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北海道大学大学院教育学院の研究計画書の書き方|専攻・カリキュラム・教員の研究分野から逆算する

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北海道大学大学院教育学院の研究計画書を作るときは、一般的な教育問題を大きく語るのではなく、教育学専攻の8講座、指導を希望する教員の専門分野、入学後の研究指導と修士論文までを一本の線でつなぐことが重要です。令和9(2027)年度の修士課程学生募集要項では、書類名は「研究課題概要」とされ、研究課題、課題設定に至った経過、研究の対象と方法、参考文献を書くよう明示されています。つまり、志望動機を中心にした作文ではなく、何を、なぜ、何を対象に、どう明らかにするかを示す小型の研究設計書が求められています。

北海道大学大学院教育学院の研究課題概要とは、出願者の問題意識を、先行研究と実行可能な方法に基づく研究へ変換し、その計画が教育学院の教育・指導体制に適合するかを示す出願書類です。一般入試と外国人留学生入試では、A4判縦長・横書き40字30行で、表紙を除いて図表を含む5枚以内です。社会人入試は40字40行で5枚以内となるため、入試区分によって1ページの情報量が違います。いずれも出願時に5部を提出し、口述試験の基礎資料として使われます。

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本記事では、出願資格、試験日程、倍率を繰り返しません。それらは北海道大学大学院教育学院の外部院試を扱う既存記事で確認できます。ここでは、大学公式の大学院紹介専門分野紹介教員紹介、募集要項を土台に、自分のテーマがどの講座と教員に接続するかを判断し、5枚の研究課題概要へ落とし込む方法を解説します。

募集要項・出願書類の様式・教員の配置は年度により変わるため、出願前に必ず最新の公式情報で確認してください。以下の様式は令和9(2027)年度修士課程募集要項を基準にしています。

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目次

北海道大学大学院教育学院で研究課題概要はどう扱われるか

正式名称は「研究課題概要」で出願時に提出する

北海道大学大学院教育学院では、一般に研究計画書と呼ばれる書類を「研究課題概要」と呼んでいます。名称が違っても、研究の目的、背景、先行研究、対象、方法、参考文献をまとめるという基本機能は研究計画書と同じです。ただし、募集要項が項目を具体的に指定しているため、汎用テンプレートをそのまま使うのではなく、公式が列挙した4つの要求に見出しを対応させるのが安全です。

確認項目一般・留学生入試社会人入試
書類名研究課題概要研究課題概要
記載内容研究課題、課題設定に至った経過、研究の対象と方法、参考文献同左
書式A4縦、横書き40字×30行A4縦、横書き40字×40行
上限表紙を除き5枚以内、図表を含む表紙を除き5枚以内、図表を含む
提出部数5部5部
口述試験研究課題概要に基づき日本語で実施研究課題概要等に基づき日本語で実施

表紙には研究題目と氏名を記し、パソコンで作成します。「5枚以内」は5枚を埋めること自体が目的ではありませんが、先行研究と方法を具体化すれば相応の情報量になります。一般入試の設定は1枚1,200字相当のマス数なので、5枚で最大6,000字相当です。ただし、見出し、段落、参考文献、図表にも空間を使うため、機械的に6,000字を書けばよいわけではありません。読みやすい余白を残しながら論理を完結させることを優先してください。

口述試験で計画の一貫性と専門的準備を問われる

一般入試と外国人留学生入試の口述試験は、提出した研究課題概要に基づいて日本語で行われます。社会人入試も、研究課題概要とその他の出願書類が口述の材料です。したがって、書類は提出して終わりではありません。問題設定の根拠、先行研究の選び方、対象へのアクセス、方法の妥当性、倫理上の配慮を、自分の言葉で説明できる状態まで準備する必要があります。

特に注意したいのは、筆記試験で選ぶ専門科目と研究課題概要の関係です。募集要項では、一般・留学生の志願者が、指導を希望する教員の専門分野に対応する科目を選ぶ仕組みです。研究テーマでは教育心理学を掲げながら、希望教員や専門科目が別の講座に向いていると、準備の軸が見えにくくなります。テーマ・希望教員・専門科目の三点を揃えることが、研究課題概要の前提です。

出願資格や専門科目、日程の詳細は年度ごとに変わり得ます。本記事では研究課題概要の設計に集中するため、入試制度全体は前掲の既存記事と教育学院の大学院入試ページで確認してください。

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教育学専攻1専攻・8講座の構造を理解する

「教育学」ではなく8講座のどこに置くかを決める

教育学院の教育組織は教育学専攻1専攻ですが、内部には8講座があります。学校の授業や制度だけでなく、生涯学習、教育と社会、発達と学習、臨床心理、健康、身体文化、多文化共生まで射程に含みます。この広さは研究テーマの自由度につながる一方、「教育に関係があるから教育学院」という説明だけでは位置づけが曖昧になりやすい理由でもあります。

講座公式紹介から読み取れる中心領域計画書で立てる接続の問い
学校教育論教科指導、生徒指導、学校組織、教育行政、歴史・思想学校教育の内容・方法・制度の何を検討するか
生涯学習論社会教育、高等継続教育、青年・成人の学び、地域社会誰の学びをどの制度・実践との関係で扱うか
教育社会論教育と社会構造、産業、職業、福祉、キャリア教育機会を条件づける社会的要因は何か
教育心理学乳幼児から成人の発達、学習、認知、神経科学どの心理過程をどの測定・観察で捉えるか
臨床心理学発達・教育・適応の困難への臨床心理学的援助当事者の問いと援助実践をどう研究化するか
健康教育論健康行動、生活健康、運動生理、健康増進健康・身体の現象をどの指標で検証するか
身体教育論身体運動、身体文化、体育・地域スポーツ運動を個人・社会・文化のどの軸から扱うか
多元文化教育論多言語・多文化社会、地域比較、言語教育、教育人類学文化間の差異と教育実践をどの事例で捉えるか

