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北海道大学大学院情報科学院の研究計画書の書き方|専攻・カリキュラム・教員の研究分野から逆算する

北海道大学大学院情報科学院の研究計画書対策で最初に押さえたい結論は、一般的な修士課程志願者に「研究計画書」という名称の別紙を全員必須で求めているわけではない、という点です。令和9年度修士課程4月入学者募集要項で全員必須とされているのは所定の「志望理由書」です。ただし、その様式には希望研究室、取り組みたい研究テーマ、志望理由・研究課題・研究計画を記す欄があります。したがって、実質的には研究計画の設計が必要です。
さらに、出願資格(9)(10)に該当する予備審査申請者は、これまでの学習・研究内容と入学後の研究計画を「800字程度、様式任意」で別途提出します。自分がどの出願資格に当たるかによって、準備する書類は変わります。書類名ではなく実際の記載項目を見ることが、北海道大学情報科学院向けの対策の出発点です。
書き上げた研究計画書、そのまま出して大丈夫ですか?
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本記事では、公式の募集要項、所定志望理由書、5コースの組織、カリキュラム、HTMLで取得できる教員一覧を基に、「どの研究室で、何を、どの方法で明らかにするか」を組み立てる手順を解説します。研究計画とは、問い・方法・成果の見通しを検証可能な形で示す設計図です。試験科目、日程、倍率などは北海道大学大学院情報科学院の外部院試解説に譲り、ここでは書類設計に集中します。
なお、ここで扱うのは「研究内容をどう設計し、志望先との整合をどう説明するか」です。研究テーマの魅力だけでなく、限られた期間と環境で検証できるか、予定したデータや設備が使えない場合に代替案があるかまで考えます。魅力・適合・実行可能性の3点を同時に整えることで、書面と口頭試問の両方に耐える計画になります。
募集要項・出願書類の様式・教員の配置は年度により変わるため、出願前に必ず最新の公式情報で確認してください。本記事の例は考え方を示すもので、実際の計画では志望研究室の現行の公開情報と自分が読んだ先行研究に基づき、固有の問いに置き換えてください。
北海道大学大学院情報科学院の研究計画書・志望理由書の要求仕様
全員必須は所定の志望理由書
公式の情報科学院入試情報では、修士課程のすべての志願者に志望理由書の提出を求めています。所定様式は1枚で、志望コースと氏名に加え、第1希望研究室と取り組みたい研究テーマを書きます。本文欄の指示は「志望理由・研究課題について記述」であり、英語併記には研究計画も示されています。志望理由と研究計画を1枚に統合する書類と理解すると、準備の方向を誤りにくくなります。
様式には、希望研究室の記載は受入れを確約するものではないと明記されています。つまり、研究室名を書けば話が済むわけではありません。希望する研究室が公開している研究対象と、自分の問いや方法がどこで接続するのかを本文で説明する必要があります。研究室名と計画内容の整合性が、様式全体を貫く軸です。
800字程度の研究計画が必要な人
募集要項の出願資格(9)専修学校の専門課程出身者、(10)個別の出願資格審査を受ける志願者は、予備審査の追加書類を用意します。その一つが、これまでの学習・研究内容と大学院入学後の研究計画をまとめた800字程度の書類です。様式は任意です。この800字書類は全員共通ではありません。自分の資格区分を募集要項で照合してください。
該当者は、所定志望理由書と800字書類の内容を分断させないことが重要です。前者で「生成AIによる学習支援」を掲げたのに、後者でデバイス材料の評価計画を書くと、志望の軸が読み取れません。まず長いマスター版を作り、そこからそれぞれの様式に必要な情報を切り出すと、複数書類の主張を一貫させられます。
口頭試問を見据える
選考は学科試験と口頭試問を統合して行われます。公式資料が「志望理由書の一文ずつがそのまま質問される」とまで明記しているわけではありません。それでも、提出書類に書いた研究目的、方法、志望研究室との接続を自分の言葉で説明できるようにしておくのが安全です。書いた内容を口頭で再現できる精度まで高めてください。
1専攻5コースの構造と研究対象
情報科学専攻の中でコースを選ぶ
情報科学院は情報科学専攻という1専攻で、その中に5つのコースがあります。出願者は志望コースを1つ選択します。「情報系だから人工知能」という粗い理由で選ぶのではなく、対象、理論、実験設備、評価方法がどのコースにあるかを見ます。コース選択は研究方法の選択でもあると考えると、志望理由が具体化します。
| コース | 公式情報から読める主な対象 | 計画書で確認すること |
|---|---|---|
| 情報理工学 | AI、ソフトウェア、数理的分析、次世代IT | データ、アルゴリズム、評価指標 |
| 情報エレクトロニクス | 電子・光デバイス、情報処理アーキテクチャ | 作製・測定条件、性能指標 |
| 生体情報工学 | 生命、人間、医療と情報・ナノ技術 | 生体対象、データ、実験の実行可能性 |
| メディアネットワーク | 音声・映像処理、高速・大容量通信 | メディア種別、通信環境、品質指標 |
| システム情報科学 | モデリング、計画、シミュレーション、制御 | 対象システム、制約、検証方法 |
