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東京農工大学の編入試験を徹底解説|学部別の募集人員・試験科目・日程・倍率と対策【2027年度】

東京農工大学の編入試験を徹底解説|学部別の募集人員・試験科目・日程・倍率と対策【2027年度】の記事アイキャッチ画像。大学編入対策の出願資格・試験科目・対策を示す図解。
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東京農工大学の編入学試験には「2年次編入学」がありません。実施されているのは3年次編入学だけで、しかも対象は農学部(共同獣医学科を除く4学科)と工学部(全6学科)に限られます。工学部はさらに推薦入試・学力検査入試・社会人特別入試という3つの方式が並立し、方式ごとに出願資格も試験科目も配点もまったく違います。この構造を知らずに「東京農工大学 編入」と検索して出てくる情報だけで準備を始めると、存在しない2年次の情報を探し続けたり、自分に出願資格がない方式の対策をしてしまったりします。

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この記事では、東京農工大学が公表している2027年度(農学部の要項表記では令和9年度)の学生募集要項と、大学公式の入試情報冊子に掲載された令和6・7・8年度(2024〜2026年)の志願者数・受験者数・合格者数の実績、そして大学が公開している過去3年分の入試問題・解答例・評価のポイントをもとに、学部・学科・入試区分別の募集人員、受験資格、試験科目、日程、倍率、出題テーマまでを整理します。

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目次

東京農工大学の編入学試験は「3年次のみ」、実施は2学部だけ

まず前提を確定させます。東京農工大学の編入学試験は、農学部と工学部の2学部でのみ実施されており、しかもどちらも3年次編入学のみです。多くの国立大学が2年次・3年次の両方を設けているのに対し、東京農工大学には2年次編入学の制度自体がありません。

農学部は生物生産学科・応用生物科学科・環境資源科学科・地域生態システム学科の4学科が対象です。共同獣医学科は編入学を実施していません。大学公式の入試情報冊子には、令和9年度入学試験の学科別募集人員の欄に共同獣医学科の行が設けられ「募集しない」と明記されています。獣医学分野への編入を考えている場合、この時点で東京農工大学は選択肢に入らない点に注意してください。

工学部は生命工学科・生体医用システム工学科・応用化学科・化学物理工学科・機械システム工学科・知能情報システム工学科の全6学科が対象です。ただし工学部には「推薦入試」「学力検査入試」「社会人特別入試」という性格の違う3つの入試区分があり、出願資格も選考方法もそれぞれ独立しています。自分がどの区分に該当するのかを先に確定させる必要があります。

学部実施年次実施学科入試区分
農学部3年次のみ生物生産学科/応用生物科学科/環境資源科学科/地域生態システム学科(共同獣医学科は募集しない)学力検査選抜(区分は1つのみ)
工学部3年次のみ生命工学科/生体医用システム工学科/応用化学科/化学物理工学科/機械システム工学科/知能情報システム工学科(全6学科)推薦入試/学力検査入試/社会人特別入試(3区分並立)

農学部は入試区分が1つしかないため「学力検査・英語(TOEIC等)・成績証明書・口述試験」という単一の選考フローで完結します。一方、工学部は同じ学科でも受験する区分によって出願資格・試験科目・配点がまったく別物になるため、以降の章では区分ごとに整理していきます。

学部別の募集人員【2027年度(令和9年度)】

農学部の募集人員は4学科とも「若干名」で、具体的な人数は公表されていません。これに対して工学部は、学科別・入試区分別に人数が明示されています。

学部学科(コース)募集人員
農学部生物生産学科若干名
応用生物科学科若干名
環境資源科学科若干名
地域生態システム学科若干名
工学部(編入学定員70名)生命工学科(定員11)推薦4人程度/学力検査7人程度/社会人若干名
生体医用システム工学科(定員6)推薦2人程度/学力検査4人程度/社会人若干名
応用化学科(定員10)推薦4人程度/学力検査6人程度/社会人若干名
化学物理工学科(定員7・化学工学/物理工学コース)推薦3人程度/学力検査4人程度/社会人若干名
機械システム工学科(定員16・航空宇宙機械科学/ロボティクス知能機械デザインコース)推薦8人程度/学力検査8人程度/社会人若干名
知能情報システム工学科(定員20・数理情報工学/電子情報工学コース)推薦10人程度/学力検査10人程度/社会人若干名

工学部全体では編入学定員70名のうち、推薦入試が31人程度、学力検査入試が39人程度、社会人特別入試が若干名という内訳になっています。化学物理工学科・機械システム工学科・知能情報システム工学科は編入時に2つのコースいずれかへの所属が決まる仕組みで、志望コースの第2志望も認められています(他学科への第2志望は認められません)。

受験資格|自分が出願できるかを先に確かめる

農学部の出願資格

農学部は次の⑴〜⑹のいずれかに該当し、かつ⑺の英語資格を満たす者が対象です。

  • ⑴ 大学を卒業した者・卒業見込みの者
  • ⑵ 修業年限4年以上の大学に2年以上在学し、卒業に必要な単位のうち62単位以上を修得して退学した者(見込みを含む)
  • ⑶ 短期大学を卒業した者・卒業見込みの者
  • ⑷ 高等専門学校を卒業した者・卒業見込みの者
  • ⑸ 高等学校等の専攻科の課程(修業年限2年以上等の基準を満たすもの)を修了した者・修了見込みの者
  • ⑹ 専修学校の専門課程(修業年限2年以上等の基準を満たすもの)を修了した者・修了見込みの者
  • ⑺【英語能力に関する出願資格】TOEIC Listening & Reading Test(公開テスト)またはTOEFL(Internet-Based)のスコアを、出願時において取得後2年以内に保持していること

