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香川大学創造工学部の編入試験を徹底解説|出願資格・試験科目・過去問対策・志望理由書・面接まで

香川大学創造工学部の編入試験とは、高等専門学校・短期大学・大学などで工学系の基礎を学んだ人が、第3年次から創造工学科の7コースのいずれかへ入学するための選抜試験です。2026年度入試(2027年度入学者対象)の〈一般〉選抜では、英語(TOEICのスコア)・筆記試験「工学基礎」・面接・提出書類を総合して合否を判定し、配点は英語100点・筆記試験200点・面接150点の計450点と募集要項で公表されています。本記事では、香川大学が公表している最新の募集要項と、大学ホームページで公開されている2026年度の「工学基礎」過去問をもとに、出願資格・試験科目・配点・日程・科目別対策・面接・志望理由書・過去問分析までを一次情報に基づいて整理します。数値や日程は年度で変わるため出願前に必ず公式で確認してください。
創造工学部の編入対策で難しいのは、7つのコースごとに選択できる科目や求められる専門基礎が異なる点です。この記事を読めば、自分が志望するコースで「数学に加えて何を選べばよいのか」「TOEICは筆記なのかスコア提出なのか」「面接では何を見られるのか」が具体的につかめます。過去問の実物を科目ごとに分解し、どの単元から手をつけるべきかまで踏み込んで解説します。
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香川大学創造工学部編入の概要|7コース制と選抜の全体像
香川大学創造工学部は、高松市林町キャンパスに置かれた工学系学部で、2018年に旧・工学部を改組して発足しました。学科は「創造工学科」の1学科制で、その中に専門分野ごとの7つのコースが設けられています。編入学は毎年この創造工学科を対象に第3年次で実施され、合格すると2年間で卒業要件を満たすことを目指して学びます。1学科7コース制という構造が対策設計の出発点になります。
まず押さえておきたいのは、創造工学部の教育理念です。募集要項では「大量生産・大量消費の時代から、ものづくり・ことづくりにおけるイノベーション創出の時代へ変遷している」という認識のもと、多様なニーズに応える「デザイン思考能力」と、危機に瀕しても価値を発揮する「リスクマネジメント能力」を備えた「次世代型工学系人材」を育成する、と明記されています。つまり、デザイン思考とリスクマネジメントの2軸が学部の背骨であり、専門技術だけを掲げる他大学の工学部との違いになっています。
教育目標としては、次の5つの素養が掲げられています。志望理由書や面接で「なぜ香川大学創造工学部なのか」を語るとき、この5つのどこに自分の関心が接続するかを意識すると説得力が増します。
- 専門分野を問わず工学系人材として必要な数理的基礎力
- 高い倫理観に裏打ちされた対人コミュニケーション力・異文化コミュニケーション力
- 地域を理解し、地域と協働して価値の創造を行う力
- 審美力・多様性理解力・企画力・プロトタイピング力を統合したデザイン思考能力
- 様々なリスクを把握・抽出し、想定外の事態にも対応できるリスクマネジメント能力
創造工学科の7コースは、「文化の創造」「安全の創造」「産業の創造」という3つの柱を担う人材を育てるために配置されています。編入学願書ではこの中から1つのコースを記入して出願する仕組みで、あとで説明する試験科目の選択もコースによって変わります。出願時に選ぶコースが受験科目の選択肢まで規定するため、コース選びは志望動機だけでなく得意科目とも噛み合わせて考える必要があります。
| コース名 | 主に扱う分野(募集要項の記載より) |
|---|---|
| 造形・メディアデザインコース | 工業製品のデザイン、情報メディア・コンテンツのデザイン、造形・制作 |
| 建築・都市環境コース | 建築・土木・環境。地域の自然環境や社会基盤を活かした「くらし」のデザイン、関連資格 |
| 防災・危機管理コース | 巨大自然災害や地球規模の危機に対し、危機を未然に防止・拡大抑制する人材育成 |
| 情報コース | コンピュータ、セキュリティ、データ分析、情報システム、ヒューマンインタフェース |
| 人工知能・通信ネットワークコース | 人工知能、無線・光通信ネットワーク、計測技術、電子回路実装 |
| 機械システムコース | 機械工学の基礎(解析・力学・制御・設計製図)+電気電子・情報分野 |
| 材料物質科学コース | 環境材料化学・機械材料科学・光電子材料科学。先端材料の開発 |
編入学の時期は2027年4月1日で第3年次への編入、修業年限は2年、在学可能年数は6年と定められています。出身校で修得した単位は各学部が定めた認定基準により認定されますが、認定状況によっては第3年次編入でも2年間で卒業できない場合があると募集要項に注記されています。単位認定の結果しだいで在学期間が延びる可能性がある点は、進路設計上あらかじめ理解しておきましょう。
もう一つ、創造工学部の特徴として押さえておきたいのが、7コースそれぞれの育成方針の具体性です。たとえば建築・都市環境コースは「関連分野の基礎知識の習得に加えて資格を取得できる」とされ、機械システムコースは「機械工学の基礎(解析力・力学・制御技術・設計製図)を身につけたうえで電気電子・情報分野も学ぶ」と幅の広さが示されています。情報コースは「クラウドやビッグデータを対象とする情報システム技術、セキュリティ技術、ヒューマンインタフェース技術」を、人工知能・通信ネットワークコースは「人工知能の基礎・応用、電子回路上への実装、電気・通信ネットワークの基礎・応用」を掲げています。同じ工学でもコースごとに扱う専門が明確に描き分けられているため、志望理由書ではこの記述に自分の関心を重ねると具体性が出ます。
材料物質科学コースは「環境材料化学」「機械材料科学」「光・電子材料科学」の3分野に統合して先端材料の開発を学ぶとされ、造形・メディアデザインコースは「瀬戸内の自然や風土に育まれた伝統・文化を今日的視点で研究・継承し、工業製品・情報メディア等の造形・デザインに貢献する人材」を育てると明記されています。防災・危機管理コースは「首都直下地震や南海トラフ巨大地震のような巨大自然災害」を念頭に、危機を未然に防止し拡大を抑える人材育成を掲げています。地域性と社会課題を強く意識した学部理念が全コースに通底している点は、香川大学らしさとして面接でも触れやすい要素です。
