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北海道大学大学院法学研究科の研究計画書の書き方|専攻・カリキュラム・教員の研究分野から逆算する

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北海道大学大学院法学研究科の研究計画書で重要なのは、興味のある社会問題を広く語ることではなく、法学政治学専攻の教育設計に合わせて、問い・先行研究・資料・分析方法・指導可能性を一つの筋道にすることです。令和9年度修士課程では、一般入試の研究計画書は希望者がA4判の任意様式で提出でき、字数指定はありません。一方、「社会経験を有する者の入試」では、志望理由と研究計画を合わせた2,000字程度のレポートが出願書類となります。入試区分によって提出義務と分量が違うため、最初に自分が参照すべき要項を確定させる必要があります。

北海道大学大学院法学研究科の研究計画書とは、入学後に何を、なぜ、どの資料と方法で研究し、法学政治学専攻の教育・指導環境の中でどこまで明らかにするのかを示す文書です。単なる志望動機や社会問題への意見文ではありません。同専攻は「現代法政論」「基礎法政論」「比較法政論」から主・副の履修科目群を選ぶ複式履修と、主・副2人の教員による複式指導を特色としています。したがって、一つの専門を軸に隣接する視点を組み合わせる設計が研究科との整合性を示しやすくなります。

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この記事では、出願資格、試験科目、日程や倍率を繰り返しません。それらは北海道大学大学院法学研究科の外部院試を解説した既存記事で確認できます。ここでは大学公式の募集要項、法学研究科のポリシー、学位論文評価基準、教員一覧を基に、テーマ適合性の判定から2,000字レポートの配分までを具体化します。修士論文の完成条件から入試時の計画を逆算するのが、本記事の中心です。

募集要項・出願書類の様式・教員の配置は年度により変わるため、出願前に必ず最新の公式情報で確認してください。以下は令和9年度入試として公表された情報を基準にしています。研究計画書を提出するか、教員へ連絡するかといった判断も、受験する区分の最新要項を優先してください。

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目次

北海道大学大学院法学研究科で研究計画書はどう扱われるか

一般入試は任意提出、社会経験者入試は2,000字程度

まず押さえるべきなのは、「北大法学研究科の研究計画書」という一つの共通様式があるわけではない点です。令和9年度修士課程第1次募集の一般入試では、研究計画書の提出を希望する場合、A4判・任意様式で作成し、出願書類とともに提出するとされています。一般入試では提出自体が任意で、公式な字数指定もありません。任意だから価値がないとは限りませんが、提出によって有利になると公式が説明しているわけでもありません。提出するなら、読みにくい長文や未整理のメモではなく、自分の研究関心を簡潔に可視化する資料として完成させる必要があります。

これに対し、社会経験を有する者の入試では、「志望理由及び研究計画についてのレポート」が必要です。A4判の任意様式で2,000字程度とされ、研究計画だけで2,000字ではなく、志望理由と研究計画を一つの字数枠に収めます。法学研究科のアドミッション・ポリシーも、このレポートと口述試験によって、研究を遂行するために必要で適正な能力・資質を判定すると明示しています。実務経験の紹介だけに字数を使い切ると、研究の問いと方法が見えなくなるため注意が必要です。

入試区分提出公式の形式設計上の注意
一般入試希望者のみA4判、任意様式、字数指定なし提出の目的を明確にし、簡潔な研究設計にする
社会経験を有する者の入試必要志望理由と研究計画を2,000字程度、A4判、任意様式実務経験を研究上の問いへ変換する
一般入試の個別出願資格審査必要志願理由と研究計画を2,000字程度、A4判、任意様式通常の一般入試本体とは提出条件が異なる

口述試験との関係は書かれている範囲を超えて断定しない

社会経験者入試ではレポートと口述試験で能力・資質を判定することが公式に示されています。このため、レポートに書いた問題意識、先行研究、方法、実務経験との関係を自分の言葉で説明できる状態にしておくべきです。他方、一般入試の任意提出資料が口述試験でどのように参照されるかは、令和9年度募集要項に具体的な説明がありません。「必ず計画書から質問される」と決めつけないことが正確です。

ただし、提出した文書は自分の研究能力を示すための資料です。用語の定義を聞かれて答えられない、挙げた文献を実際には読んでいない、利用すると書いた資料にアクセスできない、といった状態は避けましょう。口述準備では、計画書の各段落について「なぜそう言えるのか」「他の方法ではなぜ不十分か」「2年間で何を成果にするか」という追加質問を作り、短く答える練習をします。提出文書と口頭説明の整合性も研究遂行力の一部と考えると準備しやすくなります。

入試制度の詳細を調べる際は、研究計画書の記事だけで完結させないでください。出願資格、筆記科目、口述試験、提出期間については北大法学研究科の外部院試対策記事にまとめています。本記事では制度の説明を最小限に留め、以下で研究科固有の設計へ進みます。

任意提出を判断する三つの基準

一般入試で提出するか迷う場合は、目的、完成度、準備時間の三つで判断します。目的とは、筆記科目だけでは伝わりにくい学修歴や研究関心を、研究の形で整理することです。完成度は、問い・先行研究・方法のつながりを第三者が読んで理解できる水準を指します。準備時間は、研究計画書の作成が筆記試験や外国語の学習を圧迫しないかという現実的な基準です。任意資料にも提出責任が伴うため、三つのうちどれかが欠けるなら、提出の意義を再検討します。

