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九州大学大学院人間環境学府の研究計画書の書き方|専攻・カリキュラム・教員の研究分野から逆算する

九州大学大学院人間環境学府の研究計画書では、学府全体に通用する抽象的な「人間と環境」の話を書くのではなく、志望コース、指導を希望する教員の研究分野、入学後に行う方法を一本の線で結ぶことが重要です。令和9年度4月入学の修士課程夏季募集では、研究計画書の提出要否も名称もコースによって異なります。心理学、健康・スポーツ科学、教育学の各コースなどは所定様式3,000字以内の研究計画書を求める一方、建築系や共生社会学の一部コースには同書類の指定がありません。まず志望先の要項を読むことが設計の出発点です。
研究計画書とは、研究背景、問い、先行研究、方法、期待される成果を示し、その研究を人間環境学府で実行できる理由を説明する文書です。この学府には心理学、臨床心理学、健康・スポーツ科学、社会学、教育学、都市・建築学が同居しています。学際的であることは、何でも扱えるという意味ではありません。テーマを広げるほどよいのではなく、自分が依拠する学問、収集するデータ、分析の手順を特定し、どの専攻で誰から指導を受ける計画なのかを明らかにする必要があります。
書き上げた研究計画書、そのまま出して大丈夫ですか?
研究職キャリアを持つ講師が、テーマ設定・先行研究の位置づけ・研究方法まで、出願レベルに届いているかを個別に確認します。
- 研究職の講師が研究計画書を添削し、改善点を明確化
- 相談後に、志望校の出題傾向と学習ロードマップをまとめた個別フィードバックレポートをお渡し
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本記事は、九州大学公式の令和9年度募集要項、専攻紹介、学府規則、研究院の教員・専門分野一覧を基に、研究計画書をどう設計するかに絞って解説します。出願資格、試験科目、日程、倍率を詳しく確認したい方は、九州大学大学院人間環境学府の外部院試を解説した既存記事をご覧ください。ここでは、既存記事と重複する制度説明を最小限にし、専攻の射程、修了要件、教員の専門分野から逆算する方法を具体化します。
なお、募集要項・出願書類の様式・教員の配置は年度により変わるため、出願前に必ず最新の公式情報で確認してください。本記事の入試関係の記述は、2026年5月20日公開の令和9年度4月入学修士課程夏季募集を基準にしています。冬季募集、教育学国際コース、専門職学位課程、博士後期課程では条件が異なるため、同じ様式を流用せず、該当する募集要項を読み直してください。
九州大学大学院人間環境学府で研究計画書はどう扱われるか
最初に確認したいのは、「人間環境学府を受けるなら全員が研究計画書を出す」という理解は正確ではないことです。令和9年度夏季一般選抜では、追加出願書類が専攻・コースごとに指定されています。書類名、字数、研究経過報告書との組み合わせをコース単位で確認しなければなりません。研究計画書がないコースでは、卒業論文、論文、口述試験など別の資料を通じて研究適性を確認します。
| 専攻・コース | 令和9年度夏季一般選抜の扱い | 設計上の重点 |
|---|---|---|
| 都市共生デザイン・アーバンデザイン学 | 心理学領域志望者のみ研究計画書3,000字以内 | 心理学領域と都市・環境課題の接続 |
| 人間共生システム・臨床心理学指導・研究 | 研究経過報告書2,000字以内+志望理由・研究計画書3,000字以内 | 志望理由、研究蓄積、臨床心理学的方法の整合 |
| 人間共生システム・共生社会学 | 研究計画書の指定なし。卒業論文等を提出 | 提出論文と口述で研究関心を説明 |
| 行動システム・心理学 | 研究経過報告書2,000字以内+研究計画書3,000字以内 | 心理学の理論、操作化、測定、分析 |
| 行動システム・健康・スポーツ科学 | 研究経過報告書2,000字以内+研究計画書3,000字以内 | 対象、介入・測定、実施可能性 |
| 教育システム・現代教育実践/総合人間形成 | 研究経過報告書2,000字以内+研究計画書3,000字以内 | 教育事象、理論枠組み、資料・調査方法 |
| 都市災害管理・空間システムの建築系 | 研究計画書の指定なし | 希望教員、専門領域、口述の一貫性 |
所定様式には、氏名、受験番号、志望専攻・コース、研究テーマの欄と本文欄があります。本文は3,000字以内で、ワープロで作成したものを枠内に貼付できます。不足する場合は様式をコピーして使用する形式です。自由書式のレポートではないため、見栄えよりも字数内で論理を完結させる編集力が問われます。研究テーマ欄と本文で表現がずれないよう、最終稿の内容が固まった後に題目を確定してください。
研究経過報告書と研究計画書を混同しない
研究経過報告書は、卒業論文を作成した人ならその概要と、現在進めている研究があれば概要・経過を書く書類です。卒業論文がない場合は、在学中の研究や現在の研究の概要と経過を記します。これに対して研究計画書は、人間環境学府の修士課程に入学した後の研究計画を示す書類です。前者は「これまで」、後者は「これから」を担当します。
