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公認心理師の受験資格を7ルートで完全解説

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公認心理師の受験資格は、大学と大学院で決められた科目を履修するルートだけでなく、大学院に進学せず実務経験を積むルートや、外国の大学・大学院を卒業した人向けの認定審査ルートまで、公認心理師法にもとづき区分A〜Gの7つに整理されています。公認心理師とは、保健医療・福祉・教育・司法・産業などの現場で心理的支援を行う国家資格であり、資格を得るためにはまず国家試験に合格する前提として、この7区分のいずれかに該当する必要があります。

多くの人が目指すのは、4年制大学で指定科目25科目を履修して卒業し、大学院で必要科目10科目を修了する「区分A」です。一方で、大学院に進学せず厚生労働省の定める施設で2年以上の実務経験を積む「区分B」、外国の大学・大学院出身者や履修科目が一部不足する人向けの「区分C」、2017年9月15日の法施行前から大学・大学院に在籍していた人向けの経過措置(区分D・E・F)、そして心理職としてすでに働いていた人向けの現任者ルート(区分G)と、進学状況や社会人経験に応じて選べる道が複数用意されています。

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このうち区分Gは2022年7月17日実施の第5回公認心理師試験をもって新規の受験資格取得が終了しており、今から目指す人が使えるのは実質的に区分A〜Fです。自分がどの区分に当てはまるかを取り違えると、大学院選びや実務経験先の選定そのものが無駄になりかねません。この記事では、公認心理師試験研修センター(旧・日本心理研修センター)や厚生労働省が示す情報にもとづき、7つの受験資格ルートの要件と、進路別にどのルートを検討すべきかを整理します。

これから大学進学を控えている高校生・大学生はもちろん、他学部出身の社会人や、心理系ではない大学を卒業してから公認心理師を目指したいと考えている人にとっても、最初にどの区分を目指すかを決めることが遠回りを避ける第一歩になります。大学院に進学するか実務経験を選ぶかによって、大学在学中に準備すべきことも、卒業後の進路の選び方も大きく変わってくるためです。区分ごとの違いを理解したうえで、自分の現在の学歴・経歴からどのルートに現実的に乗れるのかを、この記事を通じて具体的に確認していきましょう。なお制度の細かな運用は年度によって見直されることがあるため、本記事の内容は執筆時点の公表情報にもとづいています。出願・申込み直前には必ず指定試験機関の最新情報を確認したうえで手続きを進めてください。

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目次

公認心理師の受験資格とは|区分A〜Gの全体像をまず押さえる

公認心理師法にもとづく7つの受験資格区分

公認心理師試験を受けるためには、公認心理師法および同法施行規則が定める要件のいずれかを満たす必要があります。指定試験機関である公認心理師試験研修センターが公表しているルート図でも、受験資格は区分A・B・C・D・E・F・Gの7つに分かれて示されています。区分ごとに「大学で何を履修したか」「大学院に進学したか」「実務経験があるか」という組み合わせが異なり、自分の学歴・職歴がどの区分に当てはまるかを最初に確認することが受験資格取得の出発点になります。

区分A・Bは、これから大学・大学院に進学して公認心理師を目指す人向けの標準ルートです。区分Cは外国の大学・大学院出身者や履修状況が特殊な人向けの個別審査ルート、区分D・E・Fは2017年9月15日の法施行日より前に大学・大学院に入学(または卒業・修了)していた人向けの経過措置、区分Gは法施行前から心理職として働いていた現任者向けの経過措置です。まずはこの位置づけを俯瞰したうえで、次の章から各区分の要件を具体的に見ていきます。

これから進路を決める高校生・大学生であれば、基本的には区分A・Bの2つだけを検討すれば十分です。一方で、すでに大学を卒業している社会人や、海外での学歴がある人は、区分C〜Fのどれかに当てはまる可能性があるため、この記事の該当する章を確認しながら、自分の状況に近いケースを探してみてください。

新規ルートはA〜F、Gは経過措置で終了

区分Gは、2012年9月16日から2017年9月15日までの間に心理職として通算5年以上の実務経験があり、かつ現任者講習会を修了した人が対象の経過措置でした。しかし2022年7月17日実施の第5回公認心理師試験をもって新規の受験資格取得が終了しています。つまり現時点でこれから受験資格を得ようとする場合、選べるのは区分A〜Fの6つということになります。区分ごとの位置づけを表にまとめると次のとおりです。

区分主な対象者大学院進学現在の位置づけ
A4年制大学で指定科目を履修し卒業する人必要最も一般的な新規ルート
B4年制大学で指定科目を履修し卒業する人不要(実務経験)新規ルートとして継続
C外国大学・大学院出身者、履修科目不足者など状況による個別の認定審査が必要
D2017年9月15日以前に大学院入学・在学必要経過措置(現在も申請可)
E2017年9月15日以前に大学卒業必要経過措置(現在も申請可)
F2017年9月15日以前に大学卒業不要(実務経験)経過措置(現在も申請可)
G法施行前からの心理職現任者不要(実務経験+講習)2022年7月17日の第5回試験で新規受付終了