ここで重要なのは⑺です。農学部は学歴要件を満たしても、指定の英語スコアを持っていなければ出願できません。TOEICはOfficial Score Certificate(公式認定証)またはDigital Official Score Certificateの原本に限られ、IPテストのスコアレポートでの提出は認められません。TOEFLは本人宛て郵送のTest Taker Score Report原本、またはETSから大学のDIコード(G262)へのオンライン提出のいずれかです。ダウンロードしたPDFでの提出は受け付けられません。

工学部は入試区分ごとに出願資格が別物

工学部は推薦入試・学力検査入試・社会人特別入試で出願資格がまったく異なります。

入試区分出願資格の要点
推薦入試高等専門学校を卒業見込みで、出身学校長が推薦できる者。かつ1〜4学年の成績席次割合の平均が上位20%以内(応用化学科のみ3〜4学年평均で上位20%以内)。高専生専用の区分で、大学生・短大生・専門学校生は出願できません。
学力検査入試①高専卒業・卒業見込み ②大学卒業・卒業見込み ③大学に2年以上在学し48単位以上修得して退学(見込み含む) ④短大卒業・卒業見込み ⑤専修学校専門課程修了・修了見込み ⑥高校専攻科修了・修了見込み ⑦その他大学が同等と認めた者。農学部と異なり英語外部試験のスコア保持は出願資格になっていません。
社会人特別入試入学時点で企業等に正規職員等として通算1年以上(勤務中を含む)勤務した経験があり、かつ学力検査入試の①〜⑦と同様の学歴要件を満たす者。

さらに工学部は、学科によって出身学科の制限が課されます。推薦入試では全学科で出身学科が指定されており、たとえば生命工学科は「生物応用化学科・物質工学科・生物工学科およびこれらの関連学科」、機械システム工学科は「機械工学科および関連学科」出身に限られます。学力検査入試では、高専卒業者(出願資格①)にのみ出身学科の指定が残る学科(生体医用システム工学科・機械システム工学科)と、出願資格の区別なく全出願者に出身学科の指定がかかる学科(知能情報システム工学科=情報工学科・電気工学科・電子工学科等)があり、生命工学科・応用化学科・化学物理工学科は学力検査入試であれば出身学科を問いません。志望学科が決まったら、自分の出身学科がその区分の指定学科に含まれるかを募集要項で必ず確認してください。

農学部の出願書類

農学部の出願書類は、入学志願票・写真票・受験票(いずれも本学所定用紙)に加えて、成績証明書・卒業(見込み)証明書、TOEIC L&RまたはTOEFL iBTの成績証明書(原本)、そして志望理由書(本学所定用紙・自筆・800字以内で志望学科を志望する理由と学業への抱負を記入)が必須です。地域生態システム学科の出願者だけは、これに加えて成績評価科目申請書と、選んだ科目のシラバスなど授業内容がわかる資料の提出が求められます。志望理由書は800字という上限が明確に決まっているため、対策としては学科のアドミッション・ポリシー(教育目標)と自分の関心・経験を対応させる形で早めに下書きを作っておくとよいでしょう。

試験科目|学部・入試区分でまったく違う

農学部の試験科目

農学部の学力検査は化学・生物学の2科目(大学教養程度)で、これに英語(TOEIC等のスコア)・成績証明書・口述試験を総合して選考します。ただし地域生態システム学科だけは学力検査そのものを行いません。学力検査に代えて、在籍大学等で修得した数学・理科・人文社会科学系科目(各3科目を上限)の成績を、大学が定める4段階〜10段階評価の換算表で点数化します。そのうえで口述試験は、受験者自身が「在籍大学等で修得した知識・知見・技術のうち本学科の教育目標に関連すること」「入学後の学修目標」をスライドで10分程度プレゼンテーションし、質疑応答を含めて30分程度で行われます。プレゼン形式の口述試験は農学部の中でも地域生態システム学科だけの特徴です。

工学部・学力検査入試の試験科目と配点

工学部の学力検査入試は、学科によって受験科目の組み合わせと配点が異なります。

学科数学英語理科専門科目(口述)合計
生命工学科100200400(無機・分析化学/有機化学/生物化学)700
生体医用システム工学科200200物理 200600
応用化学科200200400(無機・分析化学/物理化学/有機化学)800
化学物理工学科200200300(無機・分析化学/物理化学/有機化学/力学/熱力学/波動/電磁気学)700
機械システム工学科200200物理 200600
知能情報システム工学科200100物理 100200(コース別)600

数学・英語は共通科目として全学科で課され、出題範囲は数学が微分積分学・線形代数学・常微分方程式、英語は大学教養程度です。理科(物理=力学・熱力学・波動・電磁気学)を課すのは生体医用システム工学科・機械システム工学科・知能情報システム工学科の3学科のみで、残りの3学科(生命工学科・応用化学科・化学物理工学科)は理科の代わりに専門科目の口述試験で専門知識を問います。知能情報システム工学科だけは理科と専門科目口述の両方が課され、専門科目は志望コースで範囲が変わります。数理情報工学コースは計算機基礎・論理回路・数理情報工学(プログラミング・アルゴリズムを含む)、電子情報工学コースは計算機基礎・電気電子回路・電磁気学です。配点を見ると、応用化学科は専門科目(口述)400点を含む合計800点でもっとも配点が高く、専門知識の比重が大きい設計になっています。