講座を選ぶときは、テーマに含まれる名詞だけで決めないでください。たとえば「不登校」は、学校組織の対応を扱えば学校教育論、社会的不利や支援制度を扱えば教育社会論、本人や家族への心理的援助を扱えば臨床心理学に近づきます。テーマ名が同じでも、研究上の問いと分析単位によって所属先が変わるのです。

研究組織と教育組織の違いを読み違えない

北海道大学では、研究組織である教育学研究院と、教育組織である教育学院が分かれています。教育学研究院には教育基礎論、教育社会科学、教育心理学、健康体育学の4分野があり、教育学院には前述の8講座があります。出願者が研究課題概要で直接合わせるべきなのは、教育学院の講座と指導教員です。研究院の4分野だけを見て、入試上の講座名と混同しないようにしましょう。

構造を確認する実務的な順番は、まず8講座の紹介文を読み、次に各講座の専門分野一覧を見て、最後に現行の教員紹介ページで氏名と専門分野を照合することです。過去のパンフレットや古い論文だけで教員配置を判断すると、異動や分野名の変更を見落とします。講座紹介、専門分野、現行教員の三層で確認すると、研究テーマの置き場所を誤りにくくなります。

研究課題概要には「この講座に入りたい」とだけ書くのではなく、その講座が扱う問題設定と自分の問いがどう重なるかを示します。たとえば生涯学習論なら、成人の学びを個人の意欲だけで説明せず、地域、制度、支援実践との関係で捉える設計が考えられます。教育心理学なら、対象年齢、心理概念、測定方法を明確にします。講座の固有性は、志望理由の飾りではなく、研究設計の選択として表現してください。

8講座の境界にあるテーマは主問いで所属を決める

教育研究では、複数講座にまたがるテーマが珍しくありません。学校教員の働き方は学校経営や教育行政の問題であると同時に、職業キャリア、健康、家族生活にも関係します。外国人児童の学習は教育方法、言語発達、多元文化教育のいずれからも検討できます。横断性自体は弱点ではありませんが、すべてを一度に扱うと、修士論文の中心が見えなくなります。

そこで、主問いと副次的な視点を分けます。たとえば「外国人児童を対象とした授業で、教師が教材をどう構成するか」が主問いなら学校教育論を主軸にし、文化的背景を多元文化教育の視点から補助的に検討できます。「学校内で言語的少数者がどのように位置づけられるか」を問うなら、多元文化教育論を主軸とする方が自然かもしれません。横断性は主軸を決めた後に補助線として示すのが読みやすい設計です。

主軸を決めるには、仮の結論を考える方法も有効です。研究を終えたとき、授業方法について答えたいのか、制度の構造を説明したいのか、学習者の心理過程を示したいのか、支援実践を改善したいのかを想像します。期待する成果の種類が分かれば、中心となる学問分野も見えます。ただし、結論を先取りしてデータを都合よく集めるのではなく、どの種類の知見を生みたいかを明確にするための思考実験として使います。

講座の境界にある計画では、研究課題概要に「本研究は主として何の研究であり、関連するどの視点を参照するか」を書くと位置づけが伝わります。複数分野を挙げるだけでなく、それぞれの役割を区別してください。主指導を期待する分野が問いの中心にあり、近接分野が概念や方法を補う構造なら、カリキュラム上の合同研究指導とも整合しやすくなります。

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カリキュラムと修了要件から研究の型を逆算する

特論・調査実験・研究法・修士論文を一つの工程として捉える

教育学院案内によると、修士課程のカリキュラムには、各教員の専門分野の基礎的・先端的成果を文献講読などで学ぶ「特論」、個別指導や合同研究指導を行う「調査実験」、研究法・調査法の基礎を学ぶ「教育学研究法」、集中講義などがあります。修了には原則2年間で30単位以上を修得し、修士論文を作成・提出する必要があります。

この構成から逆算すると、入試時点の研究課題概要に完成済みの研究成果までは求められませんが、2年間で修士論文へ育てられる問いである必要があります。特論で先行研究を読み直し、教育学研究法で方法を精緻化し、調査実験で指導を受け、中間発表を経て論文にまとめる流れを想定すると、入学後に何を検討し直す余地があるかも書けます。

カリキュラム要素入学後の役割研究課題概要で示す内容
特論専門分野の基礎・先端研究を文献から学ぶ主要概念と先行研究の到達点
教育学研究法研究法・調査法の基礎を学ぶ方法を選んだ理由と改善可能性
調査実験個別・合同の研究指導を受ける指導を受けるべき論点と実施工程
中間発表近接分野を含む複数の視点で検討する反証可能性、限界、代替解釈
修士論文研究成果を論文として完成させる2年間で到達可能な問いと成果の形

方法は講座名ではなく問いとデータから選ぶ

教育学院には、歴史資料や政策文書を読む研究、インタビューや参与観察を用いる研究、質問紙データを統計的に扱う研究、心理実験や生理指標を用いる研究など、多様な方法が想定されます。「教育学だからインタビュー」「心理学だから質問紙」と先に決めるのではなく、何を明らかにするために、どのデータが必要かを順に考えます。