区分を確認する際によくある勘違い

受験資格の区分を調べていると、「大学で心理学を専攻していれば自動的に区分Aの対象になる」と誤解しているケースが少なくありません。実際には、心理学部・心理学科という名称ではなく、公認心理師法施行規則が定める指定科目を実際に履修したかどうかが判断基準になります。同じ心理学部であっても、開講科目や履修モデルが公認心理師カリキュラムに対応していない大学・学科も存在するため、大学案内やシラバスで「公認心理師の受験資格に対応」と明記されているかを確認することが欠かせません。

また、区分D・E・F・Gのような経過措置は、対象となる入学時期や実務経験期間が厳密に区切られているため、「自分は昔から心理職をしていたから大丈夫だろう」といった感覚的な判断は禁物です。少しでも該当時期や科目数に不安がある場合は、思い込みで進路を決めず、指定試験機関や在籍していた(している)大学の教務窓口に個別に確認することをおすすめします。

なぜこれほど区分が細分化されているのか

公認心理師制度は2017年に新しくスタートした国家資格であり、制度発足時点ですでに大学・大学院に在籍していた人や、心理職として長年働いていた人をどう扱うかという課題がありました。新制度発足前からの学習歴・実務歴を無駄にしないための救済措置として、区分D・E・F・Gという経過措置が設けられた経緯があります。一方で、これから大学に入学する人には区分A・Bというシンプルな標準ルートが用意されており、時期によって適用されるルートが異なるという、やや複雑な制度設計になっています。

この背景を理解しておくと、なぜ自分の学年・入学時期によって使えるルートが変わるのかが把握しやすくなります。現役の高校生・大学生であれば区分A・Bのみを検討すればよく、区分C〜Gについては、自分に当てはまる特殊な事情がある場合にのみ確認すれば十分です。逆に言えば、社会人や海外での学歴がある人ほど、複数の区分を比較検討する必要が出てくるため、次の章以降を順番に読み進めることをおすすめします。

区分A・B|4年制大学から目指す2つの標準ルート

区分A 大学と大学院を修了する標準ルート

区分Aは、4年制大学(学部)で公認心理師法施行規則が定める指定科目25科目を履修して卒業し、そのうえで文部科学大臣・厚生労働大臣が指定する大学院に進学して必要科目10科目を修了するルートです。学部4年+大学院2年の計6年程度を要するのが標準的な期間で、最も広く選ばれている新規ルートにあたります。複数の大学で履修した科目を合算して25科目を満たすことは基本的に認められていないため、学部段階から公認心理師カリキュラムに対応したコースを選んでおくことが前提になります。高校生の段階で公認心理師を目指すと決めている場合は、大学選びの時点で公認心理師カリキュラムに対応しているかどうかをオープンキャンパスや大学案内で確認しておくと、入学後に「必要科目が開講されていなかった」という事態を避けられます。

大学院修了後は公認心理師試験の受験資格を得られますが、大学院ごとに研究内容や実習先の傾向が異なるため、志望する働き方(医療・福祉・教育・司法・産業のどの領域か)に合わせて大学院を選ぶことが、その後のキャリアにも影響します。在学中の実習先は大学院によって連携先が異なるため、興味のある分野での実習実績が豊富な大学院を選ぶことで、卒業後の就職活動にもつながりやすくなります。大学院入試では専門科目の筆記試験に加えて研究計画書の提出や面接が課されることが一般的で、出願までに準備すべき事項が多い点も押さえておく必要があります。

学部で履修する指定科目25科目には、「公認心理師の職責」や「心理学概論」といった基礎科目から、「精神疾患とその治療」のように保健医療分野に関する専門科目まで幅広く含まれています。公認心理師の主な活動分野は保健医療・福祉・教育・司法犯罪・産業労働の5分野とされており、学部・大学院を通じてこの5分野を横断する形で科目が構成されている点が、公認心理師カリキュラムの特徴です。個々の科目名や単位数の詳細は大学によって開講形態が異なるため、志望する大学のシラバスで最終確認することをおすすめします。

区分B 大学卒業後に実務経験を積むルート

区分Bは、4年制大学で指定科目25科目を履修して卒業したのち、大学院に進学せず、厚生労働省が施行規則第5条で定める「プログラム施設」において2年以上の実務経験を積むことで受験資格を得るルートです。大学院に進学しない分、学費や進学準備の負担を抑えられる一方で、実務経験を積める施設は限られており、就職先探しの段階から施設要件を確認しておく必要があります。

区分Bを選ぶ場合、実務経験の内容や指導体制が施設によって異なるため、単に2年間在籍すればよいわけではなく、施行規則が求める業務内容に従事している実態が必要です。大学院進学に比べて費用面での負担は軽くなりやすい反面、進学ルートで得られる体系的な講義や研究指導を受けられない点は、区分Aとの違いとして理解しておくとよいでしょう。

区分Bを選んだ場合でも、将来的に大学院へ進学して研究を深めたり、臨床心理士など別の心理系資格を目指したりする道が完全に閉ざされるわけではありません。まず公認心理師として現場に出てから、必要に応じて大学院進学を検討するというキャリアの組み立て方も可能です。ただし大学院によっては出願要件が異なるため、将来的な進学の可能性がある場合は、区分Bを選ぶ段階であらかじめ情報収集をしておくと安心です。