情報理工学とメディアネットワークの違い
両コースはAIやデータ解析と接点を持つ可能性があるため、テーマ名だけでは判別できないことがあります。たとえば、画像分類モデル自体の学習法を主題にするのか、映像メディアの表現・処理・伝送を主題にするのかで、接続先の候補は変わります。技術名ではなく研究の主語を決めることが必要です。
主語を決めるには、「何を改善したいのか」を1文で書きます。認識精度、計算量、説明可能性を改善するならアルゴリズム寄りです。映像の知覚品質、表現、通信時の品質を改善するならメディア・ネットワーク寄りです。これは一般的な仕分けの手順であり、最終的には教員一覧と各研究室の公式情報で照合します。
生体、デバイス、システムの境界を見極める
センサを使って人の状態を計測する計画は、生体情報工学、情報エレクトロニクス、システム情報科学のいずれとも接続する可能性があります。生体現象の解明が中心か、センサデバイスの新規性が中心か、計測結果を使った制御システムが中心かを切り分けます。対象と方法と貢献のうち何が核かを決めると、志望コースを説明しやすくなります。
カリキュラムから逆算する研究の型
専門の深化とコース間の連携
公式の組織説明は、5コースでより深い専門を学びつつ、相互に連携して幅広い共通知識を修得する構成を示しています。この構造から、志望理由書には「何でも情報科学として扱える」という広さより、主軸と補助軸を示すほうが整合的です。主軸は志望研究室の専門に置く、補助軸は他分野の方法や応用対象とするのが分かりやすい構造です。
たとえば、メディアネットワークコースで映像解析を主軸とし、情報理工学の機械学習手法を補助軸に置く計画は、主従関係を説明できれば理解されやすくなります。一方で、AI、通信、医療、ロボットをすべて同じ重さで並べると、修士課程の期間で何を完了させるのかがぼやけます。学際性は論点を増やすことではありません。
カリキュラムマップとシラバスを使う
公式の情報科学院カリキュラムページでは、入学年度別の修士課程カリキュラムマップ、年間予定、ターム別の時間割、大学院シラバスへの導線が公開されています。研究計画の準備では、科目名を飾りとして書くのではなく、自分の計画の不足を補う科目を探します。計画上の弱点と履修の目的を対応させると、入学後の見通しが伝わります。
データ解析の経験はあるが通信理論が弱い、実験系の経験はあるが統計的検定の設計が弱い、ハードウェア開発はできるが評価用ソフトウェアの知識が足りない、といった現状を言語化します。そして、シラバスで授業の到達目標と内容を確認し、研究遂行にどう使うかを考えます。履修計画は研究の実行可能性を支えるものです。
修士論文になる単位まで絞る
情報系のテーマは発展可能性が大きい一方、「汎用AIシステムを作る」「医療の諸問題をデータで解決する」など、修士論文の単位を超えて広がりやすい特徴があります。計画を絞るときは、対象データ、利用環境、比較対象、評価指標の4つに境界を引きます。誰のどのデータで何を比較するかまで書けると、実行可能性を検討しやすくなります。
5コース別の教員・研究室マップ
公式HTML教員一覧の読み方
北海道大学情報科学院の公式教員一覧は、コースごとに研究室名、氏名、職位、所属部局を掲載しています。以下は全員の列挙ではなく、コースごとに研究室名が異なる代表例を抜粋したものです。専門分野は一覧に表示される研究室名の文言をそのまま記載しています。氏名より先に研究室の対象を読むと、知名度ではなく適合度で検討できます。
| コース | 氏名・職位 | 公式一覧の研究室名 | テーマ照合の観点 |
|---|---|---|---|
| 情報理工学 | 野田五十樹教授 | 知能ソフトウェア。 | ソフトウェアの知能化を主軸にしているか |
| 情報理工学 | 吉岡真治教授 | 知識ベース。 | 知識の表現・蓄積・利用と接続するか |
| 情報エレクトロニクス | 丸亀孝生教授 | 集積アーキテクチャ。 | アーキテクチャと性能評価が核か |
| 情報エレクトロニクス | 本久順一教授 | 集積電子デバイス。 | 電子デバイスの作製・特性評価が核か |
| 生体情報工学 | 渡邉日出海教授 | ゲノム情報科学。 | ゲノム情報を対象とするか |
| 生体情報工学 | 岡嶋孝治教授 | 細胞生物工学。 | 細胞と生物工学の問いが中心か |
| メディアネットワーク | 長谷山美紀教授 | メディアダイナミクス。 | メディアを対象とした解析か |
| メディアネットワーク | 西村寿彦教授 | インテリジェント情報通信。 | 情報通信の知能化が主題か |
| システム情報科学 | 小林孝一教授 | システム制御理論。 | 制御理論とシステム検証が核か |
| システム情報科学 | 近野敦教授 | 知能ロボットシステム。 | ロボットシステムの知能化が核か |
研究室名から個別ページへ進む
教員一覧はスクリーニングの入り口です。同じ「知能」や「情報」という語を含む研究室でも、対象、理論、実験方法は異なります。候補を3研究室程度に絞ったら、一覧からリンクされる研究室ページに進み、研究テーマ、論文、プロジェクトを確認します。自分の計画と共通する名詞を3つ拾うと、接続を説明しやすくなります。
ただし、研究室の現在のプロジェクトをそのまま自分のテーマにするのは適切ではありません。公開情報から読み取るのは、その研究室が扱う対象と利用する方法の範囲です。その範囲に、自分が先行研究から見つけた未解決の問いを置きます。研究室への同調と独自の問いを両立させるのが要点です。
