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埼玉大学の編入試験を徹底解説|学部別の募集人員・試験科目・日程・倍率と対策【2027年度】

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埼玉大学の編入学試験は、教養学部・経済学部・工学部の3学部でしか実施されておらず、教育学部と理学部には編入学の制度そのものがありません。そして実施している3学部も、試験の中身がまったくの別物です。教養学部は志望する専修課程ごとに英語や論述の学力検査が課され、経済学部(昼間コース)は専門科目の筆記も小論文もなく外部英語試験のスコアと面接だけで合否が決まり、工学部は逆に英語の試験が一切なく数学だけで勝負します。「埼玉大学の編入」を一つの対策でまとめて語ることはできない大学だといえます。

この記事では、埼玉大学教養学部・経済学部・工学部が公表している2027年度の学生募集要項と、直近の志願・合格者数の実績をもとに、学部別の募集人員・受験資格・試験科目・日程・倍率を整理します。あわせて、工学部が公表している数学の過去問題と、教養学部の学力検査の構成から読み取れる出題傾向まで踏み込んで解説します。

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埼玉大学は埼玉県さいたま市桜区に本部を置く国立大学法人で、教養学部・経済学部・教育学部・理学部・工学部の5学部を擁する総合大学です。首都圏の国立大学の中でも、編入学の間口が学部によってこれほど明確に分かれている大学は多くありません。志望校選びの段階で「埼玉大学だから」ではなく「教養学部のグローバル・ガバナンス専修課程だから」「工学部の環境社会デザイン学科だから」というように、学部・学科・専修課程の単位で判断する必要があります。

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目次

埼玉大学の編入学試験は3学部だけ|教育学部・理学部は実施していない

埼玉大学は教養学部・経済学部・教育学部・理学部・工学部の5学部で構成されていますが、第3年次編入学試験(学生募集要項)を公表しているのは教養学部・経済学部・工学部の3学部だけです。埼玉大学の入試情報ページに掲載されている学生募集要項を確認すると、編入学に関する要項は教養学部・経済学部(昼間コース、夜間主コース)・工学部の3学部分のみで、教育学部と理学部の編入学募集要項は公表されていません。

志望学部を検討する段階で、まずこの事実を押さえておく必要があります。「埼玉大学の教育学部に編入したい」「理学部で学び直したい」と考えても、現時点で公表されている制度の中にその選択肢は存在しません。教員免許の取得や理学系の学び直しを埼玉大学で検討している場合は、学部単位の編入ではなく、別の入試区分(学士編入学が可能な大学院を含む)や他大学の編入学試験を検討する必要があります。

経済学部には「編入学」とは別に社会人選抜がある

経済学部には、昼間コースの第3年次編入学試験のほかに、夜間主コースの社会人選抜という別の入学区分があります。この社会人選抜は、大学入学資格があり令和9年4月1日時点で満23歳以上の者を対象とした、いわば1年次からの社会人入学制度で、大学院への進学までを見据えた「じっくり学ぶ社会人の学び直しの場」として設計されています。既修得単位がある場合は本学部の基準に従って卒業必要単位として認定されますが、募集要項上は「編入学」ではなく「社会人選抜」として扱われており、入学時期は令和9年4月、年次を指定しない入学という建て付けです。すでに大卒者で経済学を学び直したい社会人は、昼間コースの編入学(3年次からのメジャー選択)と、夜間主コースの社会人選抜(1年次からのやり直し)のどちらが自分に合っているかを、最初に見極める必要があります。夜間主コースの詳細は、当サイトの社会人が埼玉大学に編入する方法もあわせてご覧ください。

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学部別の募集人員と専攻・学科構成【2027年度】

実施している3学部も、募集の単位(専攻・学科の分け方)と募集人員の示し方がそれぞれ異なります。

学部専攻・学科構成募集人員
教養学部(教養学科)グローバル・ガバナンス/現代社会/哲学歴史/ヨーロッパ・アメリカ文化/日本・アジア文化の5専修課程(各専修課程は1〜3専攻に細分)一般入試30名(社会人入試・私費外国人留学生入試は若干名)。各専修課程・専攻の受入れ人員はそれぞれ若干名
経済学部(昼間コース・経済学科)経済分析/国際ビジネスと社会発展/経営イノベーション/法と公共政策の4メジャー経済学科として10名(メジャー別の内訳は非公表)
経済学部(夜間主コース・社会人選抜)経済学科1学科15名
工学部機械工学・システムデザイン学科/電気電子物理工学科/環境社会デザイン学科の3学科(情報工学科・応用化学科は編入学の募集対象外)各学科「若干名」

この表から読み取れる重要な点を整理します。

教養学部には令和8年度から共生構想専修課程が新設されていますが、令和9年度の編入学者はこの専修課程に所属できません。募集要項に「共生構想専修課程には、令和9年度編入学者は所属することはできません」と明記されています。教養学部の編入で選べるのは、グローバル・ガバナンス、現代社会、哲学歴史、ヨーロッパ・アメリカ文化、日本・アジア文化の5専修課程です。

工学部は5学科のうち3学科でしか編入学を実施していません。情報工学科と応用化学科は編入学試験の募集対象に含まれておらず、機械工学・システムデザイン学科、電気電子物理工学科、環境社会デザイン学科の3学科に限られます。情報系・応用化学系の分野を埼玉大学で学びたい場合、この編入学試験では入学できません。

