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大学院の春入試の倍率と難易度|2月・3月入試の実施校と対策【2027年度】

大学院の春入試(2月・3月入試)は、同じ年の4月入学に間に合う最後の受験機会であり、倍率は「秋より低い」とも「高い」とも一概には言えません。公式の入試結果を研究科ごとに並べると、春のほうが合格しやすい年もあれば、秋の数倍の競争になる年もあるからです。本記事では、大学院 春入試を実際に実施している研究科の2027年度日程と、大学が公表している入試結果の数字をもとに、倍率と難易度の実態を整理します。
大学院の春入試とは、翌年4月入学者を対象に、おおむね1月下旬から3月上旬にかけて実施される入学試験の総称です。大学によって「春期入試」「春季入試」「2月入試」「冬期入試」「第2期」「Ⅱ期」「第2次募集」など呼び方が異なり、同じ2月実施でも名称がそろっていません。名称に惑わされず、「何月に試験があり、いつ入学するか」で整理するのが失敗しないコツです。
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この記事では、慶應義塾大学・上智大学・国際基督教大学(ICU)・國學院大學・明治学院大学・学習院大学・青山学院大学・大東文化大学・東洋大学・横浜市立大学・名古屋大学などの公式募集要項と入試結果を確認し、日程表と倍率表にまとめました。倍率は大学の公表値から本記事で計算したもの(受験者数÷合格者数、受験者数が非公表の場合は志願者数÷合格者数)で、計算値であることを明記しています。
秋入試や夏入試で思うような結果が出なかった方、社会人で年末まで準備期間がほしい方、志望先が春にしか募集していない方にとって、春入試は戦略次第で大きな武器になります。一方で、募集人員が「若干名」だったり、前の期で定員に達すると実施されなかったりと、春ならではの注意点もあります。大学別の詳しい傾向は、spring-online.jpの各研究科「春入試」記事へのリンクもあわせてご活用ください。
大学院の春入試(2月・3月入試)とは|呼び方の違いと4月入学との関係
まずは「春入試」という言葉が何を指すのかを確認しておきましょう。大学院入試は学部入試と違って全国共通の日程がなく、研究科ごとに年1〜3回程度の入試を組んでいます。そのうち、翌年4月入学者を対象とし、年明け以降の1〜3月に試験を行う回が、一般に「春入試」と呼ばれています。
大学ごとに異なる名称の例
同じ時期の入試でも、大学によって名前がまったく違います。たとえば東北大学大学院文学研究科は、従来9月中旬に「秋期大学院入試」、1月下旬に「春期大学院入試」を行っていましたが、2024年度入試から春期を「冬期大学院入試」に改め、原則として毎年2月最初の連続する水・木・金曜日に実施する方式へ変更しました(2023年3月3日の研究科長告知)。つまり「冬入試」と「春入試」は、名前が違うだけで同じ2月の試験を指している場合があるのです。
| 呼び方の例 | 使っている大学の例(2027年度入学向け) | 試験の時期 |
|---|---|---|
| 春期入試 | 慶應義塾大学(文学・法学研究科)、学習院大学(人文科学研究科) | 2月下旬 |
| 春季入試・春季選考 | 國學院大學、大東文化大学、ICU | 2月 |
| 2月入試 | 上智大学 | 2月中旬 |
| 一般入試(春) | 青山学院大学、明治学院大学 | 1月下旬〜2月下旬 |
| 冬期入試 | 東北大学文学研究科 | 2月上旬(原則) |
| 第2期・第2次募集 | 横浜市立大学、名古屋大学情報学研究科 | 2月 |
| 3月入試 | 大東文化大学(スポーツ・健康科学研究科のみ) | 3月上旬 |
この表のとおり、2月実施の入試には少なくとも6〜7種類の呼び名があります。検索するときは「春入試」だけでなく「2月入試」「第2期」「冬期」なども試すと、志望研究科の情報にたどり着きやすくなります。
春入試で合格すると入学はいつか
春入試の合格者は、原則としてその年の4月に入学します。慶應義塾大学法学研究科の2027年度要項でも、修士課程の秋期・春期いずれの合格者も入学時期は2027年4月と明記されています。秋入試で合格しても、春入試で合格しても、入学後のカリキュラムや修了時期は同じだと考えてよいでしょう。違うのは「出願から入学までの期間」で、春入試は合格発表から入学手続締切まで2週間前後しかないケースが多く、入学金の準備や勤務先との調整を早めに進めておく必要があります。
秋に不合格でも同じ研究科の春入試は受けられる
多くの研究科では、秋入試に不合格だった人が同じ研究科の春入試を受け直すことを禁止していません。慶應義塾大学法学研究科の要項には「修士課程秋期入試と春期入試の両方を受験する場合(例:秋期入試不合格により春期入試も受験する場合)であっても、出願書類の提出が免除されることはありません」という注記があり、秋の不合格者が春に再挑戦すること自体は想定されていることが読み取れます。ただし書類は一から出し直しになるため、秋の研究計画書をそのまま再提出するのではなく、不合格の原因を分析して作り直すことが前提になります。秋に落ちた後の選択肢全体については、大学院入試に落ちた後の選択肢を解説した記事も参考になります。
春入試がある研究科・ない研究科
すべての研究科が春入試を行っているわけではありません。慶應義塾大学の場合、2027年度入学向けでは文学研究科・法学研究科には修士課程の春期入試がある一方、社会学研究科や商学研究科の修士課程は9月の一般入試のみです。同じ大学でも研究科・専攻によって入試回数が違うため、「この大学は春入試がある」とひとまとめにせず、専攻単位で募集要項を確認することが欠かせません。大学院入試の年間スケジュール全体は、大学院入試の日程一覧【2027年度】で夏入試・冬入試とあわせて確認できます。
春入試が向いている人・向いていない人