区分A・Bのどちらを選ぶか判断のポイント

区分A・Bはいずれも学部で指定科目25科目を履修する点までは共通しているため、分かれ道になるのは「大学院に進学するか、実務経験を選ぶか」という一点です。研究や実習を通じて理論を体系的に学びたい、あるいは将来的に臨床心理士など大学院修了が前提となる資格もあわせて取りたい場合は区分A、学費負担を抑えつつ現場で経験を積みながら資格取得を目指したい場合は区分Bが選択肢になります。

ただし区分Bを選ぶ場合は、卒業と同時にプログラム施設への就職が決まっている必要があるため、区分Aに比べて卒業前の進路確定が早い段階で求められる点は見落とされがちです。大学3年次から4年次にかけての就職活動のタイミングで、プログラム施設としての要件を満たす職場を確保できるかどうかを見極めておく必要があります。

大学院への進学を検討する場合は、研究テーマや実習先の分野が自分の志望する将来像と合っているかに加えて、公認心理師のカリキュラムに正式に対応した指定大学院であるかどうかを募集要項やホームページで必ず確認しましょう。名称に「心理」と付く大学院であっても、公認心理師の必要科目をすべて開講しているとは限らないため、オープンキャンパスや個別相談の機会を活用して、カリキュラムの詳細を早めに確認しておくことをおすすめします。

大学院入試の対策では、専門科目の筆記試験に加えて、志望動機や研究テーマを説明する研究計画書の完成度、面接での受け答えも合否を左右します。出願書類の準備には数か月単位の時間がかかることも珍しくないため、大学3年次の早い段階から情報収集と対策を始めておくと、直前になって慌てずに済みます。

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区分C|外国の大学・大学院卒業者や履修科目が不足する人の認定審査ルート

区分Cの対象となる6つのパターン

区分Cは公認心理師法第7条第3号にもとづく個別審査ルートで、区分A・Bの標準的な履修だけでは受験資格の判定が難しい人を対象にしています。厚生労働省が示す審査対象者の分類によると、区分Cには大きく分けて次のようなパターンが含まれます。日本の大学(25科目)を卒業したうえで外国の大学院を修了した人、外国の大学を卒業したうえで日本の大学院(10科目)を修了した人、外国の大学卒業後に日本のプログラム施設で実務経験を積んだ人、外国の大学・大学院をいずれも修了した人、外国の大学院を修了し外国の心理職資格を保有する人、そして過去に大学での履修科目が一部不足していた人です。それぞれのパターンを整理すると次のとおりです。

パターン大学大学院・実務等
1日本の大学(25科目)外国の大学院を修了
2外国の大学日本の大学院(10科目)を修了
3外国の大学日本のプログラム施設で実務経験
4外国の大学外国の大学院を修了
5外国の大学院修了+外国の心理職資格を保有
6日本の大学(履修科目が一部不足)心理関連業務に現に1か月以上従事

最後の「履修科目が一部不足していた人」については、申請日の時点で心理に関する業務にすでに1か月以上従事していることが客観的に明らかである必要があるなど、他の区分にはない独自の条件が付されています。区分Cは自己判断だけで満たせる区分ではなく、個別の書類提出と審査を経て初めて受験資格が認められる点が、区分A・Bと大きく異なります。

認定審査の流れと準備しておきたいこと

区分Cに該当する可能性がある人は、文部科学大臣・厚生労働大臣による受験資格認定審査を受ける必要があります。審査では、履修した科目の証明書や成績証明書、実務経験を示す書類など、通常のA・Bルートよりも多くの提出書類が求められる傾向にあります。海外の大学・大学院を卒業した場合はシラバスや科目の対応関係を示す資料が必要になることもあるため、早めに在籍していた大学の教務窓口や指定試験機関に相談し、必要書類を洗い出しておくことが望ましいといえます。

区分Cは対象者のパターンが細分化されている分、自分がどのパターンに当てはまるのかを見極めるだけでも時間がかかりやすいルートです。心理系大学院への進学を経由する場合は、出願前の段階で受験資格の見込みについて大学院の教務担当に確認しておくと、入学後に受験資格が得られないという事態を避けやすくなります。

区分Cは対象者数自体が区分A・Bに比べて少ないこともあり、大学によっては相談窓口の担当者が制度に詳しくないケースもあります。そのため、担当者から明確な回答が得られない場合でも、それだけで受験資格が得られないと判断せず、複数の窓口に確認を取ることも有効な手段です。迷った場合は指定試験機関へ直接問い合わせる選択肢も検討し、進学や就職の計画を立てる前に受験資格の見通しを確定させておくことが、時間と費用の無駄を避けるうえで重要です。

区分Cの審査は個別の書類確認をともなうため、区分A・Bのようにあらかじめ決まったカリキュラムを履修すればよいという単純な話ではありません。審査結果が出るまでに一定の時間がかかることも想定しておく必要があり、大学院の出願時期や就職活動の時期に間に合うよう、余裕をもったスケジュールで準備を進めることが望ましいといえます。特に外国の大学・大学院を卒業した人は、日本語での証明書翻訳や成績の対応関係を示す資料作成にも時間がかかりやすいため、早期の情報収集が肝心です。

海外留学経験者や、日本の大学在学中に留学制度を利用して一部の科目を海外の大学で履修した人も、履修内容によっては区分Cの対象になる場合があります。留学期間中に履修した科目の扱いは個別判断となるため、留学前・留学後のいずれの段階でも、指定試験機関や大学の国際交流担当・教務窓口に相談しておくことをおすすめします。

