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法政大学の編入試験を徹底解説|学部別の募集人員・試験科目・日程・倍率と対策【2027年度】
法政大学の編入学試験は、学部によって「2年次のみ」「3年次のみ」「両方」と実施年次が分かれ、試験科目も学部ごとにまったく違います。さらに多くの学部では英語の筆記試験が行われず、事前に提出した英語外部試験のスコアだけで判定されます。この構造を知らないまま準備を始めると、必要のない対策に時間を使うことになります。
この記事では、法政大学が公表している2027年度の入学試験要項と、2026年度の志願・受験・合格者数の実績をもとに、学部別の募集人員・試験科目・日程・倍率を整理します。あわせて、2年次と3年次のどちらが入りやすいのか、学部ごとに何から手をつけるべきかまで踏み込んで解説します。
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法政大学の編入学試験には4つの制度がある
まず前提として、法政大学が「編入学試験」と呼んでいるものの周辺には、性格の違う4つの試験制度があります。自分がどれに該当するのかを最初に確定させてください。
一般編入学試験
他大学・短期大学・高等専門学校などの在学者や卒業者が、法政大学に途中年次から入学するための制度です。学部により2年次・3年次で募集しています。本記事で中心的に扱うのはこの制度です。
社会人編入学試験
働きながら自己研鑽を続けたい方、将来に向けて新たなチャレンジを考えている方、定年を迎えた方や子育てが一段落した方など、多様な社会人のニーズに応える制度として設けられています。法政大学は公式に「多様な社会人のニーズに応える制度」と位置づけています。
なお人間環境学部には、社会人リフレッシュ・ステージ・プログラム入試(RSP入試)という2・3年次編入学の専用制度があり、こちらは一般の編入学試験要項とは別に専用の入学試験要項が用意されています。人間環境学部を社会人として志望する場合は、必ずRSP入試の要項を確認してください。
転籍・転部・転科試験
これは法政大学の在学生向けの制度です。転籍試験は本学通信教育課程の学生が学部の異同を問わず通学課程に籍を移すための試験、転部試験は本学の学生が他学部へ移るための試験、転科試験は現在在籍している同学部内の他学科へ移るための試験です。
外部から受験する方には直接関係しませんが、後述する倍率のデータではこれらの制度と編入学試験が同じ表に並んで公表されるため、数字を読むときに区別が必要になります。
継続学士入学試験
当該年度に法政大学を卒業する方が、引き続き次年度から本学の他学部もしくは他学科に継続して入学するための制度です。これも在学生向けの制度です。
学部別の募集人員と実施年次【2027年度】
法政大学の募集人員は、編入学試験・転籍・転部・転科試験・継続学士入学試験の各制度をまとめた「学部別・年次別の合計」として公表されています。大学は「試験制度別、学科別の内訳は公表していません」と明記しているため、編入学試験だけの募集枠が何名なのかは公開情報からはわかりません。
また募集人員について、大学は「入学を認めることのできる最大の人数であり、出願者の中から必ずその人数を合格とするものではありません」と注意書きを付けています。この点は後述する倍率のデータを読むうえで決定的に重要です。
| 学部 | 学科 | 2年次 | 3年次 | 募集人員(全制度合計) |
|---|---|---|---|---|
| 法 | 法律/政治/国際政治 | ○ | ○ | 2年次15名/3年次10名 |
| 文 | 哲/日本文/英文/史/地理 | ○ | ○ | 2年次15名/3年次10名 |
| 文 | 心理 | ○ | × | |
| 経営 | 経営/経営戦略/市場経営 | ○ | ○ | 2年次20名/3年次10名 |
| 国際文化 | 国際文化 | × | ○ | 3年次7名 |
| 人間環境 | 人間環境 | ○ | ○ | 2年次5名/3年次5名 |
| キャリアデザイン | キャリアデザイン | ○ | × | 2年次6名 |
| グローバル教養 | グローバル教養 | ○ | × | 2年次5名 |
| 社会 | 社会政策科/社会/メディア社会 | ○ | × | 2年次14名 |
| 現代福祉 | 福祉コミュニティ/臨床心理 | ○ | × | 2年次5名 |
| スポーツ健康 | スポーツ健康 | ○ | × | 2年次8名 |
| 理工 | 機械工/電気電子工/応用情報工/創生科 | ○ | ○(指定校推薦のみ) | 2年次10名/3年次8名 |
| 理工 | 経営システム工 | ○ | × | |
| 生命科 | 生命機能/環境応用化/応用植物科 | ○ | × | 2年次3名 |
この表から読み取れる重要な点を整理します。
3年次編入を実施しているのは6学部だけです。法・文・経営・国際文化・人間環境、そして理工(ただし指定校推薦のみ)に限られます。社会学部、現代福祉学部、キャリアデザイン学部、グローバル教養学部、スポーツ健康学部、生命科学部は2年次編入のみで、3年次編入を行っていません。短期大学や高等専門学校を卒業して3年次から入りたいと考えている方は、この時点で志望できる学部が絞られます。
国際文化学部は逆に3年次のみです。2年次編入を実施していないので、2年次で入ることはできません。
理工学部の3年次は指定校推薦のみです。機械工・電気電子工・応用情報工・創生科の4学科は3年次の募集がありますが、指定校推薦だけの実施です。一般の編入学試験として3年次から理工学部を受けることはできません。理工学部を一般で狙うなら2年次編入になります。
学科単位の除外規定があります。文学部日本文学科は文芸コースを除く、経営学部経営学科はGBP(グローバル・ビジネス・プログラム)を除く、人間環境学部はSCOPEを除く、という条件が付いています。志望する学科のなかに特定のコース・プログラムが含まれる場合は、そこが対象外になっていないか要項で確認してください。
文学部心理学科は2年次のみです。文学部全体としては3年次募集がありますが、心理学科だけは2年次のみとなっています。
受験資格|自分が出願できるかを先に確かめる
試験科目や倍率を調べる前に、まず自分に受験資格があるかを確定させてください。法政大学の受験資格は「全学部共通の資格」と「学部ごとに追加される資格」の二層構造になっており、この二層目を見落とすと出願できない学部を志望してしまいます。
共通の受験資格【2年次】
国際文化学部を除くすべての募集学部・学科で共通する2年次の受験資格は、次のいずれかを満たすことです。
- 学士の学位を有する者
- 大学に1年以上在学(見込みを含む)し、卒業要件外科目(教職・資格科目等)を除き30単位以上を修得している者(修得見込みを含む)
- 短期大学を卒業した者(2027年3月卒業見込みを含む)
- 高等専門学校を卒業した者(2027年3月卒業見込みを含む)
- 外国において1年次相当の課程を修了(見込みを含む)し、30単位以上を修得(見込みを含む)している者
共通の受験資格【3年次】
- 学士の学位を有する者
