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電気通信大学情報理工学部の編入試験を徹底解説|出願資格・試験科目・過去問対策・志望理由書・面接まで

電気通信大学情報理工学部の編入試験とは、正式には「情報理工学域」のⅠ類(情報系)・Ⅱ類(融合系)・Ⅲ類(理工系)という3つの類を対象に実施される「特別編入学」を指し、高専・短大・大学等で学んだ人が第3年次に入学するための選抜です。推薦による選抜と学力試験による選抜の2方式があり、学力試験では英語外部試験のスコア提出ではなく数学・物理または化学・英語の当日筆記で合否が決まる点が電気通信大学の大きな特徴です。TOEICスコアの提出は不要で当日の記述式試験が中心です。本記事では、公式サイトで公開されている2027年度学生募集要項と2024〜2026年度の過去問、2025・2026年度の特別編入学試験実施結果を一次情報として、募集人員・出願資格・試験科目・配点・日程・倍率・過去問の傾向・面接内容・併願戦略までを整理します。年度により変更される可能性がある数値は、必ず電気通信大学公式サイトの最新募集要項でご確認ください。
電気通信大学情報理工学部(情報理工学域)の編入試験の概要
電気通信大学には現在「情報理工学部」という名称の学部は存在せず、学部に相当する組織は「情報理工学域」です。情報理工学域は、昼間に授業を行うⅠ類(情報系)・Ⅱ類(融合系)・Ⅲ類(理工系)の3つの類と、夜間を主とした授業を行う先端工学基礎課程(夜間主コース)の1課程で構成されています。3年次編入学の募集対象は昼間のⅠ類・Ⅱ類・Ⅲ類の3類のみで、先端工学基礎課程の特別編入学は別日程・別募集要項で実施されるため、本記事では昼間の3類を対象とした編入試験を扱います。夜間主コースの編入を検討している場合は、別記事「電気通信大学情報理工学部(夜間主)の編入試験を徹底解説」もあわせてご確認ください。
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Ⅰ類(情報系)は、メディア情報学・経営社会情報学・情報数理工学・コンピュータサイエンス・デザイン思考データサイエンスの5つの教育プログラムを持ち、コンピュータやアルゴリズム、プログラムなど情報分野に共通する基礎を軸に専門性を高めます。Ⅱ類(融合系)は、セキュリティ情報学・情報通信工学・電子情報学・計測制御システム・先端ロボティクスの5プログラムがあり、ハードウェア技術とソフトウェア技術の両方にまたがる融合領域を扱います。Ⅲ類(理工系)は、機械システム・電子工学・光工学・物理工学・化学生命工学の5プログラムで構成され、物理学・化学・数学を基礎から体系的に学ぶ理工系の色合いが強い類です。志望する類によって編入後に学ぶプログラムの構成が大きく異なります。出願時には類だけでなく、その類の中で希望するプログラムまで選ぶ仕組みになっているため、自分がどの専門分野に進みたいかを早い段階で具体化しておくことが対策の出発点になります。
募集要項の類の説明をさらに見ると、Ⅱ類(融合系)は「新しい科学技術やイノベーションの創出には、理学・情報学・工学・医学などの分野間の融合が重要」という考え方のもと、電子情報・通信機器やロボットの産業応用を意識したハードウェア技術と、人工知能・データサイエンスを含む制御、情報通信システムやネットワークセキュリティのソフトウェア技術を横断的に学ぶ類と説明されています。Ⅱ類はハードとソフトの両方にまたがる融合領域が特徴です。Ⅲ類(理工系)は、物理学・化学などの自然科学や数学を基礎から体系的に学んだうえで、機械システム・電子工学・光工学・物理工学・化学生命工学のいずれかを探究的に選ぶ類で、講義だけでなく演習や実験を通じて専門性と実践力を養うと説明されています。出身校での既習分野が情報系に近いのか、電気電子や制御系に近いのか、物理・化学系に近いのかを整理すると、志望する類を絞り込みやすくなります。
入学者受入れの方針(アドミッション・ポリシー)
電気通信大学は募集要項の冒頭で、情報・通信・電子・機械・ロボティクス・光科学・量子物性・基礎科学といった情報領域・理工領域を「総合コミュニケーション科学」という視点で捉え、その教育研究拠点を目指すという大学全体の方針を掲げています。学域全体では自然科学・数学への強い興味と論理的思考力を持つ人材を広く国内外から受け入れるとしており、編入学者にもこの方針が同様に適用されます。類ごとの「求める学生像」も募集要項に明記されており、Ⅰ類(情報系)は情報の生成・収集・流通・蓄積・加工・活用を総合的に扱う「情報学」を学び、次世代の情報化社会を支える技術の創成を担う科学者・技術者を目指す人を歓迎するとされています。
Ⅱ類(融合系)は、情報学と理工学の基礎をなす数学・理科・英語に興味と学力を持ち、論理的コミュニケーション能力・主体性・独創性・目的達成力を有する人を求めるとされ、科学技術コンテスト等への参加・受賞経験がある人を歓迎する旨も記載されています。Ⅲ類(理工系)は、理工学の基盤となる自然科学や数学への強い興味と探究心、論理的思考力に加え、読解力・文章力・口頭表現力など基本的なコミュニケーション能力を重視するとされています。面接や答案では、この求める学生像に沿った自己アピールが評価されやすくなります。志望理由や自己PRを組み立てる際は、これらの記載を裏付けとして使うと、大学側の選考基準と自分の主張の接点を作りやすくなります。
アドミッション・ポリシーにはもう一点、「学士課程と修士課程(博士前期課程)の一貫性も教育課程の大きな特徴であり、学域における学びが、先端的な学問研究へと展開する」という記載があります。電気通信大学には情報理工学研究科の博士前期課程(修士)・博士後期課程(博士)が設置されており、編入学後に大学院へ進学して専門性を深める進路も想定されています。3年次からの編入であっても、研究室配属・卒業研究を経て大学院に進むという学びの流れは一般入試の学生と共通しており、面接や志望理由の説明では、編入後の学部生活だけでなく、その先の学びの方向性まで見据えて話せると説得力が増します。
