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北海道大学編入の小論文対策|出題傾向と書き方のコツ

「北海道大学に編入したいけれど、小論文の対策はどこから始めればいいのか分からない」という相談は少なくありません。北海道大学の編入学試験では、学部によって小論文が課される場合と、課されずに専門科目の筆記試験や口述試験が中心になる場合があります。まず自分の志望学部がどちらのタイプに当てはまるのかを正確に把握しないまま対策を始めてしまうと、必要のない勉強に時間を使ったり、逆に本当に対策すべき科目を後回しにしてしまったりする恐れがあります。
小論文とは、与えられた課題文やテーマについて自分の考えを筋道立てて論述する筆記試験のことで、単なる感想文とは異なり、論理的な構成力と専門分野に関する基礎知識の両方が問われる点に特徴があります。北海道大学の編入学試験では、法学部の第2年次編入学試験でのみ「小論文」という科目名で出題され、他の学部では専門科目の筆記試験や、英語と論文を組み合わせた総合問題という形で類似の力が問われます。
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編入学試験の小論文は、一般選抜(高校生対象)の小論文とは前提が異なります。編入を志望する学生はすでに大学や短大・高専で専門的な学びを一定期間経験しているため、単に文章がうまいかどうかではなく、これまでの学修を踏まえて論点を整理し、自分の考えを説得力のある形で提示できるかどうかが評価の軸になります。したがって、対策の第一歩は「作文の練習」ではなく「学部が求める知識・視点を把握したうえでの論述練習」だと理解しておく必要があります。
この記事では、北海道大学の編入学試験のうち小論文または論文系科目が課される学部・年次を一次情報の募集要項に基づいて整理したうえで、実際の出題傾向と答案の書き方のコツを解説します。あわせて、小論文が課されない工学部・理学部を志望する場合に何を優先して対策すべきかについても触れていきますので、自分の志望学部に合わせて必要な箇所を確認してください。
なお、本記事で紹介する試験科目や試験時間は、いずれも各学部が公表している募集要項の一次情報に基づいています。Webサイト上の二次情報やまとめ記事だけを頼りに対策を進めると、細部の思い込みが生じるリスクがあります。本記事を出発点として全体像をつかんだうえで、出願直前には必ず志望学部の最新の募集要項に目を通し、試験科目・試験時間・出願資格に変更がないかを自分の目で確認するようにしてください。
北海道大学の編入学試験に小論文はある?学部別の出題科目一覧
北海道大学は複数の学部で編入学試験を実施していますが、試験科目は学部・年次ごとに大きく異なります。まず、どの学部で小論文(または論文に相当する科目)が課されるのかを一覧で確認しておきましょう。
| 学部・年次 | 小論文・論文系科目 | その他の主な試験科目 | 面接・口述試験 |
|---|---|---|---|
| 法学部(第2年次編入学) | 小論文(120分) | 英語(120分) | なし |
| 法学部(第3年次編入学) | なし | 専門科目(法学・政治学の基礎的問題、120分)・英語(120分) | なし |
| 教育学部(第3年次編入学) | 総合問題内の論文パート(英語及び論文、90分) | 編入学志望理由書(1,600字以内) | あり(口述試験) |
| 工学部(一般選抜) | なし | 数学・物理・化学から学科指定科目、英語(TOEIC/TOEFLスコア換算) | あり(面接) |
| 理学部(数学科・物理学科・地球惑星科学科) | なし | 学科別専門科目筆記試験 | あり(口述試験) |
この表からわかるとおり、「北海道大学編入=小論文がある」と一律に考えるのは正確ではありません。学部・年次によって出題される科目の名称も内容も異なるため、まずは自分が受験する学部・年次の試験科目を募集要項で確認することが対策の第一歩になります。特に法学部は第2年次と第3年次で科目名が変わる(小論文と専門科目)という珍しいパターンなので、混同しないよう注意してください。
また、同じ「編入学試験」という名称でも、選抜方法の重み付けは学部ごとに違います。法学部は面接がなく筆記試験の得点のみで合否が決まるのに対し、教育学部・工学部・理学部は面接や口述試験の比重も大きく、筆記試験の出来だけがすべてではありません。志望学部を決める際には、自分が筆記試験型と面接型のどちらの選抜方式に強みを発揮しやすいかも判断材料の一つになるでしょう。
なお、募集要項は年度によって内容が更新される場合があるため、本記事で紹介する試験時間や配点は直近の実施例をもとにしたものです。出願前には必ず志望学部の最新の募集要項を確認するようにしてください。特に出願資格や単位要件、出願期間は年度ごとに細かい変更が入ることがあるため、募集要項の該当年度版を必ず確認してから準備を進めることをおすすめします。
試験科目の違いは、そのまま各学部が編入学生に何を求めているかの表れでもあります。法学部は思考力と表現力、教育学部は専門知識と人物像の一貫性、工学部・理学部は専門基礎科目の理解度を重視していると捉えると、それぞれの対策の優先順位も自然と見えてきます。志望学部の選抜方法の背景にある意図を理解したうえで対策を進めることが、遠回りをしないための第一歩です。学部選びに迷っている場合は、自分がどの評価軸で力を発揮しやすいかという観点から検討してみるのも一つの方法です。