二つの書類を別々に書くと、過去の研究から将来の問いへの移行が唐突になりがちです。研究経過報告書の末尾では、既存研究で残った疑問や方法上の限界を整理し、研究計画書の冒頭では、その疑問を修士研究でどう解くかを示すと連続性が生まれます。卒業論文とテーマを変える場合でも、文献探索、調査、実験、分析など、前の研究で身につけた技能を新しい計画へ移す説明があれば、研究経験が分断されません。
口述試験まで含めて一つの成果物と考える
教育システム専攻の口述試験は、研究経過報告書と研究計画書に基づいて行われ、両書類を当日持参します。臨床心理学指導・研究コースでは研究経過・研究計画の全貌が分かるA4用紙4枚以内の説明資料10部、心理学コースでは説明資料12部を用意します。募集要項は、これらを単なる補足ではなく説明資料そのものも審査対象になると明記しています。
したがって、提出時点で完成した文章を作るだけでは足りません。研究目的を30秒で言う、先行研究との差を1分で言う、方法の妥当性を質問に答えながら説明する、という三段階の準備が必要です。計画書に書いた概念を口頭で定義できない、分析方法を選んだ理由を説明できない状態は避けましょう。詳しい試験制度は既存記事に任せ、本記事では書類と口述で同じ研究設計を再現できることを合格可能性を高める実務目標とします。
5専攻・各コースの構造と研究計画書の位置づけ
人間環境学府の特徴は、対象となる現象よりも、現象を見る学問と方法が多様なことです。例えば「子どもの居場所」は、発達心理学、臨床心理学、教育学、地域福祉社会学、建築計画のいずれからも扱えます。しかし、同じ題材でも問いとデータが違えば適合する専攻は変わります。専攻名からテーマを選ぶのではなく、問い、理論、方法から所属先を選びます。
| 専攻 | 主なコース | 研究計画で明確にすること |
|---|---|---|
| 都市共生デザイン | アーバンデザイン学、都市災害管理学、持続都市建築システム国際 | 都市・地域・災害・環境をどの尺度と方法で扱うか |
| 人間共生システム | 臨床心理学指導・研究、共生社会学 | 個人への心理的接近か、集団・制度・文化への社会的接近か |
| 行動システム | 心理学、健康・スポーツ科学 | 行動や身体をどう測定し、どの仮説を検証するか |
| 教育システム | 現代教育実践、総合人間形成、教育学国際 | 教育の実践・制度・思想・歴史・国際比較のどこに置くか |
| 空間システム | 建築計画学、建築環境学、建築構造学、持続都市建築システム国際 | 建築単体や空間の計画・環境・構造を何で評価するか |
心理・社会・教育の境界を「分析単位」で分ける
人間共生システム専攻には臨床心理学指導・研究コースと共生社会学コースがあります。前者であれば心理的支援、臨床心理学的理解、個人や集団に対する心理学的方法との関係が中心になります。後者では家族、福祉、地域、宗教、ジェンダーなどを社会関係や制度として捉える道があります。個人内の心理過程を測るのか、社会構造や意味世界を分析するのかを明記すると、コース選択の根拠が見えます。
行動システム専攻の心理学コースでは、心理現象を測定可能な変数へ落とし込み、仮説を検証する設計が中心になりやすいでしょう。健康・スポーツ科学コースでは、運動生理、スポーツ心理、身体運動などを扱う教員がいます。対象者を「大学生」と書くだけでなく、運動経験、介入条件、測定指標、比較群、観察期間などを詰めることで、二年間で実施可能な研究としての輪郭が生まれます。
教育システム専攻は、学校、家庭、生涯学習を、教育方法から政策、国際的教育環境まで多面的に扱います。教育実践を扱う場合でも、授業改善の事例報告に終わるのか、理論と資料に基づく研究になるのかで計画の質が変わります。教育哲学なら概念とテキスト、教育社会学なら制度や調査データ、比較教育学なら比較単位と資料の同等性というように、教育という対象より研究方法を具体化することが必要です。
都市共生デザインと空間システムを尺度で分ける
都市・建築学部門は、計画環境系講座と構造防災系講座からなります。都市共生デザイン専攻では、都市計画、都市デザイン、土地利用、災害管理、防災心理などに接続できます。空間システム専攻では、建築計画、建築環境、設備、構造、材料・施工など、建築と空間をより専門的に扱う研究へつながります。都市・地域のシステムか、建築・空間の性能や構成かという尺度が一つの判断軸です。
ただし、分野は完全に分離していません。都市防災には地震工学だけでなくコミュニティ心理学が関わり、居住環境には建築計画だけでなく発達心理学も接続します。学際性を示すときは、複数の学問名を並べるのではなく、「主たる問いは建築計画に置き、利用者行動の評価に心理学的尺度を用いる」のように主軸と補助的視点の役割を分けると明確です。
研究計画書を提出しない建築系コースでも、この整理は不要になりません。希望教員への連絡、専門科目の選択、口述試験で研究関心を説明する際に同じ設計が必要です。書類名がなくても、研究テーマ、背景、問い、方法、教員との適合をA4数枚にまとめておけば、事前相談と口述の共通台本として使えます。
コース選択を一文で説明する練習
志望先を決めたら、「私はXという現象について、Yを明らかにするためにZの方法を用いるので、このコースを志望する」と一文で説明します。例えば、地域の防災活動を扱う場合でも、住民のリスク認知を質問紙で調べるなら心理学的接近、地域組織の形成過程を面接と資料から調べるなら社会学的接近、避難空間の配置を分析するなら都市・建築学的接近になります。題材ではなく、明らかにしたい関係と方法が所属を決めるという原則を使います。