大学編入という制度そのものの仕組みや費用、スケジュールを俯瞰したい方は、大学編入とは?仕組み・難易度・費用・スケジュールを徹底解説【完全ガイド】もあわせてご覧ください。全体像を押さえたうえで本記事の香川大学固有の情報を読むと、位置づけがつかみやすくなります。
募集人員・出願資格|〈一般〉と〈推薦〉の違いを正確に
香川大学創造工学部の編入学には、〈一般〉選抜と〈推薦〉選抜の2区分があります。募集人員は創造工学科として「20人(推薦含む)」と公表されており、この人数には別途実施される「イノベーション創造型連携教育プログラム特別選抜(若干人)」も含まれます。コースごとの募集人員は要項の一覧では区別されておらず、創造工学科としてまとめて示されている点に注意が必要です。20人という枠は7コース・2区分・特別選抜をすべて合わせた総数だと理解しておきましょう。
〈一般〉選抜の出願資格
〈一般〉選抜の出願資格は、教育学部・法学部・経済学部・農学部と共通で、募集要項に12の号として列挙されています。工学系の編入で多く該当するのは、高等専門学校・短期大学の卒業(見込)者、大学に2年以上在学し62単位以上修得(見込)した者、学士の学位取得(見込)者などです。12号のどれに当てはまるかを最初に特定するのが出願準備の起点になります。
| 主な号(要約) | 該当しやすい人 |
|---|---|
| 大学・専門職大学を卒業(見込)した者 | 4年制大学の卒業者・卒業見込み者 |
| 学士の学位を授与された(見込)者 | 学位授与機構の学位取得者など |
| 短期大学・専門職短期大学・高等専門学校を卒業(見込)した者 | 高専生・短大生(工学系に限らない) |
| 専修学校専門課程(修業年限2年以上・総授業時数1,700時間以上または62単位以上)を修了(見込)した者 | 専門学校(大学入学資格付与課程等)修了者 |
| 他の大学等に2年以上在学し62単位以上を修得(見込)した者 | 大学在学中に編入を目指す人 |
| 外国において学校教育14年の課程を修了(見込)した者ほか | 外国の学校出身者・留学生 |
大学在学中に62単位以上を修得見込みで出願する場合には、重要な注意があります。募集要項には「所定の要件を満たす見込みで受験した者が所定の要件を満たさなかった場合は、入学手続きを完了した場合であっても入学を許可しない」「退学していない場合も(二重在籍となるため)入学を許可しない」と明記されています。在学単位が要件に届かなければ合格しても入学できないため、単位計画は厳密に立てる必要があります。
また、外国において14年の課程を修了して出願しようとする者は、出願資格の有無について事前協議が必要で、2026年4月10日(金)までに香川大学創造工学部学務係へ申し出るよう定められています。留学生や外国学校出身者は出願前の事前協議の締切が別途設定されているため、一般の出願期間だけを見て準備を進めないよう注意しましょう。出願資格を学歴のパターン別に整理したい方は、大学編入の出願資格まとめ|短大・専門・大学在学者別も参考になります。
〈推薦〉選抜の出願資格
〈推薦〉選抜は対象が限定されています。募集要項では「高等専門学校を2027年3月卒業見込みで、本学部に対する明確な志向と勉学意欲を持ち、出身学校長が学業成績・人物ともに優れていると認めた者」で、かつ「合格した場合は入学を確約できる者」の両方を満たすことが要件とされています。つまり、〈推薦〉は高専の卒業見込み者に限られ、専願(合格したら必ず入学する)が前提です。推薦は高専生の専願枠であり短大生や大学在学者は一般で受験することになります。
推薦を受けられる立場かどうかは在籍校の校内選考にも左右されます。高専生で香川大学創造工学部を第一志望にできるなら、面接中心の推薦を軸に、併願先として一般を検討する二段構えも現実的です。ただし推薦は入学確約が条件のため、他大学との併願設計とは切り離して考える必要があります。
提出書類と検定料
創造工学部の出願書類は、編入学願書、受験票、写真票、志望理由書(様式1、日本語・直筆・800字以内)、最終学校の卒業(修了)証明書等、調査書(様式6。得られない場合は成績証明書)、検定料の払込関係書類、受験票等送付用封筒、あて名票などです。〈推薦〉志願者は推薦書(様式2)、〈一般〉志願者はTOEICスコアの提出が加わります。検定料は30,000円で、金融機関窓口での振込が指定されています(ATM不可)。志望理由書は800字以内・日本語・直筆という条件が明記されているため、早めに書き上げて添削を受けましょう。証明書類は発行に時間がかかるので、出願期間の直前に慌てないよう逆算した準備が肝心です。
試験科目と配点|英語(TOEIC)・工学基礎・面接の中身
香川大学創造工学部〈一般〉選抜の合否は、英語(TOEICのスコア)・筆記試験・面接・提出書類(調査書、志望理由書)を総合して判定されます。募集要項に示された配点は次のとおりで、いずれかの試験項目を受験していない場合は合格者とならないと明記されています。配点は英語100・筆記200・面接150の計450点という構成です。
| 試験項目 | 配点 | 内容(募集要項より) |
|---|---|---|
| 英語 | 100 | 筆記試験は行わず、TOEICのスコアを利用 |
| 筆記試験(工学基礎) | 200 | 数学必須+選択1分野の計2分野。創造工学科2年次生程度の学力を評価 |
| 面接 | 150 | 提出書類(調査書・志望理由書)を資料に、向上心・論理性・積極性等を評価 |
| 合計 | 450 | — |
配点の重みを見ると、筆記試験200点と面接150点で全体の約8割を占めます。英語は100点分ですが、TOEICは事前にスコアを積み上げておけば当日の負担がなく、逆に直前では動かしにくい項目です。英語は前もって仕上げ、筆記と面接に本番直前の力を集中させるのが配点に沿った戦略になります。
英語はTOEICのスコア提出(筆記試験なし)
