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横浜国立大学の編入試験を徹底解説|学部別の募集人員・試験科目・日程・倍率と対策【2027年度】

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横浜国立大学の編入学試験は、経済学部・理工学部・都市科学部の3学部だけで実施されています。しかもこの3学部は性格がまったく違います。経済学部は学士取得者や4年制大学の在学者にも門戸が開かれているのに対し、理工学部と都市科学部は高等専門学校の卒業者(見込みを含む)しか出願できません。一般の大学生や短期大学卒業者が横浜国立大学への編入を考えるなら、選べるのは事実上、経済学部だけということになります。

この記事では、横浜国立大学が公表している2027年度(令和9年度)の編入学試験募集要項と、令和6〜8年度の志願・受験・合格者数の実績をもとに、学部別の募集人員・受験資格・試験科目・日程・倍率を整理します。あわせて、経済学部の公開過去問(平成15年度〜令和3年度)から読み取れる出題テーマと、学部ごとに何から手をつけるべきかまで踏み込んで解説します。

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目次

横浜国立大学の編入学試験には3学部・複数の入学枠がある

横浜国立大学には教育学部・経済学部・経営学部・理工学部・都市科学部の5学部がありますが、編入学試験を実施しているのは経済学部・理工学部・都市科学部の3学部だけです。教育学部と経営学部は編入学試験を行っていません。この3学部のなかにも、対象者や年次が異なる複数の枠があります。

経済学部第3年次編入学試験(一般選抜・社会人選抜)

経済学科の1学科体制で、3年次への編入学試験を実施しています。出願区分は学力検査による「一般選抜」と、論文・口述試験による「社会人選抜」の2種類です。基礎資格を満たせば、学士取得者・短期大学卒業者・高等専門学校卒業者だけでなく、4年制大学に2年以上在学して62単位以上を修得した在学者も出願できます。3学部のなかで唯一、高専卒業者以外にも開かれている枠です。

理工学部編入学試験(高専編入・3年次のみ)

機械・材料・海洋系学科、化学・生命系学科、数物・電子情報系学科のうち、機械工学EP・化学EP・化学応用EP・電子情報システムEP・情報工学EPの5つの教育プログラム(EP)で、高等専門学校卒業者を対象とした3年次編入学試験を実施しています。出願できるのはこの5EPのみで、材料工学EP・海洋空間のシステムデザインEP・バイオEP・数理科学EP・物理工学EPでは編入学生を募集していません。

都市科学部編入学試験(建築学科・都市基盤学科、いずれも高専編入)

都市科学部は建築学科と都市基盤学科の2学科で編入学試験を実施しています。建築学科は2年次編入、都市基盤学科は3年次編入で、いずれも高等専門学校卒業者(外国の高等専門学校を含む)が対象です。都市基盤学科にはさらに「一般枠」と、出身校長の推薦と成績上位10%以内などの条件を満たす「特別枠」があります。

本記事の数値は、横浜国立大学が公表する2027年度(令和9年度)編入学試験募集要項(経済学部・理工学部・都市科学部)、および令和6年度〜令和8年度の「横浜国立大学編入学試験実施状況」に基づいています。

学部別の募集人員と実施年次【2027年度】

まず、どの学部・学科がどの年次で何名を募集しているのかを一覧にします。

学部学科・教育プログラム編入年次募集人員
経済学部経済学科3年次15名(うち社会人選抜は若干名)
理工学部機械・材料・海洋系学科 機械工学EP3年次各若干名
化学・生命系学科 化学EP3年次
化学・生命系学科 化学応用EP3年次
数物・電子情報系学科 電子情報システムEP3年次
数物・電子情報系学科 情報工学EP3年次
都市科学部建築学科2年次2名
都市基盤学科3年次一般枠・特別枠あわせて5名

この表から読み取れる点を整理します。

2年次編入を実施しているのは都市科学部建築学科だけです。経済学部・理工学部・都市科学部都市基盤学科はすべて3年次のみで、4年制大学1年在学者や、より早い段階での編入を考えている方が選べる年次は限られます。

理工学部は学科ではなくEP(教育プログラム)単位で募集しています。同じ学科のなかでも、機械・材料・海洋系学科は機械工学EPのみ、化学・生命系学科は化学EPと化学応用EPのみが対象です。志望するEPが編入学生を募集しているかどうかを、学科名だけで判断しないでください。

「若干名」という表記が多い学部ほど、実際の募集規模は年度ごとの実績で確認するしかありません。理工学部の5EPはいずれも募集人員が「若干名」で、公表される数値上の上限はありません。後述する倍率のパートで、実際に何名合格しているのかを確認してください。

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受験資格|自分が出願できるかを先に確かめる

試験科目や倍率を調べる前に、まず自分に受験資格があるかを確定させてください。横浜国立大学の編入学試験は、理工学部・都市科学部が高等専門学校卒業者に限定されている点が最大の分岐点です。ここを見落とすと、そもそも出願できない学部を志望してしまいます。

経済学部の受験資格

一般選抜の基礎資格は次のいずれかです。

  • 日本または外国において学士の学位を有する者、および2027年3月までに学士の学位を授与される見込みの者
  • 日本の短期大学、高等専門学校を卒業した者、および2027年3月までに卒業見込みの者
  • 修業年限4年以上の大学において、2027年3月までに2年以上(休学期間を除く)在学し、2年次までの課程を修了し、62単位以上を修得した者(修得見込みを含む)
  • 学校教育法施行規則附則第7条の規定に該当する者

一般選抜ではこれに加えて語学要件があります。TOEFL iBT(Home Edition含む)バンドスコア3.5もしくは61点、またはTOEIC L&R 620点のいずれかを出願時に満たしている必要があります。