志望学部を決めるうえでもう一つ意識しておきたいのが、第2年次編入学と第3年次編入学では出願資格の単位要件も異なるという点です。第2年次は在学1年以上・32単位以上、第3年次は在学2年以上・42単位以上といった形で、修得済みの単位数によって出願できる年次が変わってきます。自分がどちらの年次で出願できるのかを先に確認し、それに応じた試験科目の対策を進めることが遠回りを避けるコツです。
また、工学部のように高等専門学校卒業者(見込み含む)のみを対象とする学部と、法学部・教育学部・理学部のように四年制大学在学者や短大・専修学校卒業者なども対象に含む学部があるため、出願資格そのものが学部によって大きく異なる点にも注意してください。自分の出身校・在学状況が出願資格を満たしているかどうかは、志望学部の募集要項で必ず個別に確認するようにしましょう。
検定料についても触れておくと、法学部・工学部・教育学部のいずれも編入学試験の検定料は30,000円です。出願期間は9月末から10月上旬(法学部・教育学部)、あるいは5月上旬(工学部)というように学部ごとに異なるため、出願スケジュールを1つのカレンダーにまとめて管理しておくと、出願書類の準備漏れや期限超過を防ぎやすくなります。特に併願を検討している場合は、それぞれの学部の出願期間・試験日が重ならないかを早い段階で確認しておくことが大切です。
法学部(第2年次編入学)の小論文|出題内容と試験時間
北海道大学法学部の第2年次編入学試験では、小論文(120分)と英語(120分)の2科目が課され、この2科目の試験結果と出願書類の内容を総合して合否が判定されます。面接は実施されないため、筆記試験の得点だけで合否が決まるという点は、他学部の編入試験と比べて特徴的です。募集人員は10名程度とされています。
小論文の出題内容は、法学・政治学に限定された専門的な設問ではなく、社会科学一般に関するテーマを課題文形式で問う傾向があります。課題文を読み、そこに示された論点について自分の考えを論述させる形式が中心で、法律の条文知識そのものを暗記していなくても、日頃から社会問題や時事的なテーマに関心を持ち、自分の意見を整理する習慣があるかどうかが問われます。出願書類には志望理由等の記載も含まれるため、志望動機と小論文で示す問題意識に一貫性を持たせておくことも意識しておきたいポイントです。
試験時間は120分と長めに設定されているため、構成を考える時間と実際に書く時間の配分を事前に決めておくことが重要です。目安としては、課題文の読解と構成メモの作成に20〜25分、執筆に80〜90分、見直しに10分程度を充てる配分が現実的です。時間内に書き切れないと大きな失点につながるため、普段の演習から時間を計って書く練習を重ねておく必要があります。
面接が実施されない分、筆記試験の答案だけで自分の考える力・伝える力を示す必要がある点も、法学部第2年次編入学試験の特徴です。口述試験があれば多少説明が不十分でも受け答えの中で補足できますが、筆記試験のみの場合はそうした補足の機会がありません。だからこそ、答案の中で論理の飛躍や説明不足が起きないよう、普段の演習の段階から「初めて読む人にも伝わる書き方」を意識しておくことが大切です。
また、社会科学一般というテーマ設定の広さは、対策のしにくさであると同時にチャンスでもあります。出題範囲が特定の専門分野に限定されていない分、日頃の情報収集の質と量が結果に直結します。新聞の社説やニュース解説番組、大学が公開している市民向け講座の資料など、多様な情報源から社会科学的なテーマについての知識と視点を集めておくと、本番でどのような課題文が出されても対応しやすくなります。
具体的なイメージをつかむために、課題文型の小論文でよくある出題パターンを想定してみましょう。たとえば「ある社会問題についての賛否両論を紹介した文章を読み、自分の立場を明らかにしたうえで論じなさい」という形式であれば、まず課題文の中で対立している論点を正確に整理することが最初のステップになります。課題文の要約と自分の意見を混同せず、明確に切り分けて書くことが、読みやすい答案の第一条件です。要約部分で紙面を使いすぎると、肝心の自分の意見を展開する余白が足りなくなってしまうため、要約は簡潔に、意見の展開に多くの字数を割く配分を意識してください。
課題文が示されない、あるいはテーマのみが提示される出題形式が想定される場合もあります。この場合は、テーマに対して自分がどのような問題意識を持っているかを最初に明確にし、そのうえで理由を整理していく進め方が有効です。テーマの解釈が曖昧なまま書き始めると、途中で論点がぶれてしまうため、書き始める前に「このテーマについて自分は何を主張したいのか」を一文で言い切れる状態にしてから答案を書き始めることをおすすめします。
志望する場合は、この記事とあわせて法学部第2年次編入学試験全体の傾向と対策をまとめた別記事も参考にしてください。
北海道大学法学部(2年次)の傾向と対策では、出願資格や英語の出題傾向、過去の実施状況についてより詳しく解説しています。
英語(120分)についても、小論文と同様に配点上重要な位置を占めます。募集要項によれば出願書類の内容とあわせて総合的に合否が判定されるため、小論文と英語のどちらかに極端な苦手意識があると全体の得点で不利になりやすい構造です。小論文対策だけに偏らず、英語の読解力・語彙力も並行して底上げしておくことが、法学部第2年次編入学を目指すうえでのバランスの取れた戦略になります。
