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公認心理師はやめとけと言われる理由|資格の実態を解説

「公認心理師 やめとけ」と検索する方の多くは、心理職としてのキャリアに関心を持ちながらも、年収の低さや雇用の不安定さ、資格取得にかかる時間とお金への不安を抱えているのではないでしょうか。結論から言うと、公認心理師は誰にでも無条件に勧められる資格ではありませんが、「やめとけ」の一言だけで判断してしまうには惜しい選択肢でもあります。
公認心理師とは、2017年に施行された公認心理師法にもとづく、日本で初めての心理職の国家資格です。医療・保健、福祉、教育、司法・矯正、産業・労働という5つの分野を横断して心の健康支援に携わることができ、名称独占資格として法的な裏付けを持ちます。それまで心理職の資格といえば臨床心理士をはじめとする民間資格が中心だったため、国家資格の誕生は業界にとって大きな転換点でした。一方で、国家資格化から日が浅いこともあり、待遇や雇用の面では発展途上の部分が残っているのも事実です。
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この記事では、「公認心理師はやめとけ」と言われる代表的な5つの理由を、厚生労働省や日本公認心理師協会、公認心理師試験研修センターなどの公的な情報をもとに具体的に整理したうえで、それでも公認心理師を目指す価値がある人の特徴や、後悔しないための進路の選び方まで解説します。心理系の大学院進学や資格取得を検討している方は、感情的な「やめとけ」論に流されず、事実ベースで自分に合った選択かどうかを判断する材料にしてください。
なお、公認心理師とよく似た民間資格に臨床心理士があります。両者の違いやダブル取得のメリットについては、別記事の公認心理師と臨床心理士の違いを徹底比較で詳しく解説していますので、あわせて参考にしてください。「やめとけ」という言葉の裏側にある事実を一つずつ確認していきましょう。
本記事は、心理系の大学院進学をこれから検討する受験生と、キャリアチェンジとして公認心理師を目指したい社会人の両方を想定して書いています。SNSや知恵袋の体験談だけに頼るのではなく、厚生労働省や日本公認心理師協会、公認心理師試験研修センターといった一次情報にできる限りあたり、数値が確認できない部分は「確認できていません」と明記したうえで整理しました。時間とお金をかけて資格取得を目指す以上、進路選択の判断材料はできるだけ根拠のあるものにしたいというのが、この記事のスタンスです。読み終えたあとに「やめとけ」という言葉を鵜呑みにするのでも、根拠なく楽観視するのでもなく、自分自身の状況に照らして判断できる状態を目指します。
公認心理師とは|国家資格としての位置づけと「やめとけ」論が生まれる背景
公認心理師は、2015年9月9日に成立し2017年9月15日に施行された公認心理師法にもとづく国家資格です。それまで心理職の資格といえば臨床心理士をはじめとする民間資格が中心でしたが、公認心理師の誕生によって、日本で初めて法律に根拠を持つ心理職の資格が生まれました。医療・保健、福祉、教育、司法・矯正、産業・労働という5つの分野を横断して活動できる汎用性の高さが特徴で、病院やクリニックのほか、学校のスクールカウンセラー、児童相談所、企業の健康管理室、刑事施設など、活躍の場は多岐にわたります。医療分野ではうつ病や依存症、認知症といった幅広い疾患の支援に関わることがあり、教育分野では不登校やいじめ、発達の課題を抱える子どもとその保護者を支える役割を担います。分野ごとに求められる知識や関わり方が大きく異なる点も、この資格の特徴であり、進路選びの難しさにもつながっています。
公認心理師法と名称独占の意味
公認心理師法第44条では、公認心理師でない者が「公認心理師」という名称を使用することを禁じています。これはいわゆる名称独占資格であり、医師や弁護士のような業務独占資格ではありません。つまり、公認心理師の資格を持っていなくても、カウンセリングや心理相談といった業務そのものを行うこと自体は法律上可能です。この「名称独占にとどまる」という制度上の性質が、後述する雇用や待遇の課題とも無関係ではないと考えられています。業務独占資格であれば「その業務は有資格者にしか任せられない」という前提が待遇に反映されやすいのに対し、名称独占資格ではその圧力が弱まりやすいためです。
なぜ「公認心理師 やめとけ」と検索されるのか
公認心理師の登録者数は年々増加しており、一般財団法人公認心理師試験研修センターによると2025年3月末時点で73,743人に達しています。国家資格として社会的な認知が広がる一方で、SNSや掲示板、Q&Aサイトでは「年収が低い」「食えない」「非常勤ばかりで不安定」といった声も目立つようになりました。心理学部や心理系大学院への進学を検討する受験生や社会人が、時間とお金をかけて資格を取ったあとに後悔したくないという思いから、進路選択の前に不安を解消しようとして検索するのが「公認心理師 やめとけ」というクエリの実態だと考えられます。次章から、この不安の中身を一つずつ、可能な限り一次情報にもとづいて具体的に見ていきます。