社会人選抜の基礎資格は、①学士の学位を取得した後1年以上経過している者、②短期大学または高等専門学校を卒業した後3年以上経過している者、③一般選抜の基礎資格④に該当する者、のいずれかです。社会人選抜には語学要件の指定がありません。

理工学部・都市科学部の受験資格

理工学部と都市科学部(建築学科・都市基盤学科いずれも)の受験資格は、学校教育法第115条に定める高等専門学校を卒業した者、および卒業見込みの者に限られます。4年制大学の在学者や卒業者、短期大学卒業者は、この2学部には出願できません。

理工学部にはさらに要件があり、2024年7月以降に実施されたTOEFL iBT(Home Edition含む)またはTOEIC L&Rを受験していることが求められます。ただし経済学部のような具体的な基準点の指定はなく、「受験していること」自体が要件です。

都市科学部都市基盤学科の特別枠には、一般枠の資格に加えてさらに条件が上乗せされます。

学部・枠追加で必要な条件
都市基盤学科 特別枠①出身学校における卒業時の成績、または第4学年次の通算成績が学科(コース)在籍者の上位10%以内であること/②合格した場合には入学の確約ができること/③出身学校長が責任をもって推薦すること

特別枠は学力検査が免除されますが、「楽な枠」ではありません。出願前の段階で成績上位10%以内という条件をクリアしておく必要があり、出身校の推薦と入学確約という縛りも伴います。

進路別に出願できる学部を整理する

この受験資格を進路別に整理すると、次のようになります。

  • 4年制大学に2年以上在学中(62単位以上修得見込み)の方:出願できるのは経済学部のみです。理工学部・都市科学部は高専卒業者限定のため対象外です。
  • 短期大学卒業(見込み)の方:経済学部のみ出願できます。
  • 高等専門学校卒業(見込み)の方:経済学部・理工学部・都市科学部のすべてに出願資格があります。ただし理工学部・都市科学部は学科・EPが専門分野に沿ったものに限られるため、自分の専攻と合うかどうかは別途確認が必要です。
  • すでに学士を持っている社会人の方:経済学部の社会人選抜(学位取得後1年以上経過)に出願できます。理工学部・都市科学部には社会人向けの枠はありません。

試験科目【経済学部】

経済学部一般選抜の試験科目は、専門科目1本のみです。

選抜区分試験科目面接
一般選抜専門科目:経済学Ⅰ・経済学Ⅱのうちから1科目選択(60分)
経済学Ⅰ=経済原論、経済史および経済政策の分野と関連する基礎的学力を問う
経済学Ⅱ=マクロ経済、ミクロ経済および経済数学の分野と関連する基礎的学力を問う
社会人選抜口述試験(提出された論文についての質疑)。論文はテーマについての基本的な理解・見解の独創性と論理性・構成力と表現力で評価。口述試験は論文への理解度・専門科目に必要な基本的知識・社会人としての経験の活かされ方等で評価無(口述試験が実質的な対面評価)

一般選抜は経済学Ⅰ・Ⅱのどちらかを選んで解答する60分1本勝負で、英語の独自筆記試験も小論文も面接もありません。募集要項には「専門科目の得点と書類審査の結果を総合して合否が決まる」とあり、配点の比率までは公表されていません。出願時に提出する成績証明書や語学スコアも審査対象に含まれるため、専門科目の得点さえ良ければ良いという単純な設計ではない点は留意してください。

社会人選抜は、提出した論文をもとに口述試験(面接)が行われる形式です。2027年度募集要項には、実際に課される論文テーマが公表されています。①社会人経験のなかで経済・企業・地域・社会に問題意識を持った事例を2つ挙げ、その経験を踏まえて経済学部で何を学びたいかを論じるテーマ、②編入学によって一般の学生にどのようなプラスの影響を与えられるかを説明するテーマ、の2本立てで、原稿はA4横書き40字×25行、①は5枚以内・②は3枚以内という分量指定があります。執筆にあたって必ずしも論文形式である必要はないとされていますが、学術的な文章の書き方や論理的な文章の書き方ができていることが求められます。

一般選抜と社会人選抜、どちらを選ぶべきか

基礎資格を両方満たす方(たとえば学士取得後1年以上経過している方)は、どちらで出願するかを選べる立場になります。判断材料は次の2点です。

ひとつは、評価される能力の種類です。一般選抜は経済学Ⅰ・Ⅱという専門科目の得点力そのものが問われるのに対し、社会人選抜は自身の社会人経験を経済学的な問題意識に落とし込む言語化力と、口述試験での応答力が問われます。大学院や職務ですでに経済学に近い分析を扱ってきた方は一般選抜、実務経験は豊富だが専門科目の学習にブランクがある方は社会人選抜のほうが強みを活かしやすくなります。

もうひとつは、語学要件の有無です。一般選抜にはTOEFL・TOEICの語学要件がありますが、社会人選抜の基礎資格には語学要件の指定がありません。スコアの準備に時間を割きにくい社会人の方にとって、この違いは出願戦略に直結します。

試験科目【理工学部】

理工学部は基礎科目・専門科目・面接の3本立てで、EPごとに科目が分かれます。

学科・EP基礎科目専門科目面接
機械・材料・海洋系学科(機械工学EP)数学・物理材料力学、流体力学、熱力学
化学・生命系学科(化学EP)受験不要無機化学、有機化学、物理化学、分析化学
化学・生命系学科(化学応用EP)受験不要無機化学、有機化学、物理化学、分析化学
数物・電子情報系学科(電子情報システムEP)数学・物理電磁気学、電気回路、論理回路、電子工学、アルゴリズムの5問から4問選択
数物・電子情報系学科(情報工学EP)数学・物理論理回路、アルゴリズム、プログラミング