教員情報の更新に注意する
教員の所属や研究分野は年度により変わるため、出願前に必ず最新の教員一覧で確認してください。古い大学案内、以前の募集要項、検索結果の要約だけで氏名を確定しないことが重要です。計画書に教員名を書く場合は、提出直前に氏名・職位・研究室を再確認します。
研究テーマの適合度を判定する手順
ステップ1:問いを1文にする
最初に、テーマを「対象」「操作または比較」「明らかにすること」の3要素で書きます。「医療AIを研究したい」では、計算法が主題か、画像メディアが主題か、生体情報が主題か分かりません。「特定の生体データを対象に、既存手法と提案手法を比較し、予測性能と説明可能性を検証する」まで書けば、候補分野を絞れます。テーマ名より先に検証可能な問いを作るのがコツです。
ステップ2:5コースを比較する
次に、作った1文の中で最も重い名詞と動詞を拾います。名詞がゲノム、細胞、生体で、動詞が解明するなら生体情報工学が有力です。名詞が回路、デバイスで、動詞が作製する・測定するなら情報エレクトロニクスが有力です。名詞がロボット・電力システムで、動詞が制御する・最適化するならシステム情報科学が候補です。対象と研究行為の組み合わせで判定します。
ステップ3:教員・論文・設備を照合する
コースを絞ったら、公式教員一覧で研究室を抽出します。次に、研究室の公式ページや大学が公開する研究情報から、対象、方法、最近の成果を読みます。実験装置、計算資源、特定のデータへのアクセスが必要な計画では、それが実行可能かも見ます。指導分野だけでなく研究環境まで確認すると、実現性の低い計画を避けられます。
ステップ4:適合度シートで判定する
| 判定項目 | 確認する質問 | 不一致の場合の修正 |
|---|---|---|
| 対象 | 研究室がそのデータ・現象を扱っているか | 対象を絞るか候補研究室を変える |
| 方法 | 必要な理論・実験・開発手法が接続するか | 方法を学ぶ履修計画を追加する |
| 評価 | 成果を比較・検証できるか | ベースラインと指標を定める |
| 規模 | 修士課程で完了できるか | データ、条件、機能を限定する |
| 背景 | 先行研究の何が未解決か | 文献調査をやり直す |
5項目すべてを一度に完璧にする必要はありません。最初は「確認済み」「要調査」「不一致」の3段階で記録し、不一致が致命的かを判断します。研究対象そのものが指導範囲外なら候補を変えます。分析技能が不足しているだけなら、履修や事前学習で補えます。変えられない不一致から先に解消するのが効率的です。
所定志望理由書と800字研究計画の書き方
書く前にマスター版を作る
所定用紙にいきなり書き始めると、志望理由に紙幅を使い過ぎ、方法や評価が入らなくなります。まず文字数を気にせず、背景、問い、先行研究、目的、方法、評価、期待する成果、志望研究室との接続、準備状況を書いたマスター版を作ります。情報を圧縮する前に論理の穴を埋めることが、短い様式を書くコツです。
所定志望理由書の配分
所定様式の実際の欄の大きさを確認した上で、本文を5ブロックに分けます。第1は背景と未解決点、第2は研究目的と問い、第3は対象・方法・評価、第4は期待する成果、第5は志望研究室で取り組む理由です。志望理由だけを心情的に長く書かず、研究の内容が志望理由を証明する構成にします。
| ブロック | 目安配分 | 書く内容 | 確認質問 |
|---|---|---|---|
| 背景・未解決点 | 20% | なぜ今その問いが必要か | 先行研究との差があるか |
| 目的・問い | 15% | 何を明らかにするか | 1文で読めるか |
| 対象・方法・評価 | 35% | どう検証するか | 比較対象と指標があるか |
| 成果・意義 | 15% | 何が分かるとどう貢献するか | 過大な保証になっていないか |
| 志望先との接続 | 15% | なぜそのコース・研究室か | 公式情報と整合するか |
この割合は大学が指定した配点ではなく、推敒98ペースの作成用目安です。所定様式に明示された文字数は確認できないため、実際の入力欄と文字サイズを変更せず、読みやすく収まる量に調整します。字を過度に小さくして詰め込むより、方法と志望先適合に必要な文を残すことを優先します。
800字研究計画の圧縮方法
800字程度の書類は、これまでの学習・研究内容と入学後の計画の両方が求められます。前半を経歴の羅列にせず、入学後の計画に必要な知識・技能だけを選びます。たとえば、卒業研究で扱ったデータ、使用した解析手法、得られた課題を約1〜2文で示し、その課題が入学後の問いにどう連続するかを書きます。過去の学習は未来の計画の根拠として選ぶのが要点です。
後半は、目的、対象、方法、評価、期待する成果を各1〜2文で繋ぎます。「先進的」「革新的」といった形容詞を減らし、データ種別、比較条件、指標などの名詞に置き換えます。文字数を減らすときは背景の一般論から削り、研究の固有情報を残します。短文では具体名詞の情報密度を高めると、読み手が再現しやすくなります。
志望理由書と研究計画書の一般的な違いは院試の志望理由書の書き方、構成の別例は研究計画書の例文・テンプレート集も参考になります。ただし、一般テンプートをそのまま当てはめず、北海道大学の所定項目を最優先してください。
書き上げた研究計画書、そのまま出して大丈夫ですか?