区分D・E・F|2017年9月15日までの入学者に適用される経過措置ルート

区分D 大学院に在学・進学していた人向け

区分Dは、公認心理師法の施行日である2017年9月15日以前に大学院へ入学していた人、またはその時点で大学院に在学中だった人を対象とする経過措置です。区分Dではさらに区分D1・D2に細分化されており、大学院で「経過措置対応科目」のうち6科目以上(必須科目2科目を含む形での組み合わせ)を修得して修了することが要件とされています。区分Aで求められる10科目すべてではなく、経過措置対応科目6科目以上という緩和された基準になっている点が特徴です。区分D1・D2の違いは、法施行日である2017年9月15日の時点で大学院を修了していたか、それとも在学中で修了前だったかという点にあり、修了のタイミングによって細分化されているのが区分Dの特徴です。

区分Dに該当するかどうかは、入学時期と履修した科目の組み合わせによって細かく変わるため、該当する可能性がある人は在籍していた大学院の教務窓口、または指定試験機関が公開している最新の受験の手引きで、自分の履修内容が経過措置対応科目の要件を満たしているかを個別に確認する必要があります。

区分E・F 2017年9月15日以前に大学を卒業していた人向け

区分E・Fは、2017年9月15日以前に4年制大学で経過措置対応科目12科目以上を履修して卒業した人を対象とする経過措置です。ここから先は区分A・Bと同じ分岐構造になっており、大学院に進学して必要科目10科目を修了すれば区分E、大学院に進学せず認定施設で2年以上の実務経験を積めば区分Fとして受験資格を得られます。区分Aの「学部25科目」に対して区分E・Fは「学部12科目以上」が基準になっている点が、標準ルートとの主な違いです。

区分D・E・Fはいずれも「2017年度までに大学・大学院に入学していたこと」が前提になるため、それより後に入学した人が新たにこの経過措置を利用することはできません。区分Eと区分Fの分岐点は区分A・Bと同様に大学院進学の有無であり、経過措置対応科目12科目以上を満たしたあとに大学院へ進むか、認定施設での実務経験を選ぶかという構造そのものは標準ルートと変わりません。該当しそうな人でも、卒業した大学のカリキュラムが経過措置対応科目としてどこまで認められるかは個別判断になる場合があるため、早めに出身大学の教務担当や指定試験機関へ確認しておくことをおすすめします。

経過措置ルートを利用する際の注意点

区分D・E・Fは、区分A・Bに比べて必要科目数が少なく設定されている分、対応できる年代が2017年度までの入学者に限られるという制約があります。すでに卒業・修了している人にとっては有利な経過措置ですが、これから大学・大学院に入学する人がこのルートを新たに選ぶことはできないため、現役の高校生・大学生は区分A・Bを前提に計画を立てる必要があります。

また、経過措置対応科目として認められる科目は大学ごとのカリキュラムによって異なり、当時の履修内容が現在の基準に照らしてどこまで有効と認められるかは、個別の確認が欠かせません。卒業から年数が経っている場合は、成績証明書の保管状況や大学の記録が残っているかどうかも早めに確認しておくと安心です。

たとえば、2016年に4年制大学へ入学し、在学中に公認心理師制度が発足したケースでは、入学時点のカリキュラムによっては指定科目25科目をすべて満たせず、経過措置対応科目としての区分E・Fの対象になることがあります。入学年度と履修内容の組み合わせで結論が変わるため、「自分は何年入学だから区分◯◯のはず」と決めつけず、実際の履修記録にもとづいて確認することが欠かせません。

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区分G(現任者ルート)はなぜ終了したのか|今から目指す人が知っておくべきこと

区分Gの要件だった5年の実務経験と現任者講習

区分G、いわゆる現任者ルートは、公認心理師制度が新設される以前から心理職として働いていた人を対象とする経過措置でした。要件は、2012年9月16日から2017年9月15日までの間に心理に関する業務に通算5年以上従事していたことに加えて、指定された現任者講習会を修了していることの2点でした。大学・大学院で心理学を体系的に学んでいなくても、実務経験と講習の修了によって受験資格を得られる特例的な仕組みだったといえます。現任者講習会は指定された団体が実施する研修で、決められたカリキュラムを受講したうえで修了要件を満たす必要があり、受講しただけで自動的に修了となるものではありませんでした。

このルートは制度発足初期の心理職従事者を国家資格の枠組みに移行させるための経過措置として設けられたものであり、恒久的な制度ではありませんでした。当初から実施回数に区切りが設けられていたため、対象となる実務経験の期間や講習の受付にも期限がありました。

2022年7月17日の第5回試験で新規受付は終了

区分Gによる新規の受験資格取得は、2022年7月17日に実施された第5回公認心理師試験をもって終了しています。現任者講習会自体の新規募集もこれに先立って締め切られており、現時点でこれから区分Gの要件を新たに満たすことはできません。つまり、実務経験だけで公認心理師の受験資格を得たいと考えている社会人であっても、区分Gはすでに選択肢に含まれない点に注意が必要です。インターネット上には区分Gに関する情報がいまだに多く残っているため、検索結果だけを見て現在も申請できると誤解しないよう、必ず最新の公式情報で終了の事実を確認することが大切です。