経済学部は学科としては経済学科1学科に統合されており、内部の4メジャーから出願時に1つを選択する形式です。募集人員はメジャーごとに割り振られておらず、経済学科全体で10名という枠を4メジャーで奪い合う構造になっています。入学検定料の支払い後はメジャーの変更が一切認められないため、出願前にどのメジャーを志望するか固めておく必要があります。

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受験資格|学部で出願区分の数え方がまったく違う

受験資格も学部ごとに区分の数と内容が異なります。共通しているのは「学士を持つ者」「短大・高専卒業者」「4年制大学に一定期間在学し一定単位を修得した者」という骨格ですが、細部の要件は学部で違うため、志望学部が決まったら必ずその学部の区分で確認する必要があります。

学部出願資格の区分数高専卒業者の扱い
教養学部(一般入試)①〜⑨の9区分②に短大卒業者とあわせて明記。共通資格として出願可能
経済学部(昼間コース)(1)〜(7)の7区分(2)に短大卒業者とあわせて明記。共通資格として出願可能
工学部(1)〜(6)の6区分(3)に単独の区分として明記。共通資格として出願可能

埼玉大学は3学部とも、高等専門学校卒業者を共通の出願資格として明確に受け入れています。これは大学によっては3年次編入の共通資格から高専卒業者が外れているケースがあるため、押さえておく価値のある点です。工学部の出願資格(3)には「高等専門学校を卒業した者及び令和9年3月までに卒業見込みの者」と単独の項目として明記されており、機械・電気電子・土木建設系の高専出身者にとって素直な受け皿になっています。

一方で、大学在学中に出願する場合の単位要件は学部で異なります。教養学部の一般入試③④は「2年以上在学し62単位以上」(見込みの場合は出願時31単位以上)が条件ですが、経済学部(昼間コース)の(3)は「62単位以上を修得し、かつ2年以上在学」、工学部の(4)も同様に「62単位以上を修得し、かつ2年以上在学」です。数値としてはほぼ同じ62単位ラインですが、教養学部だけ出願時点での中間到達(31単位以上)が明示的に求められている点に注意してください。

教養学部の出願資格には、外国の大学・短期大学等の卒業者・修了者向けに⑦⑧⑨という区分があり、これらに該当する場合は出願前に個別の出願資格審査(令和8年8月20日〜9月3日必着で書類を郵送)を受ける必要があります。審査を経ないと出願自体ができないため、該当する場合は早期の準備が必須です。経済学部・工学部にも外国の課程修了者向けの区分がありますが、教養学部のような事前審査の手続きは募集要項上明記されていません(学部により運用が異なる可能性があるため、該当する場合は各学部係に確認してください)。

すでに学士を持つ既卒者・社会人にとっては、3学部とも「学士の学位を有する者」を出願資格の筆頭に掲げている点で共通しています。教養学部の①、経済学部の(1)、工学部の(1)がこれにあたり、卒業した大学の分野を問わず出願できます。一方、大学在学中に出願する現役の大学生にとっては、修得単位数の基準が実質的な分岐点になります。教養学部は出願時点で31単位以上・入学までに62単位以上、経済学部・工学部は62単位以上かつ2年以上在学という条件で、いずれも「大学2年修了相当」の学力を単位数で示す構造です。自分の履修状況が62単位のラインに届くかどうかは、出願を検討し始めた時点で成績表を使って早めに数えておくことをおすすめします。

より詳しい出願資格の分岐は、当サイトの埼玉大学教養学部の編入試験を徹底解説埼玉大学経済学部の編入試験を徹底解説埼玉大学工学部の編入試験を徹底解説でそれぞれ学部単位に整理しています。

出願書類は学部で何が求められるか|「志望の理由」の有無という違い

出願時に提出する書類も、学部によって組み合わせが異なります。共通するのは入学志願票・成績証明書・卒業(見込)証明書ですが、「志望の理由」という書類の扱いが学部で大きく違う点は見落とされがちです。

学部「志望の理由」の提出字数・様式
教養学部(一般入試)提出書類として明記されていない―(社会人入試のみ、専修課程に関連した学習歴レポート2,000字程度を提出)
経済学部(昼間コース)必須(選抜の基礎資料ではなく面接の参考資料として使用)1,000字以内。本学ホームページ掲載の様式を使用
工学部必須(提出資料は面接の際に使用し総合的な判断に用いる)字数指定なし。本学ホームページ掲載の様式を使用

教養学部の一般入試には、経済学部・工学部のような「志望の理由」書類の提出が求められていません。教養学部の一般入試出願書類は志願票・成績証明書・卒業(見込)証明書・出願資格等証明書が中心で、志望動機を文章化して提出する機会は募集要項上明記されていないのです。その代わり、教養学部は第2次選考の面接で「入学前の学習活動をはじめとする各種の特記事項、本学部での勉学意欲などを含めて総合的に評価」するとしており、志望動機の言語化は面接の場で口頭により行うことになります。志望理由書という「事前に練り上げて提出する」機会がない分、面接本番での説明力がより重要になると考えられます。なお、社会人入試のみ、志望する専修課程・専攻に関連した学習歴レポート(2,000字程度)の提出が求められ、これが第2次選考の面接資料として扱われます。

