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東京都立大学の編入試験を徹底解説|学部別の募集人員・試験科目・日程・倍率と対策【2027年度】

東京都立大学の編入試験を徹底解説|学部別の募集人員・試験科目・日程・倍率と対策【2027年度】の記事アイキャッチ画像。大学編入対策の出願資格・試験科目・対策を示す図解。
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東京都立大学の編入学試験には、他大学の編入とは根本的に違う前提があります。実施しているのは理学部・都市環境学部・システムデザイン学部の3学部だけで、しかも編入年次はすべて3年次のみ。さらに出願資格は「高等専門学校または短期大学の工学系課程等を卒業した者(卒業見込みを含む)」に限られており、4年制大学に1〜2年在学して30単位・60単位を修得した人向けの「一般的な大学編入」の枠組みが、そもそも存在しません。

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この記事では、東京都立大学が公表している2027年度の編入学学生募集要項と、2024年度の編入学試験の実績(志願・受験・合格・入学手続者数)をもとに、学部別の募集人員・出願資格・試験科目・日程・倍率を整理します。人文社会学部・法学部・経済経営学部・健康福祉学部は編入学試験を実施していないことも、大学公式の入試案内で確認済みです。

「東京都立大学 編入」で検索すると、大学公式サイトのほかに理学部・都市環境学部・システムデザイン学部それぞれの単体解説記事がヒットしますが、3学部を横断してまとめた情報はまとまりにくいのが実情です。本記事は3学部の共通点(高専・短大限定、3年次のみ、考査料17,000円)と相違点(試験科目、使える英語外部試験、出願期間の長さ、過去問の公開状況)の両方を、大学公式の一次情報だけで整理することを目的にしています。

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目次

東京都立大学の編入学試験は3学部だけ、対象は高専・短大卒業者に限られる

まず前提を確定させます。東京都立大学は7学部体制(人文社会学部・法学部・経済経営学部・理学部・都市環境学部・システムデザイン学部・健康福祉学部)ですが、編入学試験を実施しているのは理学部・都市環境学部・システムデザイン学部の3学部のみです。大学公式の「入学者選抜要項・学生募集要項」ページには、この3学部の募集要項へのリンクだけが掲載されており、人文社会学部・法学部・経済経営学部・健康福祉学部には編入学試験の募集要項がありません。

次に、実施している3学部にも共通する決定的な制約があります。理学部・都市環境学部・システムデザイン学部いずれの募集要項にも、出願資格は次の2つのいずれかとしか書かれていません。

  • 高等専門学校において、工学系課程等を卒業した者(2027年3月までに卒業見込みの者を含む)
  • 短期大学において、工学系課程等を卒業した者(2027年3月までに卒業見込みの者を含む)

法政大学など多くの私立大学の編入学試験に見られる「大学に1年以上(または2年以上)在学し、卒業要件外科目を除き30単位以上(または60単位以上)を修得している者」という、4年制大学の在学者・中退者を受け入れる条項が、東京都立大学の編入学試験にはありません。4年制大学に在学中の学部生は、原則としてこの3学部の編入学試験に出願できません。「大学2年生だが都立大に編入したい」という人がまず確認すべきなのはこの一点で、ここを見落として準備を始めると出願自体ができません。

また、編入年次は3学部とも3年次のみです。2年次編入は実施されていません。したがって本記事では、他大学のハブ記事にあるような「2年次と3年次のどちらが入りやすいか」という比較は成立しません。かわりに、学部・学科ごとの倍率差を比較の軸にします。

学部・学科別の募集人員【2027年度】

2027年度(2026年実施)の募集人員は次のとおりです。理学部・都市環境学部は学科ごとに「若干名」、システムデザイン学部は学科・コースによって人数指定と若干名が混在します。

学部学科・コース募集人員出願資格の系統
理学部化学科若干名工学系課程
都市環境学部都市基盤環境学科若干名工学系課程
建築学科若干名工学系課程
環境応用化学科若干名工学系課程
観光科学科若干名工学系課程
システムデザイン学部(一般編入)情報科学科2名理工学系課程
電気電子工学科2名工学系課程
機械システム工学科 知能機械コース2名工学系課程
機械システム工学科 生体機械コース2名工学系課程
航空宇宙システム工学科若干名工学系課程+指定単位
インダストリアルアート学科若干名工学系または芸術系課程

この表から読み取れる点を整理します。

システムデザイン学部だけ、学科ごとに募集人員の数字が明示されています。理学部・都市環境学部はすべて「若干名」で、具体的な定員数は公表されていません。システムデザイン学部の情報科学科・電気電子工学科・機械システム工学科(両コース)は各2名という具体的な枠が示されており、後述する倍率データと合わせて読むと、実際の合格者数がこの募集人員とどう対応しているかが見えてきます。

出願できる学科は1つだけです。システムデザイン学部の募集要項には「出願できる学科は、1学科のみです。併願はできません」「出願できるコースは1コースのみです。併願はできません」と明記されています。都市環境学部・理学部の志願票にも志望学科を記入する欄は1つしかなく、同一学部内での複数学科併願は想定されていません。

なお、システムデザイン学部には一般編入とは別に、東京都立産業技術高等専門学校の卒業見込者だけを対象にした「推薦編入」という枠があります。これは後述の章で別に扱います。

