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青山学院大学大学院教育人間科学研究科の研究計画書の書き方|専攻・カリキュラム・教員の研究分野から逆算する

青山学院大学大学院 教育人間科学研究科の研究計画書では、面白そうなテーマを掲げるだけでは足りません。志望する専攻・コースの射程に入り、公式のカリキュラムで方法を磨き、希望教員の研究分野と接続しながら、2年間で修士論文等に到達できる計画にする必要があります。専攻・方法・教員の三点を一本の線で結ぶことが、この研究科向けの設計の中心です。
青山学院大学大学院教育人間科学研究科の研究計画書とは、入学後に行う研究の問い、学術的背景、対象、方法、分析の視点、倫理的配慮、指導を希望する教員との適合を、専攻別の所定様式で示す出願書類です。2027年度は教育学専攻と心理学専攻で様式が異なります。特に心理学専攻は、2026年度からの変更として、専門Aの廃止と出願時の研究計画書提出が公式に示されました。2027年度の様式を起点に準備することが大切です。
書き上げた研究計画書、そのまま出して大丈夫ですか?
研究職キャリアを持つ講師が、テーマ設定・先行研究の位置づけ・研究方法まで、出願レベルに届いているかを個別に確認します。
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本記事は、出願資格、試験科目、日程、倍率を詳しく説明するものではありません。それらは青山学院大学大学院教育人間科学研究科の外部院試解説で確認できます。ここでは、専攻の構造、必修科目と修了要件、公式教員一覧の研究分野を読み合わせ、自分のテーマをどのように計画へ変換するかを具体化します。募集要項・出願書類の様式・教員の配置は年度により変わるため、出願前に必ず最新の公式情報で確認してください。
読み進めるときは、まず自分が志望する専攻・コースの欄で「扱える対象」を確認し、次にカリキュラムの欄で「身につける方法」を確認し、教員マップで「指導との接点」を探してください。その後、所定様式の項目ごとの書き方に沿って初稿を組み立てます。関心がまだ広くても構いません。「誰の、どの現象を、どの文脈で調べるか」と分解すれば、関心から研究問いへ段階的に進めることができます。本記事の例は完成文の転用ではなく、自分の文献検討と方法選択を点検するための型として使ってください。
青山学院大学大学院教育人間科学研究科の研究計画書はどう扱われるか
教育学専攻は様式②-1・②-2で研究の連続性を示す
2027年度の教育学専攻博士前期課程では、社会人入試、一般入試、学内進学者選抜のいずれも、出願時に本学所定の様式②-1・②-2を提出します。公式の入学試験募集要項・願書ダウンロードページから、年度と専攻を確認して入手してください。所定スペース内に収め、書式は変更しないのが前提です。
様式が問うのは、研究テーマの主題と副題、これまでの研究活動の概要または研究関心の所在、入学後の具体的な展開、研究対象、研究方法、分析の視点、代表的な先行研究数点と計画の関係です。これらは独立した小論文ではありません。「なぜその問題に関心を持ったか」から「何が未解明か」へ進み、「何をどう調べるか」に収束する連続した説明です。研究関心を学術的な問いへ変換する工程が評価されます。
心理学専攻は様式③を1頁に収める
心理学専攻の博士前期課程は、心理学コースと臨床心理学コースのいずれも様式③を使います。各項目の行数は調整できますが、全体は1頁以内です。記入項目は、研究テーマ、背景、目的と意義、対象・データ収集・分析方法、必要な倫理的配慮です。希望するコースと研究指導教員も記入します。短さは内容を省く理由にはならないため、一文ごとの役割を明確にします。
この計画書は合否判定の参考資料として評価されます。公式の合否判定基準は、出願書類、筆記試験、面接試験の結果を総合的に評価するとしています。したがって、計画書だけで選考が完結するわけではありません。一方で、計画書に書いた用語、先行研究、対象者の選定、分析手法、倫理的配慮について、面接で自分の言葉で説明できる準備は必要です。
| 区分 | 様式・分量 | 主な記載内容 | 設計の焦点 |
|---|---|---|---|
| 教育学専攻博士前期 | 様式②-1・②-2、所定スペース | 関心、対象、方法、分析視点、先行研究 | これまでの関心と入学後の研究の連続性 |
| 心理学専攻博士前期 | 様式③、全体1頁以内 | テーマ、背景、目的・意義、対象・収集・分析、倫理 | 限られた紙面での整合と実行可能性 |
教育学専攻・心理学専攻・2コースの構造
教育学専攻は人の生涯と教育の場を広く扱う
教育学専攻は、幼児児童臨床、生涯学習、障害児臨床教育、認知心理学、メディア論、臨床教育、比較教育、教育史、教育思想、教育哲学、教育社会学、学校教育などの幅広い領域を扱います。学校の授業改善だけでなく、幼児期から老年期までのライフサイクルと、家庭、学校、地域、図書館、情報環境などの場を対象にできます。広い射程の中で研究の座標を絞ることが、計画書の最初の仕事です。