区分Gが利用できない現在、実務経験を軸に受験資格を得る方法としては、4年制大学で指定科目を履修し卒業したうえで認定施設に一定期間従事する区分B・Fが実質的な選択肢になります。心理学を体系的に学んでいない社会人が公認心理師を目指す場合は、まず大学での科目履修から始める必要がある点が、区分Gが使えた時期との大きな違いです。

区分Gに該当していた人が今から確認すべきこと

すでに区分Gの要件を満たして公認心理師試験を受験・合格し、登録まで済んでいる人には今回の終了は影響しません。一方で、「実務経験は5年以上あるが現任者講習会を受講しないまま期限を過ぎてしまった」という人は、区分Gでの受験資格取得はすでに選択できません。この場合は、あらためて区分B・Fの要件を満たすルート、つまり4年制大学で指定科目(または経過措置対応科目)を履修するところから検討し直す必要があります。

区分Gが経過措置として設けられていたのは、公認心理師制度が発足する以前から、臨床心理士などの資格を持たずに心理職として現場を支えてきた人が数多く存在していたためです。その意味では区分Gは制度移行期特有の救済措置であり、制度が定着した現在では、これから心理職を志す人には区分A〜Fという体系立った教育課程を経るルートが基本になっています。

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最短で受験資格を得るには何年かかるか|ルート別スケジュール比較

ルートごとの年数比較

受験資格を得るまでの年数は、大学院に進学するか実務経験を選ぶかによって変わります。ここまで見てきた区分A〜Fのうち、これから大学に進学する人が現実的に選べるのは区分A・Bの2つであり、区分D・E・Fはすでに2017年度までに大学・大学院に入学していた人に限られる点をあらためて押さえておきましょう。大学院ルート(区分A・E)は学部卒業後さらに2年程度を要する一方、実務経験ルート(区分B・F)は大学卒業後の実務経験期間(2年以上)が目安になります。どちらも大学の4年間が土台になる点は共通しており、進学するか就職するかは、大学卒業後にどちらの環境で学び・経験を積みたいかによって選ぶことになります。

ルート大学大学院/実務経験受験資格取得までの目安
区分A4年制大学(指定科目25科目)大学院2年(必要科目10科目)大学卒業後、大学院修了まで
区分B4年制大学(指定科目25科目)プログラム施設で2年以上の実務経験大学卒業後、実務経験期間の終了まで
区分E4年制大学(経過措置対応科目12科目以上・2017年9月15日以前入学)大学院(必要科目10科目)大学卒業後、大学院修了まで
区分F4年制大学(経過措置対応科目12科目以上・2017年9月15日以前入学)認定施設で2年以上の実務経験大学卒業後、実務経験期間の終了まで

大学院ルートと実務経験ルート、どちらを選ぶか

大学院ルートは、研究や実習を通じて心理支援の理論と技法を体系的に学べる点が強みです。将来的に臨床心理士など大学院修了を前提とする資格もあわせて目指したい場合は、大学院ルートのほうが選択肢が広がります。一方で実務経験ルートは、大学院の学費や研究負担を避けつつ、現場での実務を通じて資格取得を目指せる点にメリットがあります。どちらのルートも大学卒業後さらに2年前後を要するという意味では、必要な期間に大きな差があるわけではありません。

実際にどちらを選ぶかは、進学後の学費負担に耐えられるか、実務経験を積める施設に就職できる見込みがあるか、将来的に併せて取得したい資格があるかなど、複数の要素を踏まえて判断することになります。大学在学中から進路を決めきれない場合は、大学院進学と就職の両方を視野に入れて、指定科目の履修を優先して進めておくと後の選択肢が狭まりにくくなります。指定科目さえ履修し終えていれば、卒業後に大学院進学と就職のどちらを選ぶかを比較的ぎりぎりまで検討できるため、早期に一方の選択肢へ絞り込む必要はありません

費用面では、一般に大学院ルートのほうが学費と研究活動にかかる負担が大きく、実務経験ルートのほうが在学中の負担は小さい傾向にあります。実務経験ルートは収入を得ながら資格取得を目指せるという利点がある一方、大学院ルートで得られる研究指導や仲間との学び合いの機会は実務経験ルートでは得にくい部分でもあります。学費や生活費の具体的な金額は大学・大学院ごとに異なるため、志望先の募集要項で個別に確認することをおすすめします。奨学金や教育ローン、大学院独自の授業料減免制度を利用できる場合もあるため、費用面が理由で大学院進学を諦める前に、利用できる制度がないか幅広く調べてみることも大切です。

年数の目安が延びやすいケースにも注意

表で示した年数はあくまで標準的なケースの目安であり、実際には大学院入試に不合格となり浪人・再受験する場合や、実務経験先がなかなか決まらない場合など、想定より期間が延びるケースも珍しくありません。特に大学院ルートを選ぶ場合は、研究計画書の作成や専門科目の対策に時間がかかるため、大学3年次のうちから情報収集と対策を始めておくことが、計画どおりに受験資格を得るための現実的な備えになります。

複数の大学院を併願する場合は、出願時期・試験日程・必要書類がそれぞれ異なるため、スケジュール管理そのものが対策の一部になります。専門科目の筆記試験対策と研究計画書の作成を並行して進める必要があるため、独学だけで進めることに不安がある場合は、大学院入試に詳しい指導を早い段階から活用することも選択肢になります。