方法の説明には、対象、選定基準、収集手続、分析方法、倫理的配慮、実施時期を含めます。学校や臨床現場を対象にする場合、協力者にアクセスできるか、個人情報をどう保護するかも実行可能性の一部です。研究協力が得られると断定できない段階なら、交渉予定と代替案を分けて書きます。方法名よりも実施手順を具体化することで、計画の現実性が伝わります。

複数教員による合同研究指導や中間発表がある点も重要です。計画書を一人の教員の研究テーマに完全一致させるだけでなく、近接分野から問い直されても耐えられる概念定義と根拠を用意してください。たとえば教育政策の研究でも、制度史、学校経営、教育社会学の視点が交差し得ます。どの視点を主軸にし、どこまでを研究範囲から外すかを明記すると、研究の輪郭がはっきりします。

修士論文の評価を見据えて成果の形を決める

研究計画を現実的にするには、最終成果を「教育を良くする提言」とだけ置かず、修士論文で提示できる知見の形まで考えます。歴史研究なら、未整理の史料を用いて制度や実践の変化を再構成することが成果になり得ます。教育社会学的研究なら、教育経験と社会的条件の関係をデータから説明すること、心理学的研究なら、定義した概念間の関係を観察や測定で示すことが成果になります。

公式の学位論文評価基準も確認し、自分の研究がどの学術的問いに答え、どの証拠で結論を支えるかを考えます。入試段階では結果は分かりませんが、結果が仮説と一致しなかった場合にも意味のある分析ができる設計は可能です。期待する結果ではなく検討可能な問いを中心に置くと、研究としての開かれた姿勢が伝わります。

修士論文までの工程は、文献レビュー、調査設計、倫理上の手続、予備調査、本調査、分析、中間発表、執筆に分けます。すべてを研究課題概要に詳細な月単位で書く必要はありませんが、前後関係は示します。対象者を募る前に調査設計と必要な手続を整え、分析に十分な時間を残す計画にしてください。データ収集後の分析と執筆期間を確保することを忘れないようにします。

研究課題が大きすぎる場合は、研究対象、時期、地域、概念、資料のいずれかを削ります。「日本の教育格差」ではなく、一つの制度、一つの移行局面、一つの地域に焦点を当てると、資料と方法を具体化できます。狭い研究は価値が低いのではありません。限定した対象から、より広い理論的問題に何を返せるかを説明できれば、修士論文としての意義を示せます。

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8講座の教員研究分野マップ

現行の公式教員紹介に載る氏名と分野を確認する

教員選びでは、氏名を知っていることよりも、その教員の公式掲載分野と自分の研究上の問いが接続するかが重要です。以下は、取得できた公式教員紹介HTMLに掲載されている氏名と専門分野から、8講座を理解するための代表例を整理したものです。公式ページは職位を併記していないため、本記事でも「近藤健一郎教授」のように職位を推測で補わず、公式掲載の氏名と分野名をそのまま記載します。

講座教員の代表例公式掲載の専門分野
学校教育論近藤健一郎氏/亘理陽一氏学校史/教育方法学
生涯学習論飯田直弘氏/吉田弥生氏比較高等教育論/社会教育学
教育社会論上原慎一氏/佐々木宏氏産業教育/教育福祉論
教育心理学大谷和大氏/関あゆみ氏認知・動機づけ論/学習神経心理学
臨床心理学井出智博氏/松田康子氏福祉臨床心理学/障害者臨床心理学
健康教育論牧野圭太郎氏/柚木孝敬氏健康行動疫学/運動生理学
身体教育論池田恵子氏/山崎貴史氏身体文化論/福祉スポーツ論・体育社会学
多元文化教育論青木麻衣子氏/堀晋也氏比較教育学/言語教育学

この表は教員全員を列挙したものではありません。たとえば学校教育論の中でも、学校史と教育方法学では、史料に基づく歴史研究と授業実践を対象にする研究で設計が大きく異なります。生涯学習論の比較高等教育論と社会教育学も、比較の単位や対象となる学習実践が違います。講座名の一致より専門分野の粒度まで下りることが必要です。

教員名は「有利さ」ではなく指導可能性の根拠として使う

研究課題概要で教員名に触れる場合は、「著名だから」「指導を受ければ有利だから」という書き方を避けます。自分の研究課題のどの部分が、その教員の公開専門分野に接続するのかを説明してください。たとえば、学校の歴史的変化を一次史料から検討するなら学校史との接続を、学習者の認知や動機づけを測定するなら認知・動機づけ論との接続を示します。

接続を確認する手順は、第一に教員紹介ページで現行の氏名と分野を確認し、第二に専門分野紹介ページを読み、第三に大学公式の研究者総覧や公開業績で近年の研究対象と方法を確認することです。研究タイトルに似た語が一つあるだけで適合と判断せず、対象、理論、方法のうち少なくとも二つが近いかを見ます。対象・理論・方法の三軸で教員との接点を測ると、表面的な一致を避けられます。

臨床心理学や健康教育論などでは、資格科目や設備、研究参加者への配慮も研究実施に関わります。公認心理師資格取得希望者については、令和9年度募集要項が出願前に研究指導教員へ相談し承認を得るよう求めています。資格取得を希望する人は、研究テーマの適合だけでなく履修条件も公式情報で確認してください。

教員の所属や研究分野は年度により変わるため、出願前に必ず最新の北海道大学教育学院の教員一覧で確認してください。古い受験記、過去年度のPDF、検索結果の抜粋だけで決めないことが重要です。