- 大学に2年以上在学(見込みを含む)し、卒業要件外科目(教職・資格科目等)を除き60単位以上を修得している者(修得見込みを含む)
- 短期大学を卒業した者(2027年3月卒業見込みを含む)
- 外国において2年次相当の課程を修了(見込みを含む)し、60単位以上を修得(見込みを含む)している者
ここで、高等専門学校の扱いに注意が必要です。3年次の共通受験資格には高等専門学校卒業者が含まれていません。2年次には含まれているのに、3年次には入っていません。
学部ごとに追加される受験資格
共通資格のほかに、学部が独自に定める受験資格があります。
| 年次 | 資格 | 対象学部 |
|---|---|---|
| 2年次 | 専修学校の専門課程のうち文部科学大臣の定める基準を満たす課程を修了した者 | 法・文・経営・キャリアデザイン・現代福祉・理工・生命科 |
| 高等学校専攻科のうち文部科学大臣が定める基準を満たす課程を修了した者 | 法・文・経営・現代福祉・理工・生命科 | |
| 3年次 | 専修学校の専門課程のうち基準を満たす課程を修了した者 | 法・文・経営 |
| 高等学校専攻科のうち基準を満たす課程を修了した者 | 法・文・経営 | |
| 高等専門学校を卒業した者 | 法・経営 |
この表から、進路によって受けられる学部が大きく絞られることがわかります。
高等専門学校を卒業して3年次編入を狙う場合、出願できるのは法学部と経営学部だけです。共通資格に高専卒が含まれておらず、学部独自の資格として高専卒を認めているのがこの2学部のみだからです。理工学部の3年次は指定校推薦のみなので、高専生が一般で理工学部の3年次に入る道はありません。
専門学校(専修学校専門課程)から3年次編入を狙う場合も、法・文・経営の3学部に限られます。2年次であれば7学部が対象になるので、専門学校からの受験では年次の選択が学部の選択肢を大きく左右します。
なお専修学校の専門課程については「修業年限が2年以上で、かつ課程の修了に必要な総授業時間数が1,700時間以上」、高等学校専攻科については「当該課程に修業年限以上在学し、かつ62単位以上修得していること」という基準が定められています。該当する場合は出願時に「編入学基礎資格証明書」の提出が必要です。自分の在籍課程がこの基準を満たしているかは、学校の事務局に確認してください。
国際文化学部だけは受験資格が別
国際文化学部は共通の受験資格の対象外で、独自の条件が設定されています。3年次のみの実施で、受験資格は「学士の学位を有し(入学までに取得見込みの者を含む)、かつ、学部が定める英語外部試験の出願基準を満たす者」です。
つまり国際文化学部は学士(4年制大学の卒業・卒業見込み)でなければ受験できません。短期大学卒業や大学2年在学中では出願できない点が、他学部と決定的に違います。
見込みで受験する場合の注意
要項には重要な注意書きがあります。修了・修得見込みで受験して合格した場合であっても、入学時までに所定の要件を満たせない場合は入学が認められず、合格が取り消されます。そしてこの場合、翌年以降に入学を繰り越すことはできません。
単位の修得が微妙なラインにある方は、出願前にこの点を十分に確認してください。
試験科目は学部ごとにまったく違う【2年次】
法政大学の編入学試験でもっとも注意すべきなのが、試験科目が学部単位で設計されている点です。同じ「法政大学の編入」でも、志望学部が違えば準備するものがほとんど重なりません。
| 学部 | 試験科目 | 面接 |
|---|---|---|
| 法 | 論文:「人文」もしくは「社会」分野に関する問題/英語 | 無 |
| 文(英文) | 論文:英語の文章を用いて論理的読解力と思考力を問う試験/英語:外部試験スコアのみ | 有 |
| 文(哲・日本文・史・地理・心理) | 論文:志望学科の専門 | 有 |
| 経営 | 論文:「人文」および「社会」分野から各々1題を選択し解答/英語:外部試験スコアのみ | 有 |
| キャリアデザイン | 論文:専門/英語:外部試験スコアのみ | 有 |
| グローバル教養 | 書類審査(対象者を指定して英語でのオンライン面接を行う場合がある) | — |
| 社会 | 論文:志望学科の専門/英語:外部試験スコアのみ | 有 |
| 現代福祉 | 論文:福祉コミュニティ=福祉・地域に関する問題/臨床心理=心理に関する問題/英語:外部試験スコアのみ | 有 |
| スポーツ健康 | 論文:専門 | 有 |
| 理工 | 筆記試験は行わず、提出された出願書類(外部試験の成績等を含む)を判定に使用 | 有(経営システム工のみ無) |
| 生命科 | 論文:志望学科の専門/英語:外部試験スコアのみ | 有 |
ここには、対策の順番を左右する分岐がいくつも含まれています。
法学部だけ英語の筆記がある
2年次の科目表を見ると、多くの学部で英語は「英語外部試験のスコア(成績)のみで判定」と書かれています。ところが法学部だけは「英語」とだけ記載され、外部試験スコアのみという注記が付いていません。つまり法学部を志望する場合、論文に加えて英語の筆記試験の対策が必要になります。
逆に言えば、法学部以外の多くの学部では、英語の筆記対策に時間を割く必要がありません。その代わり、出願の時点で一定の英語外部試験スコアを持っていることが前提になります。
理工学部は筆記試験そのものがない
理工学部の2年次編入は「筆記試験は行わず、提出された出願書類(外部試験の成績等を含む)を判定に使用」となっています。試験当日に解く問題がないという意味です。したがって理工学部の対策は、出願書類の完成度と英語外部試験のスコアづくりに集約されます。面接も経営システム工学科を除いて実施されます。
グローバル教養学部は書類審査
グローバル教養学部(GIS)も筆記試験がなく、書類審査です。ただし対象者を指定して英語でのオンライン面接を行う場合がある、とされています。英語での面接に対応できる状態にしておく必要があります。
「論文」の中身は学部で別物
同じ「論文」という科目名でも、内容はまったく異なります。法学部は「人文」もしくは「社会」分野に関する問題、経営学部は「人文」および「社会」分野から各々1題を選択して解答する形式、文学部の哲・日本文・史・地理・心理は志望学科の専門、社会学部・生命科学部も志望学科の専門です。文学部英文学科だけは「英語の文章を用いて論理的読解力と思考力を問う試験」という特殊な形式になっています。
つまり「法政大学の編入の小論文対策」という括り方では準備できません。志望学科まで決めてから、その学科の出題形式に合わせる必要があります。
試験科目は学部ごとにまったく違う【3年次】
3年次は実施学部が絞られるぶん、科目表もシンプルになります。
| 学部 | 試験科目 | 面接 |
|---|---|---|
| 法 | 論文:法学・政治学に関する基礎的な論述試験(法律学科志望は「法学」、政治学科・国際政治学科志望は「政治学」)/英語 | 無 |
| 文(英文) | 論文:英語の文章を用いて論理的読解力と思考力を問う試験/英語:外部試験スコアのみ | 有 |
| 文(哲・日本文・史・地理・心理) | 論文:志望学科の専門 | 有 |