例えば、「ICTを使った授業を研究したい」という希望だけでは、教育工学、学習科学、情報教育のどこに重心があるかが不明です。学習者同士の対話過程を分析するのか、教師の授業設計を調べるのか、情報格差に注目するのかで、読むべき先行研究と適した方法が変わります。専攻の幅広さは、どのテーマでも通るという意味ではなく、研究の位置を精密に説明する必要があるという意味です。
心理学専攻は目的に応じてコースを選ぶ
心理学専攻には心理学コースと臨床心理学コースがあります。心理学コースは、実験、認知、生理、発達、社会、産業、臨床などの領域を、研究法と統計の基礎の上で学ぶ構造です。臨床心理学コースは、臨床心理学の理論、面接、査定、実習などの必修科目を含む構造です。資格の希望と研究の問いを分けて整理すると、コース選択の理由が明確になります。
臨床の対象を扱うだけで、自動的に臨床心理学コースが適切になるわけではありません。例えば、心理支援の実践能力の形成と並行して臨床研究を行うのか、発達特性に関する認知過程を実験的に検討するのかで、必要な授業と指導環境が異なります。出願後のコース変更は認められないため、科目配置、修了要件、希望教員の研究指導担当の有無を一組で確認します。
| 専攻・コース | 主な射程 | 計画書で明確にすること |
|---|---|---|
| 教育学専攻 | 学校教育、生涯学習、教育史、教育社会、幼児教育、情報・メディア等 | 教育現象の場、対象時期、理論的視点、資料・調査法 |
| 心理学コース | 実験、認知、生理、発達、社会、産業、臨床等 | 変数の定義、対象者、測定、分析、倫理 |
| 臨床心理学コース | 臨床心理の理論と実践、心理査定、面接、実習 | 臨床的意義、対象への負担、同意、個人情報保護、実施可能性 |
カリキュラムと修了要件から逆算する研究の型
教育学専攻は調査法と文献調査法が土台になる
教育学専攻の博士前期課程は、標準2年以上在学し、基礎科6単位、研究指導Ⅰ~Ⅳの8単位を含め40単位以上を修得し、修士学位申請論文等の審査と最終試験に合格する構造です。基礎科目には教育実践調査法Ⅰ・Ⅱ、教育文献調査法Ⅰ・Ⅱが置かれています。現場調査と文献調査のどちらで迫るかを計画書で言語化してください。
カリキュラムには、教育思想、教育史、保育学、障害児臨床教育、高等教育、教育社会学、教育工学、教育認知、学習メディア、生涯学習、身体教育学、音楽教育、美術教育などの研究と演習が置かれています。計画書では科目名を多く並べるより、自分の研究に不足する知識や方法をどの科目群で補うのかを示すほうが有効です。例えば、歴史研究なら資料の所在と史料批判、調査研究なら現場へのアクセスと分析手順を予め考えます。
心理学コースは研究法・測定・統計と中間報告を見越す
心理学コースも標準2年以上、40単位以上が基本です。基礎科8単位と研究指導Ⅰ~Ⅳの8単位を含みます。心理学研究法演習Ⅰ~Ⅳと心理測定統計論Ⅰ・Ⅱが基礎に置かれ、中間報告は研究法演習で実施されます。この構造から、「心理学に関心がある」という動機だけではなく、何を測定し、どのように分析するかまで予備設計が求められると読み取れます。
独立変数と従属変数を置く実験研究、質問紙得点の関連を検討する調査研究、語りや相互作用を扱う質的研究では、計画の論理が異なります。「影響を明らかにする」と書くなら因果を識別できる設計が必要です。一時点の相関調査しか予定していないなら、因果ではなく関連を検討すると表現するほうが、目的と方法が整合します。
臨床心理学コースは研究と実習の両立可能性を考える
臨床心理学コースは、必修14科20単位、選択A~Eの各群から1科2単位以上、研究指導Ⅰ~Ⅳの8単位を含む40単位以上が修了要件です。臨床心理学特論、臨床心理面接特論、臨床心理査定演習、臨床心理基礎実習などを履修する構造です。そのため、過大な参加者数、長期の追跡、多くの機関との調整を同時に必要とする計画は、2年間の履修と両立できるかを慎重に検討します。学術的価値と現実的な実施条件を両立させることが必要です。
社会人入試で入学した人は、修士論文に代えて特定の課題についての研究の成果を提出できる場合があります。ただし、臨床心理学コースで修士論文合格によらない方法で修了した場合、臨床心理士の受験資格が与えられないと大学院要覧に記載されています。資格取得を希望する人は、研究テーマだけでなく修了方法の選択も公式情報で確認してください。
教育学専攻の教員と研究分野マップ
歴史・社会・制度から教育を問う
公式の教育人間科学研究科教員紹介では、各教員の専門分野と研究指導科目の担当の有無を確認できます。教育の歴史的・社会的な成立を問う分野には、岩下誠教授の「イギリス教育史、アイルランド教育史、教育社会史」、江口潔教授の「日本教育史、教育社会史」、小針誠教授の「教育社会学、教育社会史」が掲載されています。時代・地域・制度・資料の範囲を特定すると、歴史的な関心が研究可能な問いに変わります。
高等教育や社会教育を扱うなら、杉谷祐美子教授の「高等教育論、教育社会学」、柳田雅明教授の「生涯学習論、成人教育論」、山本珠美教授の「社会教育学、教育行政学」という公式表記が手がかりになります。例えば、成人の学び直しを扱う場合でも、学習者の意識を調査するのか、支援制度を分析するのか、地域の学習機会の運営を研究するのかで接続先が異なります。