講座ごとに研究課題の解像度を上げる

学校教育論を志望する場合は、「学校を良くする」と広く書かず、授業、教師教育、学校経営、教育行政、歴史、思想のどの水準を扱うかを決めます。教室内の相互作用を観察する研究と、自治体の政策文書を分析する研究では資料が異なります。近藤健一郎氏の学校史、亘理陽一氏の教育方法学という公式掲載分野を見ても、同じ講座の中に歴史的研究と授業・方法をめぐる研究の幅があります。学校という対象だけで分野を決めないことが大切です。

生涯学習論では、学校卒業後も続く学び、成人教育、高等教育、地域の社会教育などを、制度と実践の双方から捉えます。飯田直弘氏の比較高等教育論に接続する計画なら、比較単位と比較可能性を説明します。吉田弥生氏の社会教育学に接続するなら、学習活動を支える施設、職員、地域組織、参加者などの関係を具体化します。単に「生涯にわたる学びは大切」と価値を述べるだけでなく、誰のどの学びが、どんな条件で成立するかを問います。

教育社会論では、個人の意識だけでなく、社会構造、産業、職業、福祉との関係が中心になります。上原慎一氏の産業教育、佐々木宏氏の教育福祉論を参照する場合も、公式分野名から勝手に研究内容を広げず、公開業績を読んで対象と方法を確認してください。教育上の不利を扱う計画では、当事者の不足として説明せず、機会を形づくる制度と社会条件を分析する視点が必要です。

教育心理学では、発達、学習、認知、動機づけなどの概念を操作可能な形で定義します。大谷和大氏の認知・動機づけ論、関あゆみ氏の学習神経心理学という分野名に接続するなら、何を心理的な変数または過程として捉えるかを明確にします。「やる気」「成長」のような日常語をそのまま使わず、先行研究でどう定義・測定されているかを確認します。対象年齢や発達段階も研究設計に直結します。

臨床心理学では、困難を抱える人への援助と、研究としての検討を区別しながら接続します。井出智博氏の福祉臨床心理学、松田康子氏の障害者臨床心理学という公式掲載分野に関心があっても、相談事例を自由に研究利用できるわけではありません。守秘、同意、参加者の負担、研究者と支援者の役割を考えます。臨床的意義と研究倫理を同時に設計する必要があります。

健康教育論では、健康行動や身体の生理的現象を扱うため、指標、測定環境、対象者の安全が重要です。牧野圭太郎氏の健康行動疫学と柚木孝敬氏の運動生理学では、同じ健康という語を含んでも、集団の行動・疫学的な視点と身体機能の測定では方法が異なります。使用できる設備やデータを推測で書かず、公開情報と相談可能な範囲で実行可能性を確認します。

身体教育論では、身体運動を個人の技能だけでなく、文化、社会、教育実践との交点として捉えられます。池田恵子氏の身体文化論、山崎貴史氏の福祉スポーツ論・体育社会学という分野の違いを踏まえ、資料、フィールド、分析単位を選びます。スポーツ参加を扱う場合も、競技成績を測るのか、制度や文化を分析するのかで研究の型が変わります。

多元文化教育論では、国や文化を固定的に比較するのではなく、人や言語の移動、相互理解、教育制度・実践の関係を扱います。青木麻衣子氏の比較教育学、堀晋也氏の言語教育学に接続する計画なら、比較対象や言語教育の場を具体化します。文化を一枚岩として扱わず事例と関係を記述する姿勢が欠かせません。

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自分の研究テーマが教育学院に合うか判定する5段階

問題意識を「対象・問い・方法」に分解する

テーマ適合を判定する第一段階は、関心を一文で言い切ることです。「教育格差に関心がある」だけでは範囲が広いため、「地方高校の進路指導において、家庭の経済状況が進学情報へのアクセスにどう関係するか」のように、対象と関係を具体化します。次に、中心概念を定義し、観察または分析できる形へ変換します。

  1. 社会的な関心を、特定の対象と研究上の問いに変える
  2. 問いを扱う講座を、公式の8講座紹介から仮決定する
  3. 現行教員の専門分野と、対象・理論・方法の接点を確認する
  4. 2年間で取得できる資料・データと分析手順を確かめる
  5. 特論、研究法、調査実験、修士論文への発展を説明する

第二段階では、同じテーマを複数講座の視点で言い換えます。たとえば外国につながる子どもの学習を、学校の授業づくりとして扱うのか、教育機会の社会的条件として扱うのか、多文化・言語教育として扱うのかで、問いと方法が変わります。複数の置き場所を比較して主軸を一つ選ぶと、講座選択の理由が明確になります。

適合度を三つの一致と二つの実行可能性で採点する

第三段階以降では、感覚ではなくチェック表で判定します。まず、研究対象が講座の射程に入るか、理論的な問いが教員の専門分野と接続するか、方法について指導を受けられる見込みがあるかという三つの一致を見ます。続いて、資料や協力者にアクセスできるか、修士課程の期間で分析と執筆まで終えられるかという二つの実行可能性を確認します。

判定軸確認する質問弱い場合の修正
対象の一致講座紹介が扱う教育現象に入るか対象範囲か講座候補を見直す
理論の一致問いを支える専門分野があるか概念定義と先行研究を組み替える
方法の一致必要な方法への指導可能性があるか方法を問いに合わせて再選択する
アクセス資料・現場・協力者を確保できるか公開資料や代替対象を用意する
期間2年間で収集・分析・執筆できるか地域、年代、対象人数を絞る