この一文を作れないときは、問いが広いか、方法が決まっていない可能性があります。候補コースごとに一文を作り、どれが最も無理なく先行研究と方法につながるか比較してください。複数領域を横断する場合も、主たる所属で習得する方法と、他領域から借りる視点を分けます。これにより、面接で「なぜ他の専攻ではないのか」と問われても、専攻名の印象ではなく研究設計から答えられます。
カリキュラムと修了要件から逆算する研究の型
九州大学の人間環境学府規則によると、修士課程の修了要件は、原則として二年以上在学し、30単位以上を修得し、必要な研究指導を受けたうえで、修士論文または特定課題研究の成果の審査と最終試験に合格することです。ここから読み取れるのは、研究計画書が単発の入試作文ではなく、授業、研究指導、成果物へ展開できる二年間の設計図であるべきだということです。
30単位と研究指導を「方法の習得計画」に変換する
計画書に科目を大量に列挙する必要はありません。しかし、自分の研究方法に不足があるなら、入学後の学修によって補う筋道を示すと計画の現実味が増します。心理統計、社会調査法、質的研究、比較研究、建築環境測定、構造解析など、テーマの実行に必要な能力を分解し、すでにできることと入学後に学ぶことを区別してください。
例えば、教師へのインタビューを計画する人が「質的に分析する」とだけ書くのでは不十分です。誰を何人程度、どの基準で選び、半構造化面接で何を聞き、逐語録をどの分析枠組みで扱うのかを示します。分析経験が少ないなら、関連授業と演習で方法を習得し、予備調査で質問項目を改善する予定を書きます。未経験を隠すより、学修と予備調査で補う工程を置く方が実行可能性を説明できます。
建築系の公式授業一覧には、人間環境学、建築設計インターンシップ、都市建築設計演習などが示されています。設計研究であれば、成果を作品だけにせず、対象地の調査、評価軸、比較事例、設計提案によって何を検証するかを定めます。環境・設備なら測定条件、構造なら解析モデルや材料特性など、修士論文として検証可能な根拠を研究計画に入れます。
修士論文から逆算して研究問いを絞る
修了時に修士論文または特定課題研究の審査を受ける以上、計画は成果物の形まで見通す必要があります。研究テーマが「若者のウェルビーイングについて」のままでは、対象、比較、原因と結果、資料が定まりません。「何を明らかにするのか」を一文の疑問文にし、その答えを出すために必要なデータを逆算してください。問いに答えられるデータだけを集めることが、計画を小さく強くする基本です。
| 分野 | 曖昧な関心 | 研究可能な問いへ変える観点 |
|---|---|---|
| 心理学 | オンライン学習と意欲 | 対象、心理尺度、条件差、時点を特定する |
| 臨床心理学 | 若者の不安を支援したい | 対象となる困難、支援要因、倫理的な調査法を定める |
| 社会学 | 地域の孤立をなくしたい | 制度、関係、語りのどれを資料から分析するか決める |
| 教育学 | よりよい授業を作りたい | 授業過程、教師、制度、思想の分析単位を選ぶ |
| 健康・スポーツ科学 | 運動は健康によいか | 運動条件、身体・心理指標、比較方法を定める |
| 都市・建築学 | 災害に強いまちを作りたい | 対象地域、災害、性能指標、分析尺度を限定する |
修士課程の二年間には、研究倫理審査、調査協力先との調整、機器や資料へのアクセス、予備調査、分析、論文執筆が含まれます。海外調査や大規模な追跡調査を置く場合は、費用、言語、許可、期間の見通しが必要です。入試時点で全てが確定していなくても、代替データや範囲縮小の選択肢を考えておくと、計画の頑健性が高まります。
専攻別に成果物の形を想像する
心理学コースなら、仮説、変数、測定、分析を経て、どの結果が仮説を支持または修正するのかを想像します。健康・スポーツ科学なら、身体・心理指標の測定条件や介入の再現性が成果の信頼性を左右します。臨床心理学では、対象者の保護と臨床的意義を両立させ、研究参加が支援関係へ与える影響にも配慮します。修了時にどの表・図・資料が論文へ載るかまで想像すると、必要なデータが具体化します。
共生社会学では、インタビュー、参与観察、公文書、統計、メディア資料などから、どの社会関係や意味を描くのかを定めます。教育学では、授業記録、政策文書、歴史資料、国際比較データなど、問いに対応する資料を選びます。都市・建築学では、図面、現地調査、環境測定、構造解析、設計提案を、評価指標と結びます。成果物から逆算すれば、「調査する」「分析する」という抽象語を、実行可能な作業へ変えられます。
学際プログラムは目的ではなく手段として使う
人間環境学府には、専攻を越えた学修に接続できる仕組みがあります。公式の国際社会開発プログラムでは、人間環境学、学際研究論、国際社会開発論などが置かれ、所定の科目群から14単位以上を修得する構成です。国際協力や開発を扱う研究なら有用ですが、プログラム名を志望理由に貼るだけでは足りません。自分の問いのどの部分を学際科目で補うのかを説明します。