完成度を測るには、計画書を読んでいない人に題目だけを見せ、研究対象と問いを推測してもらいます。意図と大きくずれるなら題目が抽象的です。次に本文を読んでもらい、「先行研究の何が不足し、どの資料で何を確かめるのか」を説明してもらいます。答えが一致しなければ、段落間の論理を直します。書き手の頭の中ではなく紙面上で伝わるかを確かめる作業です。

一般入試と社会経験者入試を併願できる場合でも、同じ文章を機械的に流用しないでください。社会経験者向けレポートでは、実務経験が研究質問の形成にどう関わったかが重要です。一般入試の任意資料では、研究設計そのものを簡潔に示す編集ができます。核となる問いと先行研究は共通でも、入試区分が評価に用いる材料に合わせて重点を変える必要があります。

研究計画書を口述用の説明へ変換する

提出後は、計画書を一分、三分、五分で説明する三種類の要約を作ります。一分版は題目、中心質問、方法、意義だけに絞ります。三分版では先行研究の空白と北大で行う理由を加え、五分版では資料の範囲と2年間の進行まで説明します。同じ研究を時間に応じて要約できることは、論点の優先順位を理解しているか確かめる練習になります。

想定質問は、内容確認、方法批判、実行可能性、志望適合の四群に分けます。内容確認では用語の定義と対象範囲、方法批判では比較対象や事例選択の理由、実行可能性では資料アクセスと語学力、志望適合では履修科目群や教員分野との関係を問います。質問への回答は計画を守り切るための弁明ではありません。弱点を認めた上で、対象を絞る、代替資料を使うなどの修正案を示します。

「まだ読めていません」「分かりません」で止めず、現時点で確認した範囲と今後の調べ方を区別します。逆に、根拠がないのに断定してはいけません。研究は不確実性を扱うため、どこまで分かり、どこからが仮説かを明示する姿勢が重要です。計画の限界を説明し改善案を出せる状態まで準備すると、文書の矛盾も見つけやすくなります。

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法学政治学専攻の構造と3つの履修科目群

研究大学院と法科大学院を取り違えない

北海道大学大学院法学研究科には、法学政治学専攻と法律実務専攻があります。規程上、法学政治学専攻は博士課程、法律実務専攻は法科大学院の課程です。本記事で扱う修士課程は、法学政治学専攻の博士課程の前期2年に相当する研究大学院です。司法試験に向けた法曹養成を目的とする法律実務専攻とは別なので、「弁護士になりたい」という職業目標だけでは、法学政治学専攻で行う学術研究の計画になりません。

法学政治学専攻が求めるのは、法学または政治学の問題を、理論、歴史、比較、実務や実証などの方法で検討する研究です。たとえば、消費者被害への関心がある場合も、「被害を減らしたい」で終わらせず、契約法上の規律、救済法理の変容、裁判例の判断枠組み、外国法との比較など、学術的に検証できる問いへ変換します。政治参加への関心なら、制度の規範的評価だけでなく、選挙制度、抗議運動、統計分析、政治史資料など、何を資料としてどの方法で答えるかを明らかにします。

主履修と副履修を先に仮置きする

修士課程では「現代法政論」「基礎法政論」「比較法政論」の3履修科目群が設定されます。学生は一つを主履修科目群、別の一つを副履修科目群として選びます。これは複数分野を無計画に盛り込む制度ではありません。研究の中心軸と補助的な視角を区別する複式履修です。研究計画書でも、主たる問いを一つ定め、その問いを補強する第二の視点を示すと制度との対応が見えます。

履修科目群計画書で考える役割接続例
現代法政論現代の法・政治課題や制度運用を捉える軸デジタル取引の消費者保護、科学技術政策、安全保障
基礎法政論概念、理論、歴史、法の社会的基盤を検討する軸公共性の概念、責任法理、政治史的形成過程
比較法政論外国法・外国政治との比較から日本の特徴を検討する軸英米法・大陸法との比較、欧州やアジアの制度比較

この表の「接続例」は科目の公式な分類を断定するものではなく、計画を考えるための整理です。実際の科目配置は学生便覧やシラバスで確認してください。たとえば、日本の行政契約を研究する場合、現行制度の解釈を主軸にし、フランス法との比較を副軸に置く設計が考えられます。逆に比較それ自体が目的となり、なぜ比較対象を選ぶのかが書かれていなければ、資料の紹介で終わります。副軸は主たる問いに答えるために必要な範囲へ絞ることが大切です。

研究テーマを決めた段階で、次の一文を作ってみましょう。「本研究は、〇〇という現代的課題を△△法の解釈から検討し、□□国との比較によって日本の規律の特徴を明らかにする」のように、対象・主軸・副軸・到達点を並べます。一文が長くなりすぎる場合は、問いが複数混在しています。中心となる疑問を一つにし、他の要素を背景、方法、意義のどこに置くか整理してください。

法学と政治学を安易に混ぜない

法学政治学専攻という名称から、法学と政治学の両方を必ず同じ比重で扱う必要があると考える人がいます。しかし複式履修は、二つの学問を半分ずつ並べることを意味しません。法解釈を中心に制度運用の実態を補助的に参照する研究もあれば、政治過程を中心に法制度を条件として捉える研究もあります。中心となる学問上の問いと証拠の扱い方を固定することが先です。

たとえば条例制定を扱う場合、条例の適法性や法律との関係を明らかにするなら行政法上の解釈が中心です。自治体間で条例が採用される条件を説明するなら、比較政治や行政学の事例比較が中心になり得ます。同じ条例を対象にしても、答えたい問いによって資料の読み方が変わります。法令や判例を規範的根拠として読むのか、政治過程を示すデータとして読むのかを明記しましょう。