5項目のうち一つでも致命的に欠けるなら、文章表現を整える前に設計を戻します。特に、指導可能な教員が見当たらない場合と、対象へのアクセスが成立しない場合は、計画書の推敲だけでは解決しません。書き始める前に研究成立条件を点検することが、時間の節約になります。

最後に、近年の修士論文題目も確認すると、学院で扱われるテーマの具体的な粒度を把握できます。ただし、過去の題目に似せる必要はありません。題目一覧は「この程度まで対象と問いを絞る」という参考に使い、先行研究の独自性は別途検討してください。自分の関心が広すぎる場合、地域、学校段階、対象者、期間、制度、概念のいずれかを限定すると、修士論文として扱いやすくなります。

判定結果を一枚のテーマ適合メモにまとめる

テーマ適合を検討したら、研究課題概要を書く前に一枚のメモへまとめます。項目は、仮題、中心問い、対象、主要な先行研究、未解明点、候補講座、候補となる専門分野、データ、方法、アクセス、2年間の工程です。各項目を二、三文で書けなければ、まだ調査または選択が不足しています。

このメモでは、事実と希望を分けます。「教員一覧に教育福祉論が掲載されている」は事実ですが、「自分のテーマを指導してもらえる」は確認前の希望です。「学校から調査協力を得られる」も、承諾がなければ前提にできません。確認済み・確認予定・代替案を区別して記録すると、推測が計画に混ざるのを防げます。

候補が二つ残る場合は、それぞれで中心問いを書き換えます。同じ問題意識から学校教育論版と教育社会論版を作ると、必要な文献や方法の違いが見えます。自分が本当に明らかにしたいことがどちらに近いか、取得できる資料がどちらに適するかを比較してください。講座名からテーマを選ぶのではなく、問いを精密にした結果として講座が決まる順番が理想です。

適合メモが完成したら、第三者に「この研究は何を明らかにするのか」「なぜ北海道大学教育学院で扱えるのか」を読んでもらいます。説明に講座名や教員名を削っても研究の問いが成立し、そこへ公式分野との接続を加えることで志望先の必然性が強まる構造なら、研究計画と志望理由のバランスが取れています。

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研究課題概要5枚の構成と分量配分

募集要項の指定項目を見出しに変換する

5枚の構成は、募集要項の語句をそのまま骨格にするのが基本です。最初に研究題目と研究課題を示し、次に課題設定に至った経過として問題意識と研究動向を整理します。その後、研究の対象と方法、期待される成果や計画、参考文献を置きます。大学独自の書類である以上、汎用的な研究計画書の順番より、募集要項の採点可能な項目を漏らさないことを優先します。

部分目安書く内容
研究題目・研究課題全体の10%対象、主要概念、問い、明らかにしたいこと
課題設定に至った経過全体の30%問題意識、理由・経緯、関連研究の整理
先行研究の到達点と空白全体の20%何が分かり、何が未解明か、自分の位置づけ
研究の対象と方法全体の25%対象、資料、収集、分析、倫理、限界
計画・意義全体の10%2年間の工程、期待する学術的・実践的意義
参考文献全体の5%本文で参照した主要文献を統一形式で列挙

この配分は公式指定ではなく、要求項目を5枚で過不足なく説明するための設計目安です。一般入試と社会人入試では行数が違うため、同じ文字数を前提にしないでください。最初に各部分の上限を行数で割り振り、書いた後に全体を削るより、段階ごとの予算を決めて執筆すると整えやすくなります。

研究課題は一文で検証可能な問いにする

研究課題の中心文は、「本研究は、対象について、どの資料・データを用い、何を明らかにする」の型で作れます。「教育の質を向上させたい」のような目標では、何を調べれば答えが出るか分かりません。「札幌市内の公立高校における進路指導資料と教員への聞き取りを通じて、進学情報の提供方法がどのように構成されているかを明らかにする」のように、対象と証拠を含めます。

題目は結論を誇張せず、対象、観点、範囲が分かる表現にします。副題を使って地域や年代、方法を補う方法もあります。題目と本文の問いがずれていないか、題目に書いた概念が本文で定義されているかを確認してください。題目だけで研究の境界が想像できる状態を目指します。

課題設定の経過では体験を先行研究へ接続する

教育現場や職務で得た問題意識は重要ですが、個人の体験だけでは研究課題の根拠になりません。「勤務校で課題を感じた」から一歩進み、その課題が研究上どのように論じられてきたかを示します。先行研究は著者ごとの要約を並べるのではなく、論点、対象、方法、結論の違いで整理し、未解明の部分を特定します。

研究の空白は「研究が全くない」と大きく断定せず、検索範囲と確認できた限界に即して書きます。既存研究が豊富でも、対象地域、学校段階、時期、当事者の視点、使用データを変えることで問いを絞れます。先行研究の不足と自分の問いを一対一で対応させると、独自性が明確になります。先行研究の探し方は研究計画書の書き方を扱う基礎記事も参考にしてください。

対象と方法は第三者が追試できる粒度で書く

対象と方法では、「インタビューを行う」「統計分析する」だけで終えません。誰または何を対象に、どの基準で選び、どの時期に、どのようなデータを集め、どの手順で分析するかを書きます。文書研究なら資料群と選定範囲、比較研究なら比較対象を選ぶ理由、質問紙なら測定概念と対象者、実験なら条件と指標を示します。