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実務経験ルート(区分B・F)で気をつけたいポイント|プログラム施設の探し方

プログラム施設とは何か

区分B・Fで必要となる実務経験は、どの職場でもよいわけではなく、厚生労働省が施行規則第5条で定める「プログラム施設」で積む必要があります。プログラム施設は、心理に関する業務を行いながら公認心理師となるために必要な知識・技能を修得できる体制が整っている施設として指定されるもので、単に心理系の職場で働くだけでは要件を満たさない点に注意が必要です。就職活動の段階で、応募先がプログラム施設としての要件を満たしているかどうかを確認しておくことが欠かせません。

プログラム施設に該当するかどうかは施設ごとに異なり、医療機関・福祉施設・教育機関・司法関係機関など幅広い分野に存在します。実務経験ルートを検討している場合は、大学在学中のうちから、志望する分野でプログラム施設としての実績がある職場を調べておくと、卒業後の就職活動をスムーズに進めやすくなります。

大学のキャリアセンターや指導教員が、プログラム施設としての実績がある就職先の情報を持っている場合もあるため、自分だけで探そうとせず大学の支援も活用することをおすすめします。すでに卒業して社会人になっている場合は、現在の勤務先がプログラム施設としての要件を満たすかどうかを勤務先の人事担当や指定試験機関に確認するところから始めるとよいでしょう。要件を満たさない職場に勤務している場合は、転職によって要件を満たす施設に移ることも選択肢の一つになります。転職を検討する際は、求人票の記載だけで判断せず、応募前の面談などで実務内容や指導体制について具体的に確認しておくと、入職後のミスマッチを防ぎやすくなります。

実務経験ルートを選ぶ際の注意点

実務経験ルートは大学院進学に比べて学費負担を抑えやすい一方、就職先の選択肢がプログラム施設に限られるため、必ずしも希望どおりの分野・地域で働けるとは限りません。地方在住の場合、通える範囲にプログラム施設が少ないこともあり、進学ルートに比べて選択肢の幅が地域によって左右されやすい点も考慮しておく必要があります。また実務経験は最低2年以上とされていますが、施設によって業務内容や指導体制の充実度が異なるため、受験資格を満たすだけでなく実務能力も身につけられる職場を選ぶ視点が重要になります。

実務経験ルートを選んだ場合、大学院での研究・実習を経ないまま国家試験を受けることになるため、試験対策は独学や講座を活用して自主的に進める必要があります。大学院ルートに比べて体系的な指導を受ける機会が少ない分、学習計画を早い段階から立てておくことが、実務経験ルートで受験資格を得た人にとって特に重要なポイントになります。実務で身につく知識・技能と、国家試験で問われる知識には重なる部分もありますが、範囲が完全に一致するわけではないため、試験対策は実務経験と並行して計画的に進める必要があります。

就職先を選ぶ前に確認しておきたいチェックリスト

実務経験ルートを選ぶ場合、内定を承諾する前に確認しておきたい点を整理すると次のとおりです。応募先が要件を満たす施設かどうかの事前確認が最も重要で、これを怠ると2年間勤務しても受験資格に結びつかない事態になりかねません。

  • 応募先が厚生労働省の定めるプログラム施設・認定施設の要件を満たしているか
  • 実務経験としてカウントされる業務内容にどこまで従事できるか
  • 指導・スーパービジョン体制が整っているか
  • 2年以上の在籍が見込める雇用形態かどうか
  • 受験資格の証明に必要な書類を退職時にも発行してもらえるか

実務経験ルートを選んだ人の中には、勤務先での実務を通じてスーパービジョン(先輩心理職による指導)を受けながら経験を積むケースも多く見られます。2年間の実務経験は資格取得の要件であると同時に、公認心理師として働くうえでの実践力を養う期間でもあるため、要件を満たすことだけを目的にするのではなく、その期間で何を学べるかという視点も持っておくとよいでしょう。

受験資格を得たあとの流れ|試験申込みから登録までの全体スケジュール

受験の手引き入手から申込みまで

区分A〜Fのいずれかにもとづいて受験資格の要件を満たしたら、公認心理師試験研修センター(旧・日本心理研修センター)が毎年公表する「受験の手引き」を確認し、必要書類をそろえて申込みを行います。区分によって提出書類の内容は異なり、区分Cのように認定審査の結果通知書が必要になるケースもあるため、自分の区分に応じた提出書類を早めに確認しておくことが重要です。試験実施時期や申込期間は年度によって変わるため、出願前に必ず最新の受験の手引きで日程を確認することが欠かせません。参考として、直近の第9回公認心理師試験は2026年3月1日に実施され、合格発表は同年3月27日に行われています。試験結果通知書は郵送ではなく、オンラインの受験関連書類作成システムからダウンロードする方式が取られています。試験地は年度によって限られる場合があるため、遠方から受験する人は交通・宿泊の手配も含めて早めにスケジュールを確認しておくと安心です。

なお、指定試験機関の名称は2024年6月11日付で「一般財団法人日本心理研修センター」から「一般財団法人公認心理師試験研修センター」に変更されています。過去の資料や大学の案内資料には旧名称のまま記載されている場合もあるため、名称の違いに戸惑わないよう、現在の正式名称を把握しておくとよいでしょう。