経済学部・工学部はいずれも「志望の理由」の提出が必須で、経済学部は1,000字以内という明確な上限が設定されています。どちらも合否判定の直接の配点対象ではなく「面接のための参考資料」「面接の際に使用する資料」という位置づけですが、面接官が事前に読んだうえで質問を組み立てる以上、書いた内容と面接での回答に一貫性を持たせる準備が欠かせません。志望理由書の書き方は、当サイトの埼玉大学編入の志望理由書の書き方で詳しく解説しています。

検定料・入学料・授業料|学部で金額はほぼ共通

試験の設計はここまで見てきたとおり学部でまったく違いますが、費用面は3学部でほぼ統一されています。

学部・入試区分入学検定料入学料(予定額)授業料(年額予定額)
教養学部(一般・私費外国人留学生入試)30,000円282,000円535,800円(前期分267,900円)
経済学部(昼間コース)30,000円282,000円535,800円(前期分267,900円)
経済学部(夜間主コース・社会人選抜)10,000円282,000円535,800円(前期分267,900円)
工学部30,000円282,000円535,800円(前期分267,900円)

入学料・授業料はすべての学部・入試区分で同一です。唯一の違いは、経済学部(夜間主コース)社会人選抜の入学検定料が10,000円と、他の区分の3分の1に設定されている点です。これは大学入学共通テストを免除したうえで小論文・面接のみで選考する社会人向けの入試区分であることが背景にあると考えられます。いずれの金額も改定される可能性があるため、出願時には必ず最新の募集要項で確認してください。

試験科目は学部でまるごと別物|筆記なし・数学のみ・専修課程別の三者三様

埼玉大学の編入学試験でもっとも特徴的なのが、学部ごとに評価の仕組みそのものが根本から違う点です。

学部試験科目面接英語の扱い
教養学部学力検査(専修課程ごとに内容が異なる。多くは英語+論述)※社会人入試は免除有(一般・社会人・留学生とも)専修課程の学力検査に組み込み(当日の筆記が中心。外部試験スコアの得点換算という記載はなし)
経済学部(昼間コース)専門科目・小論文の筆記なし有(100点、口頭試問含む)外部英語能力試験(TOEIC・TOEFL・IELTS)のスコアを100点満点に換算。当日の筆記試験はなし
工学部数学のみ(300点、微分積分学・線形代数・常微分方程式、90分)有(合否のみ、得点化せず)試験科目に含まれない。外部試験スコアの提出も不要

この表が示すとおり、埼玉大学の編入は学部によって「何を対策すべきか」がまったく違います。

経済学部(昼間コース)には専門科目も小論文もない

経済学部(昼間コース)の第3年次編入学は、募集要項に定められた評価項目が外国語(英語)と面接だけです。経済学や統計学の専門知識を問う筆記試験、小論文のいずれも課されません。英語は当日の試験ではなく、出願時に提出した外部英語能力試験のスコアを、TOEICスコア×100÷990で四捨五入する換算式で100点満点に換算します。つまり英語の得点は出願時点で確定しており、試験当日に動かせるのは面接だけという構造です。面接は個人面接で「志望する分野」に関する口頭試問を含み、社会科学への関心・選択メジャーの基礎知識・学習意欲が評価軸とされています。

工学部には英語の試験がない

工学部の第3年次編入学は、経済学部とは逆に、英語の独自試験も外部試験スコアの提出も求められません。試験科目は数学一本で、出題範囲は微分積分学・線形代数・常微分方程式の3分野、配点300点・試験時間90分です。面接は実施されますが得点化されず「合・否」の判定のみに使われ、募集要項には「面接が一定の評価基準に達しない者は、不合格とします」と明記されています。ただし電気電子物理工学科の面接のみ「大学の第1・2年次に修得する専門的知識の有無を問うことがある」という注記が付いており、この学科を志望する場合は数学に加えて専門基礎の口頭説明にも備える必要があります。

教養学部は専修課程で試験の性格が完全に変わる

教養学部の学力検査は、志望する専修課程によって出題内容がまったく異なります。グローバル・ガバナンス専修課程は国際関係論・国際開発論分野の英文読解と論述の2部構成、現代社会専修課程は英語試験(英文解釈)と日本語の論述試験、哲学歴史専修課程は哲学・芸術論・歴史学の3分野から1つを選んで解答(歴史学のみ史資料読解の選択問題も含む)、ヨーロッパ・アメリカ文化専修課程はヨーロッパ関連2問(うち1問は英独露いずれかの和訳)とアメリカ関連1問(英文読解)、日本・アジア文化専修課程は日本語小論文と個別事項の説明問題という2問構成です。いずれの専修課程も辞書の持ち込みは不可とされています。

教養学部の学力検査には、経済学部のような外部英語試験スコアの得点換算という制度はありません。当日その場で英文を読み、論述する力が直接問われる設計です。

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日程・スケジュール【2027年度】|工学部だけ夏に試験がある

もうひとつの大きな違いが試験日程です。教養学部・経済学部は秋(10月出願・11月試験)で足並みが揃っていますが、工学部だけ初夏(6月出願・7月試験)という、まったく別の時期に実施されます。

