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九州工業大学編入の志望理由書の書き方|例文と評価されるポイント

九州工業大学編入の志望理由書の書き方|例文と評価されるポイントを示すアイキャッチ画像
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九州工業大学編入で提出する志望理由書の扱いは、志望する学部によって大きく異なります。工学部には志望理由書に相当する提出書類が一切なく、選考は調査書と面接(口頭試問を含む)のみで行われます。一方、情報工学部には「自己申告書」という、志望理由書とほぼ同じ役割を持つ書類があり、【志望理由】【これまでに取り組んだこと】という2つの設問にそれぞれ500字以内で答える形式が採用されています。志望理由書とは、志願者が志望動機や学びたい内容を大学側に伝える書類のことで、九州工業大学の場合はこの役割を学部によって「面接」と「自己申告書」のいずれかが担っていると理解しておく必要があります。

工学部と情報工学部のどちらを志望するかによって、準備すべき内容も、力を入れるべき対策もまったく違ってきます。工学部志望者は口頭で志望動機を伝える準備を、情報工学部志望者は500字×2本の自己申告書を書き上げる準備を、それぞれ進めなければなりません。

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本記事では、令和9年度の学生募集要項をもとに、九州工業大学編入における志望理由書相当書類の学部別の扱いと、それぞれで必要な準備の進め方、自己申告書の設問別の書き方、例文とNG例までを実践的に解説します。工学部・情報工学部のどちらを志望する場合でも、自分に必要な対策が分かるように構成していますので、これから出願準備を始める方はぜひ参考にしてください。

なお、九州工業大学は令和9年度時点で工学部・情報工学部とも第3年次編入学生選抜を実施しています。学部を横断した出願はできず、第1志望学科を1つ選んで出願する形式のため、まずは自分がどちらの学部を志望するのかを明確にしたうえで、本記事の該当する章を重点的に読み進めてください。工学部は戸畑キャンパス、情報工学部は飯塚キャンパスとキャンパスも異なり、出願資格や試験科目にも違いがあるため、志望理由書相当の書類の準備と合わせて、学部ごとの制度の違い全体を早い段階で把握しておくことが出願準備をスムーズに進めるコツです。

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目次

九州工業大学編入で「志望理由書」はどう扱われる?|学部で異なる2つのパターン

工学部と情報工学部で正反対の扱い

九州工業大学の第3年次編入学生選抜は、工学部(戸畑キャンパス)と情報工学部(飯塚キャンパス)でそれぞれ独立して実施されており、出願書類・選考方法がまったく異なります。工学部の募集要項には「志望理由書」「自己申告書」に相当する書類の記載が一切なく、選考は調査書及び面接の結果を総合して行うとされています。対して情報工学部の募集要項には「自己申告書」という書類が明記されており、インターネット出願登録時に志望理由等を入力する仕組みになっています。同じ「第3年次編入学生選抜」という名称の試験でありながら、提出書類の構成そのものが学部単位で独立して設計されている点は、九州工業大学の編入学試験を理解するうえでまず押さえておきたいポイントです。九州工業大学工学部・情報工学部それぞれの出願資格・試験科目の全体像は、九州工業大学工学部の編入試験を徹底解説|出願資格・試験科目・過去問対策・志望理由書・面接まで九州工業大学情報工学部の編入試験を徹底解説|出願資格・試験科目・過去問対策・志望理由書・面接まででも詳しく解説していますので、あわせて確認しておくと出願準備の全体像がつかみやすくなります。

学部ごとの違いを一覧で比較

工学部と情報工学部の選考方法の違いを一覧にすると、以下のようになります。制度が根本的に異なる2つの学部が同じ大学に併存しているため、志望校選びの段階でこの違いを理解しておくことが、その後の対策の質を大きく左右します。

項目工学部情報工学部
志望理由書に相当する書類なし自己申告書(志望理由500字+これまでの取り組み500字)
TOEIC等のスコア提出不要必須(IP可)
配点構成面接600点+調査書400点=1,000点満点面接700点+調査書100点+自己申告書100点+TOEIC100点=1,000点満点
面接免除の可能性なし推薦選抜の成績優秀者は書類のみで面接免除の場合あり