学際性を示したいときほど、各方法の役割を限定します。「法学的・政治学的に総合検討する」だけでは分析手順が分かりません。「第一に判例から判断枠組みを整理し、第二に議会資料から制度導入時の争点を分析し、両者のずれを検討する」のように順序を示します。複眼性は方法を増やすことではなく視点を統合することです。

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カリキュラムと修士論文評価から逆算する研究の型

高度専門科目から高度発展科目へ進む2年間を描く

法学政治学専攻では、基本的な授業科目を広く学んで高度な研究に必要な基礎を固める「高度専門科目」と、専門的研究を深める「高度発展科目」が区別されています。研究計画書にも、入学時点ですべての結論が出ている必要はありません。むしろ、1年次に基礎と資料を固め、2年次に分析と論文を完成させる学修の段階を示すほうが現実的です。

1年次前半では、研究領域の基本文献と主要概念を整理し、先行研究の対立点を把握します。後半では、対象となる判例、法令、議会資料、行政資料、歴史資料、インタビューやデータなどを収集し、分析枠組みを調整します。2年次前半で比較・分析を進め、研究会や指導で得た批判を受けて章構成を更新し、後半で論証と結論をまとめる流れです。計画書に月単位の細かな予定を詰め込むより、各段階で何を判断できる状態にするかを書きましょう。

修士論文評価基準を計画書のチェック項目に変える

北海道大学法学研究科は、修士論文の構成として、適切な題目、研究背景、明確な目的または課題、目的に適合した研究方法、課題に対応する結論、適切な引用文献、章立てを挙げています。内容面では、学術的価値、方法の適切さ、文献調査・フィールド調査等と先行研究、資料の収集・処理、独創的な分析、論理展開、文章表現などが評価項目です。この評価基準は研究計画書の骨格としてそのまま利用できます

修士論文の評価軸研究計画書で示すこと確認する質問
背景と課題先行研究の到達点と未解明点何がまだ分かっていないか
方法の適合性資料、対象範囲、分析手順その方法で問いに答えられるか
学術的価値新しい解釈、比較、資料、知見既存研究に何を加えるか
資料収集・処理入手可能性と選定基準2年間で扱える量か
論理展開問いから仮説、検証、結論への流れ各節の役割を一文で言えるか

法学研究では「〇〇制度には問題があるので改正すべきだ」という主張だけで進めないことが重要です。現行法の解釈がどこで分かれ、裁判例や学説がどのような根拠を置き、改正案が他の権利や制度とどう関係するかを検討します。政治学研究でも「若者の投票率を上げたい」という目的を、対象地域、期間、変数、データ、比較対象が分かる問いに変えます。価値判断の前に検証可能な問いを置くことで、研究としての形が整います。

法学研究科のディプロマ・ポリシーは、先行研究を適切に理解し、必要な分析・考察を行う能力や、現代的課題を多角的に捉える能力を求めています。そのため、先行研究欄は著者名と書名を並べるだけでは足りません。研究Aは制度趣旨を重視し、研究Bは権利救済を重視するなど、議論の違いを整理し、自分がどこを検討するか示します。文献リストではなく議論の地図を作る意識が必要です。

研究方法ごとに「資料から結論まで」を書く

法解釈研究では、条文、立法資料、判例、学説をどの順序で検討するかを示します。判例を並べるだけでなく、事案、争点、規範、当てはめ、結論のどこを比較するか決めます。比較法研究なら、対象国を選んだ理由と、制度の背景差をどのように調整するかが必要です。外国制度が優れているという結論を先に置かず、比較可能な概念と機能を定義するところから始めます。

法社会学や行政学の事例研究では、事例選択の根拠が重要です。典型例だけを選ぶのか、結果の異なる二事例を比較するのか、制度変更の前後を見るのかによって、導ける結論が変わります。インタビューは当事者の認識や意思決定過程を知る資料になりますが、それだけで制度全体の効果を一般化できるとは限りません。公開資料や統計との照合方法も書きます。

政治史研究では、史料が作成された主体、目的、時点を確認します。公文書、議会記録、新聞、書簡は、それぞれ異なる立場から出来事を記録しています。一つの史料の記述を事実として採用せず、複数資料の関係を検討します。国際政治の統計分析では、仮説、観測単位、説明変数、結果変数、統制の考え方を示し、利用可能なデータが仮説を測れるかを確かめます。

どの方法でも、最後に「この分析結果が得られれば、研究質問へどのように答えられるか」を書きます。資料収集と研究目的の間に分析の橋がなければ、方法欄は作業予定の一覧になります。予想と異なる結果が出た場合にも研究上の意味がある設計にすると、結論を先取りした計画から離れられます。

引用管理を研究設計の段階から始める

修士論文評価基準は、引用文献が適切に用いられていること、他人の研究成果を剽窃しないことを基本要件に含めています。これは論文提出直前だけの注意ではありません。研究計画書を作る段階から、引用、要約、自分の考察を区別して記録します。ページ番号と書誌情報を読書時点で保存すると、後から根拠を探し直す負担を減らせます。

文献メモでは、原文の引用部分をかぎ括弧などで明確に囲み、その直後にページ番号を記録します。要約は原文を見ずに自分の言葉で書いた後、意味がずれていないか照合します。自分の疑問や反論は別欄に置きます。ウェブ資料はURLだけでなく、ページ名、運営主体、確認日、更新日が分かる場合はその日付も残します。