化学EP・化学応用EPだけは基礎科目(数学・物理)が受験不要で、専門4科目と面接に集中できます。一方、機械工学EP・電子情報システムEP・情報工学EPは基礎科目が必須です。入学者の選抜は、学力検査・面接・成績証明書・TOEFL iBTまたはTOEIC L&Rの成績・推薦書を総合して行われます。受験者は指定された科目をすべて受験する必要があり、1つでも欠けると合格者にはなりません。

試験科目【都市科学部】

都市科学部は学科によって出題形式がまったく異なります。

学科・枠試験科目面接
建築学科専門科目:建築史、建築計画、建築環境工学、建築構造学・建築構造力学、建築生産、建築設計製図(※)有(志望動機と学問への姿勢、問題解決能力、自己表現能力を評価)
都市基盤学科(一般枠)専門科目:「土木基礎数学」2問必須+「構造工学・水工学・地盤工学・土木計画学・コンクリート工学」(各2問・計10問)のうち4問選択有(複数面接員による個人面接。志望動機・学問への姿勢・数学物理の基礎知識・自己表現能力を評価)
都市基盤学科(特別枠)学力検査は免除有(志望動機・土木工学の基礎学理に関する質疑)

※建築学科の「建築設計製図」は、通常の実技試験ではなくポートフォリオ提出という形式です。受験者は高等専門学校の設計課題など自作であることを証明できる建築設計の作品を3点以上5点以下(共同設計は1点まで)、A2サイズ以下の冊子・ファイルにまとめ、「自作証明書」とともに試験当日に提出します。これをもって設計製図試験に代えるため、出願が決まった時点からポートフォリオの準備を始める必要があります。

都市基盤学科一般枠の専門科目は、土木基礎数学2問が必須のうえで、構造工学・水工学・地盤工学・土木計画学・コンクリート工学の計10問から4問を選ぶ設計です。5分野すべてを深く学ぶ必要はなく、得意な4分野に絞り込む戦略が立てられます。

理工学部の面接で評価される観点

理工学部はEPごとに面接で問われる観点が公表されています。専門科目の得点だけでなく、この観点に沿った受け答えの準備も対策の一部です。

EP面接で評価される内容
機械工学EPものづくりや自然科学に関する興味と姿勢、健全な大学生活を送るうえでの意欲など
化学EP・化学応用EPものづくりや自然現象に関する興味、数学・理科および英語に関する基礎知識、健全な大学生活を送るうえでの適性など
電子情報システムEP複数の面接員による個人面接。志望動機と学問に対する姿勢、数学・物理の基礎知識、自己表現能力など
情報工学EP複数の面接員による個人面接。志望動機と学問に対する姿勢、情報工学への関心の深さおよび関連する基礎知識、自己表現能力など

化学EP・化学応用EPだけは面接で「英語に関する基礎知識」が明示的に評価対象に含まれています。基礎科目(数学・物理)の受験が不要な代わりに、面接で英語の基礎力を確認される設計になっていると読み取れます。

英語の扱いは学部でまったく違う

横浜国立大学の編入学試験を理解するうえで実務的に重要なのが、英語の位置づけが学部で大きく異なる点です。

経済学部は、英語の独自筆記試験そのものがありません。一般選抜の試験科目は経済学Ⅰ・Ⅱの専門科目1本のみで、英語力はTOEFL iBTまたはTOEIC L&Rのスコア提出によって出願資格の段階で判定されます。つまり英語の得点は出願時点で確定しており、試験当日に英語で逆転するという戦い方は成立しません。なお、当サイトに残るMEGA資料には平成31年度・令和2年度分の経済学部「英語」過去問ファイルが存在しており、この時期には英語の独自筆記試験が行われていたことがうかがえます。現行の2027年度募集要項ではこの独自試験は科目表に登場せず、外部試験スコアの提出のみに切り替わっています。制度が変わっている可能性があるため、出願する年度の要項で英語試験の有無を必ず確認してください。

理工学部は、英語のスコア提出こそ求められるものの、具体的な基準点の指定がありません。「2024年7月以降にTOEFL iBTまたはTOEIC L&Rを受験していること」が出願要件で、そのスコアは学力検査・面接・成績証明書・推薦書とあわせて総合的に評価される一要素という位置づけです。

都市科学部は、英語試験・スコア提出そのものの指定がありません。専門科目と面接のみで選抜が行われます。

3学部を横断して言えるのは、いずれの学部でも英語の得点力を試験当日の一発勝負で伸ばす設計にはなっていないということです。経済学部志望なら早期にTOEFL・TOEICのスコアを確定させ、残りの時間を経済学Ⅰ・Ⅱの専門科目対策に充てるのが合理的です。英語対策の具体的な学習法は、横浜国立大学編入のTOEIC対策|必要スコアの目安と学習法を参照してください。

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日程・スケジュール【2027年度】

横浜国立大学の編入学試験は、学部によって実施時期が半年近くずれます。

学部出願期間試験日合格発表入学手続期間
経済学部2026年10月14日(水)〜10月20日(火)2026年11月16日(月)2026年12月17日(木)2027年2月26日(金)〜3月4日(木)
理工学部2026年5月8日(金)〜5月14日(木)2026年7月4日(土)2026年7月22日(水)2027年3月13日(土)〜3月18日(木)
都市科学部2026年5月8日(金)〜5月14日(木)2026年7月4日(土)2026年7月15日(水)2027年1月19日(火)〜1月28日(木)