興味深いのは、公認心理師とセットで語られる資格の多くが「なるのは難しいが、なったあとの生活は安定している」というタイプではなく、「なるまでに時間がかかるうえ、なったあとの生活も楽ではない」という声が目立つ点です。看護師や薬剤師のように資格取得直後からある程度の待遇が見込める職種と比較されやすいことも、公認心理師の「割に合わなさ」が強調される一因になっていると考えられます。ただし、これは公認心理師という資格自体の欠陥というより、心理職全体が置かれてきた歴史的な経緯(国家資格化が2017年と比較的最近であること)に由来する面も大きく、制度の成熟とともに変わっていく可能性がある点も押さえておきたいところです。
公認心理師の受験資格をめぐっては、制度開始当初に実務経験だけで受験できた「現任者ルート(Gルート)」の是非が議論になったことも知られています。大学院で専門的な訓練を受けていない現任者が大量に資格を取得したことに対し、資格の質を懸念する声が一部の心理職団体から上がった経緯があります。Gルートは2022年7月17日で受験対象が終了し、現在は学部・大学院で指定科目を履修したルートが基本になっています。こうした制度上の紆余曲折も、公認心理師という資格の評価が定まりきっていない一因になっていると考えられます。あわせて誤解されやすいのが、公認心理師が「医師の指示なしに独立して診断・治療を行える資格」ではないという点です。主治医がいる場合はその指示に従う義務が法律で定められており、医療機関との連携を前提とした働き方が基本になります。この位置づけを正しく理解しておくことも、就職後のギャップを防ぐうえで役立ちます。医療機関以外の教育・産業・福祉分野では主治医の指示が直接関わらない場面も多く、分野によって連携の仕組みが異なる点も理解しておくとよいでしょう。いずれの分野でも、公認心理師は単独で完結する専門職ではなく、医師や教員、企業の人事担当者など他職種と連携しながら支援を組み立てていく職種だという認識を持っておくことが大切です。
「公認心理師はやめとけ」と言われる理由1|年収が伸び悩んでいるという実態
公認心理師がやめとけと言われる最大の理由として挙げられるのが、年収の伸び悩みです。厚生労働省の「賃金構造基本統計調査」には公認心理師という職種区分が単独では存在しないため、公的統計による確定額を示すことはできません。ただし、資格予備校や医療系メディア各社が「その他の保健医療従事者」に近い区分を参考に推計した結果として、平均年収は300万円台後半から400万円台程度になるという報告が複数見られます。あくまで推計値であり、公的な確定データではない点には注意が必要です。
公表されている年収の目安と分布
複数の民間調査・メディアの報告を総合すると、公認心理師の年収帯は「300万円台」が最も多いゾーンとして紹介される傾向があり、次いで「400万円台」「200万円台」が続くという分布が示されています。医療系の他職種と比較すると、平均年収がやや低い水準にとどまっているという指摘も見られます。もちろん勤務先の分野(医療・教育・産業など)や雇用形態、勤続年数、役職の有無によって差は大きく、産業領域で企業のメンタルヘルス対策に携わる場合や、独立してカウンセリングルームを運営する場合、複数の職場を掛け持ちして収入を積み上げている場合など、平均を上回る収入を得ている人も存在します。年収だけを切り取って一律に語ることは、実態を正確に表しているとは言えません。
他の医療・福祉系国家資格との比較で見える課題
公認心理師と並んで語られやすい看護師や理学療法士、作業療法士などの医療系国家資格は、診療報酬制度のなかで業務が評価される仕組みが比較的整っています。一方、公認心理師の業務が診療報酬上で明確に評価される場面は限定的だとする指摘があり、病院やクリニックが公認心理師を常勤で雇用するコストを回収しにくいという構造が、年収が伸びにくい一因として語られることがあります。医療機関にとって、公認心理師を常勤採用しても診療報酬の裏付けが薄ければ人件費を捻出しにくく、結果として非常勤中心の採用になりやすいという見方です。この点は今後の診療報酬改定や制度の見直しによって変わりうる部分でもあるため、進路を決める際には最新の制度情報を確認しておくことをおすすめします。
| 年収帯の目安(民間調査ベース) | 報告されている傾向 |
|---|---|
| 200万円台 | 非常勤中心・経験年数が浅い層に多いとされる |
| 300万円台 | 最も多いゾーンとして紹介されることが多い |
| 400万円台以上 | 常勤・管理職・独立開業などで到達しやすいとされる |
いずれの数値も公的統計による確定額ではなく、民間調査・メディアによる推計であることを前提に、進路選択の一つの参考情報として捉えてください。年収の実態を知ったうえで、それでも目指したいと思えるかどうかが、後悔しない進路選びの第一歩になります。
年収を左右する要素としては、勤務先の分野に加えて「経験年数」と「専門資格の重ね取り」が大きいと考えられています。同じ公認心理師でも、勤続年数を重ねて管理職やスーパーバイザーの立場に進んだ人と、非常勤の掛け持ちを続けている人とでは、年収に数百万円単位の差が生まれることも珍しくありません。転職や独立のタイミングで年収が大きく変わるケースも報告されており、資格取得直後の初任給の水準だけを見て将来性を判断するのは早計だと言えます。長期的なキャリア設計を前提に、年収の推移をイメージしておくことが大切です。