このように同じ大学の編入学試験でも学部によって準備すべき内容が根本的に異なるため、志望学部を早い段階で決め、その学部に応じた対策に時間を配分することが重要です。

第1志望学科は1つしか選べない

情報工学部では第3志望学科まで選択できますが、コースの選択はできず、工学部・情報工学部を併願することもできません。出願段階で学部・学科を確定させる必要があるため、志望理由書(自己申告書)を書き始める前提として、まず自分がどの学部のどの学科を第1志望とするのかを固めておきましょう。学部・学科選びに迷う場合は、各学科のカリキュラムや研究室紹介のページを比較し、自分の学びたい内容と最も近いところから絞り込んでいく方法が確実です。

なぜ学部によって扱いが違うのか

募集要項には学部間で扱いが異なる理由そのものは明記されていませんが、工学部は面接での口頭試問を通じた人物評価に重きを置く選抜方法を、情報工学部は書類による事前の自己アピールと面接を組み合わせた選抜方法を、それぞれ採用していると考えられます。どちらの学部が「志望理由書対策が不要」というわけではなく、書面で伝えるか口頭で伝えるかの違いにすぎません。志望する学部が決まったら、その学部の選抜方法に合わせた準備を早めに始めることが、限られた準備期間を有効に使うポイントです。

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【工学部】志望理由書という書類はない|調査書と面接口頭試問で評価される仕組み

工学部の選考方法

工学部の第3年次編入学生選抜は、一般選抜・推薦選抜のいずれも「調査書及び面接の結果を総合して」行われます。調査書は点数化して評価され、面接では各学科の基礎学力(数学・理科)や工学に対する適性等に関する口頭試問が実施されます。志望理由書のような自由記述式の書類を提出する機会がない分、面接という口頭のやり取りの中で志望動機や熱意を伝える必要があります。

配点の内訳

工学部の配点は、面接点600点満点と調査書点400点満点を合計した1,000点満点で評価されます。面接点の採点・評価基準は2つの軸で構成されており、1つは「調査書所見」で、これは面接時の質問項目として反映されます。もう1つは「面接のチェックポイント」で、基礎学力(数学・理科の理解力・論理性・計算力・表現力を含む)と、工学に対する適性等(知的好奇心、工学に対する熱意、専門に対する適性等を含む)の2点が明記されています。同点の場合は推薦選抜による受験者を優先するという合否判定基準も定められています。1,000点満点のうち面接点の比重が6割を占めることからも、工学部では書類よりも面接での受け答えが合否を大きく左右する仕組みになっていることが分かります。

調査書が面接の「質問の種」になる

工学部の面接では、出身高専等が作成した調査書の記載内容が質問項目として反映される仕組みになっています。調査書に書かれている実績や活動歴について、面接で深掘りされる可能性が高いということです。志望理由書がない代わりに、調査書と面接がセットで人物・適性を評価する構造になっていると理解しておきましょう。出願前に、自分の調査書にどのような実績が記載されるのかを出身高専に確認しておくと、面接で聞かれそうな内容を事前に想定しやすくなります。担任教員に調査書の記載内容について相談できる場合は、早めに確認しておくと当日の受け答えに落ち着いて臨めます。

推薦選抜と一般選抜で選考方法は共通

工学部は学科によって推薦選抜のみを実施する学科と、推薦選抜・一般選抜の両方を実施する学科に分かれていますが、選考方法自体はいずれの選抜区分でも「調査書及び面接」で共通しています。推薦選抜は出身高専長の推薦を受けたうえで出願する区分、一般選抜は推薦を受けずに出願する区分という違いはあるものの、志望理由書に相当する書類が存在しないという点、配点構成(面接600点・調査書400点)が同じという点は変わりません。どちらの区分で出願する場合も、面接対策の重要性は同じように高いと考えておきましょう。推薦選抜は出身高専長の推薦が前提となるため、校内選考が実施される場合もあります。志望する場合は早めに進路指導の担当教員へ相談し、推薦を受けるための条件や校内選考のスケジュールを確認しておくことをおすすめします。