研究職キャリアを持つ講師が、テーマ設定・先行研究の位置づけ・研究方法まで、出願レベルに届いているかを個別に確認します。
- 研究職の講師が研究計画書を添削し、改善点を明確化
- 相談後に、志望校の出題傾向と学習ロードマップをまとめた個別フィードバックレポートをお渡し
- 志望校が決まっていなくてもOK
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5コースに合わせた研究計画の具体化
情報理工学コース:アルゴリズムとデータの条件を書く
情報理工学コースを志望する計画では、「AIを使う」という道具名だけではなく、どの種類の入力から何を出力し、どの性能を改善または解明するかを書きます。教師あり学習か、教師なし学習か、最適化問題か、インタラクション設計かで必要な知識は変わります。入力・出力・比較手法・指標を1組で示すと、情報処理の流れが読み手に伝わります。
例えば、限られたラベル付きデータで学習する問題を扱うなら、データ数の少なさがなぜ課題になるか、既存手法がどの条件で性能を落とすかを先行研究から示します。その上で、学習方法の変更、データ拡張、知識の利用など、何を操作するかを1つに絞ります。比較実験は、データ分割、基準手法、性能指標を揃えます。提案手法の説明より前に比較の公平性を設計しておくと、計画が現実的になります。
情報エレクトロニクスコース:作製と測定の対応を書く
デバイス、回路、アーキテクチャを扱う計画では、作る対象と測る性能を対応させます。新規材料や構造の提案だけでは、研究の成否をどう判断するかが分かりません。電気特性、光学特性、消費電力、処理速度など、研究の目的に合う指標を選び、従来構造や基準設計と比べます。作製条件と評価条件を分けて書くと、実験の流れが明確です。
設備や材料が必要な実験は、個人のPCだけで完結するソフトウェア研究よりも環境依存性が高くなります。そのため、志望研究室の公式情報から実際に扱うデバイスや測定領域を確認します。未確認の設備があると決めつけないようにしましょう。初年度に基礎的なシミュレーションや既存試料の測定から始め、次に試作へ進むなど、技能習得を含む段階的な実験計画にすると実行可能性が高まります。
生体情報工学コース:生体対象とデータを限定する
生命、人間、医療に関わる計画では、「健康に貢献する」という最終的な社会目的と、修士課程で直接検証する学術的な問いを分けます。ゲノム情報を解析するのか、細胞の性質を解明するのか、生体の信号を計測するのかで、研究の単位は大きく異なります。社会的意義と直接検証する仮説を分けることで、過大な主張を避けられます。
人由来のデータや生体試料を想定する場合は、入手可能性、必要な手続き、サンプル数、欠測や個体差の扱いまで検討します。計画書で未確定の審査手続きを詳細に断定するのではなく、取得が困難な場合に公開データ、既存試料、シミュレーションで予備検証できるかを考えます。データ取得前に検証できる部分を切り出すと、開始後の停滞リスクを減らせます。
メディアネットワークコース:内容と通信の評価を分ける
音声や映像を扱う計画では、メディア内容の解析精度と、伝送時の通信品質を混同しないことが大切です。画像内の対象認識を改善するのか、圧縮や伝送による品質劣化を抑えるのか、ユーザーの知覚品質を評価するのかを切り分けます。複数を扱うなら、どの因果関係を検証するのかを明示します。メディアの処理指標と通信指標を区別して書きましょう。
ユーザー実験を含む場合は、対象者、提示するメディア、比較条件、収集する指標を設計します。「使いやすさを確認する」ではなく、作業時間、誤り、主観評価などの何を収集し、条件間でどう比べるかを書きます。実験参加者の規模を過大に想定せず、予備実験から本実験へ進む流れを用意します。技術評価と人による評価の役割を明確化することが必要です。
システム情報科学コース:対象システムと制約を書く
ロボット、メカトロニクス、電力、生産、環境などのシステムを扱う場合は、状態、入力、出力、制約を整理します。「効率化する」という目的だけでは、何を変更し、どの指標を最適化するのかが分かりません。安全性、応答性、消費エネルギー、生産量などの指標を定め、同時に守るべき制約を書きます。最適化する量と守る制約を対にすることで、問題設定が明確になります。
実機を使う計画でも、最初から全工程を実機で験証する必要はありません。数理モデルの定式化、シミュレーションによる比較、小規模な実機検証と段階を分けます。モデルと現実の差をどう扱うかも研究の一部です。理想的な条件での性能だけでなく、ノイズ、遅延、パラメータのずれを加えたときの結果も検討します。理論・シミュレーション・実機を段階化すると、修士課程の進行が見えやすくなります。
共通する「最小の研究」を作る
5コースのいずれでも、大きな将来像と、修士課程で実施する最小の検証を分けることが有効です。将来像は社会的意義を示しますが、それだけでは研究計画になりません。最小の検証は、限定したデータ、一つの提案、明確な基準手法、2〜3の指標で構成します。最小の検証が成立するから計画の核を判定します。
その核が定まった後に、データの拡張、別条件への応用、ユーザー実験、実機検証などを発展計画として置きます。この順序なら、一部のデータ取得が遅れても、研究全体が停止するリスクを下げられます。志望理由書では詳細をすべて書けないため、核を先に書き、発展は最後に簡潔に示します。核と発展を分けると短くても規模が伝わる構成になります。
評価を落としやすい計画の共通点
コースの射程外になっている