受験資格を得てから公認心理師として登録されるまでの流れをまとめると、次のようになります。

段階内容
1. 受験資格の確認区分A〜Fのいずれに該当するかを大学・大学院の証明書等で確認する
2. 受験の手引き入手指定試験機関が公表する最新の受験の手引きを確認する
3. 受験申込み必要書類をそろえて期日までに申込みを行う
4. 試験受験指定された試験地で公認心理師試験を受験する
5. 合格発表オンラインの受験関連書類作成システムで結果を確認する
6. 登録手続き登録免許税・登録手数料等を納付し登録簿へ登録する

合格後の登録手続き

国家試験に合格しただけでは公認心理師を名乗ることはできず、合格後に公認心理師登録簿への登録を行って初めて資格者として名乗ることができます。受験資格・国家試験・登録という3段階を経て、はじめて「公認心理師」の名称を用いて業務を行えるようになる仕組みです。登録には登録免許税の納付や登録手数料の支払いなど、試験とは別の手続きが必要になるため、合格発表後の案内を確認しながら進める必要があります。受験資格・受験・登録は別々の手続きであることを踏まえ、それぞれの締切や必要書類を早めに把握しておくと安心です。

登録後は、医療・福祉・教育・司法・産業などさまざまな現場で公認心理師として働くことになります。臨床心理士など他の心理系資格とあわせて取得を目指す場合は、指定大学院の選び方によって両方の受験資格を同時に満たせるケースもあるため、進学先を選ぶ段階で確認しておくと計画が立てやすくなります。

登録手続きが完了するまでは、たとえ試験に合格していても法律上「公認心理師」を名乗ることはできません。合格発表から登録完了までにも一定の期間がかかるため、就職先への報告時期や勤務開始のタイミングを考えるうえでも、登録手続きの流れをあらかじめ把握しておくと安心です。

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よくある質問(FAQ)

公認心理師の受験資格は大学卒業だけで得られますか

大学を卒業しただけでは受験資格は得られません。区分A・Bのいずれであっても、4年制大学で指定科目25科目を履修して卒業したうえで、さらに大学院で必要科目10科目を修了するか、認定施設で2年以上の実務経験を積む必要があります。学部段階で公認心理師カリキュラムに対応した科目を履修していない場合は、そもそも区分A・Bの対象になりません。単位を取り終えて卒業証書を得ることと、指定科目を規定どおり履修し終えていることは必ずしもイコールではないため、卒業前に履修状況を確認しておくことが大切です。特に転部・転学科や編入学を経験している場合は、履修済み科目の扱いが通常のケースと異なることがあるため、早めに教務窓口へ相談しておくと安心です。

心理系ではない学部・学科出身でも公認心理師の受験資格を得られますか

学部・学科の名称そのものよりも、公認心理師法施行規則が定める指定科目を履修しているかどうかが判断基準になります。心理学部以外の学部でも指定科目を開講している大学であれば対象になり得ますが、開講状況は大学によって異なるため、志望する大学のカリキュラムを個別に確認する必要があります。また、すでに心理系ではない学部を卒業してしまった社会人の場合は、あらためて指定科目を開講する大学(通信制を含む)に入学し直すか、科目等履修生として不足科目を補うといった選択肢を検討することになります。科目等履修生として不足科目のみを履修できる制度を用意している大学もあるため、4年間かけて入学し直すよりも短期間で条件を満たせる場合もあります。どの方法が現実的かは、これまでの履修状況によって変わるため、志望する大学の入試・教務窓口に相談してみることをおすすめします。

通信制大学や科目等履修生でも公認心理師の受験資格ルートに乗れますか

通信制大学や科目等履修生であっても、指定科目を規定どおりに履修し卒業要件を満たせば、区分A・Bの対象になり得ます。ただし大学によって開講科目や実習の実施体制が異なるため、通信制での履修を検討する場合は、志望する大学が公認心理師カリキュラムに対応しているかを事前に確認することが欠かせません。心理実習を含む科目はスクーリング等の対面要素が課されることも多く、通信制であっても在宅だけで完結するとは限らない点にも注意が必要です。

大学院に進学しない場合、実務経験だけで受験資格は得られますか

4年制大学で指定科目を履修していることを前提に、大学院に進学せず区分B(または経過措置の区分F)として実務経験ルートを選ぶことは可能です。ただし実務経験は厚生労働省が定めるプログラム施設・認定施設で積む必要があり、どの職場でもよいわけではない点に注意が必要です。就職活動の段階で応募先が要件を満たしているかを必ず確認しましょう。

Gルート(現任者ルート)が終了した今、実務経験のみで受験資格を得る方法はありますか

大学での指定科目の履修を経ずに実務経験のみで受験資格を得られる区分Gは、2022年7月17日の第5回試験をもって新規受付が終了しています。現在、実務経験を軸に受験資格を得る方法としては、大学で指定科目を履修したうえで認定施設に従事する区分B・Fが実質的な選択肢になります。