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受験資格|大学2年生・3年生は対象外という決定的な違い

3学部に共通する出願資格の骨格は前述のとおりですが、学部・学科ごとに「工学系」の範囲や付帯条件が微妙に異なります。ここを取り違えると出願資格を満たさないまま準備を進めてしまうことになるため、志望学科が決まったら必ず確認してください。

学部学科出願資格の系統追加の条件
理学部化学科高専・短大の工学系課程なし
都市環境学部都市基盤環境/建築/環境応用化学/観光科学高専・短大の工学系課程なし(4学科共通)
システムデザイン学部情報科学科高専・短大の理工学系課程なし
システムデザイン学部電気電子工学科/機械システム工学科(両コース)高専・短大の工学系課程なし
システムデザイン学部航空宇宙システム工学科高専・短大の工学系課程材料力学・熱力学・流体力学を各1単位以上修得済み(見込み証明可)
システムデザイン学部インダストリアルアート学科高専・短大の工学系または芸術系課程なし

ここで注意すべき点が3つあります。

情報科学科だけ「理工学系」で、他学科は「工学系」です。募集要項の原文でも情報科学科のみ「理工学系課程」と表記され、電気電子工学科・機械システム工学科は「工学系課程」と表記が分かれています。理系の中でも情報系・数理系寄りの課程からの出願を広く想定していると読めます。

航空宇宙システム工学科だけ、単位の事前修得が出願資格に組み込まれています。材料力学・熱力学・流体力学を出願時までに各1単位以上修得していることが条件で、間に合わない場合は出身校長による「修得見込み証明書」の提出が必要です。高専・短大のカリキュラムでこれらの科目がいつ配置されているかを、出願を検討する段階で確認しておく必要があります。

インダストリアルアート学科だけ、芸術系課程からの出願が認められています。工学系に加えて「芸術系課程」の卒業者(見込みを含む)も出願資格を満たします。デザイン・美術系の高専・短大出身者にとっては、システムデザイン学部の中で唯一開かれた入口です。

そして改めて確認しておくと、この6区分すべてで「4年制大学に在学中・卒業した者」という条項は存在しません。学士の学位を持っていても、それだけでは出願資格を満たしません(高専・短大の工学系等課程を卒業していることが必須条件です)。この点は理学部・都市環境学部・システムデザイン学部で共通しています。

試験科目|筆記試験がある学科とない学科がはっきり分かれる

東京都立大学の編入学試験は、学部・学科によって「専門科目の筆記試験がある」ところと「面接だけで判定する」ところが明確に分かれます。まず学部単位で全体像をつかんでください。

理学部化学科|筆記試験なし、面接のみ

理学部化学科の学力検査は面接(口頭試問を含む)だけです。専門科目の筆記試験は行われません。英語は出願時に提出したTOEICスコアを利用し、当日の英語試験もありません。選考は「面接、英語(TOEICスコア)、成績証明書及び調査書の総合判定」によります。

都市環境学部|学科によって筆記試験の有無が違う

学科試験科目面接
都市基盤環境学科専門科目:「構造力学」「水理学」「土質・土木材料学」「土木計画学」から各1題、計4題(10:30〜12:30)有(14:00〜)
建築学科専門科目:「構造力学、建築構造学」「建築材料学、建築構法・生産学」「建築環境学、建築環境システム」「建築計画学、都市計画学」「建築史学、建築意匠・設計学」から各1題、計5題(10:30〜12:30)有(14:00〜)
環境応用化学科筆記試験なし(面接で化学についての口頭試問を実施)有(14:00〜)
観光科学科小論文(10:30〜12:00)有(14:00〜)
共通英語:出願時に提出されたTOEIC又はTOEFLのスコアを利用(当日試験なし)

都市基盤環境学科と建築学科は、大問数まで指定された専門科目の筆記試験があります。建築学科はとくに範囲が広く、構造・材料・環境・計画・史学と5分野から1題ずつ計5題という構成です。一方、環境応用化学科は面接のみで、観光科学科は小論文形式という、同じ学部内でも試験の性格がまったく異なります。

環境応用化学科は2027年度入学試験(2026年7月実施)から試験科目が変わりました。大学が公表している予告によると、2025年7月実施済み(2026年度入学試験)までは「英語100点、化学100点、面接(試問含む)200点」の計400点でしたが、2027年度入学試験(2026年7月実施予定)からは「英語100点、面接(口頭試問含む)300点」の計400点に変更され、化学の独立した筆記試験が廃止されています。過去に化学の筆記対策をしていた受験生の情報を参考にすると準備の方向を誤るため、必ず最新年度の科目構成で対策してください。

システムデザイン学部|数学と物理の学力試験が中心

学科学力試験試験時間
情報科学科数学、英語(スコア提出)数学11:00〜12:00/面接13:30予定〜
電気電子工学科数学、物理、英語(スコア提出)数学11:00〜12:00/物理13:00〜14:00/面接14:30予定〜
機械システム工学科(両コース)数学、物理、英語(スコア提出)同上
航空宇宙システム工学科数学、物理、英語(スコア提出)同上
インダストリアルアート学科数学(英語は第1次選考のスコアで判定済み)数学11:00〜12:00/面接13:30予定〜