「情報理工学部」から「情報理工学域」への呼称整理
大学案内や外部の解説記事では今も「情報理工学部」という表現が使われることがありますが、電気通信大学の公式募集要項では一貫して「情報理工学域」という名称が使われています。編入学の出願書類や合否確認のページも「情報理工学域」表記で統一されているため、資料請求や問い合わせの際は「情報理工学域特別編入学」という正式名称を使うと確実です。出願書類では「情報理工学域」という正式名称を使います。この記事でも、一般に流通している「情報理工学部」という呼び方と、公式名称である「情報理工学域」を併記しながら解説します。
募集人員・出願資格
情報理工学域の特別編入学は、2027年度(2026年4月出願、2026年6月学力試験、2027年4月入学)の学生募集要項によると、Ⅰ類(情報系)9名・Ⅱ類(融合系)10名・Ⅲ類(理工系)10名の計29名程度が募集の目安です。推薦による入学者選抜は募集人員の半数程度と定められています。募集人員は各類の合計であり、5つの教育プログラムのどれに何名という内訳の指定はありません。なお2026年度募集要項ではⅠ類の「デザイン思考・データサイエンスプログラム」について募集を行わない旨が明記されていましたが、2027年度募集要項ではその除外注記が見当たりません。プログラムごとの募集可否は年度で変わる可能性があるため、志望プログラムがある場合は最新の募集要項の該当欄を必ず確認してください。
| 類 | 3年次からの専門教育プログラム | 募集人員の目安(2027年度) |
|---|---|---|
| Ⅰ類(情報系) | メディア情報学/経営・社会情報学/情報数理工学/コンピュータサイエンス/デザイン思考・データサイエンス | 9名 |
| Ⅱ類(融合系) | セキュリティ情報学/情報通信工学/電子情報学/計測・制御システム/先端ロボティクス | 10名 |
| Ⅲ類(理工系) | 機械システム/電子工学/光工学/物理工学/化学生命工学 | 10名 |
推薦による選抜の出願資格・推薦基準
推薦による選抜は、当該年度3月に高等専門学校を卒業見込みで、志望する類に対応する学科(コース・系)に在籍する者に限られます。Ⅰ類は電気系・電子系・情報系・電子情報系・システム系等、Ⅱ類は電気系・電子系・情報系・電子情報系・機械系・制御系・システム系等、Ⅲ類は機械系・制御系・システム系・航空系・電気系・電子系・情報系・物質系・材料系・生命系等の学科に在籍していることが条件です。対応学科は類ごとに範囲が異なります。加えて、在籍学校長が人物・学業ともに優れていると認め、学業成績が一定の基準に達している必要があります。具体的には、3・4年次それぞれの学年で、所属する最小単位(学科・コース・系)の現員に対する成績席次の平均が上位20%以内であることが基準です。募集要項には「3年次に40人中5位、4年次に35人中4位の場合、合計75人中9位となり9÷75=12%であるため基準を満たす」という計算例が示されています。推薦できる人数は各高専で4名以内という上限があります。席次を定めない高専では、在籍学校長が同等と認めた場合に推薦が可能です。
学力試験による選抜の出願資格(7区分)
学力試験による選抜の出願資格は、募集要項に7つの区分で示されています。自分の経歴がどの区分に該当するかを、出願前に必ず確認してください。
- 高等専門学校または短期大学を卒業した者、および当該年度3月卒業見込みの者
- 専修学校の専門課程(修業年限2年以上かつ総授業時間数1700時間以上に限る)を修了した者、および修了見込みの者(学校教育法第90条第1項の大学入学資格を有する者に限る)
- 大学を卒業した者、および当該年度3月卒業見込みの者
- 外国の短期大学の課程(現地の学校教育における14年の課程修了に相当し、文部科学大臣が指定するもの)を修了した者、および修了見込みの者
- 外国の大学の課程(現地の学校教育における16年の課程修了に相当し、文部科学大臣が指定するもの)を修了した者、および修了見込みの者
- 大学に2年以上在学(出願年度の3月までに2年以上となる者を含む)し、64単位以上を修得(見込みを含む)した者
- 高等学校、中等教育学校の後期課程、特別支援学校高等部の専攻科(修業年限2年以上)を修了した者、および修了見込みの者(学校教育法第90条第1項の大学入学資格を有する者に限る)
上記の高専・短大・専修学校・高校等・大学は、学校教育法により定められた学校に限られ、各省庁が設置する大学校からの編入学は認められません。区分(6)で出願する大学在学者は在籍したまま受験できます。ただし合格した場合、出願年度の3月末日までに在籍していた大学の退学証明書を提出する必要があるため、在学中の大学生や社会人が働きながら受験する場合は、この退学手続きのタイミングもあらかじめ想定しておくと安心です。区分(6)による出願で出願時点の修得単位が64単位未満の場合は、履修登録画面のコピーなど、修得見込みを示す書類の提出が追加で求められます。
見落とされがちなのが区分(3)「大学を卒業した者及び当該年度3月卒業見込みの者」です。既卒者や他大学の卒業見込者も学力試験選抜の対象に含まれます。すでに別の大学を卒業している人や、卒業年度に本学の学力試験選抜を受験したい人も出願資格を満たすため、社会人経験を経てから理工系分野に進みたい人にとっても、電気通信大学情報理工学域の編入学は選択肢になり得ます。区分(1)〜(7)のどれに当てはまるかで必要な証明書類も変わるため、出願前に自分の状況を1つずつ照らし合わせておくことをおすすめします。