公認心理師の受験資格と臨床心理士の受験資格は同じ大学院で両方満たせますか

大学院によっては、公認心理師と臨床心理士の両方の受験資格に対応したカリキュラムを提供している場合があります。ただし対応状況は大学院ごとに異なるため、両方の取得を目指す場合は、志望する大学院が両資格に対応した指定大学院であるかを募集要項で個別に確認する必要があります。公認心理師のみ対応、臨床心理士のみ対応という大学院も存在するため、併願先を選ぶ段階から情報収集を始めておくと安心です。臨床心理士は公益財団法人日本臨床心理士資格認定協会が認定する別の資格であり、指定校の基準も公認心理師とは別に定められています。両方を目指す場合は、どちらの基準も満たす大学院を志望校リストの中心に据えて検討するとよいでしょう。どちらの資格を優先するか、両方を同時に目指すかによって出願先の絞り込み方も変わってくるため、早い段階で将来のキャリア像を整理しておくことをおすすめします。

社会人から公認心理師を目指す場合、受験資格を得るまで何年かかりますか

心理系の学部を卒業していない社会人の場合、まず4年制大学で指定科目を履修するところから始めるため、大学4年+大学院2年、または大学4年+実務経験2年以上が目安になります。すでに心理系学部を卒業している社会人であれば、大学院進学または実務経験の期間のみで受験資格を得られる場合があります。仕事を続けながら大学・大学院に通う場合は、夜間・通信制のコースを開講している大学を選ぶことで、働きながらでも履修を進めやすくなります。在職中に大学院へ進学するケースでは、平日夜間や土日にも授業・実習が組まれている大学院を選ぶことで、離職せずに履修を進められる場合もあるため、社会人向けの入試制度を設けている大学院を中心に情報収集するとよいでしょう。実務経験ルートを選ぶ場合も、現職を続けながらプログラム施設としての要件を満たせるかどうかを、転職を含めて検討する社会人が少なくありません。

受験資格の区分は自分で判断できますか、それとも審査が必要ですか

区分A・B・D・E・Fは、大学・大学院の卒業証明書や成績証明書などの提出書類によって要件を確認する形が基本ですが、区分Cのように文部科学大臣・厚生労働大臣による個別の認定審査が必要な区分もあります。自分の履修状況や経歴が複数の区分にまたがる場合や判断に迷う場合は、指定試験機関や在籍していた大学の教務窓口に早めに相談することをおすすめします。自己判断だけで出願・就職を進めてしまうと、後から要件を満たしていなかったことが判明するリスクもあるため、早めの確認が結果的に近道になります。判断に迷ったときは、この記事で紹介した区分A〜Gの一覧表と照らし合わせながら、自分の学歴・入学時期・実務経験の有無を一つずつ確認していくと、該当する区分を絞り込みやすくなります。

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まとめ|公認心理師の受験資格

公認心理師の受験資格は、公認心理師法にもとづき区分A〜Gの7つに整理されています。このうち区分Gは2022年7月17日の第5回試験をもって新規受付が終了しており、現在これから目指す人が選べるのは区分A〜Fです。大学院に進学する区分A・D・Eと、実務経験を積む区分B・Fのどちらを選ぶかによって、大学卒業後の進路そのものが変わってくるため、できるだけ早い段階で自分に合ったルートの見当をつけておくことが大切です。要点を整理すると次のとおりです。

  • 区分A:4年制大学で指定科目25科目を履修・卒業後、大学院で必要科目10科目を修了する最も標準的なルート
  • 区分B:4年制大学卒業後、大学院に進学せずプログラム施設で2年以上の実務経験を積むルート
  • 区分C:外国の大学・大学院出身者や履修科目不足者などが対象の、個別の認定審査が必要なルート
  • 区分D・E・F:2017年9月15日以前に大学・大学院に入学(または卒業・修了)していた人向けの経過措置ルート
  • 区分G:現任者向けの経過措置で、2022年7月17日の第5回試験をもって新規受付が終了
  • 受験資格を満たしたあとも、試験の申込みと合格後の登録は別の手続きとして必要

今回紹介した区分A〜Gは、いずれも公認心理師法および同法施行規則にもとづく制度であり、思い込みや周囲の噂だけで判断するとかえって回り道になりかねません。どの区分に当てはまるかによって、大学院を選ぶべきか、実務経験先を探すべきかという進路の方向性そのものが変わってきます。自分の学歴・履修状況がどの区分に該当するのかを早めに確認したうえで、大学院進学であれば公認心理師の受験資格に対応した大学院入試対策を計画的に進めることが、遠回りを避ける近道になります。あわせて公認心理師と臨床心理士の違い公認心理師になるにはどうすればよいか公認心理師の大学院(第1区分)の選び方、実務を積みながら大学院を目指す人向けの社会人の大学院入試対策、そして臨床心理士になるための指定大学院ルートも参考にしながら、自分に合ったルートを具体的に検討してみてください。制度の細部は年度によって変わることがあるため、最終的な判断は必ず最新の受験の手引きで確認することをおすすめします。独学での対策に不安がある場合は、大学院入試や研究計画書の作成に詳しい専門の指導を活用するのも一つの方法です。

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この記事を書いた人

千葉大学 法政経学部を首席で卒業後、都内国公立大学の法科大学院(ロースクール)を修了し、司法試験に合格。法律・政治・経済分野の専門知識をもとに、スプリング・オンライン家庭教師の大学編入・大学院入試分野の指導および記事監修を担当。

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