出題範囲は大学が公表しています。数学は線形代数・確率・ベクトル解析・微分積分・微分方程式、物理は力学・電磁気です。情報科学科とインダストリアルアート学科は数学のみ(英語の学力試験はスコア提出のみで筆記なし)、電気電子工学科・機械システム工学科・航空宇宙システム工学科は数学と物理の2科目という違いがあります。

インダストリアルアート学科だけ二段階選抜です。第1次選考は調査書・成績証明書・外部英語検定試験のスコアによる書類選考で、合格者数は約15名。第1次選考を通過した人だけが、学力試験(数学)と面接からなる第2次選考に進みます。第1次選考不合格者には入学考査料の一部(13,000円)が返還される案内が送られます。書類の完成度が最初の関門になるため、他学科以上に出願書類の作り込みが重要です。

自分の高専・短大の学科がどこに対応するか(システムデザイン学部)

システムデザイン学部の募集要項には、募集学科と出身学科の対応の目安が公表されています。

募集学科出身学科との対応(目安)
情報科学科情報系学科
電気電子工学科電気・電子・情報系学科
機械システム工学科機械系学科
航空宇宙システム工学科航空・機械系学科
インダストリアルアート学科建築・情報・デザイン・アート系学科

大学はこの表について「出願の目安」であり「出願資格を満たしていれば、上記表と合致していなくても出願は可能」と注記しています。つまりこの対応表は絶対条件ではなく、あくまで参考です。出身学科がどの募集学科にも当てはまらないと感じても、出願資格(高専・短大の工学系または理工学系・芸術系課程卒業)さえ満たしていれば出願は妨げられません。迷う場合は、自己判断で諦める前に各学部の教務係に問い合わせるのが確実です。

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英語は「外部試験スコアのみ」だが、学部によって使える試験が違う

3学部とも当日の英語筆記試験はなく、出願時に提出した外部試験のスコアで判定します。ただし「どの試験が使えるか」「自宅受験版やIPテストが認められるか」が学部で異なるため、事前に必ず確認してください。

学部使える試験認められない形式有効期限
理学部(化学科)TOEIC Listening & Readingのみ(公開テスト または 団体特別受験制度IPテスト)IPテストの自宅受験、TOEFLは選択肢に無い学力検査実施日から過去2年以内
都市環境学部TOEIC公開テスト/TOEIC IPテスト(団体特別受験制度)/TOEFL iBTのいずれか1種類TOEIC・TOEFLとも自宅受験版は不可学力検査実施日から過去2年以内
システムデザイン学部TOEFL-iBT または TOEIC Listening & Reading(公開テストのみ)TOEFL Home Edition/PBT/ITP、TOEIC IPテスト、TOEIC Speaking & Writing/Bridgeは不可試験日から過去2年以内

もっとも狭いのはシステムデザイン学部です。TOEICは「公開テストのみ」で、都市環境学部で認められているIPテスト(団体特別受験制度)が使えません。逆に理学部はTOEFLという選択肢自体がなく、TOEICのみでの提出が前提になっています。志望学部が固まる前にTOEFLかTOEICかで準備を始めてしまうと、学部によっては使えないスコアになりかねません。

提出方法にも学部差があります。システムデザイン学部はTOEFLの受験日(2026年1月21日を境に)によって「実施機関からのスコア直送+控えの提出」か「紙のスコア原本の提出」かが変わるなど、手続きが細かく規定されています。出願直前に慌てないよう、外部試験のスコアは早めに確定させ、提出方法は要項の該当章を必ず読んでください。

出願書類は3学部でほぼ共通、ただし郵送ルールが厳格

出願書類の構成は3学部でほぼ共通しています。志願票・写真票・受験票・成績証明書(厳封)・調査書(厳封)・入学考査料収納証明書(所定様式に貼付)・受験票送付用封筒(切手貼付)が基本セットで、これに学部固有の書類が加わります。

学部共通書類に加えて必要なもの
理学部TOEICスコア(原本またはデジタル公式認定証の写し)、連絡先等登録フォーム
都市環境学部TOEIC又はTOEFLスコア(原本・コピー各1部)、連絡用宛名カード及び連絡先登録フォーム
システムデザイン学部外部英語検定試験のスコアシート、返送用封筒2枚(インダストリアルアート学科は3枚)、連絡用宛名用紙

共通する注意点として、3学部とも次のルールが徹底されています。

  • 提出書類は本学からの指示による場合を除き修正・差替え不可。記入ミスがないよう出願前に必ず見直す
  • 出願は郵送のみ。持参・宅配便・バイク便は不可
  • 発送は「簡易書留」かつ「速達」の扱いを指定(システムデザイン学部は「簡易書留」+「速達」、理学部・都市環境学部も同様の速達対応が必要)
  • 成績証明書・調査書は出身校長が作成し厳封したものに限る
  • 写真票の写真は3ヶ月以内に撮影した上半身・脱帽・正面向き
  • 電話等での配達状況の個別照会には応じない。郵便追跡サービスを各自で利用する

システムデザイン学部の募集要項ではとくに細かく、「耐水性の黒ボールペンを使用し、鉛筆・シャープペンシル・フリクションペン等の消せる筆記具は使用しないこと」「様式の印刷はA4判・片面印刷、レイアウトを崩さないこと(崩れている場合は再提出)」という指定まであります。書類不備による不受理を避けるため、要項に添付された注意事項は志望学部にかかわらず一通り目を通しておくことをおすすめします。