| 経営 | 論文:3分野(経営・会計・経済)から出題され、2分野を選択し解答/英語:外部試験スコアのみ | 有 |
| 国際文化 | 論文:課題文を読んで、日本語で論述する/英語:外部試験スコアのみ | 有 |
| 理工(機械工・電気電子工・応用情報工・創生科) | 指定校推薦のみ実施 | — |
法学部3年次は「法学」か「政治学」かで問題が分かれる
3年次の法学部でとくに重要なのが、志望学科によって出題科目が変わる点です。法律学科を志望する場合は「法学」、政治学科・国際政治学科を志望する場合は「政治学」に関する問題が出ます。
要項ではこの試験の性格について、「現代の国内や世界における法、政治、社会問題についての一般的な理解を試すと共に、論理的な文章表現能力を試すもの」と説明されています。つまり細かい条文知識を問うのではなく、法学・政治学の基礎的な枠組みを使って現代の問題を論じられるかどうかが見られています。ここを取り違えて条文の暗記に走ると、方向がずれます。
経営学部3年次は3分野から2分野を選択
経営学部の3年次は「経営・会計・経済」の3分野から出題され、そのうち2分野を選択して解答します。2年次の「人文」「社会」から各1題という形式とは完全に別物です。経営学部を狙う場合、2年次と3年次では準備すべき知識体系が入れ替わることになります。
国際文化学部は課題文型
国際文化学部は3年次のみの実施で、論文は「課題文を読んで、日本語で論述する」形式です。英語での論述ではなく日本語である点、そして課題文が与えられる点が特徴です。
英語は「外部試験スコアのみ」の学部が多い
法政大学の編入学試験を理解するうえで、もっとも実務的な影響が大きいのがこの点です。
要項の試験科目欄には、多くの学部で「英語外部試験のスコア(成績)のみで判定」と明記され、「筆記試験は行わず、事前に提出された英語外部試験のスコア(成績)のみで判定を行います」という注記が付いています。
これが意味するのは、英語の得点が試験当日ではなく出願の時点で確定しているということです。試験直前に英語を伸ばして逆転する、という戦い方が構造的に成立しません。
したがって対策の順番は次のようになります。
- まず英語外部試験のスコアを作る(出願までに間に合う受験日程を逆算する)
- スコアが確定したら、残りの時間をすべて論文と面接に振る
要項には「英語外部試験スコアの出願基準および提出方法について」という独立した章が設けられています。どの試験のどのスコアが有効なのか、提出方法はどうするのかは学部・年度で変わり得るため、必ず最新の要項で確認してください。スコアの提出方法を誤ると、英語が0点相当の扱いになりかねません。
なお法学部については、2年次・3年次とも科目表に「英語」とのみ記載されており、外部試験スコアのみという注記がありません。法学部志望者は英語筆記の対策が必要になる前提で準備してください。
日程・スケジュール【2027年度】
法政大学が公表している2027年度の日程は次のとおりです。
| 項目 | 2027年度 |
|---|---|
| 出願期間 | 2026年9月21日(月)~10月2日(金) |
| 試験日 | 2026年11月8日(日) |
※この日程は法政大学が公開している「2027年度転・編入学等試験ガイド」に基づくもので、同ガイドは2026年6月時点の情報とされています。最終的な日程は必ず入学試験要項で確認してください。
スケジュール上、注意すべき点が2つあります。
出願期間が12日間しかありません。9月下旬から10月頭という短い窓です。この期間に英語外部試験のスコア提出まで完了させる必要があるため、スコアの取得は遅くとも夏までに終わらせておく必要があります。外部試験は結果が出るまでに時間がかかるものもあるので、逆算が必要です。
編入学試験には「受験資格確認」という手続きがあります。要項には「受験資格確認(編入学試験のみ)」という独立した章が設けられており、外国の大学・短期大学の在学者・退学者・卒業者向けには受験資格確認書の雛型も用意されています。自分の在籍状況が出願資格を満たすか微妙な場合、出願期間に入ってから確認していては間に合いません。早い段階で大学に確認してください。
また出願から合格発表までは「入学試験ガイダンス」というシステムを使用します。一般編入学試験・社会人編入学試験・転籍・転部・転科試験・継続学士入学試験のすべてがこのガイダンスを経由するため、出願登録前の準備や手続きの流れを事前に読んでおく必要があります。
倍率・難易度【2026年度の実績】
ここからが、法政大学の編入を考えるうえで最も重要なパートです。法政大学は志願・受験・合格・手続・入学者数を制度別に公表しており、そこから編入学試験だけの実数を取り出すことができます。
以下は2026年度(2026年5月1日現在)の、編入学試験のみの実績です。転籍・転部・転科・継続学士の数字は除いてあります。
2年次編入の実績
| 学部 | 志願 | 受験 | 合格 | 受験者に対する倍率 |
|---|---|---|---|---|
| 法 | 91 | 85 | 3 | 28.3倍 |
| 社会 | 23 | 20 | 1 | 20.0倍 |
| キャリアデザイン | 25 | 25 | 3 | 8.3倍 |
| 理工 | 24 | 22 | 4 | 5.5倍 |
| 現代福祉 | 10 | 10 | 2 | 5.0倍 |
| 文 | 44 | 40 | 9 | 4.4倍 |
| 経営 | 34 | 34 | 8 | 4.3倍 |
| 人間環境 | 8 | 7 | 5 | 1.4倍 |
| スポーツ健康 | 1 | 1 | 1 | 1.0倍 |
| グローバル教養 | 3 | 3 | 0 | 合格者なし |
| 生命科 | 0 | 0 | 0 | 志願者なし |
学科別に見ると、さらに細かい傾向が出ます。法学部は法律41名受験39名合格2名、政治26名受験23名合格1名、国際政治24名受験23名合格0名。文学部は哲10/10/2、日本文12/11/2、英文7/7/1、史7/6/2、地理4/2/1、心理4/4/1。経営学部は経営8/8/1、経営戦略9/9/2、市場経営17/17/5。理工学部は応用情報工10/9/3が最多で、機械工1/1/0、電気電子工3/2/0、経営システム工3/3/0、創生科7/7/1でした。
3年次編入の実績
| 学部 | 志願 | 受験 | 合格 | 受験者に対する倍率 |
|---|---|---|---|---|
| 法 | 41 | 32 | 5 | 6.4倍 |
| 文 | 17 | 14 | 4 | 3.5倍 |
| 経営 | 7 | 7 | 2 | 3.5倍 |
| 人間環境 | 23 | 23 | 7 | 3.3倍 |
| 国際文化 | 0 | 0 | 0 | 志願者なし |
学科別では、法学部は法律32名受験26名合格3名、政治7名受験4名合格1名、国際政治2名受験2名合格1名。文学部は哲9/7/1、日本文2/2/1、英文4/3/2、史2/2/0。経営学部は経営2/2/1、経営戦略2/2/0、市場経営3/3/1でした。人間環境学部の3年次23名はすべて社会人RSP入試によるものです。
まずは無料相談で、合格までの最短ルートを確認しませんか?