工学部・推薦入試の選考

推薦入試は学力検査を免除し、第1次選考(推薦書・調査書による書類選考)と第2次選考(面接)の2段階です。ただし学科によっては、面接の参考資料として「口述または筆記による簡単な基礎学力テスト」が課されます。

  • 生命工学科:基礎的な英語読解力の試験、および高専で行っている卒業研究内容についての質問
  • 生体医用システム工学科:物理・電気電子工学(高専卒業程度)の口述または筆記
  • 応用化学科:物理化学・有機化学・無機分析化学・英語(高専卒業程度)の口述または筆記
  • 化学物理工学科:数学・化学・物理・英語(高専卒業程度)の口述
  • 機械システム工学科:機械系四力学に関する口述(高専卒業までの範囲)
  • 知能情報システム工学科:希望コースに応じた基礎的内容(数理情報工学コースは計算機・アルゴリズム、電子情報工学コースは電気電子回路・電磁気学・計算機基礎)の口述

推薦入試に不合格となった場合、改めて検定料30,000円を納付すれば学力検査入試を一般受験者として受験できる救済ルートも用意されています。

工学部・社会人特別入試の選考

社会人特別入試は学力検査(英語の筆記試験、および志望学科の専門科目に関する基礎的内容と業績報告書に関する口述試験)と面接、成績証明書等を総合して判定します。在職中に本人が行った業績内容の概要書(様式随意)の提出が必須で、口述試験はこの業績報告書の内容を踏まえて行われます。

配点の公表範囲も学部で違う

農学部は学力検査・英語・成績証明書・口述試験をどのような比率で総合評価するのか、具体的な配点比率は公表されていません。これに対して工学部の学力検査入試は、学科ごとの数学・英語・理科・専門科目(口述)の配点まで募集要項に明記されています。同じ「口述試験」という言葉でも、農学部では評価の重みが見えないブラックボックスであるのに対し、工学部の学力検査入試では点数の内訳まで確認できるという違いがあります。対策の優先順位を数値で判断したい場合、工学部のほうが根拠を持って計画を立てやすい構造です。

農学部は「出願前に英語が確定」、工学部は「当日に英語を書く」

英語の扱いは、農学部と工学部で構造がほぼ正反対です。

農学部は当日の英語筆記試験そのものがありません。その代わり、出願資格⑺としてTOEIC L&RまたはTOEFL iBTのスコア(取得後2年以内)を出願書類として提出することが必須になっており、英語の得点は出願の時点で確定しています。試験直前に英語を伸ばして逆転する戦い方は成立せず、対策の優先順位は「まず英語スコアを作り、確定したら化学・生物学と口述の準備に時間を回す」という順番になります。

一方、工学部の学力検査入試・社会人特別入試には共通科目として当日の英語筆記試験(大学教養程度)があります。英語外部試験のスコア提出は出願資格になっていません。つまり工学部を学力検査入試・社会人特別入試で受ける場合、英語は試験当日まで得点が確定せず、直前までの読解・作文対策が結果に直結します。推薦入試だけは英語スコアも英語筆記もなく、面接(学科によっては簡単な英語読解の口述)で評価されます。

日程・スケジュール【2027年度】

農学部と工学部(3区分)では出願期間・試験日がすべて異なります。併願を考える場合、まずカレンダーを重ねて確認してください。

区分出願期間選考日合格発表入学手続
農学部(学力検査選抜)2026年8月17日(月)〜8月21日(金)2026年9月18日(金)2026年10月16日(金)2027年3月中旬
工学部・推薦入試2026年5月11日(月)〜5月14日(木)第1次選考結果5月21日(木)/第2次選考(面接)6月1日(月)2026年7月10日(金)2027年3月中旬
工学部・学力検査入試2026年6月8日(月)〜6月12日(金)2026年6月24日(水)・25日(木)2026年7月10日(金)2027年3月中旬
工学部・社会人特別入試2026年6月8日(月)〜6月12日(金)2026年6月24日(水)2026年7月10日(金)2027年3月中旬

工学部の学力検査入試・社会人特別入試は出願期間が同じ6月8日〜12日ですが、試験日は学力検査入試が2日間(数学・英語・理科と専門科目口述・面接で日程が分かれます)、社会人特別入試は1日のみです。農学部は8月出願・9月試験と、工学部よりまとまった準備期間が取れる日程になっています。検定料は農学部・工学部とも30,000円、入学料282,000円・授業料321,480円(前期分、年額642,960円)は共通です。

出願書類の提出方法にも共通の注意点があります。出願は農学部・工学部とも簡易書留(速達)による郵送に限られ、窓口への持参は認められていません。検定料の納付もゆうちょ銀行または郵便局の窓口払込みに限定されており、ATM(現金自動預払機)での支払いは無効とされています。振替払込受付証明書に受付局の日付印がないものは無効になるため、出願期限の間際に慌てて窓口に行くのではなく、余裕を持って手続きを終えておく必要があります。