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【工学部】面接で志望動機を伝えるための準備方法

志望理由を口頭で説明できるように準備する

工学部には志望理由書という書類はありませんが、面接で「なぜこの学科を志望したのか」「工学に対してどのような関心を持っているか」といった質問がなされる可能性は十分に考えられます。志望理由書を書く代わりに、口頭で説明するための原稿を準備しておくことをおすすめします。書き言葉で一度整理してから話し言葉に変換する作業を行うと、面接本番で内容が飛んでしまうリスクを減らせます。

基礎学力(数学・理科)の口頭試問対策

工学部の面接には、各学科が指定する基礎学力の口頭試問が含まれます。志望理由を語る準備と並行して、数学・理科の基礎的な内容を口頭で説明できる状態にしておくことも欠かせません。口頭試問は暗記した知識をそのまま答える形式ではなく、理解度・論理性・計算力・表現力が評価されるため、公式や現象の背景にある理屈を自分の言葉で説明できるように準備しておきましょう。

「工学に対する熱意」をどう伝えるか

面接のチェックポイントには「工学に対する熱意」という評価観点が明記されています。高専での実習・課題研究・ものづくり経験など、具体的なエピソードを1つ以上準備しておき、そのエピソードを通じて工学のどのような側面に関心を持ったのかを説明できるようにしておくと、抽象的な「熱意があります」という言葉だけで終わらせずに済みます。志望学科の専門分野と、これまでの経験とのつながりを意識して整理しておきましょう。複数のエピソードを準備しておくと、面接官からの追加質問にも柔軟に対応しやすくなります。

模擬面接で口頭説明の練習を重ねる

志望理由書のように文章として推敲を重ねる機会がない分、工学部志望者は実際に声に出して答える練習を繰り返しておくことが重要です。高専の教員や家族に面接官役を頼み、「志望理由は何ですか」「工学部で学びたいことは何ですか」といった想定質問に答える練習を重ねましょう。頭の中で分かっているつもりの内容でも、いざ声に出すと言葉に詰まることは珍しくありません。原稿を一言一句暗記するのではなく、話す内容の骨子(結論→理由→具体例)を頭に入れておき、その場の質問に応じて言葉を選べるようにしておくことをおすすめします。練習の際は、想定質問に対して1分程度で答えられるよう時間を意識するとよいでしょう。長く話しすぎると要点がぼやけてしまい、短すぎると熱意が伝わりにくくなるため、適切な分量感を体で覚えておくことが本番での落ち着きにつながります。

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【情報工学部】自己申告書とは|志望理由書に相当する2部構成の書類

自己申告書の提出方法

情報工学部の自己申告書は、インターネット出願登録時に「J-Bridge System(JBS)」という外部システムを通じて登録します。手書きではなく、テキストデータとして入力する電子形式の書類である点が、長岡技術科学大学の志望調書などとは異なる特徴です。JBSへの入力前にテキストデータを端末に保存しておき、コピー&ペーストで入力する方法が案内されており、事前に文章を作り込んでから入力する進め方が推奨されています。

自己申告書の2つの設問

自己申告書には、以下の2つの設問が設けられています。

設問記入する内容字数
志望理由①第1志望学科とした経緯 ②編入学した際に勉強・研究したい内容 ③将来どのように活かすか500字以内
これまでに取り組んだこと①取り組んだ内容 ②身についた能力や知見 ③編入学後にどのように活かすか500字以内

いずれの設問も「箇条書きではなく文章形式」で入力するよう指示されている点に注意しましょう。2つの設問ともに①②③の3要素が指定されているため、それぞれの要素に対応する内容を過不足なく盛り込むことが、設問の意図に沿った回答につながります。

配点における自己申告書の重み

情報工学部の配点は、面接点700点満点・調査書点100点満点・自己申告書点100点満点・TOEIC点100点満点の合計1,000点満点です。自己申告書は独立した配点(100点満点)として点数化される点が、工学部との大きな違いです。さらに、登録した自己申告書の内容は面接時の質問項目としても反映されるため、書類としての得点と、面接での評価の両方に影響する重要な書類と位置づけられます。推薦選抜で書類のみによって選考する場合は、調査書点200点満点+自己申告書点100点満点の合計300点満点で評価され、この場合は面接が実施されない分、自己申告書の重みがさらに増します。面接が実施される一般的なケースでも、自己申告書の得点(100点)と、自己申告書の内容が反映される面接点(700点)の両方に影響するという構造を理解しておくと、自己申告書に注ぐべき労力の大きさが見えてきます。