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2年次と3年次はどちらが入りやすいのか
上の2つの表を並べると、法政大学の編入について一般にはあまり知られていない事実が浮かび上がります。
法学部は、3年次のほうが圧倒的に入りやすくなっています。2年次は85名が受験して合格3名(28.3倍)、3年次は32名が受験して合格5名(6.4倍)。受験者数は3年次のほうが3分の1程度なのに、合格者数は3年次のほうが多いという逆転が起きています。倍率にすると4倍以上の差です。
同じことは文学部と経営学部にも当てはまります。文学部は2年次4.4倍に対して3年次3.5倍、経営学部は2年次4.3倍に対して3年次3.5倍。いずれも3年次のほうが通りやすい数字です。
なぜこうなるのか。ひとつの説明は、2年次編入には大学1年生や短大1年生など「もう一度チャンスがある層」が多く集まりやすく、志願者数が膨らみやすいことです。3年次は短期大学卒業見込み者や高等専門学校卒業見込み者など、そのタイミングで進路を確定させる必要がある層に絞られます。母集団の大きさが違えば、倍率も変わります。
もし2年次と3年次の両方に出願資格があるなら、この差は志望校選びの判断材料になります。ただし3年次を実施しているのは法・文・経営・国際文化・人間環境・理工(指定校推薦のみ)の6学部だけなので、志望学部によっては選択肢がありません。
倍率の数字を読むときの注意
この倍率をそのまま「合格しやすさ」と読むのは危険です。理由が2つあります。
ひとつは、大学が募集人員について「入学を認めることのできる最大の人数であり、出願者の中から必ずその人数を合格とするものではありません」と明記している点です。実際、法学部2年次の募集人員は全制度合計で15名ですが、2026年度に編入学試験で合格したのは3名でした。枠が空いていても、水準に達していなければ合格は出ません。グローバル教養学部の2年次のように、志願3名・受験3名で合格者0名という年もあります。
もうひとつは、母数の小ささです。スポーツ健康学部2年次は受験1名・合格1名で倍率1.0倍ですが、これを「入りやすい」と解釈するのは無理があります。翌年に10名が受験すれば数字はまったく変わります。単年度の倍率は参考値として扱い、複数年度の傾向で見るべきです。
学部別に、何から手をつけるべきか
ここまでの情報を、志望学部別の行動に落とし込みます。
法学部を志望する場合
法学部は他学部と条件が異なります。英語の筆記試験があり、面接がありません。つまり評価は論文と英語の筆記だけで決まります。人物面で補正される余地が小さいぶん、答案の完成度がそのまま結果になります。
3年次を受けるなら、志望学科によって出題が「法学」か「政治学」に分かれます。法律学科なら法学、政治学科・国際政治学科なら政治学です。要項が「現代の国内や世界における法、政治、社会問題についての一般的な理解を試すと共に、論理的な文章表現能力を試すもの」と説明している以上、対策は「基礎的な概念を正確に使いながら、現代の問題について筋の通った文章を書く」訓練になります。
2年次を受けるなら論文は「人文」もしくは「社会」分野からの出題です。3年次のような専門特化ではないため、準備の方向が変わります。2年次と3年次を併願する場合、同じ勉強がそのまま両方に効くわけではない点に注意してください。
なお法政大学法学部の編入試験については、当サイトで法政大学編入の小論文対策|出題傾向と書き方を別途まとめています。答案の組み立て方はそちらを参照してください。
経営学部を志望する場合
経営学部は2年次と3年次で論文の中身が入れ替わります。2年次は「人文」および「社会」分野から各1題を選択して解答、3年次は「経営・会計・経済」の3分野から2分野を選択して解答です。3年次を狙うなら、経営学・会計学・経済学のうち得意な2分野を早い段階で決め、その2つに絞って深めるのが効率的です。3分野すべてを均等にやる必要はありません。
英語は外部試験スコアのみでの判定なので、出願までにスコアを作ることが最優先になります。
文学部を志望する場合
文学部は学科によって試験が二分されます。英文学科は「英語の文章を用いて論理的読解力と思考力を問う試験」で、他の学科(哲・日本文・史・地理・心理)は「志望学科の専門」です。英文学科を受けるのか、それ以外を受けるのかで準備がまったく違います。
「志望学科の専門」という記載は幅が広く、実際にどのレベルまで問われるかは過去問で確認するしかありません。幸い法政大学は過去問を公開しているので、後述の方法で必ず入手してください。心理学科は2年次のみ、日本文学科は文芸コースが対象外である点も確認が必要です。
理工学部・生命科学部を志望する場合
理工学部の2年次は筆記試験がなく、出願書類(外部試験の成績等を含む)で判定されます。したがって勝負は出願前にほぼ決まります。英語外部試験のスコアと出願書類の作り込みに時間を集中させてください。面接は経営システム工学科を除いて実施されます。
3年次は指定校推薦のみの実施なので、在籍校が指定校に該当するかどうかを学校側に確認する必要があります。一般で3年次から理工学部に入る道はありません。
生命科学部は2年次のみで、論文(志望学科の専門)と英語外部試験スコアです。2026年度は志願者0名でしたが、これは「入りやすい」ことを意味しません。募集人員が2年次3名と小さく、専門の論文が課される以上、準備の質が問われます。
社会学部・現代福祉学部・スポーツ健康学部・キャリアデザイン学部を志望する場合
この4学部はいずれも2年次のみの実施です。3年次編入はありません。短期大学や高等専門学校を卒業してから入りたい場合、これらの学部は選択肢に入らない点に注意してください。
試験は論文(志望学科の専門)と英語外部試験スコア、そして面接という組み合わせが基本です。現代福祉学部は福祉コミュニティ学科が「福祉・地域に関する問題」、臨床心理学科が「心理に関する問題」と学科で分かれます。
グローバル教養学部を志望する場合
グローバル教養学部は書類審査で、対象者を指定して英語でのオンライン面接が行われる場合があります。筆記対策ではなく、出願書類と英語での受け答えの準備が中心になります。2026年度は志願3名・合格0名でした。書類だけで通る簡単な入試という理解は当てはまりません。
学部ごとの「要件」に落とし穴がある
法政大学の入学試験要項には「各学部の要件」という章があり、出願する学部の要件を必ず確認するよう求めています。ここには合否ではなく入学後に卒業できるかどうかに関わる情報が書かれており、志望校選びの段階で読んでおく価値があります。
グローバル教養学部:受験にTOEFL iBT 85点以上またはIELTS 6.5以上が必要