出願書類の中でも、編入学志望理由書は小論文の出来と間接的に結びついています。志望理由書で示した問題意識や関心分野が、小論文の答案の中で扱うテーマと大きくかけ離れていると、一貫性のない印象を与えてしまう可能性があります。志望理由書を書く段階から、自分がどのような社会的関心を持っているのかを整理しておくことで、小論文本番でも自分の言葉で書きやすいテーマの引き出しを増やすことができます。出願準備と小論文対策は別々に進めるのではなく、両者を関連づけながら準備を進めるとよいでしょう。
法学部(第3年次編入学)の専門科目筆記|小論文ではなく法学・政治学の基礎知識
同じ法学部でも、第3年次編入学試験では小論文は課されません。代わりに「専門科目(法学・政治学の基礎的問題)」(120分)と英語(120分)が試験科目となります。第2年次は小論文、第3年次は専門科目という違いを正確に把握しておくことが、法学部志望者にとって最初に確認すべきポイントです。募集人員は第3年次も10名程度です。
専門科目は「基礎的問題」と位置づけられているとおり、司法試験や法科大学院入試のような高度な専門知識を問うものではなく、法学入門レベルの内容が中心になります。具体的には、憲法・民法・刑法といった基本的な法分野の考え方や、政治学の基礎概念について、論述形式で説明を求める設問が想定されます。訴訟法や行政法、商法といった発展的な分野からの出題は少なく、まずは基本科目の理解を優先することが対策の軸になります。
小論文とは異なり、専門科目では前提となる知識そのものが問われるため、対策の進め方も変わってきます。社会時事への関心を広げるよりも、法学入門・政治学入門レベルのテキストを繰り返し読み込み、基本用語を自分の言葉で説明できるようにしておくことが重要です。とはいえ、単なる知識の暗記だけでなく、それを120分という制限時間の中で論理的な文章として構成する力も同時に求められるため、小論文と共通する「書く力」を鍛える練習も並行して行う必要があります。
具体的な学習の進め方としては、まず法学入門・政治学入門の教科書を通読して全体像をつかみ、そのうえで頻出分野である憲法の人権・統治機構、民法の総則・物権・債権、刑法の総論・各論といった基本項目を、自分の言葉で説明できるレベルまで理解を深めていく方法が効果的です。知識のインプットと並行して、実際に論述形式の問題を解く練習を積んでおくことで、本番の120分という制限時間の中でも落ち着いて答案を組み立てられるようになります。
第3年次編入学試験の詳しい出題傾向や過去の実施結果については、以下の記事も参考にしてください。
専門科目の対策で意識しておきたいのは、法学部の授業で扱われる専門用語を「正確に、かつ自分の言葉で説明できるか」という点です。定義を丸暗記しただけの答案は、採点者から見ると理解の浅さが伝わってしまいます。例えば「私人間における契約の成立要件を説明しなさい」といった設問が出た場合、単に条文上の要件を並べるだけでなく、なぜそのような要件が必要とされるのかという趣旨まで踏み込んで説明できると、答案の完成度が高まります。日頃の学習でも、暗記した知識を自分の言葉で要約し直す練習を取り入れておくとよいでしょう。
専門科目の答案作成でも、序論・本論・結論という基本構成は有効です。まず設問に対する結論(定義や要件)を簡潔に示し、次にその根拠や趣旨を説明し、最後に具体例や関連する論点に触れて締めくくるという流れを意識すると、単なる知識の羅列ではなく、理解度が伝わる答案に仕上がります。特に「基礎的問題」という位置づけである以上、奇をてらった論点よりも、教科書レベルの基本事項を正確かつわかりやすく説明できているかどうかが評価の中心になると考えられます。
教育学部(第3年次編入学)の「総合問題(論文)」|小論文との違いと書き方
北海道大学教育学部の第3年次編入学試験では、筆記試験として「総合問題(英語及び論文)」(90分)が課されます。この総合問題は英語の設問と論文の設問がひとつの試験時間の中に組み込まれた形式で、単独の「小論文」という科目名ではないものの、実質的には小論文に近い論述力が問われる点で法学部の小論文と共通する部分があります。募集人員は10名です。
出題内容について、募集要項では「総合問題の論文及び口述試験は、人間の発達と教育の諸現象に関する基礎的知見を問う」と明記されています。つまり、教育心理学や発達心理学、教育社会学といった教育学の基礎領域に関する理解を、論述形式で説明できるかどうかが評価の中心になるということです。社会科学一般を扱う法学部の小論文とは異なり、出題テーマがある程度絞り込まれている点は対策を立てやすい要素といえます。
教育学部の編入学試験では、筆記試験に加えて編入学志望理由書(1,600字以内)の提出が求められ、この志望理由書に基づいた口述試験(面接)も行われます。志願者が多数の場合は筆記試験の成績で2段階選抜が行われ、口述試験の対象者は募集定員の2倍までに絞られる仕組みです。つまり、総合問題での論文の出来が、口述試験に進めるかどうかを左右する最初の関門になります。