環境依存文字・文字数のルールに注意

JBSでの入力にあたっては、①②などの丸文字、Ⅰ・Ⅱなどのローマ数字、環境依存文字(旧字体を含む一部の漢字など)は使用できないという制約があります。入力できない文字を使うとエラーになるため、機種依存文字を避け、通常の漢字・ひらがな・カタカナ・算用数字で入力するようにしましょう。また、改行は1文字としてカウントされる仕様のため、段落を分けすぎると想定より早く字数上限に達してしまう点にも注意が必要です。

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【情報工学部】「志望理由」欄(500字)の書き方と構成

3要素をどう配分するか

「志望理由」欄は、①第1志望学科とした経緯、②勉強・研究したい内容、③将来どう活かすか、の3要素を500字でまとめる設問です。1要素あたり150〜170字程度を目安に配分すると、どれか1つに偏ることなくバランスよく書けます。下書きの段階で各要素の文末に文字数を書き込んでおくと、清書前に配分を調整しやすくなります。①経緯の部分では、高専等でのどのような学びがきっかけで情報工学部を志望するようになったのかを具体的に書き、②では志望学科(知能情報工学科・情報・通信工学科・知的システム工学科・物理情報工学科・生命化学情報工学科のいずれか)で学びたい内容を、③ではその学びを将来どう活かしたいかを書くという流れが基本です。

学科名を明確に書く

情報工学部は5つの学科に分かれており、学科ごとに学べる専門分野が異なります。「情報工学部を志望します」ではなく、志望する学科名を明確に書くことが重要です。知能情報工学科ならAI・機械学習分野、情報・通信工学科ならネットワーク・通信技術、知的システム工学科ならロボティクス・制御、物理情報工学科なら物理現象と情報処理の融合、生命化学情報工学科なら生命科学と情報処理の融合というように、各学科の特色を踏まえたうえで、なぜその学科でなければならないのかを説明しましょう。学科名を正確に書くことは基本的な確認事項ですが、志望理由の内容が学科の専門性と噛み合っていないと、いくら熱意を語っても説得力に欠けてしまいます。

文章形式で書くコツ

箇条書きが禁止されているため、①②③の3要素を接続詞でつなぎながら、自然な文章として構成する必要があります。「まず〜。次に〜。そして〜。」のような単調な接続の繰り返しは読みにくくなるため、「〜がきっかけとなり」「この経験を通じて」「編入学後は」といった多様な表現を使い分けると、文章としての完成度が高まります。書き終えたあとは声に出して読み、不自然な箇所がないかを確認しましょう。読み上げてみて息継ぎの位置が不自然な文や、一文が長すぎて主語と述語の対応が分かりにくい文がないかも、あわせてチェックしておくとよいでしょう。

面接での深掘りを見据えて書く

自己申告書の内容は「登録した自己申告書を面接時の質問項目として反映させる」と明記されているとおり、面接での質問材料として使われます。「志望理由」欄に書いた内容について、面接でより詳しく説明を求められることを前提に準備しておきましょう。たとえば「勉強・研究したい内容」として特定の技術分野を挙げた場合、「その技術分野の中で、具体的にどのような研究に取り組みたいか」といった、さらに踏み込んだ質問がなされる可能性があります。自己申告書を書き終えたら、想定される深掘り質問をいくつか書き出し、口頭で答える練習もあわせて行っておくと安心です。

専門性と適性の両方を示す

面接のチェックポイントには「理解力(論理性、リテラシー、学修適応性を含む)」「情報工学に対する適性等(学びに対する意欲、学びに対する態度、専門適合性を含む)」が明記されています。志望理由欄の内容がこれらの評価観点と結びつくように意識すると、書類と面接の両方で一貫した評価を得やすくなります。単に「興味がある」だけでなく、これまでの学びとの論理的なつながりや、学ぶ姿勢の具体性を盛り込むことを心がけましょう。

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【情報工学部】「これまでに取り組んだこと」欄(500字)の書き方