春入試は誰にとっても有利な回というわけではありません。向いているのは、秋入試の経験を踏まえて書類と面接を改善できる人、年末までに研究計画書を仕上げる時間を確保できる社会人、志望専攻が春にしか一般入試を行っていない人などです。反対に、海外在住で国内出願ができない人や、出願資格審査が必要なのに夏の段階で準備を始めていない人は、春入試を本命にするとスケジュールが苦しくなります。
| タイプ | 春入試との相性 | 理由 |
|---|---|---|
| 秋入試で不合格だった人 | 相性が良い | 同じ年度の4月入学に再挑戦でき、秋の試験経験を活かせる |
| 年末まで仕事が忙しい社会人 | 相性が良い | 出願が12〜1月の研究科なら準備期間を確保しやすい |
| 春にしか一般入試がない専攻の志望者 | 春が本番 | 明治学院大学 社会福祉学専攻(博士前期)など |
| 海外在住・在留資格がない外国籍の人 | 要注意 | 上智大学・ICUは春の回に国外から出願できない |
| 出願資格審査が必要な人 | 要注意 | 審査の締切が試験の数か月前に来る大学がある |
自分がどのタイプに当てはまるかを最初に確認しておくと、春入試を本命にするのか、秋入試の保険として使うのかを判断しやすくなります。
2027年度 大学院春入試の日程一覧|主要研究科の出願・試験・合格発表
ここからは、2027年4月入学を対象とした春入試のうち、各大学の公式募集要項・入試日程PDFで確認できたものを一覧にします。春入試は試験そのものは2月でも、出願期間は前年11月下旬〜1月下旬に集中している点に注意してください。年末年始をはさむため、書類準備の実質的な締切は思っている以上に早く来ます。
私立大学(文系中心)の春入試日程
| 大学・研究科 | 出願期間 | 試験日 | 合格発表 |
|---|---|---|---|
| 上智大学(2月入試・全専攻共通) | Web出願 2026/11/27〜12/9 | 2027/2/16・2/17 | 2027/3/1 |
| ICU アーツ・サイエンス研究科(春季選考) | 2026/11/13〜11/27 | オンライン面接 2027/2/2 | 2027/2/16 |
| 慶應義塾大学 文学研究科(修士・春期) | 出願登録 2026/12/14〜12/24 | 筆記 2027/2/24、口頭試問 2/26 | 2027/2/26 |
| 慶應義塾大学 法学研究科(修士・春期) | 出願登録 2026/12/14〜12/24 | 筆記 2027/2/26、口頭試問 2/27 | 2027/2/27 |
| 國學院大學 文学研究科(前期) | 2027/1/7〜1/14 | 2027/2/13 | 2027/2/19 |
| 國學院大學 法学・経済学研究科 | 2027/1/15〜1/22 | 2027/2/20 | 2027/2/24 |
| 大東文化大学(春季入試) | 2027/1/21〜1/27 | 2027/2/13 | 2027/2/20 |
| 明治学院大学 社会学研究科 | 2027/1/5〜1/21 | 2027/2/13 | 2027/2/16 |
| 学習院大学 人文科学研究科(春期) | 2027/1/12〜1/14 | 2027/2/20・2/21 | 2027/2/26 |
| 青山学院大学 教育人間科学研究科 教育学専攻(春) | 2027/1/8〜1/12 | 2027/2/20 | 2027/2/26 |
| 東洋大学 白山(文学・社会学・法学・国際観光学) | 2027/1/5〜1/13 | 2027/2/13 | 2027/2/26 |
出典:上智大学 2027年度大学院募集要項(共通)、ICU 2027年度大学院学生募集要項、國學院大學 令和9年度大学院入試日程、明治学院大学 大学院入試情報、学習院大学 令和9年度大学院入学試験日程、青山学院大学 2027年度大学院入試日程ほか各大学公式資料。
上の表を見ると、最も早い上智大学とICUは11月中に出願が締め切られ、最も遅い大東文化大学は1月下旬まで出願できます。秋入試の結果を見てから春入試を探す場合、10月中に合否が出ていないと上智・ICUの春入試には間に合わない計算です。秋入試の合格発表日と春入試の出願締切は、必ず並べて確認しておきましょう。
国公立大学・3月実施の入試日程
| 大学・研究科・区分 | 出願期間 | 試験日 | 合格発表 |
|---|---|---|---|
| 横浜市立大学 都市社会文化研究科 博士前期 第2期 | 2027/1/4〜1/6 | 2027/2/6 | 2027/2/19 |
| 横浜市立大学 国際マネジメント研究科 博士前期 第2期 | 2027/1/4〜1/6 | 2027/2/5 | 2027/2/19 |
| 横浜市立大学 データサイエンス研究科 博士前期 第2期 | 2027/1/4〜1/6 | 2027/2/6 | 2027/2/19 |
| 大東文化大学 スポーツ・健康科学研究科(3月入試) | 2027/2/18〜2/25 | 2027/3/4 | 2027/3/12 |
| 東洋大学 経済学研究科 公民連携専攻 | 2027/2/4〜2/10 | 2027/3/6 | 大学の発表による |
出典:横浜市立大学 2027年度大学院募集概要、大東文化大学 2027年度大学院入試要項、東洋大学大学院(白山)入試要項。
3月に試験を行う大学院は、確認できた範囲ではかなり限られます。大東文化大学ではスポーツ・健康科学研究科だけが「3月入試」を設けており、東洋大学では公民連携専攻が3月6日に試験を行います。2月の試験に間に合わなかった場合でも、こうした3月実施の回が残っている可能性はありますが、数は少ないため「3月に何とかなる」と考えて準備を後回しにするのは危険です。
MBA・専門職大学院の春入試
