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青山学院大学大学院文学研究科の研究計画書の書き方|専攻・カリキュラム・教員の研究分野から逆算する

青山学院大学大学院文学研究科の研究計画書は、5専攻に共通する一つの様式を書くのではなく、志望専攻と入試区分に応じて設計を変える必要があります。2027年度博士前期課程では、日本文学・日本語専攻は全出願資格で所定用紙2枚、史学専攻の秋入試は6,000〜8,000字程度、比較芸術学専攻の秋入試は8,000字以内です。一方、英米文学専攻では研究計画書を提出する博士前期課程の対象が出願資格Dに限られます。したがって、最初に確認すべきなのは一般的な書き方ではなく、自分の専攻・時期・出願資格に対応する提出物です。
青山学院大学大学院文学研究科の研究計画書とは、入学後に扱う研究対象、問い、先行研究、方法、分析の視点、指導を希望する教員との接続を、専攻所定の条件に沿って示す出願書類です。文学作品の感想、歴史への興味、芸術家への憧れだけでは研究計画になりません。「何を明らかにしたいか」「既存研究に対してどこに課題を見いだすか」「どの資料をどう読むか」を一続きの論理として示すことが中心です。さらに、修了要件には研究指導、講義・演習、修士論文または特定課題研究が置かれているため、入学後の学修で実行できる計画になっているかまで問われます。
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この記事では、大学公式の2027年度募集要項、各専攻の修了要件ページ、公式教員一覧と教員紹介ページを根拠に、研究計画書を組み立てる順序を解説します。募集人数、試験科目、日程、倍率などの入試制度は、対応する青山学院大学大学院文学研究科の外部院試解説にまとめています。本記事は同じ情報を繰り返さず、5専攻の構造、修了までの研究の型、教員の公開分野から、自分のテーマをどう接続するかに集中します。
なお、募集要項は、志望動機・研究計画書を志願者自身が作成し、人工知能等が自動生成した文章や他者が作成した文章を提出しないよう明記しています。本記事は考え方を整理するために使い、提出文は自分で資料を読み、自分の判断と言葉で作成してください。募集要項・出願書類の様式・教員の配置は年度により変わるため、出願前に必ず最新の公式情報で確認してください。
青山学院大学大学院文学研究科で研究計画書がどう扱われるか
研究計画書の要否は文学研究科全体で一律ではありません。公式の大学院入試募集要項ページから最新年度の文学研究科募集要項を開き、課程、実施時期、専攻、出願資格の四つを照合します。「文学研究科を受けるから研究計画書が必要」と早合点すると、必要書類の不足だけでなく、別の提出物との役割分担を誤るおそれがあります。
博士前期課程の専攻別仕様
| 専攻・対象 | 2027年度の研究計画書 | 設計上の中心 |
|---|---|---|
| 英米文学専攻・出願資格D | 本学所定用紙、所定欄内 | 研究対象・方法・分析視点を関連づける |
| 日本文学・日本語専攻・全出願資格 | 本学所定用紙①②を両方提出 | 研究歴、先行研究、対象、方法、分析視点、希望教員 |
| 史学専攻・秋入試 | 所定用紙なし、A4、縦横自由、6,000〜8,000字程度 | 史料と方法、参考文献を伴う論証可能な計画 |
| 比較芸術学専攻・秋入試 | 所定用紙なし、A4、縦横自由、8,000字以内 | 作品・資料と比較軸、参考文献を伴う計画 |
| 上記以外 | 区分により研究計画書以外の提出物を使用 | 入学志願票、志望動機書、卒業論文等との役割を確認 |
史学と比較芸術学は同じフリーフォーマットでも上限の考え方が異なります。史学は「6,000〜8,000字程度」であり、十分な論証材料を示しつつ範囲内へ収める設計が必要です。比較芸術学は「8,000字以内」なので、テーマによって短くする余地はあるものの、問いと比較方法が伝わる密度は欠かせません。どちらも参考文献を明記し、参考文献は字数に含めないとされています。字数条件は内容を書いた後の調整ではなく、最初の配分表に反映しましょう。
日本文学・日本語専攻は所定用紙の問いが設計図になる
日本文学・日本語専攻の所定用紙①では、研究テーマ、研究指導を希望する教員名・分野、これまでに進めた研究活動の概要または研究関心の所在を示します。②では、テーマに関する代表的な先行研究と自分の計画との関係、入学後の研究対象、研究方法、分析の視点を関連づけて説明します。これは単なる記入欄ではなく、専攻が計画書で確認したい論理の順序です。
①で過去から現在までの問題意識を示し、②で学術的な位置づけと将来の実行計画へ進みます。たとえば「近代文学が好きだから研究したい」で止めず、卒業論文や授業で生じた疑問、代表的な研究が明らかにした点、残る課題、対象作品、分析概念、資料の範囲をつなぎます。①の関心と②の方法が一本の問いに収束しているかを確認すると、欄ごとの寄せ集めを避けられます。
研究計画書は出願時の評価対象であり面接準備にもなる
募集要項は研究計画書を出願書類として提出し、評価を行うと明記しています。日本文学・日本語専攻では、博士前期課程の選考を、提出書類、専門知識・語学の筆記試験、卒業論文または研究計画書、口述試験によって多面的・総合的に判定します。史学専攻も提出書類、語学・専門知識、口述試験を組み合わせます。計画書だけで合否が決まるわけではありませんが、口述で説明する研究の土台になります。
提出後に問われても説明できるよう、重要な用語、対象を選んだ理由、先行研究との差、資料へのアクセス、研究期間、代替案を自分の言葉で答えられる状態にします。文章を華やかに整えるより、各主張に「なぜ」「どの資料で」「どう確かめる」を付けるほうが口述への耐久性が上がります。入学後は専攻の承認を得れば研究計画を変更できるとされますが、出願時点では現実的な一案を具体的に示すことが必要です。