創造工学部〈一般〉の英語は、当日の英語筆記試験がなく、TOEICのスコアを提出して評価する方式です。募集要項の出願書類の項目には、〈一般〉志願者がTOEICスコアを提出する具体的な手順が示されています。TOEIC申込サイトから香川大学創造工学部の申請コードを入力し、提出を希望するTOEIC公開テストのスコアを選択して提出する形式で、「公式認定証」による提出は受け付けないとされています。紙の公式認定証ではなくオンラインでのスコア提出が指定されている点は必ず確認してください。
利用できるテストにも条件があります。対象はTOEIC Listening & Reading Testで、大学・短大・高等専門学校が実施しているTOEIC-IP(カレッジTOEICを含む)の証明書原本も、英語カリキュラム制度の一環である証明資料を添えれば認められます。ただしオンライン試験(IPオンライン等)の受験結果は対象外です。有効期限は「原則として出願締切から遡った一定期間内に受験したもの」とされているため、いつ受験したスコアが使えるかを最新の要項で確認しましょう。IPオンライン受験のスコアは使えないという制約は見落としやすいので要注意です。何点あれば有利かはコースや年度の志願状況で変わり公表もされていないため、断定はできませんが、編入で一般に目安とされる水準を把握したい方は大学編入にTOEICは何点必要?学部別の目安と対策を参考にしてください。
筆記試験「工学基礎」は数学必須+選択1分野
筆記試験は「工学基礎」という科目名で実施されます。2026年度の問題冊子(大学ホームページで公開)によれば、試験時間は80分で、数学を必須とし、基礎力学・電磁気学・プログラミング・化学のいずれか1分野を選択して、合計2分野を解答する形式です。数学は全コース必須、もう1分野を各自が選択する二本立てという構造が最大の特徴です。
重要なのは、選択できる分野が志望コースによって制限されている点です。2026年度の問題冊子に記載された組み合わせは次のとおりでした(年度で変わる可能性があるため最新要項で確認してください)。
| 志望コース | 数学に加えて選択できる1分野 |
|---|---|
| 造形・メディアデザインコース | 基礎力学・電磁気学・プログラミング・化学 |
| 建築・都市環境コース | 基礎力学・電磁気学・プログラミング |
| 防災・危機管理コース | 基礎力学・電磁気学・プログラミング |
| 情報コース | 基礎力学・電磁気学・プログラミング・化学 |
| 人工知能・通信ネットワークコース | 基礎力学・電磁気学・プログラミング・化学 |
| 機械システムコース | 基礎力学・電磁気学・プログラミング |
| 材料物質科学コース | 基礎力学・電磁気学・化学 |
たとえば材料物質科学コースはプログラミングを選べず、建築・都市環境/防災・危機管理/機械システムの各コースは化学を選べません。志望コースで選べない分野を得意にしても本番では使えないため、コース決定と選択科目の準備は同時に進める必要があります。数学は逃げられないので、まずは数学を固め、その上で自分のコースで選べる分野の中から最も得点しやすいものを1つ選ぶ、という順序で計画を立てましょう。
面接は提出書類を資料に人物と意欲を評価
面接は150点と配点が大きく、提出書類(調査書・志望理由書)を資料として、向上心・論理性・積極性などを評価すると募集要項に記されています。〈推薦〉の面接(配点450点)には専門知識に関する口頭試問が含まれると明記されていますが、〈一般〉の面接説明では書類に基づく評価が中心です。面接は志望理由書と地続きで評価されるため書類の完成度が土台になります。志望理由書で述べた学びの方向性を、面接で一貫して語れるよう準備しておきましょう。
日程・スケジュール|出願から入学手続きまで
香川大学創造工学部の編入学試験は、他学部と比べても早い時期に実施されるのが特徴です。2026年度入試(2027年度入学者対象)の日程は募集要項で次のように公表されています。創造工学部は5学部の中で最も早く、5月に出願と試験が集中します。創造工学部の編入は5月出願・5月試験・6月発表という早いスケジュールで動きます。
| 項目 | 2026年度入試(2027年度入学)の日程 |
|---|---|
| 出願期間 | 2026年5月7日(木)〜5月13日(水)17時必着 |
| 検定料振込受付期間 | 2026年4月24日(金)〜5月13日(水) |
| 試験日 | 2026年5月30日(土)※志願者多数の場合は5月31日(日)にも面接 |
| 試験当日の集合 | 9時00分まで(林町キャンパス) |
| 〈一般〉試験時間 | 筆記試験 9:30〜10:50/面接 11:50〜 |
| 〈推薦〉試験時間 | 面接 9:30〜 |
| 合格者発表 | 2026年6月9日(火)午前9時(予定) |
| 入学手続期限 | 2027年3月15日(月)17時まで(必着) |
試験は林町キャンパス(高松市林町2217番地20)で行われ、〈一般〉は午前に筆記試験(工学基礎、9時30分〜10時50分の80分)、その後に面接という流れです。筆記と面接が同日に連続するため一日で完結する集中型の入試だと理解しておきましょう。合格発表は大学ホームページ上での受験番号掲載と合格通知書の送付で行われ、電話等での合否照会には応じないとされています。
入学手続きに関して〈一般〉合格者に特有の扱いがあります。〈推薦〉合格者は「編入学確約書」の提出が求められますが、〈一般〉合格者は確約書が不要です。また創造工学部では、募集人員に欠員が生じた場合に合格者の追加または第2次募集をすることがあり、追加合格の通知は願書記載の連絡先に電話で行われます。追加合格候補者は発表されず電話連絡のみという運用のため、発表後も連絡先は確実に受け取れる状態にしておきましょう。
入学手続時の納付金は、入学料282,000円(予定)、授業料前期分267,900円・年額535,800円(予定)と示されています。納付金は改定される場合があり金額はあくまで予定額のため、費用面も含めて最新情報を確認してください。試験日から逆算した準備スケジュールの立て方は、編入予備校はいつから通う?2年次・3年次編入の準備計画も参考にすると全体像が描きやすくなります。
まずは無料相談で、合格までの最短ルートを確認しませんか?