学部出願期間試験日合格発表・通知
工学部2026年6月8日(月)〜6月12日(金)2026年7月4日(土)数学10:00〜11:30/面接13:30〜2026年7月14日(火)14:00〜(マイページ交付)
教養学部2026年10月1日(木)〜10月9日(金)1次選考(学力検査)2026年11月7日(土)9:30〜11:00/2次選考(面接)11月8日(日)9:30〜1次発表11月7日17:30頃/2次(最終)合格通知12月8日14:00〜
経済学部(昼間コース・夜間主コース社会人選抜)2026年10月1日(木)〜10月9日(金)2026年11月21日(土)(夜間主コースは10:30〜小論文、両コースとも13:00〜面接)2026年12月8日14:00〜(マイページ交付)

この日程差には、対策計画上の重要な意味があります。

工学部を第一志望にする場合、準備の締め切りは他の2学部よりずっと早くなります。出願は6月上旬で、数学の学力検査は7月上旬です。教養学部・経済学部の受験生が夏から秋にかけて英語スコアや論述の仕上げにかけている時期には、工学部志望者はすでに合否が出ています。逆に言えば、工学部・教養学部・経済学部は試験日が重ならないため、埼玉大学の学部間で併願を組むことも理論上は可能です(ただし出願資格・学修計画の適合は別途確認が必要です)。

いずれの学部も出願期間は郵送必着で、大学への持参は認められていません。教養学部・経済学部は簡易書留速達での発送が必須で、出願期間終了後でも一定の消印までは救済措置がありますが、余裕を持った発送が前提です。工学部は出願から試験まで1か月に満たないため、証明書類(成績証明書・卒業見込証明書・志望の理由等)を出願開始前から準備しておく必要があります。

倍率・難易度【直近の実績】

埼玉大学は3学部とも、募集要項に「過去の実施状況」として志願者数・合格者数を公表しています。ただしいずれの学部も受験者数は公表されておらず、開示されているのは志願者数と合格者数のみです。以下の倍率は志願者数に対する合格者数から算出した目安であり、実際に受験した人数に対する倍率ではない点に留意してください。

教養学部(一般入試・専修課程合計)

年度志願者数合格者数倍率(志願ベース)
令和7(2025)年度68名26名約2.6倍
令和8(2026)年度76名30名約2.5倍

専修課程別では、令和8年度はグローバル・ガバナンス18名志願7名合格、現代社会18名志願2名合格、哲学歴史13名志願7名合格、ヨーロッパ・アメリカ文化11名志願7名合格、日本・アジア文化16名志願7名合格でした。現代社会専修課程は志願者数に対して合格者数が少なく、専修課程間で難易度の体感差が大きいことがわかります。

経済学部(昼間コース・メジャー合計)

年度志願者数合格者数倍率(志願ベース)
令和6年度57名11名約5.2倍
令和7年度45名10名約4.5倍
令和8年度39名10名約3.9倍

志願者数は3年連続で減少していますが、合格者数はほぼ10名前後で安定しており、倍率もゆるやかに下がる傾向にあります。ただし合格枠が10名前後と少数である以上、英語スコアと面接のいずれかでも準備が浅いと通過は難しくなります。

工学部(学科別)

学科令和6年度令和7年度令和8年度
機械工学・システムデザイン学科32名志願/2名合格(約16.0倍)27名志願/2名合格(約13.5倍)34名志願/1名合格(約34.0倍)
電気電子物理工学科23名志願/6名合格(約3.8倍)29名志願/7名合格(約4.1倍)35名志願/6名合格(約5.8倍)
環境社会デザイン学科18名志願/5名合格(約3.6倍)17名志願/5名合格(約3.4倍)14名志願/5名合格(約2.8倍)

工学部は学科によって難易度の水準がまったく違います。機械工学・システムデザイン学科は3年連続で最も高い倍率となっており、令和8年度は34名志願に対して合格1名という結果でした。一方、環境社会デザイン学科は志願者数がゆるやかに減少しつつ合格者数5名を3年連続で維持しており、3学科の中では最も安定して推移しています。

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どの学部・専攻がもっとも入りやすいのか

ここまでの数字を並べると、「埼玉大学の編入は入りやすいか」という問いに一つの答えを出すことはできないとわかります。

学部間で試験の設計そのものが違うため、倍率を単純比較しても意味がありません。経済学部と工学部はどちらも「志願者数十名に対して合格者数名〜十名」という数字上は近い構造ですが、経済学部は英語スコア+面接、工学部は数学一本という別物の試験です。倍率が近いからといって、同じ対策で両方に通用するわけではありません。

学科・専攻単位で見ると、次の傾向が読み取れます。

工学部の機械工学・システムデザイン学科は、埼玉大学の編入学試験全体の中でもっとも狭き門です。3年連続で倍率が上昇し、令和8年度は合格者がわずか1名でした。志願者数自体は32〜34名で高止まりしており、母集団の大きさに対して合格枠が小さいことが背景にあります。

逆にもっとも安定しているのは工学部の環境社会デザイン学科です。3年連続で合格者数5名を維持し、志願者数も緩やかな減少傾向にあるため、3学科の中ではもっとも予測しやすい選抜状況が続いています。

教養学部は専修課程間の差が大きく、現代社会専修課程は志願者数に対して合格者数が絞られる年があります。反対に哲学歴史・ヨーロッパ・アメリカ文化・日本・アジア文化の各専修課程は、令和8年度で見るとおおむね志願2名に対して合格1名前後という水準です。

ただし、いずれの学部・専攻についても募集人員は「若干名」または「合格させる保証のない上限」として位置づけられており、志願者が少ないからといって無条件に合格できるわけではありません。志願者数・合格者数はあくまで参考値として捉え、学部・専修課程が定める評価基準(学力検査の水準、面接の観点、英語スコアの到達目標)を満たす準備を積むことが最終的な対策になります。