学習・認知・情報環境を問う
学習と情報環境に関する分野には、北澤武教授の「教育工学、情報教育、科学教育」、米田英嗣教授の「教育心理学、教育認知科学」、益川弘如教授の「認知科学、学習科学、教育工学」、野末俊比古教授の「図書館情報学、情報教育論、情報メディア論」が公開されています。使う技術ではなく解明する学習現象を主語にすることで、単なる実践紹介から研究へ進めます。
「生成AIを活用した授業」という表題は、技術名が中心で、研究の問いがまだ見えません。学習者が説明を比較する過程、教師がフィードバックを設計する過程、学習成果の測定、公平な利用条件など、観察する現象を決めます。その上で、授業観察、発言記録、成果物、質問紙、インタビューのどれを組み合わせるかを設計してください。
幼児教育・保育・身体・芸術教育を問う
人の発達と表現に関する領域では、福元真由美教授の専門分野は「幼児教育学、保育史、保育カリキュラム論」です。高櫻綾子准教授は「幼児教育学、保育学」です。小木曽一之教授は「応用生理学、バイオメカニクス、体育科教育学」です。山本美紀教授は「音楽学、芸術文化教育論、キリスト教文化」です。保育実践、身体運動、音楽はそれぞれ資料の形態が異なるため、対象に適した記録と分析の方法を選ぶ必要があります。
教員名を計画書に書くときは、「この教員がいるから有利だ」という推測は避けます。公開された専門分野と自分が扱う問いの関係を確認し、どの理論、対象、方法の接点があるかを説明します。教員の所属や研究分野は年度により変わるため、出願前に必ず最新の教員一覧で確認してください。
書き上げた研究計画書、そのまま出して大丈夫ですか?
研究職キャリアを持つ講師が、テーマ設定・先行研究の位置づけ・研究方法まで、出願レベルに届いているかを個別に確認します。
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心理学専攻の教員と研究分野マップ
認知・生理・実験の接続先
心理学専攻では、松田いづみ教授の「心理生理学、認知神経科学、犯罪心理学」、薬師神玲子教授の「実験心理学、認知心理学、認知科学」が公式に掲載されています。この領域と接続する計画では、日常語の「集中」や「記憶」をそのまま使わず、理論上の構成概念と操作的定義を明らかにします。研究目的から刺激・指標・分析へ論理をつなぐことが必要です。
実験を予定するなら、対象者の属性、条件の割り付け、提示する刺激、取得する行動指標や生理指標、主要な比較を書きます。計画段階で装置名や統計ソフトを羅列する必要はありません。むしろ、主要な仮説に対してどの指標がどのように変化すると予測するかを書くと、目的と方法の整合を読み手が判断しやすくなります。
社会・文化・コミュニケーションの接続先
社会的な心理過程には、繁桝江里教授の「社会心理学、対人コミュニケーション」があります。荻原祐二准教授は「社会心理学、文化心理学、社会文化変容」です。組織内の対話、対人評価、文化差、時代変化などの関心を持つ人は、分析単位を定めてください。個人差・集団差・時代差を混同しないことが設計の基本です。
例えば、若者の価値観の変化を研究するとき、異なる年齢集団を同じ時点で比較しても、加齢による差、生まれた時代による差、調査時点の影響を完全に切り分けられません。どの差をどの資料で論じるのかを限定し、言える範囲を越えない計画にします。心理学の概念を社会問題の印象的な説明に使わず、測定と推論の条件を揃えることが大切です。
臨床・発達・福祉の接続先
臨床と発達に関する分野では、小俣和義教授の「臨床心理学、心理査定」があります。坂上裕子教授は「発達心理学、臨床発達心理学」です。沖潮満里子准教授は「臨床心理学、質的研究法」です。田中里実准教授は「臨床心理学、臨床発達心理学、福祉心理学」です。森脇愛子准教授は「発達心理学、臨床発達心理学」です。対象者の保護を方法の一部として設計することが欠かせません。
臨床領域の計画では、「効果的な支援法を開発する」という大きな目標に飛びつかないようにします。まずは当事者や支援者がどのような経験をしているか、特定の指標がどの要因と関連するか、既存の尺度や面接法で何を把握できるかといった、修士課程で実施可能な問いに絞ります。リスクが生じた場合の対応、参加を断っても不利益を受けないこと、匿名化、データ管理も計画に組み込みます。
自分の研究テーマが教育人間科学研究科に合うかを判定する手順
1.関心を「対象×現象×文脈」に分解する
最初に、「教育格差」「子どもの心」「メディアと学習」のような広い関心を分解します。対象は誰か、どの行動・制度・経験を解明したいか、どの時代・地域・教育段階・組織で起きるのかを書き出します。例えば、「首都圏の大学生を対象に、オンラインでのフィードバックの受け取り方と学習行動の関連を検討する」まで絞れば、検索する先行研究や必要なデータが見えます。名詞だけのテーマを検証可能な文に変えることが第一段階です。
2.専攻の科目と学位論文審査基準に照らす
次に、テーマが専攻の射程に入るかだけでなく、カリキュラムを使って研究を発展させられるかを確認します。教育学専攻の学位論文審査基準は、課題設定の明確さ、研究方法の適切さ、先行研究の検討、論証の一貫性、新たな知見と貢献、残された課題への自覚を掲げています。心理学専攻の基準は、文献研究、独自性、方法の妥当性、分析の適切さ、考察、限界と今後の発展を問います。修了時の評価項目を出願時の設計図に映すと、必要な要素が明確になります。