人を対象とする研究では、説明と同意、匿名化、データ管理、参加による負担などへの配慮も必要です。入試段階で審査手続の詳細を断定する必要はありませんが、倫理的な論点を認識していることは示せます。現場アクセスが未確定なら、協力依頼の方針と、公開資料を使う代替案を用意します。理想の方法と実行できる方法を区別することが計画の信頼性につながります。

より汎用的な章立てや例文は研究計画書の例文・テンプレート集で確認できます。ただし、最終稿は北海道大学教育学院の指定項目と書式に戻して調整してください。

各段落を「主張・根拠・接続」の三文で組み立てる

内容が揃っても文章が読みにくい場合は、一段落に一つの役割を与えます。最初の文で段落の主張を示し、次の文で先行研究や資料などの根拠を置き、最後の文で自分の研究課題へ接続します。すべてを三文に固定する必要はありませんが、段落の冒頭と末尾を確認すると、論理の飛躍を見つけやすくなります。

たとえば先行研究の段落なら、「先行研究はAという点を明らかにしてきた」「ただしBという対象・資料は十分に検討されていない」「そこで本研究はBを対象にCを問う」という流れです。問題意識からいきなり方法へ飛ばず、既知のことと未解明点の間に自分の問いを置くことで、研究の必要性が伝わります。

方法の段落では、「問いに答えるためDのデータが必要である」「Dはこの手順で収集し、この観点で分析する」「この方法にはEの限界があるため代替資料も検討する」と書けます。限界を書くことは弱さの告白ではありません。方法が答えられる範囲を理解し、対処を考えていることを示します。

完成後は、各段落の最初の一文だけを連続して読みます。それだけで研究課題、背景、空白、対象、方法、意義の流れが追えなければ、段落順または主題文を修正します。反対に、同じ内容を繰り返している段落は統合できます。削る基準は文字数ではなく論理上の役割の重複です。

参考文献と引用は研究動向の証拠として扱う

参考文献には、研究課題の中心概念を定義する文献、主要な研究動向を示す文献、方法を支える文献、対象に関する基礎資料を優先します。検索で見つけた解説記事だけに依存せず、学術論文、専門書、大学紀要、官公庁や自治体の一次資料など、問いに応じた資料を選びます。

文献を挙げる目的は、たくさん読んだことを示すためではありません。どの主張がどの研究に基づき、既存研究に対して自分がどこへ新しい検討を加えるかを明確にするためです。引用形式を統一し、著者、年、論文名または書名、掲載誌、巻号、ページなど必要な情報を揃えます。本文で参照しない文献を大量に並べると、論点がぼやけます。

研究動向は国内研究だけで完結するとは限りませんが、外国語文献を数本加えればよいわけでもありません。研究対象と概念に必要な範囲で探し、国内の制度・文化的条件との違いを踏まえて使います。文献の数より問いに対する配置を重視すると、5枚の限られた空間を有効に使えます。

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評価されにくい研究課題概要の共通点と修正法

教育学院の射程外または講座の位置づけが曖昧

第一の問題は、社会課題としては重要でも、教育学の問いに変換されていない計画です。たとえば地域人口の減少を扱う場合、人口動態そのものの予測だけでは教育学院との接続が弱い可能性があります。学校統廃合、学習機会、若者の移行、地域の学習活動など、教育現象との関係を明確にする必要があります。

修正するときは、「この研究の分析対象は教育の何か」「結論が教育学のどの議論に加わるか」を一文ずつ書きます。そのうえで8講座の紹介文と照合します。社会問題を教育現象として切り出す視点がなければ、テーマを狭めるか別研究科も検討します。

指導可能な教員が確認できない

第二の問題は、講座名には合って見えるものの、現行教員の専門分野と接点がない計画です。教員名を形式的に挿入しても解決しません。教員の専門分野、近年の研究対象、用いる方法を確認し、自分の計画との重なりと違いを整理します。重なりが専門用語一つだけなら、指導可能性を過大に推測しないでください。

修正案は三つあります。問いを教員の専門分野に接続する形へ絞る、同じ講座内の別教員・近接分野を探す、テーマを維持して別の研究科を比較する、のいずれかです。大学名を先に固定してテーマを不自然に変形すると、研究の動機まで弱くなります。テーマと指導体制の双方を動かして比較する姿勢が必要です。

方法が実行不能または問いに答えられない

第三の問題は、対象が広すぎる、協力者を確保できない、方法と問いが対応しないという実行可能性の不足です。「全国の学校を調査する」「多くの保護者に聞く」だけでは、期間、標本、アクセスが不明です。対象地域、学校段階、人数、期間を限定し、取得できるデータから答えられる問いへ調整します。

因果関係を明らかにしたいのに一回限りの感想インタビューしか予定していないなど、結論の強さと方法が釣り合わない例もあります。方法を強化できない場合は、「影響を証明する」から「経験の語られ方を明らかにする」へ問いを変更する選択があります。方法が許す範囲を超えた結論を約束しないことが大切です。

先行研究が要約の羅列になっている

第四の問題は、関連文献を読んでいても、自分の問いの位置が見えない計画です。文献A、文献B、文献Cの内容を順に紹介するだけでは、何が合意され、何が対立し、何が未検討かが伝わりません。先行研究を論点別または方法別に分類し、自分が引き継ぐ部分と修正する部分を示します。

引用文献数を増やすより、主要文献の関係を正確に説明する方が有効です。参考文献表にある文献が本文で何の根拠になっているか、本文で触れた文献が参考文献表にあるかも照合します。研究課題概要は文献目録ではなく、既存の知識から次の問いを導く論証です。