同じ情報科学専攻でも、5コースの対象と方法は異なります。志望コースの説明と自分の計画の接点を1文で書けない場合は、コース名の印象で選んでいる可能性があります。まず「この研究の主な貢献は、アルゴリズム、デバイス、生体理解、メディア・通信、システムのどれか」と問います。主な貢献とコースの役割を一致させてください。
指導可能な研究室を示せない
所定様式は第1希望研究室を書かせるので、指導先の想定がない計画は様式と整合しません。「北海道大学は有名だから」「多様な教員がいるから」という大学全体への志望理由では足りません。研究室の公式な対象・方法と、自分の問いの接続を示します。大学ではなく研究室の単位で志望理由を書くと、固有性が出ます。
方法が実行不能である
大規模な医療データ、未公開の企業データ、高価な実験装置、多数の研究協力者を前提にするなら、利用の見通しが必要です。見通しがない場合は、公開データでの予備検証、シミュレーション、小規模実験など、第1段階の計画を用意します。最小構成でも研究の問いを検証できるかを確認すると、現実的な計画になります。
先行研究の位置づけがない
社会的に重要な課題であっても、既存研究に対して何を追加するかがなければ、研究課題としての新規性や必要性を読み取れません。関連論文を「話題が似ている」だけで集めず、対象、方法、データ、結果、限界を表にします。複数の論文に共通する限界を見つけ、それを自分の問いに変換します。新しい技術を使うことと新しい問いは別物です。
成果を保証してしまう
研究計画は、実験前に成功を保証する文書ではありません。「精度を大幅に向上させる」と断言するより、「基準手法と比較し、指標AとBで有効性を検証する」と書きます。仮説が支持されなかった場合にも、どの条件で効果がないかを明らかにできれば研究として意味があります。成功ではなく検証可能性を約束する文面にします。
先行研究・方法・評価を一本の論理にする
先行研究を「要約」ではなく「比較」する
文献調査を始めると、論文ごとに目的と結果を要約する作業に終始しがちです。しかし、研究計画に必要なのは、論文間の差と、それでも残る共通課題です。各論文について、対象、入力データ、方法、比較対象、指標、結果、限界を同じ列に揃えた表を作ります。列を揃えると、例えば精度は比較されているが説明可能性は未検証、限定環境では有効だがノイズ下では未検証などの穴が見えます。論文単体の結論より複数研究の共通する限界を探すのが、問いを作る手順です。
情報科学では、同じ名称の方法でも対象データや実験条件が異なれば、結果の意味も変わります。高い性能が報告された手法をそのまま利用するのではなく、訓練データの量、テスト条件、計算資源、評価指標が自分の想定と合うかを確認します。デバイス研究であれば作製条件と測定環境、生体研究であれば試料と測定手法の差を見ます。結果の数値ではなく結果が成立する条件を読むことが重要です。
文献を増やす基準は「有名な論文か」だけではありません。自分の問いの根拠になる研究、方法を選ぶ根拠になる研究、比較対象となる研究、評価指標を正当化する研究と、役割を分けて集めます。一本の論文にすべての根拠を求めると、その論文の追試に近づき、独自の問いが弱くなります。各文献が計画のどの判断を支えるかを決めると、限られた紙幅でも先行研究を機能的に配置できます。
研究方法を手順と分岐に分ける
方法は使用する技術名の羅列ではありません。データをどう取得し、どの前処理を行い、何を変化させ、どの基準と比較し、どの指標で判定するかという時系列です。これを1番から5番まで番号を付けて書き出し、前の段階の出力が次の段階の入力になっているかを確認します。各手順の入力・操作・出力を揃えると、実験や解析の抜けが見つかります。
さらに、予定通りに進まない場合の分岐を考えます。必要なデータ量が得られないときは、データを減らしても成立する分析に切り替えるのか、公開データを使うのか、シミュレーションで仮説の一部を検証するのかを決めます。作製が難しいときは、計算モデルの検証や既存試料の測定から始められるかを考えます。代替案は目的を変えずに方法の規模を変えるのが基本です。
方法の記述が詳しすぎると、所定志望理由書に収まりません。そこで、マスター版では手順と分岐を詳細に書き、所定様式では「対象」「主な操作」「比較」「評価」を残します。口頭試問で詳細を聞かれたときは、マスター版を基に説明できます。提出版は短くても裏側に詳細な手順を持つことが、説明の安定性につながります。
評価指標と比較対象を先に決める
提案するアイデアを考えた後に評価を付け足すと、自分の手法が有利に見える指標だけを選ぶ危険があります。そうではなく、問いを決めた段階で、何が改善されたら仮説を支持できるかを決めます。予測精度、計算時間、エネルギー、安定性、使用性などの中から、目的と直接対応する主指標を選びます。評価指標は研究目的の操作的な定義です。
一つの指標だけを最大化すると、別の重要な性質が損なわれることがあります。精度は上がったが計算量が過大になる、通信品質は上がったが遅延が増える、出力は安定したが制御の応答が遅くなるなどです。そこで主指標と副指標を分け、主指標を改善しながら副指標を許容範囲に保つ設計にします。改善したい性能と悪化させない性能を分けると、現実的な評価になります。
比較対象は、単に最新手法を一つ選ぶのではありません。基本的な手法、現在広く利用される手法、提案と最も近い手法など、異なる役割の基準を組み合わせます。すべてに同じデータ、前処理、計算資源、評価指標を適用できるかを確認します。デバイスや実機では、形状、材料、操作条件のどれを揃えるかを決めます。比較条件の違いを提案の効果と誤認しない設計が必要です。
結果の解釈と貢献の範囲を書く