地域差も無視できない要素です。都市部は求人数そのものは多いものの、心理系大学院の卒業生が集中するため競争が激しく、給与水準が伸びにくい傾向があると指摘されることがあります。一方で地方は求人数自体が少ないものの、競合が少なく常勤採用につながりやすいという声もあり、一概に都市部が有利とは言えません。勤務地の希望と収入面の希望をどう優先順位付けするかも、進路選択の重要な論点になります。また、公認心理師のなかには本業に加えてオンラインカウンセリングや執筆・講演といった副業的な活動を組み合わせ、収入を補っている人もいます。一つの収入源に依存しない働き方は、雇用の不安定さへの実務的な対策として選ばれることがあります。新卒・資格取得直後の初任給については、勤務先の規模や分野によって幅がありますが、他の医療・福祉系職種の初任給と大きく変わらない水準からスタートするケースが多いとされます。そこから経験年数や役職、専門性の積み上げによって、どこまで年収を伸ばせるかが分かれ道になります。臨床心理士との単純比較についても、両資格を併せ持つ人が多いため厳密な切り分けは難しいのが実情です。「公認心理師だから低い」「臨床心理士だから高い」といった単純な図式は成り立ちにくく、実際には勤務先の分野や雇用形態の違いのほうが年収への影響が大きいと考えられます。年収の情報を集める際は、一つの記事や口コミだけで判断せず、厚生労働省や職能団体が公表している資料、実際の求人票に記載された給与レンジなど、複数の情報源を突き合わせて確認する姿勢が大切です。
理由2|非常勤・掛け持ちなど雇用形態が不安定になりやすい
年収の問題と表裏一体なのが、雇用形態の不安定さです。公認心理師は常勤の求人そのものが少ないという声が根強くあります。日本公認心理師協会が2020年8月時点の登録者35,400人を対象に実施した調査(有効回答13,688人)では、常勤が55.3%、非常勤が38.3%という結果が報告されています。この数字だけを見ると常勤が過半数を占めているように見えますが、分野ごとの差を踏まえると、必ずしも安定した雇用が保証されているとは言えない実態が浮かび上がります。
常勤・非常勤の割合の実態
同調査によると、非常勤である理由として最も多かったのは「希望する分野や機関などで常勤の求人が少ない」で、全体の54%を占めたと報告されています。つまり非常勤を選んでいる人の半数以上が、望んでそうしているのではなく、常勤の選択肢自体が少ないために非常勤を選ばざるを得ない状況にあるということです。分野別に見ると差はさらに大きく、教育分野では非常勤の割合が約7割に達するという結果も紹介されています。学校のスクールカウンセラーのように、そもそも週数日の勤務が前提となっているポジションが多いことが背景にあると考えられます。
| 雇用形態 | 割合(2020年調査時点) |
|---|---|
| 常勤 | 55.3% |
| 非常勤 | 38.3% |
| その他(掛け持ち・不明等を含む) | 残りの割合として報告 |
分野によって差がある雇用の安定度
医療分野の病院・クリニック、産業分野の企業内カウンセラーなどでは常勤採用の求人も見られる一方、教育分野や司法・矯正分野では非常勤を前提とした募集が多い傾向があります。複数の勤務先を掛け持ちしながら生計を立てる働き方は、収入を確保するための現実的な選択肢である反面、移動の負担や勤務先ごとの人間関係の構築コスト、有給休暇や社会保険といった福利厚生面での不利がかかる点も見逃せません。分野選びの段階で雇用の安定度を意識しておくことが、入職後のミスマッチを避けるうえで重要です。志望する分野が定まっていない段階では、複数分野の求人動向を比較しながら、自分が優先したい条件(収入・安定性・専門性・働き方の柔軟さ)を整理しておくとよいでしょう。
雇用の不安定さへの対策として、複数の勤務先を意図的に組み合わせる「ポートフォリオ型」の働き方を選ぶ公認心理師も増えています。病院での勤務と学校でのスクールカウンセラー業務を並行するなど、分野を分散させることで、特定の職場の求人状況に収入全体が左右されるリスクを抑える考え方です。もちろん移動時間や事務手続きの負担は増えますが、経験を積める分野が広がるというメリットもあります。就職・転職活動の段階で、こうした働き方の選択肢があることを知っておくと、非常勤という言葉だけで不安になりすぎずに済みます。
非常勤契約は多くの場合、1年ごとなど有期での契約更新が前提になります。契約更新のタイミングで雇い止めになるリスクがゼロではないことも、不安定さの一因として語られます。また、非常勤の掛け持ちでは交通費や税務処理(確定申告など)を自分で管理する必要があり、正社員的な働き方に比べて事務的な負担が増える点も見落とされがちです。就職先を選ぶ際には、契約形態や更新の実績(実際にどの程度の人が更新されているか)を面接時に確認しておくと安心材料になります。さらに、非常勤の場合は勤務先によって社会保険の適用条件が異なり、加入できないケースもあります。産休・育休制度の対象になるかどうかも、常勤・非常勤で差が出やすいポイントです。ライフイベントを見据えたキャリア設計をする場合は、こうした制度面の違いも事前に確認しておくと安心です。もっとも、非常勤からキャリアをスタートし、経験を積んだうえで常勤ポジションに移る人も少なくありません。最初の職場が非常勤だからといって、そのままの働き方が続くとは限らないという点も、あわせて知っておくと不安が和らぐはずです。産業カウンセラーやキャリアコンサルタントなど関連する民間資格をあわせて取得し、対応できる業務の幅を広げることで、常勤採用のチャンスを増やしている人もいます。雇用の安定性を高めたい場合は、公認心理師単体でのキャリアだけでなく、周辺資格との組み合わせも視野に入れておくと選択肢が広がります。