もう一つ共通しているのは、3学部とも合格者数そのものが少人数にとどまるという点です。教養学部は専修課程ごとに合格者が数名〜7名程度、経済学部は10名前後、工学部は学科ごとに1〜7名という規模で、いずれも大規模選抜ではありません。少人数選抜である以上、1名分の合否が倍率の数字を大きく動かします。工学部機械工学・システムデザイン学科の令和8年度(34名志願・合格1名)のように、前年の合格者数からわずかに減っただけで倍率が跳ね上がることも起こり得ます。単年度の数字に一喜一憂せず、複数年度の推移を確認したうえで準備量を見積もることが大切です。

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自分の学修歴・得意分野で、どの学部が向いているか

ここまで整理してきた3学部の違いを、受験者の経歴・得意分野に引き寄せて整理すると、志望学部の絞り込みがしやすくなります。あくまで試験構造から導ける傾向であり、最終的な志望校選びは自分の学びたい内容を優先してください。

すでに高い英語外部試験スコアを持っている、またはこれから集中的にスコアを伸ばせる人は、経済学部(昼間コース)との相性が良い試験です。専門科目・小論文の筆記がなく、英語スコアがほぼそのまま得点に反映される設計のため、英語が得意で専門筆記に自信がない人ほど選択肢になり得ます。

高専・工業高校専攻科などで数学を継続的に学んできた人は、工学部が素直な選択肢です。英語の試験・スコア提出が一切不要で、数学(微分積分学・線形代数・常微分方程式)一本で評価されます。特に機械・電気電子・環境社会系の分野を高専等で学んできた場合、既習内容と出願資格・学科の対応関係も一致しやすくなります。

人文学・社会科学の特定分野を深く学びたい人、その分野の専門知識を学力検査で示せる人は、教養学部が候補になります。ただし専修課程ごとに学力検査の性格がまったく異なるため、「教養学部が向いている」ではなく「グローバル・ガバナンス専修課程が向いている」というように、専修課程単位で判断する必要があります。英語の学術文献を読み慣れている人は英語比重の高い専修課程、日本語での論述力に自信がある人は日本・アジア文化専修課程など、自分の強みと専修課程の試験設計を照らし合わせてください。

社会人で大学入学資格はあるが学士は持っていない場合、経済学部(夜間主コース)の社会人選抜が選択肢になります。満23歳以上であれば大学入学共通テストが免除され、小論文と面接で選考されます。すでに学士を持つ社会人は、教養学部の社会人入試(学力検査免除、面接と学習歴レポート)または経済学部(昼間コース)の編入学試験のいずれかが対象になります。

学部別に、何から手をつけるべきか

教養学部を志望する場合

最初にやるべきは志望専修課程・専攻の確定です。5専修課程で学力検査の内容がまったく異なるため、「教養学部の編入対策」を一括りにして進めることはできません。英語の比重が大きいグローバル・ガバナンス、現代社会、哲学歴史(哲学・芸術論)、ヨーロッパ・アメリカ文化のいずれかを志望するなら、学術的な文章を読み解く語彙力と読解速度を早期から鍛える必要があります。日本語の論述・小論文が中心の日本・アジア文化専修課程などを志望するなら、専門分野の基礎知識と論理構成力が対策の軸になります。小論文の書き方は当サイトの埼玉大学編入の小論文対策、志望理由書は埼玉大学編入の志望理由書の書き方で詳しく解説しています。過去問は教養学部係窓口で3年分閲覧できるため、志望専修課程が決まり次第、早めに閲覧・複写して出題形式を体感してください。

経済学部(昼間コース)を志望する場合

専門科目・小論文の筆記がない以上、対策は英語スコアと面接の2点に集約されます。英語はTOEIC換算式(TOEICスコア×100÷990)で得点が決まるため、出願までにスコアを最大化することが最優先です。提出できるスコアは出願時までおおむね2年以内に取得したものに限られるため、遅くとも夏までに目標スコアを固めておくのが安全です。面接では「志望する分野」に関する口頭試問があるため、4メジャー(経済分析/国際ビジネスと社会発展/経営イノベーション/法と公共政策)のうち志望するメジャーの基礎知識を、自分の言葉で説明できる状態にしておく必要があります。TOEIC対策は当サイトの埼玉大学編入のTOEIC対策を参考にしてください。

工学部を志望する場合

試験は数学一本(微分積分学・線形代数・常微分方程式、300点、90分)です。出願が6月上旬・試験が7月上旬と他学部より大幅に早いため、逆算した準備が必須になります。後述するとおり、令和2〜4年度の過去問を見る限り、大問1=微分積分、大問2=線形代数、大問3=常微分方程式という構成が3年連続で維持されています。この構成を前提に、3分野を満遍なく仕上げる計画を立ててください。電気電子物理工学科志望者は、面接で大学1・2年次相当の専門知識を問われる可能性がある点も踏まえ、出身校で履修した電気回路・電磁気学等の基礎を復習しておくと安心です。