取り組んだ内容の選び方

この設問は「大学編入学後に有用となりそうな高等専門学校もしくは高等学校入学以降これまでに取り組んだこと」を問うものです。学業に限らず、部活動・課外活動・アルバイト・資格取得など幅広い経験の中から、編入後の学びに関連づけやすいものを1つ選びましょう。プログラミングコンテストへの参加、卒業研究・課題研究、情報系の資格取得への挑戦などは、情報工学部の学びと関連づけやすいエピソードの例です。複数の経験が思い浮かぶ場合は、成果の大きさだけでなく、そこでの試行錯誤の過程を具体的に語れるかどうかを基準に選ぶと、文章に厚みを持たせやすくなります。

3要素の書き分け

この設問も①取り組んだ内容、②身についた能力や知見、③編入学後にどう活かすか、の3要素で構成します。①では何にどう取り組んだかを具体的に、②ではその経験から得た能力・知見を、③では編入後の学びにどうつなげるかを書きます。「志望理由」欄と同じエピソードを使い回さないことも重要です。志望理由欄では志望動機になった経験を、この欄ではそれとは別の経験(取り組みの過程で得た能力に焦点を当てた経験)を選ぶと、自己申告書全体で異なる側面をアピールできます。

数値や具体的な成果を入れる

「頑張りました」だけでなく、可能であれば大会での成績、資格のスコア、制作物の内容など、客観的に伝わる情報を盛り込むと説得力が増します。数値化できない取り組みの場合も、具体的な行動(何を、どのくらいの期間、どのように取り組んだか)を書くことで、抽象的な自己評価にとどまらない内容になります。取り組みの過程で失敗や試行錯誤があった場合は、それをどう乗り越えたかも含めて書くと、単なる成果報告ではなく人物像が伝わる文章になります。

学業以外の経験を選ぶ場合の注意点

アルバイトや学校行事の運営など、一見すると学問とは直接関係のない経験を選ぶ場合もあるでしょう。経験そのものの内容よりも、そこから何を学び、編入後にどう活かすかという接続部分が評価の核心です。たとえばアルバイトでの接客経験であれば、コミュニケーション能力や課題発見力といった、研究活動やグループワークにも通じる汎用的な能力に結びつけて説明すると、情報工学部での学びとの関連性を示しやすくなります。学業に関する経験を選ぶ場合と比べて説得力を持たせにくいと感じるかもしれませんが、経験の種類そのものよりも、そこからの学びを編入後の展望にどうつなげているかという論理の一貫性のほうが評価されるポイントだと考えておきましょう。

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自己申告書の例文とNG例

例文1: 「志望理由」欄(知能情報工学科志望)

「私が知能情報工学科を第1志望とした経緯は、高専の情報工学科でプログラミング演習に取り組む中で、画像認識を用いた自動判定システムの制作に携わったことです。当初は思うように精度が上がらず、学習データの前処理や特徴量の選び方を試行錯誤する中で、人工知能分野の奥深さに強く惹かれるようになりました。編入学後は、機械学習アルゴリズムの理論的な背景を体系的に学ぶとともに、実データを用いた応用研究に取り組みたいと考えています。将来的には、この分野で培った技術を、製造業や医療分野など実社会の課題解決に活かせる技術者になりたいと考えています。」

この例文は、①経緯→②学びたい内容→③将来像の順で3要素を過不足なく含んでおり、字数配分も比較的均等です。「志望理由」欄の型として応用しやすい構成といえます。

例文2: 「これまでに取り組んだこと」欄

「私がこれまでに取り組んできたことは、高専のプログラミング部での後輩指導です。部活動でチームリーダーを務めた際、後輩がエラーの原因を特定できずに手が止まってしまう場面が多いことに気づき、エラーメッセージの読み方や、問題を切り分けて考える手順を整理した資料を作成し、部内で共有しました。この取り組みを通じて、技術的な内容を分かりやすく言語化して伝える力が身についたと感じています。編入学後も、グループでの研究活動やプレゼンテーションの場面で、この経験を活かしていきたいと考えています。」

この例文は取り組みの背景→具体的な行動→得られた能力→編入後の活用という流れで構成されており、「これまでに取り組んだこと」欄で求められる3要素を満たしています。

例文3: 「志望理由」欄(生命化学情報工学科志望)