学府規則では、入学前の既修得単位、他大学院や留学等で修得した単位を一定範囲で認定できる制度もあります。職業等の事情がある場合には長期履修が認められる可能性もあります。ただし、こうした制度は研究内容の弱さを補うものではありません。研究計画書では制度の利用希望を長く書くより、研究指導を受けて成果物を完成させる工程を優先しましょう。
専攻別・教員の研究分野マップ
教員との適合を調べるときは、氏名の知名度ではなく、大学公式が公開する専門分野の文言を起点にします。以下は、人間環境学研究院の「部門・講座」ページに掲載された教員から、分野の幅が分かる代表例を抜粋したものです。専門分野の表記は公式ページの文言に合わせています。個人の指導可能テーマや受入状況を推測したものではありません。
| 領域 | 教員・職位 | 公式掲載の専門分野 |
|---|---|---|
| 心理学講座 | 中村知靖教授 | 計量心理学。 |
| 心理学講座 | 橋彌和秀教授 | 比較発達心理学、霊長類学。 |
| 心理学講座 | 池田浩准教授 | 社会心理学、産業・組織心理学。 |
| 臨床心理学講座 | 遠矢浩一教授 | 臨床心理学。 |
| 臨床心理学講座 | 金子周平准教授 | 臨床心理学、人間性心理学。 |
| 健康・スポーツ科学講座 | 斉藤篤司教授 | 運動生理学。 |
| 健康・スポーツ科学講座 | 内田若希准教授 | 運動・スポーツ心理学,アダプテッド・スポーツ科学,個人心理学(アドラー心理学)。 |
| 共生社会学講座 | 高野和良教授 | 地域福祉社会学。 |
| 共生社会学講座 | 山下亜紀子教授 | 家族社会学、福祉社会学、地域社会学。 |
| 共生社会学講座 | 高橋沙奈美講師 | 宗教社会学、地域研究(ロシア)。 |
| 国際教育環境学講座 | 田上哲教授 | 教育方法学、教育実践研究。 |
| 国際教育環境学講座 | 竹熊尚夫教授 | 比較教育学。 |
| 国際教育環境学講座 | 藤田雄飛教授 | 教育哲学。 |
| 教育社会計画学講座 | 元兼正浩教授 | 教育法制、教育行政学。 |
| 教育社会計画学講座 | 木村拓也教授 | 教育社会学、教育計画論、教育測定論、教育評価論、社会調査法。 |
| 教育社会計画学講座 | 清水良彦准教授 | 教師教育学。 |
| 計画環境系講座 | 趙世晨教授 | 都市計画、都市解析。 |
| 計画環境系講座 | 黒瀬武史教授 | 都市計画、都市デザイン。 |
| 計画環境系講座 | 杉山高志准教授 | 防災心理学、コミュニティ心理学、人間環境心理学。 |
| 計画環境系講座 | 住吉大輔教授 | 建築設備。 |
| 計画環境系講座 | 古賀靖子准教授 | 建築環境学(光環境)、照明工学。 |
| 計画環境系講座 | 鶴崎直樹准教授 | 建築計画、建築設計、都市デザイン、キャンパスデザイン。 |
| 構造防災系講座 | 山口謙太郎教授 | 建築構造学、循環建築構造学。 |
| 構造防災系講座 | 神野達夫教授 | 地震工学、地震防災学。 |
| 構造防災系講座 | 佐藤利昭准教授 | 耐震工学、木質構造。 |
専門分野から研究計画へ接続する読み方
例えば「学校での学び」を考える場合、田上哲教授の公式掲載分野は「教育方法学、教育実践研究」です。木村拓也教授の公式掲載分野は「教育社会学、教育計画論、教育測定論、教育評価論、社会調査法」です。前者に接続する問いと後者に接続する問いでは、必要な先行研究とデータが変わります。授業実践や教育方法の分析か、測定・評価や調査設計かというように、専門分野の語だけでなく方法の違いまで反映させてください。
都市防災でも同様です。神野達夫教授の「地震工学、地震防災学」に接続するなら地震動や防災性能を技術的に扱う方向が考えられます。杉山高志准教授の「防災心理学、コミュニティ心理学、人間環境心理学」に接続するなら、人の認知、行動、コミュニティとの関係が焦点になります。これは優劣ではなく、同じ社会課題をどの学問で切るかの違いです。
心理学領域では、中村知靖教授の「計量心理学」、橋彌和秀教授の「比較発達心理学、霊長類学」、池田浩准教授の「社会心理学、産業・組織心理学」が並びます。「心理学を研究したい」だけでは広すぎます。尺度構成や測定、発達比較、組織内行動など、どの理論とデータに近いのかを確認し、候補教員を一人に決める前に複数の適合可能性を比較すると判断が安定します。
教員一覧を確認する実務手順
- 研究テーマから主要概念を三つ抜き出す
- 公式の部門・講座ページで同じ概念または近い専門分野を探す
- 候補教員の公式プロフィールと九州大学研究者情報で研究課題・業績を読む
- 直近の論文を複数読み、自分の問いと方法の重なりをメモする
- 志望専攻・コースと入試区分を確認して事前連絡する
事前連絡では「先生の研究に関心があります」で止めず、自分の問い、予定する方法、読んだ業績、相談したい点を簡潔に伝えます。ただし、教員の専門分野が近いことは受入れを意味しません。募集要項は、自分の研究に合う教員を探して連絡するよう案内しています。受入可能性と指導範囲は本人との相談で確認してください。
教員の所属や研究分野は年度により変わるため、出願前に必ず最新の公式教員一覧と部門・講座別の専門分野一覧で確認してください。空欄になっている専門分野を推測したり、過去年度の名簿だけで連絡先を決めたりしないことが大切です。
書き上げた研究計画書、そのまま出して大丈夫ですか?