理由3|資格取得までの時間とコストが大きい
公認心理師の受験資格を得る標準的なルートは、心理学系の学部で4年、大学院で2年学ぶ計6年です。医師や薬剤師ほどではないにせよ、他の対人援助職の資格と比べても取得までの年数が長い部類に入ります。学費・生活費を合わせると総額で数百万円規模の投資が必要になるケースも珍しくなく、この負担の大きさが「やめとけ」と言われる理由の一つになっています。特に社会人からのキャリアチェンジを考える場合、時間的なコストは金銭的なコスト以上に重くのしかかることがあります。
学部+大学院で最短6年、社会人はさらに長期化しやすい
受験資格にはA〜Fの複数のルートがあり、Gルート(現任者ルート)は2022年7月17日をもって受験対象が終了しています。社会人から目指す場合は、働きながら心理学系の学部・大学院で学び直す必要があり、実質的にはさらに長い期間がかかることも珍しくありません。すでに他学部を卒業している社会人であれば、大学に編入学して心理学を学び直すルートや、大学院入学資格審査(いわゆる科目等履修生制度など)を活用して必要科目を補うルートなど、複数の選択肢を比較検討する必要があります。ルートごとの詳細な要件や、社会人が最短で資格取得を目指す進め方については、別記事の公認心理師になるには?大学・大学院ルートと社会人からの目指し方を完全解説で具体的に整理しています。
学費・生活費を含めた投資額の考え方
心理系の学部・大学院は国公立か私立かによって学費の差が大きく、私立の大学院では年間100万円を超える学費がかかることもあります。社会人が退職して大学院に進学する場合は、学費に加えて数年分の生活費や機会費用(その間に得られたはずの給与)も実質的なコストとして考える必要があります。仮に学部から大学院までの6年間で数百万円の学費がかかり、さらに生活費を含めると総投資額が1000万円規模に達するケースもあると紹介されることがあります。資格取得後の年収水準を踏まえたうえで、投資回収のイメージを事前に持っておくことが、後悔を避ける第一歩になります。大学院入試そのものの対策については、大学院入試の専門指導を活用しながら計画的に準備する方法も選択肢の一つです。
時間とコストの負担を減らす工夫としては、奨学金制度や大学院の授業料減免制度を早い段階から調べておくことが挙げられます。日本学生支援機構の貸与型・給付型奨学金や、大学独自の授業料免除制度を組み合わせることで、自己負担を抑えながら進学するケースも少なくありません。社会人であれば、在職中に科目等履修生として必要科目を先取りしておき、大学院進学後の在学期間そのものを短縮する工夫も検討する価値があります。時間的・金銭的な負担は「減らせる部分」と「減らせない部分」に分けて考えると、計画が立てやすくなります。
見落とされがちなのが、大学院入試そのものに複数年かかる可能性です。心理系大学院は倍率が高い研究科・研究室も珍しくなく、1年目の受験で合格できず、翌年に再挑戦する人も一定数います。浪人期間が延びるほど、時間的・金銭的なコストはさらに積み上がります。研究計画書のテーマ設定や志望する研究室とのマッチングを早い段階から丁寧に詰めておくことが、遠回りを避けるうえで重要です。近年は働きながら学べる通信制大学院や、夜間・土日開講のコースを設ける大学院も増えており、社会人が通学の負担を抑えながら学び続けられる選択肢も広がっています。志望校を検討する際は、通学形態やスクーリングの頻度も比較材料に加えるとよいでしょう。また、大学院によってはティーチングアシスタント(TA)やリサーチアシスタント(RA)として在学中に報酬を得られる制度を設けているところもあり、学費・生活費の負担を多少なりとも軽減できる仕組みとして活用されています。奨学金だけでなく、こうした在学中の収入源も含めて資金計画を立てると、負担感を減らしやすくなります。
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理由4|資格保有者の増加と需要のミスマッチへの懸念
公認心理師試験は2018年の第1回から実施されており、回を重ねるごとに登録者数が積み上がっています。第1回試験(2018年9月9日実施)は受験者35,020人に対し合格者27,876人、合格率79.6%という結果でした。もっとも直近の第8回試験(2025年3月2日実施)では受験者2,174人に対し合格者1,454人、合格率66.9%となっており、試験の規模や合格率は回によって大きく変動しています。第1回は現任者ルートを含む大規模な経過措置的な受験があったため受験者数が突出して多く、その後は新規に学部・大学院ルートで受験資格を得た人が中心になり、受験者数の規模自体が縮小してきた経緯があります。
登録者数の推移と試験合格率の変化
一般財団法人公認心理師試験研修センターによると、2025年3月末時点の登録者数は73,743人です。国家資格が始まって間もないことを踏まえると、今後もしばらくは登録者数の増加が続くと見られます。合格率の変動は、受験者の構成(現任者ルートの終了に伴う受験者層の変化など)が影響していると考えられ、単年の数字だけで試験の難易度を断定することはできません。受験を検討する際は、直近の受験者数・合格率の推移を試験研修センターの公式発表で確認しておくと安心です。