文学研究科5専攻の構造と研究領域を整理する
青山学院大学大学院文学研究科は、英米文学、フランス文学・語学、日本文学・日本語、史学、比較芸術学の5専攻で構成されます。研究科長メッセージでは、各学問領域の伝統的な研究手法に加え、デジタル・ヒューマニティーズに代表される先端的手法にも触れると説明されています。ただし「人文学」という共通項があっても、扱う資料、言語、証拠の示し方、妥当な問いの立て方は専攻ごとに違います。
| 専攻 | 主な研究領域 | 計画書で具体化するもの |
|---|---|---|
| 英米文学 | 英文学、米文学、英語学、コミュニケーション・英語教育学 | 作品・言語資料・教育場面、理論枠組み、原語資料 |
| フランス文学・語学 | 各時代のフランス文学・思想、フランス語学 | 時代、作家・作品、原典、思想史・言語学上の問い |
| 日本文学・日本語 | 日本文学、日本語学、日本語教育学、中国古典文学 | 時代・ジャンル・本文、用例、教育対象、先行研究との関係 |
| 史学 | 日本史、東洋史、西洋史、考古学 | 時期・地域、一次史料・遺物、史料批判、比較範囲 |
| 比較芸術学 | 美術史学、音楽学、演劇映像学 | 作品・上演・映像・楽譜等、時代・地域、比較軸 |
専攻名ではなく資料と方法から所属を決める
同じ題材が複数専攻に接続することがあります。たとえば演劇は、英語圏の戯曲をテクストとして読むなら英米文学、フランスの演劇作品と思想を扱うならフランス文学・語学、日本の古典芸能を歴史的に扱うなら比較芸術学に接続し得ます。重要なのは対象名ではなく、どの資料を、どの学問の手続で分析するかです。
「映画に興味がある」「言葉と社会を考えたい」といった広い関心から始めても構いません。しかし、出願用の研究主題にする段階では、対象の範囲、時代、地域、言語、資料種別、分析方法を限定します。そのうえで各専攻の目的、授業科目、教員の公開分野を照合します。専攻名にテーマを無理に合わせるのではなく、研究行為の中心がどこにあるかを見ます。
文学・語学系は原典と理論の両輪を示す
英米文学、フランス文学・語学、日本文学・日本語では、対象となる作品や言語資料を明示することが出発点です。作品名だけでなく、版、成立時期、対象箇所、コーパスや用例の範囲を可能な限り具体化します。それと同時に、物語論、詩学、思想史、社会言語学、日本語教育など、何を分析単位にするかを示します。
作品の魅力を述べる読書感想文と研究計画書の違いは、検証可能な問いがあるかです。「主人公の孤独を考える」では読み手によって結論が変わりやすい一方、「特定時期の複数作品における語りの焦点化と都市表象の関係を比較する」なら、対象と観察項目を共有できます。解釈の根拠を本文・用例・資料に戻せる問いへ変換しましょう。
史学・比較芸術学は資料への到達可能性を示す
史学では史料批判が研究の成立を左右します。史料名を並べるだけでなく、誰が、いつ、どの目的で作成した資料か、どの偏りがあり得るか、異なる資料群でどう照合するかを考えます。考古学なら遺物・遺構と自然科学的手法を含む分析可能性も検討対象です。6,000〜8,000字の計画書では、背景説明よりも史料と方法へ十分な分量を配分します。
比較芸術学では、美術、音楽、演劇、映像の媒体差を無視しないことが大切です。図像、技法、展示、受容、楽譜、演奏、上演台本、映像表現など、対象に応じて証拠の形が変わります。比較を掲げるなら「AとBを比べる」だけでなく、時代、地域、様式、制度、受容などの比較軸を定義します。現物・複製・アーカイブへ現実にアクセスできるかも計画の実行可能性に含まれます。
カリキュラムと修了要件から研究の型を逆算する
研究計画書は入試日に完結する作文ではありません。入学後の講義・演習、研究指導、修士論文または特定課題研究へ接続する初期設計です。各専攻の公式修了要件ページでは、標準2年以上の在学、所定単位の修得、必要な研究指導、研究成果の審査と最終試験が柱になっています。したがって、計画書には「学びたい」だけでなく、二年間で研究成果へ到達する工程が見える必要があります。
講義・演習・研究指導の役割を分けて考える
講義は分野の知識、理論、研究史を広げる場です。演習は原典や史資料を読み、発表し、討論を通じて分析を修正する場です。研究指導では、自分の問い、資料、章立て、論証の妥当性を継続的に検討します。計画書では科目名を飾りとして列挙するのではなく、自分の不足をどの学修で補い、研究のどの工程へ結びつけるかを示します。
たとえば原語資料の読解力が必要なら、入学後に一から身につけるという書き方だけでは実行可能性が弱く見えます。出願までに進める準備と、入学後に演習で高度化する部分を分けます。理論枠組みも同様です。複数の理論名を並べず、中心となる概念を一つ選び、その概念で資料の何が新たに見えるのかを説明します。
修士論文と特定課題研究の選択可能性を読む
英米文学、フランス文学・語学、史学、比較芸術学では、公式ページ上、修士学位申請論文または特定の課題についての研究成果を提出し、研究指導教員と協議して1年次末までに修了方法を決める枠組みが示されています。日本文学・日本語専攻では、一般入試入学者は修士論文、社会人入試入学者は特定課題研究が基本で、社会人入学者が条件を満たして修士論文を選ぶ道もあります。
出願時に修了方法を最終決定する必要はありませんが、どの規模の成果を想定しているかは示すべきです。修士論文を想定するなら、先行研究との差を論証できる問いと複数章に展開可能な資料群が必要です。特定課題研究を視野に入れる場合も、実務経験の報告だけで終わらず、資料、方法、検討基準を置きます。成果物の種類が違っても学術的な検証手続は省けません。
30単位以上という要件が示す研究と履修の両立