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倍率・難易度【令和6〜8年度の実績】

ここからが本記事の核心です。東京農工大学は入試情報冊子(2026年7月発行、令和8年度実施結果として令和6・7・8年度の3年分を掲載)で、編入学試験の志願・受験・合格・入学者数を学科別・入試区分別に公表しています。3年次編入学しか実施していないため、他大学の記事のように「転籍・転部・転科」の数字が混入する心配がなく、そのまま編入学試験だけの実績として読めます。

倍率の定義に注意してください。「実質倍率」はどちらの学部も受験者数÷合格者数です。一方「志願倍率」は、農学部では募集人員が「若干名」で数値化できないため志願者数÷合格者数で計算されているのに対し、工学部では学科の編入学定員(数値)を分母にした志願者数÷編入学定員で、しかも学科単位(推薦・学力検査・社会人の合計)でしか公表されていません。同じ「志願倍率」という言葉でも、学部によって計算の中身が違う点を踏まえて数字を読んでください。

農学部の実績(学科別・令和6〜8年度)

学科年度志願者数受験者数合格者数入学者数実質倍率
生物生産学科R687223.5倍
R74300
R811111.0倍
応用生物科学科R61412226.0倍
R710800
R85400
環境資源科学科R61100
R733113.0倍
R83100
地域生態システム学科R611101.0倍
R788332.7倍
R877223.5倍
農学部 合計R62421544.2倍
R72522445.5倍
R81613334.3倍

工学部の実績(学科×入試区分別・令和6〜8年度)

学科入試区分年度志願者数受験者数合格者数実質倍率
生命工学科(定員11)推薦R6/R7/R816/9/1212/9/98/8/81.5/1.1/1.1倍
学力検査R6/R7/R817/7/817/6/65/4/23.4/1.5/3.0倍
小計R6/R7/R834/17/2030/16/1513/12/102.3/1.3/1.5倍
生体医用システム工学科(定員6)推薦R6/R7/R84/5/24/5/22/2/12.0/2.5/2.0倍
学力検査R6/R7/R828/23/1225/22/128/7/53.1/3.1/2.4倍
小計R6/R7/R832/28/1429/27/1410/9/62.9/3.0/2.3倍
応用化学科(定員10)推薦R6/R7/R85/8/85/8/85/7/71.0/1.1/1.1倍
学力検査R6/R7/R84/11/112/10/92/3/41.0/3.3/2.3倍
小計R6/R7/R89/19/197/18/177/10/111.0/1.8/1.5倍
化学物理工学科(定員7)推薦R6/R7/R82/3/12/3/12/3/1―/1.0/1.0倍
学力検査R6/R7/R88/8/97/8/95/6/61.4/1.3/1.5倍
小計R6/R7/R810/11/109/11/107/9/71.3/1.2/1.4倍
機械システム工学科(定員16)推薦R6/R7/R817/28/1417/19/1411/12/91.5/1.6/1.6倍
学力検査R6/R7/R856/46/5854/41/5111/11/134.9/3.7/3.9倍
小計R6/R7/R873/74/7371/60/6622/23/223.2/2.6/3.0倍
知能情報システム工学科(定員20)推薦R6/R7/R816/22/2016/22/2015/18/131.1/1.2/1.5倍
学力検査R6/R7/R852/72/6448/65/6127/10/181.8/6.5/3.4倍
小計R6/R7/R868/94/8564/87/8242/28/311.5/3.1/2.6倍
工学部 合計(70)推薦計R6/R7/R860/75/5756/66/5443/50/391.3/1.3/1.4倍
学力検査計R6/R7/R8165/167/162153/152/14858/41/482.6/3.7/3.1倍
総合計R6/R7/R8226/243/221210/219/204101/91/872.1/2.4/2.3倍

社会人特別入試は3年間を通じて志願者が最大2名(R8の生命工学科・機械システム工学科・知能情報システム工学科でそれぞれ1名)と極めて少なく、合格者は0名でした。数字としての傾向を語れるほどの母数がないため、上表では推薦・学力検査の2区分を中心に示しています。

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農学部と工学部、どちらが「入りやすい」のか

2つの表を比較すると、東京農工大学の編入について構造的な傾向が見えてきます。

農学部は学科によって明暗が分かれています。応用生物科学科はR7・R8と2年連続で合格者0名、環境資源科学科もR6・R8で合格者0名でした。一方、地域生態システム学科は3年間とも合格者を出し続けており(1名→3名→2名)、学力検査に代えて成績評価とプレゼン型の口述試験を採用している学科です。農学部全体の実質倍率は4.2倍→5.5倍→4.3倍で推移し、単純な平均では「狭き門」ですが、学科単位では0名の年がある一方で毎年合格者を出す学科もあるという、母数の小ささゆえの振れ幅の大きさが特徴です。

工学部は入試区分による差がはっきりしています。推薦計の実質倍率は1.3倍→1.3倍→1.4倍と安定して低く、学力検査計は2.6倍→3.7倍→3.1倍とそれより高い水準で推移しています。推薦入試は高専生に限定された枠であるぶん、出願前の書類選考(席次上位20%以内)で一定の選抜がすでに終わっており、学力検査入試は大学生・短大生・専修学校生・高校専攻科生・その他高専生まで幅広い出身から志願が集まるため、志願者数そのものが膨らみやすい構造です。学科別では機械システム工学科・知能情報システム工学科の学力検査入試が特に志願者数が多く(R8でそれぞれ58名・64名)、実質倍率も3〜4倍台まで上がっています。