編入後の単位認定・卒業要件
合格して編入学した後、卒業までに2年で修了できるかどうかは、出身校での修得単位のうち電気通信大学が認定する単位数によって決まります。卒業には学域に2年以上在学(最長在学期間4年、休学期間は含まない)し、出身校で修得した単位のうち大学が認定した単位を含めて、各類・プログラムごとに定められた単位数以上を修得する必要があります。この認定は一律ではなく、出身学校での履修授業科目、成績証明書の内容、そして特別編入学試験の成績を踏まえて個別に行われます。募集要項は「出身学校における専門分野が編入学する類の教育内容と異なるなどにより、認定される単位が少なくなることがある」「その場合、入学後に履修する科目が非常に多くなり、2年で卒業することができなくなる」と明記しており、単位認定の基準は「学修要覧」で公開されています。出身分野と志望する類・プログラムの近さは卒業年限にも直結します。志望する類を選ぶ際は、興味だけでなく、自分の出身校のカリキュラムとの近さも判断材料に加えると、入学後の履修負担を具体的にイメージしやすくなります。
試験科目と配点
電気通信大学情報理工学域の特別編入学で最初に押さえておきたいのは、推薦による選抜と学力試験による選抜とで、課される試験の中身がまったく異なるという点です。推薦選抜は面接のみ、学力試験選抜は筆記のみという構造になっており、この違いを混同すると対策の方向性を誤ります。
| 比較項目 | 推薦による選抜 | 学力試験による選抜 |
|---|---|---|
| 学力試験(筆記) | 免除 | 数学・物理学または化学・英語を実施 |
| 面接試験 | 実施(個人面接) | 募集要項に実施の明記なし |
| 評価の総合方法 | 推薦書・出願書類・面接試験の結果を総合 | 学力試験の結果と出願書類のうち各類が指定する方法を総合 |
| 出願できる人 | 2027年3月高専卒業見込みで対応学科に在籍する者のみ | 7区分の出願資格を満たす者(高専・短大・大学在学者・社会人等) |
推薦による選抜では学力試験が免除される代わりに、個人面接で志望動機、勉学意欲、自己表現能力、卒業研究の内容、そして数学と専門分野の基礎知識について試問が行われます。一方、学力試験による選抜では、募集要項の選抜方法の記載を見る限り、学力試験の結果と出願書類(調査書等)の総合評価とされており、面接試験の実施は明記されていません。学力試験選抜の対策は記述式の答案そのものが中心になるという点は、他大学の編入試験でよく見る「筆記+面接」の構成とは異なる電気通信大学特有の設計です。
募集要項の「入学者選抜の基本方針」には、学力試験について「情報・理工学分野を学ぶために必要な学力『数学、物理学又は化学』及び国際性を備えた人材を育成するために必要な語学力『英語』を入試科目として課す」と明記されています。数学と理科は専門分野への適性、英語は国際性の指標という位置づけです。また「解答は記述式により、解答のみならずその解答に至る思考・判断の過程及び表現力も含めて評価する」ともされており、単に正解にたどり着くことよりも、答案上でその過程を筋道立てて示せるかどうかが評価されるという方針が明文化されています。この方針は、途中式や論証を省略せずに書く習慣づけが得点に直結することを裏付けています。
学力試験の科目別配点と出題分野
学力試験による選抜で課される学力試験は、数学・物理学(または化学)・英語の3科目です。物理学と化学はどちらか一方を試験当日に選択する方式で、事前の届け出は必要ありません。
| 科目 | 配点 | 出題分野・内容等(2027年度募集要項) |
|---|---|---|
| 数学 | 120点 | 微分積分学(一変数、多変数、基本的な微分方程式)、線形代数学 |
| 物理学 | 90点 | 力学、電磁気学、熱物理学、波動と光、現代物理学 |
| 化学 | 90点 | 物質の結合、化学平衡(化学熱力学を含む) |
| 英語 | 90点 | 大学教養程度 |
物理学と化学はいずれか一方を選択するため、実質的な満点は数学120点+選択科目90点+英語90点の合計300点です。解答は記述式で、解答に至る思考・判断の過程や表現力も評価対象とされている点は、単なる正誤採点ではなく、途中式や論理展開まで見られることを意味します。なお2024〜2026年度に実施された過去問では、数学は「微分積分学、線形代数学、関数論から5問出題し、うち4問を選択解答」という形式が続いていましたが、2027年度募集要項の出題分野の記載からは「関数論」の文言と「5問中4問選択」という記載が消えています。この変化については、後述の過去問分析・出題予測の章で詳しく解説します。
志望する類・プログラムの選び方
学力試験による選抜では、Ⅰ類・Ⅱ類・Ⅲ類から1つの類を選び、その類の専門教育プログラムを第5志望まで選択して出願できます(2026年度まではⅠ類のみ第4志望まで、Ⅱ類・Ⅲ類は第5志望までという違いがありましたが、2027年度募集要項ではすべての類で第5志望までに統一されています)。志望プログラムは複数選べるため第1志望に固執しすぎない選択も現実的な戦略になります。推薦による選抜では類の中から志望プログラムを1つだけ選んで出願する仕組みで、学力試験選抜より志望を絞り込む必要がある点に注意してください。
日程・スケジュール
電気通信大学情報理工学域の特別編入学は、推薦による選抜と学力試験による選抜で出願期間・試験日・合格発表がそれぞれ独立して設定されています。2027年度募集要項に示された日程は次のとおりです。
| 区分 | 出願期間 | 試験・面接日 | 合格発表 |
|---|---|---|---|