日程・スケジュール【2027年度】

3学部の日程は似ていますが、出願期間の長さに大きな差があります。

項目理学部都市環境学部システムデザイン学部
考査料支払期間2026年5月14日〜6月3日2026年5月14日〜6月3日2026年5月11日〜5月27日
出願期間2026年5月28日(木)〜6月3日(水)17時必着2026年5月28日(木)〜6月3日(水)必着2026年5月25日(月)〜5月27日(水)必着
試験日2026年7月3日(金)2026年7月3日(金)2026年7月4日(土)(予備日7月5日)
合格発表2026年7月31日(金)10時2026年7月31日(金)10時2026年7月31日(金)10時
入学手続期日2027年2月26日(金)必着2027年2月26日(金)必着2027年2月(詳細は合格者に別途通知)

システムデザイン学部の出願期間は3日間しかありません。理学部・都市環境学部が5月28日から6月3日までの約1週間なのに対し、システムデザイン学部は5月25日から27日までの3日間だけです。書類に不備があった場合に出し直す余裕がほとんど無いため、システムデザイン学部を志望する場合は出願書類を早めに準備し、期間に入った初日に近いタイミングで発送できる状態にしておくことが重要です。

また、いずれの学部も出願はすべて郵送に限られ、「簡易書留・速達」での発送が指定されています。持参・宅配便・バイク便での提出は認められません。締切直前に慌てて郵便局に駆け込むような余裕のない計画は避けてください。

倍率・難易度【2024年度の実績】

東京都立大学は、学校教育法施行規則に基づく教育情報の公表として、編入学試験の学部・学科別の志願者・受験者・合格者・入学手続者数を毎年公表しています。もっとも新しく公表されている実績が2024年度分で、これは学士入学試験(学士の学位を持つ人が編入するための別制度)とは別の表として整理されています。制度が異なるため、この記事で扱ってきた編入学試験の数字と学士入学試験の数字が混ざる心配はありません。

理学部の実績

学科志願受験合格入学手続受験に対する倍率
化学科85321.7倍

都市環境学部の実績

学科志願受験合格入学手続受験に対する倍率
都市基盤環境学科138422.0倍
建築学科1818434.5倍
環境応用化学科139841.1倍
観光科学科66332.0倍
学部計504119122.2倍

システムデザイン学部の実績

大学の公表資料では「電子情報システム工学科」という学科名で集計されています。2027年度募集要項の現行名称は「電気電子工学科」ですが、同一学科の実績として扱います。かっこ内は東京都立産業技術高等専門学校からの推薦編入者の内数です。

学科・コース志願受験合格入学手続受験に対する倍率
情報科学科30(1)24(1)6(1)3(1)4.0倍
電気電子工学科28(4)26(4)12(4)9(4)2.2倍
機械システム工学科 知能機械コース12(2)10(2)4(2)2(2)2.5倍
機械システム工学科 生体機械コース11(2)7(2)3(2)2(2)2.3倍
航空宇宙システム工学科11(2)7(2)4(2)4(2)1.8倍
インダストリアルアート学科2726426.5倍
学部計119(11)100(11)33(11)22(11)3.0倍

3学部を通じて合格者数がもっとも多かったのはシステムデザイン学部電気電子工学科の12名、もっとも少なかったのは理学部化学科の3名でした(学科単位、推薦編入を含む)。ただし各学科とも母数(受験者数)自体が一桁〜二十数名と小さいため、この年の倍率をそのまま「入りやすさ」として断定的に扱うのは危険です。次の章で詳しく見ます。

学部・学科ごとの倍率差から見える傾向

2024年度実績の倍率を見ると、東京都立大学の編入学試験の中でも学科によって難易度の体感がかなり違うことが分かります。

もっとも倍率が低かったのは都市環境学部環境応用化学科の1.1倍です。受験9名に対して合格8名。ほぼ全員が合格に近い数字ですが、これは「簡単だから」というより、受験者の母集団がすでに相応の準備をした少人数に絞られている可能性が高い数字です。翌年度に受験者が増えれば倍率は変わり得ます。

もっとも倍率が高かったのはシステムデザイン学部インダストリアルアート学科の6.5倍です。受験26名に対して合格4名。この学科は工学系・芸術系の両方から出願でき、かつ二段階選抜(書類選考で約15名に絞ってから学力試験・面接)という設計そのものが選抜性を高めています。募集要項が「若干名」としている理由も、この選抜構造から読み取れます。

都市環境学部建築学科も4.5倍と高めです。受験18名に対して合格4名で、都市環境学部の中では突出しています。専門科目の筆記試験が5分野から1題ずつ計5題という広い範囲で構成されている学科でもあり、出題範囲の広さと倍率の高さが対応している可能性があります。

この倍率を読むときの注意点は他大学のハブ記事と同じです。母数が数名〜二十数名という小さな集団の1年分の数字にすぎず、大学自身も募集人員について「若干名」という表現を多用しているとおり、決まった枠を機械的に埋める試験ではありません。年度によって出願者の質・量は変動するため、単年度の倍率は目安として扱い、過度に一喜一憂しないことが大切です。

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入学考査料17,000円という設定と、支払い方法の注意点