対策としては、教育学の基礎的なテキストで発達段階や学習理論といった頻出テーマの知識を整理したうえで、志望理由書に書いた内容と論文・口述試験での発言に一貫性を持たせることが重要です。志望理由書と面接での受け答えがちぐはぐだと、評価者に準備不足の印象を与えてしまいます。志望理由書は制限字数外の氏名を除き1,600字以内という明確な字数指定があるため、伝えたい内容を過不足なく収める文章構成力も同時に鍛えておく必要があります。
90分という試験時間は英語と論文の両方をこなす必要があるため、時間配分の設計が特に重要になります。英語設問にどの程度の時間を割くかを事前に決めたうえで、残りの時間で論文設問に集中して取り組めるよう、普段の演習から時間配分を意識したトレーニングを行っておきましょう。教育学部の出願資格や過去の実施状況を含めた全体像は、以下の記事で詳しく解説しています。教育学部志望者は特に、筆記試験対策と並行して志望理由書の作成にも早めに着手しておくことをおすすめします。
教育学部を志望する場合、総合問題の論文パートと口述試験は別々の科目ではなく、一連の評価プロセスとして捉えることが重要です。筆記試験で示した問題意識を、口述試験でも一貫した言葉で説明できるかどうかが評価者の印象を左右します。論文で書いた内容をそのまま覚えるのではなく、なぜそのように考えたのかという背景まで自分の中で整理しておくと、口述試験での質問にも柔軟に対応しやすくなります。
教育学の基礎領域から出題される想定テーマとしては、子どもの発達段階に応じた学習支援のあり方、いじめや不登校といった学校現場の課題、特別支援教育の充実、ICTを活用した授業づくりなど、教育現場で実際に議論されている論点が挙げられます。教育時事に関するニュースや文部科学省の公開資料にも目を通しておくと、論文パートで具体的な事例を交えた説得力のある答案を書きやすくなります。日頃から教育に関する報道に関心を持ち、自分なりの意見を整理しておく習慣が、本番での対応力につながります。
教育学部の編入学試験は、志望理由書・筆記試験・口述試験という3つの評価要素が連動している点で、法学部よりも多面的な準備が求められます。3つの要素それぞれで一貫した人物像・問題意識を伝えられるように準備を進めることが、教育学部編入を目指すうえでの基本戦略になります。筆記試験の対策を進めながらも、志望理由書の内容や口述試験での想定問答をあわせて磨き上げていくことを意識してください。
まずは無料相談で、合格までの最短ルートを確認しませんか?
スプリング・オンライン家庭教師のプロ講師が、現在の学力・志望校・残り期間に合わせて、必要な対策を個別に整理します。
- 大学編入のプロ講師が最適な受験戦略を提案
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工学部・理学部は小論文なし|英語外部試験・専門筆記・口述試験が中心
ここまで紹介した法学部・教育学部とは対照的に、工学部と理学部の編入学試験では小論文は課されません。志望学部によっては「小論文対策は不要」という結論になる点も、正確に押さえておく必要があります。
工学部の編入学(一般選抜、高等専門学校卒業者対象)では、英語について独自の筆記試験は行われず、TOEIC L&Rまたは TOEFL iBTのスコアを100点満点に換算して評価する方式が採用されています。具体的には、TOEIC L&R 600点またはTOEFL iBT 61点が、筆記試験100点満点の80点に相当する得点として換算されます。英語で高得点を狙うのであれば、小論文の練習をするよりも先に、外部英語試験のスコアメイクに時間を割く方が合理的だということです。
その代わりに課されるのが、数学・物理・化学のうち学科・コースごとに指定された自然科学系科目の筆記試験です。学科によって配点比率が異なり、面接・調査書の評価も合否判定に含まれます。募集人員は各学科・コースで10名程度です。文章を書く力よりも、高専で学んだ専門基礎科目の理解度がストレートに問われる試験だといえるでしょう。
理学部(数学科・物理学科・地球惑星科学科)についても、小論文は課されず、学科ごとの専門科目筆記試験と口述試験(面接)の組み合わせで選抜が行われます。数学科であれば大学初年度レベルの微分積分学・線形代数学、物理学科であれば線型代数学・微分積分学・力学・熱力学・電磁気学・前期量子論といった専門課程物理学に進むための基礎科目、地球惑星科学科であれば基礎的な英語と数学、地球惑星科学を学ぶうえで必要な科目の理解度が問われます。募集人員はいずれの学科も「若干名」とされています。
口述試験の内容も学科によって異なり、数学科では筆記試験に関連する質疑応答に加えて編入を希望する理由やこれまでの数学の学修状況が問われ、物理学科では導出原理や応用可能性まで踏み込んだ議論が行われる傾向があります。口述試験は単なる面接ではなく、専門知識の理解度を確認する場と捉え、筆記試験で扱った内容を自分の言葉で説明できるように準備しておくことが欠かせません。
工学部の英語スコア基準についても補足しておきます。TOEIC L&R 600点・TOEFL iBT 61点が80点(100点満点中)に換算されるという基準は、決して低いハードルではありません。高専在学中から計画的にTOEIC対策を進め、出願までに必要なスコアを確保しておくことが、工学部編入を目指すうえでの生命線になります。数学・物理・化学の専門科目に時間を割きたい気持ちは理解できますが、英語スコアの取得を後回しにすると出願そのものができなくなるリスクがあるため、優先順位を誤らないようにしてください。