| 推薦による選抜 | 2026年5月15日(金)〜5月19日(火)必着 | 面接試験 6月1日(月)9:30〜 | 6月5日(金)10時頃 |
| 学力試験による選抜 | 2026年6月15日(月)〜6月17日(水)必着 | 学力試験 6月25日(木) | 7月10日(金)10時頃 |
学力試験の当日は、数学が10:00〜12:00(120分)、物理学または化学が13:00〜14:30(90分)、英語が15:30〜17:00(90分)という時間割で、いずれも電気通信大学で実施されます。推薦選抜が不合格でも学力試験選抜へ出願し直せます。ただし推薦選抜の合格発表から学力試験選抜の出願締切までの期間は短いため、受験を検討している場合はあらかじめ募集要項を2部入手しておくことが望ましいと案内されています。なお、本記事執筆時点(2026年7月)ではこの2027年度サイクルの学力試験・合格発表はすでに終了しています。次回(2028年度、2028年4月入学)の募集要項は例年の公表時期から見て2027年春以降に公開されると見込まれますが、正式な日程は電気通信大学公式サイトの最新募集要項で確認してください。
出願書類・検定料・入学手続
出願にあたっては、入学志願票、写真票、受験票、検定料受付証明書貼付票、成績証明書・卒業(見込)証明書、推薦選抜では推薦書、受験票等送付用封筒、あて名票などを募集要項添付の様式で提出します。出願は簡易書留郵便のみで郵送以外は受け付けられません。入学検定料は推薦・学力試験のいずれも30,000円で、金融機関窓口で払い込んだ証明書を貼付します。入学手続は2026年12月中旬に行われる予定で、国費外国人留学生のみ2027年3月に手続きを行います。入学時に必要な納入金は、入学料282,000円、授業料(前期分)267,900円(年額535,800円)の合計549,900円です。これらの金額は改定される可能性があるため、入学手続時の案内を確認してください。
出願書類のうち、成績証明書や卒業(見込)証明書、推薦選抜の推薦書は、出身(在籍)学校長が作成したうえで厳封したものを提出する必要があります。学校側での書類作成には時間がかかる場合があると募集要項も注意を促しています。出願期間は推薦選抜が5日間程度、学力試験選抜が3日間程度と短く設定されているため、学校の担任や進路指導の担当者には出願期間の確定を待たずに早めに証明書発行を依頼しておくことが、締切直前のトラブルを避ける現実的な対策になります。出願は簡易書留郵便に限られるため、郵便局の窓口が開いている時間帯も考慮したうえで、余裕を持った投函計画を立ててください。
個人成績の開示請求
電気通信大学は、特別編入学の個人成績を受験者本人に限って開示する制度を設けています。推薦選抜は面接評価と順位、学力試験選抜は科目別得点・合計点・順位が開示対象です。開示を希望する場合は、指定の申込期間内に個人成績開示願・受験票(または身分証明書のコピー)・返信用封筒を郵送し、受理から30日以内に簡易書留郵便で結果が届きます。不合格だった場合に自分がどの科目でどれだけ得点できていたかを把握できる貴重な機会なので、翌年度以降に再チャレンジを検討している場合は開示請求を活用し、弱点科目を具体的に特定してから次の対策計画を立てることをおすすめします。
まずは無料相談で、合格までの最短ルートを確認しませんか?
スプリング・オンライン家庭教師のプロ講師が、現在の学力・志望校・残り期間に合わせて、必要な対策を個別に整理します。
- 大学編入のプロ講師が最適な受験戦略を提案
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倍率・難易度
電気通信大学情報理工学域の特別編入学は、募集要項に過去の実施結果が掲載されており、直近2年分の数値から傾向を読み取ることができます。推薦選抜と学力試験選抜では倍率の意味がまったく異なりますので、それぞれ分けて見る必要があります。
2026年度・2025年度の実施結果
| 類 | 募集人員 | 推薦:志願者数 | 推薦:合格者数 | 学力:志願者数 | 学力:受験者数 | 学力:合格者数 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| Ⅰ類(情報系)・2026年度 | 9名 | 10 | 10 | 34 | 32 | 12 |
| Ⅱ類(融合系)・2026年度 | 10名 | 12 | 12 | 50 | 46 | 17 |
| Ⅲ類(理工系)・2026年度 | 10名 | 5 | 5 | 43 | 38 | 12 |
| Ⅰ類(情報系)・2025年度 | 9名 | 8 | 8 | 47 | 47 | 12 |
| Ⅱ類(融合系)・2025年度 | 10名 | 13 | 13 | 47 | 45 | 13 |
| Ⅲ類(理工系)・2025年度 | 10名 | 6 | 6 | 50 | 46 | 12 |
この表からわかるとおり、推薦による選抜は2025・2026年度とも全ての類で志願者数と合格者数が一致しており、出願できた受験者はほぼ全員が合格しています。推薦選抜は出願できた時点で高専内の席次選抜を通過済みという前提があるため、倍率上は「全入」に近く見えても、実際にはその手前の校内推薦を勝ち取る段階に難しさがあります。一方、学力試験による選抜は、受験者数を合格者数で割った実質倍率で見ると、2026年度はⅠ類約2.7倍・Ⅱ類約2.7倍・Ⅲ類約3.2倍(全体で受験者116名に対し合格者41名、約2.8倍)、2025年度はⅠ類約3.9倍・Ⅱ類約3.5倍・Ⅲ類約3.8倍(全体で受験者138名に対し合格者37名、約3.7倍)でした。2026年度は前年よりやや倍率が下がっていますが、いずれの年度も学力試験選抜は3倍前後の実質倍率で推移しており、募集人員が各類10名前後という小規模な枠であることを踏まえると、合格ラインの答案作成力が問われる選抜だと言えます。