判例や法令は、二次文献の説明だけに依存せず、可能な限り一次資料を確認します。政治学のデータは、加工済みの数値だけでなく、変数定義と作成方法を確認します。史料は成立事情と所蔵情報を記録します。資料種別に応じた来歴を残すことで、他者が根拠を追跡できる研究計画になります。

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教員の研究分野マップと指導可能性の調べ方

公式HTMLにある文言だけで候補領域を把握する

教員との接続を考えるときは、大学公式の法学研究科・法学部教員一覧を起点にします。教員名だけで検索して第三者サイトの紹介を集めるのではなく、まず公式一覧の「専攻分野」と「主な研究内容」を読みます。以下は一覧に掲載された教員の一部を、公式の表現を変えずに抜粋したものです。教員名と研究内容の組合せを推測で補わないことが、誤った志望先選びを防ぎます。

領域教員公式掲載の専攻分野・主な研究内容
公法木下和朗憲法/統治機構、議会法制度、議会と政府の関係、選挙法、イギリス憲法など
公法岸本太樹行政法/近年では、特に、公共的な事務・事業の遂行を民間事業者等に委託する際に締結される行政契約(民間委託契約)に焦点を当てた研究を行っている。
民事法根本尚徳民法/差止請求権の基礎理論、不法行為法
民事法牧佐智代民法/民法(契約法)と消費者法。具体的には、現代社会において多数発生している消費者被害を前に、民法法理がどのように変容しているか、また変容すべきかについて研究している。
法理論尾崎一郎法社会学/日本の都市の共同体における公共性と法との関わりについての研究。
政治学千坂知世准教授比較政治地域研究/中東の国イランを事例に、権威主義国における選挙管理や不正、それに対する市民の抗議運動などを研究しています。
政治学土井翔平准教授国際政治/国際関係論、経済と安全保障、フォーマルモデル、統計分析。
政治学中村督ヨーロッパ政治史/フランス現代史、社会史、地域文化研究

一覧に同じ専攻分野の教員が複数いる場合、分野名だけで決めず、「主な研究内容」の対象、地域、時代、方法を分解します。民法でも契約責任、不法行為、消費者法では中心となる資料と論点が異なります。政治学でも政治史、比較政治、国際政治、行政学では研究の問いと方法が変わります。分野名の一致より、問いと方法の接続を確認することが実務的です。

主指導と副指導を想定して研究の幅を制御する

修士課程は主指導教員と副指導教員による複式指導を行います。計画書では、候補教員を多数列挙して「幅広く学べる」と書くより、研究の主軸と補助軸を示すほうが制度と合います。たとえば、行政契約の法的統制を中心に置きつつ、官民連携の制度運用を副次的に検討する場合、行政法上の問いと行政学上の分析を混同せず、どちらが結論を支える中心方法かを明記します。

教員の所属や研究分野は年度により変わるため、出願前に必ず最新の教員一覧で確認してください。掲載されていることは、その教員が当該年度に修士学生を受け入れることや、あなたのテーマを指導できることを保証しません。個別の受入状況は公式案内に従って確認します。令和9年度一般入試の要項には事前コンタクトの要否が明記されていませんが、外国人留学生入試では、あらかじめ指導予定教員とコンタクトを取ることが望ましいとされています。自分の入試区分の記載をそのまま適用することが必要です。

教員へ連絡できる場合も、最初から指導を依頼する長文ではなく、テーマ、問い、主な資料、方法、これまでの学修歴、確認したい点を簡潔にします。教員一覧に連絡先が載っていても、本記事では転載しません。大学の最新ページと募集要項を確認し、指定された方法を利用してください。

教員論文を読むときの確認順序

候補分野を見つけたら、最初に教員一覧の公式文言を記録し、次に北海道大学研究者総覧など大学が案内するリンクで業績を確認します。その後、自分のテーマに近い論文を一、二本読みます。ここでの目的は、教員の主張に賛成する文章を書くことではありません。どの問いにどの資料と方法で取り組んでいるかを理解し、自分の計画との距離を測ることです。

論文を読む際は、研究質問、先行研究の整理、資料、分析枠組み、結論、残された課題を六欄に分けてメモします。自分の計画と同じ対象でも方法が違う場合、なぜ自分の方法が必要かを説明できます。対象が違っても方法が共通する場合は、方法上の指導可能性を考える材料になります。ただし、論文一本の内容から現在の受入分野を断定せず、最新の公式一覧と案内を優先します。

計画書で教員の研究に触れる場合は、敬意を示すための一般的な賛辞ではなく、自分の研究上の必要性を書きます。「〇〇先生の優れた研究に感銘を受けた」ではなく、「〇〇分野で用いられる比較の枠組みを学び、本研究の二制度間比較を精緻化したい」とします。人物評価ではなく研究上の接続を書くことで、志望理由が具体化します。

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自分の研究テーマが北大法学研究科に合うか判定する

テーマを「対象・問い・資料・方法」の四つに分ける

テーマ適合性を判断するとき、「AIと法律」「地方自治」「東アジア政治」のような名詞だけで検索してはいけません。同じ対象でも、法解釈、比較法、法社会学、政治史、統計分析では必要な指導と資料が異なります。まず一枚の紙に、研究対象、研究質問、使う資料、分析方法を書きます。四要素を一文にできれば、教員情報と照合できます