理工学部・都市科学部は出願期間が5月上旬・試験日が7月上旬と早く、本記事を書いている2026年8月時点ではすでに2027年度分の出願・試験が終わっています。高専生でこれから理工学部・都市科学部を目指す場合は、次の募集(2028年度分、2027年5月頃出願開始が見込まれます)に向けて早めに準備を始めてください。一方、経済学部は出願が10月中旬、試験が11月中旬とこれから受験する方にとって現実的な時期です。出願期間はわずか1週間しかないため、語学要件のスコア取得は夏までに終えておく必要があります。

入学検定料は3学部とも30,000円、入学料は282,000円(現行額)、年間授業料は535,800円(現行額)で共通です。

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倍率・難易度【令和6〜8年度の実績】

ここからが、横浜国立大学の編入を考えるうえで最も重要なパートです。横浜国立大学は「編入学試験実施状況」として、編入学試験だけに分離した志願者数・受験者数・合格者数・入学者数を年度ごとに公表しています。法政大学のように転籍・転部・転科・継続学士入学の数字と混ざっていないため、そのまま使えます。

経済学部の実績

年度募集人員志願者数受験者数合格者数受験者に対する倍率
令和8年度(2026年度)15名86名(一般82・社会人4)74名(一般70・社会人4)15名(一般13・社会人2)4.9倍
令和7年度(2025年度)15名103名80名15名5.3倍
令和6年度(2024年度)15名121名(一般116・社会人5)107名16名(一般14・社会人2)6.7倍

経済学部は志願者数が3年連続で減少しています(121名→103名→86名)。それでも実質倍率(受験者数に対する合格者数の倍率)は6.7倍→5.3倍→4.9倍と、下がってはいるものの依然として高い水準を維持しています。志願者が減っても、合格者数自体が15〜16名でほぼ一定に保たれているためです。

理工学部の実績(EP別)

教育プログラム令和8年度(志願/受験/合格)令和7年度(志願/受験/合格)令和6年度(志願/受験/合格)
機械工学EP18/11/416/11/316/14/5
化学EP16/15/55/3/25/5/3
化学応用EP9/6/33/2/20/0/0
電子情報システムEP25/18/921/15/717/16/7
情報工学EP18/13/623/20/621/20/6
合計86/63/2768/51/2059/55/21

理工学部合計の実質倍率は令和6年度2.6倍→令和7年度2.6倍→令和8年度2.3倍と、経済学部よりかなり低い水準で安定しています。EP別に見ると、令和8年度は化学EP(15名受験・5名合格・3.0倍)がもっとも競争率が高く、化学応用EP・電子情報システムEP(いずれも2.0倍)が比較的通りやすい結果でした。化学応用EPは令和6年度に志願者0名だった年もあり、年度によるブレが大きい点には注意が必要です。

都市科学部の実績

学科令和8年度(志願/受験/合格)令和7年度(志願/受験/合格)令和6年度(志願/受験/合格)
建築学科(2年次・募集2名)11/7/57/7/412/12/4
都市基盤学科(3年次・募集5名)21/17/1123/21/1223/21/9
合計(募集7名)32/24/1630/28/1635/33/13

都市科学部は3学部のなかでもっとも実質倍率が低く、令和8年度は合計で1.5倍(受験24名・合格16名)でした。ただし募集人員が7名(建築2名・都市基盤5名)ときわめて小さいため、1〜2名の増減で倍率が大きく動きます。

学部間で倍率の差がもっとも大きい

3学部の倍率を並べると、横浜国立大学の編入では「2年次か3年次か」よりも「どの学部を選ぶか」のほうが倍率への影響がはるかに大きいことがわかります。

令和8年度の実質倍率(受験者数に対する合格者数)を比べると、経済学部4.9倍、理工学部2.3倍、都市科学部1.5倍という順になります。同じ横浜国立大学の編入でも、学部によって3倍以上の開きがあります。これは、経済学部が4年制大学生・短大生・高専生という広い母集団から15名を選抜しているのに対し、理工学部・都市科学部は高専の関連学科出身者という狭い母集団のなかで選抜が行われているためと考えられます。

都市科学部の内部で2年次(建築学科)と3年次(都市基盤学科)を比べると、実質倍率は建築学科が1.4〜3.0倍、都市基盤学科が1.6〜2.3倍で、法政大学のように「3年次のほうが明確に通りやすい」といった一貫した傾向は見られません。募集人員が2名・5名と小さいため、年度ごとの偏りのほうが年次による差より大きく出ています。

倍率の数字を読むときの注意

この倍率をそのまま「合格しやすさ」と読むのには注意が必要です。理工学部の各EPは募集人員が「若干名」と定められており、大学は明確な定員数を約束していません。実際、令和6年度の化学応用EPは志願者そのものがゼロでした。逆に都市科学部建築学科は募集2名に対して令和6年度は12名が志願し、合格者は4名にとどまっています。母数が小さい学部・学科ほど、単年度の数字ではなく複数年度の傾向で判断してください。

また、募集人員が数値で明記されている経済学部・都市科学部については「志願倍率(志願者数÷募集人員)」と「実質倍率(受験者数÷合格者数)」の2種類を分けて見る必要があります。令和8年度の志願倍率は、経済学部が86名÷15名で5.7倍、都市科学部が32名÷7名で4.6倍と、実質倍率(経済学部4.9倍・都市科学部1.5倍)より両学部とも高く出ます。とくに都市科学部は、志願倍率で見ると経済学部とさほど変わらない水準に見えるのに、実際に受験まで進んだ人のなかでの倍率(実質倍率)は大きく下がります。出願段階で撤退する志願者が一定数いることの表れで、最後まで受験する前提で自分の実力を評価するなら、実質倍率のほうが実態に近い数字です。