東京都立大学の編入学試験の入学考査料は、理学部・都市環境学部・システムデザイン学部いずれも17,000円で統一されています。多くの国公立大学の編入学試験の検定料が30,000円前後であることと比べると、低めの設定です。

支払いはE-支払サイト(https://e-shiharai.net/)を通じて行い、コンビニエンスストア、ペイジー対応ATM、ネットバンキング、クレジットカード、銀聯ネット決済のいずれかを利用します(日本国外からの支払いはクレジットカード・銀聯ネット決済のみ)。振込手数料は受験者負担です。日本語サイトから支払った場合は「収納証明書」を、英語サイトから支払った場合は印刷した「Result Page」を、それぞれ所定の用紙に添付・同封して提出します。提出書類の様式が支払い方法によって変わる点は見落としやすいので、要項の指示どおりに進めてください。

なお、東日本大震災・令和2年7月豪雨・令和6年能登半島地震で被災した場合は、考査料の全額免除制度があります。該当する場合は、考査料の振込み前に各学部の問合せ先に相談する必要があります。振込んだ後では対応できないため、該当しそうな場合は早めに連絡してください。

入学料・授業料と減免制度

入学料・授業料の具体的な金額は、システムデザイン学部の募集要項に予定額として明記されています。入学料は東京都の住民が141,000円、それ以外の者が282,000円(いずれも予定額)で、都内在住かどうかで2倍近い差があります。「東京都の住民」に該当するかどうかは、本人またはその配偶者・一親等の親族が、入学日の1年前から引き続き都内に住所を有するかで判定され、住民票記載事項証明書等の提出が必要です。授業料は年額520,800円(予定額)で、前期・後期それぞれ半額を口座振替で納めます。理学部・都市環境学部の募集要項には具体的な金額の記載はなく、大学共通の授業料ページを確認するよう案内されていますが、学部による金額差は無いと考えられます。

減免制度としては、国の高等教育の修学支援新制度に加えて大学独自の授業料減免制度があり、東京都の子育て世帯向けの授業料実質無償化制度も対象になり得ます。ただし2027年度の実施の有無や申請方法は、12月中旬以降に大学の学生課ウェブサイトで随時案内される予定であり、募集要項の時点では確定していません。減免を見込んで進学計画を立てる場合は、出願後も学生課の案内を継続して確認する必要があります。

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システムデザイン学部だけの「推薦編入」ルート

システムデザイン学部には、一般編入とは別に東京都立産業技術高等専門学校(都立産技高専)の卒業見込者だけを対象にした推薦編入があります。理学部・都市環境学部にはこの制度はありません。

対象学科は情報科学科・電気電子工学科・機械システム工学科(知能機械コース・生体機械コース)・航空宇宙システム工学科の4学科(各学科・コースとも若干名)。出願資格は「都立産技高専を2027年3月卒業見込みで、校長が責任を持って推薦する者」で、航空宇宙システム工学科は一般編入と同様に材料力学・熱力学・流体力学の単位要件が加わります。選考は推薦書・成績証明書・面接の結果を総合判断し、学力試験(数学・物理)は課されません。試験日・合格発表日は一般編入と同じです。

前章の倍率表で示した「( )内の数字」が、この推薦編入による志願・合格者数です。2024年度実績では編入学試験全体119名の志願者のうち11名が推薦編入によるもので、その全員が受験・合格・入学手続まで進んでいます(11名すべてが各段階の内数として一致)。都立産技高専に在籍している場合、一般編入との違い(学力試験の有無、対象学科の範囲)を理解したうえでどちらのルートを使うか検討する価値があります。

単位認定と修業年限|2年で卒業できるとは限らない

3学部とも、募集要項に編入学生の在学期間について同じ規定があります。編入学生の在学期間は2年以上で4年を超えることができません。本学の一般学生(1年次入学者)の修業年限は4年です。つまり、3年次に編入した場合の標準的な卒業までの期間は2年ですが、出身校での履修科目と本学カリキュラムとの対応による単位認定の結果次第では、2年では卒業できず、在学期間が延びる可能性があります。

システムデザイン学部の募集要項には、この点がとくに明確に書かれています。「出身校での履修科目と本学カリキュラムの対応による単位認定状況によっては、修業年数が2年を超える場合があります。単位認定は入学時に決定します」とあり、単位認定の結果は合格発表後、入学時にならないと確定しません。高専・短大でどの科目をどこまで履修してきたかによって、入学後の負担が変わってくるということです。出願前の段階で正確な見通しを立てるのは難しいため、合格後の単位認定案内を必ず確認してください。

「学士入学試験」という別ルートもある(参考)

東京都立大学には、本記事で扱ってきた編入学試験とは別に「学士入学試験」という制度もあります。学士の学位を持つ人が対象で、2024年度実績では全体で志願2名・受験2名・合格1名・入学0名と、編入学試験に比べて実施規模はごくわずかです。学部別では人文社会学部が志願0名、理学部数理科学科が志願1名(合格1名)、都市環境学部地理環境学科が志願1名(合格0名)という結果でした。

大学の公表資料には「( )は東京都立の大学、首都大学東京及び東京都立大学の卒業生(卒業見込み者を含む)で内数」という注記があります。東京都立大学は2020年に旧・首都大学東京から名称変更した経緯があり、学士入学試験の統計には、改称前後を通じた本学・都立系大学の卒業生かどうかを区別する内数が設けられています。学士入学試験は本記事の主題である編入学試験とは出願資格・選考方法が異なる別制度のため、該当する可能性がある場合は編入学試験と混同せず、大学に個別に確認してください。