3.教員の専門分野と研究指導担当を確認する
公式教員紹介で、氏名、専門分野、博士前期課程の研究指導科目を担当するかを確認します。専門分野の語がテーマに一つ含まれるだけでは十分ではありません。例えば、「認知科学」という共通語があっても、授業中の協調学習を分析する計画と、視覚的注意を実験する計画では研究の系譜が異なります。教員の個別ページや公開業績に進み、自分の問いと近い研究があるかを確認してください。
4.2年間のデータと手続きを現実化する
研究の意義が大きくても、データを取得できなければ計画として成立しません。協力を依頼する学校や支援機関がまだ決まっていないなら、特定の機関で調査できると断定せず、代替可能な対象設定を考えます。公開統計、歴史資料、制度文書、既存データで答えられる問いに修正する選択肢もあります。最小限必要なデータで主要な問いに答える設計は、計画の実行可能性を高めます。
- 関心を対象、現象、文脈に分解する
- 専攻・コースの科目と審査基準に照らす
- 公式教員一覧で専門分野と研究指導担当を確認する
- 先行研究から未解明点を一文で書く
- 2年間で取得できるデータと分析に絞る
- 倫理的配慮と代替案を用意する
専攻別の所定様式に合わせた研究計画書の書き方
教育学専攻:関心の所在から研究課題へ進む
教育学専攻の最初の記述欄では、これまでの研究活動の概要または研究関心の所在を述べます。学部の卒業論文が直接つながる人は、扱った問題、資料やデータ、用いた方法、得られた知見、残った課題の順で要約します。卒業論文が異分野だった人や社会人は、職務経験の自伝ではなく、どの経験からどの問題を見いだし、どの文献を読んで学術的な関心に変えたかを書きます。経験を根拠にせず、問いを発見した経緯にすることが大切です。
次の欄では、入学後にどう展開するかを、研究対象、研究方法、分析の視点を関連づけて述べます。対象は「子ども」のような大きな区分ではなく、教育段階、場、時期、必要な属性を特定します。方法は「アンケートを行う」で終わらず、何を尋ね、得られた回答をどう分析するかを書きます。分析の視点は、データを読む理論的なレンズです。対象と方法が一致していても、どの概念に注目して解釈するかがなければ、資料の紹介に留まります。
先行研究の欄では、代表的な研究を数点挙げ、それぞれの主張や知見を一行で要約し、自分の計画がどこを引き継ぎ、どこを再検討するかを示します。書誌情報を並べるだけでは、計画との関係は伝わりません。先行研究の到達点と自分の出発点を同じ文で結ぶと、研究の位置づけが明確になります。
心理学専攻:1頁の中で仮説と方法を対応させる
心理学専攻の様式は全体1頁です。紙面配分は公式の行数固定ではありませんが、作業時の目安として、背景に全体の約30%、目的と意義に約20%、対象・収集・分析に約35%、倫理的配慮に約15%を割り当てて初稿を作る方法があります。これは大学の指定ではなく、特定の項目が肥大化するのを防ぐための編集上の目安です。最終的には研究の複雑さに応じて調整してください。
背景では、関連する理論や先行研究の流れを、「分かっていること」と「まだ分かっていないこと」に分けます。目的はその未解明点に対する答えの形で書きます。意義は、結果が得られたときにどの理論的理解を更新できるかを中心にします。「社会に役立つ」だけでは広すぎるため、実践的意義を書く場合も、どの判断や支援にどの知見が役立つのかを限定します。背景の最後の未解明点と目的を対応させると、論理の飛躍を防げます。
方法の欄では、対象者の条件、主な募集方法、収集するデータ、手続き、測定指標、主な分析を書きます。対象者数を書く場合は、根拠なく大きな数を置かず、研究計画の段階では予定数として扱います。実験なら条件間で何を比べるか、質問紙なら主要変数間の何を検討するか、インタビューならどのような手順で語りを分析するかを書きます。
倫理的配慮は定型句ではなくリスクに対応させる
心理学専攻の様式が倫理的配慮を独立項目として求めていることは、方法の現実性と対象者の保護を計画段階で考える必要があることを示します。説明と同意、任意参加、撤回の自由、不参加による不利益の防止、データの匿名化・仮名化、保管、廃棄を検討します。未成年者を対象とする場合は、保護者の同意と本人への年齢に応じた説明を考えます。方法固有の負担と不利益に対する対応を書くことで、定型句から一歩進んだ記述になります。
面接調査では、過去のつらい経験を語ることによる心理的負担や、語りの中に第三者の情報が含まれる可能性を考えます。オンライン調査では、送信経路や端末に残る情報、同一人物の重複回答、プラットフォームが取得する情報にも注意が必要です。研究倫理審査の正式な手続きは入学後に指導を受けて行うとしても、予想される問題を現時点で言語化することはできます。
通らない研究計画書の型と出願までの逆算スケジュール
研究科の射程外、指導の接続がない、方法が実行できない