スプリング・オンライン家庭教師のプロ講師が、現在の学力・志望校・残り期間に合わせて、必要な対策を個別に整理します。
- 大学編入のプロ講師が最適な受験戦略を提案
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倍率・難易度|編入倍率は非公表という前提で読む
香川大学創造工学部の編入学試験について、コース別・区分別の志願者数や合格者数、倍率は公表されていません。大学の入試実施状況ページで公開されているのは主に一般選抜(一般入試)の結果であり、第3年次編入学の詳細な倍率データは、本記事作成時点では確認できませんでした。編入の倍率は非公表のため具体的な数字での難易度断定はできないという前提で読み進めてください。ネット上には倍率を示す情報も見られますが、出所が公式でないものは参考程度にとどめるのが安全です。
数字がない中で難易度を見立てるには、募集要項から読み取れる構造的な要素を手がかりにします。まず募集人員が「創造工学科20人(推薦・特別選抜含む)」と少数で、これを7コースで分け合う形です。人気の集まりやすいコースに志願が偏れば、そのコースは実質的に高倍率になり得ます。次に、〈一般〉では数学が必須で、コース指定の選択分野も課されるため、専門基礎の完成度が合否を分けます。さらに面接150点・書類の比重も高く、学力だけでは決まりません。
もう一つ、香川大学創造工学部ならではの難易度要因として、コースごとに選べる科目が固定されている構造があります。たとえば材料物質科学コースはプログラミングを選べず、化学と力学・電磁気のいずれかに勝負どころが絞られます。建築・都市環境/防災・危機管理/機械システムの各コースは化学を選べないため、数学に加えて力学・電磁気・プログラミングのどれで得点するかを早く決める必要があります。選択肢が少ないコースほど得意分野で逃げにくく実質難度が上がるという見方もできます。逆に造形・メディアデザイン、情報、人工知能・通信ネットワークの各コースは4分野から選べるため、自分の得意に寄せやすい余地があります。募集要項の科目対応表を早めに確認し、志望コースの制約を織り込んだうえで難易度を見積もることが、数字のない中での現実的な判断材料になります。
したがって、難易度は「筆記で一定水準を確保しつつ、志望理由書と面接で人物・意欲を明確に示せるか」で決まると考えるのが現実的です。少数募集ゆえに筆記・面接・書類のどれか一つでも欠けると厳しいのが編入特有の性質です。合格者最低点や平均点は、受験後に本人申請で開示される「入学試験個人成績等の開示」制度で確認できます(申請期間は要項で指定)。数字が読めない不安を埋めるうえで、この開示制度の存在も知っておくと役立ちます。難易度の一般論や不合格になりやすいパターンを俯瞰したい場合は、大学編入の失敗例|不合格になりやすい準備不足と対策もあわせてご確認ください。
科目別対策|数学・基礎力学・電磁気学・プログラミング・化学
ここからは、大学ホームページで公開されている2026年度「工学基礎」過去問の出題内容を科目ごとに分解し、対策の優先順位を示します。いずれも創造工学科2年次生程度の学力を評価するとされており、高専・大学2年までに学ぶ標準的な内容が中心です。過去問の実物から逆算すると準備すべき単元がはっきり見えるため、以下を対策設計の土台にしてください。なお過去問の内容は年度で変わるため、あくまで傾向として活用しましょう。
数学(必須)|微積分と線形代数が二本柱
数学は全コース必須で、2026年度は微積分と線形代数から出題されました。具体的には、ロピタルの定理を「何を求める際に何が現れたときに用いるもので、通常の計算と比べてどうよいか」を説明させる問題や、e^x−1をxで割った式のx→0での極限を求める問題(微積分)、3×3の上三角行列のジョルダン標準形と変換行列を求め、固有空間の次元(幾何的重複度)を答える問題(線形代数)が出ました。単なる計算だけでなく定理の意味を言葉で説明させる出題が含まれる点が特徴です。
対策としては、微積分では極限・微分・積分の基本計算に加えて、ロピタルの定理や各定理が「なぜ有効か」を自分の言葉で説明できるようにしておくことが有効です。線形代数では固有値・固有ベクトル、対角化、そしてジョルダン標準形まで踏み込んで理解しておくと安全です。発展扱いのジョルダン標準形が数学の得点差を生む単元で、ここが解けるかどうかで差がつきやすいポイントになります。公式暗記ではなく、定義と手順を説明できる状態を目指しましょう。
2026年度の数学で象徴的だったのは、e^x−1をxで割った式のx→0の極限を、直前に説明を求めたロピタルの定理と結びつけて解ける構成になっていた点です。つまり「定理を説明させる問い」と「その定理を実際に使う問い」がセットで出されており、丸暗記では対応しにくい設計です。定理の意味を言葉にする力と計算力の両方を同時に問うのが香川大学の数学の傾向だと読み取れます。日頃から、公式を使ったあとに「なぜこの手順で答えが出るのか」を一言添える習慣をつけておくと、記述問題で得点しやすくなります。線形代数のジョルダン標準形では、固有値の重複度(代数的重複度)と固有空間の次元(幾何的重複度)の違いを整理し、変換行列Pの列に一般化固有ベクトルを並べる手順まで手が覚えているかが問われました。数学は必須で逃げられないぶん、ここを最優先で仕上げることが合格ラインへの最短ルートになります。
基礎力学|静力学のつり合いと振動系