過去問は公式サイトで公開されていない|学部ごとに入手方法が違う

編入試験対策で最初にぶつかる壁が過去問の入手です。東京都立大学の場合、他大学のように募集要項サイトから過去問PDFをそのままダウンロードできる学部はありません。

理学部・システムデザイン学部は、編入学試験の過去問をウェブ上で公開していません。入試情報サイトを確認した範囲では、編入学試験に関する過去問配布のページやリンクは見当たりませんでした。

都市環境学部だけ、過去問の請求方法が案内されています。大学が公表している案内によると、入手方法は次の2通りです。

  • 南大沢キャンパス9号館2階(都市環境学部教務係)の窓口で直接受け取る(対応時間:月〜金曜9:00〜12:30、13:30〜17:00、祝日を除く)
  • 「編入学試験過去問題郵送請求票」に必要事項を記入し、返信用封筒(角2封筒に切手を貼付したもの)とともに郵送で請求する

ただし、全学科が同じ扱いというわけではありません。案内には「都市基盤環境学科・建築学科・観光科学科は配布可能。ただし著作権の関係で一部の問題については公開できない場合がある」「環境応用化学科は著作権の関係で配布はできないが、都市環境学部教務係窓口にて閲覧可能」と明記されています。環境応用化学科を志望する場合、過去問を手元に置いて持ち帰ることはできず、窓口での閲覧に限られる点に注意してください。

本記事では、大学が公開していない過去問の内容を推測して記載することはしません。過去問の入手を希望する場合は、都市環境学部教務係(電話042-677-1111 内線4027)に直接問い合わせるか、理学部・システムデザイン学部については各学部の入試担当窓口に、過去問の閲覧可否を確認することをおすすめします。

試験当日の持ち物と注意事項、会場はキャンパスが違う

まず押さえておきたいのが会場の違いです。理学部・都市環境学部は南大沢キャンパス(京王相模原線 南大沢駅下車、徒歩約15分。学力検査は12号館、面接は9号館の予定)、システムデザイン学部は日野キャンパス(東京都日野市旭が丘6丁目6番地)と、同じ東京都立大学でもキャンパスが異なります。併願を検討している場合、当日の移動時間や交通手段もあわせて確認しておいてください。

持ち物・当日ルールは募集要項に添付された受験票の注意書きに記載されています。都市環境学部の受験票には次のように明記されています。

  • 試験会場は当日、11号館前に掲示される
  • 試験開始30分前までに試験会場に入室すること
  • 試験開始後30分以内の遅刻に限り受験を認める
  • 試験中、机の上に置けるのは受験票・黒鉛筆(シャープペンシルも可)・消しゴム・鉛筆削り・時計(時計機能だけのもの)に限る
  • 1科目でも受験しなかった者、不正行為を行ったと認められた者、係員の指示に従わなかった者は受験失格となる
  • 昼食は各自用意すること

システムデザイン学部の受験票にも同趣旨の注意書きがあり、「指定された時刻までに試験室に入室すること」「筆記試験開始後30分以内の遅刻に限り受験を認める」「机上に置けるのは受験票・黒鉛筆・消しゴム・鉛筆削り・時計機能のみの時計・辞書(電子辞書は不可)等の指定されたものに限る」に加えて、「自動車(二輪車を含む)で学内へは入場できない。電車・バス等公共交通機関を利用すること」という日野キャンパス特有の注意が明記されています。理学部の募集要項には受験票の細かな注意書きは添付されていませんが、面接会場の集合時間や詳細は受験票送付時に別途通知されるとされています。

学部・学科別に、何から手をつけるべきか

ここまでの情報を、志望学科別の準備の優先順位に落とし込みます。

理学部化学科を志望する場合

専門科目の筆記試験がなく、面接(口頭試問を含む)と出願時のTOEICスコアだけで評価が決まります。当日の一発勝負である論述・小論文の練習よりも、化学科の専門分野について口頭で説明できる状態を作ることが優先です。TOEICはTOEFLでは代替できない点にも注意してください。出願資格上、高専・短大の工学系課程からの出願に限られるため、まず自分の在籍課程が「工学系課程等」に該当するかを学校の事務局に確認することが最初の一歩です。

都市環境学部を志望する場合

学科によって試験の性格がまったく違うため、学科を先に決めてから対策を組み立てる必要があります。都市基盤環境学科と建築学科は専門科目の筆記試験の配点が大きく、範囲も広いため、出題分野(構造・水理・材料・計画など)を要項で確認し、それぞれの基礎を高専・短大の教科書レベルから復習するのが土台になります。環境応用化学科は2027年度から筆記試験が廃止され面接のみになったため、化学の知識を口頭でどう説明するかという練習に重点を移してください。観光科学科は小論文形式なので、時事的な観光関連のテーマについて書く練習が必要です。英語はTOEIC・TOEFLどちらも使えますが、IPテストも認められる点は理学部・システムデザイン学部と違う都市環境学部の特徴です。