| 試験回・実施日 | 受験者数 | 合格者数 | 合格率 |
|---|---|---|---|
| 第1回(2018年9月9日) | 35,020人 | 27,876人 | 79.6% |
| 第8回(2025年3月2日) | 2,174人 | 1,454人 | 66.9% |
都市部集中・地域や分野による偏りの構造
心理系の大学院は都市部に集中する傾向があり、資格取得者も都市部に偏りやすいと指摘されています。人口の多い地域では公認心理師同士の競合が生まれやすい一方、地方では心理職そのものの求人が少なく、資格を持っていても働き口が限られるという別の課題があります。「資格保有者が増えている」ことと「特定の地域・分野で需要が満たされている」ことは必ずしもイコールではなく、この需給のねじれが「やめとけ」論の背景にある構造的な問題だと言えます。進路を決める前に、自分が活動したい地域・分野での求人動向を具体的に調べておくことが、想定と現実のギャップを減らすうえで役立ちます。
一方で、需要そのものが縮小しているわけではない点も押さえておく必要があります。文部科学省や厚生労働省がスクールカウンセラーの配置拡充や、企業のメンタルヘルス対策を後押しする施策を進めていることもあり、分野によっては公認心理師の活躍の場が今後さらに広がる余地があるとも言われています。「資格保有者が増えている=就職が厳しくなる一方」と単純化するのではなく、どの分野・地域で需要が伸びているのかを個別に見極める視点が欠かせません。
需給のミスマッチを解消する動きとして、資格取得後も継続的に専門性を高めていく研修制度の整備が進んでいる点も紹介しておきます。特定の疾患・年代・領域に強い公認心理師は、供給が増えても相対的に選ばれやすい傾向があるとされ、資格を取ったあとにどの専門性を伸ばしていくかが、需給のミスマッチの影響を受けにくくするための鍵になります。汎用的な資格だからこそ、取得後の専門性の磨き方でキャリアの明暗が分かれやすいとも言えるでしょう。公認心理師には医師や看護師のような資格更新制度はありませんが、実務のなかで最新の知見をアップデートし続けることが事実上求められます。学会や研修会への参加を通じて専門性を継続的に磨いている人ほど、需給のミスマッチの影響を受けにくい傾向があると考えられます。今後の制度改正(診療報酬上の評価拡大や、スクールカウンセラーの配置基準見直しなど)によって、需給バランスが変化していく可能性もあります。進路を決めた後も、こうした制度動向にアンテナを張っておくことが、キャリアを長期的に安定させるうえで役立ちます。制度が整っていく過渡期にある今だからこそ、早い段階で専門性を確立した人が、将来的に有利なポジションを得やすいという見方もできます。「今は課題が多いから」という理由だけで選択肢から外してしまうのは、少しもったいない判断かもしれません。
理由5|クライアントと深く向き合う精神的負荷の大きさ
年収や雇用の話とは別次元の理由として語られるのが、仕事そのものが持つ精神的な負荷の大きさです。公認心理師は、うつ病や不安障害、発達特性、虐待やDVの被害、希死念慮など、深刻な悩みを抱えるクライアントと向き合う仕事です。相手の人生に関わる重い責任を背負い続けることになるため、業務内容そのものが「やめとけ」と言われる理由の一つに数えられています。年収や雇用形態のような制度面の課題とは異なり、この負荷は資格制度が今後どう変わっても本質的には残り続ける部分でもあります。
クライアントの深刻な悩みに向き合う責任の重さ
心理職の面談では、クライアントの秘密を守りながら、時には自殺のリスク評価や関係機関との連携判断といった重い意思決定を求められる場面もあります。一件一件の面談に高い集中力と責任感を要するため、身体的な疲労以上に精神的なエネルギーを消耗しやすい仕事だと言われています。経験の浅いうちは、判断に迷う場面でスーパービジョン(先輩・指導者からの助言)を受けられる環境かどうかも、働きやすさを大きく左右する要素です。スーパービジョン体制が整っていない職場では、一人で重い判断を抱え込みやすく、負荷がさらに大きくなる傾向があります。
バーンアウト・自己ケアの必要性
対人援助職全般に共通する課題として、燃え尽き症候群(バーンアウト)のリスクが指摘されています。公認心理師として長く働き続けるためには、自分自身のメンタルヘルスを維持するセルフケアの技術や、同僚・指導者に相談できる職場環境を選ぶ視点が欠かせません。「人の役に立ちたい」という動機だけで飛び込むと、燃え尽きてしまうリスクがあるという点は、進路を決める前に理解しておく価値があります。就職・転職の際には、給与や勤務時間だけでなく、スーパービジョンの有無や職場内でのケース検討会の頻度といった、精神的な負荷をケアする仕組みが整っているかどうかも確認しておくとよいでしょう。
精神的な負荷は、経験を積むことである程度コントロールできるようになるとも言われています。最初のうちは重いケースに圧倒されやすくても、面談の進め方や自分自身の感情との付き合い方を学んでいくなかで、負荷を管理しながら働けるようになっていく人が多いという指摘もあります。大学院での実習や、資格取得後の初期キャリアでどれだけ丁寧な指導を受けられるかが、この負荷への耐性を育てるうえで重要な意味を持ちます。