基礎力学は質点系・剛体の力学が範囲で、2026年度は2題出題されました。1題目は、鉛直な壁と水平な床にかけたはしごに人が乗る問題で、水平・鉛直方向の力のつり合い、点まわりのモーメントのつり合いを立式し、はしごが倒れない位置xの最大値を求める静力学の問題でした。2題目は、ばね定数kのばねにつないだ質量mの物体の単振動について運動方程式を立てて解を求め、さらにダンパー(抵抗力f=−c・dx/dt)を加えた減衰振動の運動方程式へ発展させる問題でした。静力学のつり合い立式と、振動系の微分方程式が定番のテーマです。
対策では、力のつり合いと剛体のモーメントのつり合いを、図を描いて自力で立式する練習を重ねることが第一です。静止摩擦を含む問題では、摩擦力の向きと大きさの扱いが要になります。2026年度のはしごの問題は、水平方向のつり合い・鉛直方向のつり合い・点Aまわりのモーメントのつり合いという3つの式を立て、それらを連立して未知の抗力や位置xを求める流れでした。小問が「まず式を立てさせ、次にその式から量を導かせる」段階的な構成になっており、途中の立式を飛ばすと後半で詰まります。誘導に沿って一つずつ立式する丁寧さが力学では得点に直結します。
振動系については、単振動の運動方程式m・d²x/dt²=−kxとその一般解、角振動数ω=√(k/m)、そして減衰項−c・dx/dtを加えた式m・d²x/dt²=−kx−c・dx/dtまで一貫して扱えるようにしておくと、発展問題にも対応できます。初期条件(t=0でx=x₀、静かに離すので初速度0)を代入して定数を決める手順も繰り返し練習しましょう。力学は数学の微分方程式と直接つながるため、数学の準備がそのまま活きる分野でもあります。数学+基礎力学を選ぶ受験生にとっては、2分野の勉強が相互に補強し合うという利点があります。
電磁気学|静電界とコンデンサ
電磁気学は静電界が中心でした。2026年度は、x軸上に置いた正負の点電荷が作るy軸上の点の電界を求め、電界が最大となる位置や、遠方(r≫p)でp/r³に比例して減衰することを近似式を使って示す問題(点電荷・電気双極子的な扱い)と、2種類の誘電体で満たされた同心円筒コンデンサについて、電束密度・電界・電位差・単位長さあたりの静電容量を求める問題が出ました。ガウスの法則を使った円筒対称の電界計算がコンデンサ問題の核になります。
対策の柱は、クーロンの法則による点電荷の電界の重ね合わせ、ベクトル的な合成、そしてガウスの法則による対称性を利用した電界の導出です。同心円筒コンデンサでは、電束密度D、電界E=D/ε、内外導体間の電位差を積分で求め、静電容量Cへつなげる一連の流れを手が覚えるまで練習しましょう。層状誘電体は境界の連続条件と層ごとの積分を分けて扱うのがコンデンサ問題を落とさないコツです。近似式(1+n)^a≒1+an(|n|≪1)のような遠方近似の道具も、使えるようにしておくと有利です。
2026年度の点電荷の問題は、正電荷と負電荷が作る電界をy軸上で合成し、電界が最大になる位置rを微分して求め、さらに遠方でp/r³に比例して減衰することを近似式で示す、という多段構成でした。後半では負電荷を正電荷に置き換えた場合を問い、電界の向きと大きさが変わることを確認させています。電荷の符号を変えると電界の合成が変わる点を理解しているかを試す設計です。単に公式へ代入するのではなく、ベクトルの向きを図で確認しながら合成する習慣が欠かせません。
同心円筒コンデンサの問題では、単位長さあたり±λの電荷を与えた円筒に対し、ガウスの法則から半径方向の電束密度D=λ/(2πr)を導き、2種類の誘電体それぞれの電界E₁=D/ε₁、E₂=D/ε₂を求め、内外導体間の電位差を各層で積分し、最後に単位長さあたりの静電容量Cを算出する流れでした。誘電体が2層に分かれるぶん、境界半径bを境に積分区間を分ける処理が必要になります。2層の誘電体を境界で分けて積分する手順が計算の要です。電磁気は数式が長くなりやすいので、記号の定義を丁寧に書き下しながら進める練習をしておきましょう。
プログラミング(C言語)|穴埋めと処理トレース
プログラミングはC言語で出題されます。2026年度は、テスト得点のヒストグラムを表示するプログラムの空欄補充(配列・for文・区間計算)、与えられた整数nが素数かを√n以下の試し割りで判定する関数、そしてエラトステネスのふるいを用いて素数を列挙するプログラムの空欄補充と、eratosthenes(9)を実行したときの配列prime[]の値をトレースして答える問題が出ました。アルゴリズムの穴埋めと、実行結果を手で追うトレース問題が中心です。
対策では、配列・for文・if文・関数といったC言語の基本構文を、読むだけでなく自分で書ける水準にしておくことが必要です。特にヒストグラム、素数判定、エラトステネスのふるいといった定番アルゴリズムは、仕組みを理解したうえでコードを追える状態にしておきましょう。ループ1周ごとの変数と配列の変化を紙で追う練習が、トレース問題を確実に取るための近道です。assertマクロやbool型など、標準ライブラリの基本的な使い方も押さえておくと安心です。