グローバル教養学部は、現在の大学・短期大学の所在地に関係なく、すべての受験生が英語外部試験のスコアを提出する必要があります。基準はTOEFL iBT 85点以上、またはIELTS 6.5以上のいずれかです。
これは受験資格に相当する条件なので、このスコアがなければそもそも出願できません。試験科目が書類審査だけだからといって、準備が軽いわけではないということです。
さらにグローバル教養学部には進級要件が厳しく規定されており、認定単位数が少ない場合は1年間で次の学年に進級できない場合があるとされています。英語以外の言語による科目は40単位を超えて認定されません。
また2024年度のカリキュラムから、1年次に履修する100レベルの基礎科目が5つの科目群(教育・哲学・心理学/芸術・メディア・社会学/経営学・経済学・IT/国際関係論・政治学・観光学/言語学・文学)に分けられ、各科目群から各4単位以上の履修が卒業要件として定められています。3年次以降の科目でこれらの単位修得が前提になっていることも多く、要項は「前籍においてそれらの選択必修科目と同類科目の修得単位がない、あるいは少ない場合、2年次編入学者は3年間で卒業できない可能性があります」と明記しています。
社会学部:前籍の履修内容によっては2年間で4年次に進級できない
社会学部はカリキュラムが学科ごとのコース制になっており、他学部にない選択必修科目が多数設置され、各年次の進級要件の中で厳しく規定されています。
要項には踏み込んだ警告があります。社会学系の学部以外からの編入で、前籍で英語以外の諸外国語や体育実技の修得単位がない場合、2年間では4年生に進級できない可能性があるというものです。
具体的な進級要件も公表されています。2年次から3年次への進級には、2年次で通算1年以上在籍し、所属学科の入門科目(4科目8単位)から6単位以上の修得が必要です。3年次から4年次への進級には、3年次終了までに76単位以上の修得に加えて、「Basic English 1-Ⅰ・Ⅱ」「Basic English 2-Ⅰ・Ⅱ」および必修外国語として登録した諸外国語初級A・Bを各4単位・合計8単位、さらに「スポーツ総合1-Ⅰ・Ⅱ」合計2単位の修得が求められます。
また、メディア社会学科のカリキュラムには前提科目(コンピュータ入門・プログラミング入門)を修得済みでないと履修できない科目が多くあります。この前提科目は入学後2年次からでも履修できますが、修得できない場合は卒業要件を満たせない可能性があります。しかも前籍で類似科目を修得済みであっても、編入後の単位認定で前提科目として認定することはできないとされています。
要項は社会学部について「出願にあたっては、必ず事前に社会学部事務課にご相談ください」と求めています。社会学部を志望するなら、この相談は省略しないでください。
文学部日本文学科:文芸コースは募集していない/出願時にコースを選ぶ
文学部日本文学科は文学コース・言語コース・文芸コースの3コース制ですが、編入学・転籍・転部・転科・継続学士入学では文芸コースを募集していません。
出願時に希望のコース名を選択して出願する必要があり、出願後の変更はできません。さらに要項は「希望どおりのコースとならない場合があります」とも記しています。入学後は文学コースまたは言語コースの「ゼミナール」に所属し、卒業論文はその担当教員の指導を受けることになります。
文学コースは上代・中古・中世・近世から近代・現代に至る日本文学に加え、中国文学や古典芸能などの関連分野も含めて作品・作家・時代・文化を研究する内容、言語コースは日本語の歴史や変遷、現代日本語の諸相、現代言語学から見た日本語などを研究する内容とされています。志望理由書を書く際は、どちらのコースを選ぶかで書く内容が変わります。
経営学部:進級要件と留学プログラムの制限
経営学部も各年次の進級要件が厳しく規定されており、認定単位数が少ない場合は1年間では次の学年に進級できない場合があるとされています。
また留学プログラム(SA:スタディ・アブロード・プログラム)については、2年次編入学の場合は2年次SAへの応募ができず、3年次編入学の場合は3年次SAへの応募ができません。4年次SAについては入学後に応募条件等を確認する必要があります。留学を目的のひとつとして編入を考えている場合は、この制限を織り込んでおいてください。
国際文化学部:編入学生はSAに参加できない
国際文化学部については、編入学生はSAに参加できませんと明記されています。また専門科目の演習(ゼミ)は定員制で選抜により受講者が決定されるため、希望する演習を受講できない場合があります。編入学初年度に演習の受講を希望する場合は、2026年11月末日までに国際文化学部担当へ連絡する必要があるとされています。
現代福祉学部:「資格科目」の解釈に注意
現代福祉学部には受験資格に関する補足があります。共通資格では「教職・資格科目を除き30単位以上を修得している者」と記載されていますが、ここでいう資格科目とは社会福祉士、精神保健福祉士、公認心理師の国家試験受験資格に関わる科目ではないと明記されています。
つまりこれらの資格科目で取得した単位は30単位のカウントに含められる、という趣旨です。単位数が足りるかどうか微妙な方にとっては重要な情報なので、不明な点は現代福祉学部事務課に問い合わせるよう要項も案内しています。
また現代福祉学部では専門演習(ゼミ)科目の履修が卒業要件となっており、2年次より開始します。入学手続直後または入学手続と並行してゼミ選考に参加する場合があります。
過去問は法政大学が公式に公開している
編入試験の対策で最大の障害になるのが過去問の入手ですが、法政大学についてはこの問題がほとんどありません。大学が入学試験過去問題をオンラインで公開しているためです。
公開の形は年度によって異なります。2026年度については、試験問題に加えて解答・解答例と出題意図まで公開されています。2025年度以前の問題は、入学試験ガイダンスの入学試験要項ページで公開されています。なお、掲載されていない問題については出題学部の窓口で閲覧が可能とされています。
「解答例」と「出題意図」が公開されている意味は大きいと思います。編入試験の小論文は模範解答が出ないことが多く、自分の答案が的を射ているかどうかを確認する手段がないのが通常です。出題意図が公表されているなら、答案を書いたあとにそれと照合するという学習ができます。まず1年分を解き、解答例と出題意図を読み、自分の答案とのずれを言語化する。この作業を最初にやってから対策の計画を立てるのが合理的です。
公開されている2026年度過去問から読み取れる出題テーマ
ここからは、法政大学が公開している2026年度の転編入試験過去問題(解答・解答例および出題意図を含む)をもとに、学部・学科ごとの出題テーマと採点の観点を整理します。問題文そのものは掲載できないため、テーマと評価基準、そこから導ける対策の方向を中心に解説します。