  1. 対象を制度、地域、期間、当事者まで絞る
  2. 「何を明らかにするか」を疑問文で書く
  3. 判例、法令、議事録、統計、史料など一次資料を特定する
  4. 解釈、比較、歴史分析、事例研究、統計分析など方法を選ぶ
  5. 公式教員一覧の専攻分野・研究内容と照合する
  6. 主履修と副履修の科目群を仮置きする

たとえば「インターネット上の消費者被害」を対象にするなら、どの取引類型、どの救済、どの法改正以後、どの裁判例を扱うかを絞ります。「現行民法の救済法理は定期購入契約の特性に対応できるか」という問いにし、裁判例と学説を資料に、契約法と消費者法の解釈を行う形なら、検討の輪郭が見えます。社会問題の大きさではなく、答えられる問いの精度が重要です。

三段階の適合テストを行う

第一は分野適合です。法学または政治学の研究質問になっているか、研究大学院で扱う学術的な問いかを確認します。実務上の改善提案を含める場合も、その根拠となる法理、制度比較、実証結果を示せる必要があります。第二は指導適合です。公式一覧に、自分の問い・対象・方法の中心と接続する教員がいるかを確かめます。第三は教育課程適合です。主・副の履修科目群、基礎から発展への学修、主副指導を利用して研究を進められるかを確認します。

判定確認事項不十分な場合の修正
分野適合法学・政治学の先行研究に接続している感想や政策目標を研究質問へ変える
指導適合中心となる問い・方法と教員分野が重なる対象範囲か方法を調整し、公式一覧を再確認する
課程適合複式履修と2年間の学修に落とし込める主軸と副軸を分け、到達点を修士論文の規模にする
実行可能性資料を入手でき、倫理・時間・言語面で扱える対象期間、事例数、比較国を絞る

外国法や外国政治を扱う場合は、必要な言語能力と資料へのアクセスも適合性の一部です。翻訳だけで主要資料を網羅できるのか、原語文献を読む必要があるのかを区別します。インタビューやフィールド調査を計画する場合は、対象者へのアクセス、研究倫理、匿名化、同意取得、調査失敗時の代替資料まで考えます。魅力的でも入手できない資料を中心に置かないことが、実行可能性の基本です。

テーマが合うか迷ったら、「北大だからできる」の中身を具体化します。知名度、環境、総合大学という一般的な利点ではなく、複式履修、主副指導、該当する教員分野、研究会を通じた報告機会、修士論文評価軸との関係を示します。大学名を他校へ置き換えても通る志望理由は、適合性を十分に説明できていません。

問いを絞るための変換例

広い関心を研究質問へ変えるには、評価語を観察可能な言葉へ置き換えます。「有効な制度」は、権利救済の範囲、手続負担、制度利用、政策結果など、何を有効性と呼ぶか定義します。「公平な選挙」は、選挙管理の独立性、票の平等、参加機会、紛争処理のいずれを扱うか決めます。曖昧な評価語を研究対象の指標へ分解すると、資料を選びやすくなります。

広すぎる関心絞り込み後の質問例想定する資料
AIと著作権生成過程における複製の評価枠組みは既存判例と整合するか条文、立法資料、判例、学説
地方自治を良くする特定政策の条例化に自治体間で差が生じる条件は何か条例、議事録、行政資料、事例データ
消費者を守る特定取引類型で差止請求が果たす救済機能と限界は何か法令、裁判例、相談統計、先行研究
国際紛争を防ぐ特定期間の経済的相互依存は制裁選択にどう関係したか政策文書、貿易データ、出来事データ

これらは完成した研究テーマではなく、絞り込みの方向を示す例です。実際には先行研究を読み、すでに答えが出ていないか、資料が入手できるか、教員分野と接続するかを確認します。質問が具体的でも、対象期間や事例数が大きすぎれば修士論文の範囲を超えます。問い、資料、時間の三つを往復して調整してください。

実行可能性を最小単位で試す

計画の実行可能性は、頭の中で予定を立てるだけでなく、小さく試して確認します。判例比較なら候補となる二件を同じ項目で整理し、比較表が作れるか試します。外国法研究なら一次法源と主要論文を一つずつ入手し、必要な言語で読めるか確認します。統計分析ならデータの一部を開き、観測単位と欠測を調べます。予備作業で方法上の詰まりを早期発見することが目的です。

試した結果、資料が多すぎる場合は、期間、地域、裁判所、政策分野、事例数のどれかを限定します。少なすぎる場合は、質問を変更するか、異なる種類の資料を補助的に組み合わせます。ただし、資料不足を埋めるために方法を次々追加すると、分析の中心がぼやけます。中心資料で答えられる範囲を先に決め、補助資料の役割を限定してください。

調査対象が人である場合は、協力者を確保できる可能性だけでなく、倫理的配慮とデータ管理も考えます。個人を特定できる情報を本当に収集する必要があるか、質問による負担を抑えられるか、撤回や保管をどう扱うかを検討します。入学後に大学の手続や指導を受ける必要がある調査なら、その時間も計画に含めます。調査開始前の手続も研究期間の一部です。

最後に、計画Aが実施できないときの計画Bを一文で用意します。「インタビュー協力を得られない場合は公開議事録と政策文書を中心に制度形成過程を分析する」のように、問いを大きく変えず利用資料を切り替えます。代替案があることは準備不足ではなく、研究上の不確実性を理解している証拠になります。