工学部全体の実質倍率は2.1倍→2.4倍→2.3倍で、農学部(4.2〜5.5倍)よりおおむね低い水準です。ただしこれは学科・区分単位で大きくばらつく平均値であり、「工学部のほうが入りやすい」と単純化するのは危険です。実際、機械システム工学科の学力検査入試はR6で4.9倍に達しており、農学部の多くの学科より高い年もあります。

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学部ごとの「要件」に落とし穴がある

工学部:単位認定の上限と修業年限

工学部の編入学生(学力検査入試①=高専卒業者)の修業年限は2年ですが、編入時に認定される単位数によっては2年間で卒業できない場合があります。在籍年限は4年です。2027年度編入生を対象とした単位認定の上限(予定)は学科ごとに次のとおりです。

学科教養科目の認定上限専門基礎・専門科目の認定上限
生命工学科教養科目との合計で82単位まで(学科ごとに配分は異なる)82単位
生体医用システム工学科57単位
応用化学科66単位
化学物理工学科82単位(教養との合計上限。教養25単位認定なら専門は57単位まで、教養20単位なら専門は62単位まで)
機械システム工学科60単位
知能情報システム工学科57単位

また工学部では夜間には授業を開講していません。化学物理工学科・機械システム工学科・知能情報システム工学科は編入時にコースが確定する仕組みで、第2志望コース(同学科内のみ)を選べますが、他学科への変更は認められません。

農学部:早期卒業・教職課程の制限

農学部の編入学生は、学内の規程により早期卒業等一部の制度を利用できません。また教職課程の単位は既修得単位として認定されることがありますが、農学部の教職課程は第1年次から入学した者を想定して開講されているため、標準修業年限内に課程を修められない場合があるとされています。教員免許の取得も視野に入れている場合は、この制約を事前に確認してください。

さらに他大学に在籍したまま東京農工大学に入学することはできません。他大学在籍中に出願した場合、入学までに在籍大学を退学する必要があります。大学2年次で出願した場合は、令和9年3月までに2年以上在学する必要があるため、退学のタイミングにも注意が必要です。

入試区分別に、何から手をつけるべきか

農学部を志望する場合

最優先はTOEIC L&RまたはTOEFL iBTのスコアづくりです。出願時点で「取得後2年以内」のスコアが必要なので、有効期限から逆算して受験計画を立ててください。TOEICは公開テストのOfficial Score Certificate限定でIPテストは不可、TOEFLは郵送のスコアレポート原本かETSからのDIコード(G262)へのオンライン提出のみという提出方法の縛りも早めに確認しておく必要があります。スコアが確定したら、化学・生物学(大学教養程度)と口述試験の対策に時間を回します。

地域生態システム学科を志望する場合は事情が変わります。学力検査ではなく在籍大学等の成績評価が使われるため、対策の中心は「在籍中の成績」そのものと、10分程度のプレゼンテーションを含む口述試験の準備です。数学・理科・人文社会科学系科目のシラバスなど、成績評価科目申請書に記載する資料の準備も出願前に済ませておく必要があります。

工学部・推薦入試を志望する場合

推薦入試は高専生専用で、出願条件そのものが「1〜4学年(応用化学科のみ3〜4学年)の席次割合平均が上位20%以内」という学業成績です。学力検査が免除される代わりに、学科によっては面接の参考資料として簡単な基礎学力テストが課されます。志望学科の出題傾向(英語読解、電気電子工学、有機化学、機械系四力学、プログラミングなど)を把握し、面接で聞かれる卒業研究の説明や志望動機を早い段階から言語化しておくことが対策の中心になります。

工学部・学力検査入試を志望する場合

数学(微分積分学・線形代数学・常微分方程式)と英語(大学教養程度)は全学科共通です。そのうえで、志望学科が理科(物理)を課すタイプか、専門科目の口述試験を課すタイプかによって対策が分かれます。応用化学科のように専門科目の配点が合計800点中400点を占める学科は、無機・分析化学、物理化学、有機化学の基礎を口頭で説明できるレベルまで仕上げる必要があります。逆に生体医用システム工学科・機械システム工学科のように理科(物理)で評価される学科は、力学・熱力学・波動・電磁気学の計算力を優先してください。

工学部・社会人特別入試を志望する場合

1年以上の実務経験の証明(在職証明書または過去の在職についての証明書)と、業績報告書(様式随意・本人作成)の準備が出発点になります。学力検査は英語の筆記と、業績報告書に基づく専門科目・面接の口述試験です。職務内容と志望学科の専門分野をどう結びつけて説明するかを、出願前から整理しておく必要があります。

過去問はどこで手に入るか

農学部・工学部とも、大学が過去3年分の入試問題をオンラインで公開しています。

農学部は令和6〜8年度の学力検査問題(化学・生物学)が1冊のPDFにまとめて公開されており、令和8年度入試分からは解答例と評価のポイントも公表されています。公開ページには「著作権の都合上、非公開の箇所があります」「公表している解答例は一例であり、その他に別解がある場合があります」という注記があります。

工学部は2024〜2026年度の入試問題(数学・物理・化学)が年度別のPDFで公開されており、こちらも令和8年度入試分の評価のポイントが公表されています。ただし英語は著作権の都合により非公開です。推薦入試・社会人特別入試の面接内容や専門科目口述試験の問題も、性質上公開されていません。