法学部2年次|情報リテラシーを題材にした三段構成
2年次法学部の論文は、大問Iが三段構成でした。第一に、課題文にある誤字3箇所を指摘して適切な漢字2字に直す設問。第二に、課題文から読み取れる「教員から学生への助言」を三種類に分けて箇条書きで指摘する設問。第三に論述です。
助言として想定されている内容は、有料データベースを用いてネット情報の典拠を確かめること、ネットの記事だけでなく実際の新聞記事も閲覧して引用すること、1つの記事だけでなく範囲を広げて関連情報まで調べること、ランキングの数字がどのように構成されたかを常に批判的に見ること、指標の成立過程にも十分に注意を払うこと、といったものです。つまり題材は情報リテラシーであり、大学で学ぶ際の調査態度そのものが問われています。
注目すべきは、採点のポイントが明示されている点です。大学は、問題文が要求する制約(長さ、段落分け、冒頭一マス空け)を守っているかどうかを見るとし、「特に、短い場合は大幅に減点」と明記しています。さらに「小見出しを付けていれば加点」とも書かれています。加えてグラフの適切な解釈が織り込まれているか、ウェルビーイングを自分なりに定義して具体化しているかが評価されます。
形式面がここまで明確に採点対象として公表されている試験は多くありません。内容以前に、指定字数を満たす・段落を分ける・冒頭を一マス空ける・小見出しを立てるという作法を、答案練習の最初から身体に入れておくべきです。
大問IIは記憶をめぐる2つの文章の比較でした。「眼に焼きついている」のような、写真の比喩になっている記憶表現を知っているか、知らない場合は適切な表現を考え出せるかを問う設問が含まれます。もう一方の設問では、2つの文章の議論の方向性を理解し、その違いを感覚によらず理由に基づいて比べられるか、実際の記憶の事例に当てはめられるか、そこから理由を持って自分の考えを導けるかが問われています。
法学部3年次・法学|憲法・刑法・民法から1問ずつ
3年次法学部の「論文-法学」は3問構成で、出題意図から論点が特定できます。
- 問1:表現の自由の意義を踏まえた二重の基準論、および表現内容規制・内容中立規制それぞれに適用される違憲審査基準(憲法)
- 問2:事実の錯誤の概念と種類、錯誤の重要性の判断基準、違法性の錯誤の意義および判断基準(刑法)
- 問3:権利主体の概念と種類、権利主体の一種である法人に関する法人格否認の法理(民法)
いずれも法学部の基礎科目で扱われる基本論点です。奇をてらった出題ではなく、体系書の該当箇所を理解していれば骨格は書けます。ただし「知っている」ことと「制限時間内に論述の形で書ける」ことは別物です。憲法・刑法・民法の入門書を読んだうえで、各論点を答案の形に落とす練習が必要になります。
法学部3年次・政治学|結論の向きでは採点されない
「論文-政治学」については、大学が採点方針を異例なほど明確に述べています。テーマは地方自治と民主主義の関係で、大学は「地方自治と民主主義は相いれないという解答も、相いれるという解答も、そしてまたその中間のあらゆるニュアンスを持った無限の回答の仕方も、きちんとした根拠を示していればいずれも正解となります」としています。
結論の方向によって加点・減点されることはない、という宣言です。したがって対策は「正しい立場を当てる」ことではなく、「どの立場を取っても根拠を積み上げられる」状態を作ることになります。地方自治について賛否両論の論拠をそれぞれ用意しておく訓練が有効です。
文学部|学科ごとに試験の性格がまったく違う
文学部は同じ「論文」でも、学科によって求められる力が別物です。2026年度の解答例から確認できる範囲で整理します。
| 学科 | 2026年度に確認できる出題テーマ・形式 |
|---|---|
| 史学 | 日本古代〜中世の語句記述。鎮守府、多賀城、伊治公呰麻呂、坂上田村麻呂、阿弖流為、鳥羽、崇徳、頼長といった語が解答として並ぶ |
| 心理 | 実験計画法。音楽のテンポを独立変数とした実験について、独立変数と水準を答えさせる設問を含む |
| 地理 | 写真判読と地形データの読み取り。写真から壱岐島・対馬を判別し、標高(対馬は最高地点648m)などを根拠として示させる |
| 英文 | 英語の文章を用いた読解・論述。毒性のある薬剤が癌治療に用いられることを扱う内容が含まれる |
| 哲 | 広く思想に関わる論文形式。正解を一つに絞らない設計 |
| 日本文 | 論文形式 |
史学科は明確な知識問題が含まれます。日本史の用語を正確に書けるかが問われるので、論述対策だけでは足りません。心理学科は心理学の研究法、とくに実験計画の基礎(独立変数・従属変数・水準)を理解しているかが問われています。地理学科は与えられた資料から根拠を挙げて判断する力で、暗記よりも読み取りの試験です。
「文学部の編入対策」とまとめて考えるのではなく、志望学科の過去問を1年分解いてから計画を立ててください。準備の中身が学科で入れ替わります。
経営学部|3年次は会計の基礎知識が直接問われる
経営学部は年次で内容が変わります。2年次の「人文」では超高齢社会が題材となり、社会保障制度の財政不足、医療・介護分野の課題といった論点が解答例に挙がっています。
3年次は経営・会計・経済の3分野から2分野を選択する形式で、それぞれの解答例から次のような内容が確認できます。
- 会計分野:商品を仕入れる際の引取運賃や保険料等の扱い(取得原価に関する論点)
- 経営分野:マーケティング戦略の実行にあたり、市場とは何か、競合は何かを考慮する視点
- 経済分野:論文形式のため具体的な解答例は非公開
会計分野には明確な正解のある知識問題が含まれます。簿記の基礎(取得原価の考え方)を押さえていれば得点源になり得ます。逆に、会計を選択するなら曖昧な理解では書けません。2分野の選択は、自分がどちらの型(知識で書けるか、論理で書けるか)で戦うかの判断でもあります。
キャリアデザイン学部|配点が公表されている
2年次キャリアデザイン学部の論文は、テーマが「働き方を含む生き方」に関するものでした。特筆すべきは配点が公開されている点です。
大学の説明によれば、問1・問2は課題文の内容を的確に理解できているかを問う設題で配点あわせて50点、問3は課題文の理解を踏まえて自己の見解を述べる設題で50点です。
つまり半分は読解、半分は論述という配分です。自分の意見を書くことばかりに練習時間を割いても、半分の点は取れません。課題文を正確に読んで要約する訓練に、同じだけ時間を配分するのが合理的です。
社会学部|出題の出典が公開されている