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出願までの逆算スケジュール

半年前からテーマ適合と資料アクセスを確かめる

研究課題概要は、出願直前に文章だけ整えても完成しません。テーマ、先行研究、教員、方法が互いに影響するため、少なくとも半年前から循環的に見直すのが現実的です。以下は出願日を基準にした目安であり、正式な出願期間や教員への連絡方針は最新の公式案内を確認してください。

時期主な作業到達点
出願6〜5か月前8講座、専門分野、修士論文題目を確認候補テーマと講座を2案程度に絞る
出願5〜4か月前主要論文を収集し研究動向を整理既知の点と未解明の点を説明できる
出願4〜3か月前現行教員と方法の適合、資料アクセスを確認指導候補と実行可能な方法が定まる
出願3〜2か月前章立て、対象、分析、倫理面を設計初稿を完成し口頭で説明できる
出願2〜1か月前論理、引用、書式、専門用語を推敲第三者が読んでも問いと方法が対応する
出願直前最新要項、行数、枚数、部数、表紙を確認提出版と口述用の本人控えを準備する

最初の1か月は、テーマを一つに決め切るより、二つの候補を比較する期間にします。それぞれについて講座、教員、主要文献、方法、アクセス可能なデータを書き出すと、実行可能性の差が見えます。関心の強さと研究としての成立を別々に評価することがポイントです。

初稿完成後は口述試験の質問で弱点を探す

初稿ができたら、文章校正の前に口述試験を想定します。「なぜこの対象なのか」「先行研究と何が違うのか」「その方法で問いに答えられるのか」「協力が得られない場合はどうするか」「なぜ教育学院のこの分野なのか」に1分程度で答えます。答えが本文にないなら追記し、本文にあっても説明できないなら理解を深めます。

推敲は、内容、構成、表現、書式の順で行います。内容が固まる前に言い回しを磨くと、大きな修正のたびに作業が戻ります。引用と参考文献の照合、用語の統一、主語と述語、図表の必要性を確認した後、40字×30行または40字×40行、5枚以内、表紙、5部という提出条件を点検します。

出願前の連絡について、全志願者に一律の事前内諾が必要だと募集要項からは確認できません。ただし、公認心理師資格取得希望者には出願前の相談と承認が明記されています。外国人留学生にはPSSの案内があります。自分の区分と目的に応じ、公式入試ページの指示に従ってください。一般論ではなく自分の入試区分で判断することが重要です。

研究課題概要を口述試験用の説明資料へ変換する

提出版が完成したら、本文をそのまま暗記するのではなく、長さの異なる三つの説明を作ります。最初は30秒で研究題目、対象、中心問いを説明する版です。次は2分で背景、先行研究の空白、方法、教育学院との接続まで話す版です。最後は5分で、対象選定、分析手順、倫理的配慮、限界、2年間の工程まで説明する版を用意します。

長さを変える目的は、同じ研究の核を保ったまま情報量を調整できるか確認することです。30秒版と5分版で中心問いが違うなら、計画の焦点がまだ定まっていません。逆に、どの長さでも同じ対象と問いから始まり、詳しい版ほど根拠が加わる構造なら、研究課題概要の階層が整理されています。短くしても残る一文が研究の核です。

想定質問は、研究の各部分に「なぜ」「具体的には」「別の可能性は」を付けて作れます。「なぜこの地域か」「具体的にどの資料を使うか」「別の方法では答えられないか」「予想と異なる結果ならどう解釈するか」と問い直します。特に、先行研究の空白、対象の選定、方法の対応、指導分野との接続は、研究者としての判断が現れる部分です。

回答できなかった質問は、口述用の想定問答だけに補足せず、研究課題概要自体に必要な情報かを判断します。研究成立に関わる説明なら本文へ戻し、詳細すぎる補足なら口述用メモに残します。口述練習を本文の欠落を探す検査として使うことで、書類と面接の一貫性が高まります。

練習では、専門外の人にも読んでもらいます。専門用語をすべて日常語へ置き換える必要はありませんが、中心概念を定義できるか、対象と方法の対応が伝わるかは専門外の読み手でも確認できます。その後、専門分野に近い人から先行研究と方法の妥当性について意見を得ると、異なる種類の弱点を見つけられます。

提出直前は内容と形式を別々に点検する

最終確認では、内容チェックと形式チェックを混ぜないようにします。内容面では、題目と問いの一致、先行研究から空白への論理、対象と方法の対応、教育学院で行う理由、実行可能性、倫理的配慮を見ます。形式面では、入試区分、40字当たりの行数、5枚以内、図表の算入、表紙、氏名、提出部数を確認します。

固有名詞や文献情報は原資料と照合します。教員名と専門分野は現行の公式教員一覧、講座名は専門分野紹介、様式は最新募集要項を開いて確認してください。ブラウザの検索結果に表示された断片や、前年のダウンロードファイルだけで最終確認を済ませないことが大切です。提出日に近いほど一次情報へ戻る習慣が、年度変更の見落としを防ぎます。

印刷後は、改ページによって見出しだけがページ末に残っていないか、表や参考文献が読める大きさか、文字化けがないかを確認します。PDF化する場合も印刷結果を想定して見ます。5部すべてに欠落がないかを確認し、口述試験で本人分を持参する指示にも対応できるよう、提出版と同一内容の控えを保存してください。

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よくある質問(FAQ)

北海道大学大学院教育学院では研究計画書が必要ですか

はい。令和9(2027)年度修士課程募集要項では、「研究課題概要」という名称の書類を出願時に提出します。研究課題、課題設定に至った経過、研究の対象と方法、参考文献を記載します。名称は違っても内容は研究計画書に相当すると考えて準備してください。