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公開されている過去問から読み取れる出題テーマ

ここからは、大学が公開している過去3年分の入試問題と評価のポイントをもとに、学部・科目ごとの出題テーマと採点の観点を整理します。問題文そのものは掲載できないため、テーマと形式、大学が公表した評価基準、そこから導ける対策の方向を中心に解説します。

農学部・化学|物理化学と環境化学が交互に出題

令和6年度は、シクロアルカンの燃焼熱データから混成軌道・立体配座の概念を使って構造化学的な安定性を説明させる大問と、水田土壌の酸化還元反応・有機物定量法(湿式分解によるケルダール法に類する滴定計算)を扱う大問の2本立てでした。令和7年度は、日本食品標準成分表の測定法(常圧加熱乾燥法・ソックスレー抽出法・ケルダール法)から一般成分を推定する大問と、デンプン・セルロースの構造化学(グリコシド結合、還元糖の定量)を扱う大問です。令和8年度は、H₂とO₂の反応熱からエンタルピー・内部エネルギー・エントロピー変化を計算させる熱力学の大問と、フタル酸・テレフタル酸の脱水反応やラクトンの開環反応など有機化学の構造と反応性を問う大問でした。

大学が公開した評価のポイントでは、令和8年度の解答例とあわせて計算過程の記述が重視されていることが読み取れます。3年分を通じて、①農学分野に関連づけられた題材(食品分析・土壌化学など)で②物理化学の計算力と③有機化学の構造推論力を両輪で問う出題が続いています。

農学部・生物学|分子生物学と生態学が両輪

令和6年度は、mRNAの翻訳開始機構における原核生物と真核生物の違いを問う分子生物学の大問と、生物間相互作用(競争・共生・片利共生・片害共生の分類、送粉共生)およびシカの食害と種多様性(α・β・γ多様性の概念)を扱う生態学の大問という構成でした。令和7年度は、原核生物・真核生物のゲノムDNA構造とミトコンドリア・葉緑体のタンパク質合成系を問う大問と、森林生態学における窒素固定共生(根粒菌・放線菌との共生、グラム染色の原理)を扱う大問です。令和8年度は、光合成の明反応・暗反応・RuBisCOの働きと光合成細菌との比較、および細胞膜の構造・膜輸送・浸透圧調節を扱う大問でした。

大学が公開した評価のポイントには「生物のエネルギー生産・獲得・利用に関する基礎を問う問題である」「細胞膜の構造と機能に関する基礎を問う問題である」といった大問ごとの出題意図が明記されています。3年分を通じて、分子生物学(DNA・RNA・膜の構造機能)と生態学(種間関係・多様性・物質循環)を交互に、あるいは同一年度内で両方問う構成が続いています。

農学部・口述試験|学問領域への主体性と協働の姿勢

大学が公開した評価のポイントには、全学科共通の口述試験の評価観点として「志望学科の学問領域を主体的に学ぶ意欲、基礎的学力を基に課題を多面的に考察する力、自身の考えをわかりやすく表現する能力、ならびに社会課題の解決に主体的・協働的に取り組む姿勢等を、質疑応答を通して総合的に評価しました」と明記されています。学力検査の得点だけでなく、口述で「なぜその学科なのか」「学んだことをどう社会課題に接続するか」を自分の言葉で語れるかが評価対象になっています。

工学部・数学|力学系の微分方程式

2026年度(令和8年度)の数学は、2つの質点がバネで連結された振動系を題材に、運動方程式の導出、変数変換による基準座標(対称モード・逆対称モード)への分離、一般解の導出という一連の流れを問う出題でした。単なる公式の当てはめではなく、連立の運動方程式を自分で立て、微分方程式として解くところまでを一続きで要求する構成です。

工学部・物理|力学と電磁気学が定番

2025年度は、斜面上を滑る物体と自由に動ける台座の運動(空気抵抗を考慮した運動方程式、垂直抗力・摩擦力の導出)を扱う大問と、点電荷による電界・電位、同心球殻コンデンサの静電容量を扱う電磁気学の大問でした。2024年度は、点電荷・平行導線による電界と電位、等電位曲線の方程式を求める大問が中心です。3年分を通じて、力学(運動方程式・エネルギー)と電磁気学(クーロンの法則・ガウスの法則・静電容量)の2分野が固定的に出題されています。

工学部・化学|物理化学の計算と有機化学の構造推論

2025年度は、VSEPR則に基づく分子構造(NO₂⁻・NO₂・NO₂⁺の結合角比較)、イオン結晶のマーデルング定数、HSAB則、Brønsted-Lowryの酸塩基理論、熱力学サイクル(カルノーサイクル型の効率計算)、化学平衡(標準反応ギブズエネルギーと平衡定数)、アミンの塩基性比較、Fischer投影式による立体化学、有機反応の主生成物予測という幅広い範囲が出題されました。2024年度は、擬一次反応の反応速度論とアレニウスの式による活性化エネルギーの算出、酸塩基指示薬(BTB)の吸収スペクトルと等吸収点、ヘモグロビンの錯体化学(電子配置・イオン化エネルギー・高スピン/低スピン状態)、共役塩基の強さの比較と有機反応機構の記述が出題されています。

大学が公開した令和8年度の評価のポイントには、英語について「中程度の長さの論説文を基にした2問、パラグラフ構成とそれに関連する自由作文1問の合計3問」「文挿入問題、論述式問題、語の並び替え問題、多肢選択問題、正誤選択問題、自由作文など、さまざまな形式の設問を通して評価」という出題形式そのものが明記されています。また面接・口述試験の評価のポイントとして「質問を正しく理解し、自分の考えをわかりやすく伝えることができるか」「問題を解く道筋を論理的に組み立てることができるか」「専門分野における基礎学力が十分に備わっているか」の3点が公表されています。