理学部の口述試験についても、単なる面接という位置づけではなく、専門科目筆記試験の内容を踏まえた実質的な学力確認の場である点を理解しておく必要があります。筆記試験で書いた答案の内容を、口頭で自分の言葉で説明し直せるかどうかが問われるため、筆記試験の対策と口述試験の対策を切り離さず、一体のものとして準備を進めることが工学部・理学部志望者にとっての共通した対策方針になります。
工学部・理学部を志望する場合は、小論文の練習に時間を使うよりも、専門科目の基礎固めと口述試験での受け答えの準備を優先してください。限られた準備期間を効率よく使うためにも、まず自分の学科・コースで課される科目を正確に把握することから始めましょう。学部ごとの詳しい試験科目や過去問の傾向は、以下の記事で確認できます。
北海道大学工学部の編入試験を徹底解説と北海道大学理学部の編入試験を徹底解説もあわせてご覧ください。
小論文が課されない学部であっても、文章を論理的に組み立てる力が不要になるわけではありません。出願書類の志望理由書や調査書に添える自己申告書などでは、簡潔で説得力のある文章が求められます。また、口述試験・面接での受け答えも、結論から先に述べて理由を補足するという小論文的な話し方の型を応用できる場面が多くあります。小論文の科目がないからといって文章力の鍛錬を完全に後回しにするのではなく、専門科目の学習と並行して、簡潔に説明する練習を続けておくと安心です。
小論文の基本の型|序論・本論・結論と時間配分の考え方
法学部第2年次の小論文や、教育学部の総合問題内の論文パートに共通して有効なのが、序論・本論・結論という基本の答案構成です。制限時間内に一定の水準の答案を安定して書けるようにするために、まずはこの型を体に染み込ませることをおすすめします。
- 序論(答案全体の1〜2割):課題文の要点を簡潔にまとめたうえで、自分の立場や論点を明示する。ここで結論の方向性を先に示しておくことで、読み手に論旨が伝わりやすくなる。
- 本論(答案全体の6〜7割):序論で示した立場を裏付ける根拠を、具体例や自分の経験・知識と結びつけながら展開する。1つの段落につき1つの論点にとどめ、論点を詰め込みすぎないことが読みやすさにつながる。
- 結論(答案全体の1〜2割):本論で述べた内容を要約し、序論で示した立場を改めて確認する。新しい論点をここで追加しないことが鉄則。
この型に沿って書く練習を重ねる際は、時間を計りながら実際の試験時間(120分または90分)で書き切る訓練を必ず取り入れてください。頭の中で構成を考えるだけでなく、実際に手を動かして時間内に収める感覚を養うことが、本番での失点を防ぐ最も効果的な方法です。試験時間ごとの時間配分の目安を、以下の表にまとめました。
構成メモを作る段階では、いきなり文章を書き始めるのではなく、箇条書きで論点を書き出してから優先順位をつける方法がおすすめです。思いついた順に書くのではなく、最も説得力の高い根拠から並べることで、本論全体の論理展開が締まったものになります。構成メモに5〜10分程度かける余裕を持たせておくと、本論を書き始めてから論点の順番に迷って時間をロスするという事態を防げます。
| 試験 | 試験時間 | 読解・構成メモ | 執筆 | 見直し |
|---|---|---|---|---|
| 法学部第2年次 小論文 | 120分 | 20〜25分 | 80〜90分 | 10分程度 |
| 法学部第3年次 専門科目 | 120分 | 15〜20分 | 90〜95分 | 10分程度 |
| 教育学部 総合問題(英語及び論文) | 90分(英語含む) | 10分程度 | 論文パートに35〜40分 | 5分程度 |
また、答案の見た目にも注意が必要です。誤字脱字が多い、段落分けがされていない、一文が長すぎて主語と述語がねじれているといった基本的な文章の乱れは、内容以前に評価を下げる要因になります。書き終えた後に必ず読み返し、文章の乱れがないかを確認する習慣をつけましょう。一文を短く区切り、主語と述語の対応を意識するだけでも読みやすさは大きく変わります。
序論・本論・結論の型に慣れてきたら、次の段階として「問いに正面から答えているか」を必ずチェックする習慣をつけましょう。小論文でよくある失点パターンの一つが、課題文のテーマに関連はしているものの、実際に問われている問いには正面から答えていない答案です。答案を書き終えたら、設問文をもう一度読み直し、自分の結論が問いに対応しているかを確認してください。この確認作業を習慣化するだけで、内容面での失点をかなり防ぐことができます。
本論部分を組み立てる際は、根拠を1つだけに頼らず、複数の角度から自分の主張を裏付ける工夫も有効です。たとえば、社会科学一般のテーマであれば、統計データや制度の仕組みといった客観的な根拠と、身近な事例や自分自身の経験といった具体的な根拠を組み合わせることで、説得力のある答案になります。抽象的な主張だけで終わらせず、具体例を1つ以上盛り込むことを意識すると、採点者にとって読みやすく評価しやすい答案に近づきます。逆に、具体例ばかりを羅列して自分の考えを明確に述べないまま終わってしまう答案も評価されにくいため、具体と抽象のバランスを意識して書くことが重要です。