「私が生命化学情報工学科を第1志望とした経緯は、高専の化学系学科での実験を通じて、生命現象をデータとして扱う情報処理技術に関心を持ったことです。特に、実験データの統計処理に取り組んだ際、化学・生物の知識と情報技術を組み合わせることで、これまで見えなかった規則性を見出せることに面白さを感じました。編入学後は、生命科学と情報処理を融合させた分野を体系的に学び、バイオインフォマティクスの基礎技術を身につけたいと考えています。将来的には、医療・創薬分野でデータ解析に携わる技術者として、社会に貢献したいと考えています。」

この例文は、化学・生物の学びと情報技術を結びつける生命化学情報工学科ならではの学際性を意識して構成されています。学科の特色を踏まえた志望理由を書くことで、他学科との違いを明確に示せます。

NG例1: 箇条書きや単語の羅列で書いてしまう

「取り組んだこと:プログラミング部活動。学んだこと:リーダーシップ、技術力。」のような箇条書き・単語の羅列は、指示文で明確に禁止されている形式です。文章形式で、主語・述語のある自然な日本語として構成しましょう。

NG例2: 3要素のうち1つだけに偏ってしまう

「志望理由」欄で経緯の説明に400字以上を使い、学びたい内容や将来像がわずか数十字で終わってしまうケースもよく見られます。3要素それぞれにバランスよく字数を配分し、どの要素も薄くならないように書きましょう。下書きの段階で要素ごとの字数を数えておくと、偏りに気づきやすくなります。

NG例3: 学部・学科名を間違える、または曖昧にする

「情報系の分野に興味があります」のように学科名を明示しない書き方や、他大学・他学部の名称を誤って使ってしまうミスも見られます。第1志望学科の正式名称を正確に使うことは、志望度の高さを示す基本的なポイントです。提出前に必ず学科名の表記を確認しましょう。大学編入の志望理由書全般に共通する添削ポイントは、大学編入志望理由書の添削ガイド|受かる構成と例文でも解説していますので、あわせて確認しておくと理解が深まります。

NG例4: 「志望理由」と「これまでに取り組んだこと」の内容が重複する

2つの設問で同じエピソードを使い回してしまうと、自己申告書全体としての情報量が減り、評価者に伝わる人物像も一面的になってしまいます。2つの設問では異なる経験を選ぶことを基本方針にしましょう。志望理由欄では志望動機に直結する経験を、これまでに取り組んだこと欄ではそれ以外の経験(能力・知見の獲得に焦点を当てた経験)を選ぶと、自己申告書全体で多面的な人物像を伝えられます。

NG例5: 締め切り直前に慌てて入力する

自己申告書はJBSというシステムを通じて入力するため、初めて使うシステムの操作に戸惑い、時間がかかってしまうケースも想定されます。出願期間に入る前にテキストエディタ等で文章を完成させておき、出願期間中はコピー&ペーストで入力するだけの状態にしておくと、システムの操作に不慣れでも落ち着いて対応できます。

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学科別に意識したいポイントと出願スケジュール

学科ごとの口頭試問科目を踏まえた準備

情報工学部の面接では、各学科が指定する科目についての口頭試問が実施されます。知能情報工学科・情報通信工学科は「数学」及び「情報基礎」、知的システム工学科・物理情報工学科は「数学」及び出願時に選択した「物理または情報基礎」、生命化学情報工学科は「数学」及び出願時に選択した「化学、生物または情報基礎」が対象です。口頭試問は事前に提出する解答用紙の内容をもとに実施されるため、自己申告書の準備と並行して、指定科目の解答内容も早めに仕上げておく必要があります。解答用紙は令和8年6月5日までに提出する必要があり、記載内容そのものは点数化されませんが、口頭試問はこの解答用紙をもとに行われるため、提出後も内容を忘れないよう見直しておくことが大切です。

工学部の学科選びと専門性の一致

工学部は学科によって推薦選抜のみを実施する学科と、一般選抜も実施する学科に分かれています。志望する学科がどちらの選抜方法に対応しているかを早い段階で確認し、面接で聞かれる専門分野の口頭試問対策もあわせて進めましょう。学科ごとに問われる基礎学力の範囲(数学・理科のどの分野が中心になるか)も異なるため、学科の専門性と自分の得意分野を照らし合わせて準備計画を立てることが重要です。推薦選抜のみを実施する学科を志望する場合は、出身高専の学校長推薦が前提となるため、早い段階で進路指導の担当教員に相談し、推薦を受けられる見込みがあるかを確認しておくことも忘れないようにしましょう。