過去問から導ける学習の順番

  1. 農学部志望はまずTOEIC・TOEFLスコアの取得計画を確定し、有効期限(取得後2年以内)から逆算して受験日程を組む。
  2. 農学部の化学・生物学は、教科書レベルの物理化学・有機化学・分子生物学・生態学の基礎を、農学分野の題材(食品・土壌・作物・生態系)に当てはめて説明できるようにする。
  3. 地域生態システム学科志望は学力検査対策ではなく、在籍中の成績とプレゼンテーション(10分程度)の準備に時間を配分する。
  4. 工学部・学力検査入試志望はまず数学(微分積分学・線形代数学・常微分方程式)と英語の基礎を固め、そのうえで志望学科が理科(物理)型か専門科目口述型かで対策を分岐させる。
  5. 工学部・推薦入試志望は席次上位20%以内という出願資格を満たしているかを先に確認し、学科別の基礎学力テスト内容と面接での卒業研究説明を準備する。
  6. 工学部・社会人特別入試志望は業績報告書の作成を最優先し、職務内容と志望学科の専門分野を結びつけて口述で説明できる状態を作る。
  7. いずれの区分も、大学が公開している評価のポイント・出題意図と自分の答案を照合し、形式面(記述量・構成・計算過程の明示)から仕上げる。

本節で扱った出題テーマ・解答例・出題意図・採点のポイントは、いずれも東京農工大学が公開している過去3年分(農学部:令和6〜8年度、工学部:2024〜2026年度)の過去問題資料に基づいています。出題内容は年度によって変わるため、必ず最新の公開資料をご自身で確認してください。

併願をどう組むか

農学部を志望する場合、試験日は9月中旬に設定されています。TOEIC・TOEFLスコアの提出が必須になる点は他の国立大学農学部でも共通する傾向があり、当サイトでは信州大学農学部の編入試験についても学部別の出願資格・試験科目・過去問対策までまとめています。あわせて確認しておくと、農学系の学部が共通して英語外部試験を重視する傾向がつかみやすくなります。

工学部を併願先に考える場合は、日程の余裕にも注意してください。学力検査入試・社会人特別入試は出願期間が6月8日〜12日、試験日が6月24日・25日と、農学部(8月出願・9月試験)よりも2か月以上早い日程です。しかも工学部の学力検査入試には出願資格として英語外部試験のスコアが不要な代わりに、当日の英語筆記試験が課されます。農学部の出願準備(TOEIC・TOEFLスコアの取得)を優先していると、工学部の試験当日の英語対策に十分な時間を割けなくなる可能性があるため、両方を検討する場合は6月の工学部試験から逆算してスケジュールを組んでください。

東京農工大学については、当サイトで学部単体の詳細記事も公開しています。農学部は東京農工大学農学部の編入試験を徹底解説および農学部の大学編入を徹底解説、工学部は東京農工大学工学部の編入試験を徹底解説で、出願資格・試験科目・過去問対策・志望理由書・面接まで学部ごとにより詳しく解説しています。関連する生命科学系の学部を検討している場合は生命科学部の大学編入を徹底解説も参考になります。

対策面では、東京農工大学編入の小論文対策で出題傾向と書き方を、志望理由書の書き方で例文と評価されるポイントを、研究計画書との違い・構成テンプレート研究計画書の書き方7ステップで出願書類全体の完成度を高める方法をまとめています。TOEIC対策は東京農工大学編入のTOEIC対策(大分大学編入を対象にした同種の記事もあわせて参考にできます)、社会人での受験を検討している場合は社会人が東京農工大学に編入する方法で両立スケジュールと出願準備を確認してください。大学院進学まで見据える場合は東京農工大学大学院農学府「冬入試」の傾向と対策も参考になります。

よくある質問

東京農工大学は2年次編入を実施していますか。

実施していません。東京農工大学の編入学試験は農学部・工学部とも3年次編入学のみです。2年次編入学の制度自体が存在しないため、2年次からの編入を希望する場合は他大学を検討する必要があります。

東京農工大学の編入はどの学部で実施していますか。

農学部(生物生産学科・応用生物科学科・環境資源科学科・地域生態システム学科)と工学部(全6学科)です。農学部の共同獣医学科は募集要項に「募集しない」と明記されており、編入学を実施していません。

東京農工大学の編入の倍率はどれくらいですか。

令和8年度の実質倍率(受験者数÷合格者数)は、農学部合計が4.3倍、工学部合計が2.3倍でした。ただし学科・入試区分による差が大きく、農学部の応用生物科学科はR7・R8と2年連続で合格者0名、工学部の機械システム工学科・知能情報システム工学科の学力検査入試は3〜4倍台で推移しています。

農学部と工学部、どちらが受かりやすいですか。

令和6〜8年度の実質倍率の平均だけを見ると工学部(2.1〜2.4倍)のほうが農学部(4.2〜5.5倍)より低い水準ですが、これは学科・入試区分ごとの数字を束ねた平均です。工学部でも機械システム工学科の学力検査入試はR6で4.9倍に達しており、農学部の一部学科より高い年もあります。志望する学科・入試区分単位で数字を確認してください。