第一の失敗は、社会的に重要なテーマであっても、教育学または心理学の研究問題になっていないことです。一般的な政策提言、学校経営の改善案、商品・サービスの開発案のみでは、どの先行研究に対してどの知見を加えるかが不明です。実践的な課題を扱う場合も、改善策を提案する前に、何がどの条件で起き、どのように経験されているかを検討する問いを置きます。解決策の前に解明すべき学術的な問いを置くことが必要です。
第二の失敗は、希望教員の氏名を書いているのに、専門分野とテーマの接点が説明されていないことです。教員の専門と自分のテーマは完全一致する必要はありませんが、少なくとも問い、理論、対象、方法のいずれかで研究指導の接続を説明できる必要があります。研究指導を担当しない教員を希望欄に書かないよう、記号の意味も含めて最新の公式一覧を確認します。
第三の失敗は、方法が大きすぎることです。全国の学校を対象とする、複数年にわたって追跡する、多数の支援機関で介入実験を行うといった計画は、データ取得の許可、期間、人員、費用の条件を満たせない可能性があります。初稿では大きな理想を書いても、最終稿では修士課程で答える主問いを一つに絞ります。
先行研究の羅列、概念の曖昧さ、方法の名前だけを修正する
先行研究の著者名と題名を並べても、研究の位置づけは完成しません。各研究が何を明らかにし、どの限界を持つかを比較し、自分の計画が対象、文脈、方法、時点のどこを変えるかを書きます。一本ずつ独立した要約を並べるのではなく、同じ問題に対する結果の一致・不一致、研究デザインの違いを整理します。文献の数より、文献間の関係を書くことが重要です。
「自己肯定感」「学習意欲」「インクルーシブ教育」などの言葉は、研究者や理論によって定義が異なる場合があります。計画で中心となる概念は、どの定義を用い、どの指標や資料から把握するかを書きます。「質的研究を行う」「統計解析を行う」という方法名だけの記述も不十分です。どのデータをどの視点でコード化・比較し、主問いにどう答えるかを示します。
出願の6か月前から逆算する
研究計画書は、出願直前に文章を整えるだけでは完成しません。テーマの仮置き、概説書とレビュー論文の確認、主要論文の精読、教員とカリキュラムの照合、方法の修正、所定様式への圧縮の順で進めます。博士前期課程は、出願にあたって指導希望教員へ相談したり承諾を得たりする必要はないと公式要項に記載されています。ただし、これは教員の専門分野の確認が不要という意味ではありません。
| 時期の目安 | 主な作業 | 完了条件 |
|---|---|---|
| 出願6か月前 | 関心の分解、専攻・コースの仮決定 | 対象×現象×文脈を一文で書ける |
| 5か月前 | 概説・レビュー・主要論文の収集 | 重要文献の主張と限界を比較できる |
| 4か月前 | 公式教員一覧・科目・修了要件と照合 | 専攻、コース、希望教員の理由を説明できる |
| 3か月前 | 研究問い、対象、データ、分析の設計 | 目的と方法が一対一で対応する |
| 2か月前 | 長めの初稿を作成し、論理を点検 | 背景、未解明点、目的、方法が連続する |
| 1か月前 | 所定様式へ圧縮、引用・用語・倫理の確認 | 様式内に収まり、口頭で説明できる |
| 出願直前 | 最新の募集要項、様式、教員配置を再確認 | 年度・専攻・コースの取り違えがない |
教育学専攻のテーマを「教育改善」から研究問いへ変える
教育学専攻を志望する人は、「子どもによい教育を届けたい」「教師の負担を減らしたい」という実践的な動機を持つことがあります。その動機は重要ですが、研究計画書では改善の目標をそのまま研究目的にしません。例えば、教師の業務負担を扱うなら、業務の何を負担と定義するか、どの制度や組織文化と関連するか、当事者はどのように経験するかと問います。良い実践を提案する前に現象の仕組みを解明すると、学術的な計画になります。
学校教育を扱う場合も、調査対象を学校だけに限る必要はありません。教育政策文書の分析、教科書や指導資料の歴史的変化、教師の専門職形成、地域と学校の協働、図書館や社会教育施設と学習者の関係など、データの所在は多様です。現場に入れる見込みがないのに学校観察を前提とするのではなく、公開資料で答えられる前段階の問いを置く方法もあります。何をデータとみなすかは研究問いによって決まります。
歴史研究では、現在の制度に対する問題意識から出発しても、過去の資料を現在の価値判断だけで読まないようにします。対象時期の言葉の意味、制度、社会状況をふまえ、資料の作成者、目的、読者、保存の偏りを検討します。一つの学校や人物の資料から社会全体を説明するのではなく、資料が示せる範囲と示せない範囲を分けることで、妥当な結論に近づきます。
心理学専攻のテーマを「心の問題」から測定可能な問いへ変える
心理学のテーマでは、日常語と学術用語の距離に注意が必要です。「SNSは若者の自尊心を下げるか」という関心を例にすると、SNS利用を利用時間で捉えるのか、能動的な発信と受動的な閲覧を分けるのか、比較行動を測るのかで意味が変わります。自尊心についても、どの理論と尺度を用いるかを決める必要があります。さらに、一時点の調査で利用と自尊心の関連が見つかっても、SNS利用が原因だと断定はできません。概念の定義とデータから可能な推論を揃えることが大切です。