研究課題概要は何字ですか

字数ではなく行数と枚数で指定されています。一般入試・外国人留学生入試はA4縦の横書き40字×30行で5枚以内、社会人入試は40字×40行で5枚以内です。表紙は枚数に含まず、図表は5枚に含まれます。年度変更があり得るため、提出時の募集要項を確認してください。

研究課題概要と一般的な研究計画書の違いは何ですか

基本的な役割は同じですが、北海道大学教育学院は記載項目と書式を具体的に指定しています。特に「課題設定に至った経過」には、理由・経緯だけでなく、関連する研究動向やこれまでに行った研究の状況も含まれます。大学固有の指定を汎用テンプレートより優先してください。

指導希望教員には出願前に連絡すべきですか

全志願者に一律の事前連絡が必要とは、令和9年度修士課程募集要項から確認できません。一方、公認心理師資格取得希望者は、出願前に研究指導教員へ相談して承認を得る必要があります。外国人留学生はPSSを含む公式案内を確認し、区分ごとの指示に従ってください。

教育学部以外の出身でも出願できますか

教育学院は学の内外を問わず人材を求める方針を示しており、募集要項の一般的な出願資格を満たせば、学部名だけで排除される仕組みではありません。ただし、研究課題に必要な専門知識、主要な先行研究、方法論を準備していることは示す必要があります。入試制度の詳細は既存の外部院試記事で確認してください。

研究方法は質的研究と量的研究のどちらがよいですか

どちらかが一律に有利ということはありません。問いに答えるために必要なデータと分析方法を選びます。インタビューが適する問い、統計分析が適する問い、史資料や政策文書の分析が適する問いは異なります。方法の名称ではなく問いとの対応を説明することが重要です。

社会人入試の研究課題概要は一般入試と同じ様式ですか

記載項目と5枚以内という上限は共通ですが、1ページの行数が異なります。一般・留学生入試は40字×30行、社会人入試は40字×40行です。社会人入試だから職務経験だけを詳述するのではなく、その経験から生じた問いを関連研究と方法に接続してください。

口述試験では研究課題概要から何を聞かれますか

公式要項は研究課題概要に基づくと示していますが、個別の質問一覧までは示していません。研究目的、課題設定の根拠、研究動向、対象と方法、実行可能性、志望分野との接続を説明できるようにします。書いた内容を暗記するより、前提や限界を問われても理由を答えられる準備が有効です。

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まとめ|8講座・教員・修士論文を一本の設計にする

北海道大学大学院教育学院の研究課題概要では、教育問題への熱意だけでなく、研究課題を先行研究、対象、方法、指導可能性へ落とし込む必要があります。教育学専攻は1専攻ですが8講座に分かれ、講座ごとに問題の捉え方と研究方法の重心が違います。自分の問いを8講座の固有性に照らすことが、設計の出発点です。

  • 正式な提出書類名は「研究課題概要」で、出願時に5部提出する
  • 一般・留学生は40字×30行、社会人は40字×40行で、いずれも5枚以内である
  • 研究課題、課題設定の経過、研究の対象と方法、参考文献を明示する
  • 学校教育論から多元文化教育論まで8講座のどこに問いを置くか決める
  • 現行教員の専門分野と、対象・理論・方法の三軸で接続を確認する
  • 特論、研究法、調査実験、中間発表、修士論文まで発展できる計画にする
  • 口述試験で根拠、方法、限界、代替案を説明できる状態まで推敲する

まず、関心のあるテーマを対象・問い・方法に分解し、公式の講座紹介と教員一覧を照合してください。次に、主要な先行研究を論点別に整理し、2年間で取得できるデータへ範囲を絞ります。最後に、募集要項の指定項目へ文章を配置し、入試区分に応じた行数と枚数に整えます。

研究課題概要は、きれいな文章を書く競争ではありません。何が分かっておらず、何を根拠に、どの方法で明らかにし、その研究を教育学院でどう発展させるかを、読み手が追える形にする作業です。独学での対策に不安がある場合は、北海道大学大学院を含む大学院入試対策のような専門の指導を活用するのも一つの方法です。

完成稿を提出する前には、研究題目だけを見て対象と問いが分かるか、各段落の冒頭だけを読んで論理がつながるか、方法の説明だけで必要なデータが想像できるかを、口頭でも説明しながら再確認してください。さらに、希望する講座名と教員の専門分野を公式ページで照合し、募集要項の指定項目に対応する箇所へ印を付けます。表紙と本文、参考文献の表記も十分に照合します。研究の一貫性と大学固有の適合を最後に二重確認することで、汎用的な計画書から教育学院向けの研究課題概要へ仕上がります。

\ 大学院入試専門 /

書き上げた研究計画書、そのまま出して大丈夫ですか?

研究職キャリアを持つ講師が、テーマ設定・先行研究の位置づけ・研究方法まで、出願レベルに届いているかを個別に確認します。

  • 研究職の講師が研究計画書を添削し、改善点を明確化
  • 相談後に、志望校の出題傾向と学習ロードマップをまとめた個別フィードバックレポートをお渡し
  • 志望校が決まっていなくてもOK

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この記事を書いた人

千葉大学 法政経学部を首席で卒業後、都内国公立大学の法科大学院(ロースクール)を修了し、司法試験に合格。法律・政治・経済分野の専門知識をもとに、スプリング・オンライン家庭教師の大学編入・大学院入試分野の指導および記事監修を担当。

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