研究職キャリアを持つ講師が、テーマ設定・先行研究の位置づけ・研究方法まで、出願レベルに届いているかを個別に確認します。
- 研究職の講師が研究計画書を添削し、改善点を明確化
- 相談後に、志望校の出題傾向と学習ロードマップをまとめた個別フィードバックレポートをお渡し
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自分の研究テーマが人間環境学府に合うか判定する手順
テーマ適合は、「関心が近い教員がいる」だけでは判定できません。学問領域、研究問い、方法、データへのアクセス、修了成果の五つを順に照合します。五項目のうち一つでも説明できない部分があれば、出願前に修正しましょう。
STEP1:社会的関心を研究問いへ変える
「不登校を減らしたい」「地域を活性化したい」「災害に強い住宅を作りたい」は問題意識であり、研究問いではありません。対象と関係を限定し、「誰の、どの状況で、何と何の関係を、どの資料で明らかにするか」に変換します。価値判断から検証可能な問いへ一段下ろすことで、先行研究と方法を選べます。
例として不登校を扱う場合、臨床心理学なら心理的経験や支援過程、教育社会学なら制度や学校文化、教育方法学なら授業や学習環境、建築計画なら居場所の空間構成を問えます。対象が同じでも、説明したい現象が異なります。最初に「私は何を説明したいのか」を書き、使いたい方法から問いを逆算しないよう注意してください。
STEP2:先行研究で学問上の空白を確認する
先行研究レビューの目的は、読んだ本の要約ではありません。既に何が分かり、どの点で結果が一致せず、何が対象外だったかを整理し、自分の問いが必要な理由を示すことです。国内外の査読論文、学術書、公的統計、一次資料を役割別に読み、先行研究の到達点と自分の追加分を一文で対比します。
レビューでは、対象地域だけを変えた研究になっていないかも確認します。「先行研究は東京、本研究は福岡」という差だけでは、理論的意義が弱い場合があります。福岡を選ぶ制度的・歴史的・人口学的理由や、既存理論を検証できる条件を示してください。比較研究では、比較対象を選ぶ論理と、資料の比較可能性を説明します。
文献を読む際は、一件ごとに「問い」「対象」「方法」「結果」「限界」の五列で表を作ると、要約の羅列を避けやすくなります。十数本を並べると、同じ対象に偏っている、用いられる尺度が一定しない、質的研究はあるが量的検証が少ない、といった傾向が見えます。そこで見つけた空白が、自分の研究方法で本当に埋まるかを確認します。文献数より、研究間の関係を説明できることが重要です。
検索語も記録しておきましょう。日本語と英語の主要概念、近接概念、対象者、方法を組み合わせ、どのデータベースをいつ検索したか残します。計画書へ検索履歴を書く必要はありませんが、口述で「主要な研究をどう探したか」と問われた際に説明できます。自分に都合のよい研究だけでなく、仮説と反対の結果を示す研究も読み、結果の不一致を生む条件を検討してください。
STEP3:方法と教員を同時に照合する
次に、問いへ答える方法を決め、公式の専門分野一覧と照合します。質問紙調査なら尺度の妥当性と標本、実験なら操作と統制、面接なら参加者選定と分析法、文献研究なら資料範囲と解釈枠組み、建築研究なら測定・解析・設計評価の指標が必要です。方法を書いた瞬間に必要な指導分野が具体化します。
候補教員が一人しか見つからない場合、その教員が不在になったときに計画全体が成立しない可能性があります。第二候補を機械的に作る必要はありませんが、隣接分野の教員やコースを比較し、なぜ第一候補が最も適合するかを説明できる状態にします。都市共生デザインと空間システムのように近接する専攻では、研究対象の尺度と主たる方法で選択理由を言語化しましょう。
STEP4:データへのアクセスと倫理を点検する
対象者を集められるか、学校・病院・企業・自治体等の許可が必要か、個人情報や心理的負担をどう扱うかを確認します。臨床心理、教育、福祉、子どもを対象とする研究では、とりわけ倫理的配慮が欠かせません。「同意を得る」とだけ書かず、説明と同意、撤回の自由、匿名化、データ保管、負担軽減を研究に応じて整理します。
所属先の協力を前提にする社会人は、業務上アクセスできることと研究利用の許可を混同しないでください。協力が得られない場合に、公表資料、既存データ、対象範囲の変更など代替案を置けるかも検討します。実施可能性は熱意ではなく、許可・期間・代替案で示すものです。
STEP5:二年間の成果に収まるか評価する
最後に、予備調査、本調査、分析、執筆を二年間へ配置します。複数国・複数都市・複数世代を同時に扱う計画や、長期的効果を二年で測る計画は、縮小が必要かもしれません。広い社会課題を掲げつつ、修士論文ではその一部分へ答える構造にします。小さな問いに確かな方法で答える計画の方が、広大で実行不能な計画より研究として評価しやすくなります。
3,000字の所定様式に合わせた研究計画書の構成
所定様式は「研究テーマ」以外に細かな小見出しを指定していません。そのため、自分で論理構造を作る必要があります。3,000字以内では、背景だけで半分を使うと方法が薄くなります。研究目的と方法に十分な字数を残す配分を先に決めてから書き始めましょう。
| 項目 | 配分の目安 | 書く内容 |
|---|---|---|
| 研究テーマ・背景 | 300〜400字 | 対象となる現象、社会的・学術的背景、問題の所在 |