研究計画の「期待する成果」は、望ましい数値を宣言する欄ではありません。どの条件で何を比較すれば、研究の問いに答えられるかを示します。仮説が支持される場合だけでなく、差が得られない場合に何が分かるかも考えます。例えば、提案手法が特定条件でのみ効果を持つなら、適用範囲の限界を示せます。期待する成果は成功の予告ではなく分かることの範囲です。
学術的貢献と応用上の可能性も分けて書きます。新しいアルゴリズムの性質を示すこと、生体現象の理解を進めること、デバイス構造と性能の関係を明らかにすることなどが学術的貢献です。その成果が将来、サービス、医療、通信、エネルギーなどに応用される可能性は社会的意義です。修士研究が直接実現する貢献と将来的な応用を区別すると、主張の範囲が適切になります。
最後に、結果をどの図表で示すかを仮に考えます。比較手法ごとの性能表、条件を変えた曲線、デバイスの構造と測定結果、システムの応答など、結果の形を想像します。図表が想像できないときは、評価指標や操作条件がまだ抽象的な可能性があります。最終的な図表を先に想像すると方法の不足が見えるため、短い計画書を書く前の点検として有効です。
出願までの逆算スケジュール
6か月前から提出直前まで
令和9年度修士課程4月入学者選択の出願書類提出期間は令和8年5月25日から5月28日ですが、この日程は年度ごとに最新要項で確認する必要があります。書類対策は提出の半年前を目安に始めると、先行研究、研究室照合、方法の修正を複数回行えます。締切から逆算して調査と執筆を分けることが重要です。
| 時期の目安 | 主な作業 | 完了条件 |
|---|---|---|
| 6か月前 | 5コースと教員一覧を比較 | 候補コース1つ、研究室3つ以内 |
| 5か月前 | 先行研究を収集・整理 | 未解決点を1文で説明 |
| 4か月前 | 問い・対象・方法・評価を決定 | 研究の流れを図なしで説明 |
| 3か月前 | 志望研究室との適合を再確認 | 接続点と差分を言語化 |
| 2か月前 | マスター版の初稿を作成 | 論理の飛躍と未検証事実を解消 |
| 1か月前 | 所定様式へ圧縮、口頭説明を練習 | 1分・3分の両方で説明 |
| 1週間前 | 最新要項、教員一覧、表記を最終確認 | 提出書類間の不一致がない |
予備審査対象者は前倒しする
出願資格(4)〜(10)の予備審査申請者は、申請書に志望指導教員と志望コースのコース長の確認印が必要とされています。そのため、申請期間に間に合うよう予め連絡を取る必要があります。特に(9)(10)は800字程度の研究計画も準備するため、上のスケジュールより1〜2か月前倒しします。予備審査は書類作成と連絡の両方を逆算してください。
外国で学校教育を修了した者・修了見込みの者は、公式のプレアドミッション・サポートシステムを使い、志望指導教員の内諾と認証コードを得た上で予備審査を申請すると案内されています。該当者は一般的な「教員に連絡すべきか」という助言ではなく、公式の手続きと受入内諾期限に従う必要があります。
初稿完成後の3回チェック
- 1回目は事実チェックです。コース名、研究室名、氏名、職位、様式の指示を公式情報と照合します。
- 2回目は論理チェックです。背景から問い、問いから方法、方法から評価がつながるかを見ます。
- 3回目は口頭チェックです。用語の定義、比較対象を選ぶ理由、予想と異なる結果が出た場合の解釈を声に出して答えます。
三つのチェックを同時に行うと、表記修正と構造修正が混ざります。事実、論理、説明の順に分ければ、修正の目的が明確です。推敲は文章をきれいにする作業だけではないことを覚えておきましょう。
志望理由書を口頭試問の答えに変換する
30秒、3分、10分の3種類を作る
研究計画を説明する時間は、実際の質問のされ方によって変わります。そのため、同じ内容を30秒、3分、10分の3種類で説明できるようにします。30秒版は、対象、未解決点、目的、主な方法を各1フレーズで繋ぎます。3分版は先行研究と評価方法を追加します。10分版は、データ、比較条件、代替案、志望研究室との接続まで説明します。短い説明は長い説明を早口にするのではなく核だけを残すことが大切です。
三つの長さを作ると、計画の中心と補足の情報を分けられます。30秒版に入らない情報が不要という意味ではありません。詳細な比較条件や予備実験は、追加質問に答えるための根拠です。一方、目的や志望先との接続が30秒版に入らないなら、計画の軸が複数に割れている可能性があります。30秒版は研究計画の要約であると同時に構造診断にもなります。
「なぜ」「なぜ今」「なぜここ」を分ける
志望理由の説明では、三つのなぜを分けます。「なぜ」はその問いを研究する学術的必要性、「なぜ今」は現在の技術・データ・社会条件の下で取り組む意義、「なぜここ」は志望コースと研究室の専門との整合です。これらを一つの文で混ぜると、「社会的に重要で、貴学は優れているから志望する」という抽象的な説明になります。研究の必要性・時機・場所の適合を別々に根拠化しましょう。
「なぜここ」を書くときに、教員の氏名や研究室名を書くだけでは根拠になりません。研究室の公式な対象や方法と、自分の計画のどの部分が接続するかを示します。その上で、自分の問いは研究室の既存プロジェクトの単なる言い換えではないことも確認します。志望先との共通点と自分の問いの差分の両方を言うことで、志望理由と研究計画が統合されます。
基礎用語を自分の言葉で定義する
計画書に専門用語を多く入れると、専門性が高く見えるとは限りません。用語の意味、似た概念との違い、なぜ自分の計画で必要かを説明できなければ、借り物の言葉に見えます。計画の中心となる5〜10語を選び、それぞれを1文で定義します。次に、どの文献の用法に基づくか、計画中ではどの操作や指標に対応するかを書きます。専門用語は数ではなく定義と役割で専門性を示すことが大切です。