過去問はどこで、どう手に入るか

過去問の入手方法も学部でまったく異なります。

学部過去問の有無入手方法
教養学部第1次選考(学力検査)の過去問題3年分教養学部係窓口での閲覧のみ(平日8:45〜16:45)。一時貸し出しによる学内コンビニでの複写は可能。郵送・メール送付は不可
経済学部(昼間コース)該当なし(専門科目・小論文の筆記試験自体が存在しない)
工学部数学の過去問題大学院理工学研究科支援室工学部係窓口での閲覧(平日8:45〜16:45)に加え、外部サイト「サイバーカレッジ」を通じたインターネット上の閲覧が可能

経済学部は専門筆記も小論文もない試験のため、過去問という概念自体が存在しません。対策の指針は募集要項に明記された配点・評価基準(英語の換算式、面接の評価観点)から組み立てる必要があります。

教養学部・工学部は、いずれも大学の窓口へ来学する必要があります(工学部はサイバーカレッジ経由でも閲覧可)。郵送・メールでの取り寄せはできないため、遠方在住の場合は来学のスケジュールを早めに組んでおいてください。

公開されている過去問から読み取れる出題傾向

ここでは、実際に確認できた工学部の数学過去問(令和2〜4年度)と、教養学部グローバル・ガバナンス専修課程の学力検査の構成(令和3年度)をもとに、出題の傾向を整理します。問題文そのものは掲載できないため、大問構成・出題分野・そこから導ける対策の方向を中心に解説します。

工学部の数学|3年連続で「大問1=微積分/大問2=線形代数/大問3=常微分方程式」の構成が固定

工学部の数学(90分・300点)は、令和2年度・令和3年度・令和4年度のいずれも大問3問構成で、分野の割り当てが一貫しています。

年度大問1(微分積分)大問2(線形代数)大問3(常微分方程式)
令和4年度マクローリン展開、極限の計算、定積分2問、極座標を用いた重積分(球の体積)漸化式で定義された数列を題材に、条件を満たす2次正方行列を求める誘導形式の設問、固有値・固有ベクトル、ベクトルの線形結合表現、4次正方行列の逆行列1階微分方程式、非同次線形1階、特殊解の型を与えるヒント付きの2階非同次、完全微分方程式の4問構成
令和3年度2変数関数の偏導関数、2次近似式(テイラー展開)と極値、領域上の重積分3つのベクトルの線形従属性の証明と線形結合による表現、3次正方行列の固有値・固有ベクトル、空間ベクトルのなす角変数分離形を含む4問構成(積分公式のヒント付き)
令和2年度n階導関数、2変数関数の偏微分、部分分数分解を要する不定積分、極座標変換を用いる2重積分文字係数を含む3次正方行列の行列式、固有値・固有ベクトル、基底による表現同次形(y=vxの置換を要する)、定数係数2階線形非同次、オイラーの微分方程式(置換のヒント付き)、ベルヌーイ形(置換のヒント付き)の4問構成

この3年分から読み取れるのは、出題範囲が「微分積分学・線形代数・常微分方程式」という募集要項の記載どおりに、毎年ほぼ同じ枠組みで構成されているという点です。大問1の微分積分は年度によって偏微分・重積分・級数展開・不定積分と扱う技法が入れ替わりますが、いずれも大学初年次レベルの標準的な計算技法の範囲に収まっています。大問2の線形代数は、固有値・固有ベクトルを求める問題がほぼ毎年出題されており、行列式や逆行列、ベクトルの線形独立性・線形結合による表現とセットで問われる傾向があります。大問3の常微分方程式は4問構成が定着しており、線形1階・線形2階非同次といった基本形に加え、同次形・オイラー型・ベルヌーイ形のように置換のヒントがあらかじめ与えられる応用パターンが、毎年複数含まれる点が特徴です。

この構成から導ける対策の優先順位は明確です。固有値・固有ベクトルを求める計算は3年とも大問2の中心的な設問になっており、確実に得点すべき範囲といえます。常微分方程式は基本形(変数分離形・線形1階・線形2階)を確実に解けるようにしたうえで、置換のヒントが与えられる応用パターン(オイラー型・ベルヌーイ形など)にも対応できるようにしておくと、大問3全体の得点を安定させやすくなります。

教養学部グローバル・ガバナンス専修課程|英文読解の出典が特定できる年がある

教養学部グローバル・ガバナンス専修課程の学力検査は、募集要項が示すとおり「①国際関係論・国際開発論分野の英文を読み複数の設問に解答する問題」と「②国際関係論または国際開発論に関連した特定のテーマについて論述する問題」の2部構成です。令和3年度の実施内容を確認すると、①の英文読解は国際関係論の学術書からの出典であることが明記できるケースがあり、同年度はHurrel, A.の“On Global Order: Power, Values, and the Constitution of International Society”(2007年)からの出題でした。

②の論述は、国際関係論・国際開発論の複数の論点にまたがるテーマ(安全保障、国際金融、国際法、貿易、開発援助といった分野)の中から1つを選んで日本語で論じる形式で、選んだテーマに関連する複数のキーワードを用いて論じることが求められる構成でした。特定の学説を正確に暗記しているかよりも、提示されたキーワードを使いながら筋の通った論理を組み立てられるかが問われる設計です。

出典が特定できる場合、その学術書・論文を実際に読むことが最も直接的な対策になります。グローバル・ガバナンス専修課程を志望するなら、国際関係論・国際開発論の標準的な教科書や入門書に加えて、学術的な英語論文・書籍を普段から読む習慣をつけておくことが、当日の読解速度と理解の深さに直結します。