発達心理学で年齢群を比較する場合は、年齢による変化と、異なる時代に生まれたことによる差を分けて考えます。同じ人を追跡する縦断研究は変化を捉えやすい一方、対象者の離脱と長い期間が課題になります。異なる年齢群を同時期に比較する横断研究は実施しやすい一方、個人内の発達的変化そのものを直接捉えるわけではありません。2年間の修士研究でどの設計が実行可能かを考え、結論の範囲を限定します。
臨床心理学では、対象者へのアクセスと負担を特に慎重に考えます。臨床群と非臨床群の比較を書くなら、誰がどの基準で群を定義するのか、医療機関等の協力を得られるのか、参加による負担をどう低減するのかが問題になります。それらが現時点で困難なら、非臨床サンプルで関連特性を検討する、公開資料を分析する、支援者側の経験を扱うなど、主問いに近づく代替案を検討します。調査対象に接近できることを当然の前提にしないことが実行可能性につながります。
先行研究を「要約」から「対話」に変える
先行研究の検討では、各論文について、研究問い、理論、対象、方法、主な結果、著者が述べる限界を同じ形式でメモします。その上で、対象や方法が似ている研究を比較し、結果が一致するか、異なるかを見ます。結果が異なるなら、対象者の年齢、地域、測定法、調査時期、分析の違いのどれが候補になるかを考えます。この比較から、自分の研究で統制すべき条件や、新たに検討すべき対象が見えます。
教育学専攻の様式に代表的な先行研究を書くときは、「AはXを明らかにした。BはYの条件で異なる結果を示した。しかし、どちらもZの対象を扱っていない。そこで本研究は…」という関係を作ります。心理学専攻の背景欄でも同じです。文献名を羅列する代わりに、理論や結果の流れを示し、最後の一文を未解明点にします。自分の研究は先行研究の空白から始める構造にしてください。
文献検索では、最初からテーマの文をそのまま検索せず、中心概念、対象者、場、方法を分けて組み合わせます。日本語と英語の対応語を整理し、重要論文のキーワードと参考文献リストから検索語を更新します。検索結果が多すぎるなら、教育段階、年齢、地域、研究法で絞ります。結果が少なすぎるなら、類義語や上位概念に戻ります。読んだ文献は著者と年だけでなく、自分の計画のどの文を支えるかもメモすると、圧縮時に活用できます。
初稿を所定様式に圧縮する手順
最初から狭い様式の中で書くと、前提を省きすぎたり、反対に背景だけを詰め込んだりします。まずは様式の各項目に対して必要な内容を長めに書き、項目間の整合を点検します。次に、各段落の第一文だけを読み、論理がつながるかを確認します。一つの段落に主張が二つあるなら分け、同じ主張が複数の項目にあるなら、最も役割に合う項目に残します。
削る順序は、一般的な社会背景、同じ意味の言い換え、志望動機の形容詞、細かすぎる手順、主問いに直接関係しない副次的な問いの順が基本です。一方、未解明点、研究目的、対象の条件、収集するデータ、主な分析、倫理的配慮は残します。読み手が研究を再現するための骨格は削らないようにしてください。心理学専攻の1頁では、長い引用を使わず、複数の研究の共通点をまとめることが有効です。
面接で研究計画を説明する準備
計画書を提出した後は、各文の意味と根拠を口頭で説明できるようにします。「なぜそのテーマか」には個人的な動機だけでなく、先行研究上の未解明点を答えます。「なぜその対象か」には、研究問いとの関係と実行可能性を答えます。「なぜその方法か」には、他の方法と比べて何を捉えられるかを説明します。「なぜこの研究科か」には、専攻の射程、科目、教員の専門分野との接続を答えます。
計画の限界を問われたときに、「ありません」と答える必要はありません。サンプルの範囲、自己報告の偏り、横断調査で因果を論じられないこと、一つの地域や機関を対象とすることによる一般化の制約などを説明し、どのように結論の範囲を限定するかを答えます。限界の自覚は計画の弱さではなく推論の正確さにつながります。教育学専攻と心理学専攻の学位論文審査基準が限界や残された問題への理解を問うこととも整合します。
面接練習では、まず1分で研究の全体を説明し、次に背景、方法、意義、倫理をそれぞれ1分で説明します。用語の定義、主要文献の選定理由、代替できる方法、データを取得できない場合の修正案も用意します。暗記した原稿を再生するのではなく、質問の意図に応じて必要な部分を組み合わせられる状態を目指します。
専攻とテーマの境界領域を整理する
教育人間科学研究科では、教育学と心理学の両方に関係するテーマがあります。例えば、学習動機、発達、学習環境、教育相談などは、どちらの専攻かをテーマ名だけで決められません。学校制度、授業実践、教師の専門性、教育の歴史的・社会的文脈を主に問うなら教育学専攻との接続を検討します。心理概念を定義し、個人の行動、認知、感情、発達、対人過程を測定・分析するなら心理学専攻との接続を検討します。テーマの名称ではなく、主問いと方法で専攻を選ぶことが大切です。
両方の専攻に関連科目があるからといって、どちらでも同じ指導を受けられるとは限りません。科目名の似ている部分だけでなく、基礎科目、研究法、学位論文審査基準、指導希望教員の公式の専門分野を比較します。一度、教育学専攻向けと心理学専攻向けに、同じ関心を異なる主問いとして書き分けてみると、自分が本当に解明したいことが見えやすくなります。