| 先行研究と課題 | 600〜700字 | 分かっていること、限界、未解明点 |
| 研究目的・問い | 300〜400字 | 何を明らかにするか、必要なら仮説 |
| 研究方法 | 900〜1,000字 | 対象、資料、手続、指標、分析、倫理 |
| 独自性・意義 | 300〜400字 | 学術的な追加分と社会的含意 |
| 入学後の計画・適合 | 300〜400字 | 工程、必要な指導・学修、人間環境学府との接続 |
これは固定テンプレートではありません。臨床心理学指導・研究コースの書類名は「志望理由・研究計画書」なので、志望理由を明示する必要があります。教育史や教育哲学のような文献研究では、資料と分析枠組みを厚くします。実験や調査では方法を厚くします。各コースの書類名と研究方法に応じて配分を調整してください。
背景と先行研究は漏斗型で書く
背景は大きな社会問題から始めても構いませんが、数文で研究対象へ絞ります。次に主要な先行研究を論点別に整理し、最後に未解明点を示します。「近年注目されている」「研究が少ない」という定型句だけでは、空白の証明になりません。どの論文が何を対象とし、どの条件や方法が残されたのかを書きます。
引用する文献は、題名を飾りとして並べず、自分の論理で結びます。A研究は関連を示したが因果方向は検討していない、B研究は質的に過程を示したが対象が限定される、そこで本研究は別の資料で関係を検証する、という流れです。先行研究の限界と自分の方法が対応しているかを点検してください。
目的は一文、方法は再現できる粒度で書く
目的文は「本研究は、Xを対象に、Yの関係または過程を、Zの観点から明らかにする」のように一文で定めます。目的が二つ以上ある場合は、主目的と副次的な問いを分けます。目的、問い、仮説が別方向を向くと、3,000字の文章では修復しにくいため、本文を書く前に目的文を固定しましょう。
方法では、対象者や資料、選定基準、データ収集、分析手順を記します。質問紙なら既存尺度を使う理由、面接なら質問領域と分析法、文献研究なら一次資料の範囲、建築環境なら測定場所・条件・指標を示します。「アンケートを行う」「考察する」だけでは再現性がありません。入試段階で未確定の箇所は、候補と決定基準を示します。
意義と志望理由を混ぜない
研究の意義は、その研究結果が学問や実践へ何を加えるかです。志望理由は、その計画をなぜ九州大学大学院人間環境学府で進めるのかです。教員名や科目名を並べるだけの志望理由ではなく、必要な理論・方法と、公式に確認した専門分野を対応させます。研究の必要性と大学を選ぶ理由を別々に証明してください。
書き方の一般原則を確認したい場合は、研究計画書の書き方7ステップと研究計画書の例文・テンプレートも参照できます。ただし、汎用テンプレートをそのまま貼らず、人間環境学府の所定字数、コース、教員の専門分野に合わせて書き換えてください。
題目・目的・方法の用語を統一する
最終稿では、同じ概念を段落ごとに別の言葉で呼んでいないか確認します。「学習意欲」「学習動機」「動機づけ」を区別せず使うと、何を測る研究か曖昧になります。理論上異なる概念なら定義を分け、同じ意味で使うなら一つに統一します。対象者の呼び方、地域の範囲、調査時点も同様です。用語の揺れは研究対象の揺れとして読まれるため、単なる文章校正と考えないでください。
題目には、対象と中心概念を入れます。方法や地域を入れると明確になる場合は加えますが、長い副題へ全工程を詰め込む必要はありません。題目を読んだ人が想像する研究と、目的文が示す研究が一致するかを確認します。最後に、目的文に登場しない概念を方法で測っていないか、方法で集めない情報を意義で主張していないかを点検します。
引用と参考文献を限られた紙幅で機能させる
3,000字では、先行研究を網羅的に紹介できません。研究の土台となる理論、直近の実証研究、自分が埋める空白を示す研究を優先します。一つの文献に複数の役割を背負わせず、「定義の根拠」「既知の結果」「限界の根拠」を区別します。参考文献情報の表記は一つの方式に統一し、著者名、年、題名、掲載誌等を確認してください。
直接引用を多用すると、自分の論理が見えにくくなります。原文の意味を変えない範囲で要点をまとめ、その研究が自分の問いにどう関わるかを続けます。引用の直後に自分の研究との関係を書くと、文献紹介ではなくレビューになります。孫引きを避け、可能な限り原典を確認することも、口述で文献内容を問われたときの備えになります。
評価されにくい研究計画書の共通点と修正法
学府の広さを「何でもできる」と解釈している
人間環境学府は学際的ですが、研究計画に主軸がなくてよいわけではありません。心理、教育、社会、建築の概念を一段落に詰め込むと、問いと方法の関係が見えなくなります。修正するときは、主たる学問領域を一つ定め、他分野は補助的視点として使います。学際性は分野数ではなく、役割分担の明確さで示すと考えましょう。
教員の専門分野を志望理由に貼り付けただけ
「計量心理学を専門とする教員がいるため志望する」と書くだけでは、自分の計画との関係が伝わりません。尺度の構成を行うのか、測定モデルを検討するのか、既存尺度で仮説を検証するのかを示します。公式掲載の専門分野を出発点に、その教員の公開業績を読み、自分が必要とする指導内容を研究工程へ落とし込む必要があります。
社会的意義は大きいが学術的な問いがない
「子どもを救う」「地域を活性化する」「安全な都市を実現する」は重要な目標ですが、研究目的としては広すぎます。研究によって直接実現できる範囲を区別し、まず何を記述、説明、比較、検証するのかを定めます。政策提言や実践改善は、得られる結果の範囲内で述べる含意として置きます。