日本文学・日本語専攻と史学専攻は、講義・演習を含め合計30単位以上と公式ページに明記しています。研究だけに時間を使うのではなく、授業への準備、発表、課題と並行して論文を進めることになります。計画書の対象が広すぎると、資料収集だけで時間を使い切り、分析と執筆が後ろ倒しになります。
実行可能性を確かめるには、対象資料を「中心資料」「比較資料」「補助資料」に分けます。中心資料だけで最低限の問いを検証できるようにし、比較資料は時間に応じて範囲を調整します。海外調査や未整理資料を使う場合は、許可が得られないときの代替資料も考えます。二年間の時間制約を研究上の選択として可視化することが重要です。
史学専攻の外国語認定から逆算する
史学専攻では、修士論文を選択した者に1外国語の認定があると公式修了要件に示されています。これは、外国語を単なる入試科目として切り離せないことを意味します。外国史はもちろん、日本史や考古学でも、研究史や比較対象によって外国語文献が必要になる場合があります。
計画書では、自分のテーマに必要な言語と資料の関係を説明します。読解力を誇張せず、現在読める資料、辞書を使って読める資料、入学前後に強化する課題を区別します。言語選択と研究対象が一致すれば、筆記試験、計画書、入学後の履修が一つの方針になります。入試対策と研究準備を同じ資料で進めると、限られた時間を有効に使えます。
教員の研究分野マップと指導可能性の調べ方
研究計画書で希望教員を書くときは、知名度や肩書ではなく、研究対象・方法・分野の接続を確認します。大学公式の文学研究科教員一覧は5専攻別に氏名を掲載し、研究者情報へつないでいます。以下は、氏名と分野または研究テーマを大学公式HTMLで確認できた代表例です。全員の列挙ではないため、必ず一覧から最新情報を確認してください。
| 専攻 | 教員の代表例 | 公式掲載の専門分野・研究テーマ |
|---|---|---|
| 英米文学 | 麻生えりか | イギリス文学(小説) |
| 英米文学 | 伊達直之 | 英語詩・詩学・モダニズム文学と文化の研究ほか |
| フランス文学・語学 | 久保田剛史 | 16世紀文学 |
| フランス文学・語学 | 秋山伸子 | 17世紀文学/演劇 |
| 史学 | 青木敦 | 中国前近代史 |
| 史学 | 小倉慈司 | 日本古代史 |
| 比較芸術学 | 出光佐千子 | 日本中世~近代美術の特質 |
| 比較芸術学 | 佐藤かつら | 日本の古典芸能・演劇の研究 |
教員の所属や研究分野は年度により変わるため、出願前に必ず最新の教員一覧で確認してください。募集要項の教員組織には「学生募集せず」という注記が付く場合もあり、在籍していることと、その年度に研究指導を希望できることは同じではありません。教員一覧と当該年度募集要項を二重に照合することが不可欠です。
英米文学・フランス文学では時代・媒体まで合わせる
麻生えりか教授の公式掲載分野は「イギリス文学(小説)」、伊達直之教授は「英語詩・詩学・モダニズム文学と文化の研究」などです。同じ英文学でも、小説と詩、時代、理論、文化資料によって必要な指導は異なります。「英文学だから合う」ではなく、自分の対象が小説なのか詩なのか、どの時代か、文化研究をどこまで含むかを整理します。
フランス文学・語学では、久保田剛史教授の「16世紀文学」、秋山伸子教授の「17世紀文学/演劇」のように時代と対象が明確です。作家だけで希望教員を決めず、作品が属する時代の研究史、思想、ジャンル、使用言語を確認します。教員の分野名を計画書へ貼り付けるだけでは接続の説明になりません。自分が扱う資料と問いのどの部分で専門分野に接するかを書きます。
日本文学・日本語は所定用紙の希望教員欄から逆算する
日本文学・日本語専攻の所定用紙には、研究指導を希望する教員名・分野の欄があります。ここでは、上代・中古・中世・近世・近代などの時代区分、日本語学、日本語教育学、中国古典学といった領域を先に確定します。作品名や現象名が同じでも、本文研究、受容史、表象文化論、文法、教育実践では分析の手続が変わります。
公式教員一覧から候補者を探し、リンク先の研究者情報、担当科目、近年の研究成果を確認します。そのうえで、計画書の先行研究に候補教員の文献を機械的に入れるのではなく、テーマに本当に関連する場合だけ読みます。希望教員との接続は引用数ではなく研究上の適合性で示すものです。適合しない論文を無理に引用すると、研究史の理解が浅く見えます。
史学・比較芸術学では分野名の粒度をそろえる
史学専攻では、青木敦教授の「中国前近代史」、小倉慈司教授の「日本古代史」のように地域と時期が研究の基本座標になります。自分のテーマが近代中国史なのに「東洋史」という大分類だけで接続を主張するのは粗すぎます。募集要項の研究指導領域と公式HTMLの専門分野を確認し、時期、地域、史料言語、方法の一致と相違を整理します。
比較芸術学では、出光佐千子教授の「日本中世~近代美術の特質」、佐藤かつら教授の「日本の古典芸能・演劇の研究」のように、媒体と時代が重要です。美術史のテーマを演劇研究へ、映像論のテーマを音楽史へ形式的に寄せることはできません。対象・時代・媒体・方法の四軸で候補教員を比較し、一致点を計画書の「研究の位置づけ」で明示します。
希望教員を決める四段階
- 自分の研究を対象、時代・地域、資料、方法の四項目で一行にする
- 公式教員一覧から所属専攻を確認する
- 公式プロフィールと担当科目で分野名を原文のまま確認する
- 年度要項で研究指導担当と募集可否を確認する
この手順で一致が弱い場合は、教員名を変える前に研究の範囲を再検討します。候補教員が一人も見つからないなら、その研究科では指導可能性が低いサインです。反対に候補が多すぎるなら、問いや方法がまだ広すぎる可能性があります。一人の希望教員を説明できる粒度までテーマを絞ることが、志願票と研究計画書の整合につながります。
書き上げた研究計画書、そのまま出して大丈夫ですか?