出願から合格発表までのスケジュール

令和8年度実施分の主な日程を整理すると、以下のとおりです。

項目日程
出願期間令和8年5月13日(水)〜19日(火)
自己申告書の提出期限(情報工学部)出願登録時に入力(出願期間内)
試験日令和8年6月20日(土)または21日(日)のいずれか1日
合格発表日令和8年7月2日(木)
検定料30,000円(別途サービス利用料 工学部990円/情報工学部1,090円)

情報工学部を志望する場合、自己申告書は出願登録の一連の流れの中で入力するため、出願期間に入る前に文章を作り込んでおき、当日は入力とコピー&ペーストだけで済むように準備しておくと安心です。工学部を志望する場合も、面接での口頭説明の準備は出願期間中ではなく、それ以前から始めておくことをおすすめします。

証明書類の準備も並行して進める

推薦選抜では出身学校長が作成する推薦書、一般選抜・推薦選抜共通で調査書・成績証明書・卒業(見込)証明書などが必要です。これらの証明書類は出身高専側で作成に日数がかかるため、志望理由書相当の準備(自己申告書の執筆、または面接原稿の準備)と並行して、早めに依頼しておきましょう。出願期間は5月13日から19日までと1週間程度しかなく、証明書類の準備が遅れると出願全体に影響します。出願期間が短い分、必要書類のチェックリストを早めに作成し、進捗を可視化しながら準備を進めることをおすすめします。

専門科目対策との両立

工学部・情報工学部とも、面接や口頭試問では基礎学力(数学・理科、または数学・情報基礎等)が問われるため、志望理由書相当の準備だけに時間を使いすぎないよう注意が必要です。出願期間より前の2〜3か月を目安に、専門科目の総復習と志望理由書相当の準備を並行して進めるスケジュールを組むとよいでしょう。特に情報工学部志望者は、自己申告書の作成・学科指定科目の解答用紙作成・TOEIC等のスコア準備という3つのタスクを同時並行で進める必要があるため、早めの着手が欠かせません。

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よくある質問(FAQ)

九州工業大学編入に志望理由書はありますか

学部によって異なります。工学部には志望理由書に相当する提出書類はなく、調査書と面接(口頭試問を含む)で人物・適性が評価されます。情報工学部には「自己申告書」という、志望理由(500字以内)とこれまでに取り組んだこと(500字以内)の2部構成の書類があり、これが志望理由書に相当する役割を担っています。志望する学部によって準備の方向性がまったく異なるため、まずは自分の志望学部を確認することが最初のステップです。

自己申告書はどうやって提出するのですか

情報工学部の自己申告書は、インターネット出願登録時に「J-Bridge System(JBS)」という外部システムを通じて入力します。手書きではなく、テキストデータとして登録する電子形式の書類です。出願登録前に文章を準備しておき、コピー&ペーストで入力する進め方が案内されています。

自己申告書は箇条書きで書いてもいいですか

いいえ、募集要項には「箇条書きではなく文章形式としてください」と明記されています。主語・述語のある自然な文章で、指定された要素をすべて盛り込んで作成する必要があります。箇条書きでまとめた内容を、そのまま文章としてつなぎ直す作業を最後に行うと、要素の抜け漏れを防ぎやすくなります。下書きの段階では箇条書きでアイデアを整理し、最終的に接続詞を補いながら1つの文章に仕上げる、という2段階の進め方が効率的です。

自己申告書は合否にどのくらい影響しますか

情報工学部の配点は面接700点・調査書100点・自己申告書100点・TOEIC100点の合計1,000点満点で、自己申告書は独立して100点分が点数化されます。さらに登録内容は面接時の質問項目としても反映されるため、書類としての得点と面接での評価の両方に影響します。推薦選抜で書類のみによる選考となった場合は、自己申告書の比重が300点満点中100点とさらに高まります。