反対意見への言及も、答案の説得力を高める有効な手法です。自分の立場とは異なる見方にもあえて触れたうえで、それでも自分の結論が妥当だと言える理由を示すことで、一面的な主張にとどまらない、バランスの取れた答案という印象を与えられます。ただし、反対意見への言及に多くの字数を割きすぎると本論の軸がぶれてしまうため、全体の1〜2割程度にとどめ、あくまで自分の主張を補強する材料として使うことを意識してください。
北海道大学の小論文でよく出るテーマと対策の進め方
法学部第2年次の小論文は「社会科学一般」というやや広めのテーマ設定になっているため、出題範囲を絞り込みにくいという声もよく聞かれます。ただし、対策の方向性としては次のような領域を押さえておくことが有効です。
- 法律や政治に関する時事的な話題(選挙制度、法改正の動き、国際情勢と法の関係など)
- 社会保障・少子高齢化・労働問題といった、社会科学の複数分野にまたがるテーマ
- 情報化社会やテクノロジーの進展が社会・法制度に与える影響
- 格差や多様性、人権をめぐる社会的な論点
- 地方分権や地域社会の課題と行政の役割
- 環境問題や持続可能性をめぐる社会的な合意形成のあり方
- グローバル化に伴う異文化理解や国際協力の課題
これらのテーマについて、日頃から新聞やニュース解説記事に目を通し、賛成・反対それぞれの立場からどのような論拠が成り立つかを自分なりに整理しておくと、本番で見慣れないテーマが出題されても対応しやすくなります。単に知識を集めるだけでなく、複数の視点から一つのテーマを考える習慣が、小論文の説得力を高めます。1つのテーマにつき賛成派・反対派それぞれの主張と根拠をノートにまとめておくと、本番で似た構造の課題文が出た際に応用が利きやすくなります。
教育学部の総合問題における論文パートは「人間の発達と教育の諸現象に関する基礎的知見」という出題範囲が明示されているため、法学部よりもテーマを絞り込みやすいのが特徴です。発達心理学の基本的な段階理論、学習理論、学校教育を取り巻く社会的な課題(いじめ・不登校・特別支援教育など)といった頻出領域を中心に、教育学の入門書や教職課程で使われるテキストを読み込んでおくことをおすすめします。
法学部第3年次の専門科目についても、頻出テーマを押さえておくことで対策の効率が上がります。憲法分野では人権保障の基本原則や統治機構の仕組み、民法分野では契約や物権変動の基礎、刑法分野では犯罪の成立要件といった、法学入門の教科書で必ず扱われる項目を優先的に学習することが有効です。出題は「基礎的問題」とされているため、細かい判例知識より基本概念の正確な理解が優先されます。
政治学の基礎概念についても、民主主義の仕組み、統治機構における権力分立、選挙制度の類型といった、政治学入門レベルで扱われる項目を中心に整理しておくとよいでしょう。法学と政治学のどちらかに偏らず、両分野の基本項目をバランスよく押さえておくことが、専門科目対策の基本方針になります。高専や短大、他大学ですでに法学・政治学系の科目を履修している場合は、その授業内容を復習することから始めるのが効率的です。
過去問については、法学部が学部ホームページで過去3年分の試験問題を公開しています。実際に出題された問題に目を通し、出題の癖や文章量の感覚をつかんでおくことは、独学で対策を進めるうえで欠かせない作業です。教育学部についても、過去に出題された総合問題の傾向を把握しておくと、本番での時間配分のイメージがつかみやすくなります。過去問を解いた後は、時間を計って書いた答案をそのままにせず、内容面と時間配分面の両方を振り返る習慣をつけることが上達への近道です。
過去問演習を進める際は、1回解いて終わりにせず、同じ課題文にもう一度取り組み、初回とどこが変わったかを比較する方法も効果的です。1回目は時間内に書き切ることを優先し、2回目は内容の深さや論理の一貫性を意識して書き直すといった形で、同じ素材を繰り返し活用することで、限られた過去問の数でも十分な演習効果を得られます。特に法学部の場合、公開されている過去3年分の問題を全て2周する計画を立てておくと、出題の傾向をより体系的に把握できます。
独学での小論文対策とスケジュール|添削をどう受けるか
小論文対策は、出願までの期間から逆算してスケジュールを組むことが重要です。北海道大学の編入学試験は出願期間が9月末から10月上旬、試験は11月上旬に実施されることが多いため、遅くとも試験の4〜6か月前、つまり夏前後には対策を始めておきたいところです。
大まかな進め方の目安は次のとおりです。
- 準備期(試験の5〜6か月前):小論文の基本構成(序論・本論・結論)を理解し、頻出テーマに関する背景知識をインプットする。
- 実践期(試験の3〜4か月前):過去問や想定テーマに沿って、実際に時間を計って答案を書く練習を重ねる。週に1〜2本のペースで書き続けることが望ましい。
- 仕上げ期(試験の1〜2か月前):書いた答案の添削を受け、指摘された弱点(論理の飛躍、根拠不足、時間配分のミスなど)を意識して修正を繰り返す。
独学で小論文対策を進めるうえで最も難しいのが、自分の答案を客観的に評価してもらう機会が得にくいという点です。小論文は正解が一つに定まる科目ではないため、自分では論理的に書けているつもりでも、第三者から見ると根拠が薄い、論点がずれている、といった問題に気づけないまま本番を迎えてしまうケースが少なくありません。
また、独学の場合はインプットする情報が偏りやすいという課題もあります。自分が関心を持ちやすいテーマばかりを調べていると、本番で不得意なテーマが出題された際に対応しきれない可能性があります。社会保障、労働、環境、情報化社会など、複数の分野をバランスよくカバーするよう、あらかじめ学習計画にテーマの一覧を組み込んでおくと偏りを防ぎやすくなります。