クライアントの深刻な体験談を繰り返し聞き続けることで、支援者自身が間接的に心理的なダメージを受ける「二次受傷」と呼ばれる現象も知られています。これは意志の弱さや適性の欠如ではなく、対人援助職に共通する職業的なリスクとして理解されているものです。多くの心理系大学院や職能団体では、こうしたリスクへの対処法を学ぶ研修や、定期的なスーパービジョンを受けられる仕組みを用意しています。入職前に、こうしたサポート体制の有無を確認しておくことも、長く働き続けるための備えになります。具体的なセルフケアの方法としては、定期的に自分自身がカウンセリングを受ける「教育分析」や、業務外の時間で意識的にリフレッシュする習慣づくりなどが挙げられます。支援する側にもケアが必要だという認識を持つこと自体が、長く働き続けるための土台になります。心理系の大学院や養成課程では、こうした自己理解を深める演習が用意されていることも多く、資格取得の過程そのものが精神的な負荷への耐性を養う機会にもなっています。負荷の大きさを理由に敬遠する前に、こうした準備の仕組みがあることも知っておくとよいでしょう。
それでも公認心理師を目指す価値がある人の特徴
ここまで「やめとけ」と言われる5つの理由を見てきましたが、これらはあくまで課題であり、公認心理師という資格そのものの価値を否定するものではありません。課題を理解したうえで、それでも目指す価値がある人には共通した特徴があります。逆に言えば、これらの特徴に当てはまらない場合は、他のキャリアと比較検討する余地が大きいということでもあります。
向いている人の特徴
- 人の話をじっくり聞き、すぐに答えを出さずに寄り添うことが苦にならない
- 資格取得までの6年前後という期間を、長期的な自己投資として納得できる
- 年収よりも「専門性を活かして人の役に立つ」ことに強い動機を持てる
- 一つの職場に依存せず、複数分野で経験を積むキャリアの築き方に前向きになれる
- 継続的に学び続けること(研修・スーパービジョン・関連分野の勉強)に抵抗がない
逆に、短期間で高収入を得たい、安定した終身雇用を最優先したいという価値観が強い場合は、公認心理師以外のキャリアと比較検討する余地があります。心理学の知識を活かせる仕事は公認心理師以外にも、産業カウンセラーやキャリアコンサルタント、企業の人事・人材開発職など複数あり、必ずしも公認心理師の資格取得だけがゴールではありません。資格取得自体がゴールではなく、資格を取ったあとにどう働き、どう生計を立てていくかまで具体的にイメージできるかどうかが、後悔しない選択の分かれ目になります。
適性を見極める方法として、大学の心理学科でのアルバイトや実習、ボランティアとして相談援助の現場に触れてみることも有効です。実際の現場を体験してから進路を決めた人は、入学後・資格取得後のギャップに悩みにくい傾向があります。心理学部への進学や編入を検討している段階であれば、オープンキャンパスや研究室訪問を通じて、教員や先輩から現場のリアルな声を聞いておくことをおすすめします。分野によって求められる資質にも違いがあり、子どもと関わることに喜びを感じる人は教育分野、組織の課題解決に関心がある人は産業分野というように、自分の興味・関心と親和性の高い分野を早めに見つけておくことも、長く続けられるキャリアにするためのポイントです。完璧な適性チェックリストは存在しませんが、「困っている人の話を最後まで聞ける」「答えを急がず一緒に考える姿勢を持てる」といった資質は、多くの心理職養成課程で重視される傾向があります。自分にこうした資質があるかどうかを振り返ってみることも、進路選びの参考になります。
年収・キャリアを伸ばしている人がしていること
公認心理師のなかでも収入やキャリアを伸ばしている人には、いくつかの共通点があります。一つは、公認心理師と臨床心理士など複数の資格を組み合わせる「ダブルライセンス」です。両資格の違いや取得のメリットは公認心理師と臨床心理士の違いを徹底比較で解説しています。もう一つは、産業領域で企業のメンタルヘルス対策や人材育成に携わったり、独立してオンラインカウンセリングを展開したりと、医療機関以外のフィールドにも活動の幅を広げているケースです。さらに、複数の勤務先で経験を積みながら専門分野(児童・思春期、産業、司法など)を確立し、専門性の高さを評価されて収入を伸ばしている人も見られます。心理学部からのキャリアを検討している方は、心理学部 編入を徹底解説もあわせて確認しておくと、進路の選択肢を広げやすくなります。
もう一つの共通点として、就職・転職の情報収集を怠らないことが挙げられます。求人情報だけでなく、実際にその職場で働く先輩や指導者から話を聞くことで、給与水準だけでは見えない働きやすさ(スーパービジョン体制、残業の実態、キャリアパスの選択肢)を把握している人が多い傾向があります。大学院在学中から実習先や指導教員のネットワークを活用し、卒業後のキャリアを見据えて情報を集めておくことが、資格取得後のミスマッチを防ぐことにつながります。
後悔しないための進路の決め方・大学院選びのポイント
「公認心理師はやめとけ」という言葉に振り回されず、後悔のない進路選択をするためには、事前の情報収集と自己分析が欠かせません。ここでは、進路を決める前に確認しておきたいポイントを整理します。感情的な不安や周囲の意見だけで判断せず、具体的な情報にもとづいて一つずつ確認していくことが重要です。