推薦と学力試験、実質倍率の読み方
倍率の数字だけを見て「推薦のほうが簡単」と単純に判断するのは早計です。推薦選抜は出願できる人がそもそも「在籍学科の3・4年次席次平均が上位20%以内」という校内基準を満たした者に限られており、各高専からの推薦可能人数も4名以内という上限があります。出願条件そのものに高いハードルが組み込まれています。これに対して学力試験選抜は、高専生に限らず短大卒業者、大学に2年以上在学し64単位以上修得した大学生、社会人経験者なども出願でき、門戸が広い分だけ受験者の母集団も多様で、当日の答案の出来で合否が決まります。自分の状況が推薦の出願資格に当てはまるかどうかをまず確認したうえで、当てはまらない場合や推薦を逃した場合は学力試験選抜に照準を絞って準備を進めるのが現実的な流れです。
なお、実施結果の集計は類単位で公表されており、Ⅰ類・Ⅱ類・Ⅲ類それぞれの中にある5つの専門教育プログラムごとの倍率は公表されていません。プログラム単位の人気度・難易度は募集要項から読み取れません。また、各類の募集人員は9〜10名、合格者数も年度によって12〜21名と決して大きな母数ではないため、1〜2名の増減が倍率を大きく動かします。2025年度から2026年度にかけて実質倍率がやや下がった背景についても、志願者数の年ごとの変動による可能性が大きく、今後も同じ水準が続くとは限りません。小規模な募集ゆえの倍率変動には注意が必要です。年度ごとの数値の上下に一喜一憂するより、公表されている出題分野を確実に得点源に変える準備に時間を割くほうが対策として実効性があります。
科目別対策(数学・物理・化学・英語)
学力試験による選抜の合否は、数学120点・選択科目(物理または化学)90点・英語90点の合計300点でほぼ決まります。面接の実施が明記されていない以上、答案の完成度が合否を左右します。科目ごとに、過去問から読み取れる出題傾向をふまえた対策の方向性を整理します。
数学の対策
2024〜2026年度に実施された過去問では、大問5問のうち4問を選択して解答する形式が続いていました。出題分野は線形代数学(固有値・固有ベクトル・行列式・線形写像の表現行列)、微分積分学(多変数関数の偏微分・マクローリン展開・極値、重積分、微分方程式)、そして複素関数論(留数定理を用いた複素積分、実積分への応用)に及びます。複素関数論を用いた広義積分の計算は過去3年連続で出題されており、高専のカリキュラムでは扱いが薄くなりがちな分野だけに、対策の有無で差がつきやすい単元です。線形代数と微積分は大問2問分のボリュームがあるため、行列の階数・固有値問題、多変数関数の偏微分と極値判定、重積分の計算手順を、時間を計って書き切る練習を重ねることが基本になります。試験時間120分で4問を選ぶ形式のため、5問すべてに目を通したうえで得意な4問を素早く選び取る判断力も得点力の一部です。
物理・化学の対策
物理学は力学・電磁気学・熱物理学・波動と光・現代物理学の範囲から3問が出題され、過去問では剛体の回転運動と重心の運動を組み合わせた力学、無限長の帯電円柱に関するガウスの法則とポアソン方程式を用いる電磁気学、カルノーサイクルを題材にした熱力学が繰り返し登場しています。力学・電磁気学・熱力学の3分野は毎年ほぼ固定で出題される傾向があるため、この3分野を優先して仕上げるのが効率的です。化学は原子の構造(量子数・電子配置・イオン化エネルギー)、化学結合(双極子モーメント・混成軌道・分子軌道)、化学熱力学(エントロピー変化・クラウジウス-クラペイロンの式)という3テーマが続けて出題されており、いずれも導出過程の記述を求める設問が多く、公式を覚えるだけでなく式の導出を自分の手で再現できるようにしておく必要があります。物理・化学のどちらを選ぶかは、出身校での既習範囲と得点の見込みやすさで判断し、早い段階で一方に絞って演習量を確保することをおすすめします。
英語の対策
英語は90分で大問2つ、配点はそれぞれ45点です。大問Ⅰは英文を読んでその内容に合うように日本語の要約文中の空欄を埋める要約完成形式で、空欄に入れる文字数は指定されず20字以内で必要な長さを自分で判断して書く形式です。TOEICのような外部試験のスコア提出は電通大の学力試験選抜では不要で、当日の記述式試験だけで英語力を測る点が電気通信大学の編入試験の特徴です。大問Ⅱは、ベーシックインカムの是非や夫婦別姓の是非といった時事的・社会的なテーマ2択から1つを選び、理由を2つ以上挙げて英語で自分の意見を論述する形式です。読解と意見論述の両方が課されるため、専門英語の単語力だけでなく、一般的なニュース英語を読む練習と、自分の考えを英語の段落として組み立てる練習の両方が必要です。TOEIC等のスコアを使った他大学との併願を考えている場合でも、電通大対策としては記述型の英作文練習を独立して積む必要がある点を押さえておきましょう。なお英語試験の詳しい内容と対策の考え方は、別記事「電気通信大学編入にTOEICは必要?英語試験(独自筆記)の内容と対策法」でも解説しています。
試験当日の時間配分と体力面の準備
学力試験は数学120分・選択科目90分・英語90分を1日で通して受験する日程です。合計5時間以上を1日で乗り切る集中力の配分もあらかじめ意識しておく必要があります。数学は10時から12時、選択科目は13時から14時30分、英語は15時30分から17時という時間割で、昼食を挟んで午後に2科目を続けて受ける流れになるため、模試や過去問演習の際もこの時間割どおりに通しで解く練習をしておくと、本番の疲労感を事前に体感できます。数学は5問中4問を選ぶ形式のため、最初の10〜15分で全問に目を通し、確実に得点できる4問を選定してから解答を書き始める段取りが有効です。見切り発車で1問目から解き始めると時間切れのリスクが高まります。