2026年度のエラトステネスのふるいのトレース問題は、eratosthenes(9)を実行し、外側ループのi==2の処理が終わった時点でprime[6]からprime[10]までの値を答えさせるものでした。ふるいのアルゴリズムでは、i=2のときにその倍数(4、6、8…)をfalseにするため、prime[6]やprime[8]、prime[10]がfalseに変わり、prime[7]やprime[9]はこの時点では変化しない、といった状態を正確に追う必要があります。加えて、配列サイズがN_MAX+1で確保されているのに対し、ソースコードとして値が明示的に定義されない要素は「?」と答えるよう指示されており、初期化の範囲まで理解しているかが問われました。配列の初期化範囲とふるいの更新タイミングを正確に追えるかが得点の分かれ目です。空欄補充では、ループの上限を√nにするか n にするかといった、アルゴリズムの効率と正しさに関わる判断も求められます。コードを読むだけでなく、実際に手元で書いて動かした経験があると強い分野です。
化学|無機・有機の両分野から
化学は無機化学・有機化学の両方から出題されます。2026年度は、BF₃・PCl₅・CO₂のルイス構造式、化学結合(イオン結合・共有結合・金属結合)の形成と融点の理由の記述、酢酸の電離平衡と電離定数Kaの計算といった無機・理論分野の問題と、分子式C₆H₁₂O₂のエステルの加水分解、アルコールの脱水によるアルケン生成(ザイツェフ則)、エーテルの合成、アルコールとフェノールの酸性度比較といった有機分野の問題が出ました。構造式を描かせ、理由を記述させる論述型の設問が多いのが化学の特徴です。
対策としては、化学結合と分子構造(ルイス構造式、オクテット則の例外を含む)、酸塩基平衡と電離定数の計算、有機化学の官能基別反応(エステルの加水分解、アルコールの脱水・酸化、エーテル合成、アルケンへのハロゲン化水素付加とマルコフニコフ則、フェノールの酸性など)を体系的に整理することが重要です。単に反応を暗記するのではなく、「なぜその融点になるのか」「なぜフェノールの方が酸性が強いのか」を説明できるようにしておくと、記述問題に強くなります。暗記でなく理由を説明できる状態が化学の記述で効くため、IUPAC命名や構造式を正確に描く練習もあわせて重ねましょう。
2026年度の化学で注目したいのは、ルイス構造式でBF₃やPCl₅というオクテット則を満たさない分子をあえて出題している点です。「オクテット則を満たさない場合もある」と明記されており、原則だけでなく例外まで理解しているかが試されています。有機では、分子式C₆H₁₂O₂のエステルから第二級アルコールを生じるものを不斉炭素の印つきで挙げさせ、脱水で2つのアルケンが生じる際の主生成物・副生成物をザイツェフ則で区別させ、さらに主生成物への臭化水素の付加生成物をIUPAC名で答えさせるという、反応を連鎖的にたどる構成でした。一つの化合物を起点に反応を連鎖的にたどる有機の総合問題が特徴です。
電離定数の計算では、酢酸0.50molを水に溶かして1.0dm³とし、電離度α=1.0×10⁻³のときのKaを、1−α≒1と近似して求めさせました。Ka=cα²/(1−α)≒cα²という基本式に数値を代入する典型問題ですが、近似の使いどころを理解しているかが問われます。化学は無機・有機・理論のいずれからも出るため、材料物質科学コースや化学を選べるコースを志望する場合は、特定分野に偏らず高専・大学2年までの化学を広くさらっておくことが安全です。無機・有機・理論をまんべんなくさらう横断的な準備が化学では有効だといえます。
理系編入に共通する数学・理科・英語の勉強法を体系的に押さえたい方は、理系大学編入の対策|数学・理科・英語の勉強法もあわせて活用してください。科目横断で優先順位を整理するのに役立ちます。
面接・志望理由書・過去問分析|書類と口頭で一貫性を示す
創造工学部の編入は、筆記だけでなく面接150点と提出書類の比重が高い選抜です。ここでは志望理由書の書き方、面接での見られ方、そして過去問の活用法を、募集要項の記載に沿って具体的に整理します。書類と面接で語る内容が一致していることが評価の前提になります。
志望理由書(様式1・800字)で押さえること
志望理由書は本学所定の様式1に、志願者本人が日本語で直筆、800字以内で記入します。限られた字数の中で、これまでの学習歴、志望コースで学びたい内容、そして「なぜ香川大学創造工学部なのか」を一本の線でつなぐことが求められます。創造工学部が掲げる「デザイン思考能力」「リスクマネジメント能力」や、志望コースの育成方針に自分の関心を接続できると説得力が高まります。800字という短さの中で学習歴と志望コースを因果でつなぐ構成を意識しましょう。
避けたいのは、学部名の知名度や立地だけを理由に挙げることです。7コースの中からなぜそのコースを選んだのか、出身校で学んだ何を土台に、編入後に何を深めたいのかを、具体的な科目名や研究テーマのレベルまで落とし込むと差がつきます。志望理由書の構成や添削の観点については、大学編入志望理由書の添削ガイド|受かる構成と例文が参考になります。
面接で見られる観点
〈一般〉の面接は、提出書類(調査書・志望理由書)を資料として、向上心・論理性・積極性などを評価するとされています。〈推薦〉では面接が450点満点で、専門知識に関する口頭試問が含まれると明記されています。したがって推薦を受ける高専生は、志望コースに関連する専門基礎について、口頭で説明できる準備が欠かせません。推薦は専門の口頭試問があるため専門用語を自分の言葉で説明する練習が必要です。
一般・推薦を問わず、面接では志望理由書に書いた内容を深掘りされます。「なぜこのコースか」「編入後に学びたいこと」「これまでの学習歴とのつながり」を、書類と矛盾なく語れるかが鍵です。想定質問への回答を用意しつつ、丸暗記ではなく自分の言葉で答える練習を重ねましょう。面接の質問例や答え方の型は、大学編入の面接対策|質問例と志望理由の答え方で確認できます。