MBA(経営管理)や専門職大学院では、年3回以上の入試を設けているところもあり、春の回が用意されていることが少なくありません。たとえば学習院大学経営学研究科の博士前期B日程では、最終選考が2027年2月25日、合格発表が3月2日です。青山学院大学経営学研究科の一般入試(春)は、第1次(筆記)が1月21日、第2次(口述)が2月8日と、筆記が1月に行われる点に注意が必要です。早稲田大学大学院経営管理研究科(WBS)は秋募集と冬募集の2回があり、2027年度入学向けの冬募集は願書受付が2026年12月7日〜12月14日、面接が2027年2月14日、合格発表が2月18日です。東京理科大学の技術経営専攻(MOT)など、spring-online.jpで個別に解説しているビジネス系研究科もあるので、志望先が決まっている方は後半の大学別記事一覧からご確認ください。
春入試の倍率は高い?低い?|公式入試結果で秋と春を比べる
「春入試は受かりやすい」「いや、枠が少ないから難しい」という話はよく耳にしますが、実際の数字はどうなのでしょうか。ここでは、入試回ごとに結果を公表している大学のデータを並べて比較します。前提として、入試回別の数字を公表している大学はむしろ少数派です。慶應義塾大学は公式FAQで「試験ごとの具体的な数値は公表していません」と明言しており、上智大学の入試状況も9月入試と2月入試を合算した数字です。そのうえで、回別に比較できる大学のデータを見ていきます。
國學院大學:経済学研究科は春のほうが志願者が多い
| 専攻(博士前期) | 年度 | 秋季 志願/受験/合格 | 秋季 倍率(計算) | 春季 志願/受験/合格 | 春季 倍率(計算) |
|---|---|---|---|---|---|
| 経済学 | 令和8年度 | 9/9/2 | 4.5倍 | 12/11/7 | 1.6倍 |
| 経済学 | 令和7年度 | 10/9/3 | 3.0倍 | 21/14/9 | 1.6倍 |
| 経済学 | 令和6年度 | 13/12/7 | 1.7倍 | 22/18/8 | 2.3倍 |
| 史学 | 令和8年度 | 48/48/31 | 1.5倍 | 25/25/13 | 1.9倍 |
| 文学 | 令和8年度 | 25/25/17 | 1.5倍 | 15/15/8 | 1.9倍 |
| 法律学 | 令和8年度 | 5/5/5 | 1.0倍 | 8/8/7 | 1.1倍 |
出典:國學院大學 大学院入試実施状況(令和8年度・令和7年度・令和6年度PDF)。倍率は受験者数÷合格者数で本記事が計算。
國學院大學経済学研究科は3年続けて春季のほうが志願者が多く、春季志願者の大半は社会人入試です(令和8年度の春季は志願12名のうち社会人9名)。倍率は令和7・8年度は春季のほうが低い一方、令和6年度は春季のほうが高く、年度によって逆転しています。文学研究科の史学・文学専攻は、令和8年度は秋季のほうが志願者が多く、春季の倍率がやや高めでした。同じ大学でも専攻によって「春が狭き門か」は違うことがわかります。國學院大學経済学研究科の春入試の詳しい対策は國學院大學大学院経済学研究科「春入試」の傾向と対策で解説しています。
明治学院大学:春にしか一般入試がない専攻も
| 研究科・専攻(博士前期・修士) | 区分 | 2026 | 2025 | 2024 |
|---|---|---|---|---|
| 社会学研究科 社会学専攻 | 春(合格/志願) | 0/22 | 5/26 | 7/20 |
| 社会学研究科 社会福祉学専攻 | 春(合格/志願) | 0/5 | 4/6 | 5/8 |
| 法と経営学研究科 | 秋(合格/志願) | 8/12 | 6/12 | 14/19 |
| 法と経営学研究科 | 春(合格/志願) | 8/15 | 6/12 | 6/12 |
| 国際学研究科 国際学専攻 | 秋(合格/志願) | 2/7 | 4/6 | 3/5 |
| 国際学研究科 国際学専攻 | 春(合格/志願) | 3/7 | 4/13 | 6/12 |
出典:明治学院大学 大学院入試情報「入試結果(過去3ヵ年)」。表記は大学の公表どおり「合格者/志願者」。年次の列見出しは大学の表記のまま。
明治学院大学では、社会学専攻の春の結果が「2026」欄で志願22名に対し合格0名、「2025」欄で26名中5名と、かなり厳しい数字が並んでいます。社会福祉学専攻の博士前期課程は、2027年度の日程表では秋季が推薦(C方式)のみで、一般入試・社会人入試は春季にしかありません。「春は補欠募集だから簡単」とは言えない専攻の典型例です。社会福祉学専攻の詳細は明治学院大学大学院社会学研究科社会福祉学専攻「春入試」の傾向と対策をご覧ください。
日本大学経済学研究科:第2期は社会人が中心、一般は狭き門
| 年度(博士前期) | 区分 | 第1期 志願→合格 | 第2期 志願→合格 |
|---|---|---|---|
| 2026年度 | 一般 | 8→2 | 11→1 |
| 2026年度 | 社会人 | 12→8 | 24→16 |
| 2025年度 | 一般 | 6→0 | 11→2 |
| 2025年度 | 社会人 | 11→8 | 21→15 |
| 2024年度 | 一般 | 18→6 | 16→2 |
| 2024年度 | 社会人 | 11→8 | 29→19 |
出典:日本大学経済学部 大学院 合格発表・入試結果。2027年度の第2期の合格発表は2027年3月3日と公表されています。
日本大学経済学研究科の第2期は、3年続けて志願者の過半数を社会人が占めています。社会人は2026年度に24名中16名が合格している一方、一般入試の第2期は11名中1名と、同じ回でも入試区分によって合格の難しさがまったく違うことがわかります。春入試の倍率を見るときは、研究科全体の数字だけでなく、自分が出願する区分の数字を確認することが大切です。
横浜市立大学:第2期の倍率は年度で大きく振れる
| 研究科(博士前期) | 年度 | 第1期 募集/受験/合格 | 第1期 倍率(計算) | 第2期 募集/受験/合格 | 第2期 倍率(計算) |
|---|---|---|---|---|---|
| 都市社会文化 | 2026年度 | 10/8/5 | 1.6倍 | 10/7/4 | 1.8倍 |