面接・志望理由書・過去問分析/出題予測
電気通信大学情報理工学域の特別編入学では、出願書類の一覧に「志望理由書」という名称の書類は含まれていません。志望理由書の提出は募集要項上、必須とされていません。これは他の多くの国公立大学の編入試験と異なる点で、既存の一般的な「志望理由書の書き方」テンプレートをそのまま当てはめることはできません。ただし、推薦による選抜では個人面接が課され、志望動機や勉学意欲を直接問われるため、志望理由を言語化しておく準備は依然として重要です。
推薦選抜の面接で問われること
推薦による選抜の面接内容は、募集要項に類ごとの試問内容が明記されています。Ⅰ類(情報系)は志望動機・勉学意欲・自己表現能力・卒業研究の内容に加え、数学と情報の基礎知識について、Ⅱ類(融合系)は同様の項目に加え数学と専門科目の基礎知識について、Ⅲ類(理工系)は数学、物理または化学と専門科目の基礎知識について、それぞれ個人面接で試問されます。面接では卒業研究の内容についても必ず聞かれます。高専の卒業研究テーマを、志望する類・プログラムの学びとどう接続するかを自分の言葉で説明できるようにしておくと、面接の一貫性が高まります。学力試験による選抜については、募集要項の選抜方法の記載に面接試験への言及がないため、本記事執筆時点では学力試験選抜に面接が課されるかどうかは確認できません。受験する年度の募集要項で選抜方法の項目を必ず確認してください。
志望理由・学習計画を言語化しておく意味
志望理由書という独立した提出書類がない代わりに、推薦選抜の面接や、学力試験選抜での専門科目の答案の端々に、志望する分野への理解度がにじみ出ます。答案の記述そのものが志望理由の代わりを果たす場面があるという点は、電気通信大学の選抜方式を理解するうえで重要です。特にⅢ類の面接では専門科目の基礎知識が直接問われるため、志望プログラム(機械システム、電子工学、光工学、物理工学、化学生命工学など)で学ぶ内容と、これまで学習してきた分野との接続を、具体的なキーワードで説明できるように整理しておくことをおすすめします。書類として提出しない場合でも、志望理由・学習計画を文章化しておく作業自体は、面接想定問答や専門科目の学習の優先順位づけに役立ちます。
過去問分析(2024〜2026年度実施分)
電気通信大学は、情報理工学域特別編入学の過去問を直近3年度分(2024・2025・2026年度実施分)、公式サイトの「過去の入試問題」ページでPDF公開しています。解答例は公開されていない点に注意してください。一般選抜(前期・後期日程)には解答例が別途公開されていますが、特別編入学試験には解答例のPDFがありません。年度別の出題テーマを整理すると次のとおりです。
| 年度(実施) | 数学 | 物理学 | 化学 |
|---|---|---|---|
| 2026年度 | 空間図形・平面の方程式と体積(大問1)、線形写像と固有値(大問2)ほか5問中4問選択 | 球面上を運動する剛体球の力学 | 水素分子の分子軌道・化学結合 |
| 2025年度 | 3次正方行列と固有ベクトル、線形写像の像、2変数関数のマクローリン展開と極値、重積分と微分方程式、複素関数の留数定理 | 回転する円板の力学、無限長円柱の電磁気学(ガウスの法則・ポアソン方程式)、カルノーサイクルの熱力学 | 原子の構造とイオン化エネルギー、化学結合と双極子モーメント、化学熱力学とクラウジウス-クラペイロンの式 |
| 2024年度 | 過去問PDFで公開(一部ページは著作権上の理由で非掲載) | 過去問PDFで公開 | 一部ページは著作権上の理由で非掲載 |
数学をさらに詳しく見ると、2025年度実施分では、大問1が3次正方行列の正則条件と固有ベクトルを絡めた行列式の計算、大問2が線形写像の像の次元と表現行列、大問3が2変数関数のマクローリン展開・接平面・偏導関数と極値、大問4が重積分と1階線形微分方程式、大問5が複素関数の留数定理を使った実積分の計算という構成でした。線形代数2問・微積分2問・複素関数1問という配分が続いており、5問中4問を選ぶとはいえ、実質的には線形代数と微積分をどちらも仕上げたうえで、複素関数を捨て科目にするかどうかを判断する戦略になります。2026年度実施分では、大問1が空間座標の3点から平面の方程式と四面体の体積を求める空間図形の問題、大問2がベクトルの一次結合と線形写像の表現行列・固有値を扱う問題で、例年どおり空間図形と線形代数を組み合わせた出題が続いています。
物理学の2026年度実施分では、球面上を転がりながら振り子のように往復運動する剛体球の力学が出題され、重心の並進運動と球の回転運動を連立させて周期を求めるという、力学と剛体の回転運動を融合した設問でした。2025年度は、糸を巻きつけた円板を落下させる剛体の力学、無限に長い帯電円柱についてガウスの法則とポアソン方程式の両方から電場・電位を求める電磁気学、逆カルノーサイクルと熱機関を組み合わせた複合熱機関の熱力学という3問構成でした。力学は毎年、剛体の回転運動を絡めた設問が中心になっており、単振り子や単純な放物運動だけでなく、剛体力学の基礎を押さえておく必要があります。化学は2026年度実施分で水素分子の分子軌道(σ軌道・σ*軌道)と結合エネルギー、炭素化合物のσ結合・π結合の考察が出題され、2025年度は原子の量子数と電子配置、化学結合の双極子モーメントと混成軌道、化学熱力学のエントロピー変化とクラウジウス-クラペイロンの式が出題されました。物理化学的な計算問題(導出過程の記述を伴うもの)が中心で、丸暗記ではなく式の導出を自分で再現できる理解が求められます。