方法が問いに答えられない
因果効果を知りたいのに一回の意識調査だけを行う、集団間の違いを論じるのに一集団しか調べない、歴史的変化を論じるのに現在の資料しか使わない、といった不一致があります。問いの動詞に注目し、「影響する」なら因果、「関連する」なら相関、「どのように経験する」なら過程の理解というように、主張の強さとデータの力をそろえることが重要です。
実施条件と倫理的配慮が抜けている
臨床現場、学校、企業、被災地などへのアクセスを当然視すると、実現可能性が疑われます。対象者募集の経路、協力機関への依頼、必要な倫理審査、匿名化、撤回の自由を整理します。研究対象者への負担が大きい場合は、質問項目、所要時間、心理的支援への導線も検討します。研究対象者の保護は方法の一部であり、末尾の定型文ではありません。
研究経過報告書と内容が矛盾している
過去の研究では量的調査を行ったと書きながら、新計画の方法選択にその経験が反映されない、卒業論文で明らかになった点と新研究の背景が矛盾する、といった問題があります。二つの書類を並べ、テーマ、概念、方法、成果、残された課題を対応表にします。テーマ変更時は、継承する技能と新たに学ぶ技能を明示してください。
3,000字を情報の羅列で埋めている
字数上限まで書くこと自体が目的ではありません。各段落の冒頭に主張、続けて根拠、末尾に次段落への接続を置きます。同じ背景説明を繰り返す箇所、一般論、教員プロフィールの転載を削り、方法へ字数を回します。推敲時には、各段落を一文で要約し、要約が重複する段落を統合すると密度が上がります。
出願までの逆算スケジュールと仕上げ方
研究計画書は、締切前に文章だけを整える方法では仕上がりません。教員調査、文献レビュー、方法の検討、事前連絡、推敲、口述練習を順に置きます。令和9年度夏季募集の具体的な出願日程は既存記事と最新要項で確認し、ここでは各自の締切日を起点にした相対スケジュールを示します。
| 時期 | 主な作業 | 到達点 |
|---|---|---|
| 出願6〜8か月前 | 専攻・コース比較、関心領域の文献探索 | 候補コース二つ、主要概念三つを言える |
| 出願4〜6か月前 | 先行研究レビュー、問いと方法の仮決定 | 目的文と簡易研究設計がある |
| 出願3〜4か月前 | 公式教員一覧・業績確認、事前連絡 | 指導適合と受入れに関する確認を進める |
| 出願2〜3か月前 | 研究経過報告書と研究計画書の初稿 | 字数を超えても全項目がそろう |
| 出願1〜2か月前 | 方法・倫理・実施可能性の修正 | 第三者が問いと方法を再説明できる |
| 出願2〜4週間前 | 3,000字へ圧縮、様式転記、整合確認 | 誤字、引用、書類間の矛盾がない |
| 提出後〜口述 | 説明資料作成、想定問答、模擬口述 | 目的・独自性・方法を時間別に説明できる |
初稿は字数より論理の欠落を防ぐ
初稿から3,000字に収めようとすると、先行研究や方法の根拠が抜けやすくなります。最初は各項目を十分に書き、目的と関係しない部分を削ります。削る順番は、一般論、重複、形容、細かすぎる背景です。対象、分析、倫理など方法の中核を先に削らないでください。長い初稿から論理を保って圧縮する方が、短い文章へ後から根拠を足すより安定します。
事前連絡の前に一枚概要を作る
教員へ連絡するときは、題目、背景、問い、方法、関連する自分の経験を一枚程度で整理しておくと、相談点が明確になります。完成稿を一方的に送り、承認だけを求める姿勢は避けます。「対象へのアクセスが現実的か」「この方法を指導範囲として相談できるか」など、研究設計を改善するための質問を用意しましょう。
教育システム専攻の公式ページは、社会人・他大学からの受験者に希望指導教員への事前コンタクトを推奨しています。募集要項にも、自分の研究に合う教員を探し連絡する旨の注記があります。連絡時期や方法は、人間環境学府の入試案内で最新情報を確認してください。
提出前は三種類の読み方で検査する
- 内容監査:すべての事実、引用、専門用語に根拠があるか
- 論理監査:背景、空白、目的、方法、意義が一対一でつながるか
- 様式監査:書類名、字数、氏名、専攻・コース、ページ不足がないか
最後に音読すると、長すぎる文や主語のずれが見つかります。さらに、計画書を読んでいない人へ三分で説明し、「何を、誰から、どう集め、どう分析する研究か」を答えてもらいます。相手が再現できない部分は、口述でも伝わりにくい箇所です。提出稿と口頭説明を同じ論理でそろえるところまで仕上げましょう。
口述試験の質問を研究計画の検査に使う
想定問答は暗記用の回答集ではなく、計画の弱点を発見する道具です。「なぜこの対象なのか」「主要概念をどう定義するか」「先行研究と何が違うか」「その方法で目的に答えられるか」「協力者が集まらない場合はどうするか」「倫理上のリスクは何か」「二年間のどこで分析を始めるか」を順に尋ねます。答えに詰まった質問は、話し方より本文を修正すべき箇所かもしれません。
回答は、結論、理由、具体例の順で短く組み立てます。例えば対象選定については、「対象Aを選びます。先行研究では対象Bに偏り、Aで同じ関係が成り立つか未検討だからです。予備調査では条件Cを満たす参加者を募集します」と答えます。質問に対する直接の答えを最初に置くと、研究設計の理解が伝わりやすくなります。