| 都市社会文化 | 2025年度 | 10/10/6 | 1.7倍 | 10/11/7 | 1.6倍 |
| 国際マネジメント | 2026年度 | 14/26/8 | 3.3倍 | 若干名/23/3 | 7.7倍 |
| 国際マネジメント | 2025年度 | 14/18/9 | 2.0倍 | 若干名/9/8 | 1.1倍 |
| ヘルスデータサイエンス | 2026年度 | 15/19/13 | 1.5倍 | 若干名/5/4 | 1.3倍 |
出典:横浜市立大学 2026年度大学院入試結果、同 2025年度大学院入試結果。倍率は受験者数÷合格者数で本記事が計算。
横浜市立大学国際マネジメント研究科の第2期は、2025年度は受験9名中8名が合格(約1.1倍)でしたが、2026年度は受験23名中3名しか合格せず約7.7倍に跳ね上がりました。募集人員が「若干名」の回は、志願者が少し増えただけで倍率が何倍にも動くため、前年の数字だけで判断するのは危険です。
名古屋大学情報学研究科:第2次募集は全専攻で第1次より小規模
| 専攻(博士前期・2026年4月入学) | 第1次募集(2025年8月)受験/合格 | 倍率(計算) | 第2次募集(2026年2月)受験/合格 | 倍率(計算) |
|---|---|---|---|---|
| 知能システム学 | 128/45 | 2.8倍 | 29/8 | 3.6倍 |
| 複雑系科学 | 75/51 | 1.5倍 | 33/18 | 1.8倍 |
| 情報システム学 | 69/35 | 2.0倍 | 4/3 | 1.3倍 |
| 社会情報学 | 14/12 | 1.2倍 | 9/7 | 1.3倍 |
| 心理・認知科学 | 13/9 | 1.4倍 | 3/1 | 3.0倍 |
| 研究科合計(定員164) | 333/171 | 1.9倍 | 84/39 | 2.2倍 |
出典:名古屋大学大学院情報学研究科 2025年度実施大学院入試結果。倍率は受験者数÷合格者数で本記事が計算。
名古屋大学情報学研究科では、第2次募集(2026年2月実施)の受験者は84名で第1次募集の約4分の1、合格者は39名でした。研究科合計の倍率は第1次が約1.9倍、第2次が約2.2倍で、2月の回のほうがやや高い結果です。知能システム学専攻や心理・認知科学専攻のように、第2次の倍率が第1次を明確に上回った専攻もあります。
東洋大学・ICU・青山学院大学のデータ
東洋大学は白山キャンパスの入試結果を「4月入学」として9月試験と2月試験を合算していますが、情報連携学研究科だけは実施月別に公表しています。博士前期課程では、2025年8月実施(2026年4月入学)が志願10名・合格9名だったのに対し、2026年2月実施は志願11名・合格3名でした。志願者÷合格者で見ると8月が約1.1倍、2月が約3.7倍です。ICUは志願者数を公表していませんが、博士前期課程の合格者数は2026年度4月入学で秋季選考33名・春季選考30名、2025年度は秋季29名・春季23名でした。青山学院大学教育人間科学研究科教育学専攻では、2026年度の春は一般入試・社会人入試とも「合格者なし」と発表され、同年度の秋は一般入試6名・社会人入試1名が合格しています。
倍率の数字を読むときの3つの注意
公式の入試結果を見るときは、数字の定義にも注意が必要です。第一に、倍率の分母に受験者数を使うか志願者数を使うかで値が変わります。明治学院大学や日本大学経済学研究科のように受験者数を公表していない大学では、欠席者を含む志願者数で割った値しか出せません。第二に、合格者数には入学を辞退した人も含まれるため、入学者数とは一致しません。横浜市立大学国際マネジメント研究科の2026年度第2期は合格3名に対して入学者2名でした。第三に、母数が10名前後の回では1〜2名の増減で倍率が大きく変わるため、単年度の値よりも3年程度の推移で傾向をつかむことをおすすめします。
以上をまとめると、春入試の倍率は「春だから低い」「春だから高い」という単純な法則では説明できません。秋より低い年・専攻もあれば、秋の倍以上になる年・専攻もあり、合格者ゼロの回もあります。大学院の難易度を倍率以外の観点から測る方法は大学院入試の難易度ランキング【文系・理系別】でも詳しく解説しています。
春入試の難易度を左右する4つの要因|「若干名」「不実施」「国内出願のみ」
前章のとおり、春入試の倍率は大学・専攻・年度によってばらつきます。では、そのばらつきは何によって生まれるのでしょうか。公式の募集要項を読み比べると、春入試の難易度を左右する要因は大きく4つに整理できます。
要因1:募集人員が「若干名」の回が多い
横浜市立大学の2027年度募集概要を見ると、国際マネジメント研究科やデータサイエンス研究科の博士前期第2期は募集人員が「若干名」と記載されています。「若干名」は合格者数の上限を事前に示さない表記なので、1名しか合格しない年もあれば、受験者のほとんどが合格する年もあり得ます。前章で見た国際マネジメント研究科の第2期が1.1倍から7.7倍まで振れたのは、まさにこの構造の表れと考えられます。一方、都市社会文化研究科のように第1期・第2期とも募集10名と同数の枠を設けている例もあり、春の枠が必ず小さいとは限りません。
要因2:前の期で定員に達すると実施されない場合がある
春入試の中には、前の期の結果しだいで実施そのものが決まる回があります。横浜市立大学データサイエンス研究科の第2期には「第1期で定員に達した場合は実施しません」、生命医科学研究科の第3期には「第2期で定員に達した場合は実施しません」という注記があります。実際に2026年度入試結果では、データサイエンス専攻(博士前期)の第2期の欄が網掛けになっており、実施されなかったことがわかります。筑波大学の物理学学位プログラムでも、2020年10月の告知で、2月期入試は9月期・10月期の合格者数をふまえて実施する可能性がある、と案内していました。