社会学部社会学科の2026年度の問題は、著作権の関係で問題文が掲載されていません。ただし大学は出典情報を公開しています。ランドル・コリンズ著、井上俊・礒部卓三訳『脱常識の社会学——社会の読み方入門〔第2版〕』(岩波書店、2013年)のpp.2-3を一部改変したもの、とされています。
これは対策上きわめて大きな情報です。問題文が読めなくても、出題に使われた書籍そのものを読むことができます。社会学科を志望するなら、まずこの本を読むことが最も直接的な対策になります。同時に、社会学部が「社会学的なものの見方」の入門的理解を求めていることも読み取れます。
社会政策科学科・メディア社会学科はいずれも論文形式で、具体的な解答例は非公開、出題意図の説明が代わりに公表されています。
現代福祉学部|用語説明+論述の二部構成
現代福祉学部は、学科を問わず形式が明確です。
- 福祉コミュニティ学科:Ⅰは4つの用語から2つを選択し、それぞれ100字以上150字以内で説明(用語の例として「異次元の少子化対策」)。Ⅱは2問から1つを選択し、400字以上500字以内で論述
- 臨床心理学科:Ⅰは2つの用語について、それぞれ100字以上150字以内で説明(「作業同盟」「双極症(双極性障害)」)。Ⅱは400字以上500字以内で論述
字数がきわめて明確に指定されているのが特徴です。専門用語を100〜150字で説明する練習と、400〜500字でまとまった論述をする練習は、まったく別のトレーニングになります。両方を並行して準備してください。
とくに用語説明は、定義を暗記しているだけでは150字に届かず、逆に語りすぎると収まりません。「定義+位置づけ+具体例または意義」で140字前後に着地させる型を作っておくと安定します。臨床心理学科の「作業同盟」「双極症」のように、心理臨床の基本用語が直接問われる点も押さえておきましょう。
スポーツ健康学部|採点基準が3点、明示されている
スポーツ健康学部の論文は試験時間60分で、2026年度はオリンピックや国民スポーツ大会などのスポーツイベントに関するテーマ、具体的にはレガシーを扱う出題でした。
大学は解答にあたって意識すべき点を3つ挙げています。
- レガシーの定義と一貫性:レガシーの定義を明確にし、選択した専門領域(ビジネス、コーチング、ヘルスデザイン)の視座に基づいた論旨を一貫させ、論理の飛躍がないこと
- 実行可能な具体策:提案が単なる理想論で終わらず、「誰が・いつ・何を」という具体的な手順や関係者を明示し、実行可能性を提示すること
- 客観的な成果指標:提案した戦略の成果を客観的に測定できる指標を提示すること
採点基準がここまで具体的に公開されている編入試験は稀です。答案の型がそのまま示されているに等しく、「定義を置く→専門領域の視座を選ぶ→誰が・いつ・何をを書く→成果指標を出す」という骨格で書けば、大きく外すことはありません。60分という時間内にこの4ブロックを収める練習をしてください。
国際文化学部|評価の3観点
国際文化学部については、2026年度は志願者がいなかったため2025年度入試の情報が掲載されています。3年次の論文は課題文型で、留学生として東京の大学に入学した人物の視点から書かれた文章が用いられていました。
評価の観点として、①基礎的理解、②課題文の正確な把握、③自らの考えの明確な提示、の3点が挙げられています。課題文を読んで日本語で論述するという形式に対応する、素直な評価軸です。
過去問から導ける学習の順番
ここまでの情報をまとめると、法政大学の編入対策は次の順番で進めるのが合理的です。
- 志望学科の過去問を1年分入手し、時間を計って解く
- 公開されている解答例・出題意図・採点のポイントと自分の答案を照合し、ずれを書き出す
- 形式面(字数、段落、一マス空け、小見出し、用語説明の字数など)を先に固める
- 知識問題が含まれる学科(史学、心理、経営の会計分野、現代福祉の用語説明)は、その範囲を別途潰す
- 論述部分は、結論の向きではなく根拠の積み方を評価されるという前提で練習する
とくに3の形式面は、内容の勉強と違って短期間で確実に得点に変わります。法政大学が採点のポイントとして形式を明記している以上、ここを落とすのはもったいない失点です。
なお本節で扱った出題テーマ・解答例・出題意図・採点のポイントは、いずれも法政大学が公開している2026年度(国際文化学部のみ2025年度)の過去問題資料に基づいています。出題内容は年度によって変わるため、必ず最新の公開資料をご自身で確認してください。
単位認定と修業年限も確認しておく
編入は合格したあとにも確認事項があります。法政大学の入学試験要項には「単位認定」と「修業年限および在学年限」という独立した章が設けられています。
編入前に取得した単位がどこまで認定されるかによって、編入後に取らなければならない単位数が変わります。これは在学中の負担に直結します。分野をまたぐ編入をする場合はとくに、専門科目が認定されにくくなる可能性があります。志望校を決める段階で、要項の単位認定の章に目を通しておいてください。
なお法政大学通信教育部にも「編入学者の単位認定」に関する情報があり、通学課程とは制度が異なります。自分が受けるのがどちらなのかを取り違えないようにしてください。
併願をどう組むか
法政大学の編入試験は2026年11月8日に実施されます。他大学との併願を考える場合、この日程と重ならない大学を選ぶ必要があります。
併願校を選ぶときの実務的なコツは、出題範囲が重なる大学を組み合わせることです。複数大学の過去問を分野別に並べると、傾向が重なる部分が見えてきます。範囲がばらばらの大学を並べると準備量が単純に足し算になりますが、重なる大学を選べば1つの準備が複数校に効きます。
法政大学の場合、英語が外部試験スコアで判定される学部が多いことも併願上の利点です。スコアを1つ作れば、同じスコアを複数校の出願に使い回せる可能性があります。
関東圏で3年次編入を実施している私立大学については、関東の有名私立大学で3年次編入できる大学一覧!【文系編】で整理しています。併願先の候補を洗い出す際に参照してください。
よくある質問
法政大学の編入は難しいですか。
学部と年次によって大きく異なります。2026年度の編入学試験の実績では、法学部2年次が受験85名に対して合格3名(28.3倍)、社会学部2年次が受験20名に対して合格1名(20.0倍)と厳しい一方、人間環境学部2年次は受験7名に対して合格5名(1.4倍)でした。「法政大学の編入」とひとくくりにできる難易度は存在しません。
法政大学の編入の倍率はどれくらいですか。
2026年度の編入学試験のみの実績で、2年次は全体で志願263名・受験247名・合格36名、3年次は志願88名・受験76名・合格18名でした。学部別の内訳は本文の表を参照してください。なお法政大学が公表している表には転籍・転部・転科・継続学士入学試験の数字も含まれているため、編入学試験だけの倍率を見たい場合は制度別の列を分けて読む必要があります。