研究職キャリアを持つ講師が、テーマ設定・先行研究の位置づけ・研究方法まで、出願レベルに届いているかを個別に確認します。
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- 相談後に、志望校の出題傾向と学習ロードマップをまとめた個別フィードバックレポートをお渡し
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自分の研究テーマが文学研究科に合うか判定する手順
テーマ適合は「興味があるか」ではなく、研究科内で問いを検証し、指導を受け、修了成果へまとめられるかで判定します。次の五段階を順に進めると、専攻名への印象だけで判断する失敗を減らせます。
手順1:関心を研究対象と問いに分解する
最初に「何に関心があるか」と「何を明らかにするか」を分けます。「シェイクスピアに関心がある」は対象候補ですが問いではありません。「特定作品の上演史において人物像がどのように再構成されたか」のように、変化、関係、機能、受容など検討可能な形へ変えます。疑問文にしたとき資料で答えられるかが最初の判定基準です。
問いが大きい場合は、時代、地域、作品数、資料種別を一つずつ限定します。「日本の近代化と文学」のような主題は二年間では広すぎます。特定時期の雑誌、作家、作品群、語彙、読者層などへ下ろします。限定は研究を小さくする作業ではなく、根拠をもって答えられる形へする作業です。
手順2:先行研究を地図にする
先行研究は要約の羅列ではなく、問いがどこに位置するかを示す地図です。代表的研究を、対象、方法、結論、残された課題の四列で表にします。同じ対象を扱う研究だけでなく、自分が採用したい方法を別対象へ適用した研究も読みます。日本文学・日本語専攻の所定用紙が代表的先行研究と自分の計画との関係を問うのは、この位置づけを確認するためです。
「先行研究が少ないから新しい」とは限りません。資料が存在しない、問いが成立しない、すでに別の語で研究されている可能性があります。検索語を日本語だけに限定せず、原語、旧字体、異表記、上位概念・下位概念を試します。先行研究が明らかにした点を認めた上で不足を限定すると、過大な独自性の主張を避けられます。
手順3:一次資料と分析方法を対応させる
文学なら校訂本文、初出誌、翻訳、書簡、批評など、語学ならコーパス、用例、調査データなど、史学なら文書・記録・遺物など、芸術学なら作品、図像、楽譜、上演記録、映像などが候補です。資料ごとに、何を観察し、どの方法で比較し、どの問いへ答えるかを一行で結びます。
方法は「文献研究を行う」だけでは不十分です。どの文献を、どの基準で選び、何を抽出し、どう比較するのかを書きます。調査を伴うなら対象者、収集方法、分析法、倫理的配慮、実施可能性を検討します。一つの方法が一つ以上の問いに明確に答えているかを点検してください。
手順4:教員・授業・修了成果へ接続する
公式教員一覧で指導候補を確認し、各専攻の授業科目・修了要件を照合します。指導候補が扱う分野と、自分の対象・時代・方法の一致点を説明できるかを見ます。次に、入学後に必要な訓練を演習や研究指導で補えるか、二年間で修士論文または特定課題研究へまとめられるかを確認します。
ここで「青山学院大学だからできること」を誇張する必要はありません。公式情報から確認できる教員分野、研究指導、専攻の領域を根拠に、自分の研究との接点を具体化します。大学の理念を引用するだけでなく研究上の必要へ翻訳することが、志望理由との違いです。
手順5:反証質問に答える
- 対象を半分にしても問いに答えられるか
- 中心資料へアクセスできない場合の代替はあるか
- 先行研究と異なる結論が出なくても研究として成立するか
- 希望教員の分野と一致しない部分を説明できるか
- 二年間の授業と並行して調査・分析・執筆できるか
- 口述で専門外の人にも一分で説明できるか
答えに詰まった項目は、計画書の弱点候補です。対象を限定する、資料を追加する、問いを変更する、方法を具体化するなどの修正を行います。テーマ適合は一度の判定ではなく修正を重ねて高めるものです。
専攻別様式に合わせた研究計画書の構成と分量配分
内容が同じでも、所定用紙とフリーフォーマットでは見せ方が変わります。所定用紙は設問への直接回答が優先され、フリーフォーマットは読み手が論理を追える見出しと配分が必要です。以下の比率は大学公式の指定字数ではなく、公式が求める項目を漏れなく配置するための作業用目安です。最終的には当該年度様式の欄と字数へ合わせて調整してください。
史学専攻6,000〜8,000字の構成例
| 項目 | 配分目安 | 書く内容 |
|---|---|---|
| 研究背景・問題設定 | 15% | 時期・地域・対象と学術的な問題 |
| 先行研究と課題 | 25% | 研究史の整理、到達点、未解決点 |
| 研究目的・問い | 10% | 何を明らかにするか |
| 史料・方法 | 30% | 中心史料、史料批判、比較・分析手順 |
| 予想される意義 | 10% | 問いに答えることで更新される理解 |