こうした回は、前の期で埋まらなかった枠を補う性格を持っているといえます。ただし、すべての春入試がこの型ではありません。明治学院大学の社会福祉学専攻のように一般入試が春にしかない専攻や、國學院大學の博士後期課程のように主に春季に実施している課程もあります。「春入試=補充募集」と決めつけず、要項の注記を一つずつ確認してください。
要因3:国内出願のみ・在留資格の条件がある
上智大学の2027年度募集要項は、2月入試について「国内出願のみ」と定めています。理由として、国外出願で合格した場合に必要な在留資格認定証明書(COE)の審査に約2か月以上かかり、2月入試で合格しても入学日までに在留資格を取得できないことが挙げられています。ICUの2027年度要項でも、日本国籍を有しない人で入学時までに有効な中長期の在留資格を持たない場合は、4月入学春季選考に出願できないと明記されています。海外在住の受験生が春入試の対象外になる大学があるため、受験者層は秋とは異なる構成になり得ます。
要因4:受験者層の違い(社会人・秋の再受験者)
國學院大學経済学研究科の春季は志願者の多くが社会人入試でした。年末に仕事の繁忙期を越えてから準備できる社会人や、秋入試の結果を受けて再挑戦する受験生など、春入試には秋とは違う動機を持つ人が集まりやすいと考えられます。秋に一度受験して試験形式を経験している人が含まれる分、受験者のレベルが下がるとは言い切れません。
| 要因 | 公式に確認できた例 | 受験生への影響 |
|---|---|---|
| 募集人員「若干名」 | 横浜市立大学 国際マネジメント・データサイエンス第2期 | 倍率が年度で大きく変動 |
| 前の期で定員充足なら不実施 | 横浜市立大学 データサイエンス第2期・生命医科学第3期、筑波大学 物理学(2021年度2月期) | 実施の有無を直前まで確認する必要 |
| 国内出願のみ・在留資格条件 | 上智大学 2月入試、ICU 4月入学春季選考 | 海外在住者は秋や9月入学へ |
| 受験者層の違い | 國學院大學 経済学(春季は社会人が中心) | 入試区分ごとに競争相手が変わる |
この4要因を踏まえると、春入試の難易度は「時期」ではなく「その回の枠の大きさ・実施条件・受験者層」で決まると考えるのが現実的です。志望先の過去3年分の結果と、2027年度要項の注記を必ずセットで確認しましょう。
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春入試を実施する研究科の傾向|私立文系・MBA・国立第2次募集
春入試はどのような研究科で多く見られるのでしょうか。今回確認した公式資料の範囲で、春入試を実施している研究科のタイプを整理します。今回確認した首都圏の私立大学では、人文・社会科学系に2月実施の回を持つ研究科が多い一方(ただし早稲田大学の文学・教育学研究科の修士一般入試のように秋の1回だけの研究科もあります)、国立大学では「第2次募集」「第2期」として2月に追加の回を設けている例が目立ちます。
私立大学の人文・社会科学系研究科
國學院大學(文学・法学・経済学)、大東文化大学(文学・経済学・法学・外国語学・アジア地域・経営学)、明治学院大学(社会学・心理学・文学など)、学習院大学(人文科学)、青山学院大学(教育人間科学・経営学)、上智大学(2月入試を全専攻共通の日程で設定)、ICU(アーツ・サイエンス研究科の春季選考)など、首都圏の私立大学の人文・社会科学系では、2月の入試が標準的な選択肢になっています。中には大東文化大学の書道学専攻のように春季にしか募集しない専攻もあり、「春が本番」の研究科も存在します。
MBA・ビジネス系・専門職大学院
ビジネス系の研究科は社会人の受験者が多く、仕事と両立しながら受験できるよう複数回の入試を組む傾向があります。学習院大学経営学研究科のB日程(最終選考2月25日)や青山学院大学経営学研究科の一般入試(春)のように、2月に最終選考を行う回が見られます。社会人入試の比重が大きい点は、國學院大學経済学研究科の春季データとも共通しています。
国立・公立大学の第2次募集・第2期
国公立大学では、夏(7〜8月)または秋(9〜10月)の第1次募集が中心で、2月の回は「第2次募集」「第2期」として位置づけられることが多いようです。名古屋大学情報学研究科は2026年2月に第2次募集を行い、受験者84名中39名が合格しました。横浜市立大学は都市社会文化・国際マネジメント・データサイエンスなどの研究科で2月に第2期を実施しています。東北大学大学院経済学研究科は2026年3月5日付で2026年4月入学の博士前期合格者(経済経営リサーチコース14名・高度グローバル人材コース6名)を公示しており、国立大学でも3月に合格発表がある例が確認できます。
教職大学院・国立大学の2月下旬〜3月実施の回
国立大学の中には、2月下旬から3月にかけて追加の入試を行うところもあります。信州大学大学院総合人文社会科学研究科は前期・後期・第3次の3回の入試を設けており、2026年度入学向けの第3次は人間文化学・心理学分野が2026年2月27日、経済学・法学分野が3月3日に実施されました。ただし2027年度向けの第3次は「前期・後期で募集人員が充足した場合は実施しない」とされています。
| 大学・研究科 | 回 | 2026年度入学 志願/受験/合格 | 備考 |
|---|---|---|---|
| 信州大学 総合人文社会科学研究科(修士) | 前期(9月) | 44/41/20 | 研究科合計 |
| 同上 | 後期(1月) | 30/27/9 | 研究科合計 |
| 同上 | 第3次(2月下旬〜3月) | 3/3/0 | 一部分野のみ実施 |
| 福井大学 連合教職開発研究科(教職大学院) | 一般 第1回(2026/2/7) | 53/53/47 | 課程計 |
| 同上 | 一般 第2回(2026/2/28) | 9/7/7 | 課程計 |
出典:信州大学 2026年度大学院総合人文社会科学研究科 入試状況一覧、福井大学 令和8年度大学院入試状況。