研究テーマの仮タイトルを主題と副題に分ける
教育学専攻の様式は研究テーマの主題と副題を求めます。主題には中心概念と解明する関係を簡潔に示し、副題には対象、地域、時期、資料、方法のうち、研究の範囲を特定する情報を置きます。「現代の教育問題に関する研究」のような題では対象と問いが判別できません。仮タイトルを見た人が、何のデータを使う研究かをある程度想像できるようにします。副題は研究の境界条件を示すために使うと、題名の焦点が合います。
心理学専攻の様式に副題の独立欄がなくても、テーマの文言で対象と主な関係を明確にする考え方は同じです。「影響」という語は因果関係を示唆します。横断的な質問紙調査で関連を検討する計画なら、題名も「関連」とするほうが方法と整合します。介入前後を比較する場合でも、対照条件がなければ時間経過や他の出来事の影響を除きにくいため、題名と結論の強さを慎重に調整します。
対象者数や調査地域に根拠を持たせる
研究計画書で数値を書くと、具体性が高く見えますが、根拠のない数値はかえって計画の不安定さを示します。対象者数は、主要な分析、想定する効果、有意水準、検出力などから統計的に検討する方法と、質的研究でデータの多様性や分析の深さから検討する方法があります。出顗段階で確定できない場合は、予定であることを明らかにし、入学後に精査する論点を把握します。
調査地域や機関は、通いやすいからという理由だけではなく、研究問いに必要な特徴を持つから選びます。特定地域の制度や歴史を研究するなら、地域選定そのもに学術的理由があります。一方、一般的な心理過程を主張するのに一つの大学や地域からの便利なサンプルだけを使うなら、一般化の限界を書きます。実施のしやすさと問いへの適合を分けて考えることが必要です。
修了後の進路と研究の意義を混同しない
将来、教員、心理専門職、社会教育関係者、研究者として活躍したいという進路希望は、志望の背景になります。ただし、「将来の仕事に役立つ」ことだけで研究の学術的意義を説明したことにはなりません。学術的意義は、既存の理論や知見にどのような修正、拡張、条件付けを加えるかです。実践的意義は、結果がどの場のどの判断に役立つ可能性があるかです。進路希望は、その知見を将来どのように活かしたいかです。三つを分けて書くと論理が整います。
研究の実践的意義は、結果を得る前から大きく約束しすぎないようにします。一つの調査や実験から、すぐに制度全体の改革や治療法の確立まで主張することは困難です。まずは特定の現象を理解するための基礎的知見、支援や授業を設計するときに考慮すべき条件、今後の介入研究で検討すべき仮説を示すという水準で説明すると、修士研究の範囲と整合します。研究が直接変えるものと将来支えるものを分けることが誠実な記述につながります。
提出前に一文ずつ整合性を点検する
最後の推敲では、誤字脱字だけでなく、各文がどの問いに答えるためにあるかを確認します。背景の各文は、研究目的が必要な理由を支えているでしょうか。目的は疑問文に言い換えられるほど明確でしょうか。対象の条件はその問いに答えるために必要でしょうか。収集するデータは中心概念を捉えられるでしょうか。分析の結果から目的に対する答えを導けるでしょうか。これらのどこかに「なぜ」が残るなら、説明の追加か計画の絞り込みが必要です。
次に、計画書の用語をチェックします。同じ概念を異なる語で呼んでいないか、「対象」が人を指すのか資料を指すのか曖昧でないか、「効果」「影響」「要因」などの因果を示唆する語を方法以上に強く使っていないかを見ます。同じ概念は同じ語で、異なる概念は分けて書くことで、限られた紙面でも誤解を減らせます。
そして、参考文献の書誌情報、著者名、年、引用内容を原文と照合します。引用していない論文を読んだように書かず、要旨だけでは判断できない方法や限界は本文を確認します。教員名と専門分野は記憶で書かず、提出直前に公式教員一覧と一致するかを再確認してください。様式の年度、志望専攻、コース、入試区分、希望教員名の入力ミスも、本文の推敲と分けて最終確認します。
提出用ファイルと面接準備用ファイルを分けるのも有効です。提出用は所定様式の範囲に収めますが、準備用には、省略した先行研究の要約、方法を選んだ理由、代替案、予想される限界、用語の定義を残します。面接で詳細を問われたとき、提出紙面には入らなかった検討過程から答えられます。圧縮して削った根拠は、別のノートに保存することで、短い様式と深い理解を両立できます。
最後は紙面だけでなく、印刷時の改ページ、文字の欠け、フォントの置換、表示されない文字がないかも確認します。教育学専攻は所定スペースと書式を守り、心理学専攻は全体1頁以内であることを実際の出力で点検してください。
提出前には日を空けて再読し、第三者が初めて読んでも対象、問い、方法、意義の関係を追える文章に整えましょう。
よくある質問(FAQ)
教育学専攻の研究計画書に字数指定はありますか
2027年度の公式様式は、特定の字数ではなく、所定の記入スペース内に収めることを求めています。様式②-1・②-2をダウンロードし、書式を変更せずに記入します。字を極端に小さくする前に、各段落の主張を一つに絞り、重複する背景説明を削ります。