英語はどのように評価されますか。

農学部は当日の英語筆記試験がなく、出願時にTOEIC L&RまたはTOEFL iBTのスコア(取得後2年以内)を提出することが出願資格になっています。工学部の学力検査入試・社会人特別入試には当日の英語筆記試験(大学教養程度)があり、外部試験スコアの提出は求められません。推薦入試は英語スコアも筆記試験もなく、面接(学科によっては簡単な英語読解の口述)で評価されます。

高専生は東京農工大学に編入できますか。

できます。工学部の推薦入試は高専卒業見込者専用の区分で、1〜4学年の成績席次割合の平均が上位20%以内(応用化学科のみ3〜4学年)であることが出願資格です。学力検査入試にも高専卒業者・卒業見込者として出願でき、学科によっては出身学科の指定があります。農学部も高専卒業者・卒業見込者が出願資格に含まれますが、TOEIC・TOEFLスコアの提出が別途必要です。

社会人でも受験できますか。

工学部には社会人特別入試(入学時点で通算1年以上の勤務経験があり、学力検査入試と同様の学歴要件を満たす者が対象)があります。ただし令和6〜8年度の志願者は各年度0〜2名と非常に少なく、合格者は0名でした。農学部には社会人専用の入試区分はありませんが、通常の出願資格⑴〜⑹のいずれかを満たせば受験できます。

過去問は公開されていますか。

農学部・工学部とも大学公式サイトで過去3年分が公開されています。農学部は令和6〜8年度の学力検査問題(化学・生物学)、工学部は2024〜2026年度の入試問題(数学・物理・化学、英語は著作権により非公開)です。令和8年度入試分からは両学部とも解答例・評価のポイントも公表されています。

共同獣医学科に編入することはできますか。

できません。共同獣医学科は令和9年度入学試験の募集人員一覧で「募集しない」と明記されており、編入学試験を実施していません。獣医学分野への編入を希望する場合は他大学を検討する必要があります。

編入後は2年間で卒業できますか。

学科と修得済み単位数によっては、2年間で卒業できない場合があります。工学部は学科ごとに教養科目・専門科目の認定単位数の上限が定められており(例:生体医用システム工学科は専門科目57単位まで)、認定単位数が少ないと標準修業年限内に卒業できないことがあります。農学部も既修得単位の認定は本学教育委員会の判断によるため、入学前に認定見込みを確認することはできません。

工学部の学力検査入試は学科によって配点が違いますか。

違います。共通科目の数学・英語はすべての学科で課されますが、理科(物理)を課すのは生体医用システム工学科・機械システム工学科・知能情報システム工学科の3学科のみで、残り3学科は専門科目の口述試験で代替します。合計点も学科によって600点〜800点まで幅があり、応用化学科は専門科目(口述)の配点が400点と最も大きい学科です。

工学部の推薦入試に不合格だった場合はどうなりますか。

改めて検定料30,000円を納付すれば、一般受験者として学力検査入試を受験できます。ただし出願期限(6月12日)と手続きに間に合わせる必要があるため、推薦入試の結果通知(5月21日発表)を受け取ったら速やかに手続きを進める必要があります。

まとめ

東京農工大学の編入試験について、要項と実績データから確認できることを整理します。

まず、実施されているのは3年次編入学のみで、2年次編入学は存在しません。対象は農学部の4学科(共同獣医学科は募集しない)と工学部の全6学科で、工学部はさらに推薦入試・学力検査入試・社会人特別入試という性格の異なる3区分に分かれます。志望する学部・学科が決まっても、どの入試区分に該当するかを確定させない限り、出願資格も試験科目も定まりません。

次に、英語の扱いが農学部と工学部で構造的に異なります。農学部は出願時点でTOEIC・TOEFLのスコアが確定していることが前提で、試験当日の英語筆記はありません。工学部の学力検査入試・社会人特別入試には当日の英語筆記があり、外部試験スコアは求められません。この違いを取り違えると、対策の順序そのものを間違えることになります。

そして倍率については、令和6〜8年度の実質倍率が農学部合計で4.2〜5.5倍、工学部合計で2.1〜2.4倍でした。ただし学科単位では応用生物科学科(農学部)が2年連続合格者0名、機械システム工学科の学力検査入試(工学部)がR6で4.9倍に達するなど、学部合計の数字だけでは見えない差があります。志望する学科・入試区分の実績を個別に確認してください。

最後に、東京農工大学は過去問を農学部・工学部とも過去3年分、令和8年度入試分からは解答例・評価のポイントまで含めて公開しています。まず公開されている過去問を解き、大学が示す評価の観点と自分の答案を照合するところから対策を始めてください。

本記事の数値は東京農工大学が公表する2027年度(農学部:令和9年度)学生募集要項、および大学公式の入試情報冊子に掲載された令和6・7・8年度の志願・受験・合格者数一覧に基づいています。制度・日程・募集人員・試験科目は年度によって変更されるため、出願前には必ず東京農工大学が公表する最新の学生募集要項をご確認ください。

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この記事を書いた人

株式会社Spring Knowledge 代表取締役社長。筑波大学 社会・国際学群 社会学類へ編入学し、都内国公立大学大学院 法学政治学研究科 修士課程を修了。大学編入・大学院進学を自ら経験した立場から、スプリング・オンライン家庭教師の大学編入・大学院入試分野の指導および記事監修を担当。

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