教職大学院では、福井大学連合教職開発研究科が一般選抜の第1回・第2回をいずれも2〜3月に実施しており、2027年度は第2回の試験が2027年2月27日、合格発表が3月10日です。千葉大学教育学研究科高度教職実践専攻も、2026年度入学向けに3月1日試験の二次募集を行いました。一方で、東京学芸大学は令和7年度入試の案内で「教職大学院では第2次募集は行いません」と明記しています。教職大学院の春の募集は大学ごとの差が大きいため、志望校の要項で個別に確認してください。
spring-online.jpの大学別「春入試」記事一覧
各研究科の試験科目・研究計画書のポイント・口述試験の傾向は、大学別の記事で詳しく解説しています。日程や科目は年度で変わるため、記事とあわせて最新の募集要項も必ずご確認ください。
| 分野 | 大学別記事 |
|---|---|
| 経済・経営・ビジネス | 國學院大學 経済学研究科、大東文化大学 経営学研究科、青山学院大学 経営学研究科、立教大学 経営学研究科、立教大学 ビジネスデザイン研究科、東京理科大学 技術経営専攻(MOT) |
| 心理学 | 青山学院大学 教育人間科学研究科 心理学専攻、立教大学 現代心理学研究科 心理学専攻 |
| 社会福祉・コミュニティ | 明治学院大学 社会学研究科 社会福祉学専攻、立教大学 コミュニティ福祉学研究科 |
| 人文・学際 | 学習院大学 人文科学研究科、ICU アーツ・サイエンス研究科、茨城大学 人文社会科学研究科 |
| スポーツ科学 | 早稲田大学 スポーツ科学研究科 |
なお、「春入試」と呼ばれていても、研究科によっては試験が1月に行われる場合があります。本記事では2月・3月実施の回を中心に扱っていますが、志望先の試験月は各記事と最新の要項で個別に確かめてください。
秋入試に落ちた人が春入試で逆転するための対策
春入試を受ける人の中には、夏・秋の入試で不合格になり、同じ年度のうちに再挑戦する人が少なくありません。秋から春までは約3〜4か月しかないため、やみくもに勉強量を増やすのではなく、不合格の原因を特定して書類と面接を作り直すことに時間を使うのが効果的です。
ステップ1:不合格の原因を3つに分けて特定する
大学院入試の不合格は、多くの場合「研究計画書の問題」「筆記試験(専門科目・語学)の得点不足」「口述試験での受け答え」のいずれか、または複数の組み合わせで起こります。国内の大学院入試では得点開示の制度がない研究科も多いため、試験直後の手応えや、口述試験で受けた質問の内容をメモに残しておくことが原因分析の材料になります。
| 不合格の主な原因 | 秋の試験で見られるサイン | 春までに取り組むこと |
|---|---|---|
| 研究計画書 | 口述試験で研究目的・方法への質問が集中した | 問いを一文で言える形に絞り、先行研究との差分を明確にする |
| 専門科目 | 論述で書けない設問が複数あった | 過去問の出題分野を洗い出し、論述の型を作る |
| 語学 | 英文和訳・要約の時間が足りなかった | 外部試験スコアの提出可否を確認し、読解速度を上げる |
| 口述試験 | 想定外の質問に答えられなかった | 研究計画書の各段落に対する質問を自作して模擬面接 |
ステップ2:研究計画書は「出し直し」ではなく「作り直し」
先述のとおり、慶應義塾大学法学研究科では秋期と春期の両方を受験する場合でも出願書類の提出は免除されず、すべて改めて提出する必要があります。他大学でも、春入試は新しい出願として扱われるのが一般的です。秋に出した研究計画書をほぼそのまま再提出すると、同じ評価を受ける可能性が高くなります。研究の問いを絞り込む、先行研究の整理を厚くする、調査方法を具体化する、指導を希望する教員の研究との接点を明確にする、といった改善を加えましょう。
ステップ3:試験形式の違いを確認する
同じ研究科でも、秋と春で試験形式が異なることがあります。慶應義塾大学法学研究科の春期入試では、出願時に論文PDF・要約のアップロード(2027年1月7日締切)が求められます。横浜市立大学データサイエンス研究科の博士前期は、第1期が専門科目と口述試験であるのに対し、第2期は口述試験(英語・統計スコア必須)と記載されています。秋と同じ対策をそのまま繰り返すのではなく、春の試験科目に合わせて準備の重点を組み替えてください。
ステップ4:口述試験は「なぜ再受験か」まで準備する
秋に同じ研究科を受けている場合、口述試験で「前回からどこを改善したか」を問われる可能性があります。問われなくても、改善点を自分の言葉で説明できる状態にしておくと、研究計画書の説得力が増します。研究計画書の想定質問を20〜30問ほど作り、第三者に模擬面接をしてもらうと、自分では気づかない弱点が見えてきます。
ステップ5:春入試と並行して来年度の選択肢も持つ
春入試は「その年度の4月入学」に間に合う最後の機会ですが、募集が若干名の回や実施されない回もあります。春入試に全力を注ぎつつ、翌年度の夏・秋入試、研究生としての出願、別の研究科の併願など、次の選択肢も並行して検討しておくと精神的な負担が軽くなります。不合格後の進路の考え方は大学院入試に落ちた後の選択肢で詳しくまとめています。
ステップ6:直前1か月の過ごし方
試験の1か月前からは、新しい知識を詰め込むよりも、研究計画書の内容を自分の言葉で説明する練習と、過去問の時間配分の確認に集中しましょう。口述試験では、研究の目的・方法・先行研究との違い・修了後の進路をそれぞれ1分程度で話せるようにしておくと、想定外の質問にも落ち着いて対応できます。筆記試験がある研究科では、過去問を本番と同じ時間で解き、答案を見直す時間まで含めて練習しておくことが得点の安定につながります。
社会人・既卒者・留学生が春入試を使うときの注意点
春入試は、年末まで仕事の繁忙期が続く社会人や、卒業後しばらく経ってから大学院を目指す既卒者にとって使いやすい時期です。ただし、試験が2月でも、その前段階の手続きの締切は秋のうちに来ることがあります。ここでは、公式要項で確認できた注意点を整理します。
出願資格審査の締切は試験よりかなり早い