| 研究計画 | 10% | 収集、読解、分析、執筆の工程 |
史学では、背景と目的が長く、史料の説明が短い計画は避けます。史料名、所蔵・公開状況、作成主体、年代、性格を整理し、どの記述をどう読むかを示します。「一次史料を用いる」だけでは方法になりません。異なる立場の史料を照合する、語彙の変化を追う、数量化する、地域間比較を行うなど、史料操作の手順を再現できる程度に書くことが重要です。
比較芸術学専攻8,000字以内の構成例
比較芸術学では、対象作品の基本情報、研究史、比較軸、媒体に適した分析方法へ分量を配ります。作品紹介に字数を使いすぎず、なぜその二つを比較するのか、比較によって単独研究では見えない何が分かるのかを示します。美術なら図像・様式・技法・展示・受容、音楽なら楽譜・演奏・制度・受容、演劇映像なら台本・上演・編集・観客など、対象に合う観察項目を選びます。
8,000字以内は上限なので、情報を盛り込むほど良いわけではありません。中心となる問いを一つ置き、副次的な問いは二つ程度に絞ります。複数の芸術分野を横断する場合も、すべてを均等に扱うのではなく、主たる媒体と比較対象の役割を定めます。比較対象の対称性より比較する理由の妥当性を優先しましょう。
日本文学・日本語専攻の所定用紙①②
①は研究テーマを一読で理解できる題名にし、主題と副題を使って対象・時代・観点を示します。これまでの研究活動または研究関心では、卒業論文、授業、読書、実務経験から現在の問いへ至る経路を書きます。経験の量を競うのではなく、何を発見し、どの疑問が残ったかを中心にします。
②の先行研究欄では、代表的研究の書誌情報、主張、方法、到達点を簡潔に示し、自分の計画が継承する点と再検討する点を分けます。研究対象・方法・分析視点の欄では、対象資料、選定範囲、観察項目、比較手順を対応させます。二枚の間で用語・対象範囲・問いを統一し、①にない新テーマを②で突然出さないようにします。
英米文学専攻の所定用紙
博士前期課程の出願資格Dでは、入学志願票②の研究主題・研究計画の概要を大学院入学後にどう展開するかについて、研究対象、研究方法、分析の視点を関連づけて具体的に述べます。志願票と研究計画書が別々の話にならないよう、主題、対象、問いの表現をそろえます。
英語圏の文学・文化を扱う場合は、原典をどの版で読み、翻訳との関係をどう扱うか、歴史的文脈や理論をどこまで使うかを整理します。英語学・英語教育なら、データ、対象者、教育場面、分析単位を具体化します。対象・方法・分析視点の三点を一文で結べるかを確認すると、抽象語の連続を防げます。
推敲は内容・構造・表現の三周に分ける
- 内容:事実、書誌、資料名、引用、教員名と分野を公式情報で確認する
- 構造:問い、先行研究、方法、意義が因果関係でつながるか確認する
- 表現:一文を短くし、主語と述語、用語、表記を統一する
一度にすべて直そうとすると、表現だけ整って論理の穴が残ります。最初に「この資料と方法で問いに答えられるか」を確認し、その後に段落順、最後に文体を整えます。一般的な構成例は研究計画書の例文・テンプレート集や文系大学院の研究計画書例文も参考になりますが、提出時は青山学院大学の最新様式を優先してください。
評価されにくい研究計画書の共通点と直し方
研究科の射程外にある
人文学に関係しそうなテーマでも、希望専攻の資料・方法・教員分野へ接続しないことがあります。社会問題を扱うだけで史学になるわけではなく、映画を扱うだけで比較芸術学になるわけでもありません。どの学問的手続で問いに答えるかが不明なら、専攻適合を説明できません。
直すには、テーマを対象、時代・地域、資料、方法に分解し、専攻の公式説明と教員一覧へ一項目ずつ照合します。四項目のうち二つ以上が合わない場合は、専攻または問いの再検討が必要です。題材の近さではなく研究手続の一致を確認することが修正の基本です。
指導可能な教員が見つからない
希望教員の欄を埋めるためだけに、分野が少し似た教員名を書くのは危険です。研究対象は合っていても時代や方法が大きく異なる場合があります。さらに、公式教員一覧に在籍していても、年度要項で学生を募集しない場合があります。
教員の公式分野を原文で確認し、自分の計画との一致点を一文で説明します。「近代文学を専門とするため」ではなく、「対象とする時期・作品群、および採用する分析視点が公開分野のどこに接続するか」まで書き出します。説明できなければ、範囲を調整するか別研究科を含めて検討します。
方法が実行不能または抽象的である
「多角的に考察する」「文献を分析する」「比較研究を行う」は、方向性を示すだけで実施手順になっていません。海外の未公開資料を大量に使う、短期間に大規模調査を行う、習得していない言語の資料だけに依存する計画も、実行可能性が弱くなります。
資料の所在、量、言語、利用条件を確認し、中心資料を絞ります。分析方法は、抽出する要素、分類基準、比較単位、解釈手順まで書きます。調査が難しいときの代替資料も準備します。方法の説明を読めば最初の一週間の作業が分かる状態を目指してください。
先行研究の位置づけがない