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入試区分別・研究計画書の構成と分量配分

社会経験者入試は志望理由と研究計画を統合する

2,000字程度のレポートでは、項目を増やしすぎると一つひとつが薄くなります。おすすめは、問題意識と志望理由、研究課題、先行研究と未解明点、方法と資料、北大での実施計画、期待される成果の六つです。実務経験は経歴紹介ではなく研究課題が生まれた根拠として使います。勤務先名や業務の細部を長く書く必要はありません。

項目2,000字の目安書く内容
問題意識・志望理由300字実務・学修経験と学術的問いへの接続
研究課題250字対象、範囲、中心質問、仮説
先行研究450字到達点、対立、未解明点、自分の位置
方法・資料450字資料の範囲、入手方法、分析手順
北大での実施計画350字主副の視点、2年間の進行、研究環境との接続
成果・意義200字学術的貢献と実務・社会への含意

この配分は公式様式ではなく、2,000字に必要要素を収めるための編集案です。テーマによって調整してください。実務経験が研究の独自性に直結する場合は問題意識を少し増やせますが、先行研究と方法を削りすぎないことが重要です。経験の希少性だけでは研究の妥当性を証明できません。経験から得た疑問を、公開資料や学術的手続で第三者が検討できる問いにします。

一般入試の任意提出は長さより読みやすさを優先する

一般入試は字数指定がないため、長く書けば評価が高まるという基準はありません。提出するなら、表題、背景、研究質問、先行研究、方法、研究科との適合、計画、参考文献を簡潔に整理します。任意資料は、筆記試験の準備を圧迫してまで大部にするものではありません。必要な論点を過不足なく説明できる分量にし、A4判で見出しを付けて読みやすくします。

研究題目は「〇〇について」のように広くせず、対象と角度が分かる形にします。背景では社会的重要性だけでなく、学術上なぜ検討が必要かを書きます。研究目的は一つの中心質問として置き、必要に応じて二、三の副質問へ分解します。先行研究では主要な議論の関係を説明し、研究方法ではどの資料のどの部分をどう分析するか示します。研究科との適合では教員名の羅列を避け、複式履修と主副の視点が研究にどう必要かを書きます。

参考文献は本文で扱った主要文献に絞ります。読んでいない文献を数だけ増やすと、本文との関係が不明になります。判例を扱うなら、裁判所、判決日、事件番号などを一貫した形式で整理します。比較法なら、国内の概説だけでなく比較対象国の一次法源や主要研究へ到達できるかを確認します。政治学の実証研究なら、データの提供主体、期間、単位、欠測や比較可能性も検討します。

2,000字を削る順番

社会経験者向けレポートが字数を超えたときは、重要項目を均等に短くするのではなく、重複から削ります。最初に、問題意識と志望理由で同じ経験を二度説明していないか確認します。次に、制度の一般的説明やニュースの経緯など、出典を読めば分かる背景を圧縮します。自分の問いを導くために必要な背景だけ残すと、研究部分を守れます。

先行研究では、一冊ごとの内容紹介を削り、論点別の関係へ書き換えます。「Aは〇〇、Bは△△と述べる。しかし両者は□□を対象としていない」とまとめれば、短い文章で自分の位置まで示せます。方法欄では「詳しく検討する」「多角的に考察する」といった情報量の少ない表現を削り、資料名、範囲、分析手順を残します。

最後に一文を短くします。主語と述語が遠い文、接続詞を重ねた文、一文の中で背景と方法を同時に説明する文を分けます。分けた後で同じ意味の文を統合します。字数調整は内容を薄くする作業ではなく、研究の因果関係を見える形に編集する作業です。2,000字程度という指定を満たす最終判断では、表題や参考文献を字数に含めるか公式の追加案内がないかも確認してください。

白紙から構成を作る手順は研究計画書の書き方7ステップ、項目ごとの例とテンプレートは研究計画書の例文とテンプレートも参考になります。ただし、汎用テンプレートをそのまま使わず、北大法学研究科の複式履修と修士論文評価基準に合わせて修正してください。

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評価されにくい研究計画書の共通点と直し方

研究科の射程外、または問いが広すぎる

第一の失敗は、法学政治学専攻ではなく、法曹資格の取得、企業の事業計画、行政への要望書を中心にしてしまうことです。職業目標や政策提案を書いても構いませんが、研究質問と学術的方法が中心でなければなりません。第二は「日本の憲法問題」「国際社会の平和」のように対象が広すぎることです。制度、条文、裁判例、地域、期間、主体を限定すると、修士課程で扱える問いへ近づきます。

修正するときは、テーマ文に固有名詞と期間を入れます。次に、何と何を比較するのか、どの資料から結論を導くのかを書きます。問いが二つ以上ある場合は、中心質問に直接答えるものだけ残し、別の論点は背景か今後の課題へ移します。問題意識を小さくするのではなく、検証できる単位へ切り出す作業です。

教員名を飾りとして使い、指導可能性を検証していない

「著名な先生がいるから」「多様な教員から学びたいから」だけでは、テーマ適合を説明できません。公式一覧の専攻分野と主な研究内容を読み、自分の対象・問い・方法のどこが接続するかを一文で説明します。教員の論文を読む場合も、題名だけで都合よく専門を推測せず、本文と公式プロフィールを確認します。教員の専門を自分のテーマに合わせて言い換えないことが重要です。

主指導候補と副指導候補を想定する場合も、受入を確約されたように書きません。「〇〇教員の指導を受けられる」と断定するのではなく、「〇〇分野の研究蓄積と接続する」「主軸を行政法、副軸を行政学として検討する」と教育上の必要性を説明します。最新の受入状況は別途確認します。