大学を卒業していない人(短大・専門学校卒業者など)や、海外の学歴で出願する人は、出願前に「個別の入学資格審査」を受ける必要がある場合があります。ICUでは春季選考の個別資格審査が2026年9月30日必着と、試験日(2027年2月2日)の4か月以上前に設定されています。慶應義塾大学法学研究科でも、修士課程春期入試の出願資格に関する問い合わせは2026年11月26日までとされています。大東文化大学は春季の出願資格審査申請期間を2027年1月8日〜1月12日としています。自分が資格審査の対象かどうかを、夏のうちに確認しておくことが重要です。
| 大学・研究科 | 手続き | 締切・期間 | 試験日 |
|---|---|---|---|
| ICU(春季選考) | 個別の入学資格審査 | 2026/9/30 必着 | 2027/2/2(面接) |
| 慶應義塾大学 法学研究科(春期) | 出願資格の問い合わせ | 2026/11/26まで | 2027/2/26・27 |
| 大東文化大学(春季) | 出願資格審査の申請 | 2027/1/8〜1/12 | 2027/2/13 |
英語外部試験スコアの有効期間
英語の外部試験スコアを提出する研究科では、受験日の条件を確認しましょう。慶應義塾大学法学研究科の2027年度要項では、春期入試出願者が提出できるスコアは2025年1月1日以降に受験したものとされています。横浜市立大学データサイエンス研究科の第2期のように、英語・統計のスコア提出が必須とされている回もあります。スコアの取得には受験申込から結果通知まで数週間かかることが多いため、出願期間から逆算して受験日を決めてください。
海外在住者・外国籍の方は春入試に出願できない場合がある
先述のとおり、上智大学の2月入試は国内出願のみで、国外出願者は9月入試に出願するよう案内されています。ICUも、中長期の在留資格を持たない外国籍の方は4月入学春季選考に出願できず、4月入学秋季選考か9月入学選考を選ぶ必要があります。海外赴任中の社会人や海外の大学に在籍している方は、春入試ではなく秋入試を本命に据える計画が必要になる場合があります。
入学手続の締切と勤務先・資金の調整
春入試は合格発表から入学手続締切までの期間が短めです。上智大学は合格発表が3月1日、入学手続締切が3月10日。ICUは合格発表が2月16日、入学手続締切が3月8日(消印有効)。慶應義塾大学文学研究科は2月26日に合格発表があり、入学手続期間は3月1日〜5日です。社会人の方は、勤務先への報告や働き方の調整、入学金・授業料の資金準備を合格前から段取りしておくと安心です。
社会人入試の区分を確認する
國學院大學経済学研究科のように、春季に社会人入試の志願者が多く集まる研究科もあります。一般入試と社会人入試では試験科目や出願資格(実務経験年数など)が異なることがあるため、自分がどちらの区分で出願できるのかを要項で確認し、有利な区分を選びましょう。
春入試の併願戦略とスケジュール逆算(10月〜3月)
春入試を最大限に活かすには、複数の研究科を組み合わせた併願計画と、出願締切からの逆算が欠かせません。ここでは2027年4月入学を目指す場合の具体的な組み立て方を紹介します。
併願を組むときの3つの原則
- 試験日が重ならない組み合わせにする(同一大学内でも試験日が同じ専攻は併願不可の場合がある)
- 合格発表と入学手続締切の前後関係を確認する(第1志望の発表前に併願先の手続締切が来ないか)
- 出願期間が早い研究科から書類を仕上げる(11月締切の大学を最優先)
上智大学の要項では、9月入試・2月入試・7月入試の併願は可能としつつ、試験日が同じ専攻の併願受験はできないと定めています。他大学との併願では、たとえば2027年2月13日には國學院大學文学研究科・大東文化大学・明治学院大学社会学研究科・東洋大学白山の一部研究科の試験が重なっており、土曜日に試験日が集中しやすいことがわかります。
入学手続締切の順番に注意
併願で特に注意したいのが、入学手続締切の順番です。たとえばICUの入学手続締切は3月8日、上智大学の合格発表は3月1日・手続締切は3月10日、慶應義塾大学文学研究科の入学手続期間は3月1日〜5日です。第1志望の合格発表より前に併願先の手続締切が来る場合、入学金を納めて押さえるかどうかの判断が必要になります。入学金の返還可否も大学によって異なるため、要項の「入学辞退」の項目まで目を通しておきましょう。
月別の逆算スケジュール(2027年4月入学の場合)
| 時期 | やること | 関連する締切の例 |
|---|---|---|
| 2026年9〜10月 | 秋入試の結果を確認、春入試の候補を3〜5校に絞る。資格審査の要否を確認 | ICU 個別資格審査 9/30 |
| 2026年10〜11月 | 研究計画書を作り直し、指導希望教員の研究を読み込む。英語スコアを取得 | ICU 出願 11/13〜11/27、慶應法学 資格の問い合わせ 11/26 |
| 2026年11〜12月 | 早期締切の大学に出願、過去問演習 | 上智 Web出願 11/27〜12/9、慶應 出願登録 12/14〜12/24 |
| 2027年1月 | 残りの大学に出願、口述試験の想定問答を作成 | 國學院 1/7〜1/22、学習院 1/12〜1/14、大東文化 1/21〜1/27 |
| 2027年2月 | 試験本番。合格発表と手続締切を管理 | ICU 面接 2/2、大東文化・國學院文学 2/13、上智 2/16・17、慶應文学 2/24 |
| 2027年3月 | 入学手続。3月実施の入試があれば受験 | 大東文化 スポーツ・健康科学 3/4、東洋 公民連携 3/6 |
春入試だけに頼らない受験計画を
春入試は秋の結果を見てから動ける便利な機会ですが、出願締切が早い大学ほど秋の結果を待つ余裕がありません。最初から「秋入試と春入試をセットで受ける」前提で研究計画書と出願書類を準備しておけば、秋の結果が出た時点ですぐに春の出願に移れます。秋・春の両方を視野に入れた年間計画は、大学院入試対策コースでも個別にご相談いただけます。
よくある質問(FAQ)
大学院の春入試は受かりやすいですか?