目指す前に確認すべきチェックリスト
- 希望する分野(医療・教育・産業・福祉・司法)での求人状況を具体的に調べたか
- 学費・生活費を含めた総投資額と、資格取得後の年収イメージを比較したか
- 非常勤の掛け持ちも視野に入れたキャリアプランを描けているか
- 精神的な負荷が大きい業務内容に、長期的に向き合える見込みがあるか
- 臨床心理士など関連資格との違い・併用の可能性を理解しているか
これらを一つずつ具体的に確認していくことで、「なんとなく不安」な状態から「納得したうえで選ぶ」状態に進むことができます。特に、希望する分野の求人状況は地域差が大きいため、志望する勤務地の求人サイトや自治体の採用情報を実際に調べてみることをおすすめします。あわせて、実際に働いている公認心理師の話を聞ける機会(大学のOB・OG訪問、職能団体のイベントなど)があれば積極的に参加し、求人票だけではわからない働き方のリアルな情報を集めておくと、入職後のイメージのズレを防ぎやすくなります。
大学院・予備校選びで失敗しないポイント
公認心理師の受験資格を得るための大学院選びでは、指定科目のカリキュラム、実習先の実績、修了後の進路実績を確認することが重要です。研究計画書の完成度や面接対策の質が合否を左右するため、独学だけで対策を進めるのが不安な場合は、専門の指導を受けることも有効な選択肢です。大学院入試の対策全般については大学院入試の専門指導で、研究計画書や志望動機の練り方まで含めてサポートを受けられます。第1区分の大学院選びに特化した情報は公認心理師の大学院(第1区分)とはでも詳しく解説していますので、あわせて確認しておくと、大学院選びの精度を上げることができます。
予備校や個別指導を選ぶ際は、心理系大学院入試に特化した実績があるかどうかも確認しておきたいポイントです。研究計画書のテーマ設定や先行研究の整理は独学ではつまずきやすい工程であり、専門的な添削指導を受けることで完成度が大きく変わることがあります。志望校ごとに出題傾向や面接で問われやすい内容も異なるため、自分の志望分野に合わせた対策を早い時期から始めておくことが、限られた準備期間を有効に使うコツです。
一人で抱え込まず複数の相談先を持つ
進路選びに迷ったときは、一人で抱え込まずに複数の相談先を持っておくことも大切です。大学のキャリアセンターや心理学科の教員、実際に心理職として働く先輩、資格取得支援を行う予備校など、立場の異なる複数の相談先から意見を集めることで、偏った情報に流されにくくなります。特に大学院入試は情報戦の側面もあるため、志望する研究科の入試情報や過去の出題傾向に詳しい専門家のサポートを受けられると、準備の効率が大きく変わります。周囲に相談できる人がいない場合は、オンラインで受講できる講座や、心理系大学院入試に特化した個別指導サービスを利用する方法もあります。情報を集めれば集めるほど、漠然とした不安は具体的な検討事項に変わっていきます。
公認心理師 やめとけに関するよくある質問(FAQ)
公認心理師はやめとけと言われる一番の理由は何ですか?
複数の理由が組み合わさっていますが、特に大きいのは年収の伸び悩みと雇用形態の不安定さです。日本公認心理師協会の調査では非常勤の割合が38.3%と報告されており、常勤の求人が少ない分野があることが背景にあります。資格取得までの期間の長さや精神的な負荷の大きさも、あわせて語られることが多い理由です。一つの理由だけで判断するのではなく、これらを総合的に踏まえて自分に合うかどうかを考えることが大切です。理由を分解して一つずつ確認していくと、自分にとって許容できる部分とそうでない部分が見えてきます。
公認心理師の年収は本当に低いのですか?
公的統計に公認心理師単独の年収データは存在しないため断定はできませんが、民間調査や医療系メディアの推計では300万円台から400万円台程度という報告が多く見られます。他の医療系職種と比べてやや低い水準にあるという指摘もあるため、勤務先の分野や雇用形態による差を含めて理解しておくことが大切です。産業領域での活躍や独立開業など、平均を上回る収入を得ている人もいるため、資格取得後のキャリアの積み方次第で年収の伸び方は変わってきます。
公認心理師と臨床心理士はどちらが将来性がありますか?
公認心理師は国家資格、臨床心理士は民間資格という違いがあり、単純にどちらが優れているとは言えません。医療機関の一部では両資格を併せ持つ人材が評価されやすい傾向もあります。詳しい違いは公認心理師と臨床心理士の違いを徹底比較で解説していますので参考にしてください。両方の受験資格を意識してカリキュラムを組める大学院もあるため、進学先を選ぶ段階で確認しておくと選択肢が広がります。
公認心理師の需要は今後減っていくのですか?
登録者数は年々増加していますが、需要そのものが減っているという公的なデータは確認できていません。むしろメンタルヘルスへの社会的関心の高まりから、産業領域などでは活躍の場が広がっているという見方もあります。ただし地域・分野による求人の偏りは今後も続く可能性があるため、希望する分野の求人動向は継続して確認することをおすすめします。志望する分野を一つに絞りすぎず、複数の可能性を残しておくとリスクを分散できます。
公認心理師に向いていないのはどんな人ですか?