特に「AI」「知能化」「高性能」「最適化」「生体情報」など、広い意味を持つ語は注意が必要です。例えば最適化なら、何を目的関数とし、どの制約の下で、何を変数として変えるのかを説明します。高性能なら、精度、速度、電力、安定性のどれを意味するかを明示します。抽象語を変数・条件・指標に置き換えると、口頭での追加質問にも答えやすくなります。
批判的な質問に守りではなく設計で答える
口頭試問で「そのデータは得られるのか」「既存手法で十分ではないか」「修士課程では広すぎないか」と問われたとき、その場で計画全体を守ろうとする必要はありません。指摘が計画のどの前提に関わるかを確認し、その前提が成立しない場合にどの規模まで縮小すれば問いを保てるかを答えます。批判は否定ではなく計画の境界条件を明らかにする機会と捉えましょう。
答え方は、「指摘の要約」「現在の前提」「確認方法」「成立しない場合の代替案」の順にします。たとえばデータ量を指摘されたなら、必要数をどの予備解析で見積もるか、不足するときに対象クラスを減らすか公開データで補うかを答えます。既存手法で十分という指摘なら、どの条件で差が出ないかを含めて検証すると答えます。代替案が元の問いを保っているかを確認してください。
提出書類と口頭説明の不一致を消す
志望理由書を書いた後に文献調査が進み、方法や評価が変わることはあります。提出前なら書類を更新し、マスター版と提出版を同時に管理します。提出後に理解が深まった場合は、書類に書いた内容を忘れず、どの点をなぜ修正したかを説明できるようにします。理解の進展と主張の矛盾を区別し、変更理由を言語化するのが重要です。
最終確認では、所定志望理由書、800字研究計画、出願時の志望コースと希望研究室、口頭説明用のメモを横に並べます。研究テーマの名称、目的、主な方法、比較対象、志望先との接続が同じかを確認します。書類ごとに強調点が異なることは問題ありませんが、主な対象や方法が入れ替わっている場合は修正が必要です。強調の違いは許容し、研究の核の違いは解消しましょう。
コース別に想定質問を作る
情報理工学コースの計画では、データの分割方法、比較手法を選ぶ理由、汎化性能、計算量などを説明できるようにします。データに同じ対象の類似サンプルが含まれると、訓練と評価の間に情報漏洩が生じる可能性があります。ユーザー単位、時系列単位、装置単位など、研究の対象に合う分割を考えます。高い精度だけでなく未知条件への適用可能性をどう測るかという質問を用意しましょう。
情報エレクトロニクスコースでは、作製条件の再現性、測定誤差、基準とするデバイスや回路、理論値と実測値の差を説明します。一つの試作品で良い結果が得られても、条件のばらつきを評価できなければ、提案構造の効果か偶然かを分けにくくなります。作製回数、同一条件での反復測定、測定系の校正など、現段階で検討できる範囲を整理します。性能向上と測定の不確かさをどう分離するかは重要な想定質問です。
生体情報工学コースでは、生体の個体差、サンプル数、対照条件、観測された関連から因果をどこまで主張できるかを考えます。一つのデータセットで得られた傾向が、別の条件や集団でも得られるとは限りません。解析対象の選択基準、欠測の扱い、予備解析と検証用解析の分離を説明できるようにします。生体のばらつきをノイズとして消すのか、研究対象として解釈するのかもテーマによって異なります。
メディアネットワークコースでは、データの内容、通信環境、ユーザー条件のいずれが結果を左右するかを分けます。例えば映像品質の評価が低い場合、圧縮による劣化、通信遅延、提示装置、内容の難易度、評価者の経験などが影響する可能性があります。変数を一度にすべて動かさず、固定する条件と変える条件を定めます。観測された差がメディア処理と通信のどちらに由来するかを説明する準備が必要です。
システム情報科学コースでは、モデルの前提、制約、安定性、実システムとの差を説明します。シミュレーション上で良好な結果が得られても、センサノイズ、通信遅延、外乱、モデル化誤差を加えたときに性能が大きく落ちる可能性があります。どの前提が理論上必要で、どの前提を段階的に緩めるかを整理します。理想条件から現実条件へ何を一つずつ追加するかが、発展計画の核になります。
想定質問は、答えを暗記するためではなく、計画の未確認部分を発見するために作ります。答えられない質問に印をつけ、文献で調べる、予備解析をする、志望研究室の公開情報と照合する、計画の範囲を絞るといった対応に繋げます。答えにくい質問ほど計画を改善する情報を含んでいると考え、初稿完成後に繰り返しましょう。
よくある質問(FAQ)
北海道大学情報科学院は研究計画書が全員必須ですか?
令和9年度修士課程4月入学者選択で全員必須なのは「志望理由書」です。ただし、その所定様式に研究テーマ、研究課題、研究計画を記述します。出願資格(9)(10)の予備審査申請者は、別に800字程度・様式任意の研究計画を提出します。自分の出願資格区分で必要書類を判断してください。
志望理由書と研究計画書はどう違いますか?
一般に志望理由書は「なぜその大学院・研究室で学ぶか」、研究計画書は「何をどの方法で明らかにするか」に重心があります。情報科学院の所定志望理由書はその両方を1枚で求める構造です。分割して考えた後、研究内容が志望理由の根拠になるよう統合します。
志望研究室は事前に決める必要がありますか?
所定志望理由書に第1希望研究室の記入欄があるため、書類作成時点で候補を決める必要があります。ただし、様式は希望の記載が受入れを確約しないと注記しています。研究室名を決めるだけでなく、テーマ・方法・環境の適合を説明できるようにします。
研究テーマは学部の卒業研究と同じでもよいですか?