過去問から導ける学習の順番

ここまでの情報を踏まえると、埼玉大学の編入対策は次の順番で進めるのが合理的です。

  1. 志望学部・専修課程・学科を確定し、試験の性格(学力検査中心か、英語スコア+面接か、数学一本か)を最初に把握する
  2. 工学部志望なら、線形代数の固有値・固有ベクトルと常微分方程式の基本4形式(変数分離形・線形1階・線形2階・置換を要する応用形)を優先して仕上げる
  3. 教養学部志望なら、志望専修課程の学力検査の形式(英文読解+論述か、日本語小論文中心か)を確認し、専修課程の窓口で過去問3年分を閲覧する
  4. 経済学部志望なら、出願までに英語外部試験のスコアを固め、志望メジャーの基礎知識を面接で語れる状態に仕上げる
  5. 学部を問わず、志望理由書・面接では「なぜ埼玉大学のこの学部・専修課程・メジャーなのか」を、自分の学修歴と具体的につなげて説明できるようにしておく

なお本節で扱った工学部数学の出題構成は令和2〜4年度、教養学部グローバル・ガバナンス専修課程の学力検査構成は令和3年度に実施された過去問題資料に基づいています。出題内容・出典は年度によって変わるため、最新の過去問は大学の窓口またはサイバーカレッジで必ずご自身で確認してください。

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単位認定と修学条件

合格後の単位認定・修業年限の扱いも学部で異なります。教養学部は「卒業に必要な単位数の約半分」を既修得単位として認定する基準です。経済学部(昼間コース)・工学部はいずれも「最大62単位まで」を上限に、学部・学科の定める基準で認定します。経済学部は1年間に履修できる単位数の上限が48単位とされており、認定単位数によっては2年間での卒業が難しい場合があるとも注記されています。工学部は学科ごとに定める認定基準に従うとされ、共通の上限は明示されていません。

編入学後の在学期間についても、教養学部・経済学部(昼間コース)は「2年以上6年以内」、工学部は「6年を超えて在学できない」という上限が定められています。いずれの学部も、既修得単位が少ないほど2年間での卒業が難しくなる可能性がある点は共通しています。分野をまたぐ編入(たとえば人文系の学修歴で工学部を志望する等)を考えている場合、単位認定の基準を出願前に学部係へ確認しておくことをおすすめします。

教養学部の「卒業に必要な単位数の約半分」という基準と、経済学部・工学部の「最大62単位まで」という基準は、表現の形式が違うため単純比較はできませんが、いずれも編入前の学修内容がそのまま丸ごと引き継がれるわけではないという点では共通しています。特に工学部のように分野の異なる高専学科・専修学校から出願する場合、専門科目がどこまで認定されるかは学科の判断に委ねられるため、志望校を最終決定する前に、認定基準の詳細を学部係に問い合わせておくと、入学後の履修計画にずれが生じにくくなります。

併願をどう組むか

埼玉大学の編入は、学部間で試験日が重ならないという特性があります。工学部(7月上旬)、教養学部(11月上旬、1次・2次の2日程)、経済学部(11月下旬)は互いに時期がずれているため、出願資格と学修計画さえ満たせば、同一年度内での学部間併願も検討の余地があります。ただし、これは埼玉大学内の日程の話であり、実際の準備量は学部ごとにまったく異なる(数学中心・英語スコア中心・専修課程別の学力検査)ため、複数学部を本気で併願するなら、それぞれの対策に必要な時間を現実的に見積もる必要があります。

他大学との併願を考える場合、経済学部(昼間コース)は英語外部試験のスコアを軸に選抜する大学が多いため、TOEICやTOEFLのスコアを複数校の出願に使い回せる可能性があります。近隣の国公立大学の経済系編入では、横浜国立大学経済学部の編入試験も試験構成が公開されています。併願先を検討する際は、当サイトの横浜国立大学経済学部の編入試験を徹底解説もあわせてご確認ください。経済系大学院への進学まで見据えている場合は、埼玉大学のMBA(経済経営系大学院)を徹底解説も参考になります。

よくある質問

埼玉大学の編入は難しいですか。

学部・学科・専修課程によって大きく異なります。直近の実績では、工学部機械工学・システムデザイン学科が令和8年度に34名志願・合格1名(約34.0倍)と厳しい一方、工学部環境社会デザイン学科は14名志願・合格5名(約2.8倍)でした。「埼玉大学の編入」とひとくくりにできる難易度は存在せず、学部・学科ごとに評価の中身も倍率もまったく違います。

埼玉大学の編入の倍率はどれくらいですか。

志願者数に対する倍率(受験者数は非公表)で見ると、教養学部(一般入試合計)が令和8年度約2.5倍、経済学部(昼間コース)が令和8年度約3.9倍、工学部は学科により約2.8倍〜約34.0倍と、学部・学科で大きな差があります。学部別の詳しい数値は本文の表を参照してください。

教育学部・理学部に編入することはできますか。

できません。埼玉大学の入試情報ページで公表されている編入学の学生募集要項は、教養学部・経済学部・工学部の3学部分のみです。教育学部と理学部は編入学試験を実施していません。

英語の勉強はどれくらい必要ですか。

志望学部によってまったく異なります。経済学部(昼間コース)は外部英語試験のスコアを100点満点に換算する仕組みで、出願までにスコアを確定させることが対策のすべてです。教養学部は専修課程ごとに当日の学力検査で英文読解・論述が課される専修課程が多く、試験本番での読解力が直接問われます。工学部は英語の試験自体がなく、外部スコアの提出も不要です。