システムデザイン学部を志望する場合

情報科学科とインダストリアルアート学科以外は数学・物理の学力試験があるため、出題範囲として大学が公表している「線形代数・確率・ベクトル解析・微分積分・微分方程式(数学)」「力学・電磁気(物理)」を軸に、高専・短大での学習内容を整理し直すのが対策の骨格になります。インダストリアルアート学科を志望する場合は、第1次選考(書類)を通過しなければ学力試験に進めないため、調査書・成績証明書・外部英語スコアの完成度を最優先にしてください。都立産技高専に在籍している場合は、一般編入と推薦編入のどちらのルートが自分に合うかを、学力試験の有無を基準に検討してください。出願期間が5月25日から27日までの3日間しかない点も、他の2学部より早めの準備が必要な理由です。

他大学の編入学試験と何が違うか

「大学編入」と一括りに検索すると、多くの私立大学では4年制大学の在学者・中退者を主な対象にした編入学試験がヒットします。当サイトで扱った法政大学の編入学試験(法政大学の編入試験を徹底解説)では、2年次編入の共通受験資格として「大学に1年以上在学し30単位以上を修得している者」が明記されており、4年制大学の在学者にも広く門戸が開かれています。

これに対して東京都立大学の理学部・都市環境学部・システムデザイン学部は、出願資格が高等専門学校・短期大学の卒業者(工学系等課程)に一本化されており、2年次編入そのものが存在しません。同じ「大学編入」という言葉でも、大学によって前提となる出願者層がまったく違うということです。高専・短大に在籍していて工学系分野への編入を考えている場合は都立大学が有力な選択肢になりますが、4年制大学からの編入を考えている場合は、都立大学の理学部・都市環境学部・システムデザイン学部以外の選択肢(他の学部を持つ国公立大学や私立大学)を探す必要があります。

検定料についても違いがあります。都立大学の3学部はいずれも17,000円で統一されていますが、私立大学の編入学試験の検定料は30,000円前後に設定されていることが多く、都立大学は相対的に低めの水準です。出願を複数校で検討する場合、検定料の合計額も考慮に入れておくとよいでしょう。

併願をどう組むか

東京都立大学の編入学試験は3学部とも試験日が7月上旬に集中しており(理学部・都市環境学部は7月3日、システムデザイン学部は7月4日)、大学内での複数学部併願は日程的に可能です。ただし出願できる学科はそれぞれ1つに限られるため、志望順位を先に決めておく必要があります。

出願資格が高専・短大の工学系等課程卒業者に限られるという構造は、他の高専・短大対応の編入学試験を実施している大学(工業系の国公立大学など)と組み合わせて併願を検討する場合の判断材料にもなります。東京都立大学の学部別の詳細(志望理由書の書き方・小論文対策・過去問対策を含む)は、当サイトの以下の記事も参照してください。

問い合わせ先一覧

出願資格の判定や過去問の閲覧可否など、募集要項だけでは判断できない事項は、必ず各学部の窓口に直接確認してください。

学部窓口電話番号
理学部東京都立大学管理部理系学務課理学部教務係042-677-1111(代表)
都市環境学部東京都立大学管理部理系学務課都市環境学部教務係042-677-1111 内線4026(出願関連)/内線4027(過去問請求)
システムデザイン学部日野キャンパス管理部学務課教務係入試担当042-585-8623

いずれも、障がい等により受験上・修学上の配慮を希望する場合は出願期間より前の指定期日(5月上旬〜中旬)までに相談し、必要書類(申出書)を提出するよう求められています。期限を過ぎると希望に沿えないことがあると明記されているため、配慮を検討している場合は募集要項が公開され次第、早めに連絡することが重要です。

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よくある質問

Q. 4年制大学に在学中ですが、東京都立大学の編入学試験を受けられますか?

理学部・都市環境学部・システムデザイン学部の編入学試験は、出願資格が「高等専門学校または短期大学の工学系課程等の卒業者(卒業見込みを含む)」に限られています。4年制大学の在学・卒業を出願資格とする条項はないため、原則として出願できません。

Q. 2年次への編入はできますか?

できません。理学部・都市環境学部・システムデザイン学部いずれも、編入学年次は3年次のみです。

Q. 都市環境学部は複数の学科を併願できますか?

志願票の志望学科欄は1つしかなく、1学科のみの出願を前提とした様式になっています。システムデザイン学部の募集要項には「出願できる学科は1学科のみ。併願はできません」と明記されています。

Q. 英語はTOEICとTOEFLのどちらを準備すればよいですか?

学部によって使える試験が異なります。理学部化学科はTOEICのみ、都市環境学部はTOEIC(公開テスト・IPテストとも可)またはTOEFL iBT、システムデザイン学部はTOEFL-iBTまたはTOEIC(公開テストのみ、IPテスト不可)です。志望学部が決まってから対応する試験を確認してください。

Q. 過去問はどこで手に入りますか?

理学部・システムデザイン学部はウェブ上で過去問を公開していません。都市環境学部は窓口受け取りまたは郵送請求で入手できますが、環境応用化学科は著作権の関係で配布されず、窓口での閲覧のみです。詳しくは各学部の教務係に問い合わせてください。

Q. 入学考査料はいくらですか?

理学部・都市環境学部・システムデザイン学部とも17,000円です。E-支払サイトを通じてコンビニ・ATM・ネットバンキング・クレジットカードなどで支払います。

Q. システムデザイン学部の推薦編入は誰でも出願できますか?

いいえ。東京都立産業技術高等専門学校の卒業見込者で、校長の推薦を受けられる者に限られます。対象は情報科学科・電気電子工学科・機械システム工学科(両コース)・航空宇宙システム工学科です。