2年次と3年次のどちらを受けるべきですか。
出願資格があり、志望学部が3年次を実施しているなら、3年次のほうが数字の上では通りやすい傾向があります。法学部では2年次28.3倍に対して3年次6.4倍、文学部では4.4倍に対して3.5倍、経営学部では4.3倍に対して3.5倍でした。ただし3年次を実施しているのは法・文・経営・国際文化・人間環境・理工(指定校推薦のみ)の6学部だけです。
英語の勉強はどれくらい必要ですか。
志望学部によります。法学部以外の多くの学部では英語の筆記試験が行われず、事前に提出した英語外部試験のスコアのみで判定されます。この場合、試験直前の英語学習は得点に反映されません。出願までにスコアを確定させることが対策のすべてになります。一方、法学部は科目表に「英語」と記載されており外部試験スコアのみという注記がないため、筆記の対策が必要です。
3年次から理工学部に編入できますか。
一般の編入学試験ではできません。理工学部の3年次(機械工・電気電子工・応用情報工・創生科)は指定校推薦のみの実施です。一般で理工学部を狙う場合は2年次編入になります。なお経営システム工学科は2年次のみの実施です。
過去問はどこで手に入りますか。
法政大学が入学試験過去問題をオンラインで公開しています。2026年度については試験問題・解答/解答例・出題意図が公開されており、2025年度以前は入学試験ガイダンスの入学試験要項ページで公開されています。掲載されていない問題は出題学部の窓口で閲覧できるとされています。
社会人でも受けられますか。
社会人編入学試験が用意されています。法政大学はこの制度を、働きながら自己研鑽を続けたい方、新たなチャレンジに意欲をお持ちの方、定年を迎えた方や子育てが一段落した方など、多様な社会人のニーズに応える制度と位置づけています。人間環境学部については社会人リフレッシュ・ステージ・プログラム入試(RSP入試)という専用制度があり、専用の入学試験要項で確認する必要があります。2026年度の人間環境学部3年次の合格者7名は、すべてRSP入試によるものでした。
出願はいつからですか。
2027年度は出願期間が2026年9月21日(月)~10月2日(金)、試験日が2026年11月8日(日)です。出願期間は12日間と短く、その間に英語外部試験のスコア提出まで完了させる必要があります。スコアの取得は夏までに終わらせておくのが安全です。
高専から法政大学の3年次に編入できますか。
出願できるのは法学部と経営学部のみです。3年次の共通受験資格には高等専門学校卒業者が含まれておらず、学部が独自に定める受験資格として高専卒を認めているのがこの2学部だけだからです。理工学部の3年次は指定校推薦のみの実施なので、一般の編入学試験としては受験できません。なお2年次であれば、高専卒は共通受験資格に含まれています。
専門学校から法政大学に編入できますか。
専修学校の専門課程のうち、修業年限が2年以上で課程の修了に必要な総授業時間数が1,700時間以上という基準を満たす課程を修了した方が対象です。2年次は法・文・経営・キャリアデザイン・現代福祉・理工・生命科の7学部、3年次は法・文・経営の3学部が対象になります。出願時に「編入学基礎資格証明書」の提出が必要です。
短期大学卒業でも国際文化学部を受けられますか。
受けられません。国際文化学部の受験資格は「学士の学位を有し(入学までに取得見込みの者を含む)、かつ、学部が定める英語外部試験の出願基準を満たす者」と定められており、4年制大学の卒業または卒業見込みが必要です。国際文化学部は3年次のみの実施である点も含めて、他学部と条件が異なります。
グローバル教養学部を受けるのに英語のスコアは必要ですか。
必要です。現在の大学・短期大学の所在地に関係なく、すべての受験生がTOEFL iBT 85点以上またはIELTS 6.5以上のスコアを提出する必要があります。試験自体は書類審査(対象者を指定して英語でのオンライン面接を行う場合がある)ですが、このスコアがなければ出願できません。
編入すると2年間で卒業できますか。
学部と前籍での履修内容によっては、2年間で卒業できない可能性があります。社会学部は「社会学系の学部以外からの編入で、前籍で英語以外の諸外国語や体育実技の修得単位がない場合、2年間では4年生に進級できない可能性がある」と要項に明記しています。グローバル教養学部も、選択必修科目と同類科目の修得単位が少ない場合、2年次編入学者は3年間で卒業できない可能性があるとしています。経営学部・現代福祉学部・グローバル教養学部・社会学部はいずれも進級要件が厳しく規定されており、認定単位数が少ないと進級できない場合があります。
まとめ
法政大学の編入試験について、要項と実績データから確認できることを整理します。
まず、3年次編入を実施しているのは法・文・経営・国際文化・人間環境・理工(指定校推薦のみ)の6学部だけです。社会・現代福祉・キャリアデザイン・グローバル教養・スポーツ健康・生命科は2年次のみ、国際文化は3年次のみです。志望学部が決まらないと、そもそも受けられる年次が決まりません。
次に、英語は多くの学部で外部試験スコアのみの判定です。試験直前に英語を伸ばして逆転する戦い方が成立しないため、スコアづくりを最優先に置く必要があります。法学部だけは英語の筆記があり、かつ面接がないという別条件です。
そして倍率については、2026年度の編入学試験の実績で法学部2年次28.3倍・3年次6.4倍と、同じ学部でも年次で4倍以上の差がありました。文学部・経営学部でも3年次のほうが通りやすい数字が出ています。両方に出願資格があるなら、年次の選択そのものが戦略になります。
最後に、法政大学は過去問を解答例・出題意図まで含めて公開しています。編入試験としては例外的に恵まれた環境です。まず1年分を解き、出題意図と自分の答案を照合するところから始めてください。
本記事の数値は法政大学が公表する2027年度入学試験要項および2026年度の志願・受験・合格者数一覧に基づいています。制度・日程・募集人員・試験科目は年度によって変更されるため、出願前には必ず法政大学が公表する最新の入学試験要項をご確認ください。
法政大学に編入した合格者の声
当サイトでは、実際に法政大学法学部へ編入した方へのインタビューを記事化しています。試験科目や日程だけではわからない、対策の進め方や当日までの過ごし方はこちらを参照してください。
- 【大学編入合格体験記】日本外国語専門学校から法政大学法学部法律学科へ3年次編入|約8ヶ月の小論文添削で掴んだ合格
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