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学部ごとの「要件」に落とし穴がある

横浜国立大学の募集要項には、合否とは別に入学後の負担に関わる規定が明記されています。

経済学部:認定単位数によっては2年間で卒業できない

経済学部に編入後、学士の学位を得るには2年以上在学して所定の単位を修得する必要があります。出身大学(学部)や出身学校で修得した単位は、原則として卒業要件単位の全部または一部として認定されますが、専門科目についてはシラバスを検討し、横浜国立大学が開設する同等の科目と内容的に一致すると判断される場合のみ認定されます。認定される単位数によっては2年間で卒業できない場合があると募集要項に明記されています。

理工学部:出願できるEPは1つだけ、既修得単位の認定は入学後

理工学部は出願できる学科・教育プログラムが1つのみと定められています。複数のEPに興味があっても、出願段階でどれか1つに絞る必要があります。また既修得単位の認定は、入学手続完了後に編入学生と教務担当教員が面談等を行って決定する仕組みで、入学手続前の個別の単位認定には対応していません。出願前に「何単位が認定されるか」を大学に問い合わせても、確定した回答は得られない点を理解しておいてください。

都市科学部:特別枠は「学力検査なし」だが出願前の要件が重い

都市基盤学科の特別枠は学力検査が免除される一方、出願前の時点で卒業時(または第4学年次通算)の成績が学科内上位10%以内であることと、出身校長の推薦、合格した場合の入学確約が求められます。学力検査を回避できる分、出願資格そのもののハードルが高い設計になっています。

学部別に、何から手をつけるべきか

経済学部を志望する場合

一般選抜は経済学Ⅰ・Ⅱから1科目を選ぶ60分の専門科目試験のみで、面接はありません。英語はTOEFL・TOEICのスコア提出で決着するため、まずスコアを確定させ、残りの期間はすべて経済学Ⅰ(経済原論・経済史・経済政策)または経済学Ⅱ(マクロ経済・ミクロ経済・経済数学)のどちらか一方に絞って学習するのが効率的です。社会人選抜を受ける場合は、募集要項に公表されている論文テーマ(社会人経験のなかで問題意識を持った事例と、編入学によって一般学生に与えられるプラスの影響)に沿って、A4横書き40字×25行での論述練習が必要になります。志望理由書の書き方は【2027年度】横浜国立大学編入の志望理由|例文・面接対策、小論文対策は横浜国立大学編入の小論文対策|出題傾向と書き方で別途まとめています。学部全体の詳細な出願資格・過去問対策は横浜国立大学経済学部の編入試験を徹底解説を参照してください。

理工学部を志望する場合

高専卒業者限定です。志望するEPが編入学生を募集しているかを最初に確認し(材料工学EP・海洋空間のシステムデザインEP・バイオEP・数理科学EP・物理工学EPは募集していません)、基礎科目(数学・物理、化学系2EPは受験不要)と専門科目、面接をEPごとの科目表に沿って準備します。TOEFL・TOEICは基準点の指定がないぶん、受験実績を作ること自体を早めに済ませておくのが安全です。

EPごとの優先順位も具体的に立てておきましょう。機械工学EPは材料力学・流体力学・熱力学の3科目に基礎科目(数学・物理)が加わるため、出題範囲が広くなります。早期に3力学の基礎を固めてください。化学EP・化学応用EPは基礎科目が免除される一方、無機化学・有機化学・物理化学・分析化学の4科目すべてが専門科目に含まれ、面接でも英語の基礎知識が問われます。専門4科目を並行して仕上げつつ、面接での英語対応も準備してください。電子情報システムEPは電磁気学・電気回路・論理回路・電子工学・アルゴリズムの5問から4問を選ぶ形式なので、苦手な1分野を捨てられる設計です。得意な4分野を早期に固定しましょう。情報工学EPは論理回路・アルゴリズム・プログラミングの3科目で、選択制ではなく全範囲が対象になります。令和8年度の実質倍率が2.17倍と5EPのなかでも比較的抑えめだった一方、志願者数の年度変動も大きいため、油断せず全科目を仕上げる前提で計画してください。詳細は横浜国立大学理工学部の編入試験を徹底解説を参照してください。

都市科学部を志望する場合

高専卒業者限定です。建築学科を志望するなら、専門科目(建築史・建築計画・建築環境工学・建築構造学・建築構造力学・建築生産)の対策と並行してポートフォリオ(自作の建築設計作品3〜5点)の準備を早期に始める必要があります。試験直前にまとめられるものではないため、在学中の設計課題の記録をこまめに残しておいてください。募集人員が2名と全学部のなかで最少である点も踏まえ、面接での評価軸(志望動機・学問への姿勢・問題解決能力・自己表現能力)に沿った準備も並行して進めてください。

都市基盤学科は一般枠と特別枠で戦略が分かれます。一般枠は土木基礎数学2問が必須、残り10問(構造工学・水工学・地盤工学・土木計画学・コンクリート工学から各2問)のうち4問を選ぶ形式です。5分野すべてに手を広げるのではなく、在学中の得意科目から早めに4分野を確定し、その分野を深める方針が効率的です。特別枠を狙う場合、対策の中心は学力検査ではなく出願前の成績維持です。出身校での卒業時または第4学年次通算の成績が学科内上位10%以内という基準を満たす必要があるため、対策を始める時期には遅くとも第4学年の時点で高い成績を維持できているかが分かれ目になります。特別枠は面接のみで、志望動機と土木工学の基礎学理に関する質疑が行われます。詳細は横浜国立大学都市科学部の編入試験を徹底解説を参照してください。

過去問はどこで手に入るか

横浜国立大学は3学部とも過去問を公式に公開していますが、公開のされ方が学部で異なります。

経済学部は、入試問題(面接を除く)の正解・解答例または出題意図を、合格者発表後概ね14日間程度、大学ウェブサイト(入試問題の情報開示ページ)で開示すると募集要項に明記されています。常時公開ではなく期間限定の開示である点に注意してください。