短期間での高収入や、安定した終身雇用を最優先したい人には不向きな面があります。また、人の深刻な悩みに継続的に向き合うことに強いストレスを感じやすい人も、事前によく検討したほうがよいでしょう。反対に、長期的な自己投資に納得でき、専門性を活かして人の役に立ちたいという動機が強い人には向いている資格です。迷った場合は、実際の現場を見学したりボランティアに参加したりして、適性を確かめてから決めるのも一つの方法です。
社会人から公認心理師を目指すのは無謀ですか?
無謀とは言えませんが、学部からのルートに比べて時間・費用の負担が大きくなりやすいのは事実です。働きながら学び直す方法や、退職して大学院進学に専念する方法など、いくつかの選択肢があります。社会人ルートの具体的な進め方は公認心理師になるには?大学・大学院ルートと社会人からの目指し方を完全解説で詳しく紹介しています。仕事を続けながら目指すか、退職して集中するかは、家族構成や貯蓄状況も踏まえて慎重に検討することをおすすめします。
公認心理師になるまで何年かかりますか?
標準的なルートは心理学系学部4年+大学院2年の計6年です。社会人から目指す場合は、学び直しの期間を含めるとさらに長くなることもあります。受験資格にはA〜Fの複数ルートがあり、Gルート(現任者ルート)は2022年7月17日で受験対象が終了しているため、現在新たに目指す場合は学部・大学院ルートが基本になります。大学院受験が1年で決まらない場合は、さらに期間が延びる可能性も見込んでおくと安心です。学部在学中から心理学を専攻している人であれば、比較的スムーズに大学院進学へ進めるケースが多い一方、他学部出身者や社会人は必要科目の履修に追加で時間がかかる場合もあります。
公認心理師の資格を取って後悔しないためにはどうすればいいですか?
「やめとけ」という言葉だけで判断せず、希望する分野の求人状況、投資額と年収のバランス、精神的な負荷への耐性を具体的に確認したうえで決めることが大切です。大学院入試の対策段階から専門家のサポートを受けることも、遠回りを避ける有効な手段になります。周囲の意見に振り回されすぎず、自分自身の価値観と照らし合わせて納得できる決断をすることが、長期的な満足度につながります。
まとめ|公認心理師は「やめとけ」なのか、結論と次の一歩
「公認心理師はやめとけ」と言われる背景には、年収の伸び悩み、雇用形態の不安定さ、資格取得までの時間とコスト、需要と供給のミスマッチ、そして精神的な負荷の大きさという、それぞれに根拠のある課題が存在します。これらの課題を軽視して勧めることは誠実ではありませんが、同時にこれらは「向き合い方次第で対応できる課題」でもあります。一方で、専門性を活かして人の役に立てるというやりがいや、活動領域の広さという公認心理師ならではの魅力があることも忘れてはいけません。「やめとけ」という言葉だけを鵜呑みにして選択肢を狭めてしまうのは、もったいないことだと言えるでしょう。ここまでの内容を、進路選択の判断材料として次のように整理できます。
- 公認心理師は2017年施行の公認心理師法にもとづく国家資格で、名称独占資格である
- 年収は民間調査ベースで300万円台〜400万円台という報告が多いが公的な確定値はない
- 常勤55.3%・非常勤38.3%という調査結果があり、分野によって雇用の安定度に差がある
- 標準ルートは学部4年+大学院2年の計6年で、社会人はさらに長期化しやすい
- 登録者数は2025年3月末時点で73,743人と増加を続けており、地域・分野による需給の偏りがある
- クライアントの深刻な悩みに向き合う精神的な負荷は大きく、セルフケアの視点が欠かせない
- 長期的な自己投資に納得でき、専門性を活かして人の役に立ちたい人には価値のある資格である
大切なのは、「やめとけ」という言葉を鵜呑みにすることでも、逆に楽観視しすぎることでもなく、事実にもとづいて自分に合った進路かどうかを見極めることです。特に大学院入試は研究計画書の完成度や面接対策が合否を左右するため、独学での対策に不安がある場合は、専門の指導を活用するのも一つの方法です。大学院入試の専門指導では、心理系大学院を志望する方に向けて、研究計画書の作成から面接対策まで一人ひとりに合わせたサポートを行っています。進路に迷ったときこそ、信頼できる情報と専門的なサポートを味方につけて、納得のいく一歩を踏み出してください。「公認心理師 やめとけ」という検索結果にたどり着いたということは、それだけ真剣に自分のキャリアと向き合っている証でもあります。年収や雇用の課題を正しく理解したうえで、それでも挑戦したいと思えるなら、その気持ちを大切にして次の準備を進めていきましょう。反対に、調べていくなかで「自分には合わないかもしれない」と感じたのであれば、それも一つの大切な発見です。無理に進むのではなく、心理学の知識を活かせる他の道(産業カウンセラーやキャリアコンサルタントなど)を検討する選択肢もあります。どちらの結論に至るにせよ、感情だけでなく事実にもとづいて決めたという経験は、その後のキャリア選択においても役立つはずです。この記事で紹介した課題やデータは、あくまで進路選択の判断材料の一つです。最終的には、自分自身の価値観や生活設計、学びたいという意欲の強さを踏まえて、納得のいく結論を出してください。
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