英語は2025年度実施分で、大問Ⅰが英文読解の要約完成(配点45)、大問Ⅱが2択からの意見論述(配点45)という構成が確認できました。数学は複素関数論を含む出題が3年連続で確認できる一方、英語の長文本文や一部の化学の図版は著作権の都合で公開ページから省かれているため、演習の際は募集要項の出題分野の記載と組み合わせて対策範囲を判断する必要があります。
2027年度以降の出題予測
2027年度募集要項(2026年6月25日実施の学力試験を対象とするもの)では、数学の出題分野の記載が「微分積分学(一変数、多変数、基本的な微分方程式)、線形代数学」の2分野のみに整理され、2024〜2026年度の募集要項・過去問に共通していた「関数論」の文言と「5問出題、うち4問選択解答」という記載が見当たらなくなりました。出題分野の記載変更は募集要項上の事実として確認できますが、2026年6月25日に実施された試験問題そのものは本記事執筆時点(2026年7月)ではまだ公式サイトに公開されておらず、実際の出題構成がどう変わったのかは確認できません。あわせて2027年度募集要項には「本学特別編入学学力試験の過去問題から出題されることがあります」という一文が新たに加わりました。過去問題そのものが再出題される可能性が明記されたことになるため、2024〜2026年度の3年分、特に繰り返し出題されている複素関数論(留数定理)、カルノーサイクル、化学結合分野の類題は、形式を変えて出題される可能性を念頭に、実際に手を動かして解いておく価値が高いといえます。数学の出題分野の記載変更が実際の出題内容にどう反映されるかは、電気通信大学が今後公開する過去問または最新の募集要項で確認してください。
併願戦略・内部リンク
電気通信大学情報理工学域の特別編入学は、推薦選抜と学力試験選抜という2つの出願機会が用意されているため、まずはこの2つの使い分けを軸に併願戦略を考えることができます。推薦選抜と学力試験選抜は出願期間が別々に設定されているため、推薦の出願資格を満たす高専生であれば、推薦で不合格になった場合でも改めて学力試験選抜に出願し直す余地があります。
電気通信大学内での併願(昼間3類と夜間主課程)
情報理工学域には、昼間のⅠ類・Ⅱ類・Ⅲ類のほかに、社会人や夜間の修学を必要とする人向けの先端工学基礎課程(夜間主コース)があり、こちらも別途、特別編入学の募集を行っています。夜間主コースは出願資格や試験科目、出題形式(総合問題試験)が異なります。仕事や家庭の事情で夜間主コースを軸に検討したい場合や、昼間コースと夜間主コースの違いを比較したい場合は、別記事「電気通信大学情報理工学部(夜間主)の編入試験を徹底解説」で試験科目や出願資格の違いを整理していますので、あわせてご確認ください。
在学中の大学生・社会人の受験パターン
学力試験による選抜の出願資格(6)は、大学に2年以上在学し64単位以上を修得した者を対象としており、在籍する大学に籍を置いたまま受験できます。合格後に在籍校の退学証明書を期限までに提出する必要がある点は事前に押さえておきましょう。この資格区分は、他大学に在学中で理工系分野への進路変更を考えている人や、いったん就職してから大学編入を目指す社会人にも当てはまる可能性があります。働きながら受験準備を進める場合のスケジュールの立て方や出願準備の考え方は、別記事「社会人が電気通信大学に編入する方法」でも取り上げていますので、あわせて参考にしてください。
専門科目の負荷を踏まえた併願校の選び方
電気通信大学情報理工学域の学力試験は、数学が微分積分学・線形代数学(過去問ベースでは複素関数論を含む)、理科が物理学または化学から選択、英語が独自の記述式という組み合わせです。英語がTOEIC提出ではなく当日筆記である点は他大学と比較検討する際の判断材料になります。英語外部試験のスコアで代替できる大学と併願する場合は、TOEIC・TOEFLのスコア取得スケジュールと、電通大用の英作文・要約対策のスケジュールを分けて組む必要があります。また、数学・物理(または化学)の出題内容は高専の専門科目に近い水準の記述式であるため、同じく数学・理科の記述式試験を課す国立大学の工学系学部と併願先の相性がよい傾向があります。併願校を検討する際は、大学編入の仕組みや出願準備の全体像を確認できる「大学編入とは?仕組み・難易度・費用・スケジュールを徹底解説」もあわせて参照すると、年間を通じたスケジュールの立て方を把握しやすくなります。
科目の組み合わせや出願資格の判断に迷う場合、また数学・物理・化学・英語それぞれの対策の優先順位や過去問演習の進め方を個別に相談したい場合は、大学編入対策コースで学習状況に応じたプランを提案してもらうことも選択肢の一つです。推薦と学力試験のどちらを軸にするかで対策の中身は変わります。残りの準備期間と出身校での既習範囲を踏まえて、早めに方針を固めることをおすすめします。
教員免許状の取得を見据えた類・プログラム選び
電気通信大学情報理工学域では、所定科目の単位を修得して卒業すると、申請により教員免許状を取得できる類・プログラムがあります。Ⅰ類は高校教諭一種(情報・数学)と中学校教諭一種(数学)、Ⅱ類のセキュリティ情報学・情報通信工学・電子情報学プログラムも同様に情報・数学系の免許、Ⅱ類の計測・制御システム・先端ロボティクスプログラムとⅢ類は高校教諭一種(理科)と中学校教諭一種(理科)が対象です。教職を将来の選択肢として考えている場合、免許の教科と自分が取得したい免許の種類を照らし合わせてから志望する類・プログラムを決めると、入学後の履修計画に迷いが少なくなります。ただし特別編入学生が教員免許状取得を目指す場合は、認定された単位の使用に制限があるため、入学後に開催される教職課程ガイダンスに必ず出席するよう募集要項で案内されています。
キャンパスの場所とアクセス