理工学部・都市科学部は、2023年度(令和5年度)入試以降の編入学試験過去問題を「サイバーカレッジ(高大連携大学入試過去問共同利用プログラム)」で公開しています(大学の案内ページ)。ただしこのサイバーカレッジは高等学校・高等専門学校向けの共同利用プログラムであり、受験生個人が自由にダウンロードできる一般公開ページではありません。理工学部の募集要項には「過去問題の請求については、各高等専門学校より文書にて理工学部入試係へ送付依頼をしていただく必要があります(最大3年分)。個人に対しての過去問題の送付は行っておりません」と明記されており、原則として出身高専の進路指導窓口等を経由して入手する形になります。

公開されている経済学部過去問から読み取れる出題テーマ

ここからは、横浜国立大学経済学部の公開過去問(平成15年度〜令和3年度、専門科目)をもとに、経済学Ⅰ・経済学Ⅱの出題テーマを整理します。問題文そのものは掲載できないため、テーマと形式、そこから導ける対策の方向を中心に解説します。なお理工学部・都市科学部の過去問は前述のとおり個人が入手できる形で公開されていないため、本節は経済学部に絞って扱います。

経済学Ⅰ・経済学Ⅱの構成は対照的

解答用紙の構成を確認すると、経済学Ⅰは複数の大問のなかから解答する問題を自分で選ぶ「問題番号選択」の欄が設けられているのに対し、経済学Ⅱは年度によって「問題1」「問題2」「問題3」のように通し番号で出題され、すべてに解答する形式が多く見られます。同じ60分の試験でも、経済学Ⅰと経済学Ⅱでは答案の組み立て方が異なるため、過去問を解く段階でどちらの型に近いかを意識してください。

ミクロ経済学の頻出テーマ

ミクロ経済学の分野では、次のようなテーマが繰り返し出題されています。

  • 完全競争企業の費用関数と操業停止:複数企業が同一の生産技術を持つ産業を題材に、限界費用・平均費用・平均可変費用曲線から各企業が直面する固定費用や総費用関数を導出させ、損益分岐価格と生産中止価格を求めさせる問題。産業全体の総供給関数を価格の関数として導出させ、短期均衡価格と各企業の利潤まで計算させる、大問全体を通した一連の流れになっているのが特徴です
  • 独占企業の利潤最大化:需要関数と費用関数から独占企業が設定する価格・供給量・利潤を求めさせる問題が複数年度で繰り返されています。出版社が本の価格を決めるという題材で、出版社の粗利潤最大化・著者の印税収入最大化・出版社の純利潤最大化という3通りの価格決定を比較させ、それぞれの価格の高低を説明させる出題も見られました
  • 消費税・価格規制の厚生分析:消費税賦課前後の消費者余剰・生産者余剰・政府余剰(総余剰)を比較させる問題、独占企業に対して政府が価格を5円などに規制した場合の消費者余剰・生産者余剰・社会的余剰・死荷重を求めさせる問題。「消費税導入の経済効果についてわかったことを3行以内で簡潔に述べよ」のように、計算結果を言葉で要約させる設問が必ずセットになっています
  • 効用関数と無差別曲線:コブ=ダグラス型(u=xy)・線形型(u=x+3y)・レオンチェフ型(u=min{x,y})など複数の効用関数の形状を図示させ、限界代替率や需要関数(価格弾力性・所得弾力性を含む)を導出させる問題。予算制約式のもとで効用を最大化する消費量の組み合わせを求めさせる形式も頻出です
  • 労働市場・買い手独占とゲーム理論:生産関数を持つ企業の労働需要関数を求めさせる問題に加え、近年は買い手独占企業に対する最低賃金規制が失業を生まずに雇用を増やせる範囲を求めさせる問題、2企業が労働市場でクールノー競争を行う設定で買い手独占が生じる条件を導出させる問題、エコカー導入をめぐる利得行列からナッシュ均衡・支配戦略均衡を判定させる問題など、ゲーム理論を用いたやや発展的なテーマも出題されています
  • 資源配分の効率性:エッジワースのボックス・ダイアグラムを用いて、ある配分点がパレート効率的か・市場均衡かを理由とともに判定させる問題、2消費者の限界代替率が等しいときに資源配分がパレート効率的になる理由を説明させる問題

マクロ経済学の頻出テーマ

マクロ経済学の分野では、次のようなテーマが繰り返されています。

  • GDPと物価指数:2財だけを生産する閉鎖経済を題材に、複数年分の価格・数量データの表から名目GDP・実質GDPを計算させ、GDPデフレーターで測った物価水準の変化を求めさせる問題。消費者物価指数とGDPデフレーターの動きが大きく異なる状況を具体例とともに説明させる問題も出題されています
  • IS-LM分析:消費関数・投資関数・貨幣需要関数が具体的な数式で与えられ、財政政策(政府購入の増加)や金融政策(マネーサプライの変化)がIS曲線・LM曲線、均衡GDP・実質利子率にどう影響するかを計算させる問題。拡張的な財政政策による乗数効果と、金融政策を組み合わせた場合の効果の違いを説明させる出題も見られます
  • 貨幣理論:中央銀行と市中銀行の単純化した貸借対照表からハイパワードマネーとマネーサプライを計算させる問題、現金・当座預金・定期預金の比率からハイパワードマネー1単位の増加が貨幣量をどれだけ増加させるかを求めさせる問題、中央銀行が公開市場で国債買いオペを行った場合の貨幣供給残高の最大増加額を求めさせる問題
  • 異時点間の消費決定:2期間モデルにおける個人の効用関数から生涯予算制約式を導出させ、第1期と第2期の消費が等しくなる利子率の条件を求めさせる問題。所得ではなく消費で不平等を計測する立場について、ライフサイクル仮説の観点から論じさせる記述式の問題も出題されています
  • 経済成長モデル:コブ=ダグラス型の生産関数を用いたソロー成長モデルで、1人当たり資本ストックの蓄積式・成長率・定常状態の値をモデルのパラメータ(貯蓄率・人口増加率・資本減耗率など)で導出させる問題。定常状態にある経済への移民受け入れが1人当たり資本ストックと実質賃金率に与える影響を時間の経過とともに説明させる、やや発展的な出題もありました
  • 開放マクロ経済:実質GDP・実質利子率・為替相場などを内生変数、貨幣供給量や外国の物価水準などを外生変数とする7本の方程式からなるマクロモデルが与えられ、IS曲線・LM曲線を表す式やその全微分形を導出させ、外国の実質利子率の上昇がIS曲線を右方にシフトさせることを証明させる問題。設問の最後で、そのモデルが古典派の閉鎖経済モデルかケインジアンの45度線図モデルかマンデル=フレミングモデルかを判定させる形式も見られました