先行研究を「十分に研究されていない」と一括する文章は、調査不足に見えやすい表現です。何が研究され、どこまで分かり、どの対象・方法・資料が残っているかを示さなければ、自分の問いの必要性を説明できません。反対に文献要約が長すぎても、自分の計画が埋もれます。
主要研究を論点ごとにまとめ、合意点、対立点、空白を整理します。そのうえで自分の計画が継承する方法と変更する点を一つずつ示します。先行研究への敬意と限定的な差分を同時に書くと、過大な新規性を避けられます。
志望理由と研究計画が混ざっている
「昔から本が好きだった」「青山学院大学の環境に魅力を感じる」という動機は、研究を始める背景にはなりますが、問いへの答え方ではありません。研究計画書の大半が自己紹介や将来像になると、資料・方法・先行研究を書く余地がなくなります。
志望理由は、なぜ進学するか、なぜこの研究科かを中心にします。研究計画は、何を、なぜ、どの資料と方法で明らかにするかを中心にします。両者の接点は、研究上必要な指導・科目・環境です。動機の段落を削っても研究手順が残るかを確認すると、混同を見抜けます。
口述で説明できない
難しい用語や長い文で整えた計画書でも、本人が説明できなければ一貫性を保てません。提出前に、研究目的を30秒、先行研究との差を60秒、方法と実行可能性を90秒で説明します。質問に答えられない箇所は、文章の裏に理解がない可能性があります。
院試面接の一般的な準備は院試面接の完全対策も参照できます。青山学院大学文学研究科では、専攻ごとの提出物と筆記・口述の関係を意識し、用語の定義、資料選択、希望教員、研究期間を重点的に説明できるようにしましょう。
出願までの逆算スケジュール
研究計画書は、締切直前に文章だけ作ると先行研究と資料確認が不足します。以下は出願6か月前から始める目安です。秋入試・春入試の正確な日程は年度で変わるため、最新の募集要項を基準日として逆算してください。
| 時期 | 主な作業 | 完了の目安 |
|---|---|---|
| 出願6か月前 | 5専攻の比較、関心の棚卸し | 対象・問いの候補を3案作る |
| 5か月前 | 先行研究の検索と読解 | 主要研究を論点別に整理する |
| 4か月前 | 一次資料・方法・教員の確認 | 実行可能な1案へ絞る |
| 3か月前 | 章立て・分量表・初稿 | 根拠を含む全項目を埋める |
| 2か月前 | 論理と事実の推敲 | 問い・先行研究・方法を接続する |
| 1か月前 | 様式確認、校正、口述練習 | 提出版と説明用要約を完成する |
6〜4か月前:読む前に決めすぎない
最初のテーマは仮説です。関連文献を読み、資料の存在を確認するうちに問いが変わるのは自然です。候補を三つ作り、各候補について代表的研究、一次資料、希望専攻、教員候補を一枚に整理します。魅力だけでなく調査可能性を並べて比較すると、早い段階で実行不能な案を外せます。
教員確認は後回しにしません。日本文学・日本語専攻の所定用紙や志願票には希望教員に関する記入欄があるため、テーマを固めてから候補がいないと分かると大幅な修正になります。大学が公式に事前連絡を求めるかは年度情報に従い、連絡の要否を自己判断で決めないでください。
3〜2か月前:初稿は字数より論理を優先する
初稿では、研究背景、問い、先行研究、資料、方法、意義、工程を一度すべて書きます。その後、各段落の冒頭に役割をメモし、重複を削ります。史学の6,000〜8,000字や比較芸術学の8,000字以内は、この段階で配分に合わせます。所定用紙は欄の大きさを先に測り、一つの欄へ複数の役割を詰め込みすぎないようにします。
第三者から助言を受ける場合も、事実関係と論理への指摘を受け、自分で書き直します。募集要項はAI等の自動生成文章や他者作成文章の提出を禁じています。提出文の作成主体が自分である状態を守ることが大前提です。
1か月前:提出版と口述版を同時に仕上げる
最終月は、最新様式、紙面、字数、参考文献、氏名、専攻名、希望教員名を確認します。教員情報は公式一覧と募集要項で再確認します。引用した文献は実物を確認し、著者、題名、媒体、年、巻号、ページなどの表記を統一します。
同時に、研究目的一文、先行研究との差三文、方法三文、意義一文の短い要約を作ります。想定質問への回答を録音し、計画書と矛盾がないか確認します。書類の完成を口述準備の開始点にしないで、初稿段階から説明練習を重ねましょう。
専攻別に追加しておきたい準備
英米文学専攻では、研究対象の原文を継続して読み、使用する版と引用方針を決めます。文学研究なら、作品の精読から得た観察を研究史へ接続し、理論用語を作品に当てはめただけになっていないかを確認します。英語学や英語教育では、データの取得方法、分析単位、対象となる教育環境を整理します。出願資格Dの所定用紙では記入空間が限られるため、一つの対象に一つの中心的な分析視点を置くと論旨が明確になります。
フランス文学・語学専攻では、対象時期に対応する語学力と研究史の見通しを確認します。原典の読解と日本語での研究文献だけでなく、可能な範囲でフランス語の先行研究にも当たります。思想、文学、語学を横断する場合は、三領域を並べるのではなく、中心となる問いに各領域がどう貢献するかを決めます。対象時代と希望教員の公開分野の一致を早い段階で確かめましょう。