方法が抽象的で、資料を集められない

「文献を調べる」「比較検討する」「アンケートを行う」だけでは方法になりません。どの文献群、どの国、どの期間、どの判例、どの対象者を扱うかを示します。比較対象は、制度が似ている、改革時期が共通する、対照的な結果があるなど、選定理由が必要です。資料の選定基準と分析手順をセットで書くと、再現可能性が高まります。

インタビューを予定するなら、対象者数を大きく見せるより、接触可能性、同意、匿名化、質問項目、分析方法を考えます。非公開資料が得られることを前提にしないでください。調査許可が得られない場合に、公開議事録、判例、統計、報告書へ切り替えられるかも検討します。外国語資料では、自分の読解力と翻訳資料の範囲を明示し、比較国を増やしすぎないことが大切です。

先行研究が要約で終わり、自分の位置がない

先行研究を一冊ずつ要約すると、字数を使っても研究上の空白が見えません。論点ごとに並べ直し、共通点、対立点、対象外となった範囲を示します。その上で、自分は新しい資料を使うのか、別の理論で読み直すのか、時期を更新するのか、異なる国・地域を比較するのかを明らかにします。既存研究との差は「扱っていない」だけでなく理由が必要です。

先行研究が少ないテーマでは、隣接領域へ探索範囲を広げます。ただし「研究がない」と断定する前に、用語の違い、旧制度名、関連する法分野、外国語キーワードで検索します。先行研究が多いテーマでは、すべてを網羅しようとせず、中心質問に関係する代表的な議論を選びます。

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出願までの逆算スケジュール

出願6か月前から問いと資料を往復する

研究計画書は、締切直前に文章だけ整えても完成しません。早い段階で仮の問いを作り、先行研究を読むたびに修正し、教員一覧と教育課程への適合を確認します。令和9年度の具体的な出願日は入試区分ごとに異なるため、ここでは締切からの相対期間で示します。最新の募集要項で締切を確定してから日付へ置き換える方法が安全です。

時期作業完成条件
出願6か月前関心領域、入試区分、研究大学院の位置づけを確認対象と仮質問を一文にできる
5か月前概説、主要論文、判例・資料を収集先行研究の対立点を説明できる
4か月前公式教員一覧、履修科目群、論文評価基準と照合主軸・副軸と指導分野を説明できる
3か月前資料範囲と分析方法を試す小規模な予備分析ができる
2か月前初稿を作り、論理と実行可能性を点検全項目が問いに接続している
1か月前第三者の確認、圧縮、参考文献と事実の照合字数・様式を満たし説明できる
提出後口述用の質問作成と回答練習計画の弱点と代替案を話せる

最初の1か月は、テーマ名を決めるより文献探索に時間を使います。概説書から主要な論点と研究者名を把握し、論文データベース、大学図書館、官公庁や裁判所の一次資料へ進みます。読んだ文献は、要約、方法、資料、結論、自分の計画との関係を表にします。読書記録を先行研究欄の素材に変えると、後で引用を確認しやすくなります。

3か月前までに予備分析を行います。判例研究なら、数件を実際に読み、判断枠組みを比較できるか試します。統計分析ならデータを入手し、変数と欠測を確認します。政治史なら史料の所在と閲覧条件を調べます。この時点で資料が得られなければ、対象を変更できます。締切直前まで資料の実在を確認しない計画は危険です。

初稿後は、文章表現より先に論理を直します。背景から問いが導かれ、先行研究から未解明点が示され、方法が問いに答え、成果が方法から無理なく予測されているかを矢印で確認します。次に、各段落の冒頭へ結論文を置き、重複を削ります。2,000字では一文一役を意識して圧縮すると読みやすくなります。

提出前の最終チェック

  • 受験する入試区分と、研究計画書の提出条件が一致している
  • 題目、背景、問い、先行研究、方法、資料、意義がつながっている
  • 主履修と副履修に相当する視点を区別できている
  • 教員名・研究内容は最新の公式一覧と一致している
  • 2年間で入手・処理できる資料量になっている
  • 引用と参考文献の表記が統一されている
  • 募集要項の字数、用紙、提出方法を再確認した

表記確認では、大学名、研究科名、専攻名を正式名称にそろえます。「法律実務専攻」と「法学政治学専攻」を取り違えていないかも確認してください。PDF化や印刷で提出する場合は、改ページ、文字化け、参考文献の欠落も点検します。提出用ファイルと口述練習用ファイルの版を一致させ、最終版を保存しておきましょう。

最終確認では、内容を知らない読み手による確認と、分野を知る読み手による確認を分けると効果的です。前者には題目から結論までの流れ、用語の分かりやすさ、志望理由との一貫性を見てもらいます。後者には先行研究の選び方、法的概念や分析方法の正確さ、資料範囲の妥当性を確認してもらいます。指摘を受けたら文章を部分的に足すだけでなく、問い・根拠・方法のどこに不足があるかを特定して直します。

修正履歴も残してください。ファイル名に日付や版番号を付け、何を変更したか短く記録します。複数の助言が矛盾する場合は、公式の様式と自分の中心質問を基準に判断します。すべての意見を取り入れて論点を増やすと、研究の軸が失われます。最後は、各段落が中心質問に必要かを確認し、不要な説明を削って提出版を固定します。印刷後に一度音読すると、主語の欠落、長すぎる一文、同じ説明の反復も見つけやすくなります。提出直前の修正では、新しい論点を増やさず、誤記と論理のずれを中心に確認しましょう。