工学部は志望動機をどこで伝えればいいですか

工学部には志望理由書に相当する書類がないため、面接の中で口頭で伝えることになります。面接では基礎学力の口頭試問に加えて、工学に対する適性等(知的好奇心、熱意、専門に対する適性等)が評価されるため、事前に志望動機を口頭で説明できるよう準備しておく必要があります。書き言葉で一度整理してから話し言葉に変換しておくと、当日落ち着いて話しやすくなります。

自己申告書の字数を超えてしまった場合はどうすればいいですか

JBSへの入力時に文字数制限が設けられているため、システム上で500字を超える内容は入力できない仕組みになっています。事前にテキストエディタ等で文字数を確認しながら文章を作成し、500字以内に収まるように調整しておきましょう。改行も1文字としてカウントされる点にも注意してください。段落を分けるたびに文字数が消費される仕組みのため、志望理由欄・これまでに取り組んだこと欄とも、段落数は最小限にとどめる書き方が無難です。

推薦選抜で面接が免除されることはありますか

情報工学部の推薦選抜に出願した者のうち、在学中の成績が優秀で総合力が優れている者は、書類のみの選考によって面接が免除される場合があります。この場合、調査書点200点満点と自己申告書点100点満点の合計300点満点で評価されるため、自己申告書の重要性がさらに高まります。面接免除の対象になるかどうかは事前には分からないため、面接がある前提で準備を進めておくのが安全です。書類のみの選考結果は受験票に「面接免除」と記載される形で通知されるため、対象となった場合はその時点で分かる仕組みになっています。

自己申告書の添削は誰に頼めばいいですか

出身高専の担任教員や進路指導室に相談できるほか、大学編入に詳しい専門の指導者に添削を依頼する方法もあります。文章形式・字数配分・3要素のバランスなど、募集要項の指示に沿っているかを第三者の視点で確認してもらうと、提出前の見直しに役立ちます。工学部志望者の場合は、面接での回答内容を第三者に聞いてもらい、話し方や内容の一貫性についてフィードバックを受けるとよいでしょう。

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まとめ|学部に応じた志望理由書対策で九州工業大学編入に備えよう

九州工業大学編入における志望理由書の扱いは、工学部と情報工学部で大きく異なります。最後に、本記事の要点を振り返ります。

  • 工学部には志望理由書に相当する書類はなく、調査書及び面接(口頭試問を含む)で人物・適性が評価される
  • 工学部の配点は面接点600点+調査書点400点=1,000点満点で、志望動機は面接で口頭で伝える必要がある
  • 情報工学部には「自己申告書」という志望理由書相当の書類があり、志望理由500字+これまでの取り組み500字の2部構成
  • 自己申告書はJ-Bridge Systemを通じてテキスト入力する電子形式で、箇条書きは禁止・文章形式が必須
  • 情報工学部の配点は面接700点+調査書100点+自己申告書100点+TOEIC100点=1,000点満点で、自己申告書は独立配点
  • 各設問は指定された3要素をバランスよく配分して書くことが重要
  • 学科ごとに口頭試問の指定科目が異なるため、自己申告書や面接準備と並行して専門科目対策も進める必要がある

志望する学部によって準備すべき内容がまったく異なるのが、九州工業大学編入の大きな特徴です。工学部志望者は口頭での説明力を、情報工学部志望者は文章での構成力を、それぞれ重点的に磨いておきましょう。どちらの学部を志望する場合でも、志望動機を「なぜこの大学・学科なのか」「何を学びたいのか」「将来どう活かすのか」という3つの軸で整理しておくことは共通して役立ちます。書類として提出するか、口頭で伝えるかという形式の違いはあっても、伝えるべき内容の骨格は変わりません。

出願資格・試験科目・過去問対策など、志望理由書以外の準備事項については、学科別の記事もあわせて確認しておくと、出願準備全体の抜け漏れを防げます。志望理由書相当の準備は出願直前に慌てて行うものではなく、専門科目・TOEIC対策と並行して数か月前から少しずつ進めていくものだと捉え、早めにスケジュールを組み立てておきましょう。

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この記事を書いた人

株式会社Spring Knowledge 代表取締役社長。筑波大学 社会・国際学群 社会学類へ編入学し、都内国公立大学大学院 法学政治学研究科 修士課程を修了。大学編入・大学院進学を自ら経験した立場から、スプリング・オンライン家庭教師の大学編入・大学院入試分野の指導および記事監修を担当。

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