電気通信大学は東京都調布市調布ケ丘に位置し、京王線またはJR線から京王線に乗り換えて最寄り駅からアクセスする立地です。学力試験・面接試験はいずれも電気通信大学のキャンパスで実施されます。遠方から受験する場合は、試験日程(推薦は面接1日、学力試験は筆記1日)に合わせて前泊を含めた移動計画を早めに立てておくと、当日の体調管理がしやすくなります。本学では受験者の宿泊斡旋は行っていないため、宿泊が必要な場合は各自で手配する必要があります。
よくある質問(FAQ)
電気通信大学情報理工学部(情報理工学域)の編入試験は何年次に入学しますか。
2027年度募集要項では編入年次は3年次です。ただし出身校で修得した単位のうち本学が認定できる単位数が少ない場合、入学後に履修すべき科目が多くなり、2年間の在学では卒業できないことがあると明記されています。出身校での専門分野が志望する類の教育内容と異なる場合は、特にこの点に注意が必要です。
出願資格にはどのようなものがありますか。
推薦による選抜は、当該年度3月に高専卒業見込みで対応学科に在籍し、3・4年次の成績席次平均が上位20%以内であることなどが条件です。学力試験による選抜は、高専・短大卒業(見込)、専修学校専門課程修了(見込)、大学卒業(見込)、外国の短大・大学相当課程修了(見込)、大学に2年以上在学し64単位以上修得(見込)、高校専攻科修了(見込)という7つの区分のいずれかに該当する必要があります。各省庁設置の大学校からの編入学は認められません。
試験科目と配点を教えてください。
学力試験による選抜では、数学120点(微分積分学、線形代数学)、物理学90点(力学・電磁気学・熱物理学・波動と光・現代物理学)または化学90点(物質の結合、化学平衡)のいずれかを選択、英語90点(大学教養程度)が課されます。解答は記述式で、解答に至る過程や表現力も評価対象です。推薦による選抜は学力試験が免除され、個人面接のみで選考されます。
TOEICなどの英語外部試験のスコアは必要ですか。
学力試験による選抜では、TOEICやTOEFLなど外部英語試験のスコア提出は募集要項上求められていません。英語は当日の記述式試験(90分、英文要約完成と意見論述の2題)で評価されます。TOEICスコアを使った出願制度がある大学とは仕組みが異なるため、電通大対策としては当日筆記に特化した英作文・要約の練習が必要です。
倍率はどのくらいですか。
2026年度実施結果では、学力試験による選抜の実質倍率(受験者数÷合格者数)はⅠ類約2.7倍、Ⅱ類約2.7倍、Ⅲ類約3.2倍でした。2025年度はⅠ類約3.9倍、Ⅱ類約3.5倍、Ⅲ類約3.8倍で、いずれの年度も3倍前後で推移しています。推薦による選抜は志願者数と合格者数がほぼ一致しており、出願できた受験者のほとんどが合格していますが、出願段階で高専内の席次上位20%以内という基準を満たす必要があります。
過去問は公開されていますか。
公式サイトの「過去の入試問題」ページで、2024・2025・2026年度実施分の3年分がPDFで公開されています。ただし解答例は公開されていません。夜間主課程(先端工学基礎課程)の過去問は昼間コースとは別扱いで、入試課窓口での閲覧か生協での購入が案内されています。2027年度募集要項には「過去問題から出題されることがある」という注記が新たに加わりました。
志望理由書は提出しますか。
電気通信大学情報理工学域の特別編入学の出願書類一覧に、志望理由書という名称の書類は含まれていません。ただし推薦による選抜では個人面接で志望動機や勉学意欲が直接問われるため、書類として提出しない場合でも、志望理由や学習計画を自分の言葉で説明できるように準備しておくことをおすすめします。
推薦選抜と学力試験選抜は両方出願できますか。編入学後に大学院へ進学できますか。
推薦による選抜の出願資格を満たす場合、まず推薦選抜に出願し、不合格だった場合に改めて学力試験選抜へ出願し直すことができます。ただし推薦選抜の合格発表から学力試験選抜の出願締切までの期間が短いため、受験を検討している場合は募集要項をあらかじめ2部入手しておくことが望ましいと案内されています。また、電気通信大学には情報理工学研究科の博士前期課程(修士)・博士後期課程(博士)が設置されており、3年次編入学生であっても他の学生と同様に4年次で研究室に配属され、卒業研究を経て大学院へ進学する進路を選べます。編入後の学部生活だけでなく大学院進学まで見据えた進路設計が可能です。
まとめ
電気通信大学情報理工学部(情報理工学域)の編入試験は、Ⅰ類(情報系)・Ⅱ類(融合系)・Ⅲ類(理工系)の3類・15プログラムを対象に、推薦による選抜(面接のみ)と学力試験による選抜(数学・物理または化学・英語の記述式)という性格の異なる2方式で実施されます。TOEIC等のスコア提出を必要とせず当日の記述試験で英語力を測る点が、他の多くの国公立大学の編入試験と異なる大きな特徴です。募集人員は3類合計で29名程度、学力試験による選抜の実質倍率はここ2年で2.7〜3.9倍の範囲で推移しており、募集人員の小ささを踏まえると答案の完成度がそのまま合否に直結します。
過去問は直近3年度分が公開されている一方で解答例は非公開のため、数学の複素関数論、物理の力学・電磁気学・熱力学、化学の原子構造・化学結合・化学熱力学といった頻出分野を中心に、自分で解答を組み立てて検証する演習が対策の軸になります。2027年度募集要項では数学の出題分野の表記が変更され、過去問からの出題を示唆する注記も加わったため、最新の募集要項と過去問の両方を照らし合わせて準備範囲を判断してください。志望理由書という提出書類はありませんが面接や答案で志望動機は問われます。出願資格の区分や日程は年度によって変わる可能性があるため、実際の出願にあたっては電気通信大学公式サイトの最新の学生募集要項を必ず確認してください。
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