創造工学部の面接では、募集要項に示された評価語である「向上心」「論理性」「積極性」を意識すると準備の軸が定まります。向上心は「編入後に何をどこまで学びたいか」という将来像で、論理性は「学習歴から志望コースへの流れに飛躍がないか」で、積極性は「受け身でなく自分から工学に取り組んできたか」で示すことができます。3つの評価語に自分のエピソードを一つずつ結びつけて準備すると、質問が変わっても軸がぶれません。加えて、創造工学部が重視するデザイン思考やリスクマネジメントに触れられる経験があれば、それを一言添えると学部理念との親和性を示せます。試験当日は9時00分までに集合し、集合場所は当日設置される受験者用掲示板で確認する運用のため、時間と場所の確認も前日までに済ませておきましょう。
過去問の入手と分析法
香川大学は、編入学の入試問題の一部をホームページで公表しています。創造工学部については2026年度の「工学基礎」がPDFで公開されており、公表期間は本記事作成時点で「2026年12月から約1年間(著作権許諾の関係で前後する)」と案内されています。また、入試問題は香川大学入試課または各学部窓口で閲覧することもできます。工学基礎の過去問が公式に公開されている点は大きな強みです。まずは公式の1年分を必ず入手しましょう。
過去問を手に入れたら、次の手順で分析すると効率的です。第一に、自分の志望コースで選べる分野(数学+選択1分野)に絞って問題を解きます。第二に、解けなかった単元を洗い出し、参考書や高専・大学の教科書に戻って埋めます。第三に、80分という時間配分の中で数学と選択分野の2分野をどう配分するかを、本番形式で計ってつかみます。80分で2分野という時間制約を過去問で体感しておくことが、当日の得点を安定させます。公開されるのが原則1年分に限られるため、その1年分を繰り返し使い込み、出題の水準感と論述の求められ方を体に覚えさせるのが現実的な使い方です。
公開されている工学基礎の問題冊子は、問題紙が表紙を含めて14ページ、解答用紙が表紙を含めて19ページという分量でした。数学が問題1・問題2、基礎力学が問題3・問題4、電磁気学が問題5・問題6、プログラミングが問題6付近、化学が問題7・問題8と、分野ごとに問題番号がまとまって並ぶ構成です。実際に自分が解答するのは数学+選択1分野の範囲だけなので、冊子全体を解こうとせず、志望コースで使う問題番号に集中するのが効率的です。冊子全体ではなく自分が解答する2分野の問題番号に絞ることが、限られた準備時間を活かすコツになります。
公式の過去問が1年分に限られるぶん、それだけでは演習量が不足しがちです。そこで、数学は編入向けの微積分・線形代数の問題集、力学・電磁気は高専・大学2年レベルの標準的な演習書、プログラミングはC言語の基本問題集、化学は無機・有機・理論を横断する問題集で量を補い、香川大学の過去問で「出題の水準と形式」を確認する、という二本立てが現実的です。過去問は答え合わせだけでなく、記述問題で何を書けば得点になるのかを分析する材料として使うと価値が高まります。
併願戦略・内部リンク|早い日程を活かして併願を組む
香川大学創造工学部の編入は5月試験・6月発表と、国公立大学の編入の中でも早い時期に結果が出ます。この早さは併願戦略上の武器になります。創造工学部で早めに1つ結果を確保し、その後に6月〜9月に試験がある他大学・他学部を受験する、という時間差を活かした組み方が可能です。創造工学部の早い日程は併願スケジュールの起点として使いやすいという利点があります。
併願を組むときの注意点は2つあります。1つは、〈推薦〉が入学確約(専願)を条件とするため、推薦で出願する場合は他大学との併願設計から切り離す必要があること。もう1つは、各大学で試験科目や英語外部試験の扱いが異なるため、科目の重なりを意識して負担を分散させることです。工学基礎で必須の数学は他大学の編入でも問われる汎用科目なので、数学を軸に据えると併願先を広げやすくなります。
特に、香川大学創造工学部が英語をTOEICのスコア提出方式にしている点は、併願設計上の大きな手がかりです。TOEICを課す大学は他にも多く、一度スコアを取得しておけば複数校の英語要件を同時に満たせる可能性があります。逆に、当日に英語筆記を課す大学と併願する場合は、TOEIC対策と英文読解対策の両方が必要になり負担が増えます。TOEICスコアを早期に確保して英語要件を複数校でまとめて満たすのが効率的な組み方です。工学基礎の選択分野(力学・電磁気・プログラミング・化学)も、志望する他大学の専門科目と重なるものを選べば、一つの勉強が複数校で活きます。
複数校を受ける場合、各大学の出願資格・試験科目・日程を一覧化して整理することが欠かせません。国公立大学で複数学部の編入を実施している大学の例として、広島大学の編入試験まとめ|実施学部・倍率・試験科目・対策を徹底解説のような大学別記事も、比較検討の材料になります。医学系を含めた学士編入を検討する場合は、同じ香川大学の香川大学医学部の学士編入を徹底解説|出願資格・試験科目・倍率・対策までも参考にできます。
独学で数学・専門・英語・面接・志望理由書のすべてを並行して仕上げるのは負担が大きい取り組みです。過去問分析や志望理由書の添削、面接練習を体系的に進めたい方は、大学編入対策コースのようなオンラインでの専門的な支援を活用し、限られた準備期間を効率化する選択肢もあります。短い準備期間だからこそ添削と面接練習の外部支援が効いてくる場面は多いはずです。
よくある質問(FAQ)
香川大学創造工学部の編入は毎年実施されますか?