心理学専攻の研究計画書は何ページですか
博士前期課程の様式③は、各項目の行数を任意に変更できますが、全体を1頁以内に収めます。背景だけで紙面を使い切らないよう、目的、対象、収集、分析、倫理まで一度書いてから全体を圧縮してください。
出願前に指導希望教員の承諾は必要ですか
博士前期課程は、出願にあたって指導希望教員に相談したり承諾を得たりする必要はないと、2027年度の募集要項に記載されています。ただし、研究計画書に希望教員名を記入するため、公式の教員紹介で専門分野と研究指導担当を確認することは必要です。博士後期課程は、あらかじめ指導希望教員の承認を得た人が出願する条件であり、博士前期課程と異なります。
心理学コースと臨床心理学コースはどう選びますか
研究の問い、必要な方法、希望する資格、必修科目と実習の負荷を組み合わせて選びます。公認心理師・臨床心理士を目指す人は、公式要項の案内に従って臨床心理学コースの分冊版を確認してください。出顗後のコース変更は認められないため、資格目的と研究目的の両方を出願前に照合することが大切です。
先行研究は何本読めばよいですか
一律の本数では決められません。まず概説とレビュー論文で用語と研究の流れをつかみ、主要な原著論文をたどります。教育学専攻の所定様式は代表的な先行研究を数点挙げることを求めていますが、それだけを読めばよいという意味ではありません。様式に書く数点は、検討した文献群の中から、計画との関係を最も説明しやすいものを選びます。
研究方法が未確定でも出願できますか
入学後の指導で方法を洗練する余地はありますが、出顗時に対象、データの収集法、主な分析の視点がまったくない計画は避けたほうがよいでしょう。教育学専攻の様式は研究対象・方法・分析の視点を、心理学専攻の様式は対象・収集・分析を明示的に求めています。現時点での第一案と代替案を比較し、実行可能な案を書いてください。
社会人入試では修士論文以外の修了方法を選べますか
公式の大学院要覧では、教育学専攻と心理学専攻に社会人入試で入学した人は、修士学位申請論文に代えて特定の課題についての研究の成果を提出できるとされています。ただし、臨床心理学コースで修士論文合格以外の方法を選ぶと、臨床心理士の受験資格が与えられないと記載されています。志望する資格と修了方法を一緒に確認してください。
研究計画書は入学後に変更できますか
公式募集要項では、出顗時に提出した研究計画書の内容は、入学後に承認を受ければ変更可能とされています。これは出顗時の計画を曖昧にしてよいという意味ではありません。現時点で合理的な計画を示し、入学後に文献検討、指導、調査条件、倫理審査に応じて適切に修正すると考えてください。変更可能であっても、出顗時の整合性は必要です。
まとめ:専攻の構造と修了時の研究から逆算しよう
青山学院大学大学院教育人間科学研究科の研究計画書は、一般的な構成テンプレートに専攻名を入れるだけでは完成しません。教育学専攻の様式は、これまでの関心、入学後の対象・方法・分析視点、代表的先行研究との関係を問います。心理学専攻の様式は1頁の中で、背景、目的と意義、対象・収集・分析、倫理的配慮を対応させます。所定様式の違いは、そのまま書き方の違いです。
- 教育学専攻は様式②-1・②-2、心理学専攻は様式③を使う
- 心理学専攻は2027年度から出顗時の研究計画書を全区分で求める
- 教育学専攻は調査法・文献調査法と研究指導Ⅰ~Ⅳを見越して方法を書く
- 心理学専攻は研究法、測定、統計、中間報告に耐える設計にする
- 公式教員一覧で、専門分野と研究指導担当の両方を確認する
- テーマは対象×現象×文脈に分解し、2年間で取得可能なデータに絞る
- 募集要項、様式、教員配置は出顗直前に最新情報を再確認する
広い関心を絞ると、テーマが小さくなるように感じるかもしれません。しかし、研究では対象と方法を絞ることで、結論の根拠が強くなります。その研究科で、その方法で、なぜ今行うのかを一貫して説明できれば、研究計画書は志望理由の羅列ではなく、入学後の研究への現実的な設計図になります。基本構成を確認したい場合は、研究計画書の例文・テンプレート集も参考にできます。テーマを絞れない場合は、研究計画書のテーマが決まらないときの整理法から始めてください。
研究計画書は志願者自身が作成する書類です。公式様式にも、人工知能等が自動作成した文章や他者作成の文章の提出を禁ずる注意があります。参考資料は構成の理解と自己点検に使い、最終的な問い、文献の読解、方法の選択、文章は自分で作りましょう。独学での対策に不安がある場合は、青山学院大学大学院教育人間科学研究科の研究計画書対策に対応する大学院入試対策コースなど、専門的な指導を活用するのも一つの方法です。
書き上げた研究計画書、そのまま出して大丈夫ですか?
研究職キャリアを持つ講師が、テーマ設定・先行研究の位置づけ・研究方法まで、出願レベルに届いているかを個別に確認します。
- 研究職の講師が研究計画書を添削し、改善点を明確化
- 相談後に、志望校の出題傾向と学習ロードマップをまとめた個別フィードバックレポートをお渡し
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