臨床心理学指導・研究コースや心理学コースでは、説明資料の内容も審査対象です。本文を小さな文字で貼るのではなく、目的、先行研究との差、方法、工程を見出しと図表で再構成する必要があります。ただし資料に新しい主張を突然加えると、出願書類との整合が崩れます。提出後に計画を改善した場合は、何をなぜ変更したかを説明できるようにしてください。
独力で専攻選択、先行研究の整理、方法の設計を同時に進めるのが難しい場合は、九州大学大学院の研究計画書にも対応する大学院入試対策コースで相談できます。添削を受ける場合も、文章表現だけでなく、問いと方法、教員適合、実施可能性への指摘を求めると効果的です。
よくある質問(FAQ)
研究計画書はすべてのコースで必要ですか。
いいえ。令和9年度4月入学の修士課程夏季一般選抜では、心理学、健康・スポーツ科学、教育システムの対象コースなどで研究計画書が必要ですが、共生社会学、都市災害管理、空間システムの建築系各コースなどには同書類の指定がありません。専攻ではなくコースと入試区分ごとに確認してください。書類が不要でも、事前相談や口述に備えた研究概要の整理は有効です。
研究計画書は何字で、所定様式ですか。
令和9年度夏季募集で提出を求める対象コースは、本学府所定様式を用い、3,000字以内です。様式には氏名、受験番号、志望専攻・コース、研究テーマの欄があります。ワープロで作成した本文を枠内に貼付でき、不足時は用紙をコピーして使います。年度や冬季・国際コースでは異なる可能性があるため、最新様式をダウンロードしてください。
研究経過報告書との違いは何ですか。
研究経過報告書は卒業論文や在学中・現在の研究の概要と経過を示し、研究計画書は修士課程入学後の研究を示します。つまり、前者は過去から現在、後者は未来を担当します。過去の成果や限界から新しい問いが生まれた流れを作ると、二つの書類に一貫性が出ます。
指導希望教員への連絡はいつ行いますか。
問いと方法の概要を作り、公式の専門分野と主要業績を確認した後、出願準備に余裕がある時期に行います。締切直前では、テーマや方法を修正する時間が取れません。募集要項と入試案内の最新の連絡方法に従い、受入状況や指導可能性を本人へ確認してください。
卒業論文と異なるテーマでも出願できますか。
異なるテーマに移ること自体より、変更の理由と準備が説明できるかが重要です。卒業論文で得た文献探索、調査、実験、分析の技能を示し、新分野で不足する知識をどう補うかを書きます。テーマの連続性より研究能力の連続性を明確にしましょう。
口述試験では研究計画書がどう使われますか。
教育システム専攻は研究経過報告書と研究計画書に基づいて口述を行います。臨床心理学指導・研究コースと心理学コースでは、研究経過・研究計画を示す説明資料も当日準備し、その資料自体が審査対象です。目的、先行研究との差、方法、倫理、実施可能性を自分の言葉で説明できるようにしてください。
心理・教育・建築のどの専攻を選ぶべきですか。
題材ではなく、研究問い、分析単位、方法で選びます。同じ「子どもの居場所」でも、心理過程、教育制度、社会関係、空間構成のどれを明らかにするかで専攻は変わります。候補専攻の教員の公式専門分野と授業、修士論文へ至る方法を比較し、最も自然に問いへ答えられる所属を選びましょう。
社会人は実務経験を研究テーマにできますか。
できますが、実務上の課題をそのまま研究目的にせず、先行研究に位置づけ、検証可能な問いへ変換する必要があります。勤務先のデータや対象者を利用する場合は、組織の許可、参加者の自由意思、守秘、利益相反にも配慮します。長期履修制度の利用可能性は公式情報で確認してください。
まとめ|専攻・教員・方法を一本につなぐ
九州大学大学院人間環境学府の研究計画書で重要なのは、学際性を広い言葉で飾ることではなく、志望コースの研究領域、教員の専門分野、二年間で実行する方法を具体的につなぐことです。要点を整理します。
- 研究計画書の提出要否は専攻・コース・入試区分で異なる
- 対象コースでは所定様式3,000字以内が基本となる
- 研究経過報告書は過去、研究計画書は入学後の計画を担当する
- 30単位、研究指導、修士論文等の修了要件から方法と工程を逆算する
- 教員の専門分野は公式HTMLの文言で確認し、公開業績まで読む
- テーマ適合は問い、方法、データ、倫理、二年間の実施可能性で判定する
- 提出稿と口述の説明を同じ論理でそろえる
研究テーマの名称より、問いと方法の対応が計画の強さを決めます。まず一文の研究目的を作り、それに答えるデータと分析を定め、公式教員一覧で指導分野との接続を確認してください。研究計画書が指定されないコースでも、この作業は事前連絡、専門科目選択、口述試験の土台になります。
募集要項・出願書類の様式・教員の配置は年度により変わるため、出願前に必ず最新の公式情報で確認してください。特に冬季募集、教育学国際コース、専門職学位課程は、本記事が基準とした令和9年度4月入学修士課程夏季募集と条件が異なります。該当する要項と様式を別に確認しましょう。
研究計画書は、完成した研究を報告する文書ではなく、現時点の知識で最も妥当な道筋を示し、指導を受けながら改善できることを伝える文書です。独学での対策に不安がある場合は、専門の指導を活用するのも一つの方法です。表現の添削だけでなく、専攻選択、先行研究、方法、教員適合まで一貫して点検してください。
書き上げた研究計画書、そのまま出して大丈夫ですか?
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