英語試験は過去に存在した可能性がある

横浜国立大学経済学部の過去問アーカイブには、平成31年度・令和2年度分について「英語」と題されたファイルが別途存在しています。中身までは確認できませんが、この時期には専門科目とは別に英語の独自筆記試験が実施されていた可能性を示しています。現行の2027年度募集要項では、一般選抜の試験科目は経済学Ⅰ・Ⅱの専門科目のみで、英語は外部試験のスコア提出に一本化されています。制度が年度によって変わってきた分野であるため、出願する年度の募集要項で英語試験の有無を必ず確認してください。

過去問から導ける学習の順番

ここまでの情報をまとめると、経済学部の対策は次の順番で進めるのが合理的です。

  1. 経済学Ⅰ・経済学Ⅱのどちらを選択するかを、早い段階で決める(得意分野で選ぶ)
  2. 選んだ科目の頻出テーマ(ミクロなら費用関数・独占・厚生分析・効用関数、マクロならIS-LM・貨幣理論・成長モデル)を、標準的な教科書の該当章で一通り押さえる
  3. 60分という制限時間で、計算過程を書きながら完答する練習を繰り返す
  4. TOEFL・TOEICのスコアを、出願期間(10月中旬)に間に合うよう夏までに確定させる
  5. 社会人選抜を受ける場合は、公表されている論文テーマに沿ってA4横書き40字×25行での論述を、規定枚数(5枚以内・3枚以内)に収める練習をする

本節で扱った出題テーマは、いずれも横浜国立大学経済学部の平成15年度〜令和3年度の過去問題資料に基づいています。出題内容は年度によって変わるため、必ず最新の公開資料をご自身で確認してください。

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単位認定と修業年限

編入は合格したあとの負担も確認しておく必要があります。理工学部・都市科学部の募集要項には「編入学の時期および修学条件」という章があり、いずれの学部もGPA(Grade Point Average)の基準を満たしたうえで、学部が定める卒業の審査に合格する必要があると明記されています。単位を形式的に満たすだけでなく、成績評価の水準そのものが卒業要件に組み込まれている点は、他大学の編入学試験にはあまり見られない特徴です。

既修得単位の認定についても、理工学部・都市科学部は入学手続完了後に編入学生と教務担当教員が面談等を行って決定する仕組みで、入学手続前に個別の単位認定を確認することはできません。出願前の段階で「自分は何年で卒業できるのか」を大学に問い合わせても、確定した回答は得られないという前提で出願計画を立ててください。

経済学部も同様に、認定される単位数によっては2年間で卒業できない場合があると募集要項に明記されています。とくに基礎資格③(4年制大学に2年以上在学し62単位以上を修得した者)で出願する場合、出身大学のカリキュラムと経済学部のカリキュラムがどこまで重なるかによって、認定単位数が大きく変わります。

併願をどう組むか

横浜国立大学の理工学部・都市科学部は高専卒業者限定のため、4年制大学在学者や短期大学卒業者が横浜国立大学への編入を考える場合、選べるのは経済学部だけです。経済学部と併願する場合は、経済学部の編入試験を実施している他大学を組み合わせるのが基本戦略になります。試験日は2026年11月16日(月)のため、この日程と重ならない大学を選んでください。当サイトでは中央大学経済学部の編入対策経済学部 編入を徹底解説も別途まとめているので、併願先の候補として参照してください。

高専生の場合は、横浜国立大学の理工学部・都市科学部に加えて、他の国立大学の高専編入枠(電気通信大学、東京都立大学など)を併願する設計が一般的です。理工学部・都市科学部の試験日はいずれも2026年7月4日(土)と同日のため、この2学部を同時に受けることはできません。志望するEP・学科をどちらか一方に絞る必要があります。

よくある質問

横浜国立大学の編入は難しいですか。

学部によって大きく異なります。令和8年度の実績では、経済学部の実質倍率(受験者数に対する合格者数)が4.9倍ともっとも高く、理工学部が2.3倍、都市科学部が1.5倍でした。「横浜国立大学の編入」とひとくくりにできる難易度は存在しません。

横浜国立大学の編入の倍率はどれくらいですか。

令和8年度の編入学試験の実績で、経済学部は志願86名・受験74名・合格15名(倍率4.9倍)、理工学部は志願86名・受験63名・合格27名(倍率2.3倍)、都市科学部は志願32名・受験24名・合格16名(倍率1.5倍)でした。学部・EP別の内訳は本文の表を参照してください。