Q. 編入後、2年で卒業できますか?

2年での卒業を前提とした制度ですが、出身校での履修内容と本学カリキュラムとの単位認定の結果によっては、在学期間が2年を超える場合があります。在学期間の上限は4年です。単位認定は入学時に決定するため、出願前に正確な年数を確定させることはできません。

Q. 理学部と都市環境学部を両方受験できますか?

2027年度の募集要項では、理学部・都市環境学部とも試験日が2026年7月3日(金)に設定されているため、同一日での受験となります。日程が重なると両学部の併願はできません。システムデザイン学部は試験日が7月4日(土)で別日程のため、理学部・都市環境学部のどちらかとシステムデザイン学部を組み合わせる併願は日程上可能です。年度によって日程は変わるため、最新の要項で必ず確認してください。

Q. システムデザイン学部の「電気電子工学科」と「電子情報システム工学科」は同じ学科ですか?

2027年度の募集要項では「電気電子工学科」という学科名が使われていますが、大学が公表する2024年度の編入学試験実績の統計では「電子情報システム工学科」という名称で集計されています。同一学科の実績として扱って差し支えありませんが、資料によって表記が異なる点は把握しておいてください。

出願前に必ず確認する3つのこと

ここまでの内容を、出願前のチェックリストとして整理します。

1. 自分の出身校・課程が出願資格を満たすか。高等専門学校または短期大学の「工学系課程等」(情報科学科は理工学系、インダストリアルアート学科は工学系または芸術系)を卒業・卒業見込みであることが大前提です。在籍している課程がこれに該当するか判断がつかない場合は、志望学部の教務係、もしくは自校の進路指導・教務窓口に必ず確認してください。4年制大学に在学中の場合は、この3学部の編入学試験の対象にはなりません。

2. 志望学科の試験科目と、必要な英語外部試験のスコアをいつまでに用意するか。専門科目の筆記試験がある学科(都市環境学部の一部、システムデザイン学部の多く)は出題範囲を確認して基礎から復習する時間が必要です。英語は当日の筆記試験がなく出願時のスコア提出制のため、志望学部で使える試験(TOEIC・TOEFL、公開テストかIPテストか)を確認したうえで、出願期間に間に合うよう逆算して受験しておく必要があります。

3. 出願期間の長さと郵送の締切。理学部・都市環境学部は約1週間、システムデザイン学部は3日間しかありません。出願書類は簡易書留・速達での郵送必着が条件です。書類に不備があった場合の余裕を考えると、募集要項が公開される4月時点で書類一式を準備しておき、出願期間に入ったらすぐに発送できる状態にしておくのが安全です。

まとめ

東京都立大学の編入学試験でまず押さえるべきは、実施学部が理学部・都市環境学部・システムデザイン学部の3学部に限られ、出願資格が高等専門学校・短期大学の工学系(一部理工学系・芸術系)課程の卒業者に限定されているという構造です。4年制大学の在学者を対象にした一般的な編入学試験の枠組みとは前提が異なるため、まず自分がこの3学部のいずれかの出願資格を満たすかどうかを確認することが最初のステップになります。

試験科目は学部・学科によって大きく違い、理学部化学科と都市環境学部環境応用化学科は面接のみ、都市環境学部の他3学科は専門科目または小論文、システムデザイン学部の多くの学科は数学・物理の学力試験が課されます。英語は3学部とも外部試験のスコア提出制ですが、使える試験の種類(TOEIC・TOEFL、公開テスト・IPテストの可否)が学部ごとに異なるため、志望学部が固まった時点でスコアの種類を確認してください。

倍率は2024年度実績で理学部化学科1.7倍、都市環境学部が学科によって1.1〜4.5倍、システムデザイン学部が1.8〜6.5倍と幅があります。ただしいずれも受験者数が一桁から二十数名という小さな母集団の1年分の数字であり、単年度の数字だけで難易度を断定しないよう注意してください。過去問は都市環境学部の一部学科を除いてウェブ上で公開されていないため、対策は募集要項に明記された出題範囲(数学・物理の分野、専門科目の大問構成)を軸に組み立てる必要があります。

本記事の数値は東京都立大学が公表する2027年度編入学学生募集要項(理学部・都市環境学部・システムデザイン学部)、および2024年度の編入学試験・学士入学試験の状況(教育情報の公表)に基づいています。制度・日程・募集人員・試験科目・出願資格は年度によって変更される可能性があるため、出願前には必ず東京都立大学が公表する最新の学生募集要項をご確認ください。

東京都立大学に編入した合格者の声

実際に高専から東京都立大学都市環境学部建築学科へ3年次編入し、現在は編入予備校の講師を務める合格者のインタビューを記事化しています。受験の実体験を知りたい場合はあわせて参照してください。

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この記事を書いた人

株式会社Spring Knowledge 代表取締役社長。筑波大学 社会・国際学群 社会学類へ編入学し、都内国公立大学大学院 法学政治学研究科 修士課程を修了。大学編入・大学院進学を自ら経験した立場から、スプリング・オンライン家庭教師の大学編入・大学院入試分野の指導および記事監修を担当。

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