さらに、独学では学習の進捗を客観的に把握しにくいという問題もあります。自分では十分に対策できているつもりでも、実際の試験本番の緊張感の中でどの程度実力を発揮できるかは別問題です。模擬試験形式で本番同様の環境を再現し、時間を計って答案を書く機会を定期的に設けることで、進捗を客観的に確認しながら対策を進めることができます。
大学の授業や友人同士での相互チェックでも一定の効果は期待できますが、法学部・教育学部それぞれの出題傾向や評価基準を踏まえた添削を受けられる機会は限られています。独学での対策に不安がある場合は、大学編入に特化した指導を受けられる予備校や家庭教師サービスを活用することも、有効な選択肢の一つです。答案を繰り返し添削してもらいながら弱点を修正していくプロセスは、時間はかかりますが確実に答案の質を底上げしてくれます。
専門の指導を受ける場合でも、任せきりにするのではなく、指摘された内容を自分の言葉で咀嚼し、次の答案に反映させる姿勢が欠かせません。添削は答案を良くするための材料であり、添削を受けること自体が目的ではないという点を忘れずに、1回ごとの添削から着実に学びを積み重ねていくことが、限られた準備期間で合格ラインの答案に近づく最も確実な方法です。
スケジュールを立てる際は、小論文対策だけに時間を偏らせないことも大切です。法学部第2年次は英語、法学部第3年次は専門科目、教育学部は総合問題の英語パートと志望理由書、というように、小論文・論文系科目以外にも並行して仕上げるべき科目が必ず存在します。週単位の学習計画を立てる際には、小論文対策の時間と他科目の対策時間をあらかじめ配分し、どちらかに偏りすぎないよう管理することが、限られた準備期間を有効に使うポイントです。
週単位の配分イメージとしては、1週間のうち2〜3回を小論文・論文系科目の答案演習にあて、残りの日を英語や専門科目のインプットにあてるといった形が一つの目安になります。毎日少しずつでも文章を書く習慣を維持することが、書く力を安定させるうえで重要です。週末にまとめて1本の答案を書くだけの学習では、本番に近い緊張感の中で時間内に書き切る感覚がなかなか身につきません。平日の隙間時間には課題文を読んで構成を考えるメモ作りだけでも行い、まとまった時間が取れる日に清書するというように、作業を分割して継続する工夫も有効です。
仕上げ期に入ってからは、添削を受けた指摘事項を一覧にまとめ、次の答案を書く前に必ず見返す習慣をつけることをおすすめします。同じ指摘を繰り返し受けないようにすることが、限られた回数の添削を最大限に活かすコツです。試験本番が近づくにつれて、新しいテーマに手を広げるよりも、これまでの指摘事項を確実に修正できているかを確認する時間を増やしていくとよいでしょう。
試験直前期には、これまで書きためた答案を読み返し、自分がよく使う論理展開のパターンや、つまずきやすい論点を再確認しておくことも有効です。直前に新しい参考書や教材に手を出すよりも、これまで積み上げてきた答案と添削内容を復習する方が、本番での安定した実力発揮につながります。体調管理や生活リズムの調整も含め、試験当日に落ち着いて力を発揮できるコンディションを整えておくことも忘れないようにしましょう。
よくある質問(FAQ)
北海道大学の編入試験に小論文はありますか?
学部・年次によって異なります。法学部の第2年次編入学試験では小論文(120分)が課されますが、法学部第3年次編入学試験では専門科目(法学・政治学の基礎的問題)が課され、小論文はありません。教育学部の第3年次編入学試験では「総合問題(英語及び論文)」として論文パートが含まれます。工学部・理学部の編入学試験では小論文は課されません。志望する学部・年次によって必要な対策がまったく異なるため、出願前に自分が受ける試験の科目構成を必ず確認してください。
北海道大学法学部の小論文と専門科目の違いは何ですか?
小論文(第2年次編入学試験)は社会科学一般に関するテーマを課題文形式で問う出題であるのに対し、専門科目(第3年次編入学試験)は法学・政治学の基礎的な知識を論述させる出題です。第2年次は社会科学的な視野の広さ、第3年次は法学・政治学の基礎知識の理解度が問われるという違いがあります。どちらも120分の筆記試験である点は共通していますが、出題の性質が異なるため、対策の教材や学習方法を分けて考える必要があります。
北海道大学の小論文はどのくらいの試験時間ですか?
法学部第2年次編入学試験の小論文は120分です。教育学部第3年次編入学試験の総合問題(英語及び論文)は90分で、英語と論文の設問がひとつの試験時間の中に組み込まれています。法学部第3年次編入学試験の専門科目も同じく120分です。いずれも長時間の筆記試験になるため、時間配分を事前に決めておく練習が欠かせません。
北海道大学の小論文の過去問は入手できますか?
法学部では、過去3年分の入試問題を学部ホームページ上で公開しています。教育学部についても、過去に出題された総合問題の傾向を確認しておくことで、本番の時間配分や出題形式のイメージをつかみやすくなります。工学部・理学部についても、学部ホームページで過去の入試問題を公開している場合があるため、あわせて確認するとよいでしょう。詳細は各学部の最新の募集要項でご確認ください。
小論文対策はいつから始めるべきですか?