日本文学・日本語専攻では、所定用紙①②の下書きを別文書で作り、重複部分を整理してから欄内へ移します。文学研究なら異本、注釈、成立事情、受容など、本文のどの層を扱うかを決めます。日本語学なら用例の収集範囲と分類基準、日本語教育学なら対象者と教育上の課題を明示します。中国古典学を含め、資料を読める力と研究方法の準備状況を誇張せずに示すことが大切です。
史学専攻では、研究史ノートとは別に史料目録を作ります。史料ごとに年代、作成者、所蔵・公開先、形態、使用言語、利用条件、研究上の役割を記録します。計画書を6,000〜8,000字へ仕上げる前に、中心史料を実際に一部読んで、想定した問いに答えられる記述があるかを確認します。史料が存在することと問いを検証できることを区別してください。
比較芸術学専攻では、作品リストと基本データを作り、比較対象を選んだ基準を言語化します。美術作品なら制作年代、素材、寸法、所蔵、展示歴、音楽なら作品・楽譜・演奏、演劇映像なら台本・上演・映像資料の関係を整理します。図版や視聴記録に頼って印象を述べるのではなく、観察項目を定義して研究史と照合する準備が必要です。
参考文献表と研究ノートを分ける
参考文献表は提出物に掲載する書誌一覧ですが、研究ノートは各文献をどの論点で使うかを記録する作業資料です。著者、題名、出版情報だけでなく、研究目的、資料、方法、結論、自分の計画との関係をまとめます。同じ結論の研究を集めるだけでなく、方法や解釈が対立する文献も含めると、研究上の争点が見えます。
文献を読んだ順に計画書へ並べると、研究史が時系列の感想になりやすくなります。論点別、方法別、時期別など、自分の問いに適した分類へ組み替えます。その分類の最後に「ここまで分かっている」「この点は検討が不足している」「本研究はこの資料と方法で検討する」と置けば、先行研究から研究目的への橋渡しができます。
提出前の最終チェックリスト
- 最新年度の課程・専攻・時期・出願資格に対応する様式を使っている
- 研究テーマ、志願票、希望教員、本文の対象範囲が一致している
- 代表的先行研究の書誌と主張を原資料で確認している
- 中心資料の入手可能性と利用条件を確認している
- 研究方法が資料と問いに対応し、具体的な作業として書かれている
- 字数・用紙・縦横・参考文献の扱いを満たしている
- 教員名、職位、分野、募集可否を公式情報で再確認している
- 提出した内容を口述で自分の言葉により説明できる
形式確認は内容より簡単に見えますが、一つの見落としが書類全体へ影響します。印刷する場合は改ページ、文字切れ、余白、ページ番号を確認し、所定用紙では欄外へ文章が出ていないかを見ます。提出用ファイルと確認用ファイルを分け、最終版の更新日時を記録します。内容の完成日と提出準備の完了日を別に設定すると、締切直前の事故を防ぎやすくなります。
研究計画を一枚で点検する方法
長い本文を書き始める前に、研究計画の要素を一枚にまとめると矛盾を発見しやすくなります。上段に研究目的を一文で置き、その下に「先行研究で分かっていること」「残る課題」「中心資料」「分析方法」「期待される結果」「希望専攻・教員」を並べます。各欄を矢印でつなぎ、前の欄が次の欄の理由になっているかを確認します。たとえば、先行研究の課題が資料不足なのに、従来と同じ資料だけを同じ方法で読む計画なら、新しい問いに答えられません。
一枚版は口述準備にも使えます。研究目的だけを隠して他の欄から復元できるか、逆に目的から必要な資料と方法を説明できるかを試します。説明のたびに内容が変わる箇所は、まだ定義が曖昧です。計画書全体を短くしても因果関係が残るかを点検すれば、字数を削るときに必要な根拠まで失うことを防げます。
専攻をまたぐテーマの扱い方
文学と歴史、言語と教育、美術と映像のように複数領域へ関わるテーマでは、学際性そのものを長所として宣言するだけでは足りません。どの専攻の方法を主軸にし、隣接領域の知見を何のために借りるのかを決めます。中心となる資料と最終的な問いが文学研究なら文学専攻を軸にし、歴史的資料の扱いは文脈化のために用いる、といった役割分担が必要です。
学際的な計画ほど、すべての領域を同じ深さで扱おうとして範囲が広がりがちです。主領域で用いる概念と評価基準を明示し、補助領域から導入する概念は必要最小限にします。希望教員一人の専門分野ですべてを覆えると想定せず、公式カリキュラムの授業や他分野の研究成果をどう参照するかを整理します。学際性は領域の数ではなく役割分担の明確さで示すと、二年間の実行可能性を保ちやすくなります。
研究上の意義を過大に書かない
意義の段落で「社会全体へ貢献する」「従来の研究を根本から覆す」と広げると、実際の資料と結論の規模が合わなくなることがあります。修士段階の計画では、特定資料の読み直し、見落とされてきた事例の整理、異なる研究群の接続、既存解釈の適用範囲の検討など、限定的でも根拠のある貢献を示すほうが説得的です。