一概に受かりやすいとは言えません。國學院大學経済学研究科のように春季のほうが倍率が低い年がある一方、横浜市立大学国際マネジメント研究科の2026年度第2期のように受験23名中3名合格(約7.7倍)という回もあります。明治学院大学社会学専攻の春のように合格者0名の年もあるため、志望専攻の過去3年分の結果を確認して判断してください。
大学院の春入試と冬入試は何が違いますか?
多くの場合、呼び方が違うだけで同じ時期の入試を指しています。東北大学文学研究科は2024年度入試から「春期入試」を「冬期入試」に名称変更し、原則2月上旬に実施しています。名称ではなく、試験月と入学時期(翌年4月入学かどうか)で判断するのが確実です。
秋入試に落ちても同じ研究科の春入試を受けられますか?
多くの研究科で受験できます。慶應義塾大学法学研究科の要項には、秋期入試不合格により春期入試も受験する場合を例に挙げた注記があり、再受験が想定されています。ただし出願書類はすべて改めて提出する必要があるため、研究計画書は改善してから出し直しましょう。
3月に試験がある大学院はありますか?
数は少ないものの存在します。2027年度入学向けでは、大東文化大学スポーツ・健康科学研究科の3月入試(試験2027年3月4日)、東洋大学経済学研究科公民連携専攻(試験3月6日)が公式資料で確認できました。国立大学でも、信州大学総合人文社会科学研究科の第3次(2026年度入学向けは3月3日実施の分野あり)や、千葉大学教職大学院の二次募集(2026年3月1日試験)があります。ただし前の回で定員が埋まると実施されない場合があります。
春入試の倍率はどこで調べられますか?
各大学の大学院入試ページにある「入試結果」「入試実施状況」や、募集要項の巻末に掲載されていることが多いです。ただし慶應義塾大学のように入試回別の数字は公表せず年間合計のみの大学や、上智大学のように9月・2月を合算している大学もあります。回別に知りたい場合は、合格者番号の一覧から人数を確認する方法もあります。
春入試で合格したら入学はいつですか?
原則として同じ年の4月入学です。合格発表から入学手続締切までは、上智大学で約10日(3月1日発表・3月10日締切)など短い期間であることが多いため、入学金の準備や勤務先との調整を早めに進めておきましょう。
留学生や海外在住者も春入試を受けられますか?
大学によっては受けられません。上智大学の2月入試は国内出願のみで、国外出願の場合は9月入試に出願するよう案内されています。ICUでも、中長期の在留資格を持たない外国籍の方は4月入学春季選考に出願できません。海外在住の方は秋入試や9月入学を軸に計画してください。
春入試の準備はいつから始めればよいですか?
遅くとも試験の4〜5か月前、つまり前年の9〜10月には始めるのがおすすめです。上智大学やICUは11月中に出願が締め切られ、ICUの個別資格審査は9月30日必着です。研究計画書の作成と英語スコアの取得には時間がかかるため、秋入試と並行して準備しておくと安心です。
まとめ|大学院の春入試は「時期」ではなく「その回の条件」で難易度が決まる
大学院の春入試(2月・3月入試)について、2027年度の日程と公式の入試結果をもとに整理してきました。最後に要点を振り返ります。
- 春入試は翌年4月入学向けに1〜3月に行う入試の総称で、「春期」「冬期」「2月入試」「第2期」「第2次募集」など呼び方は大学ごとに異なる
- 2027年度入学向けの春入試は2月中旬〜下旬の試験が中心だが、出願は2026年11月下旬〜2027年1月下旬に集中している
- 倍率は大学・専攻・年度によって大きく異なり、「春は受かりやすい」とは言えない(國學院経済は春が低い年、横浜市大国際マネジメントは春が約7.7倍の年もある)
- 募集人員「若干名」、前の期で定員充足なら不実施、国内出願のみ、受験者層の違いが難易度を左右する
- 秋の不合格から再挑戦する場合は、出願書類を作り直し、春の試験形式に合わせて対策を組み替える
- 資格審査や英語スコアの締切は試験より数か月早いことがあるため、夏〜秋のうちに確認する
- 併願は試験日の重複と入学手続締切の順番に注意して組む
春入試は、秋入試で結果が出なかった人や、社会人として準備期間を確保したい人にとって、同じ年の4月入学をつかむ貴重な機会です。その一方で、枠の小ささや実施条件によって倍率が大きく変動するため、前年の数字だけで「狙い目」と判断するのは危険です。志望研究科の過去数年分の結果と最新の募集要項を確認し、自分に合った回を選びましょう。
研究科ごとの試験科目や口述試験の傾向は、本記事で紹介した大学別の「春入試」記事で詳しく解説しています。限られた期間で研究計画書を作り直し、口述試験まで仕上げるのは簡単ではありません。独学での対策に不安がある場合は、専門の指導を活用するのも一つの方法です。スプリング・オンライン家庭教師の大学院入試対策コースでは、志望研究科に合わせた研究計画書の添削や口述試験の対策を行っていますので、お気軽にご相談ください。
冬入試・二次募集・春入試の倍率データや再挑戦のスケジュールは、大学院の冬入試は受かりやすい?夏との倍率比較、大学院の二次募集は受かりやすい?一次との倍率比較、院試に落ちたら冬・春入試でリベンジする方法でも詳しく解説しています。志望研究科の状況に合わせてあわせて確認してください。
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