北海道大学の編入学試験は例年11月上旬に実施されることが多いため、試験の4〜6か月前、つまり夏前後から準備を始めることをおすすめします。基本構成の習得から始め、実践期には時間を計った答案練習、仕上げ期には添削を受けた修正を重ねる進め方が効果的です。出願書類の準備や他科目の対策と並行するため、思い立ったらできるだけ早く着手することをおすすめします。
独学で小論文対策は可能ですか?
基本的な構成の学習や知識のインプットは独学でも進められますが、答案の論理性や説得力を客観的に評価してもらう機会が得にくいという課題があります。可能であれば、大学編入の小論文指導の経験がある第三者から添削を受けることをおすすめします。添削を受ける回数が限られる場合でも、指摘事項を確実に修正する習慣があれば、独学でも一定の水準まで答案の質を高めることができます。
教育学部の「総合問題」は小論文と同じですか?
科目名としては「総合問題(英語及び論文)」であり、単独の「小論文」という名称ではありませんが、論文パートでは人間の発達と教育の諸現象に関する基礎的知見を論述させる出題であり、実質的には小論文に近い論述力が求められます。志望理由書(1,600字以内)や口述試験とあわせて総合的に評価される点も、法学部の小論文とは異なる特徴です。
工学部や理学部は小論文なしでも編入対策は必要ですか?
もちろん必要です。工学部は英語外部試験のスコアメイクと数学・物理・化学の専門科目筆記、理学部は学科別の専門科目筆記と口述試験が中心になります。小論文がない分、専門科目の基礎固めと口述試験対策により多くの時間を配分する必要があります。志望理由書の作成や口述試験での受け答えにも、論理的に説明する力は活きてきます。
まとめ|北海道大学編入の小論文対策
北海道大学の編入学試験における小論文・論文系科目の扱いについて、要点を整理します。
- 小論文が課されるのは法学部第2年次編入学試験のみで、試験時間は120分。
- 法学部第3年次編入学試験は小論文ではなく専門科目(法学・政治学の基礎的問題)が課される。
- 教育学部第3年次編入学試験は「総合問題(英語及び論文)」として論文パートが含まれ、90分の試験時間の中で英語と論文の両方が問われる。
- 工学部・理学部の編入学試験では小論文は課されず、英語外部試験のスコアや専門科目筆記、口述試験が中心になる。
- 小論文の答案は序論・本論・結論の型を身につけたうえで、制限時間内に書き切る練習を繰り返すことが対策の基本になる。
- 過去問は法学部が学部ホームページで公開しているため、独学の際は必ず目を通しておく。
- 募集要項は年度により内容が更新されるため、出願前には必ず志望学部の最新の募集要項を確認する。
北海道大学の編入学試験は学部によって求められる力が大きく異なるため、まずは自分の志望学部・年次でどのような科目が課されるのかを正確に把握することが対策の出発点になります。そのうえで、小論文・論文系科目が課される場合は答案の型と時間配分を、課されない場合は専門科目や口述試験の対策を優先して進めていきましょう。
小論文や論文系科目の対策は、一朝一夕に身につくものではありません。出願までの期間を逆算し、準備期・実践期・仕上げ期という段階を意識してコツコツ積み上げていくことが、結果的に一番の近道になります。特に序論・本論・結論という基本構成は、繰り返し練習することで初めて本番でも自然に使えるようになるものなので、早い段階から答案を実際に書く練習を始めることを心がけてください。
最後に、志望する学部・年次によって必要な準備が大きく異なるという本記事の要点を、今一度確認しておきましょう。小論文が課される法学部第2年次と教育学部、専門科目や英語外部試験が中心になる法学部第3年次・工学部・理学部とでは、日々の学習の中心に据えるべき内容がまったく異なります。まずは自分の志望学部・年次を明確にし、その試験科目に合わせて計画的に準備を進めていくことが、合格への一番の近道です。
編入学試験は、高校生対象の一般選抜とは異なり、情報を集めること自体にも一定の労力がかかります。募集要項の取り寄せ方法や過去問の公開状況、出願書類の準備など、試験科目の対策以外にも確認すべき事項が数多くあります。早めに情報収集を終え、学習に充てられる時間を確保しておくことが、結果的に小論文や専門科目の対策時間を最大化することにつながります。焦らず、しかし着実に、出願までのスケジュールを組み立てていきましょう。
本記事で紹介した内容は、あくまで直近の実施例に基づく一次情報の整理です。募集人員や試験時間、出願資格といった条件は年度によって見直される可能性があるため、実際に出願する年度の募集要項を必ず取り寄せ、内容を自分の目で確認したうえで最終的な対策方針を固めてください。学部・年次ごとの試験科目の違いを正しく理解し、自分に必要な対策から着実に取り組んでいくことが、北海道大学編入合格への近道になります。
特に小論文は正解が一つに定まらない科目であるため、独学だけでは自分の答案の弱点になかなか気づけないという難しさがあります。論理の飛躍や根拠不足は、書いた本人よりも第三者の方が気づきやすいものです。独学での対策に不安がある場合は、専門の指導を活用するのも一つの方法です。
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