経済学部の編入に小論文は必要ですか。

昼間コースの第3年次編入学には専門科目・小論文の筆記試験がなく、外国語(英語)と面接のみで合否が決まります。一方、夜間主コースの社会人選抜には小論文(100点、著者の考えの要約と自分の意見を述べる形式)が課されており、同じ経済学部でも入試区分によって試験内容が異なります。

工学部の編入で英語は必要ですか。

募集要項上、英語の独自試験も外部英語能力試験のスコア提出も求められていません。試験科目は数学(微分積分学・線形代数・常微分方程式、300点、90分)と面接(合否判定のみ)です。

過去問はどこで手に入りますか。

教養学部・工学部は大学の窓口での閲覧が基本です(工学部はサイバーカレッジを通じたインターネット閲覧も可能)。いずれも郵送・メールでの送付は行われていないため、来学の予定を早めに立てる必要があります。経済学部(昼間コース)は専門筆記自体がないため、過去問という概念が存在しません。

出願はいつからですか。

学部によって時期が異なります。工学部は2026年6月8日〜6月12日、教養学部・経済学部は2026年10月1日〜10月9日です。工学部だけ大幅に早いため、志望する場合は準備の締め切りを他学部と混同しないよう注意してください。

高専から埼玉大学に編入できますか。

教養学部・経済学部・工学部の3学部とも、高等専門学校卒業者を共通の出願資格として明記しています。特に工学部は高専卒業者を単独の区分として設けており、機械・電気電子・土木建設系の高専出身者にとって自然な選択肢になります。

社会人でも受けられますか。

教養学部には社会人入試(学力検査免除、面接と学習歴レポートで選考)があります。経済学部には夜間主コースの社会人選抜(満23歳以上、小論文と面接)があり、こちらは昼間コースの編入学試験とは別の入試区分です。工学部の募集要項には社会人向けの専用区分は設けられていません。

志望理由書はどの学部でも提出しますか。

いいえ。経済学部(昼間コース、1,000字以内)と工学部(字数指定なし)は「志望の理由」の提出が必須ですが、教養学部の一般入試には募集要項上この書類の提出が明記されていません。教養学部は志望動機を第2次選考の面接で口頭により確認する設計になっており、社会人入試のみ学習歴レポート(2,000字程度)の提出が求められます。

検定料・入学料・授業料は学部で違いますか。

入学料(282,000円予定額)と授業料(年額535,800円予定額)は教養学部・経済学部・工学部のすべてで共通です。入学検定料も30,000円で共通ですが、経済学部(夜間主コース)の社会人選抜のみ10,000円と、他の区分の3分の1に設定されています。

まとめ

埼玉大学の編入学試験について、募集要項と実績データから確認できることを整理します。

まず、編入学を実施しているのは教養学部・経済学部・工学部の3学部だけで、教育学部と理学部には制度自体がありません。工学部も5学科中3学科(機械工学・システムデザイン、電気電子物理工、環境社会デザイン)に限られ、情報工学科・応用化学科は対象外です。

次に、試験の中身が学部で根本的に違います。教養学部は専修課程ごとに異なる学力検査(多くは英語+論述)と面接、経済学部(昼間コース)は専門筆記なしで英語スコア+面接のみ、工学部は英語なしで数学のみという、三者三様の設計です。「埼玉大学の編入対策」を一括りにせず、志望学部の試験構造に合わせた準備が必要です。

日程も学部でずれており、工学部だけ6月出願・7月試験と大幅に早く実施されます。教養学部・経済学部は10月出願・11月試験で足並みが揃っています。

倍率は志願者数ベースで学部・学科ごとに大きな差があり、工学部機械工学・システムデザイン学科の約34.0倍(令和8年度)から、工学部環境社会デザイン学科の約2.8倍まで幅があります。数字だけで難易度を判断せず、それぞれの評価軸(学力検査・英語スコア・面接)に自分の準備が届いているかを基準にすることが、現実的な対策につながります。

最後に、工学部の数学は令和2〜4年度を通じて大問1=微積分・大問2=線形代数・大問3=常微分方程式という構成が一貫しており、固有値・固有ベクトルと常微分方程式の基本形は毎年出題される可能性が高い範囲です。教養学部グローバル・ガバナンス専修課程のように、出典書籍が特定できる年もあります。過去問が手に入る学部では、必ず窓口またはサイバーカレッジで実物を確認してから対策計画を立ててください。

加えて、出願書類や費用の面では学部間の差は小さく、入学料・授業料は3学部で共通、入学検定料も経済学部(夜間主コース)社会人選抜を除き30,000円で統一されています。違いが集中しているのは「何を評価するか」という選抜方法そのものであり、志望校選びの軸も「埼玉大学に入れるかどうか」ではなく「どの学部・専修課程・学科の評価軸が自分の強みと噛み合うか」に置くのが合理的です。

本記事の数値は埼玉大学教養学部・経済学部・工学部が公表する2027年度学生募集要項、および令和6〜8年度の志願者数・合格者数の実績に基づいています。制度・日程・募集人員・試験科目は年度によって変更されるため、出願前には必ず埼玉大学が公表する最新の学生募集要項をご確認ください。

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