学術的意義と社会的意義は分けて考えます。学術的意義は研究史のどの理解を更新するか、社会的意義はその知見が教育、文化理解、資料保存などへどのように接続し得るかです。社会的意義を断定せず、研究結果から説明できる範囲に留めます。資料の規模と意義の規模をそろえることで、現実的で誠実な計画になります。
よくある質問(FAQ)
研究計画書は全専攻・全入試区分で必要ですか
いいえ。2027年度博士前期課程では、専攻、秋・春、出願資格によって要否が異なります。日本文学・日本語専攻は全出願資格で所定用紙①②、史学と比較芸術学は秋入試でフリーフォーマット、英米文学専攻は出願資格Dで所定用紙を提出します。自分の課程・時期・資格の四条件を募集要項で照合してください。
史学専攻と比較芸術学専攻の字数は何字ですか
2027年度博士前期課程秋入試では、史学専攻は6,000〜8,000字程度、比較芸術学専攻は8,000字以内です。いずれも所定用紙はなく、A4判で縦書き・横書きは自由、参考文献を明記し、その文献一覧は字数に含めません。年度変更の可能性があるため最新要項を確認してください。
日本文学・日本語専攻の所定用紙には何を書きますか
①には研究テーマ、希望する教員名・分野、これまでの研究活動または研究関心を記します。②には代表的な先行研究と自分の計画との関係、入学後の研究対象、研究方法、分析の視点を関連づけて書きます。①の問題意識を②の検証計画へ展開する構成にします。
希望教員名はどのように決めますか
自分のテーマを対象、時代・地域、資料、方法に分解し、公式教員一覧とプロフィールの公開分野を照合します。その後、当該年度募集要項で研究指導担当と募集可否を確認します。知名度や研究室の評判ではなく、研究上の適合性を根拠に選びます。
卒業論文と違うテーマでも出願できますか
テーマ変更そのものより、過去の研究経験から新しい問いへ移る理由を説明できるかが重要です。共通する資料、方法、問題意識を示し、不足する知識や言語の準備計画を書きます。全く接点がない場合は、出願までに行った予備調査を具体的に示すと移行の実行可能性を説明しやすくなります。
先行研究は何本読めばよいですか
本数だけの基準はありません。研究史の基礎となる文献、近年の代表的研究、自分と同じ資料を扱う研究、採用する方法の研究をそろえ、論点の関係を説明できることが大切です。参考文献一覧に載せるだけでなく、本文で到達点と課題を位置づけます。
春入試でも研究計画書は必要ですか
専攻と出願資格によります。秋入試で研究計画書が必要な専攻でも、春入試では卒業論文審査など別の提出・評価方法になる場合があります。前年の情報や別専攻の一覧を流用せず、最新募集要項の出願書類表と本文を両方確認してください。
AIで作った文章を提出できますか
2027年度募集要項は、志望動機・研究計画書などを志願者自身が作成し、人工知能等が自動生成した文章や他者が作成した文章の提出を禁じています。情報整理や学習に参考資料を使う場合でも、文献を自分で読み、研究上の判断を行い、提出文を自分で作成してください。
まとめ|5専攻の違いを研究計画の強みに変える
青山学院大学大学院文学研究科の研究計画書は、一般的なテンプレートへテーマを当てはめるだけでは完成しません。5専攻で資料と方法が異なり、入試時期・出願資格によって書類の要否や形式も変わります。まず最新募集要項で自分の条件を確定し、次に専攻の研究領域、修了要件、教員分野を順に照合しましょう。
- 日本文学・日本語専攻は所定用紙①②を一続きの論理として書く
- 史学専攻の秋入試は6,000〜8,000字程度で史料と方法を厚くする
- 比較芸術学専攻の秋入試は8,000字以内で媒体と比較軸を明確にする
- 英米文学専攻は出願資格ごとの提出物を確認する
- カリキュラムと修了要件から二年間の実行可能性を逆算する
- 教員は公式HTMLの分野と年度要項の募集可否を照合する
- 問い、先行研究、資料、方法、意義を一つの因果関係でつなぐ
最も重要なのは、テーマの面白さを宣言することではなく、その問いに答えるための資料と方法があり、文学研究科の指導環境で修了成果へ発展できると示すことです。専攻固有の形式は制約ではなく研究の焦点を明確にする枠として使えます。
制度・試験科目・日程の詳細は青山学院大学大学院文学研究科の外部院試解説で確認し、研究計画書の作成では必ず大学公式の最新要項と教員一覧へ戻ってください。独学での対策に不安がある場合は、研究テーマと根拠を自分で整理したうえで、青山学院大学大学院の研究計画書対策を含む大学院入試コースなど専門の指導を活用するのも一つの方法です。
書き上げた研究計画書、そのまま出して大丈夫ですか?
研究職キャリアを持つ講師が、テーマ設定・先行研究の位置づけ・研究方法まで、出願レベルに届いているかを個別に確認します。
- 研究職の講師が研究計画書を添削し、改善点を明確化
- 相談後に、志望校の出題傾向と学習ロードマップをまとめた個別フィードバックレポートをお渡し
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