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よくある質問(FAQ)

一般入試でも研究計画書を提出したほうがよいですか

令和9年度一般入試では、研究計画書は希望者のみ提出できる任意資料です。公式は提出による加点や有利・不利を示していません。提出するなら、研究関心を整理して示せる完成度があるかを基準に判断してください。未完成の長文を出すより、問いと方法が通った資料にすることが重要です。

社会経験者入試の2,000字には志望理由も含みますか

含みます。公式の書類名は「志望理由及び研究計画についてのレポート」で、全体が2,000字程度です。実務経験の説明、研究課題、先行研究、方法、北大で学ぶ理由を一つの流れにまとめます。研究計画だけで2,000字を書き、別に長い志望理由を付ける形式ではありません。

法学部以外の出身でも研究計画書を書けますか

書けますが、関心を法学・政治学の研究質問に変え、必要な基礎知識と先行研究を補う必要があります。経済学、社会学、歴史学、情報科学などの学修歴は方法上の強みになり得ます。ただし、隣接分野の用語を並べるだけでなく、法学政治学専攻で検討する中心課題を明確にすることが必要です。

主指導教員と副指導教員は出願前に決めますか

修士課程が主指導・副指導による複式指導を行うことは公式ポリシーで確認できますが、令和9年度一般入試要項には、出願時に両者を確定する手続は明記されていません。計画段階では主軸と副軸を整理し、接続し得る分野を確認します。正式な決定方法は入学後の案内を含む最新の公式情報で確認してください。

教員への事前連絡は必要ですか

入試区分によって案内が異なります。令和9年度一般入試要項には事前連絡の要否が明記されていません。一方、外国人留学生入試では、出願に際してあらかじめ指導予定教員とコンタクトを取ることが望ましいとされています。別区分のルールを自分にそのまま当てはめないでください。

法科大学院向けの志望理由と同じ内容でよいですか

同じではありません。法科大学院は法曹養成を目的とする法律実務専攻で、本記事の対象は学術研究を行う法学政治学専攻です。法曹になりたい理由だけでなく、先行研究を踏まえた問い、資料、方法、修士論文としての到達点を示します。進路目標と研究目的を区別しましょう。

判例研究と実証研究のどちらが北大に適していますか

一律にどちらが有利とはいえません。公式教員一覧には法解釈、比較法、法社会学、政治史、統計分析などにつながる多様な研究内容が掲載されています。自分の問いに答えられる方法か、資料を入手できるか、指導分野と接続するかで選びます。方法の名称ではなく問いとの適合性が基準です。

研究テーマは出願後に変更できますか

研究は文献調査や指導を通じて具体化するため、入学後に範囲や方法が調整されることは考えられます。ただし、変更できることを前提に曖昧な計画を出すべきではありません。出願時点で得られる資料を確認し、問いと方法が対応した実行可能な案を示してください。手続上の扱いは研究科の最新案内に従います。

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まとめ|複式履修と修士論文の完成条件から計画を組み立てる

北海道大学大学院法学研究科の研究計画書は、入試区分の様式を確認した上で、法学政治学専攻の複式履修、主副指導、修士論文評価基準へ接続して設計します。一般入試では任意提出、社会経験者入試では志望理由を含む2,000字程度という違いを起点にしてください。

  • 一般入試はA4判・任意様式・字数指定なしの任意提出である
  • 社会経験者入試は志望理由と研究計画を合わせて2,000字程度である
  • 現代法政論・基礎法政論・比較法政論から主軸と副軸を考える
  • 修士論文評価基準から背景、問い、方法、資料、意義を逆算する
  • 教員分野は公式HTMLの文言を確認し、問いと方法の接続を見る
  • テーマ適合は分野、指導、教育課程、実行可能性の四面で判定する
  • 出願6か月前から文献探索と予備分析を進める

最初に行うべき作業は、テーマを格好よく言い換えることではありません。関心のある問題を「対象・問い・資料・方法」に分け、公式教員一覧と3履修科目群に照らすことです。そこで接続が見えなければ、対象範囲か方法を調整します。北大の教育設計の中で実行できる問いへ絞ることで、志望理由も研究方法も一貫します。

研究計画書を整える過程では、先行研究の読み方、問いの限定、方法の選択、字数内の編集を同時に行います。独学で進める場合も、第三者に「問いは一つか」「資料で答えられるか」「教員分野の記述は公式と一致するか」を確認してもらうと、見落としを減らせます。大学院入試対策を体系的に進めたい方は、北海道大学大学院法学研究科の研究計画書にも対応する大学院入試対策も確認してください。独学での対策に不安がある場合は、専門の指導を活用するのも一つの方法です。

\ 大学院入試専門 /

書き上げた研究計画書、そのまま出して大丈夫ですか?

研究職キャリアを持つ講師が、テーマ設定・先行研究の位置づけ・研究方法まで、出願レベルに届いているかを個別に確認します。

  • 研究職の講師が研究計画書を添削し、改善点を明確化
  • 相談後に、志望校の出題傾向と学習ロードマップをまとめた個別フィードバックレポートをお渡し
  • 志望校が決まっていなくてもOK

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この記事を書いた人

千葉大学 法政経学部を首席で卒業後、都内国公立大学の法科大学院(ロースクール)を修了し、司法試験に合格。法律・政治・経済分野の専門知識をもとに、スプリング・オンライン家庭教師の大学編入・大学院入試分野の指導および記事監修を担当。

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