創造工学科を対象に第3年次編入学が実施されており、募集要項では創造工学科20人(推薦・特別選抜含む)の募集人員が示されています。ただし募集の有無や人員は年度で変わる可能性があるため、出願前に最新の募集要項でご確認ください。
英語は当日に筆記試験がありますか?
〈一般〉選抜の英語は当日の筆記試験がなく、TOEIC(Listening & Reading Test)のスコアを提出して評価する方式です。配点は100点で、オンラインでのスコア提出が指定され、公式認定証による提出やオンライン試験(IPオンライン等)の結果は認められません。提出期限やスコアの有効期間は最新の募集要項でご確認ください。
筆記試験「工学基礎」ではどの科目を解きますか?
数学が必須で、これに基礎力学・電磁気学・プログラミング・化学のいずれか1分野を加えた計2分野を解答します。試験時間は80分です。選択できる分野は志望コースによって制限されているため、自分のコースで選べる分野を募集要項・問題冊子で確認してから対策を絞りましょう。
過去問は入手できますか?
香川大学のホームページで、創造工学部の「工学基礎」の過去問が公開されています。公表は原則として過去1年分で、公表期間は年度で前後します。また入試課や学部窓口で入試問題を閲覧することもできます。まずは公式に公開されている1年分を入手して分析するのがおすすめです。
編入の倍率はどのくらいですか?
第3年次編入学のコース別・区分別の倍率は公表されていません。募集人員が創造工学科として少数であること、筆記・面接・書類のいずれも欠かせないことから、志望が集まるコースでは難易度が上がると考えられますが、具体的な数字での断定はできません。合格者の総合点などは、受験後の本人申請による成績開示制度で確認できます。
高専生でなくても出願できますか?
〈一般〉選抜は、短期大学卒業(見込)者、大学に2年以上在学し62単位以上を修得(見込)した者、学士取得(見込)者、専修学校専門課程修了(見込)者、外国学校出身者なども出願資格の対象です。一方〈推薦〉選抜は高等専門学校の卒業見込み者に限られます。自分がどの号に該当するかを募集要項で確認してください。
志望理由書には何を書けばよいですか?
志望理由書は所定の様式1に、本人が日本語で直筆、800字以内で記入します。これまでの学習歴、志望コースで学びたい内容、香川大学創造工学部を選ぶ理由を一貫してつなぎ、学部が掲げるデザイン思考能力やリスクマネジメント能力、志望コースの育成方針に自分の関心を接続すると説得力が高まります。面接でも同じ内容を深掘りされるため、矛盾なく語れるよう準備しましょう。
合格したら必ず入学しなければなりませんか?
〈推薦〉選抜は「合格した場合は入学を確約できる者」が出願要件で、専願が前提です。〈一般〉選抜の合格者は編入学確約書の提出が不要とされており、この点で推薦とは扱いが異なります。併願を考える場合は、推薦の専願条件を踏まえて出願区分を選びましょう。
まとめ|一次情報に基づいて準備の優先順位を決める
香川大学創造工学部の編入試験は、創造工学科の7コースを対象に第3年次で実施され、〈一般〉選抜では英語(TOEIC)100点・筆記試験「工学基礎」200点・面接150点の計450点で合否が判定されます。工学基礎は数学必須+コース指定の選択1分野を80分で解く形式で、大学ホームページには2026年度の過去問が公開されています。英語はTOEICのスコア提出方式で、当日の英語筆記はありません。配点の大きい筆記と面接に力を集中し英語は前もって仕上げるのが基本方針になります。
準備の優先順位は、第一に数学を固め、志望コースで選べる分野から得点しやすい1分野を選んで対策すること。第二にTOEICのスコアを早めに確保すること。第三に、800字の志望理由書と面接で、学習歴と志望コースを一貫して語れるようにすることです。数学→選択1分野→TOEIC→書類・面接の順で仕上げるのが、少数募集で倍率非公表という前提に対して総合力を積み上げる現実的な段取りです。本記事で示した日程・配点・過去問の分析はいずれも変更の可能性があるため、出願前には必ず香川大学の最新の募集要項と公式ページで確認したうえで、計画的に準備を進めてください。
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