4年制大学の在学生でも横浜国立大学に編入できますか。

経済学部のみ出願できます。修業年限4年以上の大学に2年以上在学し、62単位以上を修得(見込みを含む)していれば基礎資格を満たします。理工学部・都市科学部は高等専門学校卒業者に限定されており、4年制大学の在学者・卒業者は出願できません。

高専からでも横浜国立大学経済学部に編入できますか。

できます。経済学部の基礎資格には高等専門学校卒業者(見込みを含む)が含まれています。理工学部・都市科学部と違い、経済学部は学士取得者・短期大学卒業者・4年制大学在学者にも開かれた学部です。

英語の勉強はどれくらい必要ですか。

学部によります。経済学部は英語の独自筆記試験がなく、TOEFL iBT(バンドスコア3.5もしくは61点)またはTOEIC L&R(620点)のスコア提出で判定されます。理工学部もスコア提出は必要ですが具体的な基準点の指定はありません。都市科学部は英語試験・スコア提出の指定自体がありません。いずれの学部でも、試験当日に英語を伸ばして逆転する設計にはなっていません。

都市科学部建築学科のポートフォリオとは何ですか。

建築設計製図の試験に代えて提出する、自作の建築設計作品集です。高等専門学校の設計課題などから自作であることを証明できる作品を3点以上5点以下(共同設計は1点まで)選び、A2サイズ以下の冊子・ファイルにまとめ、自作証明書とともに試験当日に提出します。試験直前に用意できるものではないため、在学中から準備しておく必要があります。

過去問はどこで手に入りますか。

経済学部は、入試問題の正解・解答例または出題意図を合格者発表後概ね14日間程度、大学ウェブサイトで開示しています。理工学部・都市科学部は、2023年度(令和5年度)入試以降の過去問を「サイバーカレッジ」という高等学校・高等専門学校向けの共同利用プログラムで公開していますが、個人が自由に閲覧できる一般公開ページではなく、原則として出身高専を通じて入手する形になります。

社会人でも受けられますか。

経済学部には社会人選抜があります。学士の学位を取得した後1年以上経過している者、または短期大学・高等専門学校を卒業した後3年以上経過している者が対象で、論文提出と口述試験によって選抜されます。理工学部・都市科学部には社会人向けの枠はありません。

都市科学部都市基盤学科の「特別枠」とはどのような制度ですか。

学力検査が免除される枠ですが、出願前の時点で卒業時または第4学年次通算の成績が学科内上位10%以内であること、出身校長の推薦、合格した場合の入学確約が条件になります。学力検査を回避できる代わりに、出願資格そのもののハードルが高い制度です。

理工学部はどの教育プログラムでも編入できますか。

できません。編入学生を募集しているのは機械工学EP・化学EP・化学応用EP・電子情報システムEP・情報工学EPの5つだけです。材料工学EP・海洋空間のシステムデザインEP・バイオEP・数理科学EP・物理工学EPでは編入学生の募集を行っていません。

編入すると2年間(または3年間)で卒業できますか。

学部と認定される単位数によっては、標準の年限で卒業できない場合があります。理工学部・都市科学部は、GPAの基準を満たしたうえで学部が定める卒業の審査に合格する必要があると募集要項に明記されており、既修得単位の認定は入学手続完了後の面談を経て決まるため、出願前に卒業年限を確定させることはできません。経済学部も同様に、認定単位数によっては2年間で卒業できない場合があるとされています。

理工学部・都市科学部と経済学部を同時に受けられますか。

年次と試験日が異なるため、日程上は両方に出願すること自体は可能です。ただし理工学部と都市科学部は試験日がいずれも2026年7月4日(土)で同日のため、この2学部を同時に受けることはできません。加えて理工学部・都市科学部は高等専門学校卒業者に限られるため、4年制大学の在学者・短期大学卒業者はそもそも経済学部しか出願できません。

まとめ

横浜国立大学の編入試験について、募集要項と実績データから確認できることを整理します。

まず、編入学試験を実施しているのは経済学部・理工学部・都市科学部の3学部だけで、そのうち理工学部・都市科学部は高等専門学校卒業者限定です。4年制大学の在学者や短期大学卒業者が横浜国立大学への編入を目指す場合、選べるのは経済学部だけになります。

次に、倍率は学部間の差がもっとも大きい要素です。令和8年度の実質倍率は経済学部4.9倍・理工学部2.3倍・都市科学部1.5倍で、3倍以上の開きがあります。法政大学のような「同一学部内での2年次と3年次の差」よりも、横浜国立大学では「どの学部を選ぶか」が難易度を大きく左右します。

そして英語の扱いは学部で異なります。経済学部・理工学部はスコア提出型で試験直前の逆転が構造的に難しく、都市科学部は英語試験・スコア提出の指定自体がありません。都市科学部建築学科を志望する場合は、専門科目とは別にポートフォリオの準備を早期に始める必要があります。

最後に、過去問は経済学部が期間限定でウェブ公開、理工学部・都市科学部は高専向けの共同利用プログラム経由という、学部によって入手経路が異なる点にも注意してください。

本記事の数値は横浜国立大学が公表する2027年度(令和9年度)編入学試験募集要項(経済学部・理工学部・都市科学部)、および令和6年度〜令和8年度の編入学試験実施状況に基づいています。制度・日程・募集人員・試験科目は年度によって変更されるため、出願前には必ず横浜国立大学が公表する最新の募集要項をご確認ください。

横浜国立大学に編入した合格者の声

当サイトでは、実際に横浜国立大学経済学部へ編入した方のインタビューを記事化しています。試験科目や日程だけではわからない、対策の進め方や当日までの過ごし方はこちらを参照してください。

社会人の方は社会人が横浜国立大学に編入する方法|両立スケジュールと出願準備もあわせてご覧ください。

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