卒業研究から発展させること自体に問題はありません。ただし、同じ作業を繰り返すだけでは、入学後の研究の発展が見えません。卒業研究で分かった限界を示し、対象、方法、評価のどれを進展させるかを明確にします。過去の経験と大学院での新しい問いを接続させてください。
コースをまたぐ研究テーマは書けますか?
公式は5コースの専門と相互連携による幅広い共通知識の修得を示しています。そのため境界領域を扱うことは考えられますが、出願時には志望コース1つと第1希望研究室を示します。どの分野が主軸で、どの分野が補助軸かを分けましょう。境界性よりも指導の主軸を明確にすることが大切です。
志望教員への事前連絡は必要ですか?
すべての一般志願者に同じ手続きが課されているとは限りません。一方、出願資格(4)〜(10)の予備審査申請書には志望指導教員とコース長の確認印が必要です。外国で学校教育を修了した者等には、プレアドミッション・サポートシステムを使った内諾取得手続きも案内されています。自分の資格区分と最新要項の指示を優先してください。
口頭試問にはどう備えればよいですか?
提出書類の各主張に対して「なぜ」を3回繰り返し、根拠を言語化します。なぜそのデータか、なぜその比較手法か、なぜその評価指標か、なぜその研究室かを答えます。次に、仮説が支持されない場合、データが得られない場合の代替案を用意します。計画の暗記ではなく選択理由を説明する練習が有効です。
教員情報はどこで最新状況を確認できますか?
情報科学院の公式教員一覧で、コース、研究室、氏名、職位、所属部局を確認できます。研究内容の詳細は、そこからリンクされる研究室ページや大学公式の研究情報で確認します。過去のPDFや非公式のまとめより、現在取得できる大学公式HTMLを基準にしてください。
提出前の最終チェックリスト
事実、論理、表現の順で点検する
第1に事実を点検します。志望コース、希望研究室、教員の氏名と職位、所定様式の指示、自分の出願資格区分で必要な追加書類を最新公式情報と照合します。次に、文献の書誌情報、方法の特性、利用するデータや設備の可用性に未確認の断定がないかを見ます。事実誤認は文章表現で補えないため最初に解消する必要があります。
第2に論理を点検します。社会背景から未解決の学術的な問いへ飛躍していないか、問いと方法が対応しているか、方法から得られる結果で目的に答えられるかを見ます。その上で、志望研究室の専門は、方法の実行と結果の解釈のどこを支えるかを確認します。各段落の最後の文から次の段落の最初の文が導けるかを読むと、論理の切断を見つけやすくなります。
第3に表現を整えます。一文が長すぎる場合は、主張と根拠を分けます。「これ」「それ」が何を指すか不明な箇所は固有名詞に戻します。「高度な」「効果的な」「革新的な」などの抽象的な形容詞は、条件や指標に置き換えます。表記を整えたら声に出して読み、一息で意味のまとまりが取れるかを確認します。読みやすさは内容を薄めることではなく論理の境目を明確にすることで得られます。
最後に、第三者に読んでもらう場合は、「うまい文章か」ではなく、読み取れた研究目的、志望コース、希望研究室、対象データ、方法、評価を箇条書きで返してもらいます。自分が意図した内容と相手が読み取った内容に差があるなら、その箇所の主語、因果関係、専門用語の定義を修正します。添削の目的は好みに合わせることではなく同じ研究設計を再現してもらうことです。この確認が済むと、口頭試問で説明を追加すべき箇所も見つかります。
まとめ|5コースと志望研究室から逆算する
提出前の最終確認は、時間に余裕を持って行います。
これらの点検は、文献を追加したとき、志望先の情報を更新したとき、方法や評価を変えたときに繰り返します。変更のたびに研究目的まで不必要に揺れていないか、志望研究室との接続が保たれているかも確認してください。修正履歴に変更理由を残すと、口頭試問で計画が発展した過程も説明できます。
北海道大学大学院情報科学院の書類対策では、「研究計画書」という一般名だけで準備を進めず、自分の出願資格で必要な公式書類を確認します。全員必須の所定志望理由書は、希望研究室、研究テーマ、志望理由、研究課題、研究計画を1枚で統合する様式です。書類の名称より所定様式の記載項目を優先することが、最初の原則です。
- 全員必須は所定志望理由書で、研究計画もその中に組み込みます。
- 出願資格(9)(10)の予備審査申請者は、800字程度・様式任意の研究計画も準備します。
- 情報科学専攻の5コースは、対象と方法の組み合わせで比較します。
- 公式教員一覧から研究室を絞り、個別ページで適合を深掘りします。
- 研究の問い、対象、方法、比較対象、評価指標を一続きで説明します。
- 事実、論理、口頭説明の3段階で推敲します。
- 年度変更に備え、募集要項、所定様式、教員一覧を提出直前に再確認します。
いきなり所定用紙を埋めるのではなく、まずコースと研究室の射程を調べ、先行研究から問いを作り、方法と評価まで含むマスター版を用意しましょう。その後に所定志望理由書や800字書類へ圧縮すれば、短い紙幅でも研究の一貫性を保てます。大学院入試の書類を独力で整えることに不安がある場合は、北海道大学大学院情報科学院の研究計画書に対応した大学院入試対策コースなど、専門の指導を活用するのも一つの方法です。
書き上げた研究計画書、そのまま出して大丈夫ですか?
研究職キャリアを持つ講師が、テーマ設定・先行研究の位置づけ・研究方法まで、出願レベルに届いているかを個別に確認します。
- 研究職の講師が研究計画書を添削し、改善点を明確化
- 相談後に、志望校の出題傾向と学習ロードマップをまとめた個別フィードバックレポートをお渡し
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