースはそれぞれ独立した選考区分として扱われており、出願時にはいずれか1つのコースを選んで受験することになります。研究テーマが複数の分野にまたがる場合、たとえば表象・メディア論と演劇映像学、あるいは日本史学と考古学のように近接するコースのどちらで受験するかを迷うケースもありますが、募集要項には複数コースの併願可否についての明記は確認できませんでした。複数コースの受験を検討したい場合は、出願前に文学学術院事務所へ直接問い合わせて確認することをおすすめします。
本記事で扱った22コースとは別に、英語プログラムの国際日本学コースが設けられている点も押さえておきたいポイントです。国際日本学コースは出願資格・出願期間・試験科目が別要項で定められ、2026年度実績では受験者22名・合格者11名(約2.0倍)という実績でした。日本研究を英語で学びたい場合は、人文科学専攻の各コースではなく国際日本学コースの要項を個別に確認する必要があります。
他研究科・他大学との併願を考えるときの視点
文学研究科と、早稲田大学の他研究科(教育学研究科や社会科学研究科など)との併願可否についても、本記事で参照した文学研究科の入学試験要項には明記がありません。他大学の大学院との併願を検討する場合は、第一次試験(2026年9月14日)・第二次試験(2026年10月4日)という日程を軸に、他大学の試験日・出願締切と重ならないかを早めに確認しておく必要があります。特に研究計画書やTAOへの出願書類のアップロードには準備期間がかかるため、併願先の出願準備を並行して進める場合は、複数校分の証明書手配や研究計画書の作成を早期に始めておくことが現実的です。早稲田大学大学院全体の入試制度を横断的に確認したい場合は、早稲田大学大学院入試を徹底解説する記事もあわせてご覧ください。研究科ごとの選考方式の違い(政治学研究科は専門科目の筆記試験を課さず書類選考と面接のみで選考する方式です)を比較したい場合は、早稲田大学大学院政治学研究科の外部院試を解説した記事が参考になります。
関連記事・大学院入試対策コース
研究科ごとの難易度や倍率の違いを俯瞰したい場合は、早稲田大学大学院の難易度を研究科別にまとめた記事もあわせて確認しておくと、文学研究科の位置づけを相対的に把握しやすくなります。大学院入試全般の準備の進め方を体系的に押さえたい場合は、大学院入試対策の完全ガイドで、研究計画書対策や面接対策の基本を確認しておくことをおすすめします。専門科目や外国語の対策、研究計画書の添削、口述試験の練習など、専門的なサポートを受けながら準備を進めたい場合は、大学院入試対策コースの活用も選択肢の一つです。
よくある質問(FAQ)
早稲田大学大学院文学研究科の外部院試に専門科目の筆記試験はありますか。
あります。第一次試験として専門科目(2時間、10:00〜12:00)と一般外国語の筆記試験が早稲田大学戸山キャンパスで対面実施され、オンライン受験の制度は設けられていません。専門科目の出題形式の詳細は、志望コースの過去問PDFで確認することをおすすめします。最新年度で変更がないか、出願前に必ず要項を確認してください。
他大学出身者でも受験できますか。
一般入学試験は、出願資格①〜⑦のいずれかを満たせば他大学出身者でも出願できます。推薦入学試験は早稲田大学の学部生に限定されており、外部生は対象外です。海外の大学出身者は出願資格③・④に該当するかを確認し、出願期間A(2026年7月1日〜13日)で手続きしてください。
研究計画書は何字くらい書けばよいですか。
コースによって2,000字から8,000字まで幅があります。日本語日本文学・演劇映像学は8,000字程度、英文学・フランス語フランス文学は2,000字程度と大きく異なるため、志望コースの目安を必ず最新の要項で確認してから執筆を始めてください。
外国語試験はどの言語でも受けられますか。
コースが指定する言語群(英・仏・独・露・現代中国・伊・西・朝鮮語など)の中から選択する形式で、コースによって必要な言語数(1ヶ国語か2ヶ国語か)や選択可能な言語の範囲が異なります。心理学コースは英語のみ、哲学コースは2ヶ国語必須というように差があるため、志望コースのページで確認してください。
過去問は公開されていますか。
早稲田大学入学センターのWebサイトで、直近3年分の入試問題がコースごとに公開されています。公開期間を過ぎた年度分は文学学術院事務所で過去3年分に限り閲覧可能ですが、著作権上の理由でマスクがかかる場合や公開が遅れる場合もあります。
研究室訪問は必須ですか。
入学試験要項に研究室訪問を必須とする明記は確認できませんでした。教員への連絡を希望する場合は研究者データベースで検索し、連絡先が非公開の場合は志望コースへ問い合わせる案内がされています。多くのコースで指導教員希望を研究計画書に記載するため、事前に研究内容を確認しておくと計画書の説得力が高まります。
倍率はどのコースが高いですか。
2026年度実績では、日本語日本文学(受験者38名・合格者11名、約3.5倍)や表象・メディア論(約3.0倍)、社会学(約2.8倍)の倍率が相対的に高く、心理学(約1.0倍)や西洋史学(約1.0倍)は受験者のほとんどが合格する実績でした。ただし母数が小さいコースは年度による変動が大きいため、最新の入学試験データもあわせて確認してください。
出願期間はいつからですか。
2027年4月入学の一般入学試験は、海外の大学出身者(出願資格③・④)が2026年7月1日から7月13日、日本の大学出身者(出願資格①・②)が2026年7月14日から7月27日という出願資格ごとに異なる2つの出願期間に分かれています。出願資格⑤〜⑦に該当する個別審査対象者は、2026年6月12日までに文学学術院事務所へ問い合わせる必要があります。
まとめ|早稲田大学大学院文学研究科の外部院試に向けて
早稲田大学大学院文学研究科の外部院試は、人文科学専攻の22コースそれぞれで、外国語試験の言語数・研究計画書の文字数・指導教員希望の要否が異なる点に大きな特徴があります。2027年4月入学を対象とした要項では、出願期間が資格区分によって2026年7月1日〜13日と7月14日〜27日に分かれ、第一次試験(専門科目・外国語)が9月14日、口述試験(Zoom)が10月4日、最終合格発表が10月8日という日程が示されています。2026年度実績では受験者数を合格者数で割った倍率が全体で約2.0倍、学外出願者では約2.5倍でしたが、コースごとの差は1.0倍台から3倍台まで幅があり、志望コースの実績を個別に確認することが欠かせません。
募集人員・出願資格・試験科目・研究計画書の文字数は年度やコースの改廃によって変更される可能性があるため、出願を検討する際は必ず早稲田大学大学院文学研究科の公式サイトで最新の入学試験要項を確認してください。専門科目・外国語の対策と研究計画書の作成を同時並行で進める必要がある入試だからこそ、早めに準備計画を立てることが重要です。
本記事で見てきたとおり、文学研究科の外部院試は「文学研究科全体」ではなく「志望するコース」を単位に対策を組み立てることが欠かせません。同じ研究科の中でも、外国語1ヶ国語で足りるコースと2ヶ国語必要なコース、研究計画書2,000字のコースと8,000字のコース、学外倍率1倍台のコースと10倍を超えるコースが混在しています。志望コースの一次情報を早い段階で確認し、研究計画書の添削や口述試験対策に不安がある場合は、大学院入試対策コースのような専門的なサポートを活用しながら、出願書類の作成に十